カラー画像解析装置
【課題】解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要がないカラー画像解析装置を提供する。
【解決手段】RGB抽出部231は、読取装置10によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出する。パラメータ記憶部241は、RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶している。スペクトル特性算出部242は、RGBデータと変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成する。パラメータ記憶部241が記憶している変換行列は、任意の複数のスペクトルデータから抽出した複数の抽出データ群を用いて生成した複数の変換行列から最も適した変換行列を選択したものである。
【解決手段】RGB抽出部231は、読取装置10によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出する。パラメータ記憶部241は、RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶している。スペクトル特性算出部242は、RGBデータと変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成する。パラメータ記憶部241が記憶している変換行列は、任意の複数のスペクトルデータから抽出した複数の抽出データ群を用いて生成した複数の変換行列から最も適した変換行列を選択したものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等により撮影された被写体の画像から色情報を抽出し、被写体のスペクトル特性を推定することにより、被写体の特性を解析するカラー画像解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等により撮影された被写体の画像から色情報を抽出し、被写体のスペクトル特性を推定することにより、被写体の特性を解析するカラー画像解析装置が知られている(特許文献1参照)。カラー画像解析装置は、印刷物の色調整、絵画等の分析、医療分野や美容分野における人間の肌の状態の分析等、種々の分野で用いられている。人間の皮膚の発色を構成する要因は皮膚に存在するメラニンや毛細血管内に存在するヘモグロビンによる光の反射特性等であり、メラニンやヘモグロビンを詳細に分析するためには、反射光のスペクトル特性を分析することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−174631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にカラー画像解析装置において、被写体である対象物のスペクトル特性を推定するためには、予め対象物に準じる多数のサンプルを測定して多数のスペクトルデータを保持しておくことが必要である。しかも、異なる対象物を被写体とするたびに、改めて多数のサンプルを測定しなければならない。多数のサンプルを確保することは容易ではなく、確保できても多数のサンプルを測定するためには工数が多くかかってしまう。適切なサンプルを準備できない場合には、RGB値とスペクトル特性との関係を精度よく関連付けることができないため、スペクトル特性を精度よく推定することができない。従って、対象物の解析の精度が低下してしまう。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑み、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要がなく、精度よく対象物のスペクトル特性を推定して対象物を解析することができるカラー画像解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、RGBそれぞれで波長に対する感度が所定の特性となっている分光感度を有する読取装置によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出するRGB抽出部(231)と、前記RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶するパラメータ記憶部(241)と、前記RGBデータと前記パラメータ記憶部に記憶された変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成するスペクトル特性算出部(242)とを備え、前記パラメータ記憶部は、前記被写体の代表的なスペクトルデータに対して前記代表的なスペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、前記被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成し、前記複数の抽出データ群のそれぞれを用いて複数の変換行列を生成し、前記複数の変換行列の中から、前記スペクトル特性算出部が前記RGBデータと前記代表的なスペクトルデータとに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列を選択することによって作成した変換行列を記憶していることを特徴とするカラー画像解析装置を提供する。
【0007】
