説明

カラーバーコードシート、カラーバーコード読取装置、カラーバーコード読取端末、製造システム、カラーバーコード読取プログラム、カラーバーコード読取方法

【課題】 非可視光領域の電磁波が照射されることでのみ表示されるカラーバーコードから数値コードを読み取るカラーバーコード読取端末を提供する。
【解決手段】シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取端末であって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、照射部2にて前記電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像部3と、撮像部3にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正部4と、補正部4にて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取部5とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートおよびカラーバーコードシートから情報を読み取るカラーバーコード読取装置、カラーバーコード読取端末、カラーバーコード読取プログラム、カラーバーコード読取方法、およびカラーバーコードシートに関する情報を一元管理する製造システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品のロット番号や製造番号、製造記録等の管理情報が数値コード化され、さらに数値コードはバーコードとして当該商品に添付される。また会員番号等が数値コード化され、数値コードはバーコードとして会員証に添付される。
【0003】
また、近年では従来の白黒バーコードに対し情報記録密度を向上させるため、色の種類毎または色の組み合わせによって数値が割り当てられるカラーバーコードが使用されている。
【0004】
なお、本発明の関連ある従来技術として、一般的なデジタルカメラ付き携帯電話機等の装置をバーコードリーダーとして利用できるとともに、バーコードの印刷部分の面積を抑え、情報記録密度を向上させることができるカラーバーコード及びそのバーコードリーダーが開示されている(例えば特許文献1)。また、従来のバーコードの情報量不足を解消するため、シアン系、マゼンタ系で着色したバーコードのモジュールをトリガーで仕切り、これをシアン系、マゼンタ系フィルターで覆われた光変換素子で読取ることを特徴とするカラーバーコードおよび読取り方法が開示されている(例えば特許文献2)。また、多くの情報を記録できるカラーバーコードを用いて複数種類のマルチメディア情報を効率的に記録し、再生する方法が開示されている(例えば特許文献3)。また個人情報の流出が起因した犯罪等を未然に防止するため、配達や郵送,投函先を特定としたポスト投函等の作業上で必要な宛名や住所等の個人情報を不可視させることで、容易に第三者が参照できないためのシステムが開示されている(例えば特許文献4)。また、カラーバーコードにおける配列コードの作成に応用可能な技術も開示されている(例えば特許文献5)。
【特許文献1】特開2004−355122号公報
【特許文献2】特開2000−293621号公報
【特許文献3】特開2000−67191号公報
【特許文献4】特開2005−053206号公報
【特許文献5】特開平8−210808号公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカラーバーコードは、可視光にて認識できるため第三者にも容易に視認可能である。よって、クレジットカード、各種証明書、会員証や金券等の偽造がなされるおそれが常に伴うとともに、情報の保護および流出の観点で問題がある。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、偽造行為がなされるおそれを低減させるカラーバーコードシートおよび当該カラーバーコードシートを読み取るカラーバーコード読取装置、カラーバーコード読取端末、カラーバーコード読取プログラム、カラーバーコード読取方法を提供するとともに、情報を一元管理することで製品製造段階での偽造の防止を図る製造システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するため、本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートであって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるものである。
【0008】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコードシートにおいて、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコードシートにおいて、前記カラーバーコードシートは署名欄として使用されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコードシートにおいて、前記カラーバーコードシートの所定の位置に、マークが塗布または転写されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコードシートにおいて、前記マークは、前記カラーバーコードシートが撮像された画像を補正するための基準であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコードシートにおいて、前記塗料は、前記カラーバーコードシートの領域全面に塗布または転写されることを特徴とするものである。
【0013】
上述した課題を解決するため、本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取装置であって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波を照射する照射部と、前記照射部にて照射されることで、可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像部と、前記撮像部にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正部と、前記補正部にて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取部とを備えるものである。
