カラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置
【課題】歌唱意欲をかき立てることができるカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置等を提供する。
【解決手段】初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いてアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネーム等と共に表示される。
【解決手段】初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いてアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネーム等と共に表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置に関するものであり、特に、歌唱者のアーティスト毎の歌唱履歴とアーティストに対応付けられたアバターデータとを用いて、歌唱者のアバターデータを作成するカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置である。
【背景技術】
【0002】
従来、顔などの画像を個人情報の1つとして記憶する装置が種々知られている。例えば、下記特許文献1には、氏名や電話番号等の他に顔画像を記憶する電子手帳が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−218943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ログイン機能を有するカラオケでは、歌唱履歴やランキング等を表示する際に、歌唱者を識別するためのニックネームを表示することが一般的である。また、このようなカラオケにおいても、ニックネームと共に歌唱者の画像(アバター画像)を表示する技術が提案されてきている。そして、歌唱意欲をかき立てるようなアバター画像を作成することができれば、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができると考えられる。
【0005】
本発明は、歌唱意欲をかき立てることができるカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、制御部を有し、カラオケシステムで用いられるアバターデータを作成するアバターデータ作成装置であって、前記制御部は、初期変更処理と当該初期変更処理の後に繰り返し実行される再度変更処理を実行可能であり、前記初期変更処理では、前記制御部は、歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、歌唱履歴情報及びアバターデータを取得し、前記歌唱履歴情報に基いて、アーティストを1つ特定し、前記アーティストをキーとしてアーティスト情報データベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、前記アバターデータの一部または全部を前記アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新し、前記再度変更処理は、前記歌唱者識別情報の歌唱者が、所定回数の歌唱を行うごとに実行され、前記再度変更処理では、前記制御部は、前記歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、前記所定回数の歌唱における歌唱履歴及びアバターデータを取得し、前記歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストを特定し、前記1または複数のアーティストをキーとして前記アーティストデータベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、前記アーティストアバターデータ及び歌唱履歴に基いて、変形アーティストアバターデータを作成し、前記アバターデータの一部または全部と前記変形アーティストアバターデータとを合成することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新することを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明では、まず、初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像(例えば、複数のアーティストのアバター画像から作成されたモンタージュ画像)が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。
これにより、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によってアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1のアバターデータ作成装置であって、前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱回数の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、アーティスト毎の歌唱回数に基いて、新たなアバター画像が作成される。すなわち、採点結果に関係なく歌唱回数に基いて新たなアバター画像が作成される。
これにより、例えば、アーティスト毎の全国ランキングを表示する場合において、上位入賞者の各アバター画像がほぼ同じとなることを避けることができ(仮に、採点結果が高いアーティストのアーティストアバター画像を表示すると、上位入賞者の各採点結果は近い高得点となるので上位入賞者の各アバター画像が似てしまう)、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1のアバターデータ作成装置であって、前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱採点値の情報が含まれることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータが作成される。歌唱者のアバター画像が、自身の好きなアーティストのアバター画像となることにより、歌唱者の興趣を高めることができると考えられる。そして、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歌唱意欲をかき立てることができるカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図2】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図3】カラオケシステムの構成の一例を示した図である。
【図4】歌唱者情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図5】アーティスト情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図6】初期変更処理における情報の流れの一例を示した図である。
【図7】再度変更処理における情報の流れの一例を示した図である。
【図8】リモコン側処理及びコマンダ側処理のフローチャートである。
【図9】アバター画像が変更された様子を示した図である。
【図10】センタ側処理及び初期変更処理のフローチャートである。
【図11】第1再度変更処理のフローチャートである。
【図12】新たなアバター画像が生成される様子を示した図である。
【図13】アバター画像が変更される様子を示した図である。
【図14】第2再度変更処理のフローチャートである。
【図15】アーティストを特定するために用いられるテーブルを示した図である。
【図16】歌唱履歴とアーティストとの関係を示した図である。
【図17】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図18】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像がディスプレイ130に表示されている一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るアバターデータ作成装置を有するカラオケシステムについて説明する。
【0015】
[アバターデータ作成装置の概要]
本実施形態に係るアバターデータ作成装置は、カラオケリモコン、コマンダ、パソコン、携帯電話、ゲーム機等のディスプレイに表示されるアバター画像のデータ(アバターデータ)を作成するものである。図1は、カラオケリモコンの表示部112に表示されたログイン画面中の表示領域410に、当該アバター画像が表示されている例を示している。また、図2は、カラオケリモコンの表示部112に表示されたランキング画面中の表示領域411に、当該アバター画像が表示されている例を示している(なお、表示領域412〜415には、各ユーザが作成したアバター画像が表示されている。)。また、各アバター画像の下には、各ユーザのログイン名が表示される。これらのアバター画像は、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によって変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0016】
