説明

カラオケシステム及びカラオケボックス

【課題】カラオケボックスに既設のカラオケ装置を利用して、設置されマイクをカラオケ利用者において、使い回さずにカラオケを楽しむことを可能とするカラオケシステムを提供する。
【解決手段】本願発明に係るカラオケシステムは、従来周知のカラオケ装置1を備えたカラオケシステムであり、当該カラオケ装置とは別の、即ちカラオケ利用者pが所持する携帯電話機kと、当該携帯電話機kをカラオケ装置1に接続する携帯接続手段7とを備える。そして、当該携帯電話機kをマイクとして、カラオケ利用者pの音声をカラオケ装置1に入力するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、カラオケシステム及びカラオケボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、カラオケ装置が設置された遊戯施設、例えばカラオケ装置が備えられた個室であるカラオケボックスが広く普及している。
上記のカラオケ装置は、楽曲・映像供給装置と、楽曲・映像供給装置に接続されたミキサと、ミキサに接続されたマイクと、ミキサに接続されたアンプと、アンプに接続されたスピーカーと、楽曲・映像供給装置に接続されたディスプレイとを備えるものが一般的である。
【0003】
上記の楽曲・映像供給装置には、音楽情報が記録されたDVDやCDといった光ディスクの再生装置や旧来のテープなどの再生装置(特許文献1)の他、最近では、楽曲の音情報と当該楽曲の少なくとも歌詞の映像情報とを含む音楽情報の配信を受けて音楽情報を音と映像に変換する通信端末である、通信カラオケなどの装置が特に普及している(特許文献2)。
そして、カラオケ装置が備える上記ミキサは、楽曲・映像供給装置から入力された楽曲の音と、マイクから入力されたカラオケ利用者の音とをミキシングしてアンプに出力するものであり、ディスプレイは、楽曲・映像供給装置から入力された映像を映し出すものであり、アンプは、ミキサから入力された上記ミキシングされた音を増幅してスピーカーへ出力するものであり、スピーカーは、アンプが増幅した上記音を発するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−032092号公報
【特許文献2】特開平09−127966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来のカラオケボックスでは、他人の使用したマイクを使い回すものであり、衛生面で好ましくないのはもとより、人によっては他人の使用したマイクを用いるのに嫌悪を感じるものであった。
本願発明は、既存のシステムを利用して、簡便に上記問題の解決を図る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1の発明では、カラオケ装置を備えたカラオケシステムについて、次の構成を採るものを提供する。
即ち、このシステムは、カラオケ装置とは別の携帯電話機と、当該携帯電話機をカラオケ装置に接続する携帯接続手段とを備え、携帯電話機をマイクとして、カラオケ利用者の音声をカラオケ装置に入力することができるものである。
本願の請求項2の発明では、本願の上記請求項1の発明にあって、次の構成を採るカラオケシステムを提供する。
即ち、上記カラオケ装置は、楽曲・映像供給装置と、楽曲・映像供給装置に接続されたミキサと、ミキサに接続されたアンプと、アンプに接続されたスピーカーと、楽曲・映像供給装置に接続されたディスプレイとを備えたものであり、携帯接続手段は、カラオケ利用者の携帯電話機に直接接続され当該携帯電話機を通じて送られてくるカラオケ利用者の音声をミキサへ入力する有線接続用の接続線と、カラオケ利用者の携帯電話機のマイクを通じて送られてくるカラオケ利用者の音声を無線で受けてミキサへ入力する無線の送受信機と、カラオケ利用者の携帯電話機からの音声をミキサに送る受話用の電話機の、何れかであり、楽曲・映像供給装置は、楽曲の音情報と当該楽曲の少なくとも歌詞の映像情報とを含む音楽情報の配信を受けて音楽情報を音と映像に変換する通信端末であるか、又は、音楽情報が記録された光ディスク等の記録媒体から音と映像とを再生することができる再生装置であり、ミキサは、楽曲・映像供給装置から入力された楽曲の音と、携帯接続手段にて入力されたカラオケ利用者の携帯電話からの音声とをミキシングしてアンプに出力するものであり、ディスプレイは、楽曲・映像供給装置から入力された映像を映し出すものであり、アンプは、ミキサから入力された上記ミキシングされた音を増幅してスピーカーへ出力するものであり、スピーカーは、アンプが増幅した上記音を発するものである。
