説明

カラオケシステム

【課題】カラオケ演奏時に行った利用者の歌唱を採点する際に、より正確な採点結果を得ること。
【解決手段】当該カラオケ装置4における現在のスピードコントール値の設定値を取得し、S110にて受信した過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を参照して、その過去のスピードコントロール値と、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値とから、両者が同一の演奏速度となるよう過去の分析採点結果に対して正規化を行い(S112)、その正規化された過去の分析採点結果をモニタ36に表示させる(S114)。カラオケ演奏に合わせてマイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの採点結果をモニタ36に表示させる(S118)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ演奏時に行った利用者の歌唱を採点する際に、より正確な採点結果を得る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、カラオケ装置の付帯機能として採点機能が良く知られている。この採点機能は、マイクロフォンから入力された歌唱者の音声信号をサンプリングすることで歌唱者が発声した音高や声量あるいはテンポなどの歌唱状態を示す歌唱データを生成する。この歌唱データとカラオケデータ中の主旋律データなどの採点基準データとを比較し、その比較結果に基づいて所定の得点を付与して採点データを生成する。そして、歌唱パートが終了するとこの採点データ中の得点を集計して総合得点を算出する。総合得点はそのままの得点をスコアボードやディスプレイに表示したり、所定のメッセージや所定の表現内容を含む映像など総合得点を反映した映像をディスプレイに出力したりする。
【0003】
また、同様に、利用者による音声を採点する装置としては、2つの音素列を時間軸上で正規化して表示する音声認識装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような音声認識装置は、不特定話者の音声を入力する入力手段50と、その音声信号から音声認識を行い、言語シンボルを得る認識手段51と、前記音声信号の所定の音響的特徴量とそれに対応する前記言語シンボルとの対応付け内容を、少なくとも2種類の音声について、正規化して対応させ表示する表示手段54とを備えている。なお、この音声認識装置では、2つの音声データのうちの一方については、入力手段から入力された音声データであり、他方の音声データについては、予め記憶されているお手本の音声データであり、両者を比較して処理した後に正規化して表示するようになっている。
【特許文献1】特開平05−165494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述のようなカラオケ装置においては、歌唱者の過去の採点値と今回の採点値とを比較し、採点分析処理を行ってその分析結果を表示する場合に、過去のカラオケ演奏スピードと今回のカラオケ演奏スピードが異なると、両者では分析する時間が異なることとなるために分析処理に誤差が生じるという問題があった。
【0005】
また、特許文献1に記載の音声認識装置においても同様に、入力手段から入力された音声データと予め記憶されているお手本の音声データとを比較し、採点分析処理を行ってその分析結果を表示する場合に、両者の再生スピードが異なると、両者では分析する時間が異なることとなるために分析処理に誤差が生じるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような不具合に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、カラオケ演奏時に行った利用者の歌唱を採点する際に、より正確な採点結果を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に係るカラオケシステムは、サーバから取得した利用者または他の利用者の過去の採点結果と今回の採点結果とを同一の演奏速度となるように調整して表示することを特徴とする。
【0008】
具体的には、上述のカラオケシステムは、楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う複
数のカラオケ装置とサーバとを備え、前記複数のカラオケ装置と前記サーバとの間でデータ通信可能に構成されている。
【0009】
このうちサーバは、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した「採点結果」を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに「採点履歴情報」として記憶する採点履歴情報記憶手段を備えている。
【0010】
一方、複数のカラオケ装置は、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約を受け付ける予約受付手段と、一つ以上のカラオケ演奏曲を記憶する演奏曲記憶手段と、カラオケ演奏手段と、採点履歴情報取得手段と、カラオケ歌唱の音声信号を入力するための音声信号入力手段と、カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われた際に音声信号入力手段から入力されたカラオケ歌唱を採点する採点手段と、表示手段と、表示制御手段と、を備えている。まず、カラオケ演奏手段は、予約受付手段が受け付けた利用者によるカラオケ演奏曲の予約に基づき、演奏曲記憶手段からカラオケ演奏曲を読み出してカラオケ演奏する。この際、採点履歴情報取得手段が、カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報をサーバの採点履歴情報記憶手段から取得する。そして、表示制御手段が、カラオケ演奏手段がカラオケ演奏曲をカラオケ演奏する際の演奏速度および採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる演奏速度を示す情報を参照して、採点手段による採点結果および採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を、同一の演奏速度となるように調整して表示手段に表示させる。
【0011】
このように構成された本発明のカラオケシステムによれば、表示制御手段が、カラオケ演奏手段がカラオケ演奏曲をカラオケ演奏する際の演奏速度および採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる演奏速度を示す情報を参照して、採点手段による採点結果および採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を、同一の演奏速度となるように調整して表示手段に表示させる。このことにより、過去の歌唱時と今回の歌唱時とで演奏速度が異なっていても、過去の歌唱時の採点結果と今回の歌唱時の採点結果とをより正確に比較をすることができる。また、歌唱者本人のみではなくそのとき一緒に歌いに来た仲間(他の利用者)と歌唱時の採点結果の比較が可能となる。したがって、カラオケ演奏時に行った利用者の歌唱を採点する際に、より正確な採点結果を得ることができる。
【0012】
なお、上述のように採点履歴情報をサーバから取得する時期については、(イ)利用者によるカラオケ演奏の予約時や、(ロ)予約曲のカラオケ演奏開始時などが考えられる。
このうちの(ロ)予約曲のカラオケ演奏開始時については、請求項2のように、カラオケ装置の採点履歴情報取得手段が、カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報を、カラオケ演奏手段がカラオケ演奏を行う直前に、サーバの採点履歴情報記憶手段から取得することが考えられる。
【0013】
このように構成すれば、上述の(イ)のように採点履歴情報を予約時など事前に取得しておくと、予約のキャンセルがあった場合にその取得に費やしたリソースが無駄になるが、本発明のように、採点履歴情報を予約曲のカラオケ演奏開始時にサーバから取得することにより、上述のようなリソースの無駄が発生することを防ぐことができる。
【0014】
ところで、上述のような比較結果の表示については、(ハ)カラオケ演奏終了時に、過去の採点結果と今回の採点結果との比較を表示することや、(ニ)カラオケ演奏中に区間ごとの前記比較の結果を順次表示していくことなどが考えられる。
【0015】
このうちの(ニ)カラオケ演奏中に区間ごとの比較結果を順次表示していくことについては、請求項3のように、表示制御手段が、採点手段による採点結果および採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を、カラオケ演奏手段による演奏区間ごとに、同一の演奏速度となるように調整して表示手段に表示させることが考えられる。このように構成すれば、上述の(ハ)のようにカラオケ演奏終了後にのみ比較結果を表示する場合に比べて、カラオケ演奏中に利用者や他の利用者の興味をカラオケ演奏および歌唱に引き付けることができる。また、利用者が区間ごとの採点結果を見ながら歌唱方法の参考にすることができる。
【0016】
ところで、上述の採点結果については、(ホ−1)サーバに保存しておくことが考えられる。具体的には、請求項4のように、複数のカラオケ装置が、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに採点履歴情報としてサーバに送信する送信手段を備え、一方、サーバは、複数のカラオケ装置の何れかから送信された採点履歴情報を、利用者を特定可能に採点履歴情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、採点履歴情報記憶手段が記憶する利用者の採点履歴情報と送信手段によって送信された利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択する採点比較手段と、を備え、記憶制御手段が、採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、利用者が次回にログインを行ったカラオケ装置へダウンロードさせる採点履歴情報として採点履歴情報記憶手段に記憶させることが考えられる。
