説明

カラオケシステム

【課題】本発明は、カラオケシステムに関し、予約楽曲全体のうちの所定楽曲を一括に演奏対象として特定可能とすると共に、利用者の歌唱意思を即座に反映させることができ、しかもこれらを既存のツールで可能とすることを目的とする。
【解決手段】指紋検出部が設けられて検出した指紋データを出力する機能を備えたマイク15A,15Bが用意されると共に、利用者の指紋データを利用者IDに関連付けて指紋登録部34に予め登録され、利用者IDが附帯されて選択された楽曲を予約楽曲登録手段31が予約待ち行列24Aに登録する一方で、歌唱者判別手段32が使用されるマイク15A,15Bより取得された指紋データから指紋登録部34を参照して利用者IDを判別し、演奏楽曲特定手段27が予約待ち行列24Aにおける当該利用者IDが附帯された楽曲を演奏対象とさせる構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が選曲したカラオケ楽曲が予約待ち行列にしたがってカラオケ演奏されるカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケシステムは、ハードディスク装置にカラオケ楽曲のカラオケデータが多数曲分蓄積されており、演奏予約を受けとると待ち行列に登録し、リクエスト入力の順番に読み出して処理していくのが一般的である。利用者は得意とする楽曲をシステム利用毎に歌唱する傾向にあり、予約楽曲の中でも簡易に利用者の意に沿う楽曲を演奏させることが利用者の便に資することとなる。
【0003】
従来、カラオケシステムにおける演奏予約に関して、利用者が順次演奏予約していき、リクエスト順に演奏開始すると、歌唱者(歌唱者)が歌唱順番を把握していないと演奏時に席を離れて不在となる場合もある。そこで、歌唱者の在、不在を演奏予約の楽曲毎に認識することで歌唱者の在席時に確実に演奏開始させることが下記特許文献1等で知られている。すなわち、上記特許文献1には、カラオケ装置が楽曲を演奏する直前にその楽曲を予約したパーソナル携帯情報端末が近くにあること、換言すればその楽曲を予約した人がその場にいることを確認し、不在時には演奏をしないという技術が開示されている。
【0004】
一方、指紋により利用者を特定することが下記特許文献2により知られている。当該特許文献2には、例えば、選曲履歴を集め、利用者IDをキーとして集中管理するために、あるいは、楽曲歌唱者の一覧表示や段位認定、オーディションの合否を判断するために対象者(歌唱者)IDを認証する必要性から、利用者の指紋の画像情報を採取して解析し、解析した指紋情報に基づいて予め登録した登録指紋情報と当該指紋情報とを比較し照合することが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特許第3573422号公報
【特許文献2】特開2005−107260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のものは、演奏対象の楽曲が演奏される直前に予約者の存在の確認を行うことから演奏するか否かの対象が当該楽曲に止まり、予約楽曲全体に対して一括に演奏させるか否かを判断することができないと共に、演奏させないとした楽曲を一括で復活させることができないという問題がある。また、予約者が確認された場合に当該予約者自身が歌唱を欲しなくなったときであっても演奏対象とされて予約者の意思が反映できないという問題がある。さらに、使用されるパーソナル携帯情報端末はカラオケシステムにおいて必須のツールでなく、常に予約者が当該パーソナル携帯情報端末を携帯しないと機能せず所持忘れ等に対処することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、予約楽曲全体のうちの所定楽曲を一括に演奏対象として特定可能とすると共に、利用者の歌唱意思を即座に反映させることができ、しかもこれらを既存のツールで可能とするカラオケシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、利用者が選曲したカラオケ楽曲が予約待ち行列にしたがってカラオケ演奏されるカラオケシステムであって、指紋検出部が設けられて検出した指紋データを出力する機能を備えた所定数のマイクが用意されると共に、前記利用者の利用者IDが関連付けられた指紋データが指紋登録部に予め登録されるものであり、予約楽曲登録手段、歌唱者判別手段及び演奏楽曲特定手段を有し、前記予約楽曲登録手段は、前記利用者の利用者IDが附帯されて選択された楽曲を前記予約待ち行列に登録し、前記歌唱者判別手段は、楽曲演奏の際に、前記マイクからの指紋検出部より指紋データを取得し、前記指紋登録部を参照して認証を行うことで当該マイクを現に使用している歌唱者の利用者IDを判別し、前記演奏楽曲特定手段は、前記予約待ち行列における