[カラオケシステムの構成]
カラオケシステムは、図3に示すように、各地のカラオケ店舗の客室に設置されたカラオケ装置100と各種情報の配信・管理を行うセンタ200とから構成され、各カラオケ装置100とセンタ200とは通信網を介して接続されている。なお、図3ではカラオケ装置100は1つであるが、実際は多数のカラオケ装置100がセンタ200に接続される構成となっている。また、カラオケシステムのセンタ200には、パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500からもアクセス可能である。
【0017】
[センタ200の構成]
センタ200は、カラオケ装置100でのカラオケ楽曲の演奏に用いられる情報及び歌唱者ごとの情報等を管理し、また、カラオケ装置100等からの要求によりこれらの情報を配信する。センタ200は、図3に示すように、制御部201とカラオケ楽曲データベース202と歌唱者情報データベース203とアーティスト情報データベース204から構成される。
【0018】
制御部201は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、センタ200全体を統括制御し、また、アバターデータ作成装置として機能する。
カラオケ楽曲データベース202のデータ構造等は公知のものを採用でき、本発明の理解に直接関係のない部分であるので詳細な説明を省略する。
【0019】
歌唱者情報データベース203には、歌唱者に関する種々の情報が記憶されている。図4に示すように、歌唱者情報データベース203には、歌唱者IDをキーとして、ニックネームと個人情報とアバターデータと興趣モードと歌唱日時と楽曲IDとアーティストIDと採点データと歌唱回数等が記憶されている。
「歌唱者ID」は、歌唱者を識別するためのユニークな識別符号である。「ニックネーム」は、ログイン画面やランキング画面に表示されるものであり、歌唱者自身が任意に決めることができる。「個人情報」は、歌唱者の氏名や住所や趣味等の情報である。
「アバターデータ」は、ログイン画面やランキング画面に表示されるアバター画像のデータであり、JPEG形式やポリゴン形式等のデータである。アバターデータは、カラオケリモコン等の表示側でJPEG形式のデータではデコードされ、また、ポリゴン形式のデータではレンダリングされてアバター画像として表示される。また、アバター画像は、歌唱者自身が任意に決めることができる。
「興趣モード」は、本実施形態のアバターデータ作成装置による処理対象のアバターデータであるか否かを示すものである。興趣モードが「ON」となっているアバターデータに対してのみ、本実施形態のアバターデータ作成装置は処理を行う。
「歌唱日時」、「楽曲ID」、「アーティストID」、「採点データ」は、それぞれ、歌唱者が歌唱した歌唱日時、歌唱したカラオケ楽曲の識別符号、当該カラオケ楽曲の原曲のアーティストの識別符号、歌唱採点値を示すものである。「アーティストID」及び「採点データ」は、アバターデータを変化させるときに用いられる。
「歌唱回数」は、最後にアバターデータが変化した時点を起点とした歌唱回数を示している。この情報は、アバターデータを新たに更新(変化)させるか否かを判断するときに用いられる。
【0020】
アーティスト情報データベース204には、図5に示すように、アーティストIDをキーとして、アバターデータ等が記憶されている。アーティスト情報データベース204に記憶されているアバターデータは、歌唱者情報データベース203に記憶されているアバターデータを変化させる際に用いられる。なお、カラオケ楽曲の原曲のアーティストがグループである(すなわち、複数のメンバーで構成されている)場合は、そのうちの1人のメンバーのアバターデータを記憶してもよく、また、メンバーごとのアバターデータを記憶してもよい。複数のメンバーのアバターデータを記憶した場合は、歌唱者の個人情報(趣味に関する情報)に基いて1つのアバターデータを選択するように構成してもよい。
【0021】
[カラオケ装置100の構成]
図3に示すように、カラオケ装置100は、リモコン110とコマンダ120とから構成される。なお、複数のリモコン110が、コマンダ120と通信可能となるように構成してもよい。
リモコン110は、制御部111と表示部112とから構成されている。制御部111は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、リモコン110全体を統括制御する。また、アバターデータをデコードやレンダリングしたアバター画像を表示部112に表示する機能を有している。
コマンダ120は制御部121を有し、また、コマンダ120にはディスプレイ130が接続されている。制御部121は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、コマンダ120全体を統括制御する。また、アバターデータをデコードやレンダリングしたアバター画像をディスプレイ130に表示する機能を有している。
なお、リモコン110及びコマンダ120の構成のうち、本発明の理解に直接関係のない部分については詳細な説明を省略する。
【0022】
[カラオケシステムで送受信される情報]
まず、初期変更処理において送受信される情報について、図6を参照しつつ説明する。
リモコン110は、歌唱者より興趣モードをONとする操作を受け付ける(1)。
リモコン110は、歌唱者IDと興趣モードのONを指示する情報が含まれるモード設定信号を、センタ200に送信する(2)。
センタ200は、受信したモード設定信号に含まれる歌唱者IDの興趣モードを「ON」にし、アバターデータを更新する(3)。アバターデータの更新の詳細については後述する。
センタ200は、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する(4)。
リモコン110は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングして、表示部112に表示中のアバター画像を変更する(5)。
【0023】
以上の処理により、興趣モードの「ON」に設定されると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。なお、図6では、リモコン110とセンタ200との間で情報の送受信を行っているが、コマンダ120を介して情報の送受信を行ってもよい。
【0024】
次に、再度変更処理において送受信される情報について、図7を参照しつつ説明する。
リモコン110は、歌唱者より歌唱するカラオケ楽曲のリクエスト操作を受け付ける(1)。
リモコン110は、歌唱者IDと楽曲IDが含まれるリクエスト信号を、コマンダ120に送信する(2)。
コマンダ120は、受信したリクエスト信号に含まれる楽曲IDの楽音の再生を開始し、また、歌唱者の歌唱を採点する(3)。
コマンダ120は、楽音の再生を終了すると、歌唱者IDと楽曲IDと採点値データが含まれる歌唱結果信号を、センタ200に送信する(4)。
センタ200は、受信した歌唱結果信号に基いて、歌唱者情報データベース203を更新する(5)。
センタ200は、歌唱者情報データベース203の「歌唱回数」が所定回数に達したと判断した場合に、アバターデータを更新する(6)。アバターデータの更新の詳細については後述する。
センタ200は、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する(7)。
リモコン110は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングして、表示部112に表示中のアバター画像を変更する(8)。
【0025】
以上の処理により、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。
【0026】
[リモコン側の処理]
次に、リモコン110の制御部111によって実行されるリモコン側処理について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、リモコン側処理は歌唱者のログイン中に実行されるため、ログインしている歌唱者の歌唱者IDは既に認識されているものとする。
S11において、制御部111は、歌唱者より興趣モードをONとする操作を受け付ける。
S12において、制御部111は、歌唱者IDと興趣モードのONを指示する情報が含まれるモード設定信号を、センタ200に送信する。
S13において、制御部111は、センタ200からアバターデータを受信する。
S14において、制御部111は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングしてアバター画像を生成し、表示部112に表示する。
【0027】
