説明

カラオケ課金システム

【課題】 任意の楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでの待ち時間に応じて演奏料金を調整することにより、カラオケ利用者間の不公平感を軽減する。
【解決手段】 選曲予約された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aに登録すると共に、任意の楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数及び総演奏時間の少なくとも一方からなる演奏履歴データ演奏履歴データ33bを管理する予約管理手段36と、利用者が選曲予約した楽曲を演奏する際に、前記演奏履歴データを参照し、既に演奏された楽曲数又は総演奏時間に対応させて、演奏料金の割引率を適用して課金額を算定する課金額算定手段39と、算定された課金額を楽曲毎に徴収する演奏料金徴収手段27と、算定された課金額が徴収された場合に演奏処理を行わせる演奏処理手段40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ演奏料金を課金するためのカラオケ課金システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スナックやバー等のカラオケ営業店では、カラオケシステムにコインボックスやプリペイドカード読み取り機等を付帯させて、1曲毎にカラオケ演奏料金を課金する場合がある(例えば、特許文献1参照)。このようなカラオケ課金システムには、任意の利用者が選曲予約を行う際に、コインボックスに規定料金を投入することにより選曲予約を可能とするものや、選曲予約された楽曲の演奏に際して、コインボックスに規定料金を投入することにより、当該楽曲の演奏を行うものがある。
【0003】
従来のカラオケ課金システムでは、予め1曲毎に課金する演奏料金の額を設定することはできるものの、カラオケ利用者から課金する演奏料金は設定に基づいた一律なものとなっており、楽曲毎に演奏料金を変更することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−182366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、スナックやバー等のカラオケ営業店では、開店直後、営業時間中、閉店直前、曜日等、種々の要因により顧客数が大きく異なる場合がある。この点、カラオケボックスでは、繁閑状態に適応させて、利用客が少ない時間帯は割引料金を適用し、利用客が多い時間帯は通常料金とする等の料金設定を行うことにより、カラオケ利用の促進を図っている。しかしながら、スナックやバー等のカラオケ営業店では、カラオケの演奏料金を繁閑状態に応じて設定しておらず、1曲毎に一律の料金を課金するため、カラオケボックスと同様のサービスを適用することはできなかった。
【0006】
また、現在普及しているカラオケシステムでは、既に予約登録されている楽曲に対して、後から選曲予約を行う者が割り込み予約登録を行うことができるようになっている。このような割り込み予約登録が行われた場合に、割り込みを受けた利用者にとってみれば、自らの歌唱順番よりも後から選曲予約を行った楽曲が先に演奏され、自らの歌唱順番が後回しにされるため、不公平感を味わうことがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、カラオケ演奏料金を課金するための演奏料金徴収手段を備えたカラオケシステムが設置されたカラオケ営業店において、選曲予約された楽曲が演奏されるまでの待ち時間に応じて演奏料金を変更することにより、カラオケ利用者間の不公平感を軽減すると共に、カラオケ利用の促進を図ることが可能なカラオケ課金システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカラオケ課金システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ課金システムは、カラオケ楽曲の演奏に際して、1曲毎の演奏料金を課金するためのカラオケ課金システムであって、予約管理手段と、課金額算定手段と、演奏料金徴収手段と、演奏処理手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
予約管理手段は、利用者により選曲予約された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列に登録すると共に、任意の楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数及び総演奏時間の少なくとも一方からなる演奏履歴データを管理するための手段である。課金額算定手段は、利用者が選曲予約した楽曲を演奏する際に、演奏履歴データを参照し、当該楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数又は総演奏時間に対応させて、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を適用して、課金額を算定するための手段である。演奏料金徴収手段は、算定された課金額を楽曲毎に徴収するための手段である。演奏処理手段は、選曲予約された楽曲について、課金額が徴収されたか否かを判定して、徴収された場合に演奏処理を行わせるための手段である。
【0010】
このような構成からなるカラオケ課金システムでは、利用者がカラオケリモコン装置等を用いて選曲予約を行うと、予約管理手段の機能により、選曲予約された楽曲が予約待ち行列により管理される。すなわち、予約管理手段では、選曲予約された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列を生成し、この予約待ち行列に従って楽曲を演奏させる。また、予約管理手段では、既に演奏された楽曲の演奏履歴データを管理する。演奏履歴データには、演奏された楽曲の楽曲IDや演奏時間等に関するデータが含まれており、この演奏履歴データを参照することにより、既に演奏された楽曲の曲数や演奏時間等を認識することができる。
【0011】