【0017】
このように構成すれば、異なるカラオケ装置で同一のカラオケ演奏曲に対して歌唱する場合でも、過去の採点結果である採点履歴情報を取得して、上述のような比較を行うことができる。
【0018】
また、上述の採点結果については、(ホ−2)採点結果の値の増減とともにサーバに保存しておくことが考えられる。具体的には、請求項5のように、採点履歴情報には、カラオケ演奏された時刻を示す時刻情報が含まれており、複数のカラオケ装置が、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに採点履歴情報としてサーバに送信する送信手段を備え、一方、サーバは、複数のカラオケ装置の何れかから送信された採点履歴情報を、利用者を特定可能に採点履歴情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、採点履歴情報記憶手段が記憶する利用者の採点履歴情報と送信手段によって送信された利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択するとともに、各採点履歴情報に含まれる時刻情報を参照して、採点結果の値の増減を特定する採点比較手段と、を備え、記憶制御手段が、採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、その採点結果の値の増減を示す情報を付与して、利用者が次回にログインを行ったカラオケ装置へダウンロードさせる採点履歴情報として採点履歴情報記憶手段に記憶させることが考えられる。
【0019】
このように構成すれば、歌唱の上達度合いを計るために、分析採点結果に時間要素を加えて新旧時間で採点結果を比較することにより、以前より演奏曲に対する歌唱能力が向上しているのか、下降しているのかが、利用者自身で特定できる。
【0020】
また、上述の採点結果については、(ヘ−1)カラオケ装置内に一時的に保存しておくことが考えられる。具体的には、請求項6のように、複数のカラオケ装置が、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに、利用者の採点履歴情報として、利用者を特定可能に記憶する装置側記憶手段と、採点履歴情報記憶手段が記憶する利用者の採点履歴情報と今回の利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択する採点比較手段と、を備え、装置側記憶手段が、採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、利用者の採点履歴情報として記憶することが考えられる。
【0021】
このように構成すれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、例えば、採点結果およびスピードコントロール値などの演奏速度を示す情報をサーバへ送信するとともに、採点を行ったカラオケ装置内のHDDやメモリなどにも保存しておき、歌唱者本人の採点履歴情報についてはサーバから取得し、他の利用者の採点履歴情報については、カラオケ装置内のHDDやメモリなどから取得する。この際、他の利用者のユーザIDに関してはカラオケ装置内のHDDやメモリから検索したり読み出して一覧表示したりする。このことにより、他のログインしている利用者についてはサーバに対してユーザ情報に関する問い合わせや採点履歴情報の取得処理を行わないため、サーバへのアクセス時間を短縮することができる。
【0022】
また、上述の採点結果については、(ヘ−2)採点結果の値の増減とともにカラオケ装置内に一時的に保存しておくことが考えられる。具体的には、請求項7のように、採点履歴情報には、カラオケ演奏された時刻を示す時刻情報が含まれており、複数のカラオケ装置は、それぞれ、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに、利用者の採点履歴情報として、利用者を特定可能に記憶する装置側記憶手段と、採点履歴情報記憶手段が記憶する利用者の採点履歴情報と今回の利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択するとともに、各採点履歴情報に含まれる時刻情報を参照して、採点結果の値の増減を特定する採点比較手段と、を備え、装置側記憶手段が、採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、その採点結果の値の増減を示す情報を付与して、利用者の採点履歴情報として記憶することが考えられる。
【0023】
このように構成すれば、歌唱の上達度合いを計るために、分析採点結果に時間要素を加えて新旧時間で採点結果を比較することにより、以前より演奏曲に対する歌唱能力が向上しているのか、下降しているのかが、利用者自身で特定できる。
【0024】
また、上述のように、(ヘ)採点履歴情報をカラオケ装置内のHDDやメモリなどに保存している場合には、採点履歴情報を取得する必要が生じた際にカラオケ装置内のHDDやメモリなどから採点履歴情報を取得することが考えられる。具体的には、請求項8のように、カラオケ装置の採点履歴情報取得手段が、カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報が装置側記憶手段に記憶されているか否かを判断する。採点履歴情報が装置側記憶手段に記憶されていると判断した場合には、採点履歴情報取得手段が、採点履歴情報を装置側記憶手段から取得する。一方、採点履歴情報が装置側記憶手段には記憶されていないと判断した場合には、採点履歴情報取得手段が、採点履歴情報をサーバの採点履歴情報記憶手段から取得する。
【0025】
このように構成すれば、所望の採点履歴情報がカラオケ装置内に保存されている場合にはその採点履歴情報をカラオケ装置内から優先的に取得し、一方、所望の採点履歴情報がカラオケ装置内に保存されていない場合にはその採点履歴情報をサーバから取得するので、サーバへのアクセス時間をさらに短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
図1は、インターネット200を利用したカラオケネットワークシステム1の概略構成を示すブロック図である。また、図6(b)はカラオケ用ホストサーバが記憶する採点結果データリストを示す説明図である。
【0027】
[カラオケネットワークシステム1の構成の説明]
図1に示すように、カラオケネットワークシステム1は、Webサーバ2aとデータベース2bとを備えるカラオケ用ホストサーバ2、及びWebサーバ3aを備えるインターネット用ホストサーバ3に対して、カラオケ店等の各カラオケルームに設置されるカラオケ装置4と、カラオケ装置4を操作するためのリモコン端末5と、パーソナルコンピュータ(以下、パソコン)6a及び携帯電話6b等の情報端末からなるユーザ端末6とがインターネット200を介して通信可能に構成されることによって形成されている。
【0028】
カラオケ用ホストサーバ2は、カラオケ店等に設置されているカラオケ装置4に対して楽曲データやカラオケ装置4からユーザへ提供するためのコンテンツデータ等を配信するためのカラオケサービス用のホストサーバである。カラオケ用ホストサーバ2は、ホストサーバ側のルータ130とカラオケ店側のルータ120との間でインターネットネットワーク200上に形成されるVPN(virtual private network)を介して、カラオケ店側
のLAN100に接続されている。つまり、カラオケ用ホストサーバ2と、カラオケ装置4及びリモコン端末5との間の通信は、インターネット200上のVPN及びカラオケ店側のLAN100を介して行われる。
【0029】
さらに、本カラオケネットワークシステム1において、カラオケ用ホストサーバ2は、本システムを利用する権限を有するユーザに関する登録情報を蓄積するユーザ登録データベース2cや、登録されているユーザのカラオケ歌唱に関する情報及び当該ユーザから提供される情報等をインターネット200上で公開するための個人用Webページのデータを蓄積する個人用Webページデータベース2d等を有するデータベース2bを備えている。そして、カラオケ用ホストサーバ2が備えるWebサーバ2aは、このデータベース2bと連携しており、カラオケ店側のリモコン端末4等からの要求に応じて、カラオケネットワークシステム1を利用するためにログインしようとするユーザに対する認証や、ログインしたユーザに対する個人用Webページの配信・更新サービスを行う。すなわち、ここでいう連携とは、ユーザ認証及び個人用Webページの配信をWebサーバ2aが行うために、データベース2d内に格納されたデータを参照したり、Webサーバ2aが受け付けた個人用Webページ更新のデータをデータベース2bに反映させたりすることで、Webサーバ2aが行う前記サービスに利用するためのデータと、データベース2bとが対応していることを指す。
【0030】
また、カラオケ用ホストサーバ2のデータベース2bには、図6(b)に例示するような分析採点結果リストが記憶されている。この分析採点結果リストには、選曲番号、点数、ユーザID、ニックネーム、端末シリアルナンバーおよび登録日時を関連付けたレコードが登録されている。さらに、各レコードには、区間ごとの点数、および演奏時のスピードコントール値が含まれる。
【0031】
インターネット用ホストサーバ3は、Webサーバ3aを介してパソコン6aや携帯電話6b等の情報端末(以下、これらを総称する場合はユーザ端末6ともいう)に対してインターネット200を介して情報の送信をするためのホストサーバである。また、インターネット用ホストサーバ3は、適宜な通信回線を介してカラオケ用ホストサーバ2と通信可能に構成されている。