以上の処理により、興趣モードの「ON」に設定されると、表示部112に表示中のアバター画像が変更される(図9参照)。なお、リモコン側処理は、後述するセンタ200で実行される初期変更処理を指示するための処理であるともいえる。なお、歌唱者からリクエスト操作を受け付け、リクエスト信号をコマンダ120に送信する処理は公知であり、また、本発明の理解に直接関係のない部分であるので詳細な説明を省略する。
【0028】
[コマンダ側の処理]
次に、コマンダ120の制御部121によって実行されるコマンダ側処理について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
S21において、制御部121は、リモコン110からリクエスト信号を受信する。
S22において、制御部121は、受信したリクエスト信号に含まれる楽曲IDの楽音の再生を開始し、また、歌唱者の歌唱を採点する。
S23において、制御部121は、楽音の再生を終了する。
S24において、制御部121は、歌唱者IDと楽曲IDと採点値データが含まれる歌唱結果信号を、センタ200に送信する。
【0029】
以上説明したコマンダ側処理では、歌唱者情報データベース203を更新するための処理であり、また、所定回数の歌唱が行われると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。
【0030】
[センタ側の処理]
次に、センタ200の制御部201によって実行されるセンタ側処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
S31において、制御部201は、リモコン110からモード設定信号を受信したか否かを判断する。この処理において、モード設定信号を受信したと判断した場合は(S31:YES)、制御部201は、処理をS32に移行させ初期変更処理を実行する。
【0031】
以下、初期変更処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
S41において、制御部201は、受信したモード設定信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
S42において、制御部201は、S41で取得したアーティストIDに基いて、最も歌唱回数が多いアーティストを1つ特定する。
【0032】
S43において、制御部201は、S42で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
S44において、制御部201は、S41で取得したアバターデータの一部(例えば、顔の部分)または全部を、S43で取得したアバターデータ(アーティストアバターデータ)と置換することにより、新たなアバターデータを作成し、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新する。
S45において、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0033】
以上の初期変更処理によって、リモコン110側で興趣モードの「ON」に設定されると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、リモコン110の表示部112に表示するアバター画像のアバターデータが送信される。
【0034】
説明をセンタ側処理に戻す。
S31において、モード設定信号を受信していないと判断した場合は(S31:NO)、制御部201は、処理をS33に移行させる。
S33において、制御部201は、コマンダ120から歌唱結果信号を受信したか否かを判断する。この処理において、歌唱結果信号を受信していないと判断した場合は(S33:NO)、制御部201は、センタ側処理を終了する。一方、歌唱結果信号を受信したと判断した場合は(S33:YES)、制御部201は、処理をS34に移行させる。
【0035】
S34において、制御部201は、歌唱者情報データベース203を更新する。具体的には、制御部201は、受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203をアクセスし、「歌唱日時」、「楽曲ID」、「アーティストID」、「採点データ」、「歌唱回数」を更新する。
S35において、制御部201は、歌唱回数が所定回数(例えば、30回)に達したか否かを判断する。この処理において、歌唱回数が所定回数に達していないと判断した場合は(S35:NO)、制御部201は、センタ側処理を終了する。一方、歌唱回数が所定回数に達したと判断した場合は(S35:YES)、制御部201は、処理をS36に移行させる。
S36において、制御部201は、再度変更処理を実行する。
【0036】
以下、再度変更処理ついて説明する。本実施形態では、第1再度変更処理または第2再度変更処理のいずれかが実行される。
まず、第1再度変更処理について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
S51において、制御部201は、S33で受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
【0037】
S52において、制御部201は、S51で取得したアーティストIDに基いて、歌唱回数が多いアーティストを特定する。
S53において、制御部201は、S52で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
【0038】
S54において、制御部201は、S53で取得したアバターデータに基いて変形アーティストアバターデータを作成する。具体的には、制御部201は、S52で特定したアーティスト(すなわち、S53で取得したアバターデータ)が1つの場合は、当該取得したアバターデータを変形アーティストデータとする。また、S52で複数のアーティストを特定した(すなわち、S53で複数のアバターデータを取得した)場合は、それらのアバターデータを合成して変形アーティストアバターデータを作成する。なお、各アバターデータの合成割合は適宜設定することができ、例えば、アーティスト毎の歌唱回数を用いて設定してもよい。
【0039】
S55において、制御部201は、S51で取得したアバターデータの一部(例えば、顔の部分)または全部を、S54で作成した変形アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新する。また、歌唱者情報データベース203の「歌唱回数」をリセットする。
【0040】
図12は、S51で取得したアバターデータのアバター画像(更新前のアバター画像)と変形アーティストアバターデータのアバター画像(変形アーティストアバター画像)と新たなアバターデータのアバター画像(新たなアバター画像)の例を示している。なお、図12では、更新前のアバター画像と変形アーティストアバター画像の合成割合を「50%:50%」としているが、合成割合は適宜設定可能である。
S56において、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0041】
以上の第1再度変更処理によって、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。また、第1再度変更処理が繰り返し実行されることにより、歌唱者の歌唱履歴(特に、歌唱回数)に応じてアバター画像が変化するので(図13参照)、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。また、歌唱回数に応じてアバター画像が変化するので、好きなアーティストのカラオケ楽曲を数多く歌うことで、当該アーティストのアバター画像に近づけることができる。
【0042】
第2再度変更処理について、図14のフローチャートを参照しつつ説明する。
S61において、制御部201は、S33で受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
【0043】
S62において、制御部201は、S61で取得したアーティストIDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アーティストごとの採点データの平均値を算出する。
S63において、制御部201は、S61で取得したアーティストIDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アーティストごとの歌唱回数を算出する。
【0044】
S64において、制御部201は、S62及びS63で取得したアーティストごとの採点データの平均値及び歌唱回数に基いて、アーティストごとのポイントを算出してポイントが大きいアーティストを特定する。具体的には、制御部201は、まず、採点データの平均値及び図15(A)のテーブルに基いて採点データの平均値のポイントを算出する。次に、制御部201は、歌唱回数及び図15(B)のテーブルに基いて歌唱回数のポイントを算出する。そして、制御部201は、上記両ポイントの合計ポイントが大きいアーティストを特定する。例えば、図16の例においてはアーティスト「大門小次郎」の合計ポイントが最も大きいので、S64でアーティスト「大門小次郎」が特定されることになる。なお、S64で特定するアーティストの数を「2」とした場合は、アーティスト「大門小次郎」及び「Kasha」が特定されることになる。