前記判別された利用者IDが附帯された楽曲を演奏対象とさせる、構成とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、指紋検出部が設けられて検出した指紋データを出力する機能を備えた所定数のマイクが用意されると共に、利用者の指紋データが利用者IDに関連付けられて指紋登録部に予め登録されるものであり、利用者IDが附帯されて選択された楽曲が予約待ち行列に登録される一方で、使用されるマイクからの指紋検出部より取得された指紋データから指紋登録部を参照して歌唱者の利用者IDを判別し、予約待ち行列における予約楽曲全体のうちの所定楽曲を一括に演奏対象として特定可能とすると共に、利用者の歌唱意思を即座に反映させることができ、しかもこれらを既存のツールで可能とすることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。本実施形態では、本発明のカラオケシステムを車載用に適用させた場合を示すが、カラオケボックス等で指紋検出部を備えたマイクからの指紋データにより歌唱者の利用者IDを判別して演奏楽曲を特定する場合にも適用することができるものである。
【0011】
図1に、本発明に係るカラオケシステムの第1実施形態のブロック構成図を示す。図1において、車載用としてのカラオケシステム11は、利用者が選曲したカラオケ楽曲の演奏データに基づきカラオケ演奏を行うものとして、カラオケ演奏装置12と、当該カラオケ演奏装置12に接続される表示部13、マイク入力端子14、スピーカ16、及びリモコン装置17が接続される。また、マイク入力端子14の各座席に対応して配置された入力端子(M1〜M4)には、歌唱者によってマイク15A,15Bが接続される。
【0012】
ここで、上記表示部13は、楽曲選曲表示やカラオケ演奏時の映像、歌詞テロップを表示するもので、後述の操作パネル37と連動するユーザインタフェース機能を備える。上記ユーザインタフェース機能としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層して入出力用とし、表示されるアイコン等に対応して当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるGUIである。
【0013】
上記マイク入力端子14は、車内の座席に対応した位置にそれぞれ配置した入力端子M1〜M4で構成される。それぞれの入力端子M1〜M4には、有線式のマイク15A,15Bが接続される。当該マイク15A,15Bは、通常のマイク機能の他に、指紋検出部が設けられて検出した指紋データを出力する機能を備えたものである。
【0014】
すなわち、マイク15A,15Bにはマイクスイッチ若しくは専用スイッチが設けられて当該スイッチがオン状態とされ、指紋検出部に所定の指(例えば親指)が接触されたときに指紋データが送出される。マイク15A,15Bの形態を図2で例示するが、指紋検出機能を備えることを前提として、例えばハンドマイクが使用可能である。
【0015】
上記スピーカ16は、演奏信号及び何れかのマイク15A,15Bから入力される歌唱音声信号が出力される。上記リモコン装置17は、その構成は公知のものを基本構成として歌唱楽曲の選曲や、歌唱中のキー設定、エコー設定等を行うためのものである。
【0016】
上記カラオケ演奏装置12は、バス21、中央制御部22、ROM23、RAM24、楽曲データ記憶部である楽曲DB(楽曲データベース)25、楽曲検索手段26、演奏楽曲特定手段27、再生制御部28、音楽曲出力部29、ミキシングアンプ30、予約楽曲登録手段31、歌唱者判別手段32、入力IF(インタフェース)36、操作パネル37、受信部38及び履歴記憶部39を適宜備える。そして、歌唱者判別手段32は、指紋登録手段33、指紋登録部34及び指紋認証手段35を備える。
【0017】
上記中央制御部22は、このシステムを統括的に処理制御する物理的なCPUであり、ROM23に記憶されているプログラムに基づくアルゴリズム処理を行う。上記RAM24は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をなすと共に、所定のメモリ領域に予約楽曲を順次登録する予約待ち行列24Aが形成されるもので、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0018】
上記楽曲DB25は、楽曲コードで管理される所定数の楽曲データファイルを記憶しておくデータベースである。上記楽曲検索手段26は、上記表示部13(操作パネル37)からの入力によって利用者に楽曲を検索させて選曲するためのプログラムでRAM24に展開されて実行される。ここで、上記予約楽曲登録手段31は、利用者が予め利用者IDを附帯させて楽曲を予約待ち行列24Aに登録するプログラムであり、RAM24に展開されて実行される。また、当該予約楽曲登録手段31は、過去に演奏されて履歴記憶部39に記憶された楽曲を、単曲若しくは一括で予約待ち行列24Aに登録させる機能をも備える。
