説明

カラオケコンクールシステム

【課題】参加意欲を高めるカラオケイベントシステム等を提供する。
【解決手段】コンクールサーバは、カラオケ装置より受信したイベントIDに対応付けられている楽曲IDを含む他のイベントが存在するか否かを検索し、前記他のイベントが存在する場合に、該イベントのイベント関連情報をカラオケ装置に送信する。また、前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のカラオケ装置の利用者間でカラオケコンクールを実施するシステム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
採点技術及び通信技術を応用したカラオケコンクールが提案されている。例えば、下記特許文献1においては、課題曲の演奏に先立って当該課題曲の順位表を取得し、当該課題曲の演奏後に採点結果及び順位を表示する。また、採点結果を見た後でコンクールに参加するか否かを判断する点についても開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2007−171335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、種々の団体、コミュニティ、カラオケボックス店舗などが種々のイベント(カラオケコンクール)を同時期に開催することが考えられる。また、カラオケボックス店舗が独自に企画するイベントにおいては、該店舗で歌唱しなければならないという制約が想定される。例えば、A店舗で歌唱するユーザは、A店舗で企画されるイベントには参加できるが、B店舗で企画するイベントには参加できないという制約が想定される。このような制約は、イベントを企画するA店舗にとっては、自店舗への集客力の向上という観点においては好ましい。一方、ユーザは、他店舗でどのようなイベントが企画されているか把握したいという要望がある。しかしながら、A店舗内において、他店舗で実施されている好条件のイベントについて告知することは、B店舗に顧客が流れてしまうというリスクを引き起こす可能性がある。また、ユーザごとに条件の良し悪しの基準(すなわち、何をもって好条件とするのか)が異なるため、その基準をユーザごとに的確に推定することは困難である。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、自店舗の集客力を低下させることなく他店舗におけるイベント情報を提示することができるカラオケコンクールシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面である請求項1に係る発明は、カラオケのコンクールを行うコンクールサーバが通信網を介して多数のカラオケ装置と通信可能であり、前記コンクールサーバは、イベント情報データベースと、順位表データベースと、歌唱者情報データベースとを備え、イベント情報送信処理と、順位表更新処理と、授賞処理を行い、前記イベント情報データベースは、イベントごとに、課題曲として歌唱可能な楽曲の楽曲IDを、イベントID・企画者・実施期間・授賞要項の組を含むイベント関連情報に対応付けて格納し、前記順位表データベースは、前記イベント情報ごとに、歌唱者IDと採点データとの組の集合を順位表として格納し、前記歌唱者情報データベースは、歌唱者の属性情報を歌唱者IDに対応付けて格納し、前記イベント情報送信処理は、前記カラオケ装置からイベント情報閲覧要求電文を受信した際、前記イベント情報データベース及び順位表データベースの内容を当該カラオケ装置に送信し、前記順位表更新処理は、前記カラオケ装置からイベントID・歌唱者ID・採点データの組を受信した際、該当の順位表を更新し、前記授賞処理は、前記イベント情報データベース中のあるイベントの実施期間が満了した際、そのイベントの授賞要項と順位表と歌唱者情報データベースに基づいて受賞者を決定し、前記カラオケ装置は、ユーザインタフェースと、演奏手段と、採点手段と、制御手段とを備え、前記ユーザインタフェースは、制御手段の制御に従い利用者に情報を提示するとともに利用者入力を受け付け、前記演奏手段は、制御手段の制御に従い指定されたカラオケ楽曲の伴奏音楽を音響出力し、採点手段は、制御手段の制御に従い伴奏音楽に合わせて歌唱する歌声の巧拙を評価して採点データを出力し、前記制御手段は、イベント閲覧要求の利用者入力があった際に当該要求の電文を前記コンクールサーバに送信し、前記コンクールサーバから受信したイベント情報データベースと順位表データベースの内容を記憶し、イベントに関する情報を利用者に提示させ、ユーザインタフェースによって利用者が選択したイベントID・楽曲IDとこれに対応付けられた歌唱者IDを取得し、取得した楽曲IDの伴奏音楽の演奏に先立ち、取得したイベントIDをコンクールサーバに送信し、当該イベントの順位表をコンクールサーバより受信し、取得した楽曲IDの伴奏音楽を演奏手段に演奏させ、演奏中に歌声を採点させるとともに、採点データを受信した順位表を参照して順位を求め、少なくとも歌唱区間の終了時に求めた順位を表示させ、出力された採点データと、イベントID・歌唱者IDを対応付けしてコンクールサーバに送信させる、カラオケコンクールシステムにおいて、前記コンクールサーバは、前記カラオケ装置から受信したイベントIDに対応付けられている楽曲IDを含む他のイベントが存在するか否かを検索し、前記他のイベントが存在する場合に、該イベントのイベント関連情報をカラオケ装置に送信し、前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示することを特徴とする。
【0007】
上記カラオケコンクールシステムによれば、コンクールサーバは、カラオケ装置より受信したイベントIDに対応付けられている楽曲IDを含む他のイベントが存在するか否かを検索し、前記他のイベントが存在する場合に、該イベントのイベント関連情報をカラオケ装置に送信する。また、前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示する。これにより、イベントを企画する者にとっては、ユーザが自イベントに参加することなく他イベントへの参加変更することを防止することができる。また、ユーザにとっては、好条件な他のイベント情報を取得することができる。また、他のイベントを企画する他者にとっては、該他者のイベントへの広告効果が高まり、集客力を向上させることができる。
【0008】
本発明の一側面である請求項2に係る発明は、請求項1のカラオケコンクールシステムにおいて、前記前記歌唱者情報データベースの歌唱者の属性情報には、歌唱者の趣味情報が含まれており、前記コンクールサーバは、前記他のイベントのイベント関連情報とともに、前記歌唱者の趣味情報をカラオケ装置に送信し、前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記歌唱者の趣味情報に基いて、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示することを特徴とする。