【0045】
S65において、制御部201は、S64で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
S66において、上述した第1再度変更処理のS54〜S56の処理を行うことにより、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新し、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0046】
以上の第2再度変更処理によって、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。また、第2再度変更処理が繰り返し実行されることにより、歌唱者の歌唱履歴(歌唱回数及び採点データ)に応じてアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。特に、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができる。
【0047】
上述したとおり、本実施形態では、まず、初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像(例えば、複数のアーティストのアバター画像から作成されたモンタージュ画像)が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。
これにより、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によってアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0048】
また、歌唱者自身が作成したアバターデータのアバター画像がペットや花や魚等の画像であっても、初期変更処理が最初に実行されることにより、まずアーティストデータに置換され、その後、再度変更処理が実行される。これにより、歌唱者自身が作成したペットや花や魚等の画像であっても、それらの画像とアーティストアバター画像とが合成されることはないので、不自然なアバター画像が表示されることはない。
【0049】
また、上述した第1再度変更処理によれば、アーティスト毎の歌唱回数に基いて、新たなアバター画像が作成される。すなわち、採点結果に関係なく歌唱回数に基いて新たなアバター画像が作成される。これにより、例えば、アーティスト毎の全国ランキングを表示する場合において、上位入賞者の各アバター画像がほぼ同じとなることを避けることができ(仮に、採点結果が高いアーティストのアーティストアバター画像を表示すると、上位入賞者の各採点結果は近い高得点となるので上位入賞者の各アバター画像が似てしまう(図17参照))、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0050】
また、上述した第2再度変更処理によれば、歌唱者の歌唱履歴(歌唱回数及び採点データ)に応じてアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。特に、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0051】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはいうまでもない。
【0052】
例えば、センタ側処理(図10)の再度変更処理を行うか否かの条件(S35)に、「歌唱履歴の採点データに所定点数(例えば、80点)以上の楽曲が存在するか」という条件を付加してもよい。このように構成することにより、歌唱者は、自身のアバター画像を変化させるために高い採点データを得ようとするので、カラオケ歌唱にゲーム性を付加することができ、その結果、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。
【0053】
また、第2再度変更処理(図14)において、アーティストごとの採点データの平均値のポイントのみに基いて、変形アーティストアバターデータの対象となるアーティストを特定してもよい。これにより、例え歌唱回数が少ないアーティストであっても、採点データの平均値が高いアーティストのアバターデータの影響を大きく受けたアバター画像を作成することができるので、歌唱者の興趣を高めることができる。
【0054】
また、上述した実施形態では、ログイン画面やランキング画面においてアバター画像が表示されていたが、例えば、図18に示すように、歌唱者の歌唱中に、ディスプレイ130上に歌詞テロップ417と共に、アバター画像416を表示してもよい。さらに、S42、S52、S64で特定したアーティストの採点データの平均値に基いて、ヘアスタイル・服装・特別なアイテムを取得するように構成し、取得したアイテムを用いてアバター画像416を加工してディスプレイ130や表示部112に表示するように構成してもよい。
【0055】
また、カラオケシステムのセンタ200には、パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500からもアクセス可能であり、当該パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500が有するデコーダやレンダリングエンジンにより、センタ200のアバターデータがデコードやレンダリングされ、各装置が有する表示部にアバター画像を表示するように構成してもよい。
また、センタ200側でアバターデータをデコードやレンダリングし、アバター画像自体を各装置に送信するように構成してもよい。
【0056】
また、上述した各フローチャートは単なる一例であり、該各フローチャートの処理と同等の結果を得ることができるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
また、上述したリモコン、コマンダ、センタに係る各方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、当該プログラムを記憶した記憶媒体等としても本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
100…カラオケ装置、
110…リモコン、111…制御部、112…表示部
120…コマンダ、121…制御部
200…センタ、201…制御部、202…カラオケ楽曲データベース、
203…歌唱者情報データベース、204…アーティスト情報データベース
300…パソコン、400…携帯電話、500…ゲーム機
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置に関するものであり、特に、歌唱者のアーティスト毎の歌唱履歴とアーティストに対応付けられたアバターデータとを用いて、歌唱者のアバターデータを作成するカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置である。
【背景技術】
【0002】
従来、顔などの画像を個人情報の1つとして記憶する装置が種々知られている。例えば、下記特許文献1には、氏名や電話番号等の他に顔画像を記憶する電子手帳が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−218943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ログイン機能を有するカラオケでは、歌唱履歴やランキング等を表示する際に、歌唱者を識別するためのニックネームを表示することが一般的である。また、このようなカラオケにおいても、ニックネームと共に歌唱者の画像(アバター画像)を表示する技術が提案されてきている。そして、歌唱意欲をかき立てるようなアバター画像を作成することができれば、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができると考えられる。
【0005】
本発明は、歌唱意欲をかき立てることができるカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、制御部を有し、カラオケシステムで用いられるアバターデータを作成するアバターデータ作成装置であって、前記制御部は、初期変更処理と当該初期変更処理の後に繰り返し実行される再度変更処理を実行可能であり、前記初期変更処理では、前記制御部は、歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、歌唱履歴情報及びアバターデータを取得し、前記歌唱履歴情報に基いて、アーティストを1つ特定し、前記アーティストをキーとしてアーティスト情報データベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、前記アバターデータの一部または全部を前記アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新し、前記再度変更処理は、前記歌唱者識別情報の歌唱者が、所定回数の歌唱を行うごとに実行され、前記再度変更処理では、前記制御部は、前記歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、前記所定回数の歌唱における歌唱履歴及びアバターデータを取得し、前記歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストを特定し、前記1または複数のアーティストをキーとして前記アーティストデータベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、前記アーティストアバターデータ及び歌唱履歴に基いて、変形アーティストアバターデータを作成し、前記アバターデータの一部または全部と前記変形アーティストアバターデータとを合成することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新することを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る発明では、まず、初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像(例えば、複数のアーティストのアバター画像から作成されたモンタージュ画像)が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。
