説明

カメラ装置

【課題】種々の用途に適用可能となるように設計上の自由度を向上させることができるカメラ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】カメラ装置10は、被写体を撮像して画像データを取得する撮像モジュール20と、外部機器と通信する外部通信モジュール40と、を含む異なる機能を有する3以上のモジュールのうち、少なくとも撮像モジュール20および外部通信モジュール40を含むように選択された複数のモジュールを着脱可能に連結して構成される。各モジュールは、共通化された共通信号によって互いに通信可能な通信部21,41を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像して画像データを記録するカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ装置は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を有するデジタルカメラの普及に伴い、様々な分野で使用されている。例えば、特許文献1には、工業分野に適用されたFA用カメラ装置が開示されている。このFA用カメラ装置によれば、電子部品装着装置において、取得した画像データによって基板認識を行い、部品を吸着したヘッドの位置決め精度の向上を図っている。このようなカメラ装置では、用途の多様化に伴って、要求される機能および性能も様々である。そして、要求された機能について汎用のカメラ装置では対応できない場合に、その機能を実装した専用のカメラ装置が必要となる。しかし、所定の機能に特化した専用のカメラ装置は、その製作に多くの時間を要し、汎用のカメラ装置と比較してコストが高くなることが懸念される。
【0003】
また、カメラ装置は、設置した後に用途や要求性能が変更されることがある。そうすると、これに伴う修正に多くの時間を要するため、用途変更などに即時に対応できない上に、修正コストがかかるという問題点があった。例えば、特許文献2には、撮像素子が設けられた撮像モジュールをカメラ本体に着脱可能に連結して構成されるカメラが開示されている。これにより、例えば、カメラ装置に要求される撮像範囲や分解能が変更されても撮像モジュールの交換により、ある程度の変更に対応することができるものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−294992号公報
【特許文献2】特開2004−304604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、工業分野を始め様々な分野で使用されるカメラ装置には、撮像モジュールの交換の他にも画像処理の種類や処理機能の変更の要請がある。さらには、通信を行う外部機器の変更によってはインターフェイスを修正する必要が生じ、またカメラ装置の設置場所などによっては外形寸法が制約されることもある。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、種々の用途に適用可能となるように設計上の自由度を向上させることができるカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明によると、被写体を撮像して画像データを取得する撮像モジュールと、外部機器と通信する外部通信モジュールと、を含む異なる機能を有する3以上のモジュールのうち、少なくとも前記撮像モジュールおよび前記外部通信モジュールを含むように選択された複数の前記モジュールを着脱可能に連結して構成され、各前記モジュールは、共通化された共通信号によって互いに通信可能な通信部を有する。
【0008】
請求項2に係る発明によると、請求項1において、前記モジュールには、前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理モジュールが含まれ、前記カメラ装置は、前記撮像モジュール、前記画像処理モジュール、および前記外部通信モジュールを着脱可能に連結して構成され、前記画像処理モジュールは、前記カメラ装置を構成した後に、前記画像処理を実行する論理回路を定義可能な回路素子を有する。
【0009】
請求項3に係る発明によると、請求項1または2において、前記撮像モジュールおよび前記外部通信モジュールは、前記カメラ装置を構成した後に、割り当てられた機能を実行する論理回路を定義可能な回路素子を有する。
【0010】
請求項4に係る発明によると、請求項1〜3の何れか一項において、前記モジュールは、連結される他の前記モジュールに対して、連結方向に垂直な平面内において異なる複数の角度を選択的に設定して連結可能な連結部を有する。
【0011】
請求項5に係る発明によると、請求項1〜4の何れか一項において、前記撮像モジュールは、当該撮像モジュールが取得した前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理機能をさらに有する。
【0012】
請求項6に係る発明によると、請求項1〜5の何れか一項において、前記モジュールは、連結される他の前記モジュールのメモリ部に記憶された当該モジュールの構成に係るハードウェア情報を入力し、当該ハードウェア情報に応じた処理を実行する。
【0013】
請求項7に係る発明によると、請求項1〜6の何れか一項において、前記モジュールは、異なる機能を有する複数のサブモジュールを着脱可能に連結して構成されることにより、当該モジュールに割り当てられた機能を有する。
【0014】
請求項8に係る発明によると、請求項1〜7において、前記モジュールには、前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理モジュールが含まれ、複数の前記モジュールを前記撮像モジュール、前記画像処理モジュール、および前記外部通信モジュールの順で連結して構成されている。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によると、カメラ装置は、異なる機能を有する3以上のモジュールから選択された複数のモジュールを着脱可能に連結して構成される。そして、各モジュールは、共通化された共通信号によって互いに通信可能な通信部を有しているので、複数のモジュールを要求に応じて連結することが可能となる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求される機能や性能を有するようにカメラ装置を構成することで、種々の用途に適用することができる。また、複数のモジュールは、モジュール単位での設計や検査が可能であり、既存のモジュールを流用することができる。これにより、専用のカメラ装置を製作する場合と比較して、開発工数を大幅に削減することができる。
