説明

カラオケ装置、および、プログラム

【課題】娯楽性が高いランキングを提供することが可能なカラオケ装置を得る。
【解決手段】歌唱者の音声信号を採点する採点部102と、採点結果に基づいて、撮像装置25により上位の歌唱者の写真撮影を行うとともに、取得した画像データに演奏曲に応じた加工処理を施す撮影処理部103と、上位の歌唱者の得点と加工処理の施された写真を含むランキングデータを曲毎に生成するランキングデータ生成部104と、ランキング集計サーバ200から、複数のカラオケ装置から送信されたランキングデータを集計して得られた集計ランキングデータを受信する受信部204と、受信した前記全国ランキングデータに含まれるデータのうち、集計ランキングデータに含まれないデータのみをランキング集計サーバ200に送信する送信部108などを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケは、カラオケボックスや家庭用カラオケなどで幅広く楽しまれている。カラオケ装置では、歌い終わったときにその人の歌唱力の採点結果をディスプレイに表示する採点機能を備えたものが一般的になっている。これは、音程や声量が適切な値にどれだけ近いかをコンピュータにより判断し、数値化するものであり、このような機能を備えたカラオケ装置では自分の歌唱力と他人の歌唱力との客観的な比較が可能となるのでより興味を増すことになる。
【0003】
例えば特許文献1に開示されたカラオケ装置では、各カラオケ装置内の採点結果情報だけでなく、ネットワークで接続された全カラオケ装置における採点結果情報が各カラオケ装置に提供される。また、採点基準は曲によって異なることが一般的であることから、曲目ごとの採点結果を表示する機能も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3553569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
採点結果を表示する際、最高得点を出した歌い手の顔写真などが表示されると、カラオケの対戦ゲームとしての娯楽性が向上する。しかし全国採点を行うカラオケ装置ではそのような機能は実現されていなかった。
【0006】
また、ネットワークで接続された全国のカラオケ装置全体での順位を顔写真入りで表示するためには、各カラオケ装置からランキング集計サーバへ装置毎の採点結果を送信し、ランキング集計サーバから各カラオケ装置へ全国での集計結果を送信する必要がある。ここで、曲目毎に採点結果を表示させる場合には、曲目毎の結果を送受信する必要がありデータ量が多量になる。また、高得点を取得した歌唱者の写真等の付加情報が加わると、各カラオケ装置とランキング集計サーバ間の通信量はさらに膨大になる。
【0007】
本発明の目的は、娯楽性が高いランキングを提供することが可能なカラオケ装置、プログラム、およびランキング集計サーバを得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため本発明のカラオケ装置は、記録媒体に記録されたカラオケ用の演奏データの中から、指定された曲の演奏データを再生する演奏データ再生部と、マイクロフォンを介して上記演奏データに合わせて入力される歌唱者の音声信号に基づいて歌唱力を採点し、得点を出力する採点部と、撮影対象の画像を取得し、画像データを出力する撮像装置と、上記採点部によって出力された得点が一定以上の得点圏に入る場合には、上記撮像装置により歌唱者の画像の取得を行う撮影処理部と、一定以上の得点圏の歌唱者の得点と上記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成するランキングデータ生成部と、通信回線を介して接続されたランキング集計サーバから、複数のカラオケ装置から送信されたランキングデータを集計して得られた集計ランキングデータを受信する受信部と、上記集計ランキングデータを基に、全国で一定以上の得点圏内にある歌唱者の得点と上
記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成する全国ランキングデータ生成部と、上記全国ランキングデータを上記ランキング集計サーバに送信する送信部と、上記ランキングデータおよび上記全国ランキングデータに基づいて、上位ランキング者の得点と上記画像データを表示装置に出力するランキングデータ出力部を備える。
【0009】
これにより、採点結果を表示する際、最高得点を出した歌い手の顔写真などが表示されてカラオケの対戦ゲームとしての娯楽性が向上する。
【0010】