【0019】
上記演奏楽曲特定手段27は、上記予約待ち行列24Aにおける後述の歌唱者判別手段32で判別された利用者IDが附帯された楽曲を演奏対象とさせるプログラムであり、RAM24に展開されて実行される(予約待ち行列については、図4(B)で説明する)。なお、当該演奏楽曲特定手段27は、予約待ち行列24Aのうち、演奏が終了した楽曲の予約カラムを削除する。
【0020】
上記再生制御部28は、演奏時に、楽曲DB25より抽出された楽曲データのうちの背景映像データ及び歌詞テロップデータ(歌詞文字データ)を当該楽曲の演奏データに同期させて表示部13に出力する電子回路である。上記音楽曲出力部29は、楽曲コードで楽曲DB25より抽出された演奏データをデジタル再生し、アナログ変換してミキシングアンプ30に出力する電子回路である。当該ミキシングアンプ30は、マイク入力端子14を介して送られてくる所定のマイク15A,15Bより入力した歌唱者の歌唱音声信号と、当該音楽曲出力部29より送られてくる演奏信号とをミキシングし、増幅してスピーカ16より出力させるものである。
【0021】
上記歌唱者判別手段32は、所定のマイク15A,15Bからの指紋検出部より指紋データを取得し、指紋認証手段35に指紋登録部34を参照させて認証を行わせることで当該マイク15A,15Bを使用している歌唱者の利用者IDを判別させ、判別された当該利用者IDを演奏楽曲特定手段27に送出するプログラム乃至電子回路である。上記指紋登録手段33は、予め、上記マイク15A,15Bに設けられている指紋検出部で取得された指紋データを画像データとして取得し、利用者IDを関連付けて指紋登録部34に登録しておくものである。上記指紋認証手段35は、指紋登録部34を参照して指紋データとしての画像データ同士を比較する画像処理を行い、合致する指紋データに関連付けられた利用者の利用者IDを判別するプログラムである。
【0022】
上記入力IF36は、操作パネル37及びリモコン装置17からの送信信号を受信する受信部38からの入力信号に対して整合性をとるためのプログラムないし電子回路である。当該操作パネル37は、上記表示部13のユーザインタフェース機能と連動して、エコーや左右バランス、スピーカ16からの出力音量のボリウムの他、歌唱楽曲を選曲する操作ボタン等を含んだものである。そして、上記履歴記憶部39は、過去に演奏された楽曲に対して利用者IDを附帯させて記憶しておくメモリ、若しくはハードディスクである。
【0023】
ここで、図2に、図1におけるマイク形態の説明図を示す。図2において、マイク15A,15Bは、例えばマイク15の側部にマイクスイッチ(電源スイッチ)41、及び、利用者の指紋を取得する指紋検出部である指紋センサ42が設けられたものである。
【0024】
上記マイク15A,15Bは、マイクスイッチ(電源スイッチ)がオン状態とされた後に、利用者(歌唱者)において、指(例えば親指)を指紋センサ42に接触させることで画像データとしての指紋データが取得され、歌唱者判別手段32に送出されるものであり、これらの内部構成は前述の特許文献2(特開20005-107260号公報)に開示されている構成を適用することができる。
【0025】
また、図3に、図1におけるカラオケシステムの車内配置の説明図を示す。図3において、例えば乗用車51には4つの座席があるものとして、ハンドル52のある位置が運転者の座席となる。この乗用車51の前方に、例えばカラオケ演奏装置12が設けられ、その近傍に表示部13が配置される。また、前方(後方又は前方と後方)にスピーカ16が配置される。さらに、車内にはリモコン装置17が置かれる。
【0026】
そして、何れか若しくは両方のマイク15A,15Bがマイク入力端子14を構成する各入力端子M1〜M4の何れかに、利用者の座席位置に応じて接続される。なお、各入力端子M1〜M4の配置を、例えば天井や座席シート部分(背もたれ、ヘッドレスト、アームレスト、前席にあってはダッシュボード、後席にあっては前席の背もたれやヘッドレスト)としてもよい。図では、入力端子M2にマイク15Aが接続され、入力端子M3にマイク15Bが接続された状態を示している。
【0027】
また、図4に、図1の指紋登録部における指紋データ登録及び演奏楽曲特定手段における予約待ち行列の説明図を示す。図4(A)は指紋登録部34に登録された指紋データの一例の図であり、図4(B)は演奏楽曲特定手段27がRAM24のメモリ領域で管理する予約待ち行列の一例の図である。図4(A)において、例えば、指紋登録手段33を起動させ、何れかのマイク15A,15Bの指紋センサ42を用いて利用者の指紋データ(例えば画像データ)を取得し、利用者IDを関連付けて指紋登録部34に登録されるものである。利用者IDは、例えば利用者の氏名、ニックネーム等である。
