カメラ
【課題】複数の画像ファイルをグループ化すること。
【解決手段】制御装置104は、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の親画像ファイルに対して、一括して画像処理を施し、それによって生成される子画像ファイルを1つの子画像グループとして関連付けてメモリカードに記録する。
【解決手段】制御装置104は、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の親画像ファイルに対して、一括して画像処理を施し、それによって生成される子画像ファイルを1つの子画像グループとして関連付けてメモリカードに記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような画像処理装置が知られている。この画像処理装置は、入力された画像データに対して複数の処理条件で画像処理を行なって複数の画像データを生成し、生成した複数の画像データにそれらが一組の画像データであることを示す情報を付加する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−264794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像処理装置では、複数の画像データに対して同一内容の画像処理を一括して行う場合は想定していないため、この場合には、使用者は、複数の画像データのそれぞれに対して、複数回同一内容の画像処理を施す必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカメラは、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段による画像処理によって生成される複数の画像ファイルを1つの子画像グループとして記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、記録制御手段は、画像処理後の各画像ファイル(子画像ファイル)が1つの子グループに属することを示す子グループ情報と、子画像ファイルとその生成元となった画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)との親子関係を示す関連付け情報とを生成して記憶媒体に記録するようにしてもよい。
親画像ファイルの画像と子画像ファイルの画像とを表示装置に表示する表示制御手段をさらに備え、複数の親画像ファイルが1つの親グループに属することを示す親グループ情報が記憶媒体に記録されており、表示制御手段は、使用者によって表示画像の切り替え操作が行われた場合には、親グループ情報と子グループ情報と関連付け情報とを参照して、使用者の操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うようにしてもよい。
画像処理手段は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理を施すことができ、記録制御手段は、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施すことができ、それらを1つのグループとして関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】カメラ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報を示す図である。
【図3】子画像ファイルのヘッダ情報に記録される関連付け情報を示す図である。
【図4】親画像ファイルのヘッダ情報に記録される関連付け情報を示す図である。
【図5】画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報および関連付け情報の具体例を模式的に示した図である。
【図6】十字キーの操作に応じた表示画像の切り替え例を示す図である。
【図7】一括画像処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】画像表示処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】十字キーの縦方向操作が行われた場合の親画像ファイルと子画像ファイルとの間の画像遷移を模式的に示した図である。
【図10】十字キーの縦方向操作が行われた場合の親画像ファイルと子画像ファイルと孫画像ファイルとの間の画像遷移を模式的に示した図である。
【図11】画面を2分割して親画像ファイルと子画像ファイルとを表示する場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、操作部材101と、レンズ102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0009】
レンズ102は、複数の光学レンズから構成されるが、図1では代表して1枚のレンズで表している。レンズ102を構成するレンズには、ズーム倍率を変更するためのズームレンズや、焦点調節を行うための焦点調節用レンズ(AFレンズ)等が含まれる。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSなどのイメージセンサーであり、レンズ102により結像した被写体像を撮像する。そして、撮像によって得られた画像信号を制御装置104へ出力する。
【0010】
制御装置104は、撮像素子103から入力された画像信号に基づいて所定の画像形式、例えばJPEG形式の画像データ(以下、「本画像データ」と呼ぶ)を生成する。また、制御装置104は、生成した画像データに基づいて、表示用の画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、生成した本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成する。そして、制御装置104は、生成した画像ファイルに一意のファイル名を付けた後、メモリカードスロット105へ出力してメモリカードに記録する。本実施の形態では、制御装置による画像ファイルの生成処理、および生成した画像ファイルのメモリカードへの記録処理を撮影処理と呼ぶこととする。
【0011】
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット105は、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0012】
モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。また、制御装置104は、使用者によってカメラ100のモードが撮影モードに設定されると、撮像素子103から時系列で取得した画像の表示用画像データをモニタ106に出力する。これによってモニタ106にはスルー画が表示される。
【0013】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ100を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置104が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
【0014】
本実施の形態では、制御装置104は、使用者によって連写が指示され、1回の連写で複数の画像ファイルを生成した場合には、それら複数の画像ファイルが一組の画像ファイルグループとなるように関連付けて記録する。具体的には、制御装置104は、画像ファイルのヘッダ情報にグループ情報を付加することによって、複数の画像ファイルを一組の画像ファイルグループとして関連付ける。
【0015】
各画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図2に示すような情報がグループ情報として記録される。すなわち、連写の種類と、前画像のファイル名と、前画像からの変化と、次画像のファイル名と、次画像の変化とのそれぞれに関する情報がグループ情報として各画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0016】
なお、図2に示すように、連写の種類としては、「通常連写」、「AE(Automatic Exposure/自動露出調整)ブラケット」、「AF(Auto Focus/自動焦点調整)ブラケット」、「WB(Auto WhiteBalance/自動ホワイトバランス調整)ブラケット」等のカメラ100で設定可能な連写の種類のうち、使用者によって設定された連写の種類が記録される。
【0017】
前画像のファイル名としては、直前に撮影された画像ファイルのファイル名が記録される。前画像からの変化としては、直前に撮影された画像からの変化に関する情報が記録される。例えば、通常連写の場合には、前画像の撮影時刻からの経過時間(例えば+100ms)が記録され、AEブラケットの場合には、前画像からの露出値の変化量(例えば+0.3EV)が記録される。
【0018】
次画像のファイル名としては、次に撮影される画像ファイルのファイル名が記録される。次画像の変化としては、現画像からの次に撮影される画像の変化に関する情報が記録される。例えば、通常連写の場合には、現画像の撮影時刻からの経過時間(例えば+100ms)が記録され、AEブラケットの場合には、現画像からの露出値の変化量(例えば+0.3EV)が記録される。
【0019】
本実施の形態におけるカメラ100では、使用者は、上述したように連写によって撮影され一組としてグループ化された複数の画像ファイルに対して、一括で画像処理を施すことができる。例えば、使用者は、あるグループに対して赤目補正処理の実行を指示すると、制御装置104は、各画像ファイルのヘッダ情報を参照して、そのグループに属する画像ファイルを特定し、特定した全ての画像ファイルのコピーを作成してバッファメモリに記録する。
【0020】
そして、制御装置104は、バッファメモリ上のコピーした画像ファイルの全てに含まれる本画像データに一括して赤目補正処理を施し、画像処理後の画像ファイルをメモリカードスロット105へ出力してメモリカードに記録する。このとき、制御装置104は、画像処理後の画像ファイルに対して画像処理前の画像ファイルとは異なったファイル名を付加する。これにより、同一グループ内に属する全ての画像ファイルに対して一括して画像処理を施すことができる。さらに、画像処理前の画像ファイルをメモリカード内に残したまま、画像処理(赤目補正処理)を施した後の画像ファイルをメモリカードに記録することができる。
【0021】
制御装置104は、このようにグループに含まれる画像ファイルに対して一括で画像処理を施した場合には、画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)と画像処理後の画像ファイル(子画像ファイル)とを関連付けるための関連付け情報を、親画像ファイルと子画像ファイルのそれぞれのヘッダ情報に記録することにより、対応する親画像ファイルと子画像ファイルとを関連付ける。また、制御装置104は、生成した複数の子画像ファイルが1つのグループに属するように、子画像ファイルのヘッダ情報にも上記グループ情報を記録する。
【0022】
子画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図3に示すような親画像ファイルとの関連付け情報が記録される。すなわち、親画像ファイルのファイル名と、親画像からの変化1〜5とのそれぞれに関する情報が関連付け情報として子画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0023】
