説明

カラオケシステム

【課題】パーソナルコンピュータや移動体通信端末などの情報処理端末などに対して、カラオケルームなどの映像データを配信するカラオケシステムを提供する。
【解決手段】本発明のカラオケシステムは、ホストサーバ100と、ホストサーバ100と通信網を介して通信を行うと共にカラオケ楽曲の演奏を行うコマンダ300と、コマンダ300に接続されカラオケ楽曲の演奏に伴う映像を表示するディスプレイ450と、このディスプレイ450近傍に設置され周辺映像を撮像するカメラ460と、前記カメラ460で撮像された映像データを前記ホストサーバ100にアップロードし前記ホストサーバ100から前記映像データの配信を許可するか否かの設定を行うリモコン端末200と、からなるカラオケシステムであって、前記ホストサーバ100は、通信網に接続されアクセスを許可した情報処理端末(500,600)に対して、配信許可が設定された前記映像データを配信することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネットなどの通信網に接続されて用いられるカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケシステムがインターネットなどの通信網に接続され用いられるようになったことに伴い、遠隔地に存在するカラオケルーム同士を通信接続することで、より遊興的なサービスを提供しようとする提案がいくつかなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2005−99650号公報)には、遠隔地のカラオケルーム同士間を相互通信させることで、エンターテイメント性を向上させることが開示されている。
【特許文献1】特開2005−99650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているような従来のものにおいては、カラオケルーム同士を通信させるものであったので、双方の通信端において所定のカラオケ設備を必要とするものであった。これに対して、一方の通信端ではカラオケ設備などを要することなく、他方の通信端におけるカラオケルームの場の雰囲気を味わい、なおかつ、適宜カラオケルームの場の雰囲気にとけ込みたい、というニーズがある。しかしながら、従来のものは上記のようなニーズを満たすことができない、という問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記のような課題を解決するものであって、本発明の請求項1に係る発明は、ホストサーバと、前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共にカラオケ楽曲の演奏を行う演奏装置と、前記演奏装置に接続されカラオケ楽曲の演奏に伴う映像を表示する表示装置と、前記表示装置近傍に設置され周辺映像を撮像する撮像装置と、前記撮像装置で撮像された映像データを前記ホストサーバにアップロードし前記ホストサーバから前記映像データの配信を許可するか否かの設定を行う端末装置と、からなるカラオケシステムであって、前記ホストサーバは、通信網に接続されアクセスを許可した情報処理端末に対して、配信許可が設定された前記映像データを配信することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載のカラオケシステムにおいて、前記情報処理端末から所定データを前記演奏装置に送信することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に係る発明は、請求項2に記載のカラオケシステムにおいて、前記所定データがテキストデータであることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載のカラオケシステムにおいて、前記所定データが前記演奏装置で効果音を再生させるコマンドであることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載のカラオケシステムにおいて、前記所定データが前記表示装置で効果映像を表示させるコマンドであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のカラオケシステムによれば、パーソナルコンピュータや移動体通信端末などの情報処理端末などに対して、カラオケルームなどの映像データを配信することが可能となるので、遠隔地にいながらにしてカラオケルームの雰囲気を味わうことができる。
【0011】
また、本発明のカラオケシステムによれば、情報処理端末から所定のデータを演奏装置に送信する構成であるので、遠隔地にいながらにして適宜カラオケルームの場に参加しているような感覚を味わうことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図であり、図2は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【0013】