【0028】
また、図4(B)に示す予約待ち行列24Aには、予約楽曲登録手段31が、各予約カラムに所定の利用者の選択した楽曲(楽曲ID)と利用者IDとを関連付け、さらに演奏フラグが関連付けられて登録するものである。ここでは、デフォルト状態として予約待ち行列の総ての予約カラムの楽曲を演奏の対象とはせずに、待機中として演奏フラグを「0」とし、マイク15A,15Bより取得した指紋データより歌唱者判別手段32が判別した利用者IDを演奏楽曲特定手段27において取得したときに演奏フラグが「1」とされる。そして、演奏開始のときに当該予約待ち行列の演奏フラグが参照されるものである。
【0029】
そこで、図5に図1の予約楽曲の演奏対象処理のフローチャートを示すと共に、図6に図1の予約楽曲の演奏対象処理の説明図を示す。図5では、図4(B)に示すように、予約楽曲登録手段31において、上記楽曲検索手段26により、若しくは履歴記憶部39より選択された楽曲に利用者IDが関連付けられて予約待ち行列24A(演奏フラグが総て「0」)で登録管理されていることを前提としている。
【0030】
そして、歌唱者判別手段32が、楽曲の演奏の際に、所定の利用者が現に使用している所定のマイク(15A,15B)からの指紋データを取得すると、指紋認証手段35において取得した当該指紋データ(画像データ)と指紋登録部34に登録されている各指紋データ(画像データ)を参照して一致するか否かの画像処理を行うことによって歌唱者の利用者IDを判別して演奏楽曲特定手段27に送出する(ステップ(S1))。
【0031】
例えば、助手席のマイク15Aで当該助手席着座者の指紋データが取得された場合には、歌唱者判別手段32においてマイク15Aより取得した指紋データから指紋登録部34の各利用者の指紋データのうち、各指紋データが合致した利用者ID「B」を判別して演奏楽曲特定手段27に送出する。
【0032】
演奏楽曲特定手段27では、予約待ち行列24Aのうち、取得した利用者IDに該当する歌唱者が関連付けられた予約カラムに演奏フラグ「1」を付加する。例えば、図6(A)に示すように、予約待ち行列の総ての予約カラムのうち、歌唱者の使用者ID「B」が関連付けられた総ての予約カラムに一括して演奏フラグ「1」を付加する(S2)。
【0033】
そこで、予約待ち行列24Aの演奏フラグが「1」の楽曲のみが順番に特定され、該当の楽曲を楽曲DB25より抽出して背景映像データ及び歌詞テロップデータを再生制御部28に送出させ、音楽曲データを音楽曲出力部29に送出させることで演奏が行われる(S3)。例えば、助手席の利用者(利用者ID「B」)のみがマイク15Aを所持し、楽曲演奏の際にも常に指紋データを当該マイク15Aより送出されていれば、利用者ID「B」が関連付けられた予約カラム(演奏フラグ「1」)だけが順次演奏されることとなり、マイク15Aの指紋検出部42より指が離れることによって次の演奏の際には当該利用者ID「B」が関連付けられた予約カラムの演奏フラグは「0」とされるものである。なお、演奏が行われた楽曲の予約カラムは削除される。
【0034】
上記歌唱者判別手段32では、マイク(15A,15B)より指紋データを入力するか否かを常に監視しており、マイク15Aの他に、例えばマイク15Bより指紋データを入力した場合には(S4)、歌唱者判別手段32において当該指紋データより当該マイク15Bを現に使用している利用者の利用者ID「C」を判別して演奏楽曲特定手段27に送出され、演奏楽曲特定手段27において歌唱者が「C」の予約カラムに演奏フラグ「1」が付加される(S1、S2)。この状態では、図6(B)に示すように、利用者IDが「B」と「C」の予約カラムの演奏フラグが「1」となって演奏対象とされる。
【0035】
そして、予約待ち行列24Aの予約カラムで演奏フラグが「1」の総ての楽曲が演奏終了されるまで繰り返されるものである(S4)。なお、演奏中の楽曲に対して前の演奏順の予約カラムにおける他の歌唱者の利用者IDが判別されて演奏フラグが「1」とされた場合には、演奏対象の楽曲に戻り、演奏されていない楽曲を順番に演奏させることとすればよい。
【0036】
このように、所定の利用者により現に使用されているマイク15A,15Bからの指紋データより判別される歌唱者の利用者IDから予約楽曲全体のうちの対応楽曲を一括に演奏対象として特定することができると共に、マイク15A,15Bからの指紋データより楽曲を演奏対象とするか否かを決定できることから利用者が予約楽曲の歌唱を望まないときには対応するマイク15A,15Bの指紋検出部より指を離すことで演奏されないこととなって当該利用者の歌唱意思を即座に反映させることができ、しかもこれらをマイクというカラオケシステムの既存の必須ツールで可能とすることができるものである。