また、上記撮影処理部が、歌唱者の画像データに演奏曲に応じた加工処理を施すようにすれば、より娯楽性が向上する。
【0011】
また、上記撮影処理部は、歌唱者の画像データの取得を行う前に画像データの公開に同意するか否かの指定入力を受け、同意する旨の入力を受けた場合にのみ画像データの取得を行う。
【0012】
これにより、歌唱者自身が自分の顔写真を公表するか否かを選択することができる。
【0013】
また、上記ランキングデータ生成部は、上記撮影処理部によって歌唱者の画像データの取得が行われなかった場合には、キャラクタ画像を画像データとして用いる。キャラクタ画像とは例えばアバタである。
【0014】
さらに上記ランキングデータ生成部は、複数の上記キャラクタ画像の中から、演奏した曲の歌手情報、ジャンル情報の少なくとも1つに基づいて1つを選択する。
【0015】
また、利用者が入力手段を介して入力した情報に基づいて上記キャラクタ画像を作成してもよい。
【0016】
これにより、写真撮影を行いたくない歌唱者も楽しむことができる。
【0017】
また、上記ランキングデータ生成部は、上記撮影処理部によって歌唱者の画像データの取得が行われなかった場合には、外部から入力された画像を画像データとして用いる。
【0018】
これにより、ランキングデータの演出がより多様化される。
【0019】
また、本発明によるカラオケ装置は、上記送信部は上記全国ランキングデータに含まれるデータのうち、上記集計ランキングデータに含まれないデータのみを上記ランキング集計サーバに送信し、上記受信部は、上記ランキング集計サーバから、上記集計ランキングデータのうち、新たにランキングに加わったデータで、かつ自装置から送信したデータ以外のデータを受信する。
【0020】
これにより、最小限の通信量により、写真付きの曲目別全国ランキングデータの同期を全国のカラオケ装置間でとることができる。
【0021】
また、本発明のプログラムは、コンピュータをカラオケ装置として機能させ、上記コンピュータを、記録媒体に記録されたカラオケ用の演奏データの中から、指定された曲の演奏データを再生する演奏データ再生手段、マイクロフォンを介して上記演奏データに合わせて入力される歌唱者の音声信号に基づいて歌唱力を採点し、得点を出力する採点手段、上記採点部によって出力された得点が一定以上の得点圏に入る場合には、撮像装置により歌唱者の画像の取得を行う撮影処理手段、一定以上の得点圏の歌唱者の得点と上記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成するランキングデータ生成手段、通信回線を介
して接続されたランキング集計サーバから、複数のカラオケ装置から送信されたランキングデータを集計して得られた集計ランキングデータを受信する受信手段、上記集計ランキングデータを基に、全国で一定以上の得点圏内にある歌唱者の得点と上記撮像装置により撮影した写真を含むランキングデータを曲毎に生成する全国ランキングデータ生成手段、上記全国ランキングデータを上記ランキング集計サーバに送信する送信手段、上記ランキングデータおよび上記全国ランキングデータに基づいて、上位ランキング者の得点と上記画像データを表示装置に出力するランキングデータ出力手段として機能させる。
【0022】
これにより、採点結果を表示する際、最高得点を出した歌い手の顔写真などが表示されてカラオケの対戦ゲームとしての娯楽性が向上する。
【0023】
また、上記撮影処理手段が、歌唱者の画像データに演奏曲に応じた加工処理を施すようにすれば、より娯楽性が向上する。
【0024】
また、上記撮影処理手段は、撮影を行う前に写真撮影に同意するか否かの指定入力を受け、撮影に同意する旨の入力を受けた場合にのみ撮影を行う。
【0025】
これにより、歌唱者自身が自分の顔写真を公表するか否かを選択することができる。
【0026】
また、上記ランキングデータ生成手段は、上記撮影処理手段によって歌唱者の画像データの取得が行われなかった場合には、キャラクタ画像を画像データとして用いる。キャラクタ画像とは例えばアバタである。
【0027】
さらに、上記ランキングデータ生成手段は、複数の上記キャラクタ画像の中から、演奏した曲の歌手情報、ジャンル情報の少なくとも1つに基づいて1つを選択する。
【0028】
また、利用者が入力手段を介して入力した情報に基づいて上記キャラクタ画像を作成してもよい。
【0029】
これにより、写真撮影を行いたくない歌唱者も楽しむことができる。
【0030】
また、上記ランキングデータ生成手段は、前記撮影処理手段によって写真撮影が行われなかった場合には、写真の代わりに外部から入力された画像データを用いてランキングデータを生成する。
【0031】