【0032】
インターネット用ホストサーバ3が備えるWebサーバ3aは、カラオケ用ホストサーバ2が備えるデータベース2bと(上述のWebサーバ2aと同様に)連携しており、ユーザ端末6からの要求に応じて、カラオケ用ホストサーバ2が備えるWebサーバ2aと同様にカラオケネットワークシステム1を利用するためにログインしようとするユーザに対する認証や、ログインしたユーザに対する個人用Webページの配信・更新サービスを行う。
【0033】
パソコン6aは、十分な処理能力を有する通常のコンピュータであり、適宜な通信回線を介してインターネット200に接続されている。また、パソコン6aは、インターネット200を介して受信したWebページを閲覧したり、ユーザが画面上で情報や操作指示を入力したり、アニメーション等を表示するためのアプリケーションを動作させたりするための、いわゆるWebブラウザ機能を有するソフトウェアを備えている。
【0034】
携帯電話6bは、携帯電話事業者が提供する通信回線を介してインターネット200に接続可能ないわゆる第3世代以降の携帯電話であり、電話をかける・受けるといった通話機能以外に、インターネット200を介して受信したWebページを画面で閲覧したり、ユーザが画面上で情報や操作指示を入力したり、アニメーション等を表示するためのアプリケーションを動作させたりするためのWebブラウザ機能を有するソフトウェアを備えている。
【0035】
パソコン6a及び携帯電話6b等からなるユーザ端末6は、インターネット200を介してインターネット用ホストサーバ3内のWebサーバ3aへアクセスし、Webサーバ3aから受信したデータに基づいて個人用Webページの閲覧・更新を行うための各種処理を実行する。
【0036】
[カラオケ装置4の構成の説明]
図2は、カラオケ店等のカラオケルーム内に設置されているカラオケ装置4及びリモコン端末5のより具体的な構成を示すブロック図である。
【0037】
カラオケ装置4は、カラオケを利用するユーザから指定された楽曲のカラオケ演奏を行うためのものであり、図2に示すように、カラオケ装置4全体の作動を制御する制御部12、カラオケ装置4をLAN100に接続するためのインタフェース部14、演奏楽曲の伴奏内容及び歌詞を示す楽曲データや映像データ等のコンテンツデータ、カラオケ装置4が作動するためのプログラム等を記憶するハードディスク(HDD)16、複数のキースイッチからなり、曲の予約操作等を行うための操作部18、リモコン端末5や携帯電話6等から送信された赤外線信号を、赤外線通信規格(IrDA(登録商標))又はリモコン端末5とカラオケ装置4との二者間において予め設定された通信条件に従って受信するための赤外線通信部20、操作部18からの信号を処理する操作処理部22、マイクロフォン26、HDD16に記憶された演奏データ(MIDIデータ)に基づく演奏再生を行うMIDI音源30、MIDI音源30から出力されたデジタル信号から演奏楽曲のオーディオ信号(音響、音声に関する信号)を生成し、生成されたオーディオ信号及びマイクロフォン26から入力されたオーディオ信号を増幅してスピーカ28へ出力する音声制御部24、画像データを一時的に記憶するビデオRAM32、ビデオRAM32に記憶された
画像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部34、映像再生部34により再生される映像のモニタ36での表示を制御する映像制御部38、半導体素子を利用した書き換え可能な記憶媒体であるメモリ40などを備えている。
【0038】
また、制御部12は、演奏中の楽曲に対応するユーザの個人用Webページに対する更新を禁止するための指示をリモコン端末5に対して送信したり、ユーザの行った歌唱に関する情報をカラオケ用ホストサーバ2へ送信したりする処理などを実行する。
【0039】
[リモコン端末5の構成の説明]
リモコン端末5は、カラオケルーム内で使用されるためのものであり、演奏楽曲の予約等をするための操作を利用者から受け付け、その操作信号をカラオケ装置4に送信する機能を有する。また、リモコン端末5は、アクセスポイント110経由でLAN100及びインターネット200上のVPNを介してカラオケ用ホストサーバ2へアクセスし、カラオケ用ホストサーバ2から受信したデータに基づいて個人用Webページの閲覧・更新するための機能も有する。
【0040】
具体的にリモコン端末5は、図2に示すように、リモコン端末5全体の作動を制御する制御部52、赤外線通信規格(IrDA)又はリモコン端末5とカラオケ装置4との二者間において予め設定された通信条件に従ってカラオケ装置4に赤外線信号を送信する赤外線通信部54、リモコン端末5が作動するためのプログラム等の各種情報を記憶するメモリ56、表示部58の表示領域に沿って設置されるタッチパネル及び複数のキースイッチからなり、利用者からの操作を受け付ける操作部60、操作部60からの信号を処理する操作処理部62、画像データを一時的に記憶するビデオRAM64、ビデオRAM64に記憶された画像データの表示部58での表示を制御する映像制御部66、LAN100に接続されたアクセスポイント110との間で無線LANを用いて、無線通信を行うための無線LAN通信部68などを備えている。
【0041】
このうち、制御部52は、利用者から曲の予約をするための操作入力を受け付け、選択された曲の曲番号に、予約者(即ち、歌唱する人)のユーザIDを付加した予約データをカラオケ装置4へ送信する処理を実行する。また、制御部52は、インターネット200を介してカラオケ用ホストサーバ2へアクセスし、カラオケ用ホストサーバ2から受信したデータに基づいて個人用Webページの閲覧・更新を行うための各種処理を実行する。なお、リモコン端末5は、複数のユーザのアカウントごとに並行してシステムにログイン可能に構成されている。これらの処理についての詳細な説明は後述する。
【0042】
[その他の構成の説明]
上述のLAN100にはアクセスポイント110が接続されている。このアクセスポイント110は、無線通信で端末間を接続するための電波中継機であり、複数の端末と同時に通信を行う機能を有する。リモコン端末5とカラオケ用ホストサーバ2とは、このアクセスポイント110を中継することによって、LAN100及びインターネット200上のVPNを介して互いにデータ通信を行うことができる。
【0043】
ルータ120,130は、インターネットネット200等の外部ネットワーク上の通信経路を暗号化して、仮想的に専用回線で接続されている状態を作り出すVPN技術を利用するためのいわゆるVPNゲートウェイである。ルータ120,130は、外部ネットワークであるインターネット200と、内部ネットワークであるLAN100及びカラオケ用ホストサーバ2側のネットワークとの接続点にそれぞれ置かれ、内部ネットワークからの通信を暗号化してインターネット200側に送出する。また、インターネット200側からの通信を復号化して内部ネットワークへ送出する。
【0044】
[対応関係の説明]
以上、実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成について説明したが、本実施形態におけるカラオケネットワークシステム1の構成と、特許請求の範囲に記載した構成との対応は次のとおりである。
【0045】
本実施形態のカラオケ用ホストサーバ2及びインターネット用ホストサーバ3が、特許請求の範囲におけるホストサーバに相当する。また、カラオケ用ホストサーバ2内のデータベース2bが採点履歴情報記憶手段に相当する。また、カラオケ装置4における制御部12が予約受付手段、採点履歴情報取得手段、採点手段、表示制御手段、記憶制御手段および採点比較手段に相当する。また、カラオケ装置4におけるHDD16が演奏曲記憶手段および装置側記憶手段に相当する。また、カラオケ装置4における音声制御部24およびMIDI音源30がカラオケ演奏手段に相当する。また、カラオケ装置4におけるマイクロフォン26が音声信号入力手段に相当する。また、カラオケ装置4におけるモニタ36が表示手段に相当する。
【0046】
[分析採点結果表示処理(1)の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4の制御部12により実行される分析採点結果表示処理(1)の処理手順を図4のフローチャート、図3および図6に基づいて説明する。なお、図3は正規化された過去の区間ごとの分析採点結果の推移と今回の区間ごとの分析採点結果の推移とを示す説明図である。また、図6(a)はカラオケ用ホストサーバとカラオケ装置との間で送受信される分析採点結果データの流れを示す説明図(1)である。
【0047】
この分析採点結果表示処理(1)は、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、分析採点を開始すると(S100)、HDD16に記憶されている予約曲リストを参照して、カラオケ演奏曲の予約がなされているか否かを判断する(S102)。カラオケ演奏曲の予約がなされていないと判断された場合には(S102:NO)、リモコン端末5によって行われる利用者によるカラオケ演奏曲の選曲があるまで待機する(S104)。そして、カラオケ演奏曲の選曲がなされたか否かを判断し(S106)、カラオケ演奏曲の選曲がなされていないと判断された場合には(S106:NO)、S104に戻り、一方、カラオケ演奏曲の選曲がなされていると判断された場合には(S106:YES)、S108に移行する。なお、S102において、カラオケ演奏曲の予約がなされていると判断された場合にも(S102:YES)、S108に移行する。
【0048】