図1及び図2において、50は通信網、51は基地局、60はルータ、70は無線LANアクセスポイント、100はホストサーバ、200、200'、200''、200'''、200''''はリモコン端末、300、300'、300''、300'''はコマンダ、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイ、500はパーソナルコンピュータ端末、600は移動体通信端末をそれぞれ示している。
【0014】
本発明のカラオケシステムは、インターネットなどの通信網50を利用したものである。このようなカラオケシステムは、ホストサーバ100と、カラオケ店舗等の各カラオケルームに設置されるコマンダ300及びコマンダ300に対応付けして設けられているリモコン端末200とが、インターネットなどの通信網50を介して通信可能に構成されることによって形成されている。なお、このコマンダは特許請求の範囲においては、「演奏装置」として表現されているものである。
【0015】
詳細については示さないが、カラオケ店舗2やカラオケ店舗3の下にもそれぞれカラオケルームが設けられており、カラオケ店舗1と類似の構成が設けられているものとする。そして、ホストサーバ100は、各カラオケ店舗に設けられたコマンダなどと通信網50を介した通信を行い得るように構成されている。以降、カラオケ店舗1を例にとり、コマンダやリモコン端末の構成、動作について説明する。
【0016】
コマンダ300、300'、300''、300'''は、カラオケ店舗などの各カラオケルーム(ルーム1、ルーム2、ルーム3、ルーム4・・・)のそれぞれに1台ずつ設置されることが想定されるものである。また、コマンダ300、300'、300''、300'''に対応する形で、各カラオケルームには、リモコン端末が設置されている。通常、コマンダ300、300'、300''には、それぞれ1台ずつのリモコン端末200、200'、200''が対応付けされているが、ルーム4におけるコマンダ300'''のように、リモ
コン端末200'''、200''''が複数台対応付けされるように設定することも可能であ
る。
【0017】
ホストサーバ100側のルータ(不図示)とカラオケ店舗1側のルータ60との間でインターネットネットワーク上に形成されるVPN(virtual private network)を介して、カラオケ店舗1側のLANに接続されている。ルータ60には、図示するように、コマンダ300、300'、300''、300'''が接続される。また、ルータ60には、無線LANアクセスポイント70が接続されており、この無線LANアクセスポイント70とリモコン端末200、200'、200''、200'''、200''''が無線LANによって通信するようになっている。つまり、ホストサーバ100と、コマンダ300及びリモコン端末200との間の通信は、通信網50上のVPN及びカラオ
ケ店舗の有線LAN、無線LANを介して行われることとなる。なお、それぞれのリモコン端末200にはそれぞれ固有のIDが付されており、ホストサーバ100に対してアクセスを行うときなどに自らのIDをサーバ側に報知する。
【0018】
コマンダ300は、リモコン端末200からの要求に応じて、有線LAN、無線LANを介して制御され得るようになっている。例えば、ユーザは、リモコン端末200から歌いたい曲を要求すると、当該要求はLAN経由でコマンダ300に送られ、コマンダ300がカラオケ楽曲をスタートさせるようになっている。
【0019】
カラオケシステムのホストサーバ100は、各カラオケ店舗などに設置されているコマンダ300に対して楽曲データ、映像データやユーザへ提供するためのコンテンツデータ等を配信する。すなわち、ホストサーバ100は、基本的なカラオケサービス用のホストサーバとして機能する。なお、ホストサーバ100の構成においては、従来周知の技術を用いることができる。
【0020】
また、本実施形態に用いられるホストサーバ100は、それぞれのカラオケルームのコマンダ経由で送信されてくる映像データ、音声データのアップロード機能を有しており、なおかつ、これらアップロードされた映像データ、音声データを、アクセス許可された情報処理端末(パーソナルコンピュータ端末500、移動体通信端末600など)に対して配信する配信機能を有している。
【0021】
また、ホストサーバ100は、リモコン端末200を介して、ID、パスワード、IDに対応したニックネームなどを登録することによって、自らのアカウントを取得したユーザに対する種々のサービスを提供する機能を有している。ここで、アカウントとは、本発明のカラオケシステムが提供するサービスを利用するために付与された、特定対象者に限定された権利のことである。
【0022】
このアカウントを取得したユーザ(以下、「アカウントユーザ」という)に対して、ホストサーバ100は、アカウントユーザがこれまで歌ってきた曲の履歴を保持しておいたり、アカウントユーザが得意とする曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザがこれから歌いたいとして登録した曲のリストを保持しておいたり、アカウントユーザ間などの電子メールの送受信を行ったり、といったサービスを提供する。なお、このようなアカウントサービスの構築には従来周知の技術を用いることができる。
