カラー液晶表示素子
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー液晶表示素子に係り、特に、いわゆる横電界方式と称されるカラー液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる横電界方式と称されるカラー液晶表示素子は、液晶層を介して互いに対向して配置される透明基板の液晶層側の単位画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、この表示用電極と基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるようにしたものである。
【0003】このようなカラー液晶表示素子は、その表示面に対して大きな角度視野から観察しても鮮明な映像を認識でき、いわゆる広角度視野に優れたものとして知られるに至った。
【0004】そして、いわゆるアクティブ・マトリックス方式を採用したものにあっては、それぞれの単位画素にスイッチング素子が設けられており、行方向に配列された単位画素群に共通な基準信号線を介して一定電圧もしくは交流電圧が印加される前記基準電極に対して、やはり行方向に配列された単位画素群に共通な走査信号線からの走査信号の供給によってオンされる前記スイッチング素子を介して列方向に配列された単位画素群に共通な映像信号線からの映像信号を前記表示用電極に供給している。
【0005】この場合、走査信号線、映像信号線、および基準信号線はそのいずれにおいてもほぼ直線状に形成され、かつ、行方向(走査信号線の延在方向)に配列された単位画素群の隣接する3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させていたものであった。
【0006】すなわち、行方向に順次隣接された3個の単位画素をカラー表示の一画素として担当させるようにしていたものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように構成されたカラー液晶表示素子は、いわゆるスメア(smear)が生じ易いことが確認された。
【0008】それ故、この原因を究明した結果、次のようなことが判明するに至った。
【0009】すなわち、上述したように、映像信号(電圧)が供給される表示用電極は基準電極に対して該映像信号に対応する電界を生じせしめるのが理想であるが、これら電極に近接して配置される映像信号線によっても前記基準電極に対して不要な電界を生じせしめる構造となっている。このような現象によって発生するスメアは縦スメアと称され、並設される映像信号線のそれらの間隔が狭まるほど顕著になることが判明した。
【0010】また、行方向に延在する各基準信号線は、列方向に延在する極めて多くの映像信号線と層間絶縁膜を介して交差する構成となっており、この交差部において生じる容量と基準信号線自体の抵抗とによって、該基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが大きくなり、いわゆる横スメアの原因となっていた。
【0011】本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、スメアの発生を大幅に防止できたカラー液晶表示素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】すなわち、液晶層を介して互いに対向して配置される透明基板の液晶層側の単位画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、行方向に配列された単位画素群に共通な走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介して列方向に配列された単位画素群に共通な映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、行方向に配列された単位画素群に共通な基準信号線を介して一定電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、行方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、互いに隣接する行方向に配列された単位画素群にまたがって選択される3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させていることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】このように構成されたカラー液晶表示素子は、上述したような構成としているため、3個の単位画素をカラー用の一画素として、行方向に定められた数のカラー用画素を配置させた場合それらの単位画素の数を少なくでき、結果として隣接配置される映像信号線の間隔を大きくとることができるようになる。
【0015】このことは、映像信号線は、この映像信号線によって駆動される単位画素内の各基準電極との間の距離を大きくできることから、該映像信号線による電界、すなわちスメア(縦スメア)の原因となる電界の発生を抑制できることになる。
【0016】また、映像信号線の減少によって、行方向に延在する基準信号線は該映像信号線との交差部において生じる容量が減少するようになる。このため、この基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが小さくなって、スメア(横スメア)の発生を抑制できることになる。
【0017】したがって、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明による液晶表示素子の実施例について図面を用いて説明する。
【0019】まず、本発明の対象となるいわゆる横電界方式の液晶表示素子の概略について説明する。
【0020】図2に示すように、液晶表示素子1があり、この液晶表示素子1の液晶を介して互いに対向配置される透明基板のうち一方の透明基板1Aの液晶側の面に、そのx方向(行方向)に延在しy方向(列方向)に並設される走査信号線2が形成され、この走査信号線2と絶縁されてy方向に延在しx方向に並設される映像信号線3が形成されている。