【0009】
上記カラオケコンクールシステムによれば、前記歌唱者情報データベースの歌唱者の属性情報には、歌唱者の趣味情報が含まれており、前記コンクールサーバは、前記他のイベントのイベント関連情報とともに、前記歌唱者の趣味情報をカラオケ装置に送信し、前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記歌唱者の趣味情報に基いて、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示する。これにより、ユーザの趣味を反映させた他のイベントを提示することができる。
【0010】
本発明の一側面である請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2のカラオケコンクールシステムであって、前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれ、前記カラオケ装置の制御手段は、前記抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額を、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示することを特徴とする。
【0011】
上記カラオケコンクールシステムによれば、前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれている。そして、抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額は、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示される。これにより、ユーザは、提示される他のイベントに関する情報を直感的に把握することができる。そして、他のイベントに関する情報を直感的に把握することにより、該他のイベントへの参加意欲が高まり、イベントに関する集客力の向上を図ることができる。
【0012】
本発明の一側面である請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3いずれかのカラオケコンクールシステムであって、前記有利な条件とは、(1)同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である、(2)もしくは、前記参加確定されたイベントの賞品総額よりも高い金額である、(3)もしくは、前記参加確定されたイベントよりも低い順位で賞品が存在することを特徴とする。
【0013】
一般的にコンクールは、賞品金額が高額であるほど、または、賞品が最高の順位(優勝)から低い順位に渡り、より広範囲の順位に提供されるほど集客力が高い。上記カラオケコンクールシステムによれば、前記有利な条件として、同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である、前記参加確定されたイベントの賞品総額よりも高い金額である、前記参加確定されたイベントよりも低い順位で賞品が存在する、のいずれかを用いる。これにより、イベントに関する集客力の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の一側面である請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2のカラオケコンクールシステムであって、前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれ、前記カラオケ装置の制御手段は、前記抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額を、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示し、前記有利な条件とは、同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額であることを特徴とする。
【0015】
上記カラオケコンクールシステムによれば、前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれている。そして、抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額は、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示される。これにより、ユーザは、提示される他のイベントに関する情報を直感的に把握することができる。そして、他のイベントに関する情報を直感的に把握することにより、該他のイベントへの参加意欲が高まり、該他のイベントに企画する企画者(店舗等)は、集客力の向上を図ることができる。また、一般的にコンクールは、賞品金額が高額であるほど集客力が高い。上記カラオケコンクールシステムによれば、前記有利な条件として、同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である、を用いる。これにより、イベントに関する集客力の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、参加確定の指示を受け付けた後で、より好条件な他のイベントを提示するカラオケコンクールシステム等を提供することができる。これによって、自店舗の集客力を低下させることなく他店舗におけるイベント情報を提示することができ、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。
【0018】
(システム構成)
図1は、本発明の一実施形態におけるカラオケシステムのネットワーク構成を示した図である。
本実施形態のカラオケシステムは、各地のカラオケ店舗等に設置されたカラオケ装置100と、通信網と、サーバ200と、基本的にから構成される。
カラオケ装置100は、カラオケ店舗の客室ごとに設置されている。
カラオケ装置100とサーバ200とは、例えば、カラオケ店舗内に設置されるルータを介して、通信網によって接続される。ここで、通信網としては、有線、無線、併用どのような形態でもよく、また、インターネットを利用したVPN(Virtual Private Network)であってもよい。
【0019】
サーバ200は、サーバコントローラ201、楽曲データベース202、イベント情報データベース203、順位表データベース204、歌唱者情報データベース205、とから基本的に構成される。
サーバコントローラ201は、サーバ200全体を制御するものであり、プロセッサ(例えば、CPU)によって実現される。
【0020】
楽曲データベース202には、カラオケ楽曲の演奏に用いられる種々のデータが記憶されている。
図2は、楽曲データベース202のデータ構造の一例を示した図である。図2に示すように、楽曲IDをキーとして、楽音データ、背景データ、歌手名、歌詞、等が記憶されている。