続くS108では、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーを、インタフェース部14を制御してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させる(S108、図6(a)の矢印1参照)。そして、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を、インタフェース部14を介して受信する(S110、図6(a)の矢印2参照)。
【0049】
続くS112では、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントール値の設定値を取得し、先に受信した過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を参照して、その過去のスピードコントロール値と、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値とから、両者が同一の演奏速度となるよう過去の分析採点結果に対して正規化を行う(S112)。そして、正規化された過去の分析採点結果をモニタ36に表示させる(S114、図3参照)。
【0050】
続いて、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏を開始する(S116)。そして、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの分析採点結果をモニタ36に表示させる(S118、図3参照)。その際、曲当たりn個のデータを取得することを予め設定しておく。つまり、スピードコントロール値が特定された時点で、音声信号を採点する区間(時間の間隔)が特定される。なお、1曲の採点データの個数はn個なので、前記スピードコントロール値で決定された曲の演奏スピードに応じて、採点する間隔が異なる。例えば、1曲を120秒の演奏スピードでn=10(個)で採点すると、12秒間隔で採点するが、100秒で演奏するとき、nは一定なので10秒間隔の採点となる。また、今回と過去とで、同じ曲だが演奏スピードが異なる2曲(図3で言う○、△)を同時に表示したときに、0分(図3 X軸:0%)においては、○と△のX軸上での位置は一致するが、それ以外のX軸上の位置では、採点間隔が異なるためX軸上での表示位置も異なってしまい、曲の最後(今回の時間:2分)になると、○と△とでは、曲の中での採点位置が大きく異なっているように見える(同じ歌唱位置を採点しているにも関わらず、異なった歌唱位置を採点しているように見える)ため、利用者にとって今回と過去との採点結果(Y軸)を比較し難い。このため、2曲(○、△)を、どちらかの一方に合わせて正規化することで、図3に示す、曲○、曲△、それぞれのn個の採点データのX軸上の位置が、曲進行度合いに合わせて、全て一致するため、利用者にとってY軸で示される採点結果が今回と過去とが比較しやすくなる。したがって、2曲(○、△)どちらの演奏スピードに合わせて正規化するかについては、今回歌唱する曲(○)に合わせて正規化を行うことで、今回歌唱している曲を基準として、過去の採点度合いがどうたったかを容易に比較することができるようになる。よって、n個のデータの取得設定に従って、その区間ごとの採点結果と、先にモニタ36に表示させた正規化された過去の分析採点結果とを比較できるように同時に表示するといった演出を行ってもよい(S120、図3参照)。
【0051】
さらに、今回のカラオケ演奏に伴うカラオケ歌唱の分析採点結果および当該カラオケ装置4におけるスピードコントロール値を、インタフェース部14を介してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させる(S122、図6(a)の矢印3参照)。そして、S102に移行する。
【0052】
[分析採点結果送信処理(1)の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ用ホストサーバ2により実行される分析採点結果送信処理(1)の処理手順を図5(a)のフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
この分析採点結果送信処理(1)はカラオケ用ホストサーバ2が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、上述の分析採点結果表示処理(1)のS108にてカラオケ装置4から送信された情報を受信したか否かを判断する(S200)。なお、ここでカラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断するには、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーが受信した情報に含まれていることが必要である。カラオケ装置4から送信された情報を受信していないと判断された場合には(S200:NO)、S200を繰り返し実行することにより、カラオケ装置4から送信された情報を受信するまで待機する。
【0054】
一方、カラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断された場合には(S200:YES、図6(a)の矢印1参照)、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザがユーザ登録されているか否かを判断する(S202)。具体的には、データベース2bの記憶
内容を参照して、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザのユーザIDがデータベース2bに登録されている場合に、そのユーザがユーザ登録されていると判断する。そのユーザがユーザ登録されていないと判断された場合には(S202:NO)、S200に移行する。
【0055】
一方、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザがユーザ登録されていると判断された場合には(S202:YES)、先に受信した情報に含まれるユーザIDを有するユーザのカラオケ歌唱に関する情報から、先に受信した情報に含まれる選曲番号と同一の選曲番号が含まれる記録を抽出し、その抽出した記録に含まれる分析採点結果およびスピードコントロール値を、インタフェース部14を介して、先に受信した情報に含まれるシリアルナンバーを有するカラオケ装置4へ送信させる(S204、図6(a)の矢印2参照)。そして、S200に移行する。
【0056】
[分析採点結果登録処理の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ用ホストサーバ2により実行される分析採点結果登録処理の処理手順を図5(b)のフローチャートに基づいて説明する。
【0057】
この分析採点結果登録処理はカラオケ用ホストサーバ2が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、上述の分析採点結果表示処理(1)のS108にてカラオケ装置4から送信された情報を受信したか否かを判断する(S300)。なお、ここでカラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断するには、カラオケ演奏が行われたカラオケ演奏曲の選曲番号、そのカラオケ演奏に伴って行われたカラオケ歌唱の採点結果、そのカラオケ演奏の予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーが受信した情報に含まれていることが必要である。カラオケ装置4から送信された情報を受信していないと判断された場合には(S300:NO)、S300を繰り返し実行することにより、カラオケ装置4から送信された情報を受信するまで待機する。
【0058】
一方、カラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断された場合には(S300:YES、図6(a)の矢印3参照)、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザがユーザ登録されているか否かを判断する(S302)。具体的には、データベース2bの記憶内容を参照して、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザのユーザIDがデータベース2bの登録ユーザリストに登録されている場合に、ユーザがユーザ登録されていると判断する。そのユーザがユーザ登録されていないと判断された場合には(S302:NO)、S300に移行する。
【0059】
一方、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザがユーザ登録されていると判断された場合には(S302:YES)、先に受信した情報に含まれるユーザIDを有するユーザのカラオケ歌唱に関する情報から、先に受信した情報に含まれる選曲番号と同一の選曲番号が含まれる記録を抽出し、その抽出した記録に含まれる分析採点結果と先に受信した情報に含まれる分析採点結果とを比較する(S304)。そして、先に受信した情報に含まれる分析採点結果の値が、抽出した記録に含まれる分析採点結果の値よりも小さい場合には(S304:NO)、その先に受信した情報を破棄してS300に戻る。先に受信した情報に含まれる分析採点結果の値が、抽出した記録に含まれる分析採点結果の値よりも大きい場合には(S304:YES)、その先に受信した情報をデータベース2bに登録する(S306)。そして、S300に移行する。
【0060】
[第一実施形態の効果]
(1)このように第一実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、次のよう