【0023】
本発明のカラオケシステムにおけるアカウントは、限定的な利用権とするために、特定の対象者を識別する必要があるが、本システムでは、パスワード又は指紋認証による方法が採用されている。しかしながら、アカウントの限定利用のための識別方法としては、このような方法によらず、他のバイオメトリック的手法を用いても構わない。
【0024】
パーソナルコンピュータ端末500や移動体通信端末600は、所定のログインプロトコルを経て、ホストサーバ100からのアクセスが許可された情報処理端末を示している。パーソナルコンピュータ端末500は、URLを指定することによって当該URLで提供される情報を、閲覧可能なブラウザを搭載するものである。また、移動体通信端末600には、基地局51を介してインターネットなどの通信網50に接続可能で、ブラウザなどによって指定URLが提供する情報を閲覧可能な周知のものを用いる。また、情報処理端末からホストサーバ100へのログインなどに係る技術は従来周知の技術を用いる。また、ブラウザなども周知のものを用いることができる。
【0025】
本実施形態においては、情報処理端末としてパーソナルコンピュータ端末500や移動体通信端末600を例示したが、本発明でいう情報処理端末には、PDAやPHSなども
含まれるものである。
【0026】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるコマンダ300についてより詳しく説明する。図3は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。図3において、301はバス、302は中央演算部、303は記憶部、304は第4通信部、305は第3通信部、306は入力部、307は表示制御部・画像合成部、310は音源部、311は入力制御部、330はミキサ部、340は効果音・効果映像DB、400はアンプ、401はスピーカー、402はマイクロフォン、450はディスプレイ、460はカメラをそれぞれ示している。
【0027】
カラオケルームなどの空間に配されるコマンダ300には、CRTやTFT等の映像表示装置であるディスプレイ450、音声増幅装置であるアンプ400が接続されており、コマンダ300からの制御出力によりディスプレイ450に歌詞映像と背景画像を表示し、歌詞映像の表示と同期させてカラオケ楽曲の再生信号をアンプ400へ送出し、スピーカー401から演奏音が得られるようにしている。そして、前記アンプ400には、ミキサ部330を介してマイクロフォン402が接続されており、周知のようにカラオケシステムのユーザは、歌詞映像に合わせてこのマイクロフォン402から自身の発声を入力し、歌唱することになる。
【0028】
図3は、このように構成されたコマンダ300とその周辺の具体的構成を示すブロック図であり、バス301に接続された中央演算部302(CPU)がコマンダシステム全体の制御を司る。
【0029】
記憶部303には、ROM、RAM、HDDが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。HDDには、ホストサーバ100から受信した楽曲データ、映像データやカラオケ演奏以外の機能を実行させるデータであるデータを一時記憶させる。
【0030】
第4通信部304は、例えば赤外線通信が用いられ、リモコン端末200から送られてくる赤外線コード信号を受信し、コマンドデータに復元してバス301へ転送する。リモコン端末200からコマンダ300に対する指令信号は、カラオケ店舗内のLAN経由にても送信することができるが、「演奏スタート」や「唄い直し」などの比較的単純な指令信号は、この赤外線通信による通信部を利用することができる。
【0031】
第3通信部305は、周知の規格の有線LANが用いられ、ホストサーバ100からコマンダ300に対する制御命令や、楽曲データ、映像データやファームウエアデータなどをホストサーバ100からダウンロードするために利用される。また、第3通信部305は、コマンダ300を、LANを介して他のコマンダやその他の機器に接続するための接続器でもあり、コマンダ300はそのようにLAN24を介して接続されることで、他のコマンダや他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。また、第3通信部305は、コマンダ300を介して収集された音声データ、映像データ―すなわち、カラオケルームの現在の様子を示すデータ―をホストサーバ100にアップロードするために利用される。
【0032】
入力部306は、コマンダ300のフロントパネルに設けられた各種スイッチ機能であり、予約選曲、キーコントロール、歌唱プログラムなどカラオケ装置特有の機能をマニュアル設定が可能となるようにしている。表示制御部・画像合成部307は、カラオケ楽曲に伴う映像や、その他、コンテンツデータ、広告データなどの映像データをディスプレイ450により表示するための表示制御を行う。また、表示制御部・画像合成部307は、カラオケ楽曲に伴い表示される映像データと、効果音・効果映像DB340からの映像デ