【0021】なお、この映像信号線3は同図において直線状に描かれているが、後述する実施例によっては蛇行するような形状で形成されたものとなっている。
【0022】これら走査信号線2および映像信号線3によって囲まれる矩形状の各領域において単位画素が形成される領域となり、これら各単位画素がマトリックス状に配置された表示面を構成するようになっている。
【0023】これら各単位画素の詳細な構成については後に説明するが、いわゆる横電界方式においてはx方向に並設されるそれぞれの画素群に共通な基準信号線4が設けられており、これら各基準信号線4にはそれぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
【0024】なお、基準信号線4は、走査信号線2が設けられた透明基板1Aと対向する他の透明基板1Bの液晶側の面に設けられていてもよい。
【0025】液晶表示素子1には、その外部回路として垂直走査回路5および映像信号駆動回路6が備えられ、該垂直走査回路5によって前記走査信号線2のそれぞれに順次走査信号(電圧)が供給され、そのタイミングに合わせて映像信号駆動回路6は映像信号線3に映像信号(電圧)を供給するようになっている。
【0026】また、走査信号線2には、該走査信号線2の非選択期間には基準信号線4と同一振幅の交流電圧が印加されるようになっている。
【0027】なお、垂直走査回路5および映像信号駆動回路6は、液晶駆動電源回路7から電源が供給されているとともに、CPU8からの画像情報がコントローラ9によってそれぞれ表示データおよび制御信号に分けられて入力されるようになっている。
【0028】また、前記基準信号線4に印加される電圧も液晶駆動電源回路7から供給されるようになっている。
【0029】以下、このように構成される液晶表示素子1における各単位画素の実施例を以下説明する。
【0030】実施例1.図1は、透明基板1Aの各単位画素における構成を示した平面図である。また、同図のIII−III線における断面図を図3に、IV−IV線における断面図を図4に、V−V線における断面図を図5に示している。
【0031】図1に示すように、まず、透明基板1Aの主表面に、そのx方向に直線状に延在する基準信号線4と走査信号線2とが形成されている。これら基準信号線4と走査信号線2は交互にかつ平行に配置され、たとえば一つの基準信号線4に対して−y方向側(図面下側)に位置づけられる走査信号線2との間隔は大きくなっているとともに、+y方向側(図面上側)に位置づけられる走査信号線2との間隔は小さくなっている。
【0032】そして、これら走査信号線2と基準信号線4をも被ってほぼ全域にわたって絶縁膜18(図3参照)が形成され、この絶縁膜18上にはy方向に延在する映像信号線3が形成されている。すなわち、この場合の絶縁膜18は走査信号線2と基準信号線4の映像信号線3に対するいわゆる層間絶縁膜として機能するようになっている。
【0033】ここで、この映像信号線3は隣接する他の映像信号線3と同間隔で配置されているが、それぞれの映像信号線3は、基準信号線4と平行にx方向に延在した後、−y方向に延在して基準信号線4および走査信号線2と順次交差し、さらに、該走査信号線2と平行に−x方向に延在し、再び、−y方向に延在して基準信号線4および走査信号線2と順次交差するというように蛇行しながら延在されたものとなっている。
【0034】このため、大きな間隔で離間された基準信号線4と走査信号線2、および互いに隣接する各映像信号線3とで囲まれる領域を実質的な単位画素の領域とした場合に、x方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されることになる。
【0035】そして、このような各単位画素の領域において、その走査信号線2の一部には薄膜トランジスタTFT(図中点線丸で囲まれた部分)が形成されている。この薄膜トランジスタTFTはその下層の走査信号線2に走査信号が供給された際にオン状態となるMIS型のトランジスタで構成され、前記走査信号線2の一部がゲート電極として、また絶縁膜18がゲート絶縁膜として機能するものである。
【0036】薄膜トランジスタTFTのドレイン電極3Aは−x方向側(図中左側)に位置づけられる映像信号線3と一体に形成され、また、そのソース電極10Aは表示用電極10と一体に形成されている。
【0037】この表示用電極10は、該ソース電極10A側から+y方向に延在した後に、絶縁膜18を介した基準信号線4上を+x方向に延在し、さらに−y方向に延在するコ字形状をなしている。
【0038】そして、このようにy方向に沿って形成される表示用電極10のそれぞれを間にしてやはりy方向に沿って基準電極11が形成されており、この基準電極11は絶縁膜18の下層において基準信号線4と一体になって形成されている。
【0039】なお、コ字状に形成されている前記表示用電極10は、そのx方向に延在された部分において絶縁膜18(誘電体膜として機能する)を介した基準信号線4との間に蓄積容量Cstg(図中点線楕円内に示している)を構成しており、この蓄積容量Cstgによって、前記薄膜トランジスタTFTがオフした際に表示用電極10に映像信号を蓄積させるようになっている。
【0040】なお、このように構成された透明基板1Aの表面には、たとえばシリコン窒化膜等からなる保護膜12が形成され、さらにこの保護膜の表面にはポリイミドからなる配向膜13が形成されている(図3参照)。
【0041】このように構成された各単位画素において、その走査信号線2に走査信号が供給されることによって対応する薄膜トランジスタTFTがオンし、映像信号線3からの映像信号は該薄膜トランジスタTFTのドレイン電極3Aおよびソース電極10Aを介して表示電極10に供給されるようになる。
【0042】一方、この表示電極10に対向して配置されている基準電極11には交流電圧が印加されていることから、これの各電極との間には透明基板1Aの主表面と平行な電界が発生し、それらの間に配置されている液晶の光透過率を変化させることになる。
【0043】図3は、図1のIII−III線における断面図であり、液晶LCにおける前記電界Eの発生状態を示している。なお、図3においては、液晶LCを介して他方の透明基板1Bをも組み立てた断面図を示しており、この透明基板1Bの液晶側の面の単位画素領域にはカラーフィルタ14が形成され、このカラーフィルタ14はその周辺部において該単位画素領域を囲むようにして形成されるブラックマトリックス15の一部を覆うようにして形成されている。また、カラーフィルタ14およびブラックマトリックス15を被って保護膜16が形成され、さらに、この保護膜16の表面にはポリイミドからなる配向膜17が形成されている。