本発明では、選曲予約された楽曲が演奏される際に、演奏料金徴収手段により、演奏される楽曲毎に演奏料金が徴収される。各予約楽曲の演奏料金は、課金額算定手段により、楽曲毎に適用する割引率に基づいて定められる。すなわち、選曲予約された楽曲が演奏される際に、課金額算定手段の機能により、当該楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏が開始されるまでに演奏された楽曲の総数又は総演奏時間に対応させて、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を適用して、課金額が算定される。そして、演奏処理手段により、選曲予約された各楽曲について、算定された課金額が徴収されたか否かを判定し、楽曲毎に算定された課金額が徴収された場合に演奏処理を行わせる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカラオケ課金システムによれば、選曲予約された楽曲が演奏される際に、当該楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏が開始されるまでに演奏された楽曲の総数又は総演奏時間に対応させて、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を適用して課金額を算定する。
【0013】
これに対して従来の技術では、待ち時間が長い利用者と待ち時間が短い利用者とで同一の料金が適用されていたため、長く待たされた利用者は不公平感を感じる場合もあった。本発明のカラオケ課金システムでは、歌唱までの待ち時間に対応させて課金額が算定されるので、待ち時間が長い楽曲に対しては割引率を高くして、待ち時間が短い楽曲よりも安い演奏料金とし、待ち時間が短い楽曲に対しては割引率を低くして、待ち時間が長い楽曲よりも高い演奏料金として、カラオケ利用者間の公平を図ることが可能となる。
【0014】
例えば、既に予約登録されている楽曲に対して、後から選曲予約を行う者が割り込み予約登録を行った場合に、自らの歌唱順番が後回しにされた利用者は、待ち時間が長いことに対する代償として演奏料金の割引率が高くなるので、通常料金よりも安い料金でカラオケを楽しむことができる。これに対して、割り込み予約登録を行った利用者は、割り込みを行わなかった場合と比較して短時間で歌唱順番が回ってくるため、その代償として演奏料金の割引率が低くなり、待ち時間が長い利用者と比較して高い料金で歌唱を行わなければならないため、割り込み予約が行われた結果、歌唱までの待ち時間が長くなった利用者と、歌唱までの待ち時間が短くなった利用者との間における公平を保つことができる。
【0015】
さらに、既に多くの楽曲が予約登録されている場合に、割り込み予約登録ではなく通常の予約登録を行うと、多少の待ち時間があったとしても通常料金よりも安い料金でカラオケを楽しむことができるため、積極的に選曲予約を行うことが期待され、カラオケ利用を促進することができる。
【0016】
これにより、スナックやバー等のカラオケ営業店でも、カラオケボックスのように、繁閑状態に適応させて、利用客が少ない時間帯は割引料金を適用し、利用客が多い時間帯は通常料金とする等の料金設定を行うことにより、カラオケ利用の促進を図ることができる。また、演奏料金の割引率を設定して課金額を算定する処理は、選曲予約された楽曲が演奏される際に自動的に行われるため、カラオケ営業店の経営者や従業員等の手を煩わせることなく、利用者間の公平を図った適切な演奏料金の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケ課金システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るカラオケ課金システムの装置構成を示す外観図。
【図3】本発明の実施形態に係るカラオケ課金システムにおける課金額算定処理の態様を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ課金システムの実施形態について説明する。図1〜図3は本発明の実施形態に係るカラオケ課金システムを示すもので、図1はカラオケ課金システムの構成を示すブロック図、図2は装置構成の外観図、図3は課金額算定処理の態様の説明図である。
【0019】
<システムの概要>
本発明の実施形態に係るカラオケ課金システム10は、スナックやバーのようないわゆるナイト店に設置されたカラオケシステムに適用される技術であり、図1及び図2に示すように、カラオケシステムには演奏料金徴収手段27が付帯されている。このカラオケシステムでは、1曲毎に演奏料金を支払うことにより、カラオケ演奏を楽しむことができる。なお、演奏料金徴収手段27は、どのような構成であってもよい。図1及び図2に示す例では、紙幣及び硬貨を使用するようになっているが、磁気記録式のプリペイドカードや非接触型ICカードを使用する構成としてもよい。
【0020】
<カラオケ課金システム>
本発明の実施形態に係るカラオケ課金システム10は、図1及び図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、マイクロホン24、表示装置25、ミキシングアンプ26、演奏料金徴収手段27を備えている。
【0021】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0022】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ本体21で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0023】
<マイクロホン>
マイクロホン24は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン24から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ26により、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ23へ出力される。なお、マイクロホン24からの音声入力信号を、A/Dコンバータ(図示せず)によりデジタル変換して、歌唱採点手段における採点等に使用してもよい。
【0024】
<表示装置>
表示装置25は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。
【0025】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、図1に示すように、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、映像再生制御手段38、課金額算定手段39、演奏処理手段40を備えている。