これにより、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によってアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1のアバターデータ作成装置であって、前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱回数の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、アーティスト毎の歌唱回数に基いて、新たなアバター画像が作成される。すなわち、採点結果に関係なく歌唱回数に基いて新たなアバター画像が作成される。
これにより、例えば、アーティスト毎の全国ランキングを表示する場合において、上位入賞者の各アバター画像がほぼ同じとなることを避けることができ(仮に、採点結果が高いアーティストのアーティストアバター画像を表示すると、上位入賞者の各採点結果は近い高得点となるので上位入賞者の各アバター画像が似てしまう)、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1のアバターデータ作成装置であって、前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱採点値の情報が含まれることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータが作成される。歌唱者のアバター画像が、自身の好きなアーティストのアバター画像となることにより、歌唱者の興趣を高めることができると考えられる。そして、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歌唱意欲をかき立てることができるカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図2】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図3】カラオケシステムの構成の一例を示した図である。
【図4】歌唱者情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図5】アーティスト情報データベースのデータ構造の一例を示した図である。
【図6】初期変更処理における情報の流れの一例を示した図である。
【図7】再度変更処理における情報の流れの一例を示した図である。
【図8】リモコン側処理及びコマンダ側処理のフローチャートである。
【図9】アバター画像が変更された様子を示した図である。
【図10】センタ側処理及び初期変更処理のフローチャートである。
【図11】第1再度変更処理のフローチャートである。
【図12】新たなアバター画像が生成される様子を示した図である。
【図13】アバター画像が変更される様子を示した図である。
【図14】第2再度変更処理のフローチャートである。
【図15】アーティストを特定するために用いられるテーブルを示した図である。
【図16】歌唱履歴とアーティストとの関係を示した図である。
【図17】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像が表示部112に表示されている一例を示した説明図である。
【図18】アバターデータ作成装置(サーバ)で作成されたアバターデータのアバター画像がディスプレイ130に表示されている一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係るアバターデータ作成装置を有するカラオケシステムについて説明する。
【0015】
[アバターデータ作成装置の概要]
本実施形態に係るアバターデータ作成装置は、カラオケリモコン、コマンダ、パソコン、携帯電話、ゲーム機等のディスプレイに表示されるアバター画像のデータ(アバターデータ)を作成するものである。図1は、カラオケリモコンの表示部112に表示されたログイン画面中の表示領域410に、当該アバター画像が表示されている例を示している。また、図2は、カラオケリモコンの表示部112に表示されたランキング画面中の表示領域411に、当該アバター画像が表示されている例を示している(なお、表示領域412〜415には、各ユーザが作成したアバター画像が表示されている。)。また、各アバター画像の下には、各ユーザのログイン名が表示される。これらのアバター画像は、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によって変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0016】
[カラオケシステムの構成]
カラオケシステムは、図3に示すように、各地のカラオケ店舗の客室に設置されたカラオケ装置100と各種情報の配信・管理を行うセンタ200とから構成され、各カラオケ装置100とセンタ200とは通信網を介して接続されている。なお、図3ではカラオケ装置100は1つであるが、実際は多数のカラオケ装置100がセンタ200に接続される構成となっている。また、カラオケシステムのセンタ200には、パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500からもアクセス可能である。
【0017】
[センタ200の構成]
センタ200は、カラオケ装置100でのカラオケ楽曲の演奏に用いられる情報及び歌唱者ごとの情報等を管理し、また、カラオケ装置100等からの要求によりこれらの情報を配信する。センタ200は、図3に示すように、制御部201とカラオケ楽曲データベース202と歌唱者情報データベース203とアーティスト情報データベース204から構成される。
【0018】
制御部201は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、センタ200全体を統括制御し、また、アバターデータ作成装置として機能する。
カラオケ楽曲データベース202のデータ構造等は公知のものを採用でき、本発明の理解に直接関係のない部分であるので詳細な説明を省略する。
【0019】
歌唱者情報データベース203には、歌唱者に関する種々の情報が記憶されている。図4に示すように、歌唱者情報データベース203には、歌唱者IDをキーとして、ニックネームと個人情報とアバターデータと興趣モードと歌唱日時と楽曲IDとアーティストIDと採点データと歌唱回数等が記憶されている。
「歌唱者ID」は、歌唱者を識別するためのユニークな識別符号である。「ニックネーム」は、ログイン画面やランキング画面に表示されるものであり、歌唱者自身が任意に決めることができる。「個人情報」は、歌唱者の氏名や住所や趣味等の情報である。
「アバターデータ」は、ログイン画面やランキング画面に表示されるアバター画像のデータであり、JPEG形式やポリゴン形式等のデータである。アバターデータは、カラオケリモコン等の表示側でJPEG形式のデータではデコードされ、また、ポリゴン形式のデータではレンダリングされてアバター画像として表示される。また、アバター画像は、歌唱者自身が任意に決めることができる。
「興趣モード」は、本実施形態のアバターデータ作成装置による処理対象のアバターデータであるか否かを示すものである。興趣モードが「ON」となっているアバターデータに対してのみ、本実施形態のアバターデータ作成装置は処理を行う。
「歌唱日時」、「楽曲ID」、「アーティストID」、「採点データ」は、それぞれ、歌唱者が歌唱した歌唱日時、歌唱したカラオケ楽曲の識別符号、当該カラオケ楽曲の原曲のアーティストの識別符号、歌唱採点値を示すものである。「アーティストID」及び「採点データ」は、アバターデータを変化させるときに用いられる。
「歌唱回数」は、最後にアバターデータが変化した時点を起点とした歌唱回数を示している。この情報は、アバターデータを新たに更新(変化)させるか否かを判断するときに用いられる。
【0020】