なお、図3に示すように、親画像ファイルのファイル名には「△△.jpg」や「××.raw」等の画像処理を施す前の画像ファイル、すなわち当該子画像ファイルの生成元となった親画像ファイルのファイル名が記録される。親画像ファイルからの変化1〜5には、親画像ファイルに対して施された画像処理の内容を示す情報が記録される。例えば、図3では、親画像ファイル(△△.jpg)に対して赤目補正処理、D−Lighting処理、輪郭強調強め処理、青強調処理が施されて子画像ファイルが生成された場合の関連付け情報の例と、親画像ファイル(××.raw)に対してRAW現像1処理が施されて子画像ファイルが生成された場合の関連付け情報の例とを表している。
【0024】
また、ここでは図を省略するが、子画像ファイルのヘッダ情報にも図2に示した情報と同様のグループ情報が記録される。この子画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報によって、複数の親画像ファイルから一括画像処理によって生成された複数の子画像ファイルを1つのグループとして関連付けることができる。
【0025】
親画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図4に示すような子画像との関連付け情報が記録される。すなわち、子画像ファイルのファイル名と、子画像の変化1〜5とのそれぞれに関する情報が関連付け情報として親画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0026】
なお、図4に示すように、子画像ファイルのファイル名、「□□.jpg」等の画像処理を施した後の画像ファイル、すなわち当該親画像ファイルに対して画像処理を生成したことによって生成された子画像ファイルのファイル名が記録される。子画像ファイルの変化1〜5には、親画像ファイルに対して施された画像処理の内容を示す情報が記録される。例えば、図4では、子画像ファイル(□□.jpg)が、当該親画像ファイルに対して輪郭強調強め処理を施すことによって生成された場合の関連付け情報の例と、子画像ファイル(□□.jpg)が、当該親画像ファイルに対してRAW現像2処理を施すことによって生成された場合の関連付け情報の例とを表している。
【0027】
図5は、本実施の形態における画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報および関連付け情報の具体例を模式的に示した図である。図5に示す例では、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報が連写によって取得された親画像ファイルのヘッダ情報を示している。そして、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対して一括して第1の画像処理が施された結果、図5(B1)、(B2),および(B3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルが生成されたことを示している。また、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対して一括して第2の画像処理が施された結果、図5(C1)、(C2),および(C3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルが生成されたことを示している。
【0028】
すなわち、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対しては、第1の画像処理と第2の画像処理の2パターンの画像処理が施され、その結果、図5(B1)、(B2),および(B3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルのグループと、図5(C1)、(C2),および(C3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルのグループが生成されている。なお、上記第1の画像処理、および第2の画像処理の内容については後述する。
【0029】
この図5(A1)〜(C3)の各ヘッダ情報においては、「連写撮影に関連するタグ」が上述したグループ情報に相当し、「親画像に関連するタグ」と「子画像に関連するタグ」とが上述した関連付け情報に相当する。また、図2に示した「連写の種類」については、親画像ファイルのグループ、または子画像ファイルのグループを特定するための情報としては必ずしも必須ではないため、図5の各図では「連写撮影に関連するタグ」に「連写の種類」の項目を含んでいない。
【0030】
図5(A1)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0001.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報、すなわち「連写撮影に関連するタグ」をみると、次画像のファイル名は「0002.jpg」であり、次画像の変化は「+100ms」であることがわかる。
【0031】
図5(A2)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0002.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報をみると、前画像のファイル名は「0001.jpg」であり、前画像からの変化は「+100ms」であること、および次画像のファイル名は「0003.jpg」であり、次画像の変化は「+100ms」であることがわかる。
【0032】
図5(A3)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0003.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報をみると、前画像のファイル名は「0002.jpg」であり、前画像からの変化は「+100ms」であることがわかる。
【0033】
すなわち、図5(A1)、(A2)、および(A3)に示すヘッダ情報におけるグループ情報からは、100ms間隔で連写による撮影が行われ、その結果、「0001.jpg」〜「0003.jpg」の3つの親画像ファイルが1つのグループとして取得されたことが分かる。
【0034】
図5(B1)、(B2)、および(B3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報を見ると、ファイル名が「0001.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0004.jpg」であることがわかる。また、ファイル名が「0002.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0005.jpg」であり、ファイル名が「0003.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0006.jpg」であることがわかる。
【0035】
図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報を見ると、ファイル名が「0001.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0007.jpg」であることがわかる。また、ファイル名が「0002.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0008.jpg」であり、ファイル名が「0003.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0009.jpg」であることがわかる。
【0036】
また、図5(B1)、(B2)、および(B3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報、すなわち「連写撮影に関するタグ」についてみると、前画像のファイル名と次画像のファイル名とには、親画像ファイルの連写の順番を維持したまま、同じ画像処理が施された子画像ファイルのファイル名が記録されている。例えば、図5(B1)に示す例では、次画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0005.jpg」が記録されている。
【0037】
同様に、図5(B2)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0001.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0004.jpg」が記録され、次画像ファイルのファイル名には、「0003.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0006.jpg」が記録されている。また、図5(B3)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0005.jpg」が記録されている。
【0038】
図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報についても同様であり、図5(C1)に示す例では、次画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0008.jpg」が記録されている。図5(C2)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0001.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0007.jpg」が記録され、次画像ファイルのファイル名には、「0003.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0009.jpg」が記録されている。図5(C3)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0008.jpg」が記録されている。
【0039】
また、図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報において、前画像からの変化、および次画像の変化には、それぞれ親画像ファイルのヘッダ情報に記録されているデータ、すなわち「+100ms」が引き継がれて記録されている。
【0040】
次に、図5に示す各ヘッダ情報における関連付け情報、すなわち「親画像に関連するタグ」と「子画像に関連するタグ」についてみる。図5(A1)に示す親画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、このヘッダ情報には関連付け情報として「子画像1に関連するタグ」と「子画像2に関連するタグ」の2つの子画像ファイルに関連する情報が記録されており、ここからこの親画像ファイル(0001.jpg)に対して上述した第1の画像処理および第2の画像処理が施された結果、2つの子画像ファイルが生成されたことがわかる。
【0041】
まず、第1の画像処理の内容を示す「子画像1に関連するタグ」についてみると、子画像1のファイル名は「0004.jpg」であることがわかる。また、子画像の変化は「赤目補正」、「D−Lighting」、および「輪郭強調」であることから、第1の画像処理の内容は、赤目補正処理、D−Lighting処理、および輪郭強調処理であることがわかる。すなわち、当該親画像ファイル(0001.jpg)に対して赤目補正処理、D−Lighting処理、および輪郭強調処理が施された結果、子画像ファイル(0004.jpg)が生成されたことがわかる。