【0016】
請求項2に係る発明によると、カメラ装置は、画像処理モジュールを含むように選択された複数のモジュールを連結して構成されている。そして、この画像処理モジュールは、カメラ装置を構成した後に、画像処理を実行する論理回路を定義可能な回路素子を有している。この回路素子は、広義のPLD(Programmable Logic Device)であって、論理回路を定義されることによって特定の画像処理を実行可能となる集積回路である。画像処理モジュールは、PLDを有することによって選択的に他のモジュールと連結されてカメラ装置を構成した段階で、そのカメラ装置が特定の用途に使用可能となるように論理回路を定義されて機能することができる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求に応じたカメラ装置を構成することができる。また、例えば、画像処理モジュールがPLDに含まれるFPGA(Field Programmable Gate Array)を有する場合には、より複雑で高度な画像処理が可能となる。
【0017】
ここで、特定用途に論理回路を定義可能な集積回路としてはPLDの他に、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)がある。このようなPLDおよびASICのような集積回路は、同じ処理を実行可能なマイコンに置き換えることは可能である。また、ASICは、実装面積を小さくできるなどPLDに対して優れている点はあるが、論理回路の書き換えができない。一方で、PLDは、定義した論理回路を書き換えることができるため、例えばカメラ装置の用途が変更され異なる画像処理を要求された場合などに、新たな論理回路を定義することで対応することができる。このように、複数のモジュールを選択的に連結して構成されるカメラ装置においては、画像処理モジュールがPLDを有することで、設計上の自由度をさらに向上させることができるとともに、画像処理モジュールの汎用性を向上させることができる。
【0018】
請求項3に係る発明によると、カメラ装置に少なくとも含まれる撮像モジュールおよび外部通信モジュールは、カメラ装置を構成した後に、割り当てられた機能を実行する論理回路を定義可能な回路素子(PLD)を有している。ここで、例えば、撮像モジュールは、被写体を撮像した際に、CCD(Charge Coupled Device)やCOMS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子に被写体光を結像させてデジタルの画像データに変換している。また、外部通信モジュールは、所定の通信形態や通信プロトコルによって外部機器と通信することになる。このように、撮像モジュールおよび外部通信モジュールは、モジュール単位で特定の処理を実行することを要求される。そこで、撮像モジュールおよび外部通信モジュールが上述したPLDを有することにより、カメラ装置を構成した段階で、割り当てられた機能実行する論理回路を定義することができる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求に応じたカメラ装置を構成することができる。
【0019】
請求項4に係る発明によると、モジュールの連結部は、他のモジュールと連結された際に、連結方向に垂直な平面内において異なる複数の角度を選択的に設定して連結可能な構成となっている。即ち、一方のモジュールは、連結される他方のモジュールに対して、連結部を中心に少なくとも2種類以上の角度のうち所定角度に設定して連結することができる。これにより、モジュール同士の連結角度の自由度を向上させることができる。例えば、カメラ装置が工業分野に適用された場合には、FA用カメラ装置は、電子部品装着装置や工作機械などの機内に配置され、カメラ装置の設置場所などによっては外形寸法が制約されることがある。そこで、連結されるモジュール同士が所定の角度となるように調整することで、カメラ装置の配置環境などに適応することができる。このように、本発明により、カメラ装置の設計上の自由度を向上させることができる。
【0020】
請求項5に係る発明によると、撮像モジュールは、画像データを取得する撮像機能に加えて、画像処理を実行する画像処理機能を有するものとしている。これにより、カメラ装置は、撮像モジュールおよび外部通信モジュールのみからなる最小の構成においても画像処理を実行することができるので、装置全体として小型化を図ることができる。
【0021】
請求項6に係る発明によると、モジュールは、連結される他のモジュールのハードウェア情報に応じて、割り当てられた機能を発揮するように処理を実行する。また、他のモジュールは、このモジュールの構成に係るハードウェア情報をメモリ部に記憶している。例えば、このモジュールが撮像モジュールであれば、撮像素子の画素数や画像転送速度などがハードウェア情報に該当する。そして、このハードウェア情報を画像処理モジュールが入力した場合には、画素数や画像転送速度に応じた画像処理を実行することになる。これにより、モジュールは、連結される他のモジュールが交換され、カメラ装置の構成が変更された場合においても、他のモジュールのハードウェア情報を入力することで、新たな構成に対応することができる。よって、設計上の自由度をさらに向上させることができるとともに、モジュールの汎用性を向上させることができる。
【0022】
請求項7に係る発明によると、モジュールは、異なる機能を有する複数のサブモジュールを着脱可能に連結して構成される。これにより、そのモジュールの外形に係る設計上の自由度を向上させることができる。また、サブモジュールの一部を交換することで、そのモジュールの機能や仕様を変更することができるので、モジュールの汎用性を向上させることができる。
【0023】