アーティスト情報データベース204には、図5に示すように、アーティストIDをキーとして、アバターデータ等が記憶されている。アーティスト情報データベース204に記憶されているアバターデータは、歌唱者情報データベース203に記憶されているアバターデータを変化させる際に用いられる。なお、カラオケ楽曲の原曲のアーティストがグループである(すなわち、複数のメンバーで構成されている)場合は、そのうちの1人のメンバーのアバターデータを記憶してもよく、また、メンバーごとのアバターデータを記憶してもよい。複数のメンバーのアバターデータを記憶した場合は、歌唱者の個人情報(趣味に関する情報)に基いて1つのアバターデータを選択するように構成してもよい。
【0021】
[カラオケ装置100の構成]
図3に示すように、カラオケ装置100は、リモコン110とコマンダ120とから構成される。なお、複数のリモコン110が、コマンダ120と通信可能となるように構成してもよい。
リモコン110は、制御部111と表示部112とから構成されている。制御部111は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、リモコン110全体を統括制御する。また、アバターデータをデコードやレンダリングしたアバター画像を表示部112に表示する機能を有している。
コマンダ120は制御部121を有し、また、コマンダ120にはディスプレイ130が接続されている。制御部121は、CPUとRAMとROM等から構成され、CPUがROMに記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、コマンダ120全体を統括制御する。また、アバターデータをデコードやレンダリングしたアバター画像をディスプレイ130に表示する機能を有している。
なお、リモコン110及びコマンダ120の構成のうち、本発明の理解に直接関係のない部分については詳細な説明を省略する。
【0022】
[カラオケシステムで送受信される情報]
まず、初期変更処理において送受信される情報について、図6を参照しつつ説明する。
リモコン110は、歌唱者より興趣モードをONとする操作を受け付ける(1)。
リモコン110は、歌唱者IDと興趣モードのONを指示する情報が含まれるモード設定信号を、センタ200に送信する(2)。
センタ200は、受信したモード設定信号に含まれる歌唱者IDの興趣モードを「ON」にし、アバターデータを更新する(3)。アバターデータの更新の詳細については後述する。
センタ200は、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する(4)。
リモコン110は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングして、表示部112に表示中のアバター画像を変更する(5)。
【0023】
以上の処理により、興趣モードの「ON」に設定されると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。なお、図6では、リモコン110とセンタ200との間で情報の送受信を行っているが、コマンダ120を介して情報の送受信を行ってもよい。
【0024】
次に、再度変更処理において送受信される情報について、図7を参照しつつ説明する。
リモコン110は、歌唱者より歌唱するカラオケ楽曲のリクエスト操作を受け付ける(1)。
リモコン110は、歌唱者IDと楽曲IDが含まれるリクエスト信号を、コマンダ120に送信する(2)。
コマンダ120は、受信したリクエスト信号に含まれる楽曲IDの楽音の再生を開始し、また、歌唱者の歌唱を採点する(3)。
コマンダ120は、楽音の再生を終了すると、歌唱者IDと楽曲IDと採点値データが含まれる歌唱結果信号を、センタ200に送信する(4)。
センタ200は、受信した歌唱結果信号に基いて、歌唱者情報データベース203を更新する(5)。
センタ200は、歌唱者情報データベース203の「歌唱回数」が所定回数に達したと判断した場合に、アバターデータを更新する(6)。アバターデータの更新の詳細については後述する。
センタ200は、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する(7)。
リモコン110は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングして、表示部112に表示中のアバター画像を変更する(8)。
【0025】
以上の処理により、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。
【0026】
[リモコン側の処理]
次に、リモコン110の制御部111によって実行されるリモコン側処理について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、リモコン側処理は歌唱者のログイン中に実行されるため、ログインしている歌唱者の歌唱者IDは既に認識されているものとする。
S11において、制御部111は、歌唱者より興趣モードをONとする操作を受け付ける。
S12において、制御部111は、歌唱者IDと興趣モードのONを指示する情報が含まれるモード設定信号を、センタ200に送信する。
S13において、制御部111は、センタ200からアバターデータを受信する。
S14において、制御部111は、受信したアバターデータをデコードやレンダリングしてアバター画像を生成し、表示部112に表示する。
【0027】
以上の処理により、興趣モードの「ON」に設定されると、表示部112に表示中のアバター画像が変更される(図9参照)。なお、リモコン側処理は、後述するセンタ200で実行される初期変更処理を指示するための処理であるともいえる。なお、歌唱者からリクエスト操作を受け付け、リクエスト信号をコマンダ120に送信する処理は公知であり、また、本発明の理解に直接関係のない部分であるので詳細な説明を省略する。
【0028】
[コマンダ側の処理]
次に、コマンダ120の制御部121によって実行されるコマンダ側処理について、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。
S21において、制御部121は、リモコン110からリクエスト信号を受信する。
S22において、制御部121は、受信したリクエスト信号に含まれる楽曲IDの楽音の再生を開始し、また、歌唱者の歌唱を採点する。
S23において、制御部121は、楽音の再生を終了する。
S24において、制御部121は、歌唱者IDと楽曲IDと採点値データが含まれる歌唱結果信号を、センタ200に送信する。
【0029】
以上説明したコマンダ側処理では、歌唱者情報データベース203を更新するための処理であり、また、所定回数の歌唱が行われると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。
【0030】
[センタ側の処理]
次に、センタ200の制御部201によって実行されるセンタ側処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
S31において、制御部201は、リモコン110からモード設定信号を受信したか否かを判断する。この処理において、モード設定信号を受信したと判断した場合は(S31:YES)、制御部201は、処理をS32に移行させ初期変更処理を実行する。
【0031】
以下、初期変更処理について、図10のフローチャートを参照しつつ説明する。
S41において、制御部201は、受信したモード設定信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
S42において、制御部201は、S41で取得したアーティストIDに基いて、最も歌唱回数が多いアーティストを1つ特定する。
【0032】
S43において、制御部201は、S42で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
S44において、制御部201は、S41で取得したアバターデータの一部(例えば、顔の部分)または全部を、S43で取得したアバターデータ(アーティストアバターデータ)と置換することにより、新たなアバターデータを作成し、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新する。
S45において、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0033】
以上の初期変更処理によって、リモコン110側で興趣モードの「ON」に設定されると、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、リモコン110の表示部112に表示するアバター画像のアバターデータが送信される。
【0034】
説明をセンタ側処理に戻す。
S31において、モード設定信号を受信していないと判断した場合は(S31:NO)、制御部201は、処理をS33に移行させる。
S33において、制御部201は、コマンダ120から歌唱結果信号を受信したか否かを判断する。この処理において、歌唱結果信号を受信していないと判断した場合は(S33:NO)、制御部201は、センタ側処理を終了する。一方、歌唱結果信号を受信したと判断した場合は(S33:YES)、制御部201は、処理をS34に移行させる。