「楽曲ID」は、カラオケ楽曲ごとに付されたユニークな識別符号である。
「楽音データ」は、カラオケ楽曲の生成起源となるデータである。例えば、MIDIデータ、MPEGデータとすることができるが、本発明においては、楽音データのフォーマットはどのようなものであってもよい。
「背景データ」は、カラオケ楽曲の演奏中に表示される背景画像(動画、静止画)の生成起源となるデータである。本発明においては、背景データのフォーマットはどのようなものであってもよい。
「歌手名」は、カラオケ楽曲原曲の歌手名である。カラオケ楽曲の再生開始時等に表示される。
「歌詞」は、カラオケ楽曲の演奏中に表示される。楽曲再生中の歌詞表示態様については公知の種々の技術を用いることができる。
【0021】
楽曲データベース202は、適宜のタイミングで更新される。例えば、所定の時間間隔で更新(例えば、日単位)してもよく、新曲が作成されるごとに更新してもよい。
なお、図2で示したデータ構造は、単なる一例であり、本発明は、このデータ構造を用いるシステムに限定されないことはいうまでもない。
【0022】
イベント情報データベース203には、イベント(カラオケコンクール)に関する種々の情報が記憶されている。
図3は、イベント情報データベース203のデータ構造の一例を示した図である。図3に示すように、イベントIDをキーとして、課題曲(楽曲ID)、企画者、実施期間、参加費、受賞者順位、賞品、等が記憶されている。換言すれば、イベント情報データベース203には、イベントごとに、課題曲として歌唱可能な楽曲の楽曲IDが、イベントID、企画者、実施期間、受賞要項の組を含む情報が対応付けられている。
【0023】
「イベントID」は、イベントごとに付されたユニークな識別符号である。
「課題曲(楽曲ID)」は、そのイベントで用いられる課題曲である。なお、1つのイベントで複数の課題曲が用いられることもある。また、楽曲IDで定義されている。イベント情報データベース203及び楽曲データベース202における「楽曲ID」は共通である。
「企画者」は、そのイベントを企画した者(会社、団体等)である。また、スポンサーが企画者となることもある。この場合、企画者の情報は、スポンサー情報である。また、カラオケ店舗が企画者となることもある。すなわち、各カラオケ店舗において独自にイベントを企画することができる。この場合、該カラオケ店舗で歌唱をしないと該イベントに参加できないよう企画することができる。これにより、カラオケ店舗独自のイベントには、該カラオケ店舗への集客力の向上を図る効果がある。
【0024】
「実施期間」は、そのイベントの実施期間である。例えば、開始日及び終了日で定義することができる。なお、日単位ではなく、時間単位(例えば、2006年10月1日15:00〜2006年10月21日10:00等)で定義してもよいことはもちろんである。
「参加費」は、そのイベントに参加するために必要な費用である。すべてのイベントの参加費を一律となるように構成された場合は、参加費属性は設定する必要はない。
「受賞者順位」は、賞を授与することができる順位である。
「賞品」は、上記受賞者順位内に入賞した者に付与される賞品に関する情報である。
【0025】
図4は、イベント情報データベース203(図3)の「賞品」属性の詳細なデータ構造を示している。図4に示すように、「賞品」属性は、順位、賞品名、賞品金額、画像、趣味の組を含む情報を有する。
「順位」は、賞が付与される順位である。
「賞品名」は、付与される賞品の名称である。なお、図4に示した内容は単なる一例である。例えば、「宿泊券」については、「場所、宿泊可能日時」等の詳細情報が「賞品名」に含まれる。また、「MP3プレイヤ」については、「メーカ名、型番」等の詳細情報が、「賞品名」に含まれる。また、「ディナー券」については、「場所、利用可能日時」等の詳細情報が「賞品名」に含まれる。
【0026】
「賞品金額」は、付与される賞品の金額である。なお、図4における数値の単位は「円」である。
「画像」は、付与される賞品の画像情報である。記憶される画像は、静止画、動画、いずれでもよい。また、賞品によって、静止画、動画を使い分けてもよい。また、画像データベースを別に有しておき、イベント情報データベース203には、画像データベースへのリンク情報のみを有する構成にしてもよい。また、画像の重要性が低い賞品(例えば、図書カード等)については、画像を記憶しなくてもよい。
【0027】
「趣味」は、付与される賞品のカテゴリを示すものである。図4に示すように、例えば、「宿泊券」には「旅行」が対応付けられる。また、「MP3プレイヤ」には「音楽」が対応付けられる。また、「ディナー券」には「飲食」が対応付けられる。「趣味」は、有利な条件のイベントを抽出する際に用いられる。詳細については後述する。また、1つの賞品に対し、複数の「趣味」属性が付与されることもある。
【0028】
イベント情報データベース203は、適宜のタイミングで更新される。例えば、新規イベントが発生するごとに更新することができる。また、イベント情報データベース203の更新には、所定の権限が必要である。
なお、図3及び図4で示したデータ構造は、単なる一例であり、本発明は、このデータ構造を用いるシステムに限定されないことはいうまでもない。
【0029】
順位表データベース204には、イベントごとの歌唱者順位に関する種々の情報が記憶されている。
図5は、順位表データベース204のデータ構造の一例を示した図である。図4に示すように、イベントIDをキーとして、歌唱者ID、採点値、登録日、順位、等が記憶されている。
【0030】
「イベントID」は、イベント情報データベース203のイベントIDと共通である。
「歌唱者ID」は、イベントごとに付されたユニークな識別符号である。
「採点値」は、そのイベントの課題曲を歌唱したときの採点値である。採点値の満点は、例えば、100点とすることができるが、1000点満点でもよい。また、採点値の最小値は1点単位でもよく、また、小数点第1位または第2位まで算出するように構成してもよい。
「登録日」は、そのイベントに参加登録した日(すなわち、課題曲を歌唱した日)である。
「順位」は、そのイベントにおける現時点での順位である。
【0031】
順位表データベース204は、適宜のタイミングで更新される。例えば、ユーザがイベントに参加するごとに更新することができる。
なお、図5で示したデータ構造は、単なる一例であり、本発明は、このデータ構造を用いるシステムに限定されないことはいうまでもない。
【0032】
歌唱者情報データベース205には、歌唱者に関する種々の情報が記憶されている。
図6は、歌唱者情報データベース205のデータ構造の一例を示した図である。図5に示すように、歌唱者IDをキーとして、ニックネーム、住所、性別、生年月日、等が記憶されている。
【0033】
「歌唱者ID」は、順位表データベース204の「イベントID」と共通である。
「ニックネーム」は、例えば、順位を表示する際に用いられる。ニックネームは、歌唱者自身が任意に決めることができる。