【0014】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取装置において、前記補正部は、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取装置において、前記補正部は、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするカラーバーコード読取装置。
【0016】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取装置において、更に、前記数値コード読取部にて読み取られた数値コードを送信する送信部と、前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信部とを備えるものである。
【0017】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取装置において、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【0018】
上述した課題を解決するため、本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取端末であって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像部と、前記撮像部にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正部と、前記補正部にて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取部とを備えるものである。
【0019】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取端末において、前記補正部は、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取端末において、前記補正部は、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取端末において、更に、前記数値コード読取部にて読み取られた数値コードを送信する送信部と、前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信部とを備えるものである。
【0022】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取端末において、前記カラーバーコード読取端末は、カメラ機能付携帯電話機であることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取端末において、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【0024】
上述した課題を解決するため、本発明は、対象物に添付するカラーバーコードシートと前記対象物を製造する製造システムであって、前記対象物に関する管理情報を取得する管理情報取得部と、前記管理情報取得部にて取得された管理情報に基づくコードを生成し、前記管理情報と前記コードとを対応付けて管理する管理部と、前記管理部にて管理されたコードを取得し、該コードに対応づけられる前記対象物を製造する対象物製造部と、前記管理部にて管理されたコードを取得し、該コードに基づくカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造するカラーバーコードシート製造部とを備えるものである。
【0025】
また、本発明は、上述に記載の製造システムにおいて、前記カラーバーコードシート製造部は、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造することを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明は、上述に記載の製造システムにおいて、前記管理部は、前記対象物製造部に対し前記対象物の製造許可の情報を送信し、前記対象物製造部は、前記製造許可の情報を受信した場合に前記対象物を製造することを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明は、上述に記載の製造システムにおいて、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【0028】
上述した課題を解決するため、本発明は、対象物に添付するカラーバーコードシートと前記対象物とを製造する製造システムであって、前記対象物に関する管理情報を取得する管理情報取得部と、前記管理情報取得部にて取得された管理情報に基づくコードおよび該コードに基づくカラーバーコードを生成し、前記管理情報と、前記コードと、前記カラーバーコードとを対応付けて管理する管理部と、前記管理部にて管理されたコードを取得し、該コードに対応づけられる前記対象物を製造する対象物製造部と、前記管理部にて管理されたカラーバーコードを取得し、該カラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造するカラーバーコードシート製造部とを備えるものである。
【0029】
上述した課題を解決するため、本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードの読み取りをコンピュータに実行させるカラーバーコード読取プログラムであって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として取得するカラーバーコード画像取得ステップと、前記カラーバーコード画像取得ステップにて取得されたカラーバーコード画像を補正する補正ステップと、前記補正ステップにて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取ステップとをコンピュータに実行させるものである。
【0030】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、前記補正ステップは、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするものである。
【0031】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、前記補正ステップは、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするものである。