これにより、ランキングデータの演出がより多様化される。
【0032】
また、上記送信手段は上記全国ランキングデータに含まれるデータのうち、上記集計ランキングデータに含まれないデータのみを上記ランキング集計サーバに送信する。
【0033】
これにより、最小限の通信量により、写真付きの曲目別全国ランキングデータの同期を全国のカラオケ装置間でとることができる。
【0034】
本発明によるランキング集計サーバは、通信回線を介して接続された複数のカラオケ装置からランキングデータを受信する受信部と、各々のカラオケ装置から送信された全国ランキングデータを曲毎に集計して集計ランキングデータを出力する集計データ生成部と、上記集計データ生成部によって生成された集計ランキングデータのうち、新たにランキングに加わったデータを抽出する送信データ抽出部と、上記送信データ抽出部で抽出されたデータを、当該データを送信したカラオケ装置以外のカラオケ装置に送信する送信部を備える。
【0035】
これにより、写真付きの曲目別全国ランキングデータのカラオケ装置への配信を実現することができる。
【0036】
これにより、最小限の通信量により、集計ランキングデータを全国のカラオケ装置に配信することができる。
【0037】
さらに、本発明のランキング集計サーバは、上記集計ランキングデータを基に、ウェブサイトで公開可能な形式の、画像データ入りランキングファイルを作成する手段を備える。
【0038】
これにより、全国ランキングをウェブサイト上でも公開することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明によるカラオケ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】本発明によるカラオケ装置の機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明によるランキング集計サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明によるカラオケ装置の動作のフローチャートである。
【図5】本発明による写真撮影確認画面の例を示す図である。
【図6】本発明による写真撮影画面の例を示す図である。
【図7】本発明によるランキングデータの構成例を示す図である。
【図8】本発明によるカラオケ装置とランキング集計サーバの動作のフローチャートである。
【図9】本発明によるランキング集計サーバとカラオケ装置の間でのランキングデータのやり取りを具体的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
実施例1.
図1は、本発明によるカラオケ装置の構成を示すブロック図である。図に示すように、カラオケ装置100は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク装置(HDD)13、通信制御装置14、キースイッチコントローラ15、楽曲再生エンジン16、ボーカルエフェクトエンジン17、マイクロフォン18、ディジタルミキサ19、音声信号用のディジタル/アナログ(D/A)変換器20、アンプスピーカシステム21、映像テロップエンジン22、映像信号用のディジタル/アナログ変換器23、モニタ(表示装置)24、撮像装置25を備えている。
【0041】
CPU10は、所定のプログラムを実行し、システムコントロールバスを介して相互に接続された各部とデータを授受し、カラオケ装置の全体動作を制御する。ROM11は、CPU10において実行されるべきプログラムや、その他各種データなどを格納する。RAM12は、CPU10の動作時にワークメモリとして用いられ、各種データを一時的に記憶する。
【0042】
ハードディスク装置13は、楽曲の演奏に用いられる楽曲データや楽曲に関する情報から構成される楽曲情報データ、歌詞などのテロップや背景映像などの表示に用いられる映像データの他、ランキングデータ、全国ランキングデータなどを格納する。楽曲データや映像データは、例えば、図示しないホスト装置から通信回線を通じて配信され、通信制御装置14を介して取得され、ハードディスク装置13に記憶される。本実施形態では、楽曲データとして、電子楽譜形式のデータの1つであるMIDIデータを用いる。MIDIデータには、楽曲の演奏に必要な楽譜情報、音色情報、テンポ情報など各種の演奏情報が
含まれている。このMIDIデータとMIDI音源とを用いて、楽曲演奏のための音声信号(楽曲信号)が生成される。
【0043】
また、全国ランキングデータは、ランキング集計サーバ200から通信回線を通じて配信され、通信制御装置14を介して取得され、ハードディスク装置13に記憶される。