な作用効果を奏する。すなわち、分析採点結果表示処理(1)のS112において、カラオケ装置4の制御部12が、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値の設定値を取得し、S110にて受信した過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を参照して、その過去のスピードコントロール値と、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値とから、両者が同一の演奏速度となるよう過去の分析採点結果に対して正規化を行い、その正規化された過去の分析採点結果をモニタ36に表示させる(S114、図3参照)。そして、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏を開始し(S116)、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの分析採点結果をモニタ36に表示させる(S118、図3参照)。
【0061】
このことにより、過去の歌唱時と今回の歌唱時とで演奏速度が異なっていても、過去の歌唱時の採点結果と今回の歌唱時の採点結果とをより正確に比較をすることができる。また、歌唱者本人のみではなくそのとき一緒に歌いに来た仲間(他の利用者)と歌唱時の採点結果の比較が可能となる。したがって、カラオケ演奏時に行った利用者の歌唱を採点する際に、より正確な採点結果を得ることができる。
【0062】
(2)また、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、分析採点結果表示処理(1)のS108において、予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーを、インタフェース部14を制御してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させ、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値をインタフェース部14を介して受信する(S110)。なお、この処理はS116にてカラオケ演奏が開始する前に実行される。
【0063】
このようにすれば、過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を予約時など事前に取得しておくと、予約のキャンセルがあった場合にその取得に費やしたリソースが無駄になるが、本実施形態のように、過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を予約曲のカラオケ演奏開始時に取得することにより、上述のようなリソースの無駄が発生することを防ぐことができる。
【0064】
(3)また、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、分析採点結果表示処理(1)において、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏を開始し(S116)、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの分析採点結果をモニタ36に表示させ(S118、図3参照)、設定に従って、その区間ごとの採点結果と、先にモニタ36に表示させた正規化された過去の分析採点結果と、を比較できるように同時に表示するといった演出を行う(S120、図3参照)。このことにより、例えばカラオケ演奏終了後にのみ比較結果を表示する場合に比べて、カラオケ演奏中に利用者や他の利用者の興味をカラオケ演奏および歌唱に引き付けることができる。また、利用者が区間ごとの採点結果を見ながら歌唱方法の参考にすることができる。
【0065】
(4)また、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、分析採点結果表示処理(1)において、今回のカラオケ演奏に伴うカラオケ歌唱の分析採点結果および当該カラオケ装置4におけるスピードコントロール値を、インタフェース部14を介してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させ(S122)、一方、カラオケ用ホストサーバ2では、分析採点結果登録処理において、受信した情報が登録済みユーザのものであることを確認した上で(S302:YES)、過去の分析採点結果と今回の分析採点結果とを比較し(S304)、今回の分析採点結果の値が過去の分析採点結果の値よりも大きい場合に
は、その今回の分析採点結果をデータベース2bに登録する(S306)。
【0066】
このことにより、異なるカラオケ装置4で同一のカラオケ演奏曲に対して歌唱する場合でも、過去の採点結果である採点履歴情報を取得して、上述のような比較を行うことができる。
【0067】
(5)また、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、分析採点結果表示処理(1)において、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点する際に、曲当たりn個のデータを取得することを予め設定するので、スケールを変更すると単位時間に含まれるデータ数が変化するのに対して、細かく採点することができ、また、今回と現在との採点結果を正規化して表示した場合においてお互いの歌唱位置と採点位置が一致するので、お互いの採点位置が異なるために、それぞれの採点位置を合わせるために、どちらか一方の歌唱位置を基準にして、他方の採点位置の前後の採点値から一方の歌唱位置と同じ歌唱位置に相当する採点値を算出して、一方の採点位置と同じ採点位置の、他方の採点値として補完する必要がなく、制御部12の処理の負担を軽減することができる。
【0068】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0069】
(1)上記実施形態では、分析採点結果表示処理(1)において、S116にてカラオケ演奏が開始する前に、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値をインタフェース部14を介して受信するが(S110)、これには限られず、利用者によるカラオケ演奏の予約時に過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を取得するようにしてもよい。
【0070】
(2)上記実施形態では、分析採点結果表示処理(1)において、カラオケ演奏中に区間ごとの分析採点結果の比較結果を順次表示する(S116〜S120)が、これには限られず、カラオケ演奏終了時に、過去の採点結果と今回の採点結果との比較を表示するようにしてもよい。
【0071】
(3)上記実施形態では、分析採点結果表示処理(1)において、今回のカラオケ演奏に伴うカラオケ歌唱の分析採点結果および当該カラオケ装置4におけるスピードコントロール値を、インタフェース部14を介してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させ(S122)、一方、カラオケ用ホストサーバ2では、分析採点結果登録処理において、受信した情報が登録済みユーザのものであることを確認した上で(S302:YES)、過去の分析採点結果と今回の分析採点結果とを比較し(S304)、今回の分析採点結果の値が過去の分析採点結果の値よりも大きい場合には、その今回の分析採点結果をデータベース2bに登録するが(S306)、これには限られず、上述のように過去の分析採点結果と今回の分析採点結果とを比較した際に、今回の分析採点結果を、その分析採点結果の値の増減示す符号とともにデータベース2bに登録するようにしてもよい。なお、このような増減を示す符号を採点結果とともにモニタ36に表示するようにしてもよい。
【0072】
このようにすれば、歌唱の上達度合いを計るために、分析採点結果に時間要素を加えて新旧時間で採点結果を比較することにより、以前より演奏曲に対する歌唱能力が向上しているのか、下降しているのかが、利用者自身で特定できる。
【0073】
(4)上記実施形態では、分析採点結果表示処理(1)において、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点する際に、曲当たりn個のデー
タを取得することを予め設定するが、これには限られず、単位時間当たりn個のデータを取得するように予め設定しておいてもよい。但し、このようにすれば、スケールを変更すると単位時間に含まれるデータ数が変化するため、前後の値から補完する必要がある。
[第二実施形態]
上記第一実施形態では、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲を予約したユーザの過去の採点履歴情報から、そのカラオケ演奏曲と同一のカラオケ演奏曲を歌唱した際の採点履歴情報を選択することを特徴とする。これに対して第二実施形態では、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲を予約したユーザの過去の採点履歴情報および当該ユーザと同時にログインしている他のユーザの過去の採点履歴情報から、そのカラオケ演奏曲と同一のカラオケ演奏曲を歌唱した際の採点履歴情報を選択することを特徴としている。
【0074】
以下に、第二実施形態のカラオケネットワークシステム1について説明する。
なお、第二実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成と同一であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0075】
また、第二実施形態のカラオケネットワークシステム1は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1とは異なり、上述の分析採点結果表示処理(1)および分析採点結果送信処理(1)の代わりに分析採点結果表示処理(2)および分析採点結果送信処理(2)を実行する。また、第二実施形態のカラオケネットワークシステム1は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1と同様に、分析採点結果登録処理を実行する。
【0076】