【0035】
S34において、制御部201は、歌唱者情報データベース203を更新する。具体的には、制御部201は、受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203をアクセスし、「歌唱日時」、「楽曲ID」、「アーティストID」、「採点データ」、「歌唱回数」を更新する。
S35において、制御部201は、歌唱回数が所定回数(例えば、30回)に達したか否かを判断する。この処理において、歌唱回数が所定回数に達していないと判断した場合は(S35:NO)、制御部201は、センタ側処理を終了する。一方、歌唱回数が所定回数に達したと判断した場合は(S35:YES)、制御部201は、処理をS36に移行させる。
S36において、制御部201は、再度変更処理を実行する。
【0036】
以下、再度変更処理ついて説明する。本実施形態では、第1再度変更処理または第2再度変更処理のいずれかが実行される。
まず、第1再度変更処理について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。
S51において、制御部201は、S33で受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
【0037】
S52において、制御部201は、S51で取得したアーティストIDに基いて、歌唱回数が多いアーティストを特定する。
S53において、制御部201は、S52で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
【0038】
S54において、制御部201は、S53で取得したアバターデータに基いて変形アーティストアバターデータを作成する。具体的には、制御部201は、S52で特定したアーティスト(すなわち、S53で取得したアバターデータ)が1つの場合は、当該取得したアバターデータを変形アーティストデータとする。また、S52で複数のアーティストを特定した(すなわち、S53で複数のアバターデータを取得した)場合は、それらのアバターデータを合成して変形アーティストアバターデータを作成する。なお、各アバターデータの合成割合は適宜設定することができ、例えば、アーティスト毎の歌唱回数を用いて設定してもよい。
【0039】
S55において、制御部201は、S51で取得したアバターデータの一部(例えば、顔の部分)または全部を、S54で作成した変形アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新する。また、歌唱者情報データベース203の「歌唱回数」をリセットする。
【0040】
図12は、S51で取得したアバターデータのアバター画像(更新前のアバター画像)と変形アーティストアバターデータのアバター画像(変形アーティストアバター画像)と新たなアバターデータのアバター画像(新たなアバター画像)の例を示している。なお、図12では、更新前のアバター画像と変形アーティストアバター画像の合成割合を「50%:50%」としているが、合成割合は適宜設定可能である。
S56において、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0041】
以上の第1再度変更処理によって、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。また、第1再度変更処理が繰り返し実行されることにより、歌唱者の歌唱履歴(特に、歌唱回数)に応じてアバター画像が変化するので(図13参照)、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。また、歌唱回数に応じてアバター画像が変化するので、好きなアーティストのカラオケ楽曲を数多く歌うことで、当該アーティストのアバター画像に近づけることができる。
【0042】
第2再度変更処理について、図14のフローチャートを参照しつつ説明する。
S61において、制御部201は、S33で受信した歌唱結果信号に含まれる歌唱者IDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アバターデータ及びアーティストID(歌唱履歴情報)を取得する。
【0043】
S62において、制御部201は、S61で取得したアーティストIDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アーティストごとの採点データの平均値を算出する。
S63において、制御部201は、S61で取得したアーティストIDをキーとして歌唱者情報データベース203を参照して、アーティストごとの歌唱回数を算出する。
【0044】
S64において、制御部201は、S62及びS63で取得したアーティストごとの採点データの平均値及び歌唱回数に基いて、アーティストごとのポイントを算出してポイントが大きいアーティストを特定する。具体的には、制御部201は、まず、採点データの平均値及び図15(A)のテーブルに基いて採点データの平均値のポイントを算出する。次に、制御部201は、歌唱回数及び図15(B)のテーブルに基いて歌唱回数のポイントを算出する。そして、制御部201は、上記両ポイントの合計ポイントが大きいアーティストを特定する。例えば、図16の例においてはアーティスト「大門小次郎」の合計ポイントが最も大きいので、S64でアーティスト「大門小次郎」が特定されることになる。なお、S64で特定するアーティストの数を「2」とした場合は、アーティスト「大門小次郎」及び「Kasha」が特定されることになる。
【0045】
S65において、制御部201は、S64で特定したアーティストのアーティストIDをキーとしてアーティスト情報データベース204を参照して、当該アーティストのアバターデータを取得する。
S66において、上述した第1再度変更処理のS54〜S56の処理を行うことにより、歌唱者情報データベース203の「アバターデータ」を当該新たなアバターデータに更新し、更新したアバターデータを、リモコン110に送信する。
【0046】
以上の第2再度変更処理によって、所定回数の歌唱が行われる毎に、歌唱者情報データベース203のアバターデータが更新され、また、表示部112に表示中のアバター画像が変更される。また、第2再度変更処理が繰り返し実行されることにより、歌唱者の歌唱履歴(歌唱回数及び採点データ)に応じてアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。特に、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができる。
【0047】
上述したとおり、本実施形態では、まず、初期変更処理が行われ、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、歌唱履歴に基いて、所定のアーティストのアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。その後、再度変更処理が行われ、初期変更処理の実行から現時点までにおける歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストが特定される。そして、特定したアーティストのアバター画像と前記歌唱履歴とに基いて、変形アーティストアバター画像(例えば、複数のアーティストのアバター画像から作成されたモンタージュ画像)が作成される。そして、歌唱者のアバター画像の一部(例えば、顔部分)または全部が、前記変形アーティストアバター画像に置換される。そして、置換されたアバター画像は、歌唱者のニックネームと共に表示される。
これにより、歌唱者の嗜好(歌唱履歴)によってアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0048】
また、歌唱者自身が作成したアバターデータのアバター画像がペットや花や魚等の画像であっても、初期変更処理が最初に実行されることにより、まずアーティストデータに置換され、その後、再度変更処理が実行される。これにより、歌唱者自身が作成したペットや花や魚等の画像であっても、それらの画像とアーティストアバター画像とが合成されることはないので、不自然なアバター画像が表示されることはない。
【0049】
また、上述した第1再度変更処理によれば、アーティスト毎の歌唱回数に基いて、新たなアバター画像が作成される。すなわち、採点結果に関係なく歌唱回数に基いて新たなアバター画像が作成される。これにより、例えば、アーティスト毎の全国ランキングを表示する場合において、上位入賞者の各アバター画像がほぼ同じとなることを避けることができ(仮に、採点結果が高いアーティストのアーティストアバター画像を表示すると、上位入賞者の各採点結果は近い高得点となるので上位入賞者の各アバター画像が似てしまう(図17参照))、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0050】