【0044】ここで、各透明基板1A、1Bのギャップは4.1μmで、その間に介在される液晶LCは、その誘電率異方性Δεが正の7,3(1kHz)で、屈折率異方性Δnが0.073(589nm、20℃)のネマチック型を用いている。また、図6は、表示用電極10と基準電極11との間に生じる電界Eの方向に対して配向膜13、17のラビング方向Dを示したもので、それらの間の角度Φを85°としている。さらに、図3に示すように、各透明基板1A、1Bのそれぞれには偏光膜21、22が液晶LCと反対側の面に形成されているが、その一方における偏光透過軸の方向は前記配向膜のラビング方向の角度Φと同じで、また他方の偏光透過軸おいてはそれと直交するようになっている。
【0045】図4は、図1のIV−IV線における断面図を示している。走査信号線2の一部をゲート電極とする薄膜トランジスタTFTの断面図であり、絶縁膜18を介した走査信号線2の一部にアモルファスSiからなる半導体層19が形成され、この半導体層19面に互いに離間されてドレイン電極3Aおよびソース電極10Aが形成されている。
【0046】この場合、ドレイン電極3Aは映像信号線3と一体に、ソース電極10Aは表示用電極10と一体に形成されていることは上述した通りである。
【0047】図5は、図1のV−V線における断面図を示している。表示用電極10と基準信号線4との間に絶縁膜18を誘電体膜とする蓄積容量Cstgの断面図である。
【0048】図7は、上述した透明基板1Aにおける各単位画素において、それぞれに液晶LCを介して透明基板1B側に形成されるカラーフィルタ14の色を示した説明図である。
【0049】同図において、たとえば赤色(R)のカラーフィルタを備える単位画素は、その単位画素を含むx方向の単位画素群に隣接する(図中上側あるいは下側)の単位画素群における近接する2つの単位画素であって緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタを備えるそれぞれの単位画素とともに、カラー用の一画素を構成するようになっている。すなわち、互いに隣接するx方向に配列された単位画素群にまたがって選択される3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させているようになっている。
【0050】以上示した実施例による液晶表示素子によれば、3個の単位画素をカラー用の一画素として、行方向に定められた数のカラー用画素を配置させた場合それらの単位画素の数を少なくでき、結果として隣接配置される映像信号線の間隔を大きくとることができるようになる。
【0051】このことは、映像信号線3は、この映像信号線3によって駆動される単位画素内の基準電極11の間の距離を大きくできることから、該映像信号線3による電界、すなわちスメア(縦スメア)の原因となる電界の発生を抑制できることになる。
【0052】また、映像信号線3の本数の減少によって、行方向に延在する基準信号線4は該映像信号線3との層間絶縁膜を介した交差部において生じる容量が減少するようになる。このため、この基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが小さくなって、スメア(横スメア)の発生を抑制できることになる。
【0053】したがって、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【0054】実施例2.図8は図1に対応した図であり、図1と同符号の部材はそれと同機能を有している。
【0055】図1と異なる構成は、映像信号線3と薄膜トランジスタTFTを介して接続されるy方向に配列される単位画素は、該映像信号線3に対してそれぞれの側に交互に配置されていることにある。
【0056】このような構成にすることによって、図1の構成が、一つの映像信号線に対して異なる色の映像信号を供給しなければならないのに対して、常時、同じ色の映像信号を供給できるようになる。
【0057】これにより、コントローラ9の構成を簡単化できるため、実施例1の効果に加え、部材コストを低減できる効果を奏する。
【0058】なお、この場合においても、図8と対応する図9に示すように、x方向に並設される単位画素群と同方向に並設されて隣接する単位画素群との間に近接する3個の単位画素が選択され、それぞれに赤色(R)、緑色(G)、青色(b)のカラーフィルタが施されるようになっている。
【0059】実施例3.図10(a)は図1に対応する図であり、図1と同符号のものはそれと同機能を有するものとなっている。
【0060】図1と異なる構成は、映像信号線3にあり、この映像信号線はそれによって共通化される列方向に配置された単位画素群の各単位画素をひとつおきにその中央および一方の側に順次位置づけられるように走行される直線形状となっている。
【0061】この場合においても、x方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されていることは変わっていない。
【0062】このため、映像信号線3が中央に走行する単位画素は、該映像信号線3の両脇においてそれぞれ、薄膜トランジスタTFTを介して映像信号が供給される表示用電極10およびこの表示電極10との間に電界を生じさせる基準電極11が形成されている。
【0063】これによって、同図(a)に対応する同図(b)に示すように、映像信号線3を直線形状としても、カラー用の一画素を構成する単位画素(斜めの線で示している)を図1に示したような配置とすることができるようになる。
【0064】また、基準信号線4と+y方向側に位置づけられる走査信号線2との間隔を小さくできるため、実施例1の効果に加え、開口率を向上できるという効果を奏する。