次に、分析採点結果表示処理(2)および分析採点結果送信処理(2)について順に説明する。
[分析採点結果表示処理(2)の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4の制御部12により実行される分析採点結果表示処理(2)の処理手順を図8のフローチャート、図7および図10に基づいて説明する。なお、図7(a)は今回の分析採点結果の表示例を示す説明図であり、図7(b)は正規化された過去の分析採点結果の表示例を示す説明図である。また、図10は、カラオケ用ホストサーバとカラオケ装置との間で送受信される分析採点結果デ
ータの流れを示す説明図(2)である。
【0077】
なお、図7について以下に補足説明をする。すなわち、図7(a)に示す○点は、今回の採点位置と、その位置で実測した採点数の関係を示し、図7(b)に示す◇点は、過去の採点位置と、その位置で実測した採点数の関係を示す。なお、第二実施形態において採点する間隔は、第一実施形態の採点する間隔が異なるものとする。また、第一実施形態では、予め定められたn個を採点し、採点数量(サンプル数)が一定であったが、第二実施形態では、予め定められた時間間隔で採点し、採点時間間隔(サンプリング時間)が一定である。さらに、今回と過去とで演奏スピードが異なる分析採点結果を同時に表示する場合、第一実施形態同様、X軸上で今回と過去の演奏時間を一致させて表示しないと、Y軸で示される採点結果が比較しにくくなるので、2曲を正規化して表示を行う。また、採点時間間隔が一定である今回と前回の分析採点結果を正規化して表示すると、2曲の採点位置が異なるから、例えば、図7に示す、今回の演奏時間に過去の演奏時間を合わせて表示する場合には、今回の採点位置の1つを特定し(図7(a)A点)、その採点位置における過去の分析採点結果の前後の採点数の2点(B1点、B2点)を特定し、B1点、B2点の2点を直線補間を行ってB点の採点数を算出し、今回のA点の採点数に対応する、過去の採点数とする。他の採点位置も同様に算出し、それぞれを、図7(b)に示す△点とすることで、採点位置が異なる2曲の演奏時間を一致させ、正規化して表示したときに、
○点と△点とはX軸上で、お互いの位置は一致するので、今回と過去とで演奏スピードが異なった場合の分析採点数の比較がしやすくなる。また、図7において、補間は直線補間を行った。直線補間は、他の補間方法(例えば、2次曲線補間)に比べて演算処理が簡単なために、カラオケ分野においては曲の演奏も併せて行うときに、曲の演奏を妨げる可能性が他の補間方法より低くなるからである。また、第一実施形態は個数nが予め定められているので曲進行途中でスピードコントロール値を変えて演奏スピードを変更することができないが、第二実施形態は、採点時間間隔が一定であるため、演奏スピードを変更することができるので、利用者にとって分析採点の利便性が向上する特徴がある。
【0078】
この分析採点結果表示処理(2)は、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、分析採点を開始すると(S400)、HDD16に記憶されている予約曲リストを参照して、カラオケ演奏曲の予約がなされているか否かを判断する(S402)。カラオケ演奏曲の予約がなされていないと判断された場合には(S402:NO)、リモコン端末5によって行われる利用者によるカラオケ演奏曲の選曲があるまで待機する(S404)。そして、カラオケ演奏曲の選曲がなされたか否かを判断し(S406)、カラオケ演奏曲の選曲がなされていないと判断された場合には(S406:NO)、S404に戻り、一方、カラオケ演奏曲の選曲がなされていると判断された場合には(S406:YES)、S408に移行する。なお、S402において、カラオケ演奏曲の予約がなされていると判断された場合にも(S402:YES)、S408に移行する。
【0079】
続くS408では、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザおよび当該ユーザと同時にログインしている他のユーザそれぞれのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーを、インタフェース部14を制御してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させる(S408、図10の矢印1参照)。なおこの場合、送信するユーザIDを選択するようにしてもよい。そして、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を、インタフェース部14を介して受信する(S410、図10の矢印2参照)。なおこの場合、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値については、予約を行ったユーザに関する情報とは限らず、当該ユーザと同時にログインしている他のユーザに関する情報である場合もある。
【0080】
続くS412では、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントール値の設定値を取得し、先に受信した過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を参照して、その過去のスピードコントロール値と、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値とから、両者が同一の演奏速度となるよう過去の分析採点結果に対して正規化を行う(S412)。そして、正規化された過去の分析採点結果をモニタ36に表示させる(S414、図7(b)参照)。
【0081】
続いて、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏を開始する(S416)。そして、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの分析採点結果をモニタ36に表示させる(S418、図7(a)参照)。その際、曲当たりn個のデータを取得することを予め設定しておく。また、設定に従って、その区間ごとの採点結果と、先にモニタ36に表示させた正規化された過去の分析採点結果とを比較できるように同時に表示するといった演出を行ってもよい(S420、図7参照)。
【0082】
さらに、今回のカラオケ演奏に伴うカラオケ歌唱の分析採点結果および当該カラオケ装置4におけるスピードコントロール値を、インタフェース部14を介してカラオケ用ホス
トサーバ2へ送信させる(S422、図10の矢印3参照)。そして、S402に移行する。
【0083】
[分析採点結果送信処理(2)の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ用ホストサーバ2により実行される分析採点結果送信処理(2)の処理手順を図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0084】
この分析採点結果送信処理(2)はカラオケ用ホストサーバ2が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、上述の分析採点結果表示処理のS408にてカラオケ装置4から送信された情報を受信したか否かを判断する(S500)。なお、ここでカラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断するには、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザと当該ユーザと同時にログインしている他のユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーが受信した情報に含まれていることが必要である。カラオケ装置4から送信された情報を受信していないと判断された場合には(S500:NO)、S500を繰り返し実行することにより、カラオケ装置4から送信された情報を受信するまで待機する。
【0085】
一方、カラオケ装置4から送信された情報を受信したと判断された場合には(S500:YES、図10の矢印1参照)、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザ群がユーザ登録されているか否かを判断する(S502)。具体的には、データベース2bの記憶内容を参照して、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該ユーザと同時にログインしている他のユーザのユーザIDがデータベース2bのユーザ登録データベース2cに登録されている場合に、そのユーザ群がユーザ登録されていると判断する。そのユーザ群がユーザ登録されていないと判断された場合には(S502:NO)、S500に移行する。
【0086】
一方、そのカラオケ演奏曲の予約を行ったユーザ群がユーザ登録されていると判断された場合には(S502:YES)、先に受信した情報に含まれるユーザIDを有するユーザのカラオケ歌唱に関する情報から、先に受信した情報に含まれる選曲番号と同一の選曲番号が含まれる記録を抽出し、その抽出した記録に含まれる分析採点結果およびスピードコントロール値を、インタフェース部14を介して、先に受信した情報に含まれるシリアルナンバーを有するカラオケ装置4へ送信させる(S504、図10の矢印2参照)。そして、S500に移行する。
【0087】
[第二実施形態の効果]
(1)このように第二実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲を予約したユーザの過去の採点履歴情報および当該ユーザと同時にログインしている他のユーザの過去の採点履歴情報から、そのカラオケ演奏曲と同一のカラオケ演奏曲を歌唱した際の採点履歴情報を選択する。このことにより、
次のカラオケ演奏を予約したユーザ(歌唱者)本人のみではなく当該ユーザと同時にログインしている他のユーザの過去の採点結果との比較が可能となる。
【0088】