【0032】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、更に、前記数値コード読取ステップにて読み取られた数値コードを送信する送信ステップと、前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信ステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【0033】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、前記カラーバーコード読取プログラムは、携帯電話機内部のコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0034】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【0035】
上述した課題を解決するため、本発明は、シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取方法であって、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波を照射する照射ステップと、前記照射ステップにて照射されることで、可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正ステップと、前記補正ステップにて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取ステップとを実行するものである。
【0036】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取方法において、前記補正ステップは、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするものである。
【0037】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取方法において、前記補正ステップは、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするものである。
【0038】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取方法において、更に、前記数値コード読取ステップにて読み取られた数値コードを送信する送信ステップと、前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信ステップとを実行するものである。
【0039】
また、本発明は、上述に記載のカラーバーコード読取方法において、前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、情報の漏洩を低減することができ、また非可視光領域の電磁波を照射することでカラーバーコードとして機能するシートから数値コードを読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
(実施の形態1)
以下、本発明のカラーバーコードシートおよびカラーバーコード読取端末について図面を参照しつつ説明する。まず、カラーバーコード読取端末の機能ブロックを図1に示す。尚、実施の形態1におけるカラーバーコードシートは、主としてクレジットカードや会員証の各種カードに付されている署名欄(サインテープ)として使用されるものとして説明する。
【0042】
また、実施の形態1においては、カラーバーコード読取端末はカメラ機能付携帯電話機であるものとして説明するが、撮像が可能であり、且つ撮像した画像に対し画像処理が可能な装置であれば如何なるものでもよい。
【0043】
まず、カラーバーコード読取端末の説明に先だって、実施の形態1における照射部について説明する。照射部2は、非可視光領域の電磁波をカードの署名欄(カラーバーコードシート)に照射する。尚、署名欄は、可視光領域下においては無色であり視認することができないが、非可視光領域の所定の電磁波が照射されることで可視光領域のカラーバーコードとして表示される。
【0044】
次に、カラーバーコード読取端末について説明する。カラーバーコード読取端末1は、撮像部3、補正部4、数値コード読取部5、および送受信部6を備える。
【0045】
撮像部3は、照射部2にて非可視光領域の電磁波が照射されることで、可視光領域の色を発光したカラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する。
【0046】
補正部4は、撮像部3にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する。
【0047】
数値コード読取部5は、補正部4にて補正されたカラーバーコード画像から数値コードを読み取る。
【0048】
送受信部6は、数値コード読取部5にて読み取られた数値コードを外部の数値コード管理部10へ送信し、数値コード管理部10にて行われた数値コードの真偽の判定結果を受信する。
【0049】
次に、実施の形態1の処理内容の概略を、図2を参照しつつ説明する。
【0050】
カードの署名欄に非可視光領域の所定の電磁波が照射されることで、署名欄に可視光のみでは表示されなかったカラーバーコートが表示される。署名欄に表示されたカラーバーコートが撮像され、画像データとして取得される。撮像された画像データ(カラーバーコード画像)は回転補正、拡大縮小補正がなされることで予め定義された画像サイズおよび位置のカラーバーコード画像となる。その後、画像補正されたカラーバーコード画像から数値コードが読み取られ、最後に数値コードは数値コード管理部10において真偽判定がなされる。
【0051】
次に、カラーバーコードシートについて図3を参照しつつ説明する。
【0052】
実施の形態1におけるカラーバーコードシートは、希土類系元素(ランタノイド系元素)を混合した塗料がシートに塗布または転写されることで形成される。またカラーバーコードシートはクレジットカード等の署名欄として使用され、その表面には署名がなされている。尚、希土類系元素が混合された塗料は、可視光下においてはベースとなる塗料の色のみ視認されるが、非可視光領域の所定の電磁波が照射されることで希土類系元素の種類に基づく色を発光する。
【0053】