ータとを合成する機能を有している。
【0033】
音源部310は、MIDI(Musical Instrument Digital
Interface)規格に基づく楽曲データから演奏可能な楽音信号を形成する。
【0034】
ミキサ部330は、音源部310が発声した複数の楽音信号とマイクロフォン402から入力される歌唱者の歌唱音声信号を適当なバランスでミキシングする。このミキサ部330でミキシングされた信号は、アンプ400に出力される。また、ミキサ部330でミキシングされた音声データは、必要に応じて、カラオケルームの現在の様子を示す音声データとして、ホストサーバ100側にアップロードされる。また、ミキサ部330は、効果音・効果映像DB340からの効果音に係る音声データとをミキシングする機能を有している。
【0035】
カメラ460は、例えば、ディスプレイ450などの上部に取り付けられ、カラオケルーム内の動画像などの映像データを取得する撮像装置であり、取得された映像データは入力制御部311を介し、必要に応じて第3通信部305からホストサーバ100側にアップロードされるようになっている。
【0036】
効果音・効果映像DB340は、コマンダで再生する効果音のデータや、表示装置で表示する効果映像のデータを保持するデータベースである。図5は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの効果音・効果映像DB340におけるデータ構造例を示す図である。図5に示すように、データ構造としては、効果音コードに対応した効果音データ(例えば、拍手喝采の音を収録した音声データなど)が格納され、効果映像コードに対応した効果映像データ)が格納されるようになっている。これらのコードの指定に伴い、効果音データや効果映像データを、効果音・効果映像DB340から呼び出すことができるようになっている。なお、効果映像データとしては、静止画像データ、動画像データのいずれも用いることが可能である。
【0037】
中央演算部320は、効果音を再生するコマンドと効果音コードを受信すると、当該効果音コードに対応する効果音データを、ミキサ部330でミキシングさせる。また、中央演算部320は、効果映像を表示するコマンドと効果映像コードを受信すると、当該効果映像コードに対応する効果映像データを、表示制御部・画像合成部307で合成させる。
【0038】
なお、本実施形態においては、効果音データを効果音・効果映像DB340に収録するように構成したが、音源部310にこれを収録するように構成することも可能である。
【0039】
次に、本発明のカラオケシステムにおけるリモコン端末200についてより詳しく説明する。図4は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。図4において、201はバス、202は中央演算部、203は記憶部、204はタッチパネル部、205は表示部、206は第1通信部、207は第2通信部、208は生体認証部をそれぞれ示している。
【0040】
リモコン端末200は、バス201に接続された中央演算部202(CPU)がリモコン端末全体の制御を司る。
【0041】
記憶部203には、ROM、RAM、不揮発性メモリが用いられ、ROMには制御プログラムなどが格納され、RAMには制御処理の内容などの一時記憶が可能となるようにしている。
【0042】
タッチパネル部204は、ユーザの指や図示しない備え付けのペン等による入力を行う
ものである。タッチパネル部204による入力を可能とするために、表示部205にはタッチパネル部204と連動した表示画像が表示されるようにプログラムされる。なお、本実施形態では、入力インターフェイス装置としてこのようなタッチパネル部204を用いる例について説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
第1通信部206は、無線LANアクセスポイント70との間で無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格など)に従った無線通信を行うための無線LAN信部である。
【0044】
第2通信部207は、例えば赤外線通信が用いられ、コマンダ300における第4通信部304との通信を行うものであり、所定の赤外線コード信号をコマンダ300に送出することが可能とされている。
【0045】
生体認証部208は、ユーザの指紋を読み取り、生体識別コードに変換するものであり、これによりアカウントを有するユーザを識別するものである。
【0046】
ところで、ユーザによってはアカウントへのログインのための認証方法として、指紋認証を好まないというような場合がある。そこで、本実施形態におけるカラオケシステムでは、生体認証部208の指紋による認証か、パスワードを使っての認証かをユーザが選択できるようになっている。
【0047】
次に、以上のように構成される本発明のカラオケシステムが提供する遠隔参加に係るサービスについて説明する。図6は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムが提供する遠隔参加処理の流れの一例を示す図である。なお、図6に示す流れは、あくまで本発明のカラオケシステムが提供する遠隔参加処理の一例であることに留意されたい。