【0042】
次に、第2の画像処理の内容を示す「子画像2に関連するタグ」についてみると、子画像2のファイル名は「0007.jpg」であることがわかる。また、子画像の変化は「赤目補正」であることから、第2の画像処理の内容は、赤目補正処理であることがわかる。すなわち、当該親画像ファイル(0001.jpg)に対して赤目補正処理が施された結果、子画像ファイル(0007.jpg)が生成されたことがわかる。
【0043】
なお、全ての親画像ファイルに対して一括して画像処理を施していることから、図5(A2)および図5(A3)に示す親画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報は、図5(A1)と比較すると、子画像のファイル名のみが異なるだけで、子画像の変化は同じである。すなわち、図5(A2)に示すヘッダ情報によれば、第1の画像処理によってファイル名が「0005.jpg」の子画像ファイルが生成され、第2の画像処理によってファイル名が「0008.jpg」の子画像ファイルが生成されている。また、図5(A3)に示すヘッダ情報によれば、第1の画像処理によってファイル名が「0006.jpg」の子画像ファイルが生成され、第2の画像処理によってファイル名が「0009.jpg」の子画像ファイルが生成されている。
【0044】
そして、図5(B1)、(B2)、および(B3)のそれぞれに示す子画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、親画像のファイル名として、それぞれの親画像ファイルのファイル名が記録されており、親画像からの変化として、上述した第1の画像処理の内容を示す情報が記録されている。また、図5(C1)、(C2)、および(C3)のそれぞれに示す子画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、親画像のファイル名として、それぞれの親画像ファイルのファイル名が記録されており、親画像からの変化として、上述した第2の画像処理の内容を示す情報が記録されている。
【0045】
本実施の形態におけるカメラ100においては、使用者は、メモリカードに記録されている画像ファイルをモニタ106に表示して閲覧することができる。例えば、使用者は、メモリカードに記録されている画像ファイルの中から、いずれかの親画像ファイルを選択して表示させることができ、さらに操作部材101に含まれる十字キーを操作することにより、表示する画像ファイルを切り替えることができる。
【0046】
使用者による十字キーの操作に応じた表示画像の切り替え例について、図6を用いて説明する。なお、図6においては、各画像ファイルをA1〜C3の記号で表しているが、この記号は、図5における図番号に対応している。例えば、図6における画像ファイルA1は、図5(A1)に示したヘッダ情報を有する画像ファイル(0001.jpg)に相当し、図6における画像ファイルB1は、図5(B1)に示したヘッダ情報を有する画像ファイル、すなわち0001.jpgに対して第1の画像処理を施して生成された子画像ファイル(0004.jpg)に相当する。
【0047】
まず、使用者によって十字キーの横方向操作が行われた場合、すなわち十字キーの左右方向のボタンが操作された場合の画像遷移例について説明する。この場合、制御装置104は、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報を参照して、図6に示す画像ファイルの配置において横方向に表示画像を切り替えて行く。
【0048】
具体的には、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA3に切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替える。
【0049】
これに対して、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA3である場合に、使用者によってさらに右ボタンが操作された場合には、表示画像を親画像ファイルA1の子画像ファイルである子画像ファイルB1に切り替える。そして、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルB1である場合に、使用者によって左ボタンが操作されたときには、表示画像を親画像ファイルA3に戻す。
【0050】
また、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルB1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB3に切り替える。また、制御装置104は、現在の子表示画像が画像ファイルB3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB1に切り替える。
【0051】
また、現在の表示画像が子画像ファイルB3である場合に、使用者によってさらに右ボタンが操作された場合には、表示画像を親画像ファイルA1の次の子画像ファイルである子画像ファイルC1に切り替える。そして、同様に、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルC1である場合に、使用者によって左ボタンが操作されたときには、表示画像を親画像ファイルB3に戻す。
【0052】
また、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルC1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC3に切り替える。また、制御装置104は、現在の子表示画像が画像ファイルC3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC1に切り替える。
【0053】
ここで、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合に、使用者によって左ボタンが操作された場合には、表示画像をメモリカードに記録されている別のグループ(前のグループ)に属する先頭の親画像ファイルに切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルC3である場合に、使用者によって右ボタンが操作された場合には、表示画像をメモリカードに記録されている別のグループ(次のグループ)に属する先頭の親画像ファイルに切り替える。
【0054】
このように、使用者は、十字キーの横方向操作により、1組として関連付けられている親画像ファイル同士の間、および親画像ファイルに対して一括して同じ画像処理が施された子画像ファイル同士の間で表示画像を切り替えることができる。また、現在の表示画像がグループの先頭の画像(図6の例では親画像ファイルA1)である場合には、表示画像を前のグループに遷移させることができ、現在の表示画像がグループの最後の画像(図6の例では子画像ファイルC3)である場合には、表示画像を次のグループに遷移させることができる。
【0055】
次に、使用者によって十字キーの縦方向操作が行われた場合、すなわち十字キーの上下方向のボタンが操作された場合の画像遷移例について説明する。この場合、制御装置104は、図6に示す画像ファイルの配置において縦方向に表示画像を切り替えて行く。
【0056】
具体的には、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合には、使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルB1に切り替え、さらに使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルC1に切り替え、さらに使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルC1である場合には、使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルB1に切り替え、さらに使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替え、さらに使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルC1に切り替える。
【0057】
このように、使用者は、十字キーの上下ボタンを操作することにより、親画像ファイルとその子画像ファイルとの間で表示画像を切り替えることができる。なお、図6における画像ファイルA2、B2、C2間での十字キーの縦方向操作による画像遷移、および画像ファイルA3、B3、C3間での十字キーの縦方向操作による画像遷移については、上述した画像ファイルA1、B1、C1間での十字キーの縦方向操作による画像遷移と同様のため、説明を省略する。
【0058】
図7は、本実施の形態における一括画像処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、使用者によって1組として関連付けられている複数の親画像ファイルに対して一括して画像処理を行うように指示された場合に、制御装置104によって起動されるプログラムとして実行される。
【0059】
ステップS10において、制御装置104は、一括画像処理が指示されたグループに属する親画像ファイルのコピーをバッファメモリに記録して、ステップS20へ進む。ステップS20では、制御装置104は、バッファメモリに記録したコピー画像に対して、使用者によって指示された一連の画像処理(例えば、赤目補正処理やD−Lighting処理)を施して子画像ファイルを生成し、ステップS30へ進む。
【0060】
ステップS30では、制御装置104は、子画像ファイルのヘッダ情報に上述したグループ情報を記録することによって、生成した子画像ファイルを1つのグループとして関連付ける。また、制御装置104は、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報に上述した関連付け情報を記録することによって、親画像ファイルと子画像ファイルの親子関係を関連付ける。その後、ステップS40へ進み、制御装置104は、ヘッダ情報を記録した親画像ファイルでメモリカード内の元の親画像ファイルを更新し、新たに生成した子画像ファイルをメモリカードに記録して、処理を終了する。
【0061】
図8は、本実施の形態における画像表示処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、使用者によってメモリカードに記録されている画像ファイルの表示が指示されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
【0062】
ステップS110において、制御装置104は、使用者によって表示対象として選択された画像ファイル内から本画像データを読み出してモニタ106へ出力することにより、モニタ106に画像を表示する。その後、ステップS120へ進み、制御装置104は、使用者によって操作部材101に含まれる十字キーが操作されたか否かを判断する。ステップS120で否定判断した場合には、後述するステップS140へ進む。これに対して、ステップS120で肯定判断した場合には、ステップS130へ進む。
【0063】