「住所」は、歌唱者の住所である。住所は、例えば、イベントに入賞した場合の賞品の発送の際に用いられる。ダイレクトメールの発送の際に用いてもよい。
「性別」は、歌唱者の性別である。
「生年月日」は、歌唱者の生年月日である。
「趣味」は、歌唱者の趣味である。イベント情報データベース203の「趣味」と共通である。また、1人の歌唱者に、複数の趣味を対応付けられることもある。
【0034】
歌唱者情報データベース205は、適宜のタイミングで更新される。例えば、新規登録があるごとに更新することができる。
なお、図6で示したデータ構造は、単なる一例であり、本発明は、このデータ構造を用いるシステムに限定されないことはいうまでもない。
【0035】
また、歌唱者情報は、リモコンを用いて登録することができる。また、パソコンや携帯電話を用いて登録することができる。また、プロフィール、持ち歌、歌った曲の履歴、等のカラオケ楽曲に関する情報を保存することができる。また、歌唱者情報データベース205の歌唱者自身の情報については、パソコン、携帯を用いてアクセスできるよう構成してもよい。また、カラオケSNSサービスと関連付けてもよい。
また、本発明において実施されるイベント(カラオケコンクール)に参加するには、歌唱者情報データベース205に個人情報を登録する必要がある。
【0036】
次に、カラオケ装置100について説明する。カラオケ装置100は、カラオケ店舗の各客室に設置される。
図7は、カラオケ装置100のシステム構成の一例である。図7に示すように、リモコン101とコマンダ102とから構成される。なお、複数のリモコン101が、コマンダ102と通信可能となるように構成してもよい。
【0037】
リモコン101は、赤外線通信I/F111、電波通信I/F112、CPU113、ROM114、RAM115、表示部116、操作部117、から基本的に構成される。
【0038】
コマンダ102は、赤外線通信I/F121、電波通信I/F122、CPU123、ROM124、RAM125、補助記憶手段126、映像音声再生手段127、から基本的に構成される。
【0039】
赤外線通信I/F111及び赤外線I/F121は、リモコン101とコマンダ102とが赤外線を媒体とする無線通信(以下、「赤外線通信」という。)を行うためのインタフェースである。
電波通信I/F112及び電波I/F122は、リモコン101とコマンダ102とが電波を媒体とする無線通信(以下、「電波通信」という。)を行うためのインタフェースである。
また、電波通信I/F112及び電波通信I/F122を用いることにより、ホストとの間で種々の情報を送受信することも可能である。
また、コマンダとリモコンとは、アクセスポイントを介して無線通信を行ってもよい。
リモコンで受け付けた各種操作信号は、コマンダに送信される。また、種々の情報がコマンダからリモコンに送信される。ここで、赤外線通信と無線通信とは、送受信される情報の種類等に応じて適宜切り替えて用いることができる。
【0040】
また、それぞれのリモコン101及びコマンダ102がイーサネット(登録商標)等で接続されている場合は、それぞれの機器に対して固有のIPアドレスが付されている。また、IPアドレスは、それぞれの機器が有する識別番号及び所定の生成式に基いて算出することができる。
【0041】
CPU113及びCPU123は、本発明を実現するために必要なプログラムを含む種々のプログラムを実行する。ROM114及びROM124は、本発明を実現するために必要な情報を含む種々のデータを記憶する。RAM115及びRAM125は、本発明を実現するために必要な情報を含む種々のデータを一時的に記憶する。
【0042】
リモコン101には、表示部116が設けられている。表示部116には、本発明の実現するために必要な情報を含む種々の情報を表示する。リモコン101には、操作部117が設けられている。操作部117は、表示部116の表面にタッチパネルとして実現してもよい。
【0043】
コマンダ102には、補助記憶手段126が設けられている。補助記憶手段126には、例えば、楽曲の再生に必要な音声データ及び映像データ等が記憶される。また、ゲーム等のアプリケーションデータが記憶される。これらのデータは、ダウンロードによって受信している。
【0044】
コマンダ102には、映像音声再生手段127が設けられている。映像音声再生手段127は、楽曲の再生及び映像の再生を行う。また、図示しないホストから送信されたデータに基いてストリーミング再生を行うことも可能である。
【0045】
また、図示しない音声入力手段(マイク等)、映像表示手段(ディスプレイ等)が、コマンダ102に接続されている。また、コマンダ102は、採点機能を有する。
【0046】
また、リクエストがあった楽曲は、リクエスト毎にサーバからダウンロードしてもよく、また、ホストまたはコマンダに一時的に記憶しておくように構成してもよい。また、一度ダウンロードした楽曲を所定時間のみ記憶するようにしてもよい。
【0047】
(カラオケコンクール処理において送受信される情報)
次に、カラオケコンクールに係る処理において、リモコン、コマンダ、サーバとの間で送受信される情報を説明する。図8は、リモコン101、コマンダ102、サーバ200との間で送受信される情報の一例を示した図である。
【0048】
リモコン101は、ユーザよりイベントに関する情報(イベント関連情報)を要求するための操作を受付けると(1)、コマンダ102に対し、イベント関連情報を要求するためのイベント関連情報要求信号を送信する(2)。
コマンダ102は、イベント関連情報要求信号を受信すると、サーバ200に対し、イベント関連情報要求信号を送信する(3)。このイベント関連情報要求信号には、送信元となるコマンダ102(カラオケ装置)を識別するための識別情報が含まれている。
【0049】
サーバ200は、イベント情報要求信号を受信すると、該イベント関連情報要求信号を送信したコマンダ102に対し、現時点で実施されている参加可能なイベント関連情報を送信する(4)。イベント関連情報には、イベント情報データベース203の情報が含まれる。
【0050】
ここで、例えば、図8に示す処理が「A店舗」のリモコン101及びコマンダ102で行われた場合、サーバ200は、「B店舗」独自のイベントについては、参加可能ではないと判断して、該「B店舗」のイベント関連情報は送信しない。
【0051】
コマンダ102は、イベント関連情報を受信すると、リモコン101に対し、該イベント関連情報を送信する(5)。また、不図示のディスプレイに、該イベント関連情報を表示してもよい。
リモコン101は、受信したイベント関連情報を表示部116に表示する。また、参加を意図するイベントを選択させるためのメッセージを併せて表示する。また、リモコン101は、ユーザによる参加イベントの選択を受け付ける(6)。
【0052】
リモコン101は、コマンダ102に対し、選択されたイベントを示すための選択情報(イベントID等)を送信する(7)。この選択情報には、課題曲として歌唱する楽曲の楽曲IDが(楽曲のリクエスト信号として)含まれている。