【0048】
例えば、所定のカラオケルームにおいて、カラオケを行う際には、ユーザは先のアカウントサービスの提供を受けるためにホストサーバ100にログインする。ステップS100がそのログインを行うステップを示している。
【0049】
図7はリモコン端末200におけるログイン前のユーザインターフェイス画面例である。ここで、ユーザは生体認証部208による指紋認証か、或いはパスワード入力による認証かを行うことによって、自分のアカウントにログインする。
【0050】
ログイン直後の画面が図8に示すものであり、ここでユーザは、カラオケルームの様子を通信網50を介して、公開するか否かを選択する。ユーザが公開する、を選択した場合には、コマンダで収集されたカラオケルーム内の映像データ、音声データは、ホストサーバ100側にアップロードされる。また、ユーザが公開しない、を選択するこれら映像データ、音声データは、ホストサーバ100側に送信されないようになっている。
【0051】
図9は、ニックネーム「かとう たろう」さんが自らのアカウントに、図8の画面を経てログイン完了したときの様子を示している。なお、アカウントに対する「ログイン」や「ログアウト」の概念は通常広く用いられているものと同様のものを用いることができる。
【0052】
なお、本実施形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末200のユーザインターフェイス画面では、右側のカラムを中心として、アカウントに関わるメニュー表示がなされる。本ユーザインターフェイス画面例では、アカウントサービスの下では「マイメニュー」、「あなたへのオススメ」、「マイリスト」、「マイりれき」、「ログアウト」のいずれかを選択することができるようになっている。例えば、アカウントが提供する
電子メールサービスに関連するサービスの選択は「マイメニュー」の下に存在するようになっている。
【0053】
さて、図6の遠隔参加処理のフローに戻る。以降、上記のようなログインにおいて、ユーザが公開する、を選択したものとして説明を進める。
【0054】
ステップS102では、ユーザの公開する、の選択に伴い、ホストサーバ100がコマンダ300に対して、撮影開始コマンドを発出する。これを受けたコマンダ300はカメラ460を作動して、カラオケルーム内の映像データを取得する。また、コマンダ300で再生されたカラオケ演奏、これに伴う歌唱は、音声データとして取得される。これらの映像データ及び音声データは、ステップS103以降継続的に、コマンダ300側からホストサーバ100側に送信される。なお、リモコン端末でユーザがアカウントからログアウトすることによって、映像データ及び音声データのホストサーバ100側へのアップロードは中止される。
【0055】
次に、情報処理端末としてパーソナルコンピュータ500が用いられ、ホストサーバ100にログインする場合を例にとり、以下説明する。このようなパーソナルコンピュータ500には、あらかじめ本発明の遠隔参加処理を行い得るプログラムがインストールされ、動作するものとして説明を進める。
【0056】
ステップS104では、パーソナルコンピュータ500からはホストサーバ100にログインしている。このログイン時におけるパーソナルコンピュータ500の表示画面例が図10に示すものである。図に示すように、ユーザはログインIDとパスワードを入力することによってログインするが、このような認証を経て、登録済みの正規ユーザであることが確認される。ホストサーバ100は、正規にログインされたパーソナルコンピュータ500からのアクセスを許可する。なお、上記のようなログインIDとパスワードは、カラオケシステムのアカウントサービスに用いるものと共用することなども可能である。
【0057】
図10に示すようなログインが完了すると、パーソナルコンピュータ500側においては、例えば図11に示すようなユーザインターフェイス画面が表示され、当該画面から遠隔参加したいカラオケルームを選択することができる。このようなカラオケルームの選択は、図6のステップS105に示されている。
【0058】
以降、例えば、カラオケ店A虎ノ門店のルーム#202をユーザが選択したものとして説明をする。ステップS105で所定のカラオケルームが選択されると、当該カラオケルームで取得された映像データ、音声データはステップS106以降、パーソナルコンピュータ500に配信され続ける。なお、パーソナルコンピュータ500のログアウト動作などによって、これら映像データ、音声データの配信は中止される。
【0059】
図12は、配信された映像データ、音声データを再生するソフトウエアの動作による画面表示を示すものである。図12の「現在の カラオケ店A虎ノ門店 ルーム#202 の様子」の直下の画像が、配信された映像データである。また、音声データの再生には、不図示のパーソナルコンピュータ500付属のスピーカーが用いられる。
【0060】
