説明

カラー画像形成装置

【課題】回収現像剤を再利用するとともに、所望の品質のカラー画像が得られるトリクル現像方式のカラー画像形成装置の提供。
【解決手段】デジタル複合機1は、トナーとキャリアを含む現像剤が補給されると共に、画像情報に応じた感光体上の静電潜像に対してトナーを付着させトナー像を形成する複数の現像装置224a〜224eを備え、該トナー像を用紙に転写し画像形成する。デジタル複合機1は、現像装置224a〜224dから現像剤を回収して特定の現像装置222eに搬送する現像剤回収機構とドラフト出力モードか通常出力モードかを判別するモード判別部104とを備え、ドラフト出力モードと判別したときは、特定の現像装置222e内の回収現像剤を用いてドラフト出力モードの画像を形成し、通常出力モードと判別したときは、現像装置222a〜224d内の現像剤を用いて通常出力モードの画像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカラープリンタなどのカラー画像形成装置であって、トナーとキャリアを含む現像剤を現像装置から回収して再利用するカラー画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機等の画像形成装置では、電子写真方式等によりトナー像を記録媒体上に形成する。このようなトナー像形成のために、トナーとキャリアを混合した現像剤を補給するとともに、現像剤の一部を排出する所謂トリクル現像方式が提案されている。トリクル現像方式では、現像剤が新しい状態に保たれるため、現像剤の帯電性を維持することができる。
最近は環境対策のため、排出された現像剤を回収し、元の現像装置に戻し、再利用するようにした画像形成装置が開発されており(例えば、特許文献1参照)、モノクロ画像を扱う画像形成装置ではよく見かけるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−201474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カラー画像形成装置では、特許文献1に開示の技術のように回収現像剤を元の各色の現像装置に戻すと、現像剤の帯電性を厳密に管理できないので、所望の品質のカラー画像が得られない。このため、カラー画像形成装置では回収現像剤を再利用する機構は実用化されるにいたっていない。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、回収現像剤を再利用するとともに、所望の品質のカラー画像が得られるトリクル現像方式のカラー画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の技術手段は、トナーとキャリアを含む現像剤が補給されると共に、画像情報に応じた感光体上の静電潜像に対して前記トナーを付着させてトナー像を形成する複数の現像装置を備え、該トナー像を記録媒体に直接又は転写体を経由して転写し画像形成するカラー画像形成装置であって、前記現像装置から前記現像剤を回収して前記複数の現像装置の中の特定の1の現像装置に搬送する現像剤回収機構と、ドラフト出力モードか通常出力モードかを判別するモード判別手段と、を備え、前記ドラフト出力モードと判別したときは、前記特定の現像装置内の前記回収した現像剤を用いてドラフト出力モードの画像を形成し、前記通常出力モードと判別したときは、前記特定の現像装置以外の現像装置内の現像剤を用いて通常出力モードの画像を形成することを特徴としたものである。
【0007】
本発明の第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記現像剤回収機構が、前記特定の1の現像装置を除く前記現像装置から現像剤を回収することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ドラフト出力モードでの画像形成に、現像装置から回収した現像剤を用いるので、現像剤の消費を抑え、ランニングコストをより向上させることができ、また、通常出力モードでは回収現像剤を使用しないので良品質の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のカラー画像形成装置が適用されるデジタルカラー複合機の機能を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明のカラー画像形成装置が適用されるデジタルカラー複合機の構成の一例を示す図であるである。
【図3】図2のデジタルカラー複合機の現像装置の拡大図である。
【図4】ユーザのモード指定に応じて、図2のデジタル複合機1の制御部101により実行される動作制御について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明のカラー画像形成装置が適用されるデジタルカラー複合機の機能を説明するためのブロック図である。デジタルカラー複合機(以下、複合機と省略)1は、記録媒体等に記録された原稿画像を読み取って、原稿画像の画像データを出力する画像読取部110と、トナーを用いて画像データの印刷を行う画像形成部210と、装置全体の制御を司る制御部101と、ユーザからの操作を受け付ける操作部102と、ネットワークを介して外部機器との通信を行うNW通信部103と、後述のモード判別部104とを備える。