なお、図には書いてありませんが、ログインしている複数ユーザIDとの比較する場合、どのユーザIDと比較するか選べるようにしても良い。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
[第三実施形態]
上記第一実施形態では、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲を予約したユーザの過去の採点履歴情報から、そのカラオケ演奏曲と同一のカラオケ演奏曲を歌唱した際の採点履歴情報を選択することを特徴とする。これに対して第三実施形態では、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲を予約したユーザの過去の採点履歴情報および当該ユーザと同時にログインしている他のユーザの過去の採点履歴情報から、そのカラオケ演奏曲と同一のカラオケ演奏曲を歌唱した際の採点履歴情報を選択することを特徴としている。
【0089】
以下に、第三実施形態のカラオケネットワークシステム1について説明する。
なお、第三実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1の構成と同一であるので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0090】
また、第三実施形態のカラオケネットワークシステム1は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1とは異なり、上述の分析採点結果表示処理(1)の代わりに分析採点結果表示処理(3)を実行する。また、第二実施形態のカラオケネットワークシステム1は、第一実施形態のカラオケネットワークシステム1と同様に、分析採点結果送信処理(1)および分析採点結果登録処理を実行する。
【0091】
[分析採点結果表示処理(3)の説明]
以下に、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4の制御部12により実行される分析採点結果表示処理(3)の処理手順を図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0092】
この分析採点結果表示処理(3)は、カラオケネットワークシステム1のカラオケ装置4が起動している場合に他の処理からは独立して実行される。
まず、分析採点を開始すると(S600)、HDD16に記憶されている予約曲リストを参照して、カラオケ演奏曲の予約がなされているか否かを判断する(S602)。カラオケ演奏曲の予約がなされていないと判断された場合には(S602:NO)、リモコン端末5によって行われる利用者によるカラオケ演奏曲の選曲があるまで待機する(S604)。そして、カラオケ演奏曲の選曲がなされたか否かを判断し(S606)、カラオケ演奏曲の選曲がなされていないと判断された場合には(S606:NO)、S604に戻り、一方、カラオケ演奏曲の選曲がなされていると判断された場合には(S606:YES)、S608に移行する。なお、S602において、カラオケ演奏曲の予約がなされていると判断された場合にも(S602:YES)、S608に移行する。
【0093】
続くS608では、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号、その予約を行ったユーザのユーザIDおよび当該カラオケ装置4のシリアルナンバーを、インタフェース部14を制御してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させる(S608、図6(a)の矢印1参照)。そして、カラオケ用ホストサーバ2から送信される過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を、インタフェース部14を介して受信する(S610、図6(a)の矢印2参照)。
【0094】
また、HDD16が記憶する、当該ユーザおよび当該ユーザと同時にログインしている他のユーザの過去の採点履歴情報の中から、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号と同一の選曲番号を含む情報を検索する(S612)。
【0095】
続くS614では、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントール値の設定値
を取得し、先に受信した過去の分析採点結果およびスピードコントロール値を参照して、その過去のスピードコントロール値と、当該カラオケ装置4における現在のスピードコントロール値とから、両者が同一の演奏速度となるよう過去の分析採点結果に対して正規化を行う(S614)。なおこの正規化においては、先のS612にて次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の選曲番号と同一の選曲番号を含む情報を抽出した場合には、その抽出した情報に含まれる分析採点結果およびスピードコントロール値を用いるようにしてもよい。そして、正規化された過去の分析採点結果をモニタ36に表示させる(S616、図3参照)。
【0096】
続いて、上述の予約曲リストを参照して、次にカラオケ演奏を行うカラオケ演奏曲の楽曲データをHDD16から読み出してカラオケ演奏を開始する(S618)。そして、マイクロフォン26から入力されるカラオケ歌唱の音声信号を区間ごとに採点し、その区間ごとの分析採点結果をモニタ36に表示させる(S620、図3参照)。その際、曲当たりn個のデータを取得することを予め設定しておく。また、設定に従って、その区間ごとの採点結果と、先にモニタ36に表示させた正規化された過去の分析採点結果とを比較できるように同時に表示するといった演出を行ってもよい(S622、図3参照)。
【0097】
さらに、今回のカラオケ演奏に伴うカラオケ歌唱の分析採点結果および当該カラオケ装置4におけるスピードコントロール値を、HDD16に一時的に保存するとともに(S624)、インタフェース部14を介してカラオケ用ホストサーバ2へ送信させる(S626、図6(a)の矢印3参照)。そして、S602に移行する。
【0098】
[第三実施形態の効果]
(1)このように第三実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、次のような作用効果を奏する。すなわち、例えば、採点結果およびスピードコントロール値をカラオケ用ホストサーバ2へ送信するとともに、採点を行ったカラオケ装置4内のHDD16やメモリなどにも保存しておき、歌唱者本人の採点履歴情報についてはカラオケ用ホストサーバ4から取得し、他の利用者の採点履歴情報については、カラオケ装置4内のHDD16やメモリなどから取得する。この際、他の利用者のユーザIDに関してはカラオケ装置4内のHDD16やメモリから検索したり読み出して一覧表示したりする。このことにより、他のログインしている利用者についてはカラオケホストサーバ2に対してユーザ情報に関する問い合わせや採点履歴情報の取得処理を行わないため、カラオケホストサーバ2へのアクセス時間を短縮することができる。
【0099】
(2)また、第三実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、所望の採点履歴情報がカラオケ装置4内に保存されている場合にはその採点履歴情報をカラオケ装置4内から優先的に取得し、一方、所望の採点履歴情報がカラオケ装置4内に保存されていない場合にはその採点履歴情報をカラオケホストサーバ2から取得するので、カラオケホストサーバ2へのアクセス時間をさらに短縮することができる。
【0100】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような様々な態様にて実施することが可能である。
【0101】
(1)上記実施形態の分析採点結果表示処理(3)において、上述のように過去の分析採点結果と今回の分析採点結果とを比較した際に、今回の分析採点結果を、その分析採点結果の値の増減示す符号とともにHDD16に保存するようにしてもよい。なお、このような増減を示す符号を採点結果とともにモニタ36に表示するようにしてもよい。
【0102】
このようにすれば、歌唱の上達度合いを計るために、分析採点結果に時間要素を加えて
新旧時間で採点結果を比較することにより、以前より演奏曲に対する歌唱能力が向上しているのか、下降しているのかが、利用者自身で特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】インターネット200を利用したカラオケネットワークシステム1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】カラオケ店等のカラオケルーム内に設置されているカラオケ装置4及びリモコン端末5のより具体的な構成を示すブロック図である。
【図3】正規化された過去の区間ごとの分析採点結果の推移と今回の区間ごとの分析採点結果の推移とを示す説明図である。
【図4】カラオケ用ホストサーバとカラオケ装置とが実行する分析採点結果表示処理(1)の手順を示すフローチャートである。
【図5】(a)はカラオケ用ホストサーバが実行する分析採点結果送信処理(1)の手順を示すフローチャートであり、(b)はカラオケ用ホストサーバが実行する分析採点結果登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)はカラオケ用ホストサーバとカラオケ装置との間で送受信される分析採点結果データの流れを示す説明図(1)であり、(b)はカラオケ用ホストサーバが記憶する分析採点結果データリストを示す説明図である。
【図7】(a)は今回の分析採点結果の表示例を示す説明図であり、(b)は正規化された過去の分析採点結果の表示例を示す説明図である。
【図8】カラオケ用ホストサーバとカラオケ装置とが実行する分析採点結果表示処理(2)の手順を示すフローチャートである。