また実施の形態1におけるカラーバーコードシートは、所定の電磁波が照射されることで3つの異なる色(赤色、緑色、茶色)と発光しない箇所とで、4つの異なる情報を有するカラーバーコードとして認識される。尚、各色を発光させるために使用される希土類系元素としては、例えば赤色としてサマリウム(Sm)、緑色としてプラセオジム(Pr)、茶色としてホルミウム(Ho)が使用される。
【0054】
尚、列挙した物質以外でも、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質であればよく、またこれらの物質を混合して使用してもよい。また色の種類は、撮像部3による撮像された画像を数値コード読取部5にて数値コード化できる程度に区別できるものであれば如何なる色を使用してもよい。また、実施の形態1では3つの異なる色(発色しない箇所を含めて4色)としたが、色の数を限定するものではない。
【0055】
また、赤色を「3」、緑色を「2」、茶色を「1」、発光なし(黒色)を「0」と数値コードに対応させることで1つのカラーバー(カラーバーコードを構成する単位)は4進数の表現をすることが可能となり、さらに4つのカラーバーを1つのセットとすることで、16進数の表現が可能となる。
【0056】
また、カラーバーコードシート内の上端部および下端部に、補正部4による補正を行う上での基準となる基準線(マーク)が設けられている。基準線は、例えば非可視光領域の所定の電磁波が照射されることで上端部の基準線は赤色に発光し、下端部の基準線は緑色に発光するものとする。このように基準線を設けることで、カラーバーコードシートが上下逆の状態で撮像された場合にも、基準線の色に基づき上下判定が可能となる。
【0057】
また、カラーバーコードを帯状(図3の上図)ではなく格子状(図3の下図)に分割することで、より情報量の密度を高めることができる。署名欄である場合は、その署名欄表面にペン等にて署名が記載されるため、その記載された署名により格子が覆われカラーバーが読めなくなる蓋然性が高いが、製品に付される場合等、その表面に何も覆うことがない場合に、格子状によるカラーバーコードは有効な手段である。尚、格子状によるカラーバーコードに対しても上述と同様に基準線を設けることができる。更に、下端部の基準線を横方向の格子間隔と一致した破線とすることで、縦方向に対するカラーバーの位置も明確になる。更に基準線が実線の場合カラーバーコードは帯状の構造であり、基準線が破線の場合は格子状の構造であると定義することでカラーバーコードの構造の差異も認識される。
【0058】
尚、カラーバーコードの秘匿性を高めるため、シートに対しカラーバーコードは隙間無く、シート全体に印刷する必要がある。塗料自体には色や光沢があるため、例えばベースとなるシートが白色、塗料が白色であっても僅かな色や光沢の差により何かが印刷されていることが視認されてしまう。よってそのベースの基本色と塗料との色差による違和感をなくすため、希土類系元素を混合した塗料はシート全体に塗布または転写される必要がある。
【0059】
次に、実施の形態1における照射部2について、図4に基づき更に詳細に説明する。尚、照射部2は、カラーバーコード読取端末1を固定するための機構が備わっており、カラーバーコード読取端末1が固定された場合、照射部2内部は暗室になる。
【0060】
照射部2は、カード検知センサ21、電磁波照射部22、カードレール23、撮像窓24を備える。
【0061】
カード検知センサ21は、上述の署名欄を有するカードがカードレール23に沿って所定位置に設定されたか否かを検知する。また、カード検知センサ21は電磁波照射部22のスイッチとしても機能する。
【0062】
電磁波照射部22は、カード検知センサ21にてカードが検知されたことをトリガとして紫外線、特殊波長等の電磁波を署名欄に照射する。尚、照射する電磁波はカラーバーコードとして採用した希土類系元素が発光するものである必要がある。電磁波照射部22により電磁波が照射されることで、署名欄はカラーバーコードとして発光する。
【0063】
また撮像窓24は、カラーバーコード読取端末1にて撮像を可能にするためのものであり、カラーバーコード読取端末1は撮像窓24経由で署名欄に発光されたカラーバーコードを撮像する。
【0064】
次に、本実施の形態における処理を図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0065】
まず、照射部2は、カードが所定位置に設定されたことをカード検知センサ21にて検知し、電磁波照射部22にて電磁波が照射されることで、カードの署名欄に付されたカラーバーコードを発光させる(ステップS1)。
【0066】
カラーバーコード読取端末1が照射部2の所定の位置に設定された後、撮像部3は照射部2によって発光されたカラーバーコードをカラーバーコード画像(XY座標系で、RGBの色空間であるフルカラー画像)として撮像する(ステップS2)。
【0067】
ここで撮像部3は、以降の処理の負荷を軽減させるためカラーバーコード画像からカラーバーコード付近を切り出してもよい。カラーバーコード画像の切り出しは、カラーバーコード画像に対し予め定義された座標(X軸、Y軸による直交座標系における切り出し座標)を指定することでなされる。例えばカラーバーコードが四角形である場合はその四角形の各頂点の座標値を予め定義し、その座標値内のサブ画像を切り出し対象画像とする。尚、切り出す場合は、撮像部3の状態や解像度等を考慮し、カラーバーコード部分より大きめに切り出してもよい。また切り出す場合はカードが上下逆の状態で撮像された画像に対する対処も考慮する。例えばカードが上下逆でない場合にはカラーバーコードがあり、且つカードが上下逆の場合はカラーバーコードがないと判断される座標値の輝度値を判定し、輝度値が所定範囲外ならばカードが上下反転して撮像されたものとみなす等の対処が必要となる。
【0068】
次に、補正部4は撮像部3にて撮像されたカラーバーコード画像に対し、撮像部3の個体差による差異(例えば撮像部3が使用するレンズによる差異や撮像解像度)を吸収するために、また撮像状態(例えば上述の上下逆の状態や、カードに対しカラーバーコード読取端末1が傾いている状態等)の差異を吸収するため回転補正および拡大縮小補正を行う。
【0069】
以下、補正部4における補正について、図6に基づき説明する。
【0070】
補正部4は、まずカラーバーコード画像が上下逆に撮像された画像であるか否かを、カラーバーコードの2つの基準線に基づき判定する。ここで、緑色の基準線が赤色の基準線よりカラーバーコード画像の上部に位置している場合、補正部4は上下逆に撮像された画像とみなし、カラーバーコード画像を180度回転させる(ステップS3)。