【0044】
通信制御装置14は、カラオケ装置とホスト装置やランキング集計サーバとの間のデータの送受信を行う装置であり、I/Oインタフェースとしての機能も有している。
【0045】
キースイッチコントローラ15は、図示しないリモコンや操作パネル等を用いて利用者により行われる入力操作に基づく制御を行う。例えば、利用者によって希望の楽曲の番号等が指定されると、当該操作指示の内容がキースイッチコントローラ15を介してCPU10に供給される。この場合に、CPU10は、必要な楽曲データ及び映像データをハードディスク装置13から読み出し、楽曲データを楽曲再生エンジン16に、映像データを映像テロップエンジン22にそれぞれ供給する。また、利用者による楽曲の演奏時のテンポの変更操作についてもこのキースイッチコントローラ15を用いて行われる。
【0046】
楽曲再生エンジン16は、ハードディスク装置13から取得される楽曲データに基づいて楽曲音声信号を生成する。本実施形態の楽曲再生エンジン16はMIDI音源を備えており、MIDIデータに基づいて当該MIDI音源を駆動して楽曲を再生し、ディジタル楽曲信号を生成する。
【0047】
ボーカルエフェクトエンジン17は、マイクロフォン18を介して入力される音声信号に対してディジタル処理を施し、エコー効果の付与やノイズ除去等の音質調整を行う。
【0048】
ディジタルミキサ19は、楽曲再生エンジン16から出力されるディジタル楽曲信号と、ボーカルエフェクトエンジン17から出力されるディジタル音声信号とを混合する。ディジタルミキサ19によって生成されるディジタル信号がディジタル/アナログ変換器20によってアナログ信号に変換され、アンプスピーカシステム21に出力されることによって楽曲の演奏音とボーカルエフェクトエンジン17によって音響処理がなされた歌唱者の歌声の音響出力がなされる。
【0049】
映像テロップエンジン22は、ハードディスク装置13から取得される映像データに基づいて、歌詞などのテロップや背景映像などの表示を行うためのディジタル映像信号を生成する。例えば、ハードディスク装置13に格納される映像データとしてMPEG形式のデータが用いられている場合であれば、映像テロップエンジン22は、当該MPEGデータをデコードする処理を行う。映像テロップエンジン22によって生成されるディジタル映像信号がディジタル/アナログ変換器23によってアナログ信号に変換され、モニタ24に出力されることによって背景映像やテロップの表示がなされる。
【0050】
撮像装置25は、例えばデジタルカメラであり、撮影対象の画像を取得し、画像データを出力する。
【0051】
図2は、本発明によるカラオケ装置100の機能構成を示すブロック図である。図に示すように、カラオケ装置100は、演奏データ再生部101、採点部102、撮像装置25、撮影処理部103、ランキングデータ生成部104、ランキングデータ記憶部105、全国ランキングデータ生成部106、全国ランキングデータ記憶部107、送信部108、受信部109、ランキングデータ出力部110を有する。
【0052】
演奏データ再生部101、採点部102、撮影処理部103、ランキングデータ生成部
104、全国ランキングデータ生成部106、ランキングデータ出力部110はROM11に格納され、CPU10が実行するプログラムのモジュールに対応する。
【0053】
ランキングデータ記憶部105、全国ランキングデータ記憶部107はハードディスク装置13に含まれる。送信部108、受信部109は通信制御装置14に含まれる。
【0054】
図3は、本発明によるランキング集計サーバ200の概略構成を示すブロック図である。
【0055】
図に示すように、ランキング集計サーバ200は、集計データ生成部201、送信データ抽出部202、送信部203、受信部204、受信データ記憶部205、送信データ記憶部206、全国ランキングデータ記憶部207、ウェブページ作成部208を備えている。
【0056】
集計データ生成部201、送信データ抽出部202、送信部203、受信部204、ウェブページ作成部208は、プログラムに従ってランキング集計サーバ200のプロセッサが行う動作のモジュールを表しており、これらは実際には一体としてランキング集計サーバ200のプロセッサを構成する。
【0057】
また、受信データ記憶部205、送信データ記憶部206、全国ランキングデータ記憶部207は、ランキング集計サーバ200のメモリやハードディスク等の記憶装置に対応する。
【0058】
次に、カラオケ装置100の動作について説明する。
【0059】