【0011】
画像形成部210は、第1〜第5画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pd,Peと、現像剤回収部210aを有する。第1〜第5画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pd,Peは、画像読取部110で読み取った画像データ又はNW通信部103を介して外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録媒体)上にトナー像を形成する。また、第1〜第5画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pd,Peは、トリクル現像方式を採用しており、その現像装置224a〜224eには、トナーとキャリアを含む現像剤が補給され、現像剤の一部が排出されるようになっている。
【0012】
第1画像形成ステーションPaは現像装置224aにて黒(K)色のトナーを用いてトナー像を形成し、第2画像形成ステーションPbは現像装置224bにてシアン(C)色のトナーを用いてトナー像を形成し、第3画像形成ステーションPcは現像装置224cにてマゼンタ(M)色のトナーを用いてトナー像を形成し、第4画像形成ステーションPdは現像装置224dにてイエロー(Y)色のトナーを用いてトナー像を形成し、第5画像形成ステーションPeは現像装置224eにて回収現像剤(略黒色)を用いてトナー像を形成する。この回収現像剤とは、現像剤回収部210aを用いて、第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの現像装置224a〜224dから回収した現像剤である。
現像剤回収部210aは、第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの現像装置224a〜224dから溢れた現像剤や、画像形成に支障がない時に上記現像装置224a〜224dから排出された現像剤を第5画像形成ステーションPeの現像装置224eに回収する。
【0013】
操作部102は、ユーザの操作により制御命令などの情報が入力されるタッチパネルやテンキー等の入力部102aと、操作のために必要な情報を表示する液晶パネル等の表示部102bとからなる操作パネルで構成される。
【0014】
複合機1は、画像読取部110で読み取った原稿画像データ又はNW通信部103を介して受信した画像データに基づき、画像形成部210で画像を形成するものであるが、画像形成部210で形成される画像は、ユーザにより操作部102を介して選択される画像形成のモードによって異なる。複合機1が行う画像形成のモードには、通常出力モードとドラフト出力モードとが含まれる。
【0015】
通常出力モードの場合は、画像形成部210の第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdにより、ブラックK,シアンC,マゼンタM,イエローYの現像剤を用いた通常出力モードの画像が形成される。また、ドラフト出力モードの場合は、画像形成部210の第5画像形成ステーションPeにより、現像剤回収部210aが回収した現像剤(回収現像剤)を用いたドラフト出力モードの画像が形成される。
【0016】
なお、ユーザは、画像形成のモードの選択を、NW通信部103を通じて接続される外部コンピュータのプリンタドライバ等を介しても行うこともできる。また、図示しない無線により通信可能な情報端末装置からのモード選択も可能である。
モード判別部104は、複合機1に現在設定されているモードを判別する手段であって、少なくとも、操作部102又はNW通信部103を通じて接続される外部コンピュータのプリンタドライバを介して画像形成の指示がされたときに、ユーザが画像形成のモードとして通常モードを選択しているかどうか判別する。
【0017】
複合機1は、操作部102や、NW通信部103を通じて接続される外部機器を介して、画像形成の指示があった場合、モード判別部104の判別結果に基づき、ブラックK,シアンC,マゼンタM,イエローYの現像剤を用いた画像、又は回収現像剤を用いた画像を、画像形成部210で形成する。
【0018】
図2は、図1の複合機の物理的な構成の一例を示す図である。複合機1は、本体上部に原稿台111及び操作パネル(図示せず)を備え、本体内部に画像読取部110及び画像形成部210を備える。
画像読取部110は、両面自動原稿送り装置(RADF;Reversing Automatic Document Feeder)112によって原稿台111上に搬送されてきた原稿の画像を読み取る。