【0053】
コマンダ102は、選択情報を受信すると、サーバ200に対し、選択情報を送信する(8)。この選択情報には、送信元となるコマンダ102(カラオケ装置)を識別するための識別情報が含まれている。また、課題曲として歌唱する楽曲を再生するための楽音データ等の要求信号が含まれることともある。すなわち、該課題曲の楽音データ等が既にコマンダ102またはホストに蓄積されている場合は、該要求信号を含ませる必要はない。
【0054】
サーバ200は、選択情報を受信すると、選択されたイベントの順位表情報を送信する(9)。この順位表情報には、歌唱者ごとの採点データが含まれる。すなわち、コマンダ102が順位を算出するために必要な情報が含まれる。楽音データ等の要求信号が含まれている場合は、該データについても送信する。
【0055】
コマンダ102は、順位表情報を受信すると、リモコン101から受信した選択情報に含まれる楽曲IDで特定される楽曲の演奏を開始し、また、当該楽曲の歌唱を採点する(10)。
【0056】
サーバ200は、選択されたイベントの順位表情報を送信したあと、該イベントの課題曲を含む他のイベント(同じ課題曲を有する他のイベント)を検索する(11)。このとき、イベント情報データベース203が用いられる。また、他店舗(例えば、上記「B店舗」)独自のイベントについても抽出される。
【0057】
サーバ200は、同じ課題曲を有するイベントを検索した場合は、該イベントのイベント情報を送信する。イベント関連情報には、イベント情報データベース203の情報が含まれる。ここでは、他店舗(例えば、上記「B店舗」)独自のイベントについても送信される。
【0058】
該楽曲の歌唱が終了すると、コマンダ102は、上記(6)で受け付けたイベントにおける順位を算出する(13)。このとき、上記(9)で受信した順位表情報が用いられる。また、算出した順位、及び、受信した検索結果(他のイベント情報)に基づいて、より有利な条件のイベントを抽出する(13)。より有利な条件のイベント抽出方法については後述する。また、算出した順位は、不図示のディスプレイに表示される(13)。
【0059】
コマンダ102は、リモコン101に対し、リモコン101上に表示させる表示内容信号を送信する(14)。表示内容信号には、イベントへの参加確定を促す画面を表示させるための指示信号が含まれる。また、上記ディスプレイに表示した順位を示す情報を含ませてもよい。
【0060】
リモコン101は、イベントへの参加確定を促す画面を表示し、また、参加確定指示を受け付ける(15)。
【0061】
参加確定指示を受け付けると、リモコン101は、コマンダ102に対し、参加確定信号を送信する(16)。
コマンダ102は、参加確定信号を受信すると、他のイベントのイベント関連情報を、不図示のディスプレイに表示する(17)。また、リモコン101の表示部116にも同様に他のイベントのイベント関連情報を表示してもよい。他のイベントのイベント関連情報の表示レイアウト等については後述する。
【0062】
イベントへの参加確定信号を受信したあとで他のイベントに関する情報を表示することにより、イベントへの参加を確実にしつつ、他のイベントの対する提示(告知)を行うことができる。また、ユーザは、他店舗でのイベントに関する情報を取得することができる。
【0063】
コマンダ102は、参加確定信号を受信すると、サーバ200に対し、参加確定信号を送信する(18)。この参加確定信号には、イベントID、歌唱者ID、採点データが含まれている。また、楽曲IDを含ませてもよい。
【0064】
サーバ200は、参加確定信号を受信すると、該参加確定信号に含まれるイベントID、歌唱者ID、採点データ等に基づいて、順位表データベースに登録する(19)。これにより、順表データベース204は更新されることになる。
【0065】
上述した処理によれば、イベントへの参加確定指示を受け付けたあとで他のイベント情報を提示するので、イベントを企画する者(自店舗等)にとっては、ユーザが自イベントに参加することなく他イベントへ参加変更することを防止することができる。また、ユーザにとっては、好条件な他のイベント情報を取得することができる。また、他のイベントを企画する他店舗にとっては、イベントへの広告効果が高まり、集客力を向上させることができる。
【0066】
(リモコン側の処理の流れ)
次に、イベント関連情報要求操作を受け付けた後、イベント参加確定を受け付けるまでのリモコン側の処理の流れについて説明する。
図9は、リモコン側の処理の流れを示す図である。
【0067】
まず、S1において、ユーザより、イベント関連情報要求の操作を受け付ける。このとき、例えば、リモコン101のタッチパネルが用いられる。
S2において、コマンダ102に対し、イベント関連情報要求信号を送信する。イベント関連情報要求信号を送信した後は、イベント関連情報を受信するまで処理が待機されることになる。
【0068】
S3において、コマンダ102より送信されたイベント関連情報を受信する。イベント関連情報には、参加可能なイベントに関する情報(イベント情報データベース203に記憶されている情報)が含まれる。なお、他店舗独自のイベントのうち、該他店舗で歌唱しないと参加できないものについては受信することができない。
【0069】
S4において、受信したイベント関連情報に基いて、参加可能なイベントを関連情報(賞品、企画者等)とともに表示する。なお、参加可能なイベント及びその関連情報は、コマンダ102に接続されるディスプレイに表示するよう構成してもよい。また、参加するイベントを選択可能であることを示すメッセージについても表示する。なお、タッチパネル上の表示レイアウトは適宜設定可能である。
【0070】
S5において、ユーザより、参加するイベントを受け付ける。このとき、ユーザはリモコン101を用いて参加のための操作を行うことができる。なお、本実施形態においては、S5における参加受付は「仮受付」であり、後述する「参加確定」指示を行わないと該イベントへの参加手続きが終了しないものとする。
【0071】
S6において、受け付けたイベントを示すための選択情報(イベントID等)をコマンダ102に対し送信する。このとき、受け付けたイベントに対応する課題曲の楽曲IDは、リクエスト情報として送信される。選択情報を送信した後、該楽曲IDの楽曲演奏が終了し、該演奏の順位を受信するまで処理が待機されることになる。
【0072】
S7において、コマンダ102により表示内容信号を受信する。また、表示内容信号に、歌唱順位が含まれていてもよい。
S8において、上記「仮受付」したイベントへの参加確定を促す画面を表示する。
【0073】
S9において、イベントへの参加確定指示を受け付ける。このとき、例えば、リモコン101のタッチパネルが用いられる。また、イベントへの不参加指示を受け付け可能に構成してもよい。
S10において、コマンダ102に対し、参加確定信号を送信する。
【0074】