図4は、カラオケ装置100の動作のフローチャートである。
【0060】
まず、演奏曲が予約されている場合には(ステップ401)、演奏データ再生部101により指定された曲の演奏データが再生される(ステップ402)。
演奏データの再生終了後、採点部102は、マイクロフォン18から入力される歌唱者の音声を採点し得点を算出する(ステップ403)。
【0061】
次に、採点部102から得点が出力されると、撮影処理部103は算出された得点があらかじめ定められた足きり点以上か否かを判定する(ステップ404)。
【0062】
ステップ404で得点が足きり点以上であると判定された場合には、ステップ405へ進む。足きり点に満たない場合には、ランキングデータ出力部110は当該曲の現在の装置内および全国ランキングをモニタ24に表示し(ステップ413)、ステップ401へ戻り、次の指定曲がある場合には演奏データを再生する。
【0063】
ステップ405では、撮影処理部103は全国ランキングデータ記憶部107を参照し、算出された得点が全国ランキングで一定の得点圏に入っているか否かを判定する。具体的には、例えば当曲目の全国ランキングで10位以内の成績であるか否かを判定する。
【0064】
ステップ405において、全国ランキングで一定以上の成績であると判定された場合にはステップ407へ進む。一方、一定の成績を満たしていない場合には、ステップ406へ進む。
【0065】
ステップ406では、撮影処理部103はランキングデータ記憶部105を参照し、算出された得点が当カラオケ装置内でのランキングで一定の得点圏に入っているか否かを判
定する。具体的には、例えば当曲目のランキングで10位以内の成績であるか否かを判定する。
【0066】
ステップ406において、装置内のランキングで一定以上の成績であると判定された場合にはステップ407へ進む。一方、一定の成績を満たしていない場合には、ランキングデータ出力部110は当該曲の現在の装置内および全国ランキングをモニタ24に表示し(ステップ413)、ステップ401へ戻り、次の指定曲がある場合には演奏データを再生する。
【0067】
ステップ407では、撮影処理部103は、モニタ24に写真撮影を行うことに同意するか否かの確認画面を表示させる。図5は、確認画面の例である。図に示すように、全国レベル、部屋レベルでの順位と、写真撮影に同意するかどうかの確認を表示すると共に、写真が何に利用されるかを明確に表示する。歌唱者は、リモコンや操作パネル等を用いて同意するか否かの入力操作を行い、操作の内容がキースイッチコントローラ15を介して撮影処理部103に供給される。撮影処理部103は、入力内容が撮影同意の場合には撮像装置25を制御して歌唱者の写真撮影を行う(ステップ408)。この際、モニタ24に図6に示すような画面を表示し、撮影を実行する。撮影は、利用者がリモコンや操作パネル等を操作することにより実行するようにしてもよい。また、撮像装置25をリモコンや操作パネルに備えるようにしてもよい。
【0068】
なお、顔写真には、曲のイメージに対応した背景画像を入れるなどの加工処理を施すようにしてもよい。カラオケ装置100は、楽曲情報データとして楽曲の歌手情報、楽曲のジャンル情報を有しており、撮影処理部103は、歌手情報、ジャンル情報のうちの少なくとも1つに基づいて加工処理を施す。
【0069】
写真撮影が終了したら、モニタ24に氏名入力画面を表示し、リモコンや操作パネル等の操作による氏名、イニシャル、ニックネーム等の入力操作を可能とする(ステップ409)。
【0070】
次に、ランキングデータ生成部104はランキングデータを生成し、ランキングデータ記憶部105に格納する(ステップ410)。
【0071】
次に、全国ランキングデータ生成部106は全国ランキングデータを生成し、全国ランキングデータ記憶部107に格納する(ステップ411)。
【0072】
図7は、ランキングデータおよび全国ランキングデータの構成を示す図である。
【0073】
図に示すように、ランキングデータおよび全国ランキングデータは、曲番号毎に上位(ここでは10位まで。)の得点データを有する。1件の得点データには、得点、日付、地域コード、氏名またはイニシャル、顔写真が含まれる。
【0074】
ランキングデータ出力部110は、更新された装置ごとのランキングデータと全国ランキングデータをモニタ24に出力する(ステップ412)。
【0075】
その後、ステップ401へ戻り、次の指定曲がある場合には演奏データを再生する。
【0076】
次に、図8のフローチャートを用いて、ランキング集計サーバ200と全国のカラオケ装置100との間で、全国ランキングデータの同期を取る処理について説明する。この処理は定期的に実行され、例えば日次処理として1日の終わりに1回行われる。