本願の請求項3の発明では、本願の上記請求項1又は2に記載のカラオケシステムを備えたカラオケボックスを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本願の請求項1〜3の発明では、カラオケ利用者の夫々が携帯する携帯電話機を、そのままマイクとして利用することができる。このように各人が自分の携帯電話機をマイクとして利用することにより、従来の1本のマイクを使い回すという不衛生な状況を改善した。
特に、本願発明は、既存のカラオケ装置に大きな変更を加えることなく、上記衛生的なカラオケシステムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本願発明に係る一実施の形態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1へ示す通り、このカラオケボックス100は、利用者の歌唱用の専用マイクを備えない点を除いて、周知の一般的なカラオケ装置1を備えるカラオケシステムが設置されたものである。
【0010】
そして、カラオケボックス100には、上記カラオケ装置1と共に、カラオケ利用者pが所持する携帯電話機kをカラオケ装置1へ接続する携帯接続手段7とが設置されている。
【0011】
このカラオケシステムは、上記カラオケ装置1と、上記携帯接続手段7と、カラオケ利用者が所持する携帯電話機kとによって、構成される。
携帯接続手段7は、携帯電話機kをマイクとして、カラオケ利用者pの音声をカラオケ装置1に入力することができるものである。
【0012】
詳しくは、カラオケ装置1は、図1へ示す通り、楽曲・映像供給装置2と、楽曲・映像供給装置2に接続されたミキサ3と、ミキサ3に接続されたアンプ4と、アンプ4に接続されたスピーカー5と、楽曲・映像供給装置2に接続されたディスプレイ6とにて構成されたものであり、一般的なカラオケボックスに設置されたものである。
【0013】
携帯接続手段7は、この実施の形態において、カラオケ利用者pの携帯電話機kからの音声をミキサ3に送る受話用の電話機である。
この受話用の電話機は、一般的な固定電話機と携帯電話機の何れであってもよいが、イヤホーン用やライン出力用の音声出力端子を備えたものである必要がある。そして、この受話用の電話機は、コードにてミキサ3の音声入力端子へ接続される。カラオケ利用者pは、自己の携帯電話機kから電話回線を通じて、上記携帯接続手段7である上記受話用の電話機へ電話をかけて、ミキサ3へ当該携帯電話機kのマイクが受けた歌唱の音声を入力する。
【0014】
楽曲・映像供給装置7は、この実施の形態において、楽曲の音情報と当該楽曲の少なくとも歌詞の映像情報とを含む音楽情報の配信を受けて音楽情報を音と映像に変換する、通信カラオケの通信端末である。
【0015】
ミキサ3は、カラオケ利用者pが選択した、楽曲・映像供給装置2から入力された楽曲の音と、携帯接続手段7にて入力されたカラオケ利用者pの携帯電話機からの音声とを合成即ちミキシングしてアンプ4に出力する。
アンプ4は、ミキサ3から入力された上記ミキシングされた音を、増幅してスピーカーへ出力する。スピーカー5は、アンプ4が増幅した上記音を発するものである。
【0016】
ディスプレイ6は、楽曲・映像供給装置2から入力された映像を映し出す。ディスプレイ6には、液晶やプラズマ、ブラウン管といったモニタ装置を採用することができる。
【0017】
上記の構成を採るカラオケシステムを備えたカラオケボック100に入室したカラオケ利用者pは、既設のカラオケ装置1を利用して、従来通り、歌唱する曲を選択すると共に、所持する携帯電話機kにて上記受話用の電話機へ電話をかけて、所持する携帯電話機kを、そのままマイクに代えて利用し、カラオケを楽しむことができる。
特に、このシステムでは、当該所持する携帯電話機kをマイクのとしてのみ利用し、通信カラオケの端末として利用するものではないため、携帯電話機にカラオケ装置を構築するための複雑なプログラムをインストールするという、事前の作業を迫られるものではない。