【0071】
次に、補正部4はカラーバーコードの基準線(赤色もしくは緑色)の左右エッジの座標を検出する。ここでカラーバーコード画像における左側エッジの座標をL1とし、右側エッジの座標をR1とする。次に、L1、R1から基準軸(X軸)に対するカラーバーコードの角度を検出し、検出した角度分の回転補正を行う(ステップS4)。尚、実際の画像を回転させてもよいが、座標補正のパラメータを抽出するだけでもよい。
【0072】
補正部4は、更に回転補正後のL1からR1までの長さ(ピクセル単位)を求め、予め定義された基準長(ピクセル単位)との比率を算出することで、拡大縮小補正を行う(ステップS5)。尚、実際の画像を拡大または縮小してもよいが、座標補正のパラメータを抽出するだけでもよい。
【0073】
尚、基準線のないカラーバーコードにおいても、例えばカラーバーコード画像における左右両端のカラーバーを基準線とみたててもよい(上下逆の判定は、上述の画像切り出し処理のように、上下逆でない場合にはカラーバーコードがあると判断される座標値の輝度値を判定し、輝度値が所定範囲外ならば上下反転して撮像されたものとみなす等の処理を行う。)。また、補正部4は補正処理を撮像部3の個体毎別にパターンを定義し、パターンに対応した補正演算パラメータ(係数)にて補正を行うようにしてもよい。
【0074】
次に、数値コード読取部5は補正部4により補正された補正画像に対し、発光した色に基づき数値化を行う。以下、数値コード読取部5による処理について説明する。
【0075】
上述の補正部4による補正処理によって、カラーバーコード下端部の基準線の位置が明確になる。ここで、数値コード読取部5はカラーバーコード下端部の横方向(X軸方向)を検査することで基準線が実線か破線かを判断し、署名欄用のカラーバーコード(帯状のカラーバーコード)か、格子状のカラーバーコードか(図3参照)を判定する(ステップS6)。尚、実施の形態1では実線か破線かで判断しているが、帯状のカラーバーコードか格子状のカラーバーコードかが判定できればよいため、判別が可能なら如何なるものでもよい。
【0076】
数値コード読取部5は、ステップS6の判定結果を踏まえ、カラーバーコード画像のピクセルに対しRGB(R:赤、G:緑、B:青)の各成分の輝度値を取得し、取得した各成分の輝度値が、カラーバーに使用される色ごとに予め定義された輝度値の範囲内にあるか否か(カラーバーが赤色であると判定する輝度値の範囲、緑色であると判定する輝度値の範囲、および茶色であると判定する輝度値の範囲がRGBの各成分に対しそれぞれ定義され、これらの範囲に合致しないものは黒色とする)を判定することで、順次カラーバーを数値化し、数値コードとして読み取る(ステップS7)。
【0077】
ここで、補正部4にて補正された画像は、カラーバーと座標値は対応づけられているため、数値コード読取部5は予め定義された座標値(読取座標値)のRGBの各成分の輝度値を取得すればよい。尚、数値コード読取部5は、数値コード化する際電磁波照射部22の位置やバランスによって生ずるバイアス成分を考慮して輝度値の範囲を設定してもよい。例えば電磁波照射部22がカラーバーコード中央にある場合、カラーバーコード画像の中央近傍は輝度値が高くなり、左右の端になるほど輝度値が低くなるため、数値コード読取部5はこの点を考慮して輝度値の範囲を設定してもよい。
【0078】
またカラーバーコードシートが署名欄である場合、カラーバーコードの表面にサインが記載されている箇所があるため、その箇所は読み取りエラーまたは誤認が発生する場合もある。この場合の対処として、図7に示すように数値コード読取部5はY軸成分の値が異なる複数のX軸方向ライン(例えば図7の破線ライン)の読み取りを行い、受光強度が最も強い部分を正規のデータとして採用し、数値コード化を行うようにしてもよい。
【0079】
また、数値コード読取部5は上述の読取座標値に隣接するピクセルの輝度値を平均化し、平均値が上述の輝度値の範囲内か否かを判定することで数値コード化してもよい。
【0080】
送受信部6は、カラーバーコード読取端末1が読み取った数値コードを管理している数値コード管理部10へ送信し(ステップS8)、数値コード管理部10による真偽判定結果を受信する(ステップS9)。
【0081】
尚、実施の形態1ではカラーバーコード読取端末1と照射部2とは別の装置構成として説明したが、カラーバーコード読取端末1の各機能(撮像部3、補正部4、数値コード読取部5および送受信部6)と照射部2とを同一の装置内に備えることで、カラーバーコード読取装置としてもよい。
【0082】
また実施の形態1におけるカラーバーコード読取端末1は、照射部2にて非可視光領域の所定の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光するカラーバーコードシートを撮像したが、可視光下でも視認可能なカラーバーコードに対しても適用させることができる。
【0083】
上述のとおり、実施の形態1のカラーバーコードシートは可視光下においては視認することができない物質を材料としたカラーバーコートを使用することで、カラーバーコード自体の隠匿を図ることができ、よって第三者はカラーバーコードが付されていることすら認識できないため、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0084】
また、カラーバーコードシートは、非可視光領域の電磁波が照射されてはじめてカラーバーコートとして視認されるため、第三者は容易にカラーバーコードから数値コードを得ることができず、情報の漏洩を防ぐことができる。
【0085】
また、上述のように、カラーバーコード読取端末1による数値コードの読取可否によって、カードが正当なものであるか偽造されたものであるかを判断することができる。さらにカラーバーコード読取端末1が読み取った数値コードを管理している数値コード管理部10へ問い合わせることでカードの真偽判定を行うことができる。
【0086】
尚、送信部および受信部は、実施の形態1における送受信部6に対応する。
【0087】
(実施の形態2)
実施の形態2では、ロット番号、製造番号等の管理番号や製造記録等の記録情報、会員番号(以下、これらを管理情報と称す)や、カラーバーコードにて使用される数値コードの管理に特化した製造システムについて記す。例えば、メーカー(以下、カラーバーコード利用者)が自社ブランドの製品の製造を他の製造業者に委託している場合や、カラーバーコードの印刷をカラーバーコード利用者以外の別の印刷業者に発注している場合などにおいて、管理情報や数値コードはセキュリティの観点からカラーバーコード利用者にて一元管理される必要がある。実施の形態2ではこのような場合における製造システムについて示す。