上記の構成において、前記RGB抽出部は、前記読取装置において、RGBそれぞれ1バンドよりなる3バンドの第1の分光感度を異なる複数のフィルタによって分割し、3バンドを超えるバンド数の第2の分光感度によって読み取られた画像データからRGBデータを抽出し、前記パラメータ記憶部は、前記第2の分光感度を用いて計算した複数の変換行列の中から選択した変換行列を記憶していることが好ましい。
【0008】
上記の構成において、前記パラメータ記憶部は、前記代表的なスペクトルデータに基づいて算出したRGB値と前記複数の変換行列それぞれとを用いて複数のスペクトルデータを生成し、前記代表的なスペクトルデータと前記複数のスペクトルデータとの誤差量が最小の変換行列を選択することによって作成した変換行列を記憶していることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要がなく、精度よく対象物のスペクトル特性を推定して対象物を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のカラー画像解析装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】被写体のスペクトル画像を生成するための動作の流れを概念的に示すブロック図である。
【図3】図1中の読取装置10の分光感度特性の一例を示す図である。
【図4】図3に示す分光感度特性を2種類のフィルタによって分割した分光感度特性を示す図である。
【図5】任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群を示す図である。
【図6】被写体の代表的なスペクトルデータを示す図である。
【図7】図2中のスペクトルデータ群抽出部32の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】スペクトルデータ群抽出部32で用いるフィルタの分光感度特性を示す図である。
【図9】スペクトルデータ群抽出部32が抽出した抽出データ群の一例を示す図である。
【図10】図2中の変換行列生成部34で実行される複数の変換行列を生成する動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】変換行列生成部34で実行される最適な変換行列を選択する動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のカラー画像解析装置の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1において、本実施形態のカラー画像解析装置は、読取装置10と解析装置20とを備える。読取装置10は、被写体を撮影するデジタルカメラ11、デジタルカメラ11のレンズと被写体の間に配置された複数のフィルタを切り替えるフィルタ切替機構12、被写体を一様に照らす照明部13、読取装置10内の各部を制御する制御部14、解析装置20との間でデータをやり取りする通信部15、撮影した画像等を表示する表示部16を備える。
【0012】
解析装置20は、読取装置10との間でデータをやり取りする通信部21、スペクトル画像や画像の解析結果等を表示する表示部22、被写体の画像からスペクトル特性を推定するための色情報を抽出してスペクトル画像を生成するスペクトル画像生成部23、スペクトル画像生成部23が抽出した色情報からスペクトル特性を算出(推定)する解析部24を備える。スペクトル画像生成部23は、撮影された画像から色情報を抽出するRGB抽出部231と、解析部24で算出されたスペクトル特性からスペクトル画像を生成する画像生成部232とを備える。解析部24は、スペクトル特性を算出するために用いる計算用データを記憶するパラメータ記憶部241と、スペクトル画像生成部23が抽出した色情報からスペクトル特性を算出するスペクトル特性算出部242とを備える。
【0013】
図2は、図1に示す読取装置10及び解析装置20とで、被写体のスペクトル画像を生成するための動作の流れを概念的に示している。解析装置20内のパラメータ記憶部241には、変換行列作成装置30によって作成された変換行列が記憶される。変換行列は、スペクトル特性算出部242がスペクトル特性を算出するための計算用データである。
【0014】
後述するように、変換行列作成装置30内のスペクトルデータ群記憶部31とスペクトルデータ群抽出部32とによって、スペクトルデータ群から選択的にスペクトルデータを抽出して抽出データ群を作成する作成工程が実行される。変換行列生成部34によって変換行列生成工程が実行される。デジタルカメラ11とRGB抽出部231とスペクトル特性算出部242とによって、撮影された画像のスペクトル特性を算出するスペクトル特性算出工程が実行される。なお、本実施形態においては、被写体のスペクトル特性を、重回帰分析により算出する方法を用いる。
【0015】
まず、RGB抽出部231に入力される画像データについて説明する。図3は、デジタルカメラ11の分光感度特性の一例であり、波長に対する感度(相対値)の特性を示している。デジタルカメラ11の分光感度特性は、イメージセンサ、イメージセンサ上に光を集光するレンズ等の光学系、一部の波長域を制限するための光学フィルタ等の光学的特性を総合することによって決まる。図3に示すように、分光感度特性は、R,G,Bの各値を検出するための3つの分光感度を組み合わせることによって決まる。
【0016】
デジタルカメラ11のレンズと被写体の間に配置されたフィルタを例えば2枚の波長透過率の異なるくし型フィルタとし、2枚のくし型フィルタをフィルタ切替機構12によって切り替えることとする。すると、図3に示す3つのバンドからなる分光感度は、図4に示すように6つのバンドからなる分光感度となる。1枚目のくし型フィルタを用いて1回目の撮影を行うと、図4の内のR,G,Bの内の一方である3つのバンドからなる分光感度が得られ、2枚目のくし型フィルタを用いて2回目の撮影を行うと、図4の内のR,G,Bの内の他方である3つのバンドからなる分光感度が得られる。