画像形成部210は、画像読取部110で読み取った画像又は外部から伝達された画像を記録媒体上に再現するものであって、第1〜第5画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pd,Pe、転写搬送ベルトユニット213、給紙トレイ216、用紙搬送機構211、定着ユニット218、排紙トレイ217等により構成される。
【0019】
まず、第1〜第5画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pd,Peの構造について説明するが、これらは一部を除き同様な構成を有しているので、同様な構成部分については、小文字アルファベットの表示を省略し、まとめて画像形成ステーションP等として説明する。
画像形成ステーションPは、露光ユニット221、現像装置224、感光体ドラム222、帯電器223、クリーニングユニット226を備える。
【0020】
露光ユニット221は、例えば、レーザスキャニングユニット(LSU)で構成され、帯電器223により表面が所定の電位に均一に帯電された感光体ドラム222を、入力される画像データに応じて露光することにより、感光体ドラム222の表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有するものである。
【0021】
なお、感光体ドラム222は、制御部101が制御する接離機構(図示せず)を介して、後述の転写ベルトから離間したり、転写ベルトに当接したりするように移動可能に構成されている。また、第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc及びPdの感光体ドラム222a〜dと、第5画像形成ステーションPeの感光体ドラム222eとは、互いに違う方向に移動されることができる。
【0022】
現像装置224は、それぞれの感光体ドラム222上に形成された静電潜像をトナーにより顕像化するもので、画像形成ステーション毎に用いるトナーが異なっている。特に、第5の画像形成ステーションPeの現像装置224eは、他の画像形成ステーションの現像装置から回収した現像剤のトナーを用いて顕像化を行う。
クリーニングユニット226は、現像・画像転写後における感光体ドラム222上の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
【0023】
続いて、転写搬送ベルトユニット213等について説明する。
転写搬送ベルトユニット213は、張架された転写ベルト214を矢印Z方向に回転駆動させ、転写ローラ225により、各画像形成ステーションPの感光体ドラム222上のトナー像を、転写ベルト214上に吸着されて搬送されるシート(記録媒体)に転写する。
【0024】
転写ベルト214には、感光体ドラムのうち、そのときの画像形成のモードで使用される感光体ドラムのみが接触する。通常出力モードの場合は、感光体ドラム222a,222b,222c,222dのみが転写ベルト214に接触しており、当該感光体ドラム上に形成された各色のトナー像をシート(記録媒体)に順次的に重ねて転写することによって、カラーのトナー像(多色トナー像)を形成する。また、ドラフト出力モードの場合は、感光体ドラム222eのみが接触し、当該感光体ドラム上に形成された回収現像剤によるトナー像を記録媒体に転写し、記録媒体上にトナー像を形成する。
【0025】
また、転写ベルトクリーナユニット215は、感光体ドラム222との接触により転写ベルト214に付着したトナーを、記録紙の裏面を汚さないよう、転写ベルト214から除去・回収する。
【0026】
給紙トレイ216は、画像形成に使用するシート(記録媒体)を蓄積しておくためのトレイであり、排紙トレイ217は、画像形成済みのシート(記録媒体)をフェイスアップで載置するためのトレイである。
【0027】
用紙搬送機構211は、給紙トレイ216のシートを転写搬送ベルトユニット213や定着ユニット218を経由させて排紙トレイ217に搬送するためのものであり、搬送されているシートをレジストローラ212で一旦保持し、そして、感光体ドラム222上のトナー像を搬送しているシート上に多重転写できるように、感光体ドラム222の回転にあわせて、シートをタイミングよく搬送する。
【0028】
定着ユニット218は、シートに転写されたトナー像を熱圧着により溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる。
なお、画像が形成されたシートは、排紙トレイ217上に排出される。
【0029】
この複合機1は、例えば、操作パネルや外部コンピュータのプリンタドライバを介して、ユーザにより選択されるモード(ドラフト出力モード、通常出力モード等)に応じて、動作が異なる。すなわち、ユーザに選択される画像形成のモードによって、画像形成時に用いられる画像形成ステーションが異なる。
【0030】