【0018】
上記において、携帯接続手段7は、電話回線を利用する受話用の電話機としたが、このような実施の形態に限定するものではない。
例えば、携帯接続手段7は、カラオケ利用者pの所持する携帯電話機kのマイクか受けた音声を音声出力端子から出力できるものであれば、受話用の電話機として設置するのではなく、カラオケ利用者pの携帯電話機kとミキサ3とを接続するコードとしてもよい。当該コードにて、直接当該カラオケ利用者の携帯電話機kをミキサ3へ接続して、カラオケ利用者pの声をミキサ3へ入力すればよいのである。
この他、カラオケ利用者pが所持する携帯電話機kとミキサ3とを直接する接続する上記のコードに代えて、カラオケ利用者pの携帯電話機kに送信機を接続し、ミキサ3の音入力端子に受信機を接続し、無線で、カラオケ利用者pの携帯電話機kのマイクが受けたカラオケ利用者pの声をミキサ3へ送るものとしても実施できる。例えば、最近の携帯電話機kでは、デジタル機器間で近距離通信が行えるBluetooth(登録商標)機器を利用することがてきるものが普及しているが、このようなデジタル機器用の近距離無線通信規格の通信機器を、携帯接続手段7としてカラオケ利用者pの携帯電話機kとミキサ3との間に介するものとしても実施できる。
【0019】
また、上記の実施の携帯において、楽曲・映像供給装置2は、通信カラオケの通信端末としたが、この他、音楽情報が記録されたDVDやCDなどの光ディスクのプレイヤや或いは音楽テープの再生デッキといった記録媒体から音と映像とを再生することができる再生装置としてもよい。
【符号の説明】
【0020】
1 カラオケ装置
2 楽曲・映像供給装置
3 ミキサ
4 アンプ
5 スピーカー
6 ディスプレイ
7 携帯接続手段
k 携帯電話機
100 カラオケボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置を備えたカラオケシステムにおいて、
カラオケ装置とは別の携帯電話機と、当該携帯電話機をカラオケ装置に接続する携帯接続手段とを備え、
携帯電話機をマイクとして、カラオケ利用者の音声をカラオケ装置に入力することができるカラオケシステム。
【請求項2】
上記カラオケ装置は、楽曲・映像供給装置と、楽曲・映像供給装置に接続されたミキサと、ミキサに接続されたアンプと、アンプに接続されたスピーカーと、楽曲・映像供給装置に接続されたディスプレイとを備えたものであり、
携帯接続手段は、カラオケ利用者の携帯電話機に直接接続され当該携帯電話機のマイクを通じて送られてくるカラオケ利用者の音声をミキサへ入力する有線接続用の接続線と、カラオケ利用者の携帯電話機を通じて送られてくるカラオケ利用者の音声を無線で受けてミキサへ入力する無線の送受信機と、カラオケ利用者の携帯電話機からの音声をミキサに送る受話用の電話機の、何れかであり、
楽曲・映像供給装置は、楽曲の音情報と当該楽曲の少なくとも歌詞の映像情報とを含む音楽情報の配信を受けて音楽情報を音と映像に変換する通信端末であるか、又は、音楽情報が記録された光ディスク等の記録媒体から音と映像とを再生することができる再生装置であり、
ミキサは、楽曲・映像供給装置から入力された楽曲の音と、携帯接続手段にて入力されたカラオケ利用者の携帯電話からの音声とをミキシングしてアンプに出力するものであり、
ディスプレイは、楽曲・映像供給装置から入力された映像を映し出すものであり、
アンプは、ミキサから入力された上記ミキシングされた音を増幅してスピーカーへ出力するものであり、
スピーカーは、アンプが増幅した上記音を発することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカラオケシステムを備えたカラオケボックス。

【図1】
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【公開番号】特開2013−113988(P2013−113988A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259225(P2011−259225)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【出願人】(511288968)
【Fターム(参考)】