説明

カラー二次元コード読み取り装置およびその読み取り方法、並びに電子カメラ

【課題】
従来、不適切なホワイトバランスでカラー二次元コードの読み取りを行うと、デジタル情報が誤って復号化されるという問題があった。
【解決手段】
本発明では、画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、前記色検出部が検出した色情報から前記所定領域が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部と、前記ホワイトバランス調整部が色調整した画像の中のカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラー二次元コード化された情報の読み取り装置およびその読み取り方法、並びにカラー二次元コード化された情報の読み取り機能を有する電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル情報を二次元コードに符号化して印刷し、印刷された二次元コードを画像として読み取ってデジタル情報を復号化する方法が知られている。例えば、QRコード(登録商標)は、デジタル情報を二次元マトリクス状に配置された白黒パターンに符号化し、読み取った画像の白黒パターンの配置からデジタル情報を復号化する。さらに、面積当たりの情報量を増やすために、二次元コードをカラー化し、色調にも情報を載せる技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−277445号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、印刷されたカラー二次元コードを誤りなく復号化するには、カラー二次元コードを読み取るカメラのホワイトバランスが適切であること、つまり、印刷物の白色が無彩色として撮影されるようにカメラのホワイトバランスを調整する必要がある。ところが、カラー二次元コード読み取り装置のカメラのホワイトバランスが適切でない場合は、読み取った画像の色調と印刷されているカラー二次元コードの色調とが一致せず、RGBの色のバランスが変化してしまうので、誤ったデジタル情報が復号化されるという問題があった。
【0004】
従来のカラー二次元コードを読み取る機能を有する機器(カメラ付き携帯電話を含む電子カメラなど)では、各機器に備えられた通常の撮影に用いるオートホワイトバランス(AWB)の精度で、ホワイトバランスを合わせるため、風景や人物などの被写体に対して適切なホワイトバランス調整が行われるようになっている。このため、あまり想定されていない被写体、例えば液晶ディスプレイに表示されている二次元コードや特殊な光源に照明されているポスター印字などに対しては、ホワイトバランスを適切に調整することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、カラー二次元コードを撮影する際のホワイトバランス調整を適切に行い、カラー二次元コードを誤りなく復号化できるカラー二次元コード読み取り装置およびその読み取り方法、並びに電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカラー二次元コード読み取り装置は、画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、前記色検出部が検出した色情報から前記所定領域が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部と、前記ホワイトバランス調整部が色調整した画像の中のカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部とを有すること特徴とする。
【0007】
本発明に係る電子カメラは、画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部とを少なくとも有する電子カメラにおいて、通常画像の撮影とカラー二次元コードの撮影とを選択する選択部と、前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、カラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部とを設け、前記ホワイトバランス調整部は、前記選択部がカラー二次元コードの撮影を選択した場合に、前記領域検出部が検出した所定領域において、前記色検出部が検出した色情報が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行い、前記復号化部は、前記ホワイトバランス調整部が色調整したカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化することを特徴とする。
【0008】
または、画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部とを少なくとも有する電子カメラにおいて、前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、カラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部とを設け、前記ホワイトバランス調整部は、前記領域検出部が前記所定領域を検出した場合に、前記所定領域において、前記色検出部が検出した色情報が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行い、前記復号化部は、前記ホワイトバランス調整部が色調整したカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化することを特徴とする。