「ドラフト出力モード」とは、第5画像形成ステーションPeのみを用いて、読み取った画像データ又は外部から伝達された画像データに基づき、回収現像剤のトナーによるトナー像を形成し、そのトナー像を記録媒体に直接又は転写体を経由して転写し、モノクロの原稿画像を記録媒体上に再現するモードである。ユーザは、例えば、校正用の書類を作成する場合など、品質が然程に問われない画像が必要なときに、このドラフト出力モードを選択する。このモードで画像形成を行う場合、従来廃棄されていた回収現像剤を再利用するため、現像剤の消費を抑えることができ、ユーザにとってコスト削減になるばかりでなく、省資源化も達成することができる。
【0031】
「通常出力モード」では、第1〜第4画像形成ステーションPa〜Pd又は第1画像形成ステーションPaのみを用いて、読み取った画像データ又は外部から伝達された画像データに基づきトナー像を形成し、そのトナー像を記録媒体に直接又は転写体を経由して転写し、カラー又はモノクロの原稿画像を記録媒体上に再現する。ユーザは、例えば、カラー写真をコピーする場合やクライアントに提出する書類を作成する場合など、高品質な画像が必要なときに、この通常出力モードを選択する。このモードでの画像形成には、回収現像剤を用いないため、良品質のカラー又はモノクロの画像を得ることができる。
【0032】
図2の複合機1の現像装置の構造について、図3を用いてさらに説明する。図3(A)は、第1画像形成ステーションPaの現像装置224aの拡大図、図3(B)は、第5画像形成ステーションPeの現像装置224eの拡大図である。
【0033】
第1画像形成ステーションPaの現像装置224aでは、図3(A)に示すように、現像剤容器11内のトナーとキャリアを含む現像剤が、現像を行う本体部12に供給され、本体部12には、現像剤排出シャッタ13が設けられている。現像剤排出シャッタ13を介して排出された現像剤は、図示省略の回収現像剤搬送装置により、ドラフト出力モード用の画像形成ステーションすなわち第5画像形成ステーションPeの現像装置224eに搬送される。なお、図示は省略するが、第2〜第4画像形成ステーションPb,Pc,Pdの現像装置224b,224c,224dの構造も同様である。
【0034】
一方、第5画像形成ステーションPeの現像装置224eは、第1画像形成ステーションPaの現像装置224aと同様に、図3(B)に示すように、現像剤容器21内のトナーとキャリアを含む現像剤が、現像を行う本体部22に供給され、本体部22には、現像剤排出シャッタ23が設けられている。
【0035】
ただし、第1画像形成ステーションPaの現像装置224aと異なり、現像剤容器21に現像剤補給口24が設けられており、第1〜第4画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdの現像装置224a,224b,224c,224dの現像剤排出シャッタを介して排出され上述の回収現像剤搬送装置により搬送された現像剤が現像剤補給口24を介して補給されるようになっている。また、第1画像形成ステーションPaの現像装置224aでは、現像剤排出シャッタ23から排出された現像剤は、図示しない現像剤廃棄ボックスに集められ廃棄されるようになっている。
【0036】
さらに、第5画像形成ステーションPeの現像装置224eは、本体部22内の現像剤が所定量に達したか否かを検出するための圧電センサ25を本体部22に有している。複合機1において、この圧電センサ25を用いて、ドラフト出力モード用の第5画像形成ステーションPeの現像装置224e内の現像剤が所定量に達したことが検出されたときにのみ、ドラフト出力モード(試し印刷モード)を選択できるようにするとよい。これにより、例えば、第5画像形成ステーションPeの現像装置224e内の現像剤の量が少なくドラフト出力モードでの画像形成が不可能なのにも関わらず、ドラフト出力モードが選択されてしまうことを防ぐことができる。
【0037】
以上の例では、第5画像形成ステーションPeの現像装置224eから排出された現像剤については廃棄するものとしたが、当該現像装置224eに回収するようにしてもよい。ただし、廃棄した方が、ドラフト出力モードでも高品質な画像が得られる。
なお、第1〜第5画像形成ステーションの現像装置の現像剤排出シャッタは、画像形成に支障がないときに開閉されることが好ましい。例えば、画像形成前後の複合機1が駆動している時などが良い。
また、一部または全部の画像形成ステーションのクリーニングユニット並びに/または転写ベルトクリーナユニットで回収したトナーを現像装置に搬送し、再利用するようにしてもよい。
【0038】
次に、上記のような構成の複合機1における処理の流れについて図4を用いて説明する。図4は、ユーザのモード指定に応じて、複合機1の制御部101により実行される動作制御について説明するフローチャートである。
【0039】
ユーザから印刷又は複写の指示があると、まず、制御部101は、ステップ1(以降、S1のように称する)において、ユーザによって指定されたモードが、ドラフト出力モードであるかどうかを判定する。S1においてNO、すなわち、通常出力モードがユーザによって指定された場合には、まず、S2において、接離機構を駆動させることによって、ドラフト出力モードに対応する感光体ドラム222eを転写ベルト214から離間させる。さらに、感光体ドラム222eの回転駆動をオフさせ、停止状態とする(S3)。併せて、感光体ドラム222eに対する帯電・現像動作等もオフさせる(S4)。