請求項8に係る発明によると、カメラ装置は、撮像モジュール、画像処理モジュール、および外部通信モジュールの順で連結して構成されている。例えば、カメラ装置は、撮像モジュールが取得した画像データを画像処理モジュールにより画像処理し、外部通信モジュールから外部機器へとデータ転送する。そのため、このような順で各モジュールを連結して構成することにより、各モジュール内の配線を複雑にすることなくコンパクトに設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第一実施形態:カメラ装置の使用状態の一例を示す概念図である。
【図2】複数のモジュールを選択的に連結して構成されたカメラ装置の模式図である。
【図3】カメラ装置の第一の選択例を示すブロック図である。
【図4】第二実施形態:カメラ装置の第二の選択例を示すブロック図である。
【図5】連結部の回転状態を示す模式図である。
【図6】第三実施形態:複数のサブモジュールを選択的に連結して構成されたモジュールの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のカメラ装置を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。
【0026】
<第一実施形態>
(カメラ装置10の構成)
第一実施形態のカメラ装置10について、図1〜図3を参照して説明する。また、本実施形態において、カメラ装置10は、電子部品装着装置1に組み込まれている構成としている。この電子部品装着装置1は、例えば、集積回路の製造工程において、プリント基板CBに複数の電子部品を実装する装置である。また、プリント基板CBは、クリームハンダ印刷機により電子部品の装着位置にハンダを塗布され、複数の装着装置を順に搬送されて電子部品が装着される。その後に、電子部品が装着されたプリント基板CBは、リフロー炉に搬送されてハンダ付けされることにより集積回路を構成する。
【0027】
この電子部品装着装置1は、図1に示すように、制御装置2と、カメラ装置10を備えている。制御装置2は、CPUおよびメモリなどから構成され、電子部品装着装置1に対する指令値やカメラ装置10およびセンサなどから出力される情報を入力する。そして、制御装置2は、これらの指令値や各種情報に基づいて、プリント基板CBに電子部品が適切に装着されるように電子部品装着装置1の各軸モータや各装置などを制御する。また、本実施形態において、カメラ装置10は、電子部品装着装置1が電子部品を装着する際に、コンベアなどの搬送装置によって規定位置まで搬送されたプリント基板CBを撮像する基板カメラとして用いられている。
【0028】
より詳細には、基板カメラであるカメラ装置10は、制御装置2との通信により入力した撮像指令に基づいて、規定位置まで搬送されてクランプされたプリント基板CBを撮像する。そして、カメラ装置10は、取得した画像データに対して所定の画像処理を実行して制御装置2に出力する。次に、制御装置2は、画像データからプリント基板CBの対角する二隅に設けられた基板マークを基準位置として認識する。これにより、制御装置2は、電子部品が設定された座標値に装着することが可能となる。つまり、プリント基板CBのクランプの際に生じる位置誤差を画像データに基づいて補正することで、部品実装の高精度化を図っている。このように、本実施形態においては、制御装置2はカメラ装置10の上位に位置する外部機器であって、プリント基板CBはカメラ装置10によって撮像される被写体である。
【0029】
この他に、カメラ装置10は、例えば、部品実装ヘッドの吸着ノズルに吸着された電子部品の状態を撮像する部品カメラなどにも用いることが可能である。さらには、複数の被写体を撮像するために複数の撮像素子を有する複眼のカメラ装置10として電子部品装着装置1に用いることもできる。何れの場合にも、カメラ装置10は、上位装置である制御装置2によって動作を制御されることになる。また、カメラ装置10は、電子部品が実装されたプリント基板CBを検査する基板検査装置に組み込むことも可能である。この場合には、カメラ装置10は、プリント基板CBを撮像する検査カメラとして用いられる。このように、カメラ装置10は、基板生産以外の用途にも用いることが可能である。この場合には、汎用のパソコンや専用の画像処理ボードなどが上位装置として用いられる。
【0030】
カメラ装置10は、異なる機能を有する3以上のモジュールから選択されたモジュールを着脱可能に連結して構成されている。本実施形態では、カメラ装置10は、図2に示すように、撮像モジュール20と、画像処理モジュール30と、外部通信モジュール40と、自律動作モジュール50と、光源モジュール60を含むモジュールのうち、撮像モジュール20、画像処理モジュール30、および外部通信モジュール40を一つずつ選択し、この順で連結して構成されている。
【0031】
また、例示している各モジュール20〜60は、互いに異なる機能を有している。そして、各モジュール20〜60には、同様の機能を有する複数種類のタイプが用意されている。また、各モジュール20〜60は、共通化された共通信号によってお互いに通信可能な通信部を有し、着脱可能な連結部が設けられた同形状の筐体に収容されている。そして、カメラ装置10は、各モジュール20〜60から用途に応じて選択し、自由に組み合わせることが可能となっている。また、同種のモジュールを複数連結することも可能である。各モジュール20〜60の機能および構成の詳細については後述する。
【0032】
撮像モジュール20は、被写体であるプリント基板CBを撮像して画像データを取得するモジュールである。この撮像モジュール20は、図3に示すように、PLD21と、メモリ部22と、連結部23と、レンズ部24と、イメージセンサ25を有している。PLD21は、撮像モジュール20がカメラ装置10を構成した後に、割り当てられた撮像機能を実行する論理回路を定義可能な回路素子である。より具体的には、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)などの集積回路である。
【0033】