ステップS130では、制御装置104は、図6で上述したように、十字キーの横方向操作または縦方向操作に応じて、親画像ファイルおよび子画像ファイルのヘッダ情報を参照して表示画像を切り替える。その後、ステップS140へ進む。ステップS140では、制御装置104は、使用者によって画像の表示の終了が指示されたか否かを判断する。ステップS140で否定判断した場合には、ステップS120へ戻って処理を繰り返す。これに対して、ステップS140で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0064】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置104は、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の親画像ファイルに対して、一括して画像処理を施し、それによって生成される子画像ファイルを1つの子画像グループとして関連付けてメモリカードに記録するようにした。これによって、使用者は、簡易な操作で複数の親画像に対して一括して画像処理を施した上で、生成される子画像ファイルを1グループとして管理することができるようになる。
【0065】
(2)制御装置104は、子画像ファイルが1つの子グループに属することを示すグループ情報と、子画像ファイルとその生成元となった親画像ファイルとの親子関係を示す関連付け情報とを生成してヘッダ情報に記録するようにした。これによって、子画像グループのグループ情報、および親画像ファイルと子画像ファイルの関連付け情報を容易に管理することができる。
【0066】
(3)制御装置104は、画像の表示中に使用者によって十字キーが操作された場合には、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報を参照して、十字キーの操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うようにした。これによって、使用者は、十字キーを操作することにより、親画像ファイルと子画像ファイルとの間での表示切換、および親画像ファイル同士間または子画像ファイル同士間での表示切換を簡易に行うことができる。
【0067】
(4)制御装置104は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理(例えば第1の画像処理と第2の画像処理の2パターン)を施すことができ、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成するようにした。これによって、使用者が親画像ファイルに対して、画像処理の内容を替えて複数パターンの画像処理を行った場合でも、それぞれの画像処理パターンに応じて子画像ファイルを1グループとして扱うことが可能となる。
【0068】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、1回の連写で複数の画像ファイルを生成した場合に、それらの画像ファイルが一組の画像ファイルグループとなるように関連付ける例について説明した。しかしながら、他の条件で複数の画像をグループ化して関連付けるようにしてもよい。例えば、被写体認識機能を備えたカメラであれば、同じ被写体が写っている複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、シーンモードを切り替え可能なカメラであれば、同じシーンモードで撮影された画像ファイルを1つのグループとしてもよい。また、撮影時に同じ画像処理パラメータ(WB、ピクチャーコントロール等)が設定された複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、同じ露出条件(露出値、露出補正値、調光補正値)で撮影した複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよい。また、同じ機材(レンズ、カメラ、ストロボ)を使用して撮影した複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、撮影日時や撮影場所に基づいてグループ化を行ってもよい。
【0069】
(2)上述した実施の形態では、制御装置104は、使用者による十字キーの操作に基づいて、表示画像を切り替える例について説明した。しかしながら、使用者が表示画像の切り替えを指示するために操作する操作部材は十字キー以外のものでもよい。例えば、モニタ106にタッチパネルを搭載し、十字キーの形状をしたボタンを画面上に表示して、それを操作するようにしてもよい。あるいは、画面上に「次へ」「前へ」「上へ」「下へ」などのボタンを表示して、それを操作するようにしてもよい。
【0070】
(3)上述した実施の形態では、親画像ファイル、子画像ファイルともに、ヘッダ情報にグループ情報と関連付け情報とを記録する例について説明した。しかしながら、グループ化情報と関連付け情報とを別ファイルで管理するようにしてもよい。例えば、メモリカード内に各グループごとのフォルダを作成し、1組として関連付けられた親画像ファイル、およびそれらの親画像ファイルから生成された子画像ファイルを1つのフォルダ内に記録するようにし、そのフォルダ内にグループ化情報と関連付け情報とを管理するための管理ファイルを記録するようにしてもよい。そして、制御装置104は、モニタ106に表示中の画像を使用者による十字キー操作に基づいて切り替える場合には、当該管理ファイルを参照して、次に表示する画像を判断するようにしてもよい。
【0071】
あるいは、制御装置104は、グループ化情報と関連付け情報とをヘッダ情報や管理ファイルで管理せず、同じフォルダ内に格納する各画像ファイルにグループ化情報と関連付け情報とを加味したファイル名を付加するようにしてもよい。例えば、「0001.jpg」のようにファイル名の拡張子以外の部分を4桁の数字で表す場合には、親画像ファイルの場合は1桁目を0とし、後の3桁を連番として連写順を表すようにする。そして、第1の画像処理により生成された子画像ファイルの場合には1桁目を1とし、下3桁の連番部分は元となった親画像ファイルに合わせるようにする。また、第2の画像処理により生成された子画像ファイルの場合には1桁目を2とし、下3桁の連番部分は元となった親画像ファイルに合わせるようにしてもよい。この場合、制御装置104は、画像を表示するに当たっては、ファイル名を参照することによって画像ファイルのグループ化情報と関連付け情報を判断して、表示画像を切り替えるようにすればよい。
【0072】
(4)上述した実施の形態においては、使用者によって画像ファイルの削除が指示された場合には、使用者によって指定された画像ファイルのみをメモリカードから削除してもよいし、使用者によって指定された画像ファイルと同一グループに属する全ての画像ファイルを一括して削除するようにしてもよい。あるいは、使用者によって指定された画像ファイルのみをメモリカードから削除し、さらに使用者によって指定された画像ファイルと同一グループに属する全ての画像ファイルのヘッダ情報から、削除した画像ファイルに関する情報を削除するようにしてもよい。
【0073】
(5)上述した実施の形態では、図6に示したように、1つの親画像ファイルに対して、少なくとも1つの子画像ファイルが生成されている場合には、十字キーの縦方向操作により、親画像ファイルと子画像ファイルとの間で順番に表示画像を切り替えれる例について説明した。しかしながら、もし子画像ファイルに対して画像処理が施されて、子画像ファイルの子画像ファイル(親画像ファイルからみた孫画像ファイル)が生成された場合には、該孫画像ファイルの存在も加味して表示画像を切り替えるようにしてもよい。
【0074】
例えば、図9(a)に示すように、1つの親画像ファイルAに基づいて2つの子画像ファイルBおよびCが生成されている場合には、制御装置104は、図6で上述したように、使用者による十字キーの縦方向操作に応じて、表示画像を図9(b)に示すように切り替える。すなわち、制御装置104は、使用者による下ボタンの操作によりA、B、C、A・・・の順に表示画像を切り替え、使用者による上ボタンの操作によりこれと逆の順に表示画像を切り替える。
【0075】
これに対して、図10(a)に示すように、1つの親画像ファイルAに基づいて2つの子画像ファイルBおよびCが生成され、さらに子画像ファイルBに基づいて孫画像ファイルDが生成されている場合には、制御装置104は、使用者による十字キーの縦方向操作に応じて、表示画像を図10(b)に示すように切り替えるようにすればよい。すなわち、制御装置104は、使用者による下ボタンの操作によりA、B、D、C、A・・・の順に表示画像を切り替え、使用者による上ボタンの操作によりこれと逆の順に表示画像を切り替えるようにすればよい。
【0076】
(6)上述した実施の形態では、制御装置104は、使用者による十字キー操作に応じてモニタ106に表示中の画像ファイルを切り替える例について説明した。しかしながら、制御装置104は、図11(a)に示すように、モニタ106の表示領域を親画像ファイル表示用の領域11aと子画像ファイル表示用の領域11bとに分割し、使用者による十字キー操作に応じて親画像ファイル表示用の領域11aに表示中の親画像、または子画像ファイル表示用の領域11bに表示中の子画像を切り替えるようにしてもよい。
【0077】
例えば、図11(a)に示すように、親画像ファイル表示用の領域11aに「0001.jpg」が表示され、子画像ファイル表示用の領域11bに「0004.jpg」が表示されている場合に、使用者によって下ボタンが操作された場合には、図11(b)に示すように、子画像ファイル表示用の領域11b内の表示画像を「0007.jpg」に切り替えるようにしてもよい。また、図11(a)に示す状態で使用者によって右ボタンが操作された場合には、図11(c)に示すように、親画像ファイル表示用の領域11a内の表示画像を「0002.jpg」に切り替えるとともに、子画像ファイル表示用の領域11b内の表示画像を「0005.jpg」に切り替えるようにしてもよい。
【0078】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ、103 撮像素子、104 制御装置、105 メモリカードスロット、106 モニタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
次のような画像処理装置が知られている。この画像処理装置は、入力された画像データに対して複数の処理条件で画像処理を行なって複数の画像データを生成し、生成した複数の画像データにそれらが一組の画像データであることを示す情報を付加する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−264794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の画像処理装置では、複数の画像データに対して同一内容の画像処理を一括して行う場合は想定していないため、この場合には、使用者は、複数の画像データのそれぞれに対して、複数回同一内容の画像処理を施す必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるカメラは、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段による画像処理によって生成される複数の画像ファイルを1つの子画像グループとして記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明では、記録制御手段は、画像処理後の各画像ファイル(子画像ファイル)が1つの子グループに属することを示す子グループ情報と、子画像ファイルとその生成元となった画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)との親子関係を示す関連付け情報とを生成して記憶媒体に記録するようにしてもよい。