【0040】
そしてS5においてブラックK,シアンC,マゼンタM,イエローYの各色に対応する各感光体ドラム222a,222b,222c,222dを、転写ベルト214に接する通常位置に配置させる。さらに、S6において、各々の感光体ドラム222a,222b,222c,222dを回転駆動させる。その後、電子写真プロセスに従って、各々の感光体ドラム222a、222b、222c、222dに対して、対応する帯電・現像動作等を実行させる(S7)。そして、感光体ドラム222a,222b,222c,222d上に形成されたK,C,M,Yのトナー像を転写させて、用紙上に通常のカラー画像が形成される(S8)。
【0041】
一方、S1においてYES、すなわち、ドラフト出力モードが指定された場合には、まず、S9において、接離機構を駆動させることによって、K、C、M、Yの各色に対応する各感光体ドラム222a、222b、222c、222dを転写ベルト214から離間させる。さらに、これらの各感光体ドラム222a、222b、222c、222dの回転駆動をオフさせ、停止状態とする(S10)。併せて、これらの各感光体ドラム222a、222b、222c、222dに対する帯電・現像動作等もオフさせる(S11)。このような状態で、ドラフト出力モード用の感光体ドラム222eを、転写ベルト214に接する通常位置に配置させ(S12)、回転駆動させ(S13)、電子写真プロセスに従って、この感光体ドラム222eに対して帯電・現像動作等を実行させる(S14)。そして、感光体トラム222e上に形成された回収現像剤によるトナー像を転写させて、用紙上にドラフト出力画像が形成される(S15)。
【0042】
なお、以上の説明では、各画像形成ステーションで形成したトナー像を直接記録媒体に転写し画像を形成するとしたが、トナー像を一旦転写体に転写した後に当該転写体から記録媒体に再度転写して画像を形成してもよい。
【0043】
以上、本発明について、カラー画像形成装置をデジタルカラー複合機として構成した例で説明したが、本発明はこの構成に特に限定されるものではなく、原稿読み取りスキャナとデジタルカラープリンタの一体的な構成や、原稿読み取りスキャナとデジタルカラープリンタが夫々個別に独立して接続された構成であっても構わない。
転写機構に関しても、いわゆる二次転写装置が必要な中間転写機構を用いても構わないし、定着装置に至っては、外部加熱方式のIH方式を用いたものであっても構わない。
また、本発明は、以上の例のようなタンデム方式に限られるものではない。
【符号の説明】
【0044】
1…デジタル複合機、11…現像剤容器、12…本体部、13…現像剤排出シャッタ、21…現像剤容器、22…本体部、23…現像剤排出シャッタ、24…現像剤補給口、25…圧電センサ、101…制御部、102…操作部、102a…入力部、102b…表示部、103…NW通信部、104…モード判別部、110…画像読取部、111…原稿台、210…画像形成部、210a…現像剤回収部、211…用紙搬送機構、212…レジストローラ、213…転写搬送ベルトユニット、214…転写ベルト、215…転写ベルトクリーナユニット、216…給紙トレイ、217…排紙トレイ、218…定着ユニット、220…排紙トレイ、221…露光ユニット、222a〜222e…感光体ドラム、223a〜223e…帯電器、224a〜224e…現像装置、225…転写ローラ、226…クリーニングユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーとキャリアを含む現像剤が補給されると共に、画像情報に応じた感光体上の静電潜像に対して前記トナーを付着させてトナー像を形成する複数の現像装置を備え、該トナー像を記録媒体に直接又は転写体を経由して転写し画像形成するカラー画像形成装置であって、
前記現像装置から前記現像剤を回収して前記複数の現像装置の中の特定の1の現像装置に搬送する現像剤回収機構と、
ドラフト出力モードか通常出力モードかを判別するモード判別手段と、を備え、
前記ドラフト出力モードと判別したときは、前記特定の現像装置内の前記回収した現像剤を用いてドラフト出力モードの画像を形成し、
前記通常出力モードと判別したときは、前記特定の現像装置以外の現像装置内の現像剤を用いて通常出力モードの画像を形成することを特徴とするカラー画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のカラー画像形成装置において、前記現像剤回収機構は、前記特定の1の現像装置を除く前記現像装置から現像剤を回収することを特徴とするカラー画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−141458(P2011−141458A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2479(P2010−2479)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】