(コマンダ側の処理の流れ)
参加イベントに係る選択情報を受信し、イベント参加確定に係る参加確定信号を送信するまでのコマンダ側の処理の流れについて説明する。
図10は、コマンダ側の処理の流れを示す図である。
【0075】
S11において、リモコン101より送信された選択情報を受信する。
S12において、サーバ200に対し、S11で受信した選択情報を送信する。また、参加するイベントの課題曲の楽曲データ等が必要である場合は、その旨を示す情報が選択情報に含まれる。選択情報を送信した後、順位表情報を受信するまで処理が待機することになる。
【0076】
S13において、サーバ200から順位表情報(必要に応じ、楽曲データ等)を受信する。
S14において、S11で受信した選択情報に含まれる楽曲IDの楽曲の演奏を開始する。そして、楽曲の演奏が終了するまで、処理はS15で待機する。
楽曲の演奏が終了すると(S15:YES)、S16に移行する。
【0077】
S16において、検索結果を受信する。なお、楽曲の演奏中(すなわち、S15での待機中)に検索結果を受信することもある。
【0078】
S17において、S13で受信した順位表情報に基づいて順位を算出する。
S18において、S17で算出した順位を不図示のディスプレイに表示する。また、イベントへの参加確定を促す画面を表示してもよい。
【0079】
S19において、S16で受信した検索結果に基づいて、より有利な条件のイベントを抽出する。より有利な条件のイベントの抽出方法については後述する。
S20において、リモコン101上に表示させる表示内容信号を送信する。
【0080】
表示内容信号を送信した後、参加確定信号を受信するまで、処理はS20で待機する。
参加確定信号を受信すると(S20:YES)、S21に移行する。なお、S20待機中に、リモコン101からイベントへの不参加を通知する信号を受信した場合は、コマンダ側の処理を終了する。
【0081】
S21において、S19で抽出したより有利な条件の他のイベントに関する情報を表示する。
S22において、サーバ200に対し、参加確定信号を送信する。
【0082】
(サーバ側の処理)
サーバ側の処理の流れについて説明する。図11は、サーバ側の処理のフローチャートである。図11のフローチャートに示される処理は、所定のタイミングごとに繰り返し実行される。
【0083】
S31において、コマンダ102からイベント関連情報要求信号を受信したか否かを判断する。
イベント関連情報要求信号を受信していないと判断した場合は(S31:NO)、S33に移行する。一方、イベント関連情報要求信号を受信したと判断した場合は(S31:YES)、S32に移行する。
【0084】
S32において、S31で受信したイベント関連情報要求信号を送信したコマンダ102に対し、イベント関連情報を送信する。送信するイベント関連情報は、イベント情報データベース203を参照して決定される。このとき、該イベント関連情報要求信号を受信した時刻を特定し、当該時刻が実施期間に含まれるイベントが抽出される。
【0085】
S33において、コマンダ102から選択情報を受信したか否かを判断する。
選択情報を受信していないと判断した場合は(S33:NO)、S37に移行する。一方、選択情報を受信したと判断した場合は(S33:YES)、S34に移行する。
【0086】
S34において、S33で受信した選択情報を送信したコマンダ102に対し、順位表情報を送信する。送信する順位表情報は、順位表データベース204を参照して決定される。具体的には、受信した選択情報に含まれるイベントIDで特定されるイベントにおける採点データ等が送信する順位表情報となる。
【0087】
S35において、S33で受信した選択情報に含まれるイベントIDのイベントの課題曲を含む他のイベント(同じ課題曲を有する他のイベント)を検索する。このとき、イベント情報データベース203が用いられる。また、他店舗(例えば、上記「B店舗」)独自のイベントについても抽出される。
【0088】
S36において、コマンダ102に対し、S35での検索結果を送信する。
S37において、コマンダ102から参加確定信号を受信したか否かを判断する。
参加確定信号を受信していないと判断した場合は(S37:NO)、処理を終了する。一方、参加確定信号を受信したと判断した場合は(S37:YES)、S38に移行する。
【0089】
S38において、S37で受信した選択確定情報に基いて、順位表データベース204を更新する。すなわち、受信した選択確定情報に含まれる情報(歌唱者ID、採点データ)等が、順位表データベース204に登録される。
【0090】
(有利な条件のイベントの抽出)
次に、有利な条件のイベントの抽出方法について説明する。図12は、各店舗独自のイベントの内容を示した一例である。また、ユーザは、「A店舗」において、「賞品総額:45000円」のイベントに参加し、歌唱順位が「3位」であり、その賞品金額が「3000円」であり、ユーザの趣味が「スポーツ」であったとする。
【0091】
(その1:同一順位の賞品金額を用いる方法)
「同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である」イベントを、有利な条件のイベントとすることができる。図12の例では、ユーザの歌唱順位は「3位」であるため(賞品金額:3000円)、各店舗イベントの「3位」の賞品金額に基づいて、有利な条件のイベントを抽出する。
【0092】
図12においては、
B店舗イベントの3位の賞品金額:4000円
C店舗イベントの3位の賞品金額:5000円
D店舗イベントの3位の賞品金額:5000円
E店舗イベントの3位の賞品金額:なし
である。
【0093】
したがって、「B店舗イベント」、「C店舗イベント」、「D店舗イベント」が、有利な条件のイベントとして抽出される。
【0094】
(その2:賞品総額を用いる方法)
「前記参加確定されたイベントの賞品総額よりも高い賞品総額である」イベントを、有利な条件のイベントとすることができる。図12の例では、A店舗イベントの賞品総額は「45000円」である。
【0095】
図12においては、
B店舗イベントの賞品総額:54000円
C店舗イベントの賞品総額:43000円
D店舗イベントの賞品総額:65000円
E店舗イベントの賞品総額:30000円
である。
【0096】
したがって、「B店舗イベント」、「D店舗イベント」が、有利な条件のイベントとして抽出される。
【0097】
(その3:賞品を獲得できる順位を用いる方法)
「前記参加確定されたイベントよりも低い順位で賞品が存在する」イベントを、有利な条件のイベントとすることができる。図12の例では、ユーザの歌唱順位は「3位」である。
【0098】
図12においては、
B店舗イベント:3位まで賞品獲得可能
C店舗イベント:3位まで賞品獲得可能
D店舗イベント:4位まで賞品獲得可能
E店舗イベント:2位まで賞品獲得可能
である。
【0099】
したがって、「D店舗イベント」が、有利な条件のイベントとして抽出される。
【0100】