このように、本発明のカラオケシステムによれば、パーソナルコンピュータ500や移動体通信端末600などの情報処理端末などに対して、カラオケルームなどの映像データ、音声データが配信される構成であるので、遠隔地にいながらにしてカラオケルームの雰囲気を味わうことができる。
【0061】
さて、上記のように映像データ、音声データの配信を受けているパーソナルコンピュー
タ500は、当該カラオケルームのコマンダ300などに、ホストサーバ100を介して所定のデータを送信することができるようになっている。
【0062】
ステップS107では、パーソナルコンピュータ500からメッセージ表示要求とメッセージを構成する「テキストデータ」が送信されている。このようなステップを実行するためのユーザインターフェイスが、図12の(1)で示されるものである。ユーザはテキストボックスに「すごいっ!!うまいっ!!うますぎる。」などを入力し、「送信する」のボタンをポインティングデバイス(不図示)でクリックすることによって、ステップS107を実行することができるように構成される。
【0063】
ホストサーバ100は、このようなメッセージ表示要求があると、次のステップS108に示すように、テキスト表示コマンドとテキストデータとを、コマンダ300に対して発信する。これを受けてコマンダ300は、表示制御部・画像合成部307で当該テキストデータを画像合成して、ディスプレイ450に表示する(ステップS109)。図13は本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのディスプレイ450における画面表示例を示す図である。当該画面表示例の上部に示される「すごいっ!!うまいっ!!うますぎる。」がこのようなテキストデータ表示に相当する。なお、このようなテキストデータ表示は、適当な時間―例えば、10秒間程度―をもって終了させる。
【0064】
上記の例では、該当するカラオケルームのコマンダ300に、パーソナルコンピュータ500からテキストデータを送信することについて説明したが、本発明のカラオケシステムでは、効果音を再生したり、効果映像を表示したりすることを実行させるコマンドを送信することも可能である。
【0065】
ステップS1110では、パーソナルコンピュータ500から効果音再生要求と効果音コードが送信されている。このようなステップを実行するためのユーザインターフェイスが、図12の(2)で示されるものである。ユーザは、効果音の種類から例えば「拍手喝采」などを選択し、「送信する」のボタンをポインティングデバイス(不図示)でクリックすることによって、ステップS110を実行することができるように構成される。なお、ユーザインターフェイスにおいて、「拍手喝采」を選択することは、内部処理的には効果音コードを選択することに相当している。
【0066】
ホストサーバ100は、このような効果音再生要求があると、次のステップS111に示すように、効果音再生コマンドと効果音コードとを、コマンダ300に対して発信する。これを受けてコマンダ300は、効果音・効果映像DB340から当該効果音コードに対応する効果音データを、ミキサ部330でミキシングさせて、スピーカー401で再生する(ステップS112)。なお、このような効果音の再生は、適当な時間―例えば、数秒間程度―をもって終了させる。
【0067】
また、ステップS113では、パーソナルコンピュータ500から効果映像表示要求と効果映像コードが送信されている。このようなステップを実行するためのユーザインターフェイスが、図12の(3)で示されるものである。ユーザは、効果映像の種類から例えば「一等賞の画像」を選択し、「送信する」のボタンをポインティングデバイス(不図示)でクリックすることによって、ステップS113を実行することができるように構成される。なお、ユーザインターフェイスにおいて、「一等賞の画像」を選択することは、内部処理的には効果映像コードを選択することに相当している。
【0068】
ホストサーバ100は、このような効果映像表示要求があると、次のステップS114に示すように、効果映像表示コマンドと効果映像コードとを、コマンダ300に対して送信する。これを受けてコマンダ300は、効果音・効果映像DB340から当該効果映像
コードに対応する効果映像データを、表示制御部・画像合成部307で画像合成して、ディスプレイ450に表示する(ステップS115)。図13は本発明のカラオケシステムのディスプレイ450における画面表示例を示す図であるが、当該画面表示例の右部に示される「一等賞の画像」がこのような効果映像表示に相当する。なお、このような効果映像表示は、適当な時間―例えば、10秒間程度―をもって終了させる。
【0069】
以上のように、本発明のカラオケシステムによれば、パーソナルコンピュータ500や移動体通信端末600などの情報処理端末から、効果映像表示コマンドや効果音再生コマンドなどをコマンダ300に送信する構成であるので、遠隔地にいながらにして適宜カラオケルームの場に参加しているような感覚を味わうことが可能となる。
【0070】
なお、本実施形態においては、ホストサーバ100経由で、コマンダ300にメッセージのテキストデータやコマンドを送信するように構成しているが、情報処理端末から直接コマンダ300に送信するようにも構成可能である。ただ、この場合、セキュリティーに配慮する必要があることは言うまでもない。