親画像ファイルの画像と子画像ファイルの画像とを表示装置に表示する表示制御手段をさらに備え、複数の親画像ファイルが1つの親グループに属することを示す親グループ情報が記憶媒体に記録されており、表示制御手段は、使用者によって表示画像の切り替え操作が行われた場合には、親グループ情報と子グループ情報と関連付け情報とを参照して、使用者の操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うようにしてもよい。
画像処理手段は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理を施すことができ、記録制御手段は、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施すことができ、それらを1つのグループとして関連付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】カメラ100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報を示す図である。
【図3】子画像ファイルのヘッダ情報に記録される関連付け情報を示す図である。
【図4】親画像ファイルのヘッダ情報に記録される関連付け情報を示す図である。
【図5】画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報および関連付け情報の具体例を模式的に示した図である。
【図6】十字キーの操作に応じた表示画像の切り替え例を示す図である。
【図7】一括画像処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】画像表示処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】十字キーの縦方向操作が行われた場合の親画像ファイルと子画像ファイルとの間の画像遷移を模式的に示した図である。
【図10】十字キーの縦方向操作が行われた場合の親画像ファイルと子画像ファイルと孫画像ファイルとの間の画像遷移を模式的に示した図である。
【図11】画面を2分割して親画像ファイルと子画像ファイルとを表示する場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態におけるカメラの一実施の形態の構成を示すブロック図である。カメラ100は、操作部材101と、レンズ102と、撮像素子103と、制御装置104と、メモリカードスロット105と、モニタ106とを備えている。操作部材101は、使用者によって操作される種々の入力部材、例えば電源ボタン、レリーズボタン、ズームボタン、十字キー、決定ボタン、再生ボタン、削除ボタンなどを含んでいる。
【0009】
レンズ102は、複数の光学レンズから構成されるが、図1では代表して1枚のレンズで表している。レンズ102を構成するレンズには、ズーム倍率を変更するためのズームレンズや、焦点調節を行うための焦点調節用レンズ(AFレンズ)等が含まれる。撮像素子103は、例えばCCDやCMOSなどのイメージセンサーであり、レンズ102により結像した被写体像を撮像する。そして、撮像によって得られた画像信号を制御装置104へ出力する。
【0010】
制御装置104は、撮像素子103から入力された画像信号に基づいて所定の画像形式、例えばJPEG形式の画像データ(以下、「本画像データ」と呼ぶ)を生成する。また、制御装置104は、生成した画像データに基づいて、表示用の画像データ、例えばサムネイル画像データを生成する。制御装置104は、生成した本画像データとサムネイル画像データとを含み、さらにヘッダ情報を付加した画像ファイルを生成する。そして、制御装置104は、生成した画像ファイルに一意のファイル名を付けた後、メモリカードスロット105へ出力してメモリカードに記録する。本実施の形態では、制御装置による画像ファイルの生成処理、および生成した画像ファイルのメモリカードへの記録処理を撮影処理と呼ぶこととする。
【0011】
メモリカードスロット105は、記憶媒体としてのメモリカードを挿入するためのスロットであり、制御装置104から出力された画像ファイルをメモリカードに書き込んで記録する。また、メモリカードスロット105は、制御装置104からの指示に基づいて、メモリカード内に記憶されている画像ファイルを読み込む。
【0012】
モニタ106は、カメラ100の背面に搭載された液晶モニタ(背面モニタ)であり、当該モニタ106には、メモリカードに記憶されている画像やカメラ100を設定するための設定メニューなどが表示される。また、制御装置104は、使用者によってカメラ100のモードが撮影モードに設定されると、撮像素子103から時系列で取得した画像の表示用画像データをモニタ106に出力する。これによってモニタ106にはスルー画が表示される。
【0013】
制御装置104は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路により構成され、カメラ100を制御する。なお、制御装置104を構成するメモリには、SDRAMやフラッシュメモリが含まれる。SDRAMは、揮発性のメモリであって、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、フラッシュメモリは、不揮発性のメモリであって、制御装置104が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。
【0014】
本実施の形態では、制御装置104は、使用者によって連写が指示され、1回の連写で複数の画像ファイルを生成した場合には、それら複数の画像ファイルが一組の画像ファイルグループとなるように関連付けて記録する。具体的には、制御装置104は、画像ファイルのヘッダ情報にグループ情報を付加することによって、複数の画像ファイルを一組の画像ファイルグループとして関連付ける。
【0015】
各画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図2に示すような情報がグループ情報として記録される。すなわち、連写の種類と、前画像のファイル名と、前画像からの変化と、次画像のファイル名と、次画像の変化とのそれぞれに関する情報がグループ情報として各画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0016】
なお、図2に示すように、連写の種類としては、「通常連写」、「AE(Automatic Exposure/自動露出調整)ブラケット」、「AF(Auto Focus/自動焦点調整)ブラケット」、「WB(Auto WhiteBalance/自動ホワイトバランス調整)ブラケット」等のカメラ100で設定可能な連写の種類のうち、使用者によって設定された連写の種類が記録される。
【0017】
前画像のファイル名としては、直前に撮影された画像ファイルのファイル名が記録される。前画像からの変化としては、直前に撮影された画像からの変化に関する情報が記録される。例えば、通常連写の場合には、前画像の撮影時刻からの経過時間(例えば+100ms)が記録され、AEブラケットの場合には、前画像からの露出値の変化量(例えば+0.3EV)が記録される。
【0018】
次画像のファイル名としては、次に撮影される画像ファイルのファイル名が記録される。次画像の変化としては、現画像からの次に撮影される画像の変化に関する情報が記録される。例えば、通常連写の場合には、現画像の撮影時刻からの経過時間(例えば+100ms)が記録され、AEブラケットの場合には、現画像からの露出値の変化量(例えば+0.3EV)が記録される。
【0019】
本実施の形態におけるカメラ100では、使用者は、上述したように連写によって撮影され一組としてグループ化された複数の画像ファイルに対して、一括で画像処理を施すことができる。例えば、使用者は、あるグループに対して赤目補正処理の実行を指示すると、制御装置104は、各画像ファイルのヘッダ情報を参照して、そのグループに属する画像ファイルを特定し、特定した全ての画像ファイルのコピーを作成してバッファメモリに記録する。
【0020】
そして、制御装置104は、バッファメモリ上のコピーした画像ファイルの全てに含まれる本画像データに一括して赤目補正処理を施し、画像処理後の画像ファイルをメモリカードスロット105へ出力してメモリカードに記録する。このとき、制御装置104は、画像処理後の画像ファイルに対して画像処理前の画像ファイルとは異なったファイル名を付加する。これにより、同一グループ内に属する全ての画像ファイルに対して一括して画像処理を施すことができる。さらに、画像処理前の画像ファイルをメモリカード内に残したまま、画像処理(赤目補正処理)を施した後の画像ファイルをメモリカードに記録することができる。
【0021】
制御装置104は、このようにグループに含まれる画像ファイルに対して一括で画像処理を施した場合には、画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)と画像処理後の画像ファイル(子画像ファイル)とを関連付けるための関連付け情報を、親画像ファイルと子画像ファイルのそれぞれのヘッダ情報に記録することにより、対応する親画像ファイルと子画像ファイルとを関連付ける。また、制御装置104は、生成した複数の子画像ファイルが1つのグループに属するように、子画像ファイルのヘッダ情報にも上記グループ情報を記録する。
【0022】
子画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図3に示すような親画像ファイルとの関連付け情報が記録される。すなわち、親画像ファイルのファイル名と、親画像からの変化1〜5とのそれぞれに関する情報が関連付け情報として子画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0023】
なお、図3に示すように、親画像ファイルのファイル名には「△△.jpg」や「××.raw」等の画像処理を施す前の画像ファイル、すなわち当該子画像ファイルの生成元となった親画像ファイルのファイル名が記録される。親画像ファイルからの変化1〜5には、親画像ファイルに対して施された画像処理の内容を示す情報が記録される。例えば、図3では、親画像ファイル(△△.jpg)に対して赤目補正処理、D−Lighting処理、輪郭強調強め処理、青強調処理が施されて子画像ファイルが生成された場合の関連付け情報の例と、親画像ファイル(××.raw)に対してRAW現像1処理が施されて子画像ファイルが生成された場合の関連付け情報の例とを表している。
【0024】
また、ここでは図を省略するが、子画像ファイルのヘッダ情報にも図2に示した情報と同様のグループ情報が記録される。この子画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報によって、複数の親画像ファイルから一括画像処理によって生成された複数の子画像ファイルを1つのグループとして関連付けることができる。
【0025】
親画像ファイルのヘッダ情報には、例えば図4に示すような子画像との関連付け情報が記録される。すなわち、子画像ファイルのファイル名と、子画像の変化1〜5とのそれぞれに関する情報が関連付け情報として親画像ファイルのヘッダ情報に記録される。
【0026】
なお、図4に示すように、子画像ファイルのファイル名、「□□.jpg」等の画像処理を施した後の画像ファイル、すなわち当該親画像ファイルに対して画像処理を生成したことによって生成された子画像ファイルのファイル名が記録される。子画像ファイルの変化1〜5には、親画像ファイルに対して施された画像処理の内容を示す情報が記録される。例えば、図4では、子画像ファイル(□□.jpg)が、当該親画像ファイルに対して輪郭強調強め処理を施すことによって生成された場合の関連付け情報の例と、子画像ファイル(□□.jpg)が、当該親画像ファイルに対してRAW現像2処理を施すことによって生成された場合の関連付け情報の例とを表している。