【0009】
本発明に係るカラー二次元コード読み取り方法は、デジタル情報が符号化されたカラー二次元コードを含む画像から前記デジタル情報を復号化するカラー二次元コード読み取り方法において、前記画像の中から所定領域を検出し、前記所定領域内の色情報から前記所定領域が無彩色になるように前記画像の色調整を行った後、カラー二次元コードの色比率に基づいて前記デジタル情報を復号化すること特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、カラー二次元コードの所定部分をホワイトバランス検出領域とし、ホワイトバランス検出領域で求めたホワイトバランス補正係数を用いてホワイトバランス調整を行うようにしたので、適正なホワイトバランスでカラー二次元コードを読み取ることができ、誤りなく復号化することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の各実施形態について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る電子カメラ101のブロック図である。電子カメラ101は、レンズ102と、撮像素子103と、A/D変換部104と、バス105と、一時バッファ106と、画像処理部107と、記録バッファ108と、CPU109と、操作パネル110と、表示制御部111と、液晶モニタ112と、カードIF113と、メモリカード114と、USBIF(USBインターフェース)115とで構成される。
【0012】
本実施形態に係る電子カメラ101は、通常の風景や人物などの画像を撮影して記録するカメラとしての機能以外に、デジタル情報を色調に応じて符号化したカラー二次元コードを撮影し、撮影した画像のカラー二次元コードからデジタル情報を復号化する機能を有している。尚、カラー二次元コードについては後で詳しく説明する。
【0013】
電子カメラ101において、レンズ102から入射した被写体からの光は、撮像素子103の受光面に結像される。撮像素子103は結像された光を電気信号に変換し、A/D変換部104に出力する。A/D変換部104は、アナログの画像信号をデジタルの画像データに変換し、バス105を介して一時バッファ106に記憶する。
【0014】
画像処理部107は、一時バッファ106に一時的に記憶された画像データを読み出して、ホワイトバランス調整などの色補正処理や画像圧縮処理を行い、記録バッファ108やカードIF113を介してメモリカード114に記憶する。また、画像処理部107は、記録バッファ108やカードIF113を介して装着されているメモリカード114に記憶された画像データを読み出して、パターンマッチングなどの画像処理によって所定領域の検出を行い、検出した所定領域の色比率を求める処理を行う。
【0015】
CPU109は、予め記憶されたプログラムに従って動作し、操作パネル110にあるレリーズボタンや各種の操作ボタンによる操作内容に応じて、A/D変換部104,一時バッファ106,記録バッファ108,表示制御部109,カードIF113,USBIF115の間をバス105を介して画像データや制御データを入出力し、電子カメラ101の全体の動作を制御する。
【0016】
表示制御部111は、CPU109の指令に応じて、カードIF113を介して装着されているメモリカード114や記録バッファ108に記憶されている画像データを液晶モニタ112に表示する。或いは、操作パネル110の操作情報などCPU109が出力するメッセージを表示する。
【0017】
USBIF115は、外部機器を接続して、CPU109の指令によってUSBIF115を介して接続されたパソコンなどの外部機器との間で画像データや制御データなど必要な情報を入出力する。
【0018】
尚、本実施形態では、説明が分かり易いように、一時バッファ106と記録バッファ108とに分けたが、一時バッファ106と記録バッファ108は1つのメモリの記憶領域を分けて構成しても構わない。
【0019】
ここで、カラー二次元コードについて図2および図3を用いて説明する。図2はカラー二次元コードの一例を示した図で、8×8のマトリクス状に配置されたカラーパッチ201と、撮影した画像の中からカラーパッチ201の位置を検出する位置検出マーカー202および203がカラーパッチ201の対角位置に配置されている。
【0020】
また、位置検出マーカー202および203のカラーパッチ201側の角を示す三角形状のパターン204および205が配置されており、カラーパッチ201の領域を判別できるようになっている。
【0021】
尚、本実施形態では、カラーパッチ201を正方形のパッチを8×8のマトリクス状に配置した例を説明したが、パッチは正方形でなくてもよく、マトリクスも8×8でなくても構わない。また、位置検出マーカー202および203の形状やパターン204および205の形状も一例を示したに過ぎず、カラーパッチ201の位置を検出しやすい形状であればよい。
【0022】
図2のカラー二次元コードは、予め定義した色調に応じてデジタル情報を符号化するもので、8×8のマトリクス状に配置されたカラーパッチ201を構成する小さな正方形のパッチの色調がデジタル情報を表す。例えば、図3に示すように、0から7までの8つの情報は、それぞれ異なる色調に割り当てることを予め定義しておく。情報0はR(赤)=0,G(緑)=128,B(青)=0の色調に割り当て、当該色調のパッチ401で表示する。情報1はR=128,G=128,B=0の色調に割り当て、当該色調のパッチ402で表示する。同様に、情報2はR=255,G=128,B=0の色調に割り当て、当該色調のパッチ403で表示する。尚、RGBの各数値は、0から255までの8ビットで表される色レベルを示している。