そして、PLD21は、カメラ装置10の撮像モジュール20として必要な機能を有するように、専用ソフトウェアによって論理回路が定義される。PLD21に定義される論理回路は、イメージセンサ25を動作させるデバイスドライバ、連結される画像処理モジュール30と通信を行う通信プログラムなどである。また、この通信プログラムは、各モジュール20〜60の間で共通化された共通信号によって互いに通信可能としている。従って、PLD21は、撮像モジュール20における通信部としても機能している。
【0034】
メモリ部22は、撮像モジュール20の構成に係るハードウェア情報を記憶するフラッシュメモリである。メモリ部22は、本実施形態では、書き換えによる記憶内容の変更が可能であり、また電源が切れても記憶内容を保持する不揮発性としているが、読み出し専用の不揮発性メモリであるROM(Read Only Memory)としてもよい。上記のハードウェア情報は、具体的には、イメージセンサ25の画素数や画像転送速度などがある。また、メモリ部22は、PLD21による処理の際の一時記憶部としても動作可能である。連結部23は、他のモジュールと着脱可能に連結される部位である。撮像モジュール20は、画像処理モジュール30と連結され、連結部23を介して通信可能となるように電気的に接続される。
【0035】
レンズ部24は、被写体光を結像する光学系であり、図示しないレンズやレンズ保持部材などによって構成される。イメージセンサ25は、CCDやCMOS等の撮像素子である。このイメージセンサ25は、その撮像面がレンズ部24の光軸に対して直角となるように配置されている。そして、イメージセンサ25は、レンズ部24により撮像面に結像された光の強弱に応じて発生される信号電荷によってデジタル信号に変換し、被写体を撮像する。そして、イメージセンサ25から出力されるデジタル信号に基づいてPLD21が画像データに変換している。本実施形態においては、撮像モジュール20は、レンズ部24とイメージセンサ25を一組だけ有する構成としている。
【0036】
画像処理モジュール30は、撮像モジュール20が取得した画像データに対して画像処理を実行するモジュールである。この画像処理モジュール30は、図3に示すように、PLD31と、メモリ部32と、連結部33a,33bを有している。PLD31は、画像処理モジュール30がカメラ装置10を構成した後に、画像処理を実行する論理回路を定義可能な回路素子である。画像処理モジュール30のPLD31は、撮像モジュール20のPLD21と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0037】
画像処理モジュール30のPLD31に定義される論理回路は、基板カメラとしての画像処理プログラム、連結される撮像モジュール20および外部通信モジュール40と通信を行う通信プログラムなどである。この画像処理プログラムは、カメラ装置10から画像データを入力した制御装置2が基板マークを基準位置として認識できるように画像処理を実行するものである。この画像処理は、例えば、画像データの二値化、フィルタリング、色相抽出などであって、必要に応じて選択的に実装される。また、通信プログラムは、撮像モジュール20のPLD21に定義されたものと同様に、共通信号によって通信を行うものである。従って、PLD31は、画像処理モジュール30における通信部としても機能している。
【0038】
メモリ部32は、書き換えによる記憶内容の変更が可能であり、また電源が切れても記憶内容を保持する不揮発性のフラッシュメモリである。メモリ部32は、例えば、PLD31による画像処理の際に、一時的に画像データを保持するなど、補助的な記憶部として使用される。連結部33a,33bは、他のモジュールと着脱可能に連結される部位であり、画像処理モジュール30において対称な位置に設けられている。画像処理モジュール30は、撮像モジュール20および画像処理モジュール30と連結され、連結部33a,33bを介して通信可能となるように電気的に接続される。
【0039】
外部通信モジュール40は、外部機器である制御装置2と通信するモジュールである。この外部通信モジュール40は、図3に示すように、PLD41と、メモリ部42と、連結部43と、インターフェイスIC44を有している。PLD41は、外部通信モジュール40がカメラ装置10を構成した後に、割り当てられた外部通信機能を実行する論理回路を定義可能な回路素子である。外部通信モジュール40のPLD41は、撮像モジュール20のPLD21と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0040】
外部通信モジュール40のPLD41に定義される論理回路は、インターフェイスIC44を動作させるデバイスドライバ、連結される画像処理モジュールと通信を行う通信プログラムなどである。また、この通信プログラムは、撮像モジュール20のPLD21に定義されたものと同様に、共通信号によって通信を行うものである。従って、PLD41は、外部通信モジュール40における通信部としても機能している。
【0041】
メモリ部42は、外部通信モジュール40の構成に係るハードウェア情報を記憶するフラッシュメモリである。メモリ部42は、撮像モジュール20のメモリ部22と同様に、読み出し専用の不揮発性メモリであるROMとしてもよい。また、上記のハードウェア情報は、具体的には、インターフェイスIC44の転送速度や転送バス幅などがある。また、メモリ部42は、PLD41による処理の際の一時記憶部としても動作可能である。
【0042】
連結部43は、他のモジュールと着脱可能に連結される部位である。外部通信モジュール40は、画像処理モジュール30と連結され、連結部43を介して通信可能となるように電気的に接続される。インターフェイスIC44は、制御装置2と通信する所定の通信機能を有する電子回路である。このようなインターフェイスIC44としては、種々の通信プロトコルや通信規格などに応じて設計され、パラレルインターフェイスや同軸ケーブル、USBなどのデータ伝送路に対応した通信形態を有している。
【0043】