【0065】なお、図11は、このような構成において、各単位画素に対する各色(R、G、B)のカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【0066】また、実施例1、2および3において、基準信号線4および基準電極11を透明基板1Bの液晶側の面に設けるようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、補助容量は表示用電極10と前段の走査信号線2との間に絶縁膜18を誘電体とする付加容量Caddとして機能することになる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したことから明らかになるように、本発明による液晶表示素子によれば、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子の一実施例を示す要部平面図である。
【図2】本発明による液晶表示素子の駆動回路の一実施例を示す構成図である。
【図3】図1のIII−III線における断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における断面図である。
【図5】図1のV−V線における断面図である。
【図6】液晶内に印加される電界の方向と配向膜のラビング方向との関係を示す説明図である。
【図7】図1に示した構成におけるカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【図8】本発明による液晶表示素子の他の実施例を示す要部平面図である。
【図9】図8に示した構成において、カラー用の一画素となる3個の単位画素の配置を示した説明図である。
【図10】本発明による液晶表示素子の他の実施例を示す要部平面図である。
【図11】図10に示した構成におけるカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【符号の説明】
2……走査信号線、3……映像信号線、4……基準信号線、10……表示用電極、11……基準電極、TFT……薄膜トランジスタ。
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカラー液晶表示素子に係り、特に、いわゆる横電界方式と称されるカラー液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる横電界方式と称されるカラー液晶表示素子は、液晶層を介して互いに対向して配置される透明基板の液晶層側の単位画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、この表示用電極と基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるようにしたものである。
【0003】このようなカラー液晶表示素子は、その表示面に対して大きな角度視野から観察しても鮮明な映像を認識でき、いわゆる広角度視野に優れたものとして知られるに至った。
【0004】そして、いわゆるアクティブ・マトリックス方式を採用したものにあっては、それぞれの単位画素にスイッチング素子が設けられており、行方向に配列された単位画素群に共通な基準信号線を介して一定電圧もしくは交流電圧が印加される前記基準電極に対して、やはり行方向に配列された単位画素群に共通な走査信号線からの走査信号の供給によってオンされる前記スイッチング素子を介して列方向に配列された単位画素群に共通な映像信号線からの映像信号を前記表示用電極に供給している。
【0005】この場合、走査信号線、映像信号線、および基準信号線はそのいずれにおいてもほぼ直線状に形成され、かつ、行方向(走査信号線の延在方向)に配列された単位画素群の隣接する3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させていたものであった。
【0006】すなわち、行方向に順次隣接された3個の単位画素をカラー表示の一画素として担当させるようにしていたものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように構成されたカラー液晶表示素子は、いわゆるスメア(smear)が生じ易いことが確認された。
【0008】それ故、この原因を究明した結果、次のようなことが判明するに至った。
【0009】すなわち、上述したように、映像信号(電圧)が供給される表示用電極は基準電極に対して該映像信号に対応する電界を生じせしめるのが理想であるが、これら電極に近接して配置される映像信号線によっても前記基準電極に対して不要な電界を生じせしめる構造となっている。このような現象によって発生するスメアは縦スメアと称され、並設される映像信号線のそれらの間隔が狭まるほど顕著になることが判明した。
【0010】また、行方向に延在する各基準信号線は、列方向に延在する極めて多くの映像信号線と層間絶縁膜を介して交差する構成となっており、この交差部において生じる容量と基準信号線自体の抵抗とによって、該基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが大きくなり、いわゆる横スメアの原因となっていた。
【0011】本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、スメアの発生を大幅に防止できたカラー液晶表示素子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0013】すなわち、液晶層を介して互いに対向して配置される透明基板の液晶層側の単位画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、行方向に配列された単位画素群に共通な走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介して列方向に配列された単位画素群に共通な映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、行方向に配列された単位画素群に共通な基準信号線を介して一定電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、行方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、互いに隣接する行方向に配列された単位画素群にまたがって選択される3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させていることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】このように構成されたカラー液晶表示素子は、上述したような構成としているため、3個の単位画素をカラー用の一画素として、行方向に定められた数のカラー用画素を配置させた場合それらの単位画素の数を少なくでき、結果として隣接配置される映像信号線の間隔を大きくとることができるようになる。