【0023】
同様に、情報3はR=0,G=128,B=128の色調のパッチ404で、情報4はR=128,G=128,B=128の色調のパッチ405で、情報5はR=255,G=128,B=128の色調のパッチ406で、情報6はR=0,G=128,B=255の色調のパッチ407で、情報7はR=128,G=128,B=255の色調のパッチ408で、予備情報はR=255,G=128,B=255の色調のパッチ409でそれぞれ表示する。
【0024】
このように、Gの色レベルを基準にして、RとBの色レベルを3段階に変えて、0から7の情報を表す。また、0から7の情報は2値のデジタル情報で表すと、0は000,1は001,2は010,3は011,4は100,5は101,6は110,7は111となり、画像データに限らず音声データや制御データなどあらゆる情報をカラー二次元コードで表すことができる。
【0025】
尚、図2や図3においては、白黒で表現するために、正方形のパッチは異なる模様で描いてあるが、実際のカラー二次元コードでは、パッチ401から409で色調が異なる。
【0026】
また、図3において、情報0から7はRGBの色レベルを変えて表現したが、Gの色レベルを128に固定しているので、Gに対するRとBの色比率で表現することもできる。例えば、情報0はR/G=0とB/G=0,情報1はR/G=1とB/G=0,情報2はR/G=2とB/G=0,情報3はR/G=0とB/G=1,情報4はR/G=1とB/G=1,情報5はR/G=2とB/G=1,情報6はR/G=0とB/G=2,情報7はR/G=1とB/G=2,予備情報はR/G=2とB/G=2でそれぞれ表現できる。
【0027】
ここで、ホワイトバランスについて、図4を用いて説明する。一般的な電子カメラは、ホワイトバランス調整機能を持っており、撮影した画像の色温度情報から光源を判定して、白い物を撮影した画像は白(無彩色)になるように、撮像素子103から出力されるRGB各色の色レベルを調整する。ところが、風景や人物など様々な色調が含まれた画像とは異なり、カラー二次元コードの画像は、符号化されているデジタル情報によって色が偏ってしまうため、精度良くホワイトバランス調整を行うことが難しい。
【0028】
例えば、図4(a),(b)はホワイトバランス(WB)が適切に調整された場合のRGB各色の色レベル例を示した図で、図4(c),(d)はホワイトバランスが適切に調整されなかった場合のRGB各色の色レベル例を示した図である。特に、図4(a),(c)は無彩色のグレーを撮影した場合、図4(b),(d)はピンク色を撮影した場合の様子をそれぞれ示している。ホワイトバランスが適切な図4(a)はRGB各色共に同じ色レベル128なので無彩色のグレーを正確に表しているが、ホワイトバランスが不適切な図4(c)はRGB各色の色レベルはそれぞれ96,160,128となり、無彩色ではなくなってしまう。例えば、ホワイトバランスが適切な場合にピンク色を撮影すると、図4(b)に示したようにRGB各色の色レベルはそれぞれ255,51,204になるが、ホワイトバランスが不適切な場合にピンク色を撮影すると、図4(d)に示したようにRGB各色の色レベルはそれぞれ168,64,204になってしまい、ピンク色とは異なる色に判別されてしまう恐れがある。この結果、誤ったデジタル情報が復号化されることになる。
【0029】
本実施形態に係る電子カメラ101では、図2に示したように、カラー二次元コードの位置検出マーカー202および203のパターン204および205を除く部分は無彩色の白であると予め定義しておき、画像処理部107は撮影した画像の中から位置検出マーカー202および203を検出し、この中のパターン204および205を除く部分が白になるように、撮影した画像のホワイトバランス調整を行う。尚、この時、撮影した画像全体の色レベルを調整するようにしても構わないし、デジタル情報の復号化に必要なカラーパッチ201の領域だけホワイトバランス調整を行っても構わない。
【0030】
このようにして、本実施形態に係る電子カメラ101は、カラーパッチ201の領域の色調は正確に再現できるので、カラーパッチ201内の各パッチ毎の色調に応じてデジタル情報を誤りなく復号化できる。
【0031】
次に、カラー二次元コードの復号化について図5を用いて説明する。図5は図3の符号化テーブルに対応したもので、カラーパッチ201から抽出した各パッチ毎にRとGの比率およびBとGの比率をもとめて条件判断する。図5において、RATIO_Rは抽出したパッチ毎に求めたR/Gの比率を示し、RATIO_Bは抽出したパッチ毎に求めたB/Gの比率を示す。
【0032】
例えば、パッチ401は、図3の符号化テーブルではR/G=0,B/G=0で符号化されているので、RATIO_RおよびRATIO_Bは共に0.5以下の条件を満たし、情報0が復号化される。同様に、パッチ402から408およびパッチ409についても、それぞれ情報1から情報7および予備情報が復号化される。尚、印刷や照明の誤差によって多少の色ずれがあった場合、例えば、パッチ401の場合にRATIO_RやRATIO_Bが0.2や0.3になったとしても、RATIO_RやRATIO_Bは0.5以下の範囲内に含まれるので、誤りなく情報0を復号化できる。
【0033】
このように、ホワイトバランスを適切に調整することによって、カラー二次元コードからデジタル情報を誤りなく復号化することが可能になる。尚、上記に述べた処理は、図1のCPU109のプログラムによって画像処理部107と連携して実行される。次に、電子カメラ101におけるカラー二次元コード復号化処理の全体の流れについて、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS301)カラー二次元コード復号化処理を開始する。