自律動作モジュール50は、撮像モジュール20が取得する画像データなどに基づいて、カメラ装置10における所定の動作を自動で行う機能を割り当てられたモジュールである。このような機能として、例えば、被写体の動きに合わせてカメラ装置10の撮像方向を変える自動追従機能、被写体の特定マークを認識して撮像モジュール20に撮像指令を出力する自動撮像機能などがある。そして、自律動作モジュール50は、何れの機能を有する場合においても、共通信号によって他のモジュールと通信可能な通信部を有している。この自律動作モジュール50の通信部は、自律動作機能を実行するPLDやマイコンなどに通信プログラムを実装するものとしてもよい。また、本実施形態において、自律動作モジュール50は、撮像モジュール20などの連結部と同形状に形成された連結部を有している。これにより、自律動作モジュール50は、何れのモジュールとも連結可能となっている。
【0044】
光源モジュール60は、上位装置である制御装置2の制御指令などに基づいて、カメラ装置10が撮像を行う際に被写体を照射する照明機能を割り当てられたモジュールである。このような光源モジュール60には、LEDや電球などを光源とし、照度センサによる測定値に応じて照射量を調整する機能を有するものとしてもよい。そして、光源モジュール60は、何れの構成により照明機能を有する場合においても、共通信号によって他のモジュールと通信可能な通信部を有している。この光源モジュール60の通信部は、照明機能を実行するPLDやマイコンなどに通信プログラムを実装するものとしてもよい。また、本実施形態において、光源モジュール60は、撮像モジュール20などの連結部と同形状に形成された連結部を有している。これにより、光源モジュール60は、何れのモジュールとも連結可能となっている。
【0045】
上記のような構成からなるカメラ装置10は、例えば、制御装置2による撮像指令に基づいて、プリント基板CBを撮像して、画像処理を実行した画像データを制御装置2に出力する。このように、カメラ装置10は、電子部品装着装置1において基板カメラとして用いられている。ここで、カメラ装置10は、撮像指令を入力すると、各モジュール20〜40のPLD21,31,41が所定のプログラムを実行して、被写体の撮像、画像処理、および画像データの出力を実行する。この時、各モジュール20〜40のPLD21,31,41は、予め設定された共通信号によって互いに通信している。より具体的には、PLD21,31,41は、例えば、バス形式で接続され、所定の転送速度により同期または非同期のシリアル通信を行う。このような構成とすることで、種々のモジュールを選択的に連結してカメラ装置を構成しても、各モジュールの間での通信を可能としている。
【0046】
さらに、画像処理モジュール30は、カメラ装置10の電源がオンになると、連結される撮像モジュール20のメモリ部22に記憶されたハードウェア情報を入力する。これにより、画像処理モジュール30は、撮像モジュール20の構成に係るハードウェア情報に応じて、所定の画像転送速度で画像データを入力し、所定の画素数に対応した画像処理を実行する。同様に、画像処理モジュール30は、連結されている外部通信モジュール40のメモリ部42に記憶されているハードウェア情報を入力する。これにより、画像処理モジュール30は、外部通信モジュール40の構成に係るハードウェア情報に応じて、画像処理を実行した画像データを外部通信モジュール40に転送する。
【0047】
(第一実施形態における効果)
上述したカメラ装置10は、異なる機能を有する3以上のモジュールのうち撮像モジュール20、画像処理モジュール30、および外部通信モジュール40を一つずつ選択し、これらを着脱可能に連結して構成される。また、各モジュール20〜40は、通信部として機能するPLD21,31,41を有し、共通化された共通信号によって互いに通信可能としている。このように、本実施形態では、基板カメラを用途とするカメラ装置10を例示した。
【0048】
また、異なる機能を有する各モジュールは、図2に示すように、その機能を発揮するために種々の形態が考えられる。例えば、撮像モジュール20においては、用途に応じてレンズ部24とイメージセンサ25の組み合わせにより異なる画素数の撮像モジュールを用意することが考えられる。さらには、複数組のレンズ部24とイメージセンサ25を有する複眼の撮像モジュールとしてもよい。画像処理モジュール30においては、必要な画像処理やコストを勘案して、PLDやメモリ部が異なる複数種類の形態を用意してもよい。外部通信モジュール40においては、上述したように、データ伝送路が異なる複数種類の形態を用意してもよい。自律動作モジュール50および光源モジュール60についても同様である。さらに、本実施形態では、上述したように異なる機能を有する各モジュール20〜60を例示したが、その他にも、各種センサにより電子部品装着装置1の情報を取得する機能を有するセンサモジュールなどのモジュールを選択可能に含めてもよい。
【0049】
また、何れのモジュールは、共通信号により相互に通信可能な通信部を有している。これにより、複数のモジュールを要求に応じて連結することが可能となる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求される機能や性能を有するようにカメラ装置を構成することで、種々の用途に適用することができる。また、複数のモジュールは、モジュール単位での設計や検査が可能であり、既存のモジュールを流用することができる。これにより、専用のカメラ装置10を製作する場合と比較して、開発工数を大幅に削減することができる。
【0050】
さらに、画像処理モジュール30は、カメラ装置10を構成した後に、画像処理を実行する論理回路を定義可能なPLD31を有するものとした。これにより、画像処理モジュール30は、選択的に他のモジュール20,40と連結されてカメラ装置10を構成した段階で、このカメラ装置10が基板カメラとして使用可能となるように論理回路を定義されて機能することができる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求に応じたカメラ装置10を構成することができる。また、PLD31をFPGA(Field Programmable Gate Array)とすれば、より複雑で高度な画像処理が可能となる。
【0051】