【0017】
従って、RGB抽出部231に入力される画像データは、図4に示す6バンドの分光感度に対応した画像データとなる。
【0018】
次に、変換行列を作成するための変換行列作成装置30の構成及び動作について説明する。変換行列作成装置30は、まず、スペクトルデータ群から選択的にスペクトルデータを抽出して抽出データ群を作成する作成工程を実行する。図2において、スペクトルデータ群記憶部31は、カラー画像を解析する対象の被写体(対象物)と同一の被写体とは限らない任意のスペクトルデータを多数記憶している。図5は、スペクトルデータ記憶部31が記憶している多数のスペクトルデータの例を示している。カラー画像を解析する対象の被写体が仮に人の肌であっても、スペクトルデータ群記憶部31は、スペクトルデータ群として、人の肌に限らず、人以外の物体を含む任意の物体のスペクトルデータ群を記憶している。
【0019】
スペクトルデータ群記憶部31が記憶するスペクトルデータとしては、既存の汎用的に入手可能なスペクトルデータを用いることができる。従って、カラー画像を解析する対象の被写体が人の肌であったとしても、多数の人を集めて、人の肌のサンプルによってスペクトルデータ群を生成する必要はない。スペクトルデータ群記憶部31が記憶するスペクトルデータ群は例えば2000サンプルである。
【0020】
スペクトルデータ群抽出部32には、スペクトルデータ群記憶部31に記憶されているスペクトルデータ群と、被写体スペクトルデータ入力部33より入力された被写体のスペクトルデータとが入力される。被写体スペクトルデータ入力部33は、カラー画像を解析する対象の被写体または同等の代表的な被写体のスペクトルデータ(以下、代表的スペクトルデータと称する)を入力する。被写体を分光器によって計測することにより、一例として図6に示すような代表的スペクトルデータを生成することができる。被写体を人の肌とする場合、一般的な人を代表的な被写体として代表的スペクトルデータを計測すればよい。従って、スペクトルデータを計測するのは一人でよい。
【0021】
図7を用いてスペクトルデータ群抽出部32に動作について説明する。図7において、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS1にて、図6に示すような代表的スペクトルデータを取り込む。スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS2にて、入力された代表的スペクトルデータの特徴量Aを計算する。スペクトルデータ群抽出部32は、一例として次のように特徴量Aを計算する。スペクトルデータ群抽出部32は、図8に示すように、波長400nmから700nmを6つのバンドからなる計算上のフィルタを用いる。図8の例では、波長425nmを中心としたガウシアン特性のフィルタから中心を50nm間隔で増加させた6バンドのフィルタである。ここでは6バンドとしたが、バンド数は6に限定されない。
【0022】
図6の代表的スペクトルデータをPo(λ)とし、図8におけるそれぞれのバンドのフィルタの分光感度をt1(λ),t2(λ),t3(λ),t4(λ),t5(λ),t6(λ)とすると、6つのバンドそれぞれによる特徴量ε1〜ε6は式(1)で表される。特徴量ε1〜ε6が特徴量Aである。フィルタの特性を任意に設定することにより特徴量Aを任意に決定することが可能である。対象とするスペクトルデータに応じてスペクトルの波長に対する反射率の変化をよく示すようにフィルタの特性を設定すると効果的である。
【0023】
【数1】
【0024】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS3にて、条件設定係数を用いて特徴量Aに対する相違の程度の許容範囲である特徴量許容範囲ΔAを決定する。特徴量許容範囲ΔAは、特徴量ε1〜ε6それぞれに対して設定される。特徴量許容範囲ΔAは、特徴量ε1〜ε6に対して全て同じ値でもよいし、全て同じ値でなくてもよい。特徴量Aが大きいバンドの特徴量許容範囲ΔAを大きくしてもよく、特徴量許容範囲ΔAを適宜設定すればよい。
【0025】
一方、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS4にて、スペクトルデータ群記憶部31に記憶されているスペクトルデータ群を取り込む。スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS5にて、ステップS2で用いたフィルタと同じフィルタを用いて、スペクトルデータ群それぞれのスペクトルデータに対して、式(1)と同様に、特徴量Bを計算する。
【0026】
次に、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS6にて、特徴量Aに特徴量許容範囲ΔAを加えた特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがあるか否かを判定する。スペクトルデータ群抽出部32は、特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがある場合(YES)、ステップS7にて、特徴量Bが特徴量(A+ΔA)の範囲内にあるスペクトルデータを抽出して第nの抽出データ群を生成する。最初にスペクトルデータを抽出する場合、nは1であり、第1の抽出データ群となる。なお、抽出データ群のスペクトルデータの数は、数十から2,3百程度となる。