【0071】
また、本実施形態においては、コマンダ300側に、効果音・効果映像DB340を持たせて、コマンド+コードによって効果音・効果映像DB340に保存された音声データや映像データを呼び出すように構成しているが、コマンダ300で再生する音声データや表示する映像データをホストサーバ100から送信するようにしてもよい。或いは、上記音声データや映像データを情報処理端末から送信するようにしてもよい。ただ、効果音・効果映像DB340を本実施形態のようにコマンダ300側に設けるようにしておけば、通信網50で、音声・映像データを送受信する必要がなく、通信網のトラフィックの混雑などを回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの運用形態イメージを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるコマンダ及びその周辺のブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末のブロック構成を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムの効果音・効果映像DB340におけるデータ構造例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムが提供する遠隔参加処理の流れの一例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムで用いられるリモコン端末におけるタッチパネル部・表示部のユーザインターフェイス画面例を示す図である。
【図10】情報処理端末における画面表示例を示す図である。
【図11】情報処理端末における画面表示例を示す図である。
【図12】情報処理端末における画面表示例を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態に係るカラオケシステムのディスプレイ450における画面表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0073】
50、50’・・・通信網、51・・・基地局、60・・・ルータ、70・・・無線LANアクセスポイント、100・・・ホストサーバ、200、200'、200''、200'''、200''''・・・リモコン端末、201・・・バス、202・・・中央演算部、203・・・記憶部、204・・・タッチパネル部、205・・・表示部、206・・・第1通信部、207・・・第2通信部、208・・・生体認証部、300、300'、300''、300'''・・・コマンダ、301・・・バス、302・・・中央演算部、303・・・記憶部、304・・・第4通信部、305・・・第3通信部、306・・・入力部、307・・・表示制御部・画像合成部、310・・・音源部、311・・・入力制御部、330・・・ミキサ部、340・・・効果音・効果映像DB、400・・・アンプ、401・・・スピーカー、402・・・マイクロフォン、450・・・ディスプレイ、460・・・カメラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストサーバと、
前記ホストサーバと通信網を介して通信を行うと共にカラオケ楽曲の演奏を行う演奏装置と、
前記演奏装置に接続されカラオケ楽曲の演奏に伴う映像を表示する表示装置と、
前記表示装置近傍に設置され周辺映像を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置で撮像された映像データを前記ホストサーバにアップロードし前記ホストサーバから前記映像データの配信を許可するか否かの設定を行う端末装置と、からなるカラオケシステムであって、
前記ホストサーバは、通信網に接続されアクセスを許可した情報処理端末に対して、配信許可が設定された前記映像データを配信することを特徴とするカラオケシステム。
【請求項2】
前記情報処理端末から所定データを前記演奏装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記所定データがテキストデータであることを特徴とする請求項2に記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記所定データが前記演奏装置で効果音を再生させるコマンドであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカラオケシステム。
【請求項5】
前記所定データが前記表示装置で効果映像を表示させるコマンドであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−60627(P2010−60627A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223563(P2008−223563)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】