【0088】
図8に、実施の形態2における製造システムを示す。製造システム100は、数値コード管理部10、製品製造部20、カラーバーコードシート製造部30を備える。尚、これらはネットワークにてデータの送受信および制御がなされている。
【0089】
また、実施の形態2においては、一例として数値コード管理部10はカラーバーコード利用者にて使用され、製品製造部20、カラーバーコードシート製造部30はそれぞれカラーバーコード利用者以外の製造業者、印刷業者にて使用されているものとするが、態様を限定するものではない。その他の態様として例えばカラーバーコード利用者が数値コード管理部10およびカラーバーコードシート製造部30を使用し、製造業者が製品製造部20を使用してもよい。また、カラーバーコード利用者内の管理部門が数値コード管理部10を使用し、カラーバーコード利用者内の製造部門が製品製造部20およびカラーバーコードシート製造部30を使用する態様でもよい。
【0090】
数値コード管理部10は、製品(対象物)の管理情報を取得し、管理情報に基づく数値コードを生成し、管理情報と数値コードとを対応付けて管理する。また、実施の形態1におけるカラーバーコード読取端末1(またはカラーバーコード読取装置)にて読み取った数値コードに対し、当該数値コードに対応する管理情報に基づき真偽判定を行ってもよい。
【0091】
製品製造部20は、数値コード管理部10にて管理された数値コードを取得し、数値コードに対応づけられる製品を製造する。
【0092】
カラーバーコードシート製造部30は、数値コード管理部10にて管理された数値コードを取得し、数値コードに基づくカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造する。
【0093】
尚、カラーバーコードシート製造部30は、可視光下にて視認することができるカラーバーコードシートを製造してもよいし、実施の形態1にて示した希土類系元素と塗料とを混合した材料を用いて、所定の非可視光の電磁波が照射されたときのみ発光するカラーバーコードシートを製造してもよい。
【0094】
次に、製造システム100の処理について図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0095】
数値コード管理部10は、外部(例えば製造システム100の上位にあるシステムやユーザの手入力等)から、管理情報を取得し(ステップS100)、管理情報に基づく数値コードを生成する(ステップS101)。その後、数値コード管理部10は管理情報と数値コードとを対応付けて管理する(ステップS102)。
【0096】
製品製造部20は、数値コード管理部10にて管理された数値コードを取得し、取得した数値コードに対応付けられる製品を製造する(ステップS103)。ここで、数値コード管理部10は、製品製造部20より受けた数値コード取得要求に対し取得許可の送信を行い、製品製造部20は取得許可を受信して初めて製品製造を行うことができる機能が付加されてもよい。
【0097】
カラーバーコードシート製造部30は、数値コード管理部10にて管理された数値コードを取得し、数値コードに基づくカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造する(ステップS104)。
【0098】
尚、実施の形態2における製造システム100は、ステップS103を実行後、ステップS104を実行するが、ステップS104を実行後、ステップS103を実行してもよい。
【0099】
このように製造システム100においては、管理情報と数値コードとの関連は数値コード管理部10のみが掌握することとなる。また、数値コード管理部10にて数値コードが一元管理されるため、製造業者が複数、または印刷業者が複数である場合でも数値コードの重複がなくなる。
【0100】
ここで、数値コード管理部10とカラーバーコードシート製造部30との関係において、上述とは別の態様を示す。数値コード管理部10が数値データに基づきカラーバーコードに関するデータ(例えばカラーバーコードのイメージデータや、カラーバーコードにて使用される配列および色成分の数値データ)を生成し、カラーバーコードに関するデータをカラーバーコードシート製造部30に送信する。カラーバーコードシート製造部30は送信されたカラーバーコードに関するデータに基づき塗料をシートに塗布または転写する。このようにすることで、数値データも開示する必要がなくなるため、更に情報の秘匿性が高まる。
【0101】
実施の形態2によりカラーバーコード利用者と製品の製造者(またはカラーバーコード印刷業者)が異なる場合での、情報の漏洩の防止を図ることで不正な模倣(例えば海外委託製造業者など不正行為)を防止できる。
【0102】
尚、管理情報取得部、管理部は、実施の形態2における数値コード管理部10に対応し、対象物製造部は、実施の形態2における製品製造部20に対応する。
【0103】
実施の形態において、カラーバーコード読取プログラムは上述したカラーバーコード読取端末(またはカラーバーコード読取装置)の内部に予めインストールされているものとして記載したが、本発明におけるカラーバーコード読取プログラムは記憶媒体に記憶されたものも含まれる。ここで記憶媒体とは、磁気テープ、磁気ディスク(フロッピーディスク、ハードディスクドライブ等)、光ディスク(CD−ROM、DVDディスク等)、光磁気ディスク(MO等)、フラッシュメモリ等、表示装置に対し脱着可能な媒体や、さらにネットワークを介することで伝送可能な媒体等、上述したカラーバーコード読取端末(またはカラーバーコード読取装置)におけるコンピュータで読み取りや実行が可能な全ての媒体をいう。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施の形態1におけるカラーバーコード読取端末の機能ブロックの一例を示す図である。
【図2】実施の形態1における処理の概略を示す図である。
【図3】実施の形態1におけるカラーバーコードの詳細を示す図である。
【図4】実施の形態1における撮像部の詳細を示す図である。
【図5】実施の形態1における処理内容を示すフローチャートである。
【図6】実施の形態1における補正処理の詳細を示す図である。