【0077】
カラオケ装置100の送信部108は、全国ランキングデータ記憶部107に格納された全国ランキングデータのうち、ランキング集計サーバ200に前回の処理時に未送信のデータのみをランキング集計サーバ200へ送信する(ステップ801)。
【0078】
ランキング集計サーバ200は、全国のカラオケ装置100から送信されてきた全国ランキングデータを受信部204において受信し、受信データ記憶部205に格納する(ステップ811)。
【0079】
次に、ランキング集計サーバ200は、集計データ生成部201において、受信データ記憶部205に格納された全国のカラオケ装置100からのランキングデータと、全国ランキングデータ記憶部207に格納された前回集計時の全国ランキングデータに基づいて集計処理を行い、最新の曲別全国ランキングデータを生成し、全国ランキングデータ記憶部207の全国ランキングデータを更新する(ステップ812)。
【0080】
次に、送信データ抽出部202は、ステップ812で生成した最新の全国ランキングデータと、受信データ記憶部205に格納された各々のカラオケ装置100から送信されたランキングデータを比較し、各カラオケ装置100に配信すべきデータを抽出する(ステップ813)。各カラオケ装置100へ配信すべきデータとは、新たに全国ランキングデータに加わった得点データの中から、自装置が送信したデータを除いたものである。
【0081】
次に、送信部203は、ステップ813で抽出されたデータをそれぞれのカラオケ装置へ送信する。
【0082】
カラオケ装置100の受信部109は、ランキング集計サーバ200から送信された集計データを受信する(ステップ802)。
【0083】
全国ランキングデータ生成部106は、受信した集計データを基に全国ランキングデータ記憶部107内に格納された全国ランキングデータを更新する(ステップ803)。
【0084】
図9を用いて、ランキング集計サーバ200とカラオケ装置100の間でのランキングデータのやり取りを具体的に説明する。ここでは、ランキングデータは曲ごとに5位の得点まで保持することとする。表901は前日の配信直後のある曲目の全国ランキングデータである。その後、カラオケ装置Aにおいては当該曲目について981点が出たため、カラオケ装置Aにおける全国ランキングデータは表902に示すようになる。一方、カラオケ装置Bにおいては955点と965点が出たためカラオケ装置Bにおける全国ランキングデータは表903のようになる。
【0085】
日次処理の際、カラオケ装置Aは前回の処理時に未送信である、981点のデータのみをランキング集計サーバ200へ送信する。同様に、カラオケ装置Bは955点と965点のデータのみをランキング集計サーバ200へ送信する。
【0086】
ランキング集計サーバ200の集計データ生成部201は、前回更新時の全国ランキングデータ(表901)とカラオケ装置Aおよびカラオケ装置Bから送信された得点データを合わせて集計し、新たな全国ランキングデータとして装置Aからの981点のデータと装置Bからの965点のデータがランクインすることが確定する(表904)。
【0087】
次に、送信データ抽出部202は、各カラオケ装置に送信すべきデータを抽出する。新たにランキングに追加された2件のデータのうち、カラオケ装置Aから送信されたのは981点のデータなので、カラオケ装置Aには965点のデータのみが送信される。同様に、カラオケ装置Bから送信されたのは965点のデータなのでカラオケ装置Bには981
点のデータのみが送信される。
【0088】
カラオケ装置Aは、ランキング集計サーバ200から965点のデータを受信すると、自装置内に持つ全国ランキングデータを更新する。この場合、表902に示すランキングデータに965点のデータが加わり、表905に示す新たな全国ランキングデータが得られる。同様に、カラオケ装置Bでも、表903に示す自装置内のランキングデータに981点のデータが加わり、表906に示す新たなランキングデータが得られる。このように、ランキング集計サーバ200(表904)、カラオケ装置A(表905)、カラオケ装置(表906)で全国ランキングデータの同期を取ることができる。
【0089】
また、ランキング集計サーバ200は、ウェブページ作成部208において、ステップ812で更新した全国ランキングデータ記憶部207の全国ランキングデータを基に、ウェブサイト上で公開可能なHTML形式のファイルを作成する(ステップ815)。作成されたウェブページはサイト上で公開され、写真付きの曲別全国ランキングがウェブ上で閲覧可能となる。
実施例2.