【0015】このことは、映像信号線は、この映像信号線によって駆動される単位画素内の各基準電極との間の距離を大きくできることから、該映像信号線による電界、すなわちスメア(縦スメア)の原因となる電界の発生を抑制できることになる。
【0016】また、映像信号線の減少によって、行方向に延在する基準信号線は該映像信号線との交差部において生じる容量が減少するようになる。このため、この基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが小さくなって、スメア(横スメア)の発生を抑制できることになる。
【0017】したがって、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明による液晶表示素子の実施例について図面を用いて説明する。
【0019】まず、本発明の対象となるいわゆる横電界方式の液晶表示素子の概略について説明する。
【0020】図2に示すように、液晶表示素子1があり、この液晶表示素子1の液晶を介して互いに対向配置される透明基板のうち一方の透明基板1Aの液晶側の面に、そのx方向(行方向)に延在しy方向(列方向)に並設される走査信号線2が形成され、この走査信号線2と絶縁されてy方向に延在しx方向に並設される映像信号線3が形成されている。
【0021】なお、この映像信号線3は同図において直線状に描かれているが、後述する実施例によっては蛇行するような形状で形成されたものとなっている。
【0022】これら走査信号線2および映像信号線3によって囲まれる矩形状の各領域において単位画素が形成される領域となり、これら各単位画素がマトリックス状に配置された表示面を構成するようになっている。
【0023】これら各単位画素の詳細な構成については後に説明するが、いわゆる横電界方式においてはx方向に並設されるそれぞれの画素群に共通な基準信号線4が設けられており、これら各基準信号線4にはそれぞれ交流電圧が印加されるようになっている。
【0024】なお、基準信号線4は、走査信号線2が設けられた透明基板1Aと対向する他の透明基板1Bの液晶側の面に設けられていてもよい。
【0025】液晶表示素子1には、その外部回路として垂直走査回路5および映像信号駆動回路6が備えられ、該垂直走査回路5によって前記走査信号線2のそれぞれに順次走査信号(電圧)が供給され、そのタイミングに合わせて映像信号駆動回路6は映像信号線3に映像信号(電圧)を供給するようになっている。
【0026】また、走査信号線2には、該走査信号線2の非選択期間には基準信号線4と同一振幅の交流電圧が印加されるようになっている。
【0027】なお、垂直走査回路5および映像信号駆動回路6は、液晶駆動電源回路7から電源が供給されているとともに、CPU8からの画像情報がコントローラ9によってそれぞれ表示データおよび制御信号に分けられて入力されるようになっている。
【0028】また、前記基準信号線4に印加される電圧も液晶駆動電源回路7から供給されるようになっている。
【0029】以下、このように構成される液晶表示素子1における各単位画素の実施例を以下説明する。
【0030】実施例1.図1は、透明基板1Aの各単位画素における構成を示した平面図である。また、同図のIII−III線における断面図を図3に、IV−IV線における断面図を図4に、V−V線における断面図を図5に示している。
【0031】図1に示すように、まず、透明基板1Aの主表面に、そのx方向に直線状に延在する基準信号線4と走査信号線2とが形成されている。これら基準信号線4と走査信号線2は交互にかつ平行に配置され、たとえば一つの基準信号線4に対して−y方向側(図面下側)に位置づけられる走査信号線2との間隔は大きくなっているとともに、+y方向側(図面上側)に位置づけられる走査信号線2との間隔は小さくなっている。
【0032】そして、これら走査信号線2と基準信号線4をも被ってほぼ全域にわたって絶縁膜18(図3参照)が形成され、この絶縁膜18上にはy方向に延在する映像信号線3が形成されている。すなわち、この場合の絶縁膜18は走査信号線2と基準信号線4の映像信号線3に対するいわゆる層間絶縁膜として機能するようになっている。
【0033】ここで、この映像信号線3は隣接する他の映像信号線3と同間隔で配置されているが、それぞれの映像信号線3は、基準信号線4と平行にx方向に延在した後、−y方向に延在して基準信号線4および走査信号線2と順次交差し、さらに、該走査信号線2と平行に−x方向に延在し、再び、−y方向に延在して基準信号線4および走査信号線2と順次交差するというように蛇行しながら延在されたものとなっている。
【0034】このため、大きな間隔で離間された基準信号線4と走査信号線2、および互いに隣接する各映像信号線3とで囲まれる領域を実質的な単位画素の領域とした場合に、x方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されることになる。
【0035】そして、このような各単位画素の領域において、その走査信号線2の一部には薄膜トランジスタTFT(図中点線丸で囲まれた部分)が形成されている。この薄膜トランジスタTFTはその下層の走査信号線2に走査信号が供給された際にオン状態となるMIS型のトランジスタで構成され、前記走査信号線2の一部がゲート電極として、また絶縁膜18がゲート絶縁膜として機能するものである。
【0036】薄膜トランジスタTFTのドレイン電極3Aは−x方向側(図中左側)に位置づけられる映像信号線3と一体に形成され、また、そのソース電極10Aは表示用電極10と一体に形成されている。
【0037】この表示用電極10は、該ソース電極10A側から+y方向に延在した後に、絶縁膜18を介した基準信号線4上を+x方向に延在し、さらに−y方向に延在するコ字形状をなしている。
【0038】そして、このようにy方向に沿って形成される表示用電極10のそれぞれを間にしてやはりy方向に沿って基準電極11が形成されており、この基準電極11は絶縁膜18の下層において基準信号線4と一体になって形成されている。