【図7】実施の形態1における数値コード読取部の読取ラインを示す図である。
【図8】実施の形態2における製造システムの機能ブロックの一例を示す図である。
【図9】実施の形態2における処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
1 カラーバーコード読取端末、2 照射部、3 撮像部、4 補正部、5 数値コード読取部、6 送受信部、10 数値コード管理部、20 製品製造部、21 カード検知センサ、22 電磁波照射部、23 カードレール、24 撮像窓、30 カラーバーコードシート製造部、100 製造システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートであって、
非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシート。
【請求項2】
請求項1に記載のカラーバーコードシートにおいて、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするカラーバーコードシート。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカラーバーコードシートにおいて、
前記カラーバーコードシートは署名欄として使用されることを特徴とするカラーバーコードシート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のカラーバーコードシートにおいて、
前記カラーバーコードシートの所定の位置に、マークが塗布または転写されていることを特徴とするカラーバーコードシート。
【請求項5】
請求項4に記載のカラーバーコードシートにおいて、
前記マークは、前記カラーバーコードシートが撮像された画像を補正するための基準であることを特徴とするカラーバーコードシート。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のカラーバーコードシートにおいて、
前記塗料は、前記カラーバーコードシートの領域全面に塗布または転写されることを特徴とするカラーバーコードシート。
【請求項7】
シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取装置であって、
非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波を照射する照射部と、
前記照射部にて照射されることで、可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像部と、
前記撮像部にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正部と、
前記補正部にて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取部と、
を備えるカラーバーコード読取装置。
【請求項8】
請求項7に記載のカラーバーコード読取装置において、
前記補正部は、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするカラーバーコード読取装置。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のカラーバーコード読取装置において、
前記補正部は、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするカラーバーコード読取装置。
【請求項10】
請求項7乃至請求項9のいずれかに記載のカラーバーコード読取装置において、
更に、前記数値コード読取部にて読み取られた数値コードを送信する送信部と、
前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信部と、
を備えるカラーバーコード読取装置。
【請求項11】
請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のカラーバーコード読取装置において、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするカラーバーコード読取装置。
【請求項12】
シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取端末であって、
非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像部と、
前記撮像部にて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正部と、
前記補正部にて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取部と、
を備えるカラーバーコード読取端末。
【請求項13】
請求項12に記載のカラーバーコード読取端末において、
前記補正部は、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするカラーバーコード読取端末。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載のカラーバーコード読取端末において、
前記補正部は、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするカラーバーコード読取端末。
【請求項15】
請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のカラーバーコード読取端末において、
更に、前記数値コード読取部にて読み取られた数値コードを送信する送信部と、
前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信部と、
を備えるカラーバーコード読取端末。
【請求項16】
請求項12乃至請求項15のいずれかに記載のカラーバーコード読取端末において、
前記カラーバーコード読取端末は、カメラ機能付携帯電話機であることを特徴とするカラーバーコード読取端末。
【請求項17】
請求項12乃至請求項16のいずれかに記載のカラーバーコード読取端末において、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするカラーバーコード読取端末。
【請求項18】
対象物に添付するカラーバーコードシートと前記対象物とを製造する製造システムであって、