【図9】カラオケ用ホストサーバが実行する分析採点結果送信処理(2)の手順を示すフローチャートである。
【図10】カラオケ用ホストサーバとカラオケ装置との間で送受信される分析採点結果データの流れを示す説明図(2)である。
【図11】カラオケ用ホストサーバとカラオケ装置とが実行する分析採点結果表示処理(3)の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
1…カラオケネットワークシステム、2…カラオケ用ホストサーバ、2a…Webサーバ、2b…データベース、3…インターネット用ホストサーバ、3a…Webサーバ、4…カラオケ装置、5…リモコン端末、6…ユーザ端末、6a…パーソナルコンピュータ(パソコン)、6b…携帯電話、12…制御部、14…インタフェース部、16…ハードディスク(HDD)、18…操作部、20…赤外線通信部、22…操作処理部、24…音声制御部、26…マイクロフォン、28…スピーカ、30…MIDI音源、32…ビデオRAM、34…映像再生部、36…モニタ、38…映像制御部、40…メモリ、52…制御部、54…赤外線通信部、56…メモリ、58…表示部、60…操作部、62…操作処理部、64…ビデオRAM、66…映像制御部、68…無線LAN通信部、100…LAN、110…アクセスポイント、120,130…ルータ、200…インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データに基づいてカラオケ演奏を行う複数のカラオケ装置とサーバとを備え、前記複数のカラオケ装置と前記サーバとの間でデータ通信可能に構成されているカラオケシステムであって、
前記サーバは、利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに採点履歴情報として記憶する採点履歴情報記憶手段を備え、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約を受け付ける予約受付手段と、
一つ以上のカラオケ演奏曲を記憶する演奏曲記憶手段と、
前記予約受付手段が受け付けた利用者によるカラオケ演奏曲の予約に基づき、前記演奏曲記憶手段からカラオケ演奏曲を読み出してカラオケ演奏するカラオケ演奏手段と、
前記カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報を前記サーバの前記採点履歴情報記憶手段から取得する採点履歴情報取得手段と、
カラオケ歌唱の音声信号を入力するための音声信号入力手段と、
前記カラオケ演奏手段によってカラオケ演奏が行われた際に前記音声信号入力手段から入力されたカラオケ歌唱を採点する採点手段と、
前記採点結果による採点結果および前記採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を表示可能な表示手段と、
前記カラオケ演奏手段が前記カラオケ演奏曲をカラオケ演奏する際の演奏速度および前記採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる演奏速度を示す情報を参照して、前記採点手段による採点結果および前記採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を、同一の演奏速度となるように調整して前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備えること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケシステムにおいて、
前記カラオケ装置の前記採点履歴情報取得手段は、前記カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報を、前記カラオケ演奏手段がカラオケ演奏を行う直前に、前記サーバの前記採点履歴情報記憶手段から取得すること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカラオケシステムにおいて、
前記表示制御手段は、前記採点手段による採点結果および前記採点履歴情報取得手段が取得した採点履歴情報に含まれる過去の採点結果を、前記カラオケ演奏手段による演奏区間ごとに、同一の演奏速度となるように調整して前記表示手段に表示させること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のカラオケシステムにおいて、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに採点履歴情報として前記サーバに送信する送信手段を備え、
前記サーバは、
前記複数のカラオケ装置の何れかから送信された採点履歴情報を、前記利用者を特定可能に前記採点履歴情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記採点履歴情報記憶手段が記憶する前記利用者の採点履歴情報と前記送信手段によって送信された前記利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択する採点比較手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、前記利用者が次回にログインを行ったカラオケ装置へダウンロードさせる採点履歴情報として前記採点履歴情報記憶手段に記憶させること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項5】
請求項1〜請求項3の何れかに記載のカラオケシステムにおいて、
前記採点履歴情報には、カラオケ演奏された時刻を示す時刻情報が含まれており、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに採点履歴情報として前記サーバに送信する送信手段を備え、
前記サーバは、
前記複数のカラオケ装置の何れかから送信された採点履歴情報を、前記利用者を特定可能に前記採点履歴情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記採点履歴情報記憶手段が記憶する前記利用者の採点履歴情報と前記送信手段によって送信された前記利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択するとともに、各採点履歴情報に含まれる時刻情報を参照して、採点結果の値の増減を特定する採点比較手段と、を備え、
前記記憶制御手段は、前記採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、その採点結果の値の増減を示す情報を付与して、前記利用者が次回にログインを行ったカラオケ装置へダウンロードさせる採点履歴情報として前記採点履歴情報記憶手段に記憶させること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れかに記載のカラオケシステムにおいて、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに、前記利用者の採点履歴情報として、前記利用者を特定可能に記憶する装置側記憶手段と、
前記採点履歴情報記憶手段が記憶する前記利用者の採点履歴情報と今回の前記利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択する採点比較手段と、を備え、
前記装置側記憶手段は、前記採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、前記利用者の採点履歴情報として記憶すること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項7】
請求項1〜請求項5の何れかに記載のカラオケシステムにおいて、
前記採点履歴情報には、カラオケ演奏された時刻を示す時刻情報が含まれており、
前記複数のカラオケ装置は、それぞれ、
利用者によるカラオケ演奏曲の予約に応じてカラオケ演奏した際に利用者の歌唱を採点した採点結果を、その利用者を特定する情報、カラオケ演奏されたカラオケ演奏曲を特定する情報、およびそのカラオケ演奏時における演奏速度を示す情報とともに、前記利用者の採点履歴情報として、前記利用者を特定可能に記憶する装置側記憶手段と、
前記採点履歴情報記憶手段が記憶する前記利用者の採点履歴情報と今回の利用者の採点履歴情報とから演奏曲毎にそれぞれの採点結果を比較し、その採点結果が高い方を選択するとともに、各採点履歴情報に含まれる時刻情報を参照して、採点結果の値の増減を特定する採点比較手段と、を備え、
前記装置側記憶手段は、前記採点比較手段によって選択された採点履歴情報を、その採点結果の値の増減を示す情報を付与して、前記利用者の採点履歴情報として記憶すること
を特徴とするカラオケシステム。
【請求項8】
請求項6または請求項7に記載のカラオケシステムにおいて、
前記カラオケ装置の前記採点履歴情報取得手段は、前記カラオケ演奏手段が行うカラオケ演奏を予約した利用者またはその利用者とともにログインしている他の利用者が過去に同一のカラオケ演奏曲をカラオケ演奏した際に行った歌唱を採点した採点結果を含む採点履歴情報が前記装置側記憶手段に記憶されているか否かを判断し、前記採点履歴情報が前記装置側記憶手段に記憶されていると判断した場合には前記採点履歴情報を前記装置側記憶手段から取得し、一方、前記採点履歴情報が前記装置側記憶手段には記憶されていないと判断した場合には前記採点履歴情報を前記サーバの前記採点履歴情報記憶手段から取得すること
を特徴とするカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−216337(P2008−216337A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−50147(P2007−50147)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】