撮像モジュール20および外部通信モジュール40は、カメラ装置10を構成した後に、割り当てられた機能を実行する論理回路を定義可能なPLD21,41を有するものとした。ここで、撮像モジュール20は、プリント基板CBを撮像した際に、CCDやCOMSなどの撮像素子に被写体光を結像させてデジタルの画像データに変換している。また、外部通信モジュール40は、所定の通信形態や通信プロトコルによって外部機器と通信することになる。このように、撮像モジュール20および外部通信モジュール40は、モジュール単位で特定の処理を実行することを要求される。そこで、撮像モジュール20および外部通信モジュール40が上述したPLDを有することにより、カメラ装置10を構成した段階で、割り当てられた機能実行する論理回路を定義することができる。これにより、設計上の自由度が向上し、要求に応じたカメラ装置10を構成することができる。
【0052】
また、画像処理モジュール30は、連結される撮像モジュール20および外部通信モジュール40のハードウェア情報に応じて、画像処理を実行する。これにより、画像処理モジュール30は、連結される撮像モジュール20が交換され、カメラ装置10の構成が変更された場合においても、交換後の撮像モジュール20のハードウェア情報を入力することで、新たな構成に対応することができる。よって、設計上の自由度をさらに向上させることができるとともに、各モジュールの汎用性を向上させることができる。
【0053】
本実施形態において、カメラ装置10は、撮像モジュール20、画像処理モジュール30、および外部通信モジュール40の順で連結して構成するものとした。基板カメラとして機能するカメラ装置10は、撮像モジュール20が取得した画像データを画像処理モジュール30により画像処理し、外部通信モジュール40から外部機器へとデータ転送する。そのため、このような順で各モジュールを連結して構成することにより、各モジュール内の配線を複雑にすることなくコンパクトに設計することができる。
【0054】
<第二実施形態>
(カメラ装置110の構成)
第二実施形態のカメラ装置110について、図4,5を参照して説明する。本実施形態におけるカメラ装置110は、主として、第一実施形態と選択されるモジュールの構成が相違する。その他の共通する構成については、第一実施形態と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。本実施形態では、カメラ装置110は、図4に示すように、異なる機能を有する3以上のモジュールのうち、撮像モジュール120および外部通信モジュール140を一つずつ選択し、着脱可能に連結して構成されている。
【0055】
撮像モジュール120は、被写体を撮像して画像データを取得するモジュールである。この撮像モジュール120は、図4に示すように、PLD121と、メモリ部22と、連結部123と、レンズ部24と、イメージセンサ25を有している。ここで、メモリ部22、レンズ部24、およびイメージセンサ25は、第一実施形態と同様なので詳細な説明を省略する。PLD121は、FPGAまたはCPLDなどの集積回路であって、カメラ装置110の撮像モジュール120として必要な機能を有するように、専用ソフトウェアによって論理回路が定義される。
【0056】
本実施形態において、PLD121に定義される論理回路は、イメージセンサ25を動作させるデバイスドライバ、連結される外部通信モジュール140と通信を行う通信プログラム、用途に応じた画像処理プログラムなどである。PLD121は、この通信プログラムにより、第一実施形態と同様に、撮像モジュール120における通信部としても機能している。さらに、画像処理プログラムは、第一実施形態における画像処理モジュール30のPLD31に定義されたものと同様であり、イメージセンサ25により取得した画像データに画像処理を実行するものである。つまり、撮像モジュール120は、PLD121に定義された画像処理プログラムにより、画像処理モジュールと同等または簡易な画像処理機能を有している。
【0057】
連結部123は、他のモジュールと着脱可能に連結される部位である。撮像モジュール120は、外部通信モジュール140と連結され、連結部123を介して通信可能となるように電気的に接続される。また、撮像モジュール120の連結部123は、本実施形態では、円形の凸状に形成され、外部通信モジュール140の連結部143に連結される。
【0058】
外部通信モジュール140は、外部機器である制御装置2と通信するモジュールである。この外部通信モジュール140は、図4に示すように、通信部145と、メモリ部42と、連結部143と、インターフェイスIC44を有している。ここで、メモリ部42およびインターフェイスIC44は、第一実施形態と同様なので詳細な説明を省略する。通信部145は、各モジュールの間で共通化された共通信号によって互いに通信可能としている。そして、この通信部145は、撮像モジュール120のPLD121とメモリ部42の間、およびPLD121とインターフェイスIC44の間に介在することにより、制御装置2とPLD121の間での撮像指令や画像データの通信を可能としている。
【0059】
ここで、インターフェイスIC44のデバイスドライバは、撮像モジュール120のPLD121に定義されている。これにより、インターフェイスIC44は、通信部145を介して撮像モジュール120のPLD121により動作を制御されることになる。このように、カメラ装置110は、外部通信モジュール140はPLDなどの回路素子を有さない構成とし、撮像モジュール120において画像処理や外部通信などを統括して制御している。
【0060】
連結部143は、他のモジュールと着脱可能に連結される部位である。外部通信モジュール140は、撮像モジュール120と連結され、連結部143を介して通信可能となるように電気的に接続される。また、外部通信モジュール140の連結部143は、本実施形態では、円形の凹状に形成され、撮像モジュール120の連結部123に嵌合することにより連結される。このような構造により、撮像モジュール120は、図5に示すように、連結される外部通信モジュール140に対して、連結方向に垂直な平面内において異なる複数の角度を選択的に設定して連結可能となっている。
【0061】
(第二実施形態における効果)