前記対象物に関する管理情報を取得する管理情報取得部と、
前記管理情報取得部にて取得された管理情報に基づく数値コードを生成し、前記管理情報と前記数値コードとを対応付けて管理する管理部と、
前記管理部にて管理された数値コードを取得し、該数値コードに対応づけられる前記対象物を製造する対象物製造部と、
前記管理部にて管理された数値コードを取得し、該数値コードに基づくカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造するカラーバーコードシート製造部と、
を備える製造システム。
【請求項19】
請求項18に記載の製造システムにおいて、
前記カラーバーコードシート製造部は、非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードをシートに塗布または転写することでカラーバーコードシートを製造することを特徴とする製造システム。
【請求項20】
請求項18または請求項19に記載の製造システムにおいて、
前記管理部は、前記対象物製造部に対し前記対象物の製造許可の情報を送信し、
前記対象物製造部は、前記製造許可の情報を受信した場合に前記対象物を製造することを特徴とする製造システム。
【請求項21】
請求項19または請求項20のいずれかに記載の製造システムにおいて、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とする製造システム。
【請求項22】
シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードの読み取りをコンピュータに実行させるカラーバーコード読取プログラムであって、
非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として取得するカラーバーコード画像取得ステップと、
前記カラーバーコード画像取得ステップにて取得されたカラーバーコード画像を補正する補正ステップと、
前記補正ステップにて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取ステップと、
をコンピュータに実行させるカラーバーコード読取プログラム。
【請求項23】
請求項22に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、
前記補正ステップは、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするカラーバーコード読取プログラム。
【請求項24】
請求項22または請求項23に記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、
前記補正ステップは、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするカラーバーコード読取プログラム。
【請求項25】
請求項22乃至請求項24のいずれかに記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、
更に、前記数値コード読取ステップにて読み取られた数値コードを送信する送信ステップと、
前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信ステップと、
をコンピュータに実行させるカラーバーコード読取プログラム。
【請求項26】
請求項22乃至請求項25のいずれかに記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、
前記カラーバーコード読取プログラムは、携帯電話機内部のコンピュータに実行させることを特徴とするカラーバーコード読取プログラム。
【請求項27】
請求項22または請求項26のいずれかに記載のカラーバーコード読取プログラムにおいて、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするカラーバーコード読取プログラム。
【請求項28】
シートにカラーバーコードが塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートから数値コードを読み取るカラーバーコード読取方法であって、
非可視光領域の電磁波が照射されることで可視光領域の色を発光する物質が混合された塗料を材料としたカラーバーコードが前記シートに塗布または転写されることで形成されるカラーバーコードシートに対し、前記電磁波を照射する照射ステップと、
前記照射ステップにて照射されることで、可視光領域の色を発光した前記カラーバーコードシートをカラーバーコード画像として撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップにて撮像されたカラーバーコード画像を補正する補正ステップと、
前記補正ステップにて補正されたカラーバーコード画像から前記数値コードを読み取る数値コード読取ステップと、
を実行するカラーバーコード読取方法。
【請求項29】
請求項28に記載のカラーバーコード読取方法において、
前記補正ステップは、前記カラーバーコードシートの所定の位置にマークが塗布または転写されている場合、前記マークに基づき補正することを特徴とするカラーバーコード読取方法。
【請求項30】
請求項28または請求項29に記載のカラーバーコード読取方法において、
前記補正ステップは、前記カラーバーコード画像を回転補正および拡大縮小補正のうち少なくともいずれか一つの補正を行うことを特徴とするカラーバーコード読取方法。
【請求項31】
請求項28乃至請求項30のいずれかに記載のカラーバーコード読取方法において、
更に、前記数値コード読取ステップにて読み取られた数値コードを送信する送信ステップと、
前記数値コードの真偽の判定結果を受信する受信ステップと、
を実行するカラーバーコード読取方法。
【請求項32】
請求項28または請求項31のいずれかに記載のカラーバーコード読取方法において、
前記物質は、希土類系元素を含む物質であることを特徴とするカラーバーコード読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−123130(P2009−123130A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298853(P2007−298853)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】