【0027】
図5は、本実施の形態における画像ファイルのヘッダ情報に記録されるグループ情報および関連付け情報の具体例を模式的に示した図である。図5に示す例では、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報が連写によって取得された親画像ファイルのヘッダ情報を示している。そして、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対して一括して第1の画像処理が施された結果、図5(B1)、(B2),および(B3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルが生成されたことを示している。また、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対して一括して第2の画像処理が施された結果、図5(C1)、(C2),および(C3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルが生成されたことを示している。
【0028】
すなわち、図5(A1)、(A2),および(A3)に示すヘッダ情報を有する親画像ファイルに対しては、第1の画像処理と第2の画像処理の2パターンの画像処理が施され、その結果、図5(B1)、(B2),および(B3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルのグループと、図5(C1)、(C2),および(C3)に示すヘッダ情報を有する子画像ファイルのグループが生成されている。なお、上記第1の画像処理、および第2の画像処理の内容については後述する。
【0029】
この図5(A1)〜(C3)の各ヘッダ情報においては、「連写撮影に関連するタグ」が上述したグループ情報に相当し、「親画像に関連するタグ」と「子画像に関連するタグ」とが上述した関連付け情報に相当する。また、図2に示した「連写の種類」については、親画像ファイルのグループ、または子画像ファイルのグループを特定するための情報としては必ずしも必須ではないため、図5の各図では「連写撮影に関連するタグ」に「連写の種類」の項目を含んでいない。
【0030】
図5(A1)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0001.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報、すなわち「連写撮影に関連するタグ」をみると、次画像のファイル名は「0002.jpg」であり、次画像の変化は「+100ms」であることがわかる。
【0031】
図5(A2)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0002.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報をみると、前画像のファイル名は「0001.jpg」であり、前画像からの変化は「+100ms」であること、および次画像のファイル名は「0003.jpg」であり、次画像の変化は「+100ms」であることがわかる。
【0032】
図5(A3)に示す親画像ファイルのヘッダ情報をみると、この親画像ファイルのファイル名は「0003.jpg」であることがわかる。また、当該ヘッダ情報におけるグループ情報をみると、前画像のファイル名は「0002.jpg」であり、前画像からの変化は「+100ms」であることがわかる。
【0033】
すなわち、図5(A1)、(A2)、および(A3)に示すヘッダ情報におけるグループ情報からは、100ms間隔で連写による撮影が行われ、その結果、「0001.jpg」〜「0003.jpg」の3つの親画像ファイルが1つのグループとして取得されたことが分かる。
【0034】
図5(B1)、(B2)、および(B3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報を見ると、ファイル名が「0001.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0004.jpg」であることがわかる。また、ファイル名が「0002.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0005.jpg」であり、ファイル名が「0003.jpg」の親画像ファイルに第1の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0006.jpg」であることがわかる。
【0035】
図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報を見ると、ファイル名が「0001.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0007.jpg」であることがわかる。また、ファイル名が「0002.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0008.jpg」であり、ファイル名が「0003.jpg」の親画像ファイルに第2の画像処理を施して生成された子画像ファイルのファイル名は「0009.jpg」であることがわかる。
【0036】
また、図5(B1)、(B2)、および(B3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報、すなわち「連写撮影に関するタグ」についてみると、前画像のファイル名と次画像のファイル名とには、親画像ファイルの連写の順番を維持したまま、同じ画像処理が施された子画像ファイルのファイル名が記録されている。例えば、図5(B1)に示す例では、次画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0005.jpg」が記録されている。
【0037】
同様に、図5(B2)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0001.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0004.jpg」が記録され、次画像ファイルのファイル名には、「0003.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0006.jpg」が記録されている。また、図5(B3)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0005.jpg」が記録されている。
【0038】
図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報についても同様であり、図5(C1)に示す例では、次画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0008.jpg」が記録されている。図5(C2)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0001.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0007.jpg」が記録され、次画像ファイルのファイル名には、「0003.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0009.jpg」が記録されている。図5(C3)に示す例では、前画像ファイルのファイル名には、「0002.jpg」に基づいて生成された子画像ファイルのファイル名である「0008.jpg」が記録されている。
【0039】
また、図5(C1)、(C2)、および(C3)に示す子画像ファイルのヘッダ情報におけるグループ情報において、前画像からの変化、および次画像の変化には、それぞれ親画像ファイルのヘッダ情報に記録されているデータ、すなわち「+100ms」が引き継がれて記録されている。
【0040】
次に、図5に示す各ヘッダ情報における関連付け情報、すなわち「親画像に関連するタグ」と「子画像に関連するタグ」についてみる。図5(A1)に示す親画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、このヘッダ情報には関連付け情報として「子画像1に関連するタグ」と「子画像2に関連するタグ」の2つの子画像ファイルに関連する情報が記録されており、ここからこの親画像ファイル(0001.jpg)に対して上述した第1の画像処理および第2の画像処理が施された結果、2つの子画像ファイルが生成されたことがわかる。
【0041】
まず、第1の画像処理の内容を示す「子画像1に関連するタグ」についてみると、子画像1のファイル名は「0004.jpg」であることがわかる。また、子画像の変化は「赤目補正」、「D−Lighting」、および「輪郭強調」であることから、第1の画像処理の内容は、赤目補正処理、D−Lighting処理、および輪郭強調処理であることがわかる。すなわち、当該親画像ファイル(0001.jpg)に対して赤目補正処理、D−Lighting処理、および輪郭強調処理が施された結果、子画像ファイル(0004.jpg)が生成されたことがわかる。
【0042】
次に、第2の画像処理の内容を示す「子画像2に関連するタグ」についてみると、子画像2のファイル名は「0007.jpg」であることがわかる。また、子画像の変化は「赤目補正」であることから、第2の画像処理の内容は、赤目補正処理であることがわかる。すなわち、当該親画像ファイル(0001.jpg)に対して赤目補正処理が施された結果、子画像ファイル(0007.jpg)が生成されたことがわかる。
【0043】
なお、全ての親画像ファイルに対して一括して画像処理を施していることから、図5(A2)および図5(A3)に示す親画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報は、図5(A1)と比較すると、子画像のファイル名のみが異なるだけで、子画像の変化は同じである。すなわち、図5(A2)に示すヘッダ情報によれば、第1の画像処理によってファイル名が「0005.jpg」の子画像ファイルが生成され、第2の画像処理によってファイル名が「0008.jpg」の子画像ファイルが生成されている。また、図5(A3)に示すヘッダ情報によれば、第1の画像処理によってファイル名が「0006.jpg」の子画像ファイルが生成され、第2の画像処理によってファイル名が「0009.jpg」の子画像ファイルが生成されている。
【0044】
そして、図5(B1)、(B2)、および(B3)のそれぞれに示す子画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、親画像のファイル名として、それぞれの親画像ファイルのファイル名が記録されており、親画像からの変化として、上述した第1の画像処理の内容を示す情報が記録されている。また、図5(C1)、(C2)、および(C3)のそれぞれに示す子画像ファイルのヘッダ情報における関連付け情報をみると、親画像のファイル名として、それぞれの親画像ファイルのファイル名が記録されており、親画像からの変化として、上述した第2の画像処理の内容を示す情報が記録されている。
【0045】