【0039】なお、コ字状に形成されている前記表示用電極10は、そのx方向に延在された部分において絶縁膜18(誘電体膜として機能する)を介した基準信号線4との間に蓄積容量Cstg(図中点線楕円内に示している)を構成しており、この蓄積容量Cstgによって、前記薄膜トランジスタTFTがオフした際に表示用電極10に映像信号を蓄積させるようになっている。
【0040】なお、このように構成された透明基板1Aの表面には、たとえばシリコン窒化膜等からなる保護膜12が形成され、さらにこの保護膜の表面にはポリイミドからなる配向膜13が形成されている(図3参照)。
【0041】このように構成された各単位画素において、その走査信号線2に走査信号が供給されることによって対応する薄膜トランジスタTFTがオンし、映像信号線3からの映像信号は該薄膜トランジスタTFTのドレイン電極3Aおよびソース電極10Aを介して表示電極10に供給されるようになる。
【0042】一方、この表示電極10に対向して配置されている基準電極11には交流電圧が印加されていることから、これの各電極との間には透明基板1Aの主表面と平行な電界が発生し、それらの間に配置されている液晶の光透過率を変化させることになる。
【0043】図3は、図1のIII−III線における断面図であり、液晶LCにおける前記電界Eの発生状態を示している。なお、図3においては、液晶LCを介して他方の透明基板1Bをも組み立てた断面図を示しており、この透明基板1Bの液晶側の面の単位画素領域にはカラーフィルタ14が形成され、このカラーフィルタ14はその周辺部において該単位画素領域を囲むようにして形成されるブラックマトリックス15の一部を覆うようにして形成されている。また、カラーフィルタ14およびブラックマトリックス15を被って保護膜16が形成され、さらに、この保護膜16の表面にはポリイミドからなる配向膜17が形成されている。
【0044】ここで、各透明基板1A、1Bのギャップは4.1μmで、その間に介在される液晶LCは、その誘電率異方性Δεが正の7,3(1kHz)で、屈折率異方性Δnが0.073(589nm、20℃)のネマチック型を用いている。また、図6は、表示用電極10と基準電極11との間に生じる電界Eの方向に対して配向膜13、17のラビング方向Dを示したもので、それらの間の角度Φを85°としている。さらに、図3に示すように、各透明基板1A、1Bのそれぞれには偏光膜21、22が液晶LCと反対側の面に形成されているが、その一方における偏光透過軸の方向は前記配向膜のラビング方向の角度Φと同じで、また他方の偏光透過軸おいてはそれと直交するようになっている。
【0045】図4は、図1のIV−IV線における断面図を示している。走査信号線2の一部をゲート電極とする薄膜トランジスタTFTの断面図であり、絶縁膜18を介した走査信号線2の一部にアモルファスSiからなる半導体層19が形成され、この半導体層19面に互いに離間されてドレイン電極3Aおよびソース電極10Aが形成されている。
【0046】この場合、ドレイン電極3Aは映像信号線3と一体に、ソース電極10Aは表示用電極10と一体に形成されていることは上述した通りである。
【0047】図5は、図1のV−V線における断面図を示している。表示用電極10と基準信号線4との間に絶縁膜18を誘電体膜とする蓄積容量Cstgの断面図である。
【0048】図7は、上述した透明基板1Aにおける各単位画素において、それぞれに液晶LCを介して透明基板1B側に形成されるカラーフィルタ14の色を示した説明図である。
【0049】同図において、たとえば赤色(R)のカラーフィルタを備える単位画素は、その単位画素を含むx方向の単位画素群に隣接する(図中上側あるいは下側)の単位画素群における近接する2つの単位画素であって緑色(G)および青色(B)のカラーフィルタを備えるそれぞれの単位画素とともに、カラー用の一画素を構成するようになっている。すなわち、互いに隣接するx方向に配列された単位画素群にまたがって選択される3個の単位画素に三原色のそれぞれの色を担当させているようになっている。
【0050】以上示した実施例による液晶表示素子によれば、3個の単位画素をカラー用の一画素として、行方向に定められた数のカラー用画素を配置させた場合それらの単位画素の数を少なくでき、結果として隣接配置される映像信号線の間隔を大きくとることができるようになる。
【0051】このことは、映像信号線3は、この映像信号線3によって駆動される単位画素内の基準電極11の間の距離を大きくできることから、該映像信号線3による電界、すなわちスメア(縦スメア)の原因となる電界の発生を抑制できることになる。
【0052】また、映像信号線3の本数の減少によって、行方向に延在する基準信号線4は該映像信号線3との層間絶縁膜を介した交差部において生じる容量が減少するようになる。このため、この基準信号線の電圧供給端から延在方向に沿って該電圧の波形のなまりが小さくなって、スメア(横スメア)の発生を抑制できることになる。
【0053】したがって、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【0054】実施例2.図8は図1に対応した図であり、図1と同符号の部材はそれと同機能を有している。
【0055】図1と異なる構成は、映像信号線3と薄膜トランジスタTFTを介して接続されるy方向に配列される単位画素は、該映像信号線3に対してそれぞれの側に交互に配置されていることにある。
【0056】このような構成にすることによって、図1の構成が、一つの映像信号線に対して異なる色の映像信号を供給しなければならないのに対して、常時、同じ色の映像信号を供給できるようになる。
【0057】これにより、コントローラ9の構成を簡単化できるため、実施例1の効果に加え、部材コストを低減できる効果を奏する。
【0058】なお、この場合においても、図8と対応する図9に示すように、x方向に並設される単位画素群と同方向に並設されて隣接する単位画素群との間に近接する3個の単位画素が選択され、それぞれに赤色(R)、緑色(G)、青色(b)のカラーフィルタが施されるようになっている。
【0059】実施例3.図10(a)は図1に対応する図であり、図1と同符号のものはそれと同機能を有するものとなっている。