(ステップS302)使用者が操作パネル110のレリーズボタンを押してカラー二次元コードを含んだ画像を撮影し、一時バッファ106に記憶する。
(ステップS303)画像処理部107は、一時バッファ106に記憶された画像を無彩色(彩度0)として、図2で説明した位置検出マーカー202および203を探す。尚、位置検出マーカー202および203を探す方法として、例えば、画像の走査して既知のパターンと一致する部分を探すパターンマッチング法で行うことができる。
(ステップS304)位置検出マーカー202および203を見つけるまで、ステップS303を繰り返す。尚、検出できない場合は、エラー処理として、液晶モニタ112に検出エラーを表示するようにしてもよい。
(ステップS305)位置検出マーカー202および203を検出したら、この領域のRGB各色の色レベルを取得する。
(ステップS306)取得したRGB各色の色レベルの比率がGを基準として1:1:1になるように、RとBに対するホワイトバランス係数WB_RおよびWB_Bを求める。
ここで、RとGの関係はホワイトバランス係数WB_Rを用いて(式1)で表され、BとGの関係はホワイトバランス係数WB_Bを用いて(式2)で表される。
R × WB_R = G (式1)
B × WB_B = G (式2)
上記(式1)および(式2)を満たす、ホワイトバランス係数WB_RおよびWB_Bを求めと、(式3)および(式4)のようになる。
WB_R = G ÷ R (式3)
WB_B = G ÷ B (式4)
(ステップS307)カラーパッチ201の色彩情報を取得する。色彩情報は、各パッチのRGB強度を8ビットとして、8×8×3の192個の8ビット情報となる。ここでは、8×8のマトリクス内の特定パッチをi×jの変数で、RGBの色をcで表し、各パッチの色彩情報をCOLOR[i][j][c]の形で表現する。
(ステップS308)各パッチの色彩情報のRとBに対して、ステップS306で求めたホワイトバランス係数WB_RおよびWB_Bを乗算する。
例えば、乗算後の各パッチの色彩情報をCOLOR_NEW[i][j][c]で表現すると、(式5)から(式7)のように計算できる。
COLOR_NEW[i][j][R] = COLOR[i][j][R] × WB_R (式5)
COLOR_NEW[i][j][G] = COLOR[i][j][G] (式6)
COLOR_NEW[i][j][B] = COLOR[i][j][B] × WB_B (式7)
(ステップS309)ホワイトバランス補正済の各パッチの色彩情報から色比率情報を求める。例えば、各パッチの色比率情報をRATIO_R[i][j]で表現すると、(式8)および(式9)のように計算できる。
RATIO_R[i][j] = COLOR_NEW[i][j][R] ÷ COLOR_NEW[i][j][G] (式8)
RATIO_B[i][j] = COLOR_NEW[i][j][B] ÷ COLOR_NEW[i][j][G] (式9)
(ステップS310)各パッチの色比率情報からデジタル情報を復号化する。この時、ステップS309で算出した色比率情報を先に説明した図5の条件に従って、デジタル情報を復号化する。例えば、RATIO_R=0.8で、RATIO_B=1.7の場合は、情報7が復号化される。尚、このような復号化処理をi=0から7,j=0から7の64個のパッチについて順に復号化する。また、復号化する順番については、例えば(i,j)において、(0,0),(1,0),(2,0)・・・(1,0),(1,1),(1,2)・・・(7,5),(7,6),(7,7)のように予め決めらた順番に従って復号化すればよい。尚、この場合、最初に復号化するパッチが特定できるように、例えば、図2において、三角形状のパターン204またはパターン205のいずれか一方にだけを設けるようにして、三角形状のパターンがあるパッチから順番に復号化するように定義しておいても構わない。
(ステップS311)カラー二次元コード復号化処理を終了する。復号化されたデジタル情報は、必要に応じて液晶モニタ112に表示したり、メモリカード114に記憶したり、USBIF115を介して外部の機器に出力する。
【0034】
尚、本実施形態に係る電子カメラ101では、カラー二次元コードを復号化する場合についてのみ説明したが、通常の風景や人物を撮影する場合のホワイトバランス処理と、カラー二次元コードを復号化する場合のホワイトバランス処理とを操作パネル110で選択できるようにしても構わない。この場合、使用者がカラー二次元コードの読み取りを選択した場合には、本実施形態で説明したような処理を行い、通常の画像撮影を選択した場合には、撮影画像全体から光源判定して、ホワイトバランス処理を行う。
【0035】
また、画像処理部107は、毎回、画像が撮影される度に位置検出マーカー202,203の検出処理を実行するようにしても構わない。この場合、位置検出マーカー202,203が検出されない場合は、自動的に通常のホワイトバランス処理を行い、位置検出マーカー202,203が検出された場合は、カラー二次元コードを復号化する処理を行う。
【0036】
このように、本実施形態に係る電子カメラ101は、撮影した画像からカラー二次元コードを抽出してデジタル情報を復号化することができる。特に、カラー二次元コードにはホワイトバランス調整用の位置検出マーカー202,203を設けたので、デジタル情報が符号化された領域のカラーパッチ201部分の色調を高精度に再現することができ、カラー二次元コードを誤りなく復号化することができる。