本実施の形態におけるカメラ100においては、使用者は、メモリカードに記録されている画像ファイルをモニタ106に表示して閲覧することができる。例えば、使用者は、メモリカードに記録されている画像ファイルの中から、いずれかの親画像ファイルを選択して表示させることができ、さらに操作部材101に含まれる十字キーを操作することにより、表示する画像ファイルを切り替えることができる。
【0046】
使用者による十字キーの操作に応じた表示画像の切り替え例について、図6を用いて説明する。なお、図6においては、各画像ファイルをA1〜C3の記号で表しているが、この記号は、図5における図番号に対応している。例えば、図6における画像ファイルA1は、図5(A1)に示したヘッダ情報を有する画像ファイル(0001.jpg)に相当し、図6における画像ファイルB1は、図5(B1)に示したヘッダ情報を有する画像ファイル、すなわち0001.jpgに対して第1の画像処理を施して生成された子画像ファイル(0004.jpg)に相当する。
【0047】
まず、使用者によって十字キーの横方向操作が行われた場合、すなわち十字キーの左右方向のボタンが操作された場合の画像遷移例について説明する。この場合、制御装置104は、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報を参照して、図6に示す画像ファイルの配置において横方向に表示画像を切り替えて行く。
【0048】
具体的には、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA3に切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替える。
【0049】
これに対して、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA3である場合に、使用者によってさらに右ボタンが操作された場合には、表示画像を親画像ファイルA1の子画像ファイルである子画像ファイルB1に切り替える。そして、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルB1である場合に、使用者によって左ボタンが操作されたときには、表示画像を親画像ファイルA3に戻す。
【0050】
また、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルB1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB3に切り替える。また、制御装置104は、現在の子表示画像が画像ファイルB3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルB1に切り替える。
【0051】
また、現在の表示画像が子画像ファイルB3である場合に、使用者によってさらに右ボタンが操作された場合には、表示画像を親画像ファイルA1の次の子画像ファイルである子画像ファイルC1に切り替える。そして、同様に、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルC1である場合に、使用者によって左ボタンが操作されたときには、表示画像を親画像ファイルB3に戻す。
【0052】
また、制御装置104は、現在の表示画像が子画像ファイルC1である場合には、使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC2に切り替え、さらに使用者による右ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC3に切り替える。また、制御装置104は、現在の子表示画像が画像ファイルC3である場合には、使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC2に切り替え、さらに使用者による左ボタン操作に応じて表示画像を子画像ファイルC1に切り替える。
【0053】
ここで、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合に、使用者によって左ボタンが操作された場合には、表示画像をメモリカードに記録されている別のグループ(前のグループ)に属する先頭の親画像ファイルに切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルC3である場合に、使用者によって右ボタンが操作された場合には、表示画像をメモリカードに記録されている別のグループ(次のグループ)に属する先頭の親画像ファイルに切り替える。
【0054】
このように、使用者は、十字キーの横方向操作により、1組として関連付けられている親画像ファイル同士の間、および親画像ファイルに対して一括して同じ画像処理が施された子画像ファイル同士の間で表示画像を切り替えることができる。また、現在の表示画像がグループの先頭の画像(図6の例では親画像ファイルA1)である場合には、表示画像を前のグループに遷移させることができ、現在の表示画像がグループの最後の画像(図6の例では子画像ファイルC3)である場合には、表示画像を次のグループに遷移させることができる。
【0055】
次に、使用者によって十字キーの縦方向操作が行われた場合、すなわち十字キーの上下方向のボタンが操作された場合の画像遷移例について説明する。この場合、制御装置104は、図6に示す画像ファイルの配置において縦方向に表示画像を切り替えて行く。
【0056】
具体的には、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルA1である場合には、使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルB1に切り替え、さらに使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルC1に切り替え、さらに使用者による下ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替える。また、制御装置104は、現在の表示画像が親画像ファイルC1である場合には、使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルB1に切り替え、さらに使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルA1に切り替え、さらに使用者による上ボタン操作に応じて表示画像を親画像ファイルC1に切り替える。
【0057】
このように、使用者は、十字キーの上下ボタンを操作することにより、親画像ファイルとその子画像ファイルとの間で表示画像を切り替えることができる。なお、図6における画像ファイルA2、B2、C2間での十字キーの縦方向操作による画像遷移、および画像ファイルA3、B3、C3間での十字キーの縦方向操作による画像遷移については、上述した画像ファイルA1、B1、C1間での十字キーの縦方向操作による画像遷移と同様のため、説明を省略する。
【0058】
図7は、本実施の形態における一括画像処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、使用者によって1組として関連付けられている複数の親画像ファイルに対して一括して画像処理を行うように指示された場合に、制御装置104によって起動されるプログラムとして実行される。
【0059】
ステップS10において、制御装置104は、一括画像処理が指示されたグループに属する親画像ファイルのコピーをバッファメモリに記録して、ステップS20へ進む。ステップS20では、制御装置104は、バッファメモリに記録したコピー画像に対して、使用者によって指示された一連の画像処理(例えば、赤目補正処理やD−Lighting処理)を施して子画像ファイルを生成し、ステップS30へ進む。
【0060】
ステップS30では、制御装置104は、子画像ファイルのヘッダ情報に上述したグループ情報を記録することによって、生成した子画像ファイルを1つのグループとして関連付ける。また、制御装置104は、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報に上述した関連付け情報を記録することによって、親画像ファイルと子画像ファイルの親子関係を関連付ける。その後、ステップS40へ進み、制御装置104は、ヘッダ情報を記録した親画像ファイルでメモリカード内の元の親画像ファイルを更新し、新たに生成した子画像ファイルをメモリカードに記録して、処理を終了する。
【0061】
図8は、本実施の形態における画像表示処理の流れを示すフローチャートである。図8に示す処理は、使用者によってメモリカードに記録されている画像ファイルの表示が指示されると起動するプログラムとして、制御装置104によって実行される。
【0062】
ステップS110において、制御装置104は、使用者によって表示対象として選択された画像ファイル内から本画像データを読み出してモニタ106へ出力することにより、モニタ106に画像を表示する。その後、ステップS120へ進み、制御装置104は、使用者によって操作部材101に含まれる十字キーが操作されたか否かを判断する。ステップS120で否定判断した場合には、後述するステップS140へ進む。これに対して、ステップS120で肯定判断した場合には、ステップS130へ進む。
【0063】
ステップS130では、制御装置104は、図6で上述したように、十字キーの横方向操作または縦方向操作に応じて、親画像ファイルおよび子画像ファイルのヘッダ情報を参照して表示画像を切り替える。その後、ステップS140へ進む。ステップS140では、制御装置104は、使用者によって画像の表示の終了が指示されたか否かを判断する。ステップS140で否定判断した場合には、ステップS120へ戻って処理を繰り返す。これに対して、ステップS140で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0064】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置104は、1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の親画像ファイルに対して、一括して画像処理を施し、それによって生成される子画像ファイルを1つの子画像グループとして関連付けてメモリカードに記録するようにした。これによって、使用者は、簡易な操作で複数の親画像に対して一括して画像処理を施した上で、生成される子画像ファイルを1グループとして管理することができるようになる。
【0065】
(2)制御装置104は、子画像ファイルが1つの子グループに属することを示すグループ情報と、子画像ファイルとその生成元となった親画像ファイルとの親子関係を示す関連付け情報とを生成してヘッダ情報に記録するようにした。これによって、子画像グループのグループ情報、および親画像ファイルと子画像ファイルの関連付け情報を容易に管理することができる。
【0066】
(3)制御装置104は、画像の表示中に使用者によって十字キーが操作された場合には、親画像ファイルのヘッダ情報、および子画像ファイルのヘッダ情報を参照して、十字キーの操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うようにした。これによって、使用者は、十字キーを操作することにより、親画像ファイルと子画像ファイルとの間での表示切換、および親画像ファイル同士間または子画像ファイル同士間での表示切換を簡易に行うことができる。
【0067】
(4)制御装置104は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理(例えば第1の画像処理と第2の画像処理の2パターン)を施すことができ、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成するようにした。これによって、使用者が親画像ファイルに対して、画像処理の内容を替えて複数パターンの画像処理を行った場合でも、それぞれの画像処理パターンに応じて子画像ファイルを1グループとして扱うことが可能となる。