【0026】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0027】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。
【0028】
本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33a、演奏履歴データ33b、算定課金額データ33cが記憶されている。予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。演奏履歴データ33bは、予約待ち行列33aに登録された楽曲が実際に演奏された場合に、当該楽曲に関する楽曲IDや演奏時間等を記録したデータであり、課金額算定手段39では、演奏履歴データ33bに基づいて、既に演奏された楽曲の曲数や演奏時間等を把握することができる。算定課金額データ33cは、課金額算定手段39により、選曲予約された楽曲毎に算定された課金額データである。
【0029】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34b、課金リスト34cが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0030】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応して表示される背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0031】
<課金リスト>
課金リスト34cは、カラオケ利用の待ち時間等に応じて、選曲予約された楽曲毎に適用する演奏料金の割引率を設定するためのリストデータであり、図3(a)又は図3(b)に示すように、任意の楽曲が予約登録されてから実際に演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数または演奏時間と、割引率とを対応付けて課金ランクを設定するようになっている。図3(a)に示す例では、任意の楽曲が予約登録されてから実際に演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数が多いほど演奏料金の割引率を引き上げて演奏料金を安くし、図3(b)に示す例では、任意の楽曲が予約登録されてから実際に演奏されるまでに演奏された楽曲の演奏時間が長いほど演奏料金の割引率を引き上げて演奏料金を安くしている。
【0032】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0033】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33a及び任意の楽曲が予約待ち行列33aに登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数及び総演奏時間に関する演奏履歴データ33bをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。カラオケ演奏は、予約待ち行列33aに登録された楽曲ID順に行われ、演奏が終了した楽曲及び予約をキャンセルした楽曲については、その楽曲IDが予約待ち行列から削除される。また、予約管理手段36は、予約待ち行列33aに登録された楽曲が実際に演奏された場合に、当該楽曲に関する楽曲IDや演奏時間等を演奏履歴データ33bとして管理する。
【0034】
<課金額算定手段>
課金額算定手段39は、利用者が選曲予約した楽曲を演奏する際に、演奏履歴データ33bを参照し、当該楽曲が予約待ち行列33aに登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数又は総演奏時間に対応させて、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を適用して、課金額を算定するためのプログラムからなる。すなわち、課金額算定手段39は、予約登録された楽曲が演奏される際に、予約待ち行列33aに登録されて既に演奏された楽曲に関する演奏履歴データ33bを参照し、予め設定されている課金リスト34cに基づいて、既に演奏された楽曲数又はその総演奏時間に対応した割引率を、当該楽曲の演奏料金に対する割引率として適用して、課金額を算定する。
【0035】
演奏料金の割引率は、例えば、図3(a)に示すように、任意の楽曲が予約待ち行列33aに登録されてから演奏が開始されるまでに演奏された楽曲数が多いほど、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を引き上げて演奏料金を安く設定することができる。図3(a)に示す例では、既演奏楽曲数が「5曲未満」の場合に標準料金(0%割引)とし、「5曲以上10曲未満」の場合に標準料金の5%割引とし、「10曲以上20曲未満」の場合に標準料金の10%割引とし、「20曲以上」の場合に標準料金の20%割引とする。また、図3(b)に示すように、任意の楽曲が予約待ち行列33aに登録されてから演奏が開始されるまでに演奏された楽曲の総演奏時間が長いほど、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を引き上げて演奏料金を安く設定してもよい。図3(b)に示す例では、総演奏時間が「10分未満」の場合に標準料金(0%割引)とし、「10分以上20分未満」の場合に標準料金の5%割引とし、「20分以上30分未満」の場合に標準料金の10%割引とし、「30分以上」の場合に標準料金の20%割引とする。
【0036】
なお、このような演奏料金の割引設定が行われるのは、予約登録されている楽曲が演奏される際に課金処理を行う場合が一般的であるが、選曲予約を行う際に既に課金処理が行われている場合には、当該楽曲が実際に演奏される際に演奏料金を再計算して、演奏料金の払い戻し処理や割り増し処理を行ってもよい。
【0037】
<演奏処理手段>
演奏処理手段40は、選曲予約された楽曲について、課金額が徴収されたか否かを判定して、徴収された場合に演奏処理を行わせるためのプログラムからなる。この演奏処理手段40では、課金額算定手段39により設定された演奏料金が演奏料金徴収手段27により徴収されると、楽曲の演奏を可能とするための処理が行われる。