上述したカメラ装置110によると、第一実施形態と同様の効果を奏する。また、カメラ装置110は、撮像モジュール120の連結部123と、外部通信モジュール140の連結部143とが嵌合して連結されるものとした。そうすると、撮像モジュール120は、外部通信モジュール140に対して電気的な接続状態を維持して、連結部123を中心に回転可能となっている。これにより、カメラ装置110は、各連結部123,143の連結角度を調整することにより、全体形状を容易に変更することができる。ここで、カメラ装置110は、電子部品装着装置の機内に配置されるものであり、設置場所などによっては外形寸法が制約されることがある。そこで、上記のような構成とすることで、連結されるモジュール同士が所定の角度となるように調整することが可能となり、カメラ装置110の配置環境などに適応することができる。
【0062】
また、撮像モジュール120は、画像データを取得する撮像機能に加えて、画像処理を実行する画像処理機能を有するものとした。これにより、カメラ装置110は、撮像モジュール120および外部通信モジュール140のみからなる最小の構成においても画像処理を実行することができるので、カメラ装置110全体として小型化を図ることができる。
【0063】
<第三実施形態>
(カメラ装置210の構成)
第三実施形態のカメラ装置210について、図6を参照して説明する。本実施形態におけるカメラ装置210は、主として、カメラ装置210を構成する所定のモジュールが複数のサブモジュールを連結して構成される点が第一実施形態と相違する。その他の共通する構成については、第一実施形態と実質的に同一であるため、詳細な説明を省略する。以下、相違点のみについて説明する。本実施形態では、カメラ装置210は、図6に示すように、異なる機能を有する3以上のモジュールのうち、撮像モジュール20、画像処理モジュール230、および外部通信モジュール40を一つずつ選択し、着脱可能に連結して構成されている。ここで、撮像モジュール20および外部通信モジュール40については、第一実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0064】
画像処理モジュール230は、撮像モジュール20が取得した画像データに対して画像処理を実行するモジュールである。この画像処理モジュール230は、異なる機能を有する複数のサブモジュールを着脱可能に連結して構成されている。本実施形態では、画像処理モジュール230は、図6に示すように、制御サブモジュール235と、メモリサブモジュール236と、連結サブモジュール237と、通信サブモジュール238を含むサブモジュールのうち、制御サブモジュール235とメモリサブモジュール236を一つずつと、連結サブモジュール237を二つ選択し、着脱可能に連結して構成されている。
【0065】
また、例示している各サブモジュール235〜238は、互いに異なる機能を有している。そして、各サブモジュール235〜238には、同様の機能を有する複数種類のタイプが用意されている。また、各サブモジュール235〜238は、着脱可能な連結部が設けられた同形状の筐体に収容されている。そして、画像処理モジュール230は、各サブモジュール235〜238から用途に応じて選択し、自由に組み合わせることが可能となっている。
【0066】
但し、複数のサブモジュールの組み合わせにより、画像処理モジュール230に割り当てられた機能を発揮するように構成する必要がある。そのため、本実施形態のように、画像処理モジュール230が複数のサブモジュールから構成される場合には、少なくとも画像処理を実行する、例えば制御サブモジュール235が構成に含まれるようにする必要がある。さらに、構成したモジュールが、カメラ装置210において他のモジュールと通信可能となるように、通信サブモジュール238を有するか、通信プログラムを定義された制御サブモジュール235を選択するなどして、通信部としての機能を構成する必要がある。
【0067】
また、制御サブモジュール235、メモリサブモジュール236、および連結サブモジュール237は、第一実施形態における画像処理モジュール30のPLD31、メモリ部32、連結部33a,33bに対応する機能を有するように、画像処理モジュール30をモジュール化したものである。制御サブモジュール235は、入力した画像データの画像処理を実行するために、例えば、FPGAなどのPLD、ASICやマイコンなどの回路素子が異なる複数種類の形態が用意されている。この制御サブモジュール235は、画像処理の他にも通信プログラムやデバイスドライバなどを定義されることにより、各部位の制御を実行する構成としてもよい。メモリサブモジュール236は、例えば、フラッシュメモリについて異なる容量の形態を複数用意されている。連結サブモジュール237は、例えば、他のモジュールと回転可能に連結、または連結個数などを勘案して、複数の連結方法に適応した形態が用意されている。
【0068】
通信サブモジュール238は、画像処理モジュール230が連結された他のモジュールと通信する機能を有するサブモジュールであり、第一実施形態におけるPLD31に定義された通信プログラムの機能に対応する。例えば、制御サブモジュール235としてASICやマイコンを有するサブモジュールが選択され、このASICに通信プログラムが定義されない場合には、他のモジュールと通信するために所定の通信機能を有する通信サブモジュール238が必要となる。そのため、通信サブモジュール238には、規格された共通信号に対応するように、所定の転送速度や同期または非同期のシリアル通信が可能となるように、種々の形態が用意されている。
【0069】
(第三実施形態における効果)
このような構成からなる画像処理モジュール230では、用途に応じてサブモジュールを取捨選択することが可能となる。また、カメラ装置210の運用状態においても、その用途やより高速処理への要求に応じて、サブモジュールを交換することで対応することが可能となる。本実施形態においては、画像処理モジュール230を例示して説明したが、同様に、撮像モジュール20や外部通信モジュール40、自律動作モジュール50、光源モジュール60などのモジュールについても、各部位をサブモジュール化する構成を適用することができる。これにより、その各モジュールの外形に係る設計上の自由度を向上させることができる。また、サブモジュールの一部を交換することで、そのモジュールの機能や仕様を変更することができるので、モジュールの汎用性を向上させることができる。
【0070】
<実施形態の変形態様>