実施例2では、ランキングデータ生成時に歌唱者から写真撮影の同意が得られなかった場合に、歌唱者に見立てたキャラクタ画像を代わりに登録する。図4のステップ407で写真撮影の同意が得られなかった場合、ランキングデータ生成部104および全国ランキングデータ生成部106は、ランキングデータの顔写真登録領域にアバタを登録する。
【0090】
登録するアバタは、ROM11に複数パターン記憶されており、ランキングデータ生成部104および全国ランキングデータ生成部106は、この中から1つのアバタを選択して登録する。カラオケ装置100は、楽曲情報データとして楽曲の歌手情報、楽曲のジャンル情報を有しており、ランキングデータ生成部104および全国ランキングデータ生成部106は、この歌手情報、ジャンル情報のうちの少なくとも1つに基づいてアバタを選択する。
【0091】
また、歌唱者の性別を入力させ、性別に対応したアバタを選択してもよい。
【0092】
また、演奏者が好みに応じたアバタを作成できるようにしてもよい。この場合、利用者がリモコンや操作パネル等を用いてアバタのパーツ等を選択できるようにしてもよい。
【0093】
さらに、撮像装置25で撮影する写真の代わりに、外部から入力した画像データを登録できるようにしてもよい。例えば、利用者の携帯電話で撮影した写真をカラオケ装置100に送信できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0094】
11 ROM、12 RAM、13 ハードディスク装置、14 通信制御装置、15 キースイッチコントローラ、16 楽曲再生エンジン、17 ボーカルエフェクトエンジン、18 マイクロフォン、19 ディジタルミキサ、20 ディジタル/アナログ変換器、21 アンプスピーカシステム、22 映像テロップエンジン、23 ディジタル/アナログ変換器、24 モニタ、25 撮像装置、100 カラオケ装置、101 演奏データ再生部、102 採点部、103 撮影処理部、104 ランキングデータ生成部、105 ランキングデータ記憶部、106 全国ランキングデータ生成部、107 全国ランキングデータ記憶部、108 送信部、109 受信部、110 ランキングデータ出力部、200 ランキング集計サーバ、201 集計データ生成部、202 送信データ抽出部、203 送信部、204 受信部、205 受信データ記憶部、206 送信データ記憶部、207 全国ランキングデータ記憶部、208 ウェブページ作成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されたカラオケ用の演奏データの中から、指定された曲の演奏データを再生する演奏データ再生部と、
マイクロフォンを介して前記演奏データに合わせて入力される歌唱者の音声信号に基づいて歌唱力を採点し、得点を出力する採点部と、
撮影対象の画像を取得し、画像データを出力する撮像装置と、
前記採点部によって出力された得点が一定以上の得点圏に入る場合には、前記撮像装置により歌唱者の画像データを取得するとともに、取得した前記画像データに演奏曲に応じた加工処理を施す撮影処理部と、
一定以上の得点圏の歌唱者の得点と加工処理の施された前記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成するランキングデータ生成部と、
通信回線を介して接続されたランキング集計サーバから、複数のカラオケ装置から送信されたランキングデータを集計して得られた集計ランキングデータを受信する受信部と、
前記集計ランキングデータを基に、全国で一定以上の得点圏内にある歌唱者の得点と前記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成する全国ランキングデータ生成部と、
前記全国ランキングデータに含まれるデータのうち、前記集計ランキングデータに含まれないデータのみを前記ランキング集計サーバに送信する送信部と、
前記ランキングデータおよび前記全国ランキングデータに基づいて、上位ランキング者の得点と前記画像データを表示装置に出力するランキングデータ出力部を備えた
カラオケ装置。
【請求項2】
コンピュータをカラオケ装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、記再生する演奏データ再生手段、
マイクロフォンを介して前記演奏データに合わせて入力される歌唱者の音声信号に基づいて歌唱力を採点し、得点を出力する採点手段、
前記採点部によって出力された得点が一定以上の得点圏に入る場合には、撮像装置により歌唱者の画像データを取得するとともに、取得した前記画像データに演奏曲に応じた加工処理を施す撮影処理手段、
一定以上の得点圏の歌唱者の得点と加工処理の施された前記画像データを含むランキングデータを曲毎に生成するランキングデータ生成手段、
通信回線を介して接続されたランキング集計サーバから、複数のカラオケ装置から送信されたランキングデータを集計して得られた集計ランキングデータを受信する受信手段、
前記集計ランキングデータを基に、全国で一定以上の得点圏内にある歌唱者の得点と前記撮像装置により撮影した写真を含むランキングデータを曲毎に生成する全国ランキングデータ生成手段、
前記全国ランキングデータに含まれるデータのうち、前記集計ランキングデータに含まれないデータのみを前記ランキング集計サーバに送信する送信手段、
前記ランキングデータおよび前記全国ランキングデータに基づいて、上位ランキング者の得点と前記画像データを表示装置に出力するランキングデータ出力手段として機能させる
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−49282(P2010−49282A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271094(P2009−271094)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【分割の表示】特願2005−166270(P2005−166270)の分割
【原出願日】平成17年6月6日(2005.6.6)
【出願人】(301027292)株式会社BMB (32)
【Fターム(参考)】