【0037】
次に、図7に本発明に係るカラオケシステムの第2実施形態のブロック構成図を示す。図7に示す車載用としてのカラオケシステム11は、上述のマイク入力端子14及び歌唱者判別手段32に代えて、当該歌唱者判別手段32を含むマイク受信部40を備えたもので、使用されるマイクとして指紋センサ42により取得した指紋データを送信する機能を備える無線式のマイク15A,15Bが配置される。すなわち、マイク15A,15Bは無線式である以外は、図1(図2)と同様である。なお、他の構成は図1と同様であり、説明を省略する。
【0038】
上記マイク15A,15Bは、マイクスイッチがオン状態となり、歌唱者が指紋センサ42により指紋データを取得させたときに当該指紋データがマイク受信部40に対して発信される。上記マイク受信部40は、所定のマイク15A,15Bより発信されてきた指紋データを受信することで歌唱者判別手段32において上記同様に利用者IDを判別して演奏楽曲特定手段27に送出すると共に、該当マイクからの歌唱音声信号をミキシングアンプ30に送出するプログラム及び電子回路である。
【0039】
すなわち、所定のマイク15A,15Bより指紋データを受信することで、演奏楽曲特定手段27が、図6(A)、(B)に示すように、該当の利用者IDが関連付けられた予約カラムの演奏フラグを「1」とさせて、当該演奏フラグ「1」の総ての楽曲を順番に演奏させるものである。
【0040】
このように、使用されるマイクが無線式であっても、上記同様に、所定の利用者により現に使用されているマイク15A,15Bからの指紋データより判別される歌唱者の利用者IDから予約楽曲全体のうちの対応楽曲を一括に演奏対象として特定することができると共に、マイク15A,15Bからの指紋データより楽曲を演奏対象とするか否かを決定できることから利用者が予約楽曲の歌唱を望まないときには対応するマイク15A,15Bの指紋検出部より指を離すことで演奏されないこととなって当該利用者の歌唱意思を即座に反映させることができ、しかもこれらをマイクというカラオケシステムの既存の必須ツールで可能とすることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のカラオケシステムは、自家用車や商用車(トラック、バスなど)の自動車の他に、列車、飛行機、船舶内、カラオケボックスで設置されるカラオケシステムに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るカラオケシステムの第1実施形態のブロック構成図である。
【図2】図1におけるマイク形態の説明図である。
【図3】図1におけるカラオケシステムの車内配置の説明図である。
【図4】図1の指紋登録部における指紋データ登録及び演奏楽曲特定手段における予約待ち行列の説明図である。
【図5】図1の予約楽曲の演奏対象処理のフローチャートである。
【図6】図1の予約楽曲の演奏対象処理の説明図である。
【図7】本発明に係るカラオケシステムの第2実施形態のブロック構成図である。
【0043】
11 カラオケシステム
12 カラオケ演奏装置
14 マイク入力端子
15A,15B マイク
24A 予約待ち行列
27 演奏楽曲特定手段
31 予約楽曲登録手段
32 歌唱者判別手段
33 指紋登録手段
34 指紋登録部
35 指紋認証手段
39 履歴記憶部
40 マイク受信部
42 指紋センサ
51 乗用車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が選曲したカラオケ楽曲が予約待ち行列にしたがってカラオケ演奏されるカラオケシステムであって、
指紋検出部が設けられて検出した指紋データを出力する機能を備えた所定数のマイクが用意されると共に、前記利用者の利用者IDが関連付けられた指紋データが指紋登録部に予め登録されるものであり、
予約楽曲登録手段、歌唱者判別手段及び演奏楽曲特定手段を有し、
前記予約楽曲登録手段は、前記利用者の利用者IDが附帯されて選択された楽曲を前記予約待ち行列に登録し、
前記歌唱者判別手段は、楽曲演奏の際に、前記マイクからの指紋検出部より指紋データを取得し、前記指紋登録部を参照して認証を行うことで当該マイクを現に使用している歌唱者の利用者IDを判別し、
前記演奏楽曲特定手段は、前記予約待ち行列における前記判別された利用者IDが附帯された楽曲を演奏対象とさせる、
ことを特徴とするカラオケシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−250126(P2008−250126A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93201(P2007−93201)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】