【0027】
ステップS6にて特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがない場合には(NO)、スペクトルデータ群抽出部32は処理をステップS8に移行させる。
【0028】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS8にて、スペクトルデータ群における全てのスペクトルデータに対してステップS6,S7の処理を行って、全てのスペクトルデータを確認したか否か判定する。全てのスペクトルデータを確認していなければ(NO)、ステップS5に戻る。全てのスペクトルデータを確認したら(YES)、スペクトルデータ群抽出部32は、処理をステップS9に移行させる。
【0029】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS9にて、nが所定の抽出データ群数Nに達したか否か判定する。nが所定の抽出データ群数Nに達していなければ(NO)、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS10にて、条件設定係数を変更して、処理をステップS3に戻す。スペクトルデータ群抽出部32は、新たな条件設定係数を用いて新たな特徴量許容範囲ΔAを決定する。そして、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS6〜S10及びS3の処理を繰り返す。ステップS9にてnが所定の抽出データ群数Nに達したら(YES)、処理を終了する。
【0030】
このように、スペクトルデータ群抽出部32は、代表的スペクトルデータに対して代表的スペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる1または複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成している。
【0031】
図9は、図7に示す処理で抽出された1つの抽出データ群を示している。スペクトルデータ群抽出部32は、条件設定係数を変更することによって、図9に示すような抽出データ群を所定の数N抽出する。Nは複数であり、例えば20である。上記のように、1つの抽出データ群のスペクトルデータの数は数十から2,3百程度であり、数十から2,3百程度の抽出データ群を20程度生成することになる。特徴量許容範囲ΔAの程度によっては、抽出データ群に含まれるスペクトルデータの数は、図9に示す抽出データ群に含まれるスペクトルデータの数よりも少なくなったり、多くなったりする。
【0032】
スペクトルデータ群抽出部32は図8に示す特性の分光感度を有するフィルタを用いたが、図4に示す特性の分光感度を有するフィルタを用いてもよい。
【0033】
図2に戻り、変換行列生成部34には、スペクトルデータ群抽出部32で抽出されたN個の抽出データ群よりなるスペクトルデータと、被写体スペクトルデータ入力部33より入力された代表的スペクトルデータとが入力される。変換行列生成部34は、N個それぞれの抽出データ群を用いてN個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列を生成する。変換行列生成部34は、N個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列の中から最適な変換行列を1つ選択する。
【0034】
図10のフローチャートを用いて、変換行列生成部34において実行される変換行列生成工程について説明する。変換行列生成部34では、変換行列を生成する際に、抽出データ群におけるそれぞれのサンプルのスペクトルデータPi(λ)と、光源である照明部13の放射スペクトルE(λ)と、読取装置10のR,G,Bの分光感度とを用いる。読取装置10のR,G,Bの分光感度は、図4で示した通りである。変換行列生成部34は、読取装置10の分光感度特性と同じまたは同等の分光感度を用いて変換行列を生成することによって、読取装置10で読み取った画像データのスペクトル特性を精度よく算出することが可能となる。
【0035】
1枚目のくし型フィルタを用いて1回目の撮影を行った場合の、図4におけるR,G,Bそれぞれ一対のバンドの内、一方の3つのバンドからなる分光感度をSr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)とする。2枚目のくし型フィルタを用いて2回目の撮影を行った場合の、図4におけるR,G,Bそれぞれ一対のバンドの内、他方の3つのバンドからなる分光感度をSr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)とする。
【0036】
変換行列生成部34では、読取装置10のR,G,Bの分光感度に相当する分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)及びSr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いる。
【0037】
図10において、変換行列生成部34は、ステップS11にて、N個の抽出データ群の中から1つの抽出データ群を取り込む。変換行列生成部34は、ステップS12にて、次の式(2)を用いて抽出データ群それぞれのサンプルのRGB値を算出する。計算上のRGB値を(νr,νg,νb)とし、分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)を用いた場合のRGB値を(νr1,νg1,νb1)、分光感度Sr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いた場合のRGB値を(νr2,νg2,νb2)とする。