【0060】図1と異なる構成は、映像信号線3にあり、この映像信号線はそれによって共通化される列方向に配置された単位画素群の各単位画素をひとつおきにその中央および一方の側に順次位置づけられるように走行される直線形状となっている。
【0061】この場合においても、x方向に配列された単位画素群は同方向に配列されて隣接する単位画素群に対して該単位画素の1/2ピッチ分ずれて配置されていることは変わっていない。
【0062】このため、映像信号線3が中央に走行する単位画素は、該映像信号線3の両脇においてそれぞれ、薄膜トランジスタTFTを介して映像信号が供給される表示用電極10およびこの表示電極10との間に電界を生じさせる基準電極11が形成されている。
【0063】これによって、同図(a)に対応する同図(b)に示すように、映像信号線3を直線形状としても、カラー用の一画素を構成する単位画素(斜めの線で示している)を図1に示したような配置とすることができるようになる。
【0064】また、基準信号線4と+y方向側に位置づけられる走査信号線2との間隔を小さくできるため、実施例1の効果に加え、開口率を向上できるという効果を奏する。
【0065】なお、図11は、このような構成において、各単位画素に対する各色(R、G、B)のカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【0066】また、実施例1、2および3において、基準信号線4および基準電極11を透明基板1Bの液晶側の面に設けるようにしてもよいことはいうまでもない。この場合、補助容量は表示用電極10と前段の走査信号線2との間に絶縁膜18を誘電体とする付加容量Caddとして機能することになる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したことから明らかになるように、本発明による液晶表示素子によれば、スメアの発生を大幅に防止できるカラー液晶表示素子を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子の一実施例を示す要部平面図である。
【図2】本発明による液晶表示素子の駆動回路の一実施例を示す構成図である。
【図3】図1のIII−III線における断面図である。
【図4】図1のIV−IV線における断面図である。
【図5】図1のV−V線における断面図である。
【図6】液晶内に印加される電界の方向と配向膜のラビング方向との関係を示す説明図である。
【図7】図1に示した構成におけるカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【図8】本発明による液晶表示素子の他の実施例を示す要部平面図である。
【図9】図8に示した構成において、カラー用の一画素となる3個の単位画素の配置を示した説明図である。
【図10】本発明による液晶表示素子の他の実施例を示す要部平面図である。
【図11】図10に示した構成におけるカラーフィルタの配置を示した説明図である。
【符号の説明】
2……走査信号線、3……映像信号線、4……基準信号線、10……表示用電極、11……基準電極、TFT……薄膜トランジスタ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 液晶層を介して互いに対向して透明基板が配置され、その液晶層側の画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、x方向に延在する走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介してy方向に延在する映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、基準信号線を介して電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、前記基準信号線と走査信号線は交互にかつ平行に配置され、該基準信号線と前記走査信号線の間隔は+y方向側で小さく、−y方向側で大きく、前記基準信号線と前記走査信号線は前記透明基板の主表面に配置され、かつ該走査信号線と基準信号線を被って絶縁膜が形成され、前記映像信号線は該絶縁膜上に形成され、x方向に配列された第1の画素の群はx方向に配列されて前記第1の画素の群に隣接する第2の画素の群に対して画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、前記映像信号線は基準信号線と平行にx方向に延在した後、−y方向に延在して基準信号線および走査信号線と順次交差し、さらに、該走査信号線と平行に−x方向に延在し、再び−y方向に延在して基準信号線および走査信号線と順次交差するように蛇行することを特徴するカラー液晶表示素子。
【請求項2】 走査信号線と基準信号線が直線状に形成されているとともに、前記スイッチング素子のドレイン電極は−x方向側に位置づけられる映像信号線と一体に形成されるように走行された蛇行形状となっていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項3】 映像信号線に薄膜トランジスタを介して接続される各画素は、該映像信号線に対して一方の側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項4】 映像信号線に薄膜トランジスタを介して接続されるy方向に配列される各画素は、該映像信号線に対して各側に交互に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項5】 液晶層を介して互いに対向して透明基板が配置され、その液晶層側の画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、x方向に延在する走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介してy方向に延在する映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、基準信号線を介して電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、x方向に配列された第1の画素の群はx方向に配列されて前記第1の画素の群に隣接する第2画素の群に対して画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、y方向に形成される基準電極はy方向に沿って形成される表示用電極のそれぞれを間にして形成され、前記映像信号線は、y方向に配置された画素をひとつおきにその中央および一方の側に順次位置づけられるように走行される直線形状となっており、映像信号線が中央に走行する画素は該映像信号線の両側においてそれぞれスイッチング素子を介して映像信号が供給される表示用電極および基準電極が形成されていることを特徴とするカラー液晶表示素子。