【0038】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ26に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ26は、マイクロホン24から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0039】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段38は、カラオケ楽曲を演奏する際に、映像データベース34bから抽出した当該カラオケ楽曲の背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて生成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置25に出力するためのプログラムからなる。
【0040】
<演奏料金徴収手段>
演奏料金徴収手段27は、図1及び図2に示すように、カラオケ本体21に接続されており、カラオケ本体21との間で信号の送受信を行うことにより演奏料金の徴収を行うための装置である。本発明の演奏料金徴収手段27は、課金額算定手段39により楽曲毎に算定された演奏料金を徴収するようになっている。図1及び図2に示す演奏料金徴収手段27は、筐体の前面に、紙幣投入口及び硬貨投入口等を設け、筐体の内部に紙幣搬入装置、紙幣識別装置、紙幣貯留箱、硬貨識別装置、硬貨貯留箱等を設けた構成となっているが、演奏料金徴収手段27はこのような構成に限られるものではなく、プリペイドカードや非接触式IDカードを使用するものであってもよい。
【0041】
なお、本実施形態では、選曲予約された楽曲の演奏を開始するに際して、演奏料金徴収手段27に紙幣や硬貨が投入され、あるいはプリペイドカードや非接触式IDカードにより設定された演奏料金を引き落とすことにより楽曲の演奏を可能とするが、選曲予約時に、演奏料金徴収手段27に紙幣や硬貨を投入させ、あるいはプリペイドカードや非接触式IDカードにより設定された演奏料金の引き落としを行ってもよい。
【0042】
<割引率設定処理>
図3(a)及び図3(b)を参照して、本実施形態の割引率設定処理について説明する。利用選曲予約を行って予約待ち行列33aに登録された楽曲が演奏される際に、図3(a)及び図3(b)に示すように、課金額算定手段39の機能により、演奏履歴データ33bを参照して、当該楽曲が予約待ち行列33aに登録されてから演奏が開始されるまでに演奏された楽曲の曲数又は総演奏時間を取得し、課金リスト34cに基づく割引率を適用して課金額を算定する。
【0043】
図3(a)に示す例は、既に演奏された楽曲数が多いほど演奏料金の割引率を引き上げて演奏料金を安くするもので、演奏料金の算定対象となる楽曲が予約登録されてから実際に演奏されるまでに演奏された他の楽曲数が「8」であるため、当該楽曲の割引率は5%(Bランク)となり、基本料金の5%引きの演奏料金が課金額となる。そして、演奏料金徴収手段27により標準料金の5%引きの演奏料金を徴収した後に、演奏処理手段40により当該楽曲の演奏を行わせる。
【0044】
また、図3(b)に示す例は、既に演奏された楽曲の総演奏時間が長いほど演奏料金の割引率を引き上げて演奏料金を安くするもので、演奏料金の算定対象となる楽曲が予約登録されてから実際に演奏されるまでに演奏された他の楽曲の絵応援総時間が「21分41秒」であるため、当該楽曲の割引率は10%(Cランク)となり、基本料金の10%引きの演奏料金が課金額となる。そして、演奏料金徴収手段27により標準料金の5%引きの演奏料金を徴収した後に、演奏処理手段40により当該楽曲の演奏を行わせる。
【0045】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ本体21をカラオケサーバとネットワーク接続することにより、利用者情報等を一元的に管理することができる。
【符号の説明】
【0046】
10 カラオケ課金システム
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 スピーカ
24 マイクロホン
25 表示装置
26 ミキシングアンプ
27 演奏料金徴収手段
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
33b 演奏履歴データ
33c 算定課金額データ
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
34c 課金リスト
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 映像再生制御手段
39 課金額算定手段
40 演奏処理手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ楽曲の演奏に際して、1曲毎の演奏料金を課金するためのカラオケ課金システムであって、予約管理手段と、課金額算定手段と、演奏料金徴収手段と、演奏処理手段と、を備え、
前記予約管理手段は、利用者により選曲予約された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列に登録すると共に、任意の楽曲が予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数及び総演奏時間の少なくとも一方からなる演奏履歴データを管理し、
前記課金額算定手段は、利用者が選曲予約した楽曲を演奏する際に、前記演奏履歴データを参照し、当該楽曲が前記予約待ち行列に登録されてから演奏されるまでに演奏された楽曲の曲数又は総演奏時間に対応させて、当該楽曲の演奏料金に対する割引率を適用して、課金額を算定し、
前記演奏料金徴収手段は、前記算定された課金額を楽曲毎に徴収し、
前記演奏処理手段は、選曲予約された楽曲について、前記課金額が徴収されたか否かを判定して、徴収された場合に演奏処理を行わせる、
ことを特徴とするカラオケ課金システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−159574(P2012−159574A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17737(P2011−17737)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】