(趣味情報を用いる方法)
趣味情報を用いて有利な条件のイベントを抽出する方法について説明する。以下においては、上述した「その1」の方法に適用した例を説明するが、「その2」及び「その3」の方法についても適用可能である。
【0101】
図12の例では、ユーザの趣味は「スポーツ」である。上述したとおり、「その1」の方法においては、「B店舗イベント」、「C店舗イベント」、「D店舗イベント」が、有利な条件のイベントとして抽出されていた。
ここで、図12においては、
B店舗イベントの趣味情報:スポーツ
C店舗イベントの趣味情報:読書
D店舗イベントの趣味情報:音楽
である。
【0102】
したがって、「B店舗イベント」のみが、有利な条件のイベントとして抽出される。これにより、ユーザの趣味情報に基いてイベントを抽出するので、ユーザの趣味を反映して他のイベントに関する情報を提示することができる。
【0103】
(抽出したイベントの関連情報の表示レイアウト)
図13は、不図示のディスプレイ及びリモコン101の表示部116上での表示レイアウトの一例を示している。図13に示すように、参加確定したイベントの関連情報と抽出されたイベントの関連情報とが、同じ画面に表示されている。これにより、ユーザは、参加済みのイベントと、他のイベントとを容易に比較することができ、他のイベントの内容を直感的に把握することができる。
【0104】
以上説明した本発明の第1実施形態によれば、イベントに対する参加確定指示を受け付けたあとで他のイベント情報を提示するので、イベントを企画する者(自店舗)にとっては、ユーザが自イベントに参加することなく他イベントへ参加変更することを防止することができる。また、ユーザにとっては、好条件な他のイベント情報を取得することができる。また、他のイベントを企画する他店舗にとっては、イベントへの広告効果が高まり、集客力を向上させることができる。これによって、カラオケコンクールへの参加機会が高まり、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができる。
【0105】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態は、課題曲の歌唱のための指示とイベント参加確定のための指示を別々に行う構成であった。第2実施形態では、課題曲の歌唱のための指示がイベント参加確定のための指示を兼ねるように構成している。
図14は、第2実施形態における、リモコン101、コマンダ102、サーバ200との間で送受信される情報の一例を示した図である。
【0106】
図14の(1)〜(13)の処理は、図8の(1)〜(13)の処理と基本的に同じであるが、(7)でリモコン101からコマンダ102に送信される選択情報には、イベントへの参加確定信号が含まれている。これにより、歌唱後に、イベントへの参加確定指示を受け付けるための処理を行う必要がない。
【0107】
したがって、(13)で有利な条件のイベントを抽出したあと、(14)で該抽出したイベントを表示することができる。
また、コマンダ102は、サーバ200に対し、採点結果を送信する(15)。
サーバ200は、採点結果を受信すると、順位表データベースに登録する(19)。これにより、順表データベース204は更新されることになる。
【0108】
以上説明した本発明の第2実施形態によれば、イベントへの参加確定指示を受け付けたあとで他のイベント情報を提示するので、イベントを企画する者(自店舗)にとっては、ユーザが自イベントに参加することなく他イベントへの参加変更することを防止することができる。また、課題曲の歌唱のための指示とイベント参加確定のための指示を別々に行う必要がない。また、ユーザにとっては、好条件な他のイベント情報を取得することができる。また、他のイベントを企画する他店舗にとっては、イベントへの広告効果が高まり、集客力を向上させることができる。これによって、カラオケコンクールへの参加機会が高まり、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができる。
【0109】
(課金方法)
上述した第1実施形態及び第2実施形態においても、イベントに参加するためには、所定量の参加費が必要となる。そのため、該参加費を徴収するための課金処理が必要である。ただし、本発明においては、カラオケコンクール(イベント)に係る課金方法はどのようなものでもよい。
【0110】
例えば、参加するイベントを選択する時点(例えば、図8の(6)の時点)で課金することができる。また、参加するイベントを確定した時点(例えば、図8の(15)の時点)で課金することができる。また、歌唱者情報データベース205に、歌唱者ごとの徴収予定金額属性を設け、所定の期間単位(例えば、1ヶ月)ごとに徴収するよう構成してもよい。この場合は、参加するイベントを選択した時点、または、参加するイベントを確定した時点ごとに、歌唱者情報データベース205の徴収予定金額属性の内容が更新されることになる。
また、料金の支払いは、ICカード(電子マネー)を用いてもよく、クレジット決済、コンビニ決済としてもよい。また、カラオケボックスの清算時に、徴収するよう構成してもよい。
【0111】
上述したとおり、本発明によれば、イベントへの参加確定指示を受け付けたあとで他のイベント情報を提示するので、イベントを企画する者(自店舗)にとっては、ユーザが自イベントに参加することなく他イベントへの参加変更することを防止することができる。また、ユーザにとっては、好条件な他のイベント情報を取得することができる。また、他のイベントを企画する他店舗にとっては、イベントへの広告効果が高まり、集客力を向上させることができる。これによって、カラオケコンクールへの参加機会が高まり、カラオケコンクールをビジネスモデルとして成功させることができる。
【0112】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはいうまでもない。
【0113】
また、上述した各フローチャートは単なる一例であり、該各フローチャートの処理と同等の結果を得ることできるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
【0114】
また、上述したカラオケコンクールシステムにおけるリモコン、コマンダ、カラオケコンクールシステムに係る方法、該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、該プログラムを記録した記録媒体等としても本発明は実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】カラオケシステムの構成の一例を示した図である。
【図2】楽曲データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図3】イベント情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図4】賞品属性のデータ構造の一例を示した図である。