【請求項1】 液晶層を介して互いに対向して透明基板が配置され、その液晶層側の画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、x方向に延在する走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介してy方向に延在する映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、基準信号線を介して電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、前記基準信号線と走査信号線は交互にかつ平行に配置され、該基準信号線と前記走査信号線の間隔は+y方向側で小さく、−y方向側で大きく、前記基準信号線と前記走査信号線は前記透明基板の主表面に配置され、かつ該走査信号線と基準信号線を被って絶縁膜が形成され、前記映像信号線は該絶縁膜上に形成され、x方向に配列された第1の画素の群はx方向に配列されて前記第1の画素の群に隣接する第2の画素の群に対して画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、前記映像信号線は基準信号線と平行にx方向に延在した後、−y方向に延在して基準信号線および走査信号線と順次交差し、さらに、該走査信号線と平行に−x方向に延在し、再び−y方向に延在して基準信号線および走査信号線と順次交差するように蛇行することを特徴するカラー液晶表示素子。
【請求項2】 走査信号線と基準信号線が直線状に形成されているとともに、前記スイッチング素子のドレイン電極は−x方向側に位置づけられる映像信号線と一体に形成されるように走行された蛇行形状となっていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項3】 映像信号線に薄膜トランジスタを介して接続される各画素は、該映像信号線に対して一方の側に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項4】 映像信号線に薄膜トランジスタを介して接続されるy方向に配列される各画素は、該映像信号線に対して各側に交互に配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー液晶表示素子。
【請求項5】 液晶層を介して互いに対向して透明基板が配置され、その液晶層側の画素に相当する領域に表示用電極と基準電極とが備えられ、x方向に延在する走査信号線からの走査信号の供給によってオンされるスイッチング素子を介してy方向に延在する映像信号線からの映像信号が供給される前記表示用電極と、基準信号線を介して電圧が印加される前記基準電極との間に透明基板面と平行に発生させる電界によって前記液晶層の光透過率を変化させるカラー液晶表示素子において、x方向に配列された第1の画素の群はx方向に配列されて前記第1の画素の群に隣接する第2画素の群に対して画素の1/2ピッチ分ずれて配置されているとともに、y方向に形成される基準電極はy方向に沿って形成される表示用電極のそれぞれを間にして形成され、前記映像信号線は、y方向に配置された画素をひとつおきにその中央および一方の側に順次位置づけられるように走行される直線形状となっており、映像信号線が中央に走行する画素は該映像信号線の両側においてそれぞれスイッチング素子を介して映像信号が供給される表示用電極および基準電極が形成されていることを特徴とするカラー液晶表示素子。
【図1】
【図2】
【図4】
【図3】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図4】
【図3】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【特許番号】特許第3464570号(P3464570)
【登録日】平成15年8月22日(2003.8.22)
【発行日】平成15年11月10日(2003.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−211724
【出願日】平成7年8月21日(1995.8.21)
【公開番号】特開平9−61812
【公開日】平成9年3月7日(1997.3.7)
【審査請求日】平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【参考文献】
【文献】特開 平7−36058(JP,A)
【文献】特開 平6−88967(JP,A)
【文献】特開 平2−244028(JP,A)
【文献】特開 平6−342156(JP,A)
【文献】特開 平6−118447(JP,A)
【文献】特開 平4−65168(JP,A)
【登録日】平成15年8月22日(2003.8.22)
【発行日】平成15年11月10日(2003.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成7年8月21日(1995.8.21)
【公開番号】特開平9−61812
【公開日】平成9年3月7日(1997.3.7)
【審査請求日】平成12年9月12日(2000.9.12)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【参考文献】
【文献】特開 平7−36058(JP,A)
【文献】特開 平6−88967(JP,A)
【文献】特開 平2−244028(JP,A)
【文献】特開 平6−342156(JP,A)
【文献】特開 平6−118447(JP,A)
【文献】特開 平4−65168(JP,A)
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