実施形態(第一実施形態〜第三実施形態)において、各モジュールは、連結部により電気的に接続され互いに通信可能とするものとした。これに対して、各モジュールは、連結部により筐体同士を一体的に連結するのみとし、無線通信によって互いに通信する構成としてもよい。即ち、各モジュールの通信部は、共通化された共通信号によって無線通信を行い、撮像指令や画像データを転送する。このような構成においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0071】
また、例えば、第一実施形態において、カメラ装置10は、画像処理モジュール30がPLD31を有する構成とした。これに対して、カメラ装置10は、撮像機能を発揮するASICやマイコンなどの形態として用意された画像処理モジュール30を選択して構成されるものとしてもよい。即ち、各モジュールは、割り当てられた機能を発揮するために種々の形態を想定することが可能であり、例えば上記のようにマイコンとフラッシュメモリを組み合わせることにより、FPGAと同様の機能を低廉な構成により実現することが可能となる。
【0072】
第二実施形態においては、カメラ装置110は、撮像モジュール120のみがPLD121を有する構成とした。このように、複数のモジュールを連結した場合においても、一つのモジュールのみがPLDなどの制御可能な回路素子を有する構成としてもよい。そして、そのモジュールがカメラ装置におけるメインボードとして機能し、他のモジュールに対して種々の指令を送出するとともに、画像データの入力および外部機器への転送を制御する構成も可能である。
【0073】
また、何れのモジュールもPLDなどの制御可能な回路素子を有さない構成としてもよい。このような構成においては、外部装置からの撮像指令を受信すると、各モジュールが通信部により通信して、機械的に被写体の撮像を行った後に必要に応じて画像処理を実行し、再び外部装置に画像データを転送する。このように、カメラ装置は、必ずしもPLDなどの回路素子を必要とするものではない。但し、本発明のように、複数のモジュールを選択的に連結して構成されるカメラ装置においては、PLDを有することで画像処理の高度化や高速化、モジュールの設計上の自由度および汎用性を向上させることが可能となるため、このような観点からはPLDなどの回路素子を有することが好適である。
【符号の説明】
【0074】
1:電子部品装着装置、 2:制御装置
10,110,210:カメラ装置
20,120:撮像モジュール、 21,121:PLD(通信部)
22:メモリ部、 23,123:連結部、 24:レンズ部
25:イメージセンサ
30,230:画像処理モジュール、 31:PLD(通信部)、 32:メモリ部
33a,33b:連結部
235:制御サブモジュール、 236:メモリサブモジュール
237:連結サブモジュール、 238:通信サブモジュール(通信部)
40,140:外部通信モジュール、 41:PLD(通信部)、 42:メモリ部
43,143:連結部、 44:インターフェイスIC、 145:通信部
50:自律動作モジュール
60:光源モジュール
CB:プリント基板(被写体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像して画像データを取得する撮像モジュールと、外部機器と通信する外部通信モジュールと、を含む異なる機能を有する3以上のモジュールのうち、少なくとも前記撮像モジュールおよび前記外部通信モジュールを含むように選択された複数の前記モジュールを着脱可能に連結して構成され、
各前記モジュールは、共通化された共通信号によって互いに通信可能な通信部を有するカメラ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記モジュールには、前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理モジュールが含まれ、
前記カメラ装置は、前記撮像モジュール、前記画像処理モジュール、および前記外部通信モジュールを着脱可能に連結して構成され、
前記画像処理モジュールは、前記カメラ装置を構成した後に、前記画像処理を実行する論理回路を定義可能な回路素子を有するカメラ装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記撮像モジュールおよび前記外部通信モジュールは、前記カメラ装置を構成した後に、割り当てられた機能を実行する論理回路を定義可能な回路素子を有するカメラ装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項において、
前記モジュールは、連結される他の前記モジュールに対して、連結方向に垂直な平面内において異なる複数の角度を選択的に設定して連結可能な連結部を有するカメラ装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項において、
前記撮像モジュールは、当該撮像モジュールが取得した前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理機能をさらに有するカメラ装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項において、
前記モジュールは、連結される他の前記モジュールのメモリ部に記憶された当該モジュールの構成に係るハードウェア情報を入力し、当該ハードウェア情報に応じた処理を実行するカメラ装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか一項において、
前記モジュールは、異なる機能を有する複数のサブモジュールを着脱可能に連結して構成されることにより、当該モジュールに割り当てられた機能を有するカメラ装置。
【請求項8】
請求項1〜7において、
前記モジュールには、前記画像データに対して画像処理を実行する画像処理モジュールが含まれ、
複数の前記モジュールを前記撮像モジュール、前記画像処理モジュール、および前記外部通信モジュールの順で連結して構成されているカメラ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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