また、上述した第2再度変更処理によれば、歌唱者の歌唱履歴(歌唱回数及び採点データ)に応じてアバター画像が変化するので、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。特に、好きなアーティストほど当該アーティストの歌唱採点値が高い傾向にあるから、アーティスト毎の歌唱採点値に基いて、新たなアバターデータを作成してアバター画像として表示することにより、歌唱者の興趣を高めることができ、その結果、カラオケ事業の収益も高めることができる。
【0051】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはいうまでもない。
【0052】
例えば、センタ側処理(図10)の再度変更処理を行うか否かの条件(S35)に、「歌唱履歴の採点データに所定点数(例えば、80点)以上の楽曲が存在するか」という条件を付加してもよい。このように構成することにより、歌唱者は、自身のアバター画像を変化させるために高い採点データを得ようとするので、カラオケ歌唱にゲーム性を付加することができ、その結果、カラオケを楽しむ歌唱者の興趣を高めることができる。
【0053】
また、第2再度変更処理(図14)において、アーティストごとの採点データの平均値のポイントのみに基いて、変形アーティストアバターデータの対象となるアーティストを特定してもよい。これにより、例え歌唱回数が少ないアーティストであっても、採点データの平均値が高いアーティストのアバターデータの影響を大きく受けたアバター画像を作成することができるので、歌唱者の興趣を高めることができる。
【0054】
また、上述した実施形態では、ログイン画面やランキング画面においてアバター画像が表示されていたが、例えば、図18に示すように、歌唱者の歌唱中に、ディスプレイ130上に歌詞テロップ417と共に、アバター画像416を表示してもよい。さらに、S42、S52、S64で特定したアーティストの採点データの平均値に基いて、ヘアスタイル・服装・特別なアイテムを取得するように構成し、取得したアイテムを用いてアバター画像416を加工してディスプレイ130や表示部112に表示するように構成してもよい。
【0055】
また、カラオケシステムのセンタ200には、パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500からもアクセス可能であり、当該パソコン300・携帯電話400・ゲーム機500が有するデコーダやレンダリングエンジンにより、センタ200のアバターデータがデコードやレンダリングされ、各装置が有する表示部にアバター画像を表示するように構成してもよい。
また、センタ200側でアバターデータをデコードやレンダリングし、アバター画像自体を各装置に送信するように構成してもよい。
【0056】
また、上述した各フローチャートは単なる一例であり、該各フローチャートの処理と同等の結果を得ることができるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
また、上述したリモコン、コマンダ、センタに係る各方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、当該プログラムを記憶した記憶媒体等としても本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0057】
100…カラオケ装置、
110…リモコン、111…制御部、112…表示部
120…コマンダ、121…制御部
200…センタ、201…制御部、202…カラオケ楽曲データベース、
203…歌唱者情報データベース、204…アーティスト情報データベース
300…パソコン、400…携帯電話、500…ゲーム機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を有し、カラオケシステムで用いられるアバターデータを作成するアバターデータ作成装置であって、
前記制御部は、初期変更処理と当該初期変更処理の後に繰り返し実行される再度変更処理を実行可能であり、
前記初期変更処理では、前記制御部は、
歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、歌唱履歴情報及びアバターデータを取得し、
前記歌唱履歴情報に基いて、アーティストを1つ特定し、
前記アーティストをキーとしてアーティスト情報データベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、
前記アバターデータの一部または全部を前記アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータ を当該新たなアバターデータに更新し、
前記再度変更処理は、前記歌唱者識別情報の歌唱者が、所定回数の歌唱を行うごとに実行され、
前記再度変更処理では、前記制御部は、
前記歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、前記所定回数の歌唱における歌唱履歴及びアバターデータを取得し、
前記歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストを特定し、
前記1または複数のアーティストをキーとして前記アーティストデータベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、
前記アーティストアバターデータ及び歌唱履歴に基いて、変形アーティストアバターデータを作成し、
前記アバターデータの一部または全部と前記変形アーティストアバターデータとを合成することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新する、
カラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【請求項2】
前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱回数の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【請求項3】
前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱採点値の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【請求項1】
制御部を有し、カラオケシステムで用いられるアバターデータを作成するアバターデータ作成装置であって、
前記制御部は、初期変更処理と当該初期変更処理の後に繰り返し実行される再度変更処理を実行可能であり、
前記初期変更処理では、前記制御部は、
歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、歌唱履歴情報及びアバターデータを取得し、
前記歌唱履歴情報に基いて、アーティストを1つ特定し、
前記アーティストをキーとしてアーティスト情報データベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、
前記アバターデータの一部または全部を前記アーティストアバターデータと置換することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータ を当該新たなアバターデータに更新し、
前記再度変更処理は、前記歌唱者識別情報の歌唱者が、所定回数の歌唱を行うごとに実行され、
前記再度変更処理では、前記制御部は、
前記歌唱者識別情報をキーとして歌唱者情報データベースをアクセスして、前記所定回数の歌唱における歌唱履歴及びアバターデータを取得し、
前記歌唱履歴に基いて、1または複数のアーティストを特定し、
前記1または複数のアーティストをキーとして前記アーティストデータベースをアクセスして、当該アーティストに対応するアーティストアバターデータを取得し、
前記アーティストアバターデータ及び歌唱履歴に基いて、変形アーティストアバターデータを作成し、
前記アバターデータの一部または全部と前記変形アーティストアバターデータとを合成することにより、新たなアバターデータを作成し、前記歌唱者情報データベースの前記アバターデータを当該新たなアバターデータに更新する、
カラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【請求項2】
前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱回数の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【請求項3】
前記歌唱履歴情報及び/または歌唱履歴には、アーティスト毎の歌唱採点値の情報が含まれる請求項1のカラオケシステムで用いられるアバターデータ作成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−224372(P2010−224372A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73673(P2009−73673)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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