【図5】順位表データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図6】歌唱者情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図7】リモコン及びコマンダの構成の一例を示した図である。
【図8】リモコン、コマンダ、サーバの間で送受信される情報の一例を示した図である。
【図9】リモコン側処理のフローチャートの一例である。
【図10】コマンダ側処理のフローチャートの一例である。
【図11】サーバ側処理のフローチャートの一例である。
【図12】各店舗のイベントの例を示した図である。
【図13】表示レイアウトの一例である。
【図14】リモコン、コマンダ、サーバの間で送受信される情報の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0116】
100 カラオケ装置
101 リモコン
102 コマンダ
200 サーバ
201 サーバコントローラ
202 楽曲データベース
203 イベント情報データベース
204 順位表データベース
205 歌唱者情報データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケのコンクールを行うコンクールサーバが通信網を介して多数のカラオケ装置と通信可能であり、
前記コンクールサーバは、イベント情報データベースと、順位表データベースと、歌唱者情報データベースとを備え、イベント情報送信処理と、順位表更新処理と、授賞処理を行い、
前記イベント情報データベースは、イベントごとに、課題曲として歌唱可能な楽曲の楽曲IDを、イベントID・企画者・実施期間・授賞要項の組を含むイベント関連情報に対応付けて格納し、
前記順位表データベースは、前記イベント情報ごとに、歌唱者IDと採点データとの組の集合を順位表として格納し、
前記歌唱者情報データベースは、歌唱者の属性情報を歌唱者IDに対応付けて格納し、
前記イベント情報送信処理は、前記カラオケ装置からイベント情報閲覧要求電文を受信した際、前記イベント情報データベース及び順位表データベースの内容を当該カラオケ装置に送信し、
前記順位表更新処理は、前記カラオケ装置からイベントID・歌唱者ID・採点データの組を受信した際、該当の順位表を更新し、
前記授賞処理は、前記イベント情報データベース中のあるイベントの実施期間が満了した際、そのイベントの授賞要項と順位表と歌唱者情報データベースに基づいて受賞者を決定し、
前記カラオケ装置は、ユーザインタフェースと、演奏手段と、採点手段と、制御手段とを備え、
前記ユーザインタフェースは、制御手段の制御に従い利用者に情報を提示するとともに利用者入力を受け付け、
前記演奏手段は、制御手段の制御に従い指定されたカラオケ楽曲の伴奏音楽を音響出力し、
採点手段は、制御手段の制御に従い伴奏音楽に合わせて歌唱する歌声の巧拙を評価して採点データを出力し、
前記制御手段は、
イベント閲覧要求の利用者入力があった際に当該要求の電文を前記コンクールサーバに送信し、
前記コンクールサーバから受信したイベント情報データベースと順位表データベースの内容を記憶し、イベントに関する情報を利用者に提示させ、
ユーザインタフェースによって利用者が選択したイベントID・楽曲IDとこれに対応付けられた歌唱者IDを取得し、
取得した楽曲IDの伴奏音楽の演奏に先立ち、取得したイベントIDをコンクールサーバに送信し、
当該イベントの順位表をコンクールサーバより受信し、
取得した楽曲IDの伴奏音楽を演奏手段に演奏させ、
演奏中に歌声を採点させるとともに、採点データを受信した順位表を参照して順位を求め、少なくとも歌唱区間の終了時に求めた順位を表示させ、
出力された採点データと、イベントID ・歌唱者IDを対応付けしてコンクールサーバに送信させる、
カラオケコンクールシステムにおいて、
前記コンクールサーバは、
前記カラオケ装置から受信したイベントIDに対応付けられている楽曲IDを含む他のイベントが存在するか否かを検索し、
前記他のイベントが存在する場合に、該イベントのイベント関連情報をカラオケ装置に送信し、
前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示する、
ことを特徴とするカラオケコンクールシステム。
【請求項2】
前記前記歌唱者情報データベースの歌唱者の属性情報には、歌唱者の趣味情報が含まれており、
前記コンクールサーバは、前記他のイベントのイベント関連情報とともに、前記歌唱者の趣味情報をカラオケ装置に送信し、
前記カラオケ装置の制御手段は、イベント参加確定の指示を受け付けた後に、前記歌唱者の趣味情報に基いて、前記他のイベントのうち、前記参加確定されたイベントよりもユーザによって有利な条件のイベントを抽出し、該抽出したイベントのイベント関連情報を提示する、
ことを特徴とする請求項1のカラオケコンクールシステム。
【請求項3】
前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれ、
前記カラオケ装置の制御手段は、前記抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額を、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のカラオケコンクールシステム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3いずれかのカラオケコンクールシステムにおいて、
前記有利な条件とは、
(1)同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である、
(2)もしくは、前記参加確定されたイベントの賞品総額よりも高い賞品総額である、
(3)もしくは、前記参加確定されたイベントよりも低い順位で賞品が存在する、
ことを特徴とするカラオケコンクールシステム。
【請求項5】
前記イベント関連情報には、各順位の賞品に対応する賞品画像及び賞品金額が含まれ、
前記カラオケ装置の制御手段は、前記抽出したイベントの賞品画像及び/または賞品金額を、前記参加確定されたイベントの賞品画像及び/または賞品金額と同時に提示し、
前記有利な条件とは、同一順位の賞品金額を比較したときに、前記参加確定されたイベント順位の賞品よりも高い金額である、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のカラオケコンクールシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−229624(P2009−229624A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72871(P2008−72871)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】