【0068】
―変形例―
なお、上述した実施の形態のカメラは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、1回の連写で複数の画像ファイルを生成した場合に、それらの画像ファイルが一組の画像ファイルグループとなるように関連付ける例について説明した。しかしながら、他の条件で複数の画像をグループ化して関連付けるようにしてもよい。例えば、被写体認識機能を備えたカメラであれば、同じ被写体が写っている複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、シーンモードを切り替え可能なカメラであれば、同じシーンモードで撮影された画像ファイルを1つのグループとしてもよい。また、撮影時に同じ画像処理パラメータ(WB、ピクチャーコントロール等)が設定された複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、同じ露出条件(露出値、露出補正値、調光補正値)で撮影した複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよい。また、同じ機材(レンズ、カメラ、ストロボ)を使用して撮影した複数の画像ファイルを1つのグループとしてもよいし、撮影日時や撮影場所に基づいてグループ化を行ってもよい。
【0069】
(2)上述した実施の形態では、制御装置104は、使用者による十字キーの操作に基づいて、表示画像を切り替える例について説明した。しかしながら、使用者が表示画像の切り替えを指示するために操作する操作部材は十字キー以外のものでもよい。例えば、モニタ106にタッチパネルを搭載し、十字キーの形状をしたボタンを画面上に表示して、それを操作するようにしてもよい。あるいは、画面上に「次へ」「前へ」「上へ」「下へ」などのボタンを表示して、それを操作するようにしてもよい。
【0070】
(3)上述した実施の形態では、親画像ファイル、子画像ファイルともに、ヘッダ情報にグループ情報と関連付け情報とを記録する例について説明した。しかしながら、グループ化情報と関連付け情報とを別ファイルで管理するようにしてもよい。例えば、メモリカード内に各グループごとのフォルダを作成し、1組として関連付けられた親画像ファイル、およびそれらの親画像ファイルから生成された子画像ファイルを1つのフォルダ内に記録するようにし、そのフォルダ内にグループ化情報と関連付け情報とを管理するための管理ファイルを記録するようにしてもよい。そして、制御装置104は、モニタ106に表示中の画像を使用者による十字キー操作に基づいて切り替える場合には、当該管理ファイルを参照して、次に表示する画像を判断するようにしてもよい。
【0071】
あるいは、制御装置104は、グループ化情報と関連付け情報とをヘッダ情報や管理ファイルで管理せず、同じフォルダ内に格納する各画像ファイルにグループ化情報と関連付け情報とを加味したファイル名を付加するようにしてもよい。例えば、「0001.jpg」のようにファイル名の拡張子以外の部分を4桁の数字で表す場合には、親画像ファイルの場合は1桁目を0とし、後の3桁を連番として連写順を表すようにする。そして、第1の画像処理により生成された子画像ファイルの場合には1桁目を1とし、下3桁の連番部分は元となった親画像ファイルに合わせるようにする。また、第2の画像処理により生成された子画像ファイルの場合には1桁目を2とし、下3桁の連番部分は元となった親画像ファイルに合わせるようにしてもよい。この場合、制御装置104は、画像を表示するに当たっては、ファイル名を参照することによって画像ファイルのグループ化情報と関連付け情報を判断して、表示画像を切り替えるようにすればよい。
【0072】
(4)上述した実施の形態においては、使用者によって画像ファイルの削除が指示された場合には、使用者によって指定された画像ファイルのみをメモリカードから削除してもよいし、使用者によって指定された画像ファイルと同一グループに属する全ての画像ファイルを一括して削除するようにしてもよい。あるいは、使用者によって指定された画像ファイルのみをメモリカードから削除し、さらに使用者によって指定された画像ファイルと同一グループに属する全ての画像ファイルのヘッダ情報から、削除した画像ファイルに関する情報を削除するようにしてもよい。
【0073】
(5)上述した実施の形態では、図6に示したように、1つの親画像ファイルに対して、少なくとも1つの子画像ファイルが生成されている場合には、十字キーの縦方向操作により、親画像ファイルと子画像ファイルとの間で順番に表示画像を切り替えれる例について説明した。しかしながら、もし子画像ファイルに対して画像処理が施されて、子画像ファイルの子画像ファイル(親画像ファイルからみた孫画像ファイル)が生成された場合には、該孫画像ファイルの存在も加味して表示画像を切り替えるようにしてもよい。
【0074】
例えば、図9(a)に示すように、1つの親画像ファイルAに基づいて2つの子画像ファイルBおよびCが生成されている場合には、制御装置104は、図6で上述したように、使用者による十字キーの縦方向操作に応じて、表示画像を図9(b)に示すように切り替える。すなわち、制御装置104は、使用者による下ボタンの操作によりA、B、C、A・・・の順に表示画像を切り替え、使用者による上ボタンの操作によりこれと逆の順に表示画像を切り替える。
【0075】
これに対して、図10(a)に示すように、1つの親画像ファイルAに基づいて2つの子画像ファイルBおよびCが生成され、さらに子画像ファイルBに基づいて孫画像ファイルDが生成されている場合には、制御装置104は、使用者による十字キーの縦方向操作に応じて、表示画像を図10(b)に示すように切り替えるようにすればよい。すなわち、制御装置104は、使用者による下ボタンの操作によりA、B、D、C、A・・・の順に表示画像を切り替え、使用者による上ボタンの操作によりこれと逆の順に表示画像を切り替えるようにすればよい。
【0076】
(6)上述した実施の形態では、制御装置104は、使用者による十字キー操作に応じてモニタ106に表示中の画像ファイルを切り替える例について説明した。しかしながら、制御装置104は、図11(a)に示すように、モニタ106の表示領域を親画像ファイル表示用の領域11aと子画像ファイル表示用の領域11bとに分割し、使用者による十字キー操作に応じて親画像ファイル表示用の領域11aに表示中の親画像、または子画像ファイル表示用の領域11bに表示中の子画像を切り替えるようにしてもよい。
【0077】
例えば、図11(a)に示すように、親画像ファイル表示用の領域11aに「0001.jpg」が表示され、子画像ファイル表示用の領域11bに「0004.jpg」が表示されている場合に、使用者によって下ボタンが操作された場合には、図11(b)に示すように、子画像ファイル表示用の領域11b内の表示画像を「0007.jpg」に切り替えるようにしてもよい。また、図11(a)に示す状態で使用者によって右ボタンが操作された場合には、図11(c)に示すように、親画像ファイル表示用の領域11a内の表示画像を「0002.jpg」に切り替えるとともに、子画像ファイル表示用の領域11b内の表示画像を「0005.jpg」に切り替えるようにしてもよい。
【0078】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 カメラ、101 操作部材、102 レンズ、103 撮像素子、104 制御装置、105 メモリカードスロット、106 モニタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理によって生成される複数の画像ファイルを1つの子画像グループとして前記記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記記録制御手段は、画像処理後の各画像ファイル(子画像ファイル)が1つの子グループに属することを示す子グループ情報と、前記子画像ファイルとその生成元となった画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)との親子関係を示す関連付け情報とを生成して前記記憶媒体に記録することを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記親画像ファイルの画像と前記子画像ファイルの画像とを表示装置に表示する表示制御手段をさらに備え、
複数の前記親画像ファイルが1つの親グループに属することを示す親グループ情報が前記記憶媒体に記録されており、
前記表示制御手段は、使用者によって表示画像の切り替え操作が行われた場合には、前記親グループ情報と前記子グループ情報と前記関連付け情報とを参照して、使用者の操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記画像処理手段は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理を施すことができ、
前記記録制御手段は、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成することを特徴とするカメラ。
【請求項1】
1つの親画像グループとして記憶媒体に記録されている複数の画像ファイルに対して、一括して画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段による画像処理によって生成される複数の画像ファイルを1つの子画像グループとして前記記憶媒体に記録する記録制御手段とを備えることを特徴とするカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のカメラにおいて、
前記記録制御手段は、画像処理後の各画像ファイル(子画像ファイル)が1つの子グループに属することを示す子グループ情報と、前記子画像ファイルとその生成元となった画像処理前の画像ファイル(親画像ファイル)との親子関係を示す関連付け情報とを生成して前記記憶媒体に記録することを特徴とするカメラ。
【請求項3】
請求項2に記載のカメラにおいて、
前記親画像ファイルの画像と前記子画像ファイルの画像とを表示装置に表示する表示制御手段をさらに備え、
複数の前記親画像ファイルが1つの親グループに属することを示す親グループ情報が前記記憶媒体に記録されており、
前記表示制御手段は、使用者によって表示画像の切り替え操作が行われた場合には、前記親グループ情報と前記子グループ情報と前記関連付け情報とを参照して、使用者の操作内容に応じた表示画像の切り替えを行うことを特徴とするカメラ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記画像処理手段は、1つの親画像グループに対して複数パターンの画像処理を施すことができ、
前記記録制御手段は、それぞれの画像処理パターンに応じた複数の子画像グループを生成することを特徴とするカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−183350(P2010−183350A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25007(P2009−25007)
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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