【0037】
尚、本実施形態では、二次元画像を撮影する電子カメラ101について説明したが、スキャナーなどカラーリニアセンサーを移動させて画像を撮影する機器を用いたカラー二次元コード読み取り装置に対しても本発明に係るカラー二次元コード読み取り方法を適用することができる。
【0038】
また、既に撮影された画像を用いて、パソコン上のソフトウェアで本実施形態で説明したカラー二次元コードの読み取り方法を実行して、画像に含まれているデジタル情報を復号化することもできる。
【0039】
さらに、本実施形態で説明したカラー二次元コードを読み取り復号化する技術は、先に述べた専用のカラー二次元コード読み取り装置や電子カメラだけでなく、カメラ付携帯電話などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】第1の実施形態に係る電子カメラ101の構成を示すブロック図である。
【図2】カラー二次元コードの一例を示す説明図である。
【図3】カラー二次元コードの符号化方法を示す説明図である。
【図4】ホワイトバランス処理の必要性を示す説明図である。
【図5】カラー二次元コードの復号化方法を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る電子カメラ101の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0041】
101・・・電子カメラ 102・・・レンズ
103・・・撮像素子 107・・・画像処理部
106・・・一時バッファ 108・・・記録バッファ
109・・・CPU 110・・・操作パネル
112・・・液晶モニタ 114・・・メモリカード
115・・・USBIF 201・・・カラーパッチ
202,203・・・位置検出マーカー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮影する撮像部と、
前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、
前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、
前記色検出部が検出した色情報から前記所定領域が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部と、
前記ホワイトバランス調整部が色調整した画像の中のカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部と
を有すること特徴とするカラー二次元コード読み取り装置。
【請求項2】
画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部とを少なくとも有する電子カメラにおいて、
通常画像の撮影とカラー二次元コードの撮影とを選択する選択部と、
前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、
前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、
カラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部と
を設け、
前記ホワイトバランス調整部は、前記選択部がカラー二次元コードの撮影を選択した場合に、前記領域検出部が検出した所定領域において、前記色検出部が検出した色情報が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行い、
前記復号化部は、前記ホワイトバランス調整部が色調整したカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化すること
を特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
画像を撮影する撮像部と、前記撮像部が撮影した画像の色調整を行うホワイトバランス調整部とを少なくとも有する電子カメラにおいて、
前記撮像部が撮影した画像の中から所定領域を検出する領域検出部と、
前記領域検出部が検出した所定領域内の色情報を検出する色検出部と、
カラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化する復号化部と
を設け、
前記ホワイトバランス調整部は、前記領域検出部が前記所定領域を検出した場合に、前記所定領域において、前記色検出部が検出した色情報が無彩色になるように前記撮影した画像の色調整を行い、
前記復号化部は、前記ホワイトバランス調整部が色調整したカラー二次元コードの色比率に基づいて情報を復号化すること
を特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
デジタル情報が符号化されたカラー二次元コードを含む画像から前記デジタル情報を復号化するカラー二次元コード読み取り方法において、
前記画像の中から所定領域を検出し、前記所定領域内の色情報から前記所定領域が無彩色になるように前記画像の色調整を行った後、カラー二次元コードの色比率に基づいて前記デジタル情報を復号化する
こと特徴とするカラー二次元コード読み取り方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−3770(P2009−3770A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165189(P2007−165189)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】