【0038】
【数2】
【0039】
変換行列生成部34は、ステップS13にて、抽出データ群それぞれのサンプルのスペクトル特性における波長ごとの反射率を目的変数とし、ステップS12で算出したRGB値を説明変数として、変換行列を生成する。スペクトル特性を算出するための変換行列を予め準備しておく必要がある。そこで、変換行列作成装置30において変換行列を作成し、パラメータ記憶部241に記憶しておく。変換行列は重回帰分析によって計算された偏回帰係数で構成される。
【0040】
重回帰式は、2つ以上の説明変数x1,x2,…によって目的変数yを表す方程式であり、式(3)のように表される。a,b,c,…を偏回帰係数と呼ぶ。
y=a+bx1+cx2+… (3)
【0041】
例えば、可視光帯における波長400nm,405nm,410nm,…のように複数の波長のそれぞれについて、各サンプルの反射率を目的変数とし、RGB値を説明変数として重回帰式を求める。反射率をr、1枚目のくし型フィルタによって得られたRGB値をR1,G1,B1、2枚目のくし型フィルタによって得られたRGB値をR2,G2,B2とすると、重回帰式はそれぞれの波長に対して式(4)のように求められる。重回帰式を求める計算方法については公知であるため説明を省略する。
r=a+bR1+cG1+dB1+eR2+fG2+gB2… (4)
【0042】
例えば、波長400nmに対して、偏回帰係数a400,b400,c400,d400,e400,f400,g400が得られる。波長405nmに対して、偏回帰係数a405,b405,c405,d405,e405,f405,g405が得られる。波長410nmに対して、偏回帰係数a410,b410,c410,d410,e410,f410,g410が得られる。以下、同様にして、それぞれの波長に対して、偏回帰係数が得られる。それぞれの波長の偏回帰係数の全体が1個の変換行列となる。
【0043】
図10において、変換行列生成部34は、ステップS14にて、N個の抽出データ群の全てに対して、変換行列を生成したか否かを判定し、全てに対して変換行列を生成していなければ(NO)、ステップS11に戻ってステップS11〜S13を繰り返し、全てに対して変換行列を生成していれば終了する。
【0044】
図3に示す分光感度を図4に示すようにバンド数を増加させているのは、バンド数が多い方が偏回帰係数を求める際の説明変数を増やすことができ、変換行列の計算精度を上げることができるからである。よって、分光感度のバンド数を増加させることが好ましい。
【0045】
次に、図11のフローチャートを用いて、変換行列生成部34において実行されるN個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列の中から最適な変換行列を1つ選択する変換行列選択工程について説明する。図11において、変換行列生成部34は、ステップS21にて、図6に示す代表的スペクトルデータを取り込む。代表的スペクトルデータを代表的スペクトルデータαとする。変換行列生成部34は、ステップS22にて、次の式(5)を用いて代表的スペクトルデータαのRGB値を算出する。ここでも、分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)を用いた場合のRGB値を(νr1,νg1,νb1)、分光感度Sr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いた場合のRGB値を(νr2,νg2,νb2)とする。
【0046】
【数3】
【0047】
変換行列生成部34は、ステップS23にて、ステップS22で算出したRGB値とN個の変換行列における1つの変換行列とを用いてスペクトルデータを生成する。上記のように、変換行列は、所定のステップごとの波長における反射率を計算するための偏回帰係数であるので、それぞれの波長における反射率を集計することによってスペクトルデータを生成することが可能である。ステップS23で生成するスペクトルデータをスペクトルデータβとする。
【0048】
変換行列生成部34は、ステップS24にて、スペクトルデータαとスペクトルデータβとの誤差量を算出する。誤差量は、複数の波長におけるスペクトルデータα,βの反射率の差の二乗和平均値や、スペクトルデータα,βの相関を調べた相関係数等を用いればよい。変換行列生成部34は、ステップS25にて、N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成したか否かを判定する。N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成していなければ(NO)、変換行列生成部34は、処理をステップS23に戻し、N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成していれば(YES)、処理をステップS26に移行させる。
【0049】
変換行列生成部34は、ステップS26にて、ステップS24で算出した誤差量を比較して、誤差量が最小となる変換行列を選択して終了する。誤差量が最小の変換行列は、スペクトル特性算出部242がRGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列であるということである。
【0050】
図2に戻り、以上のように生成された変換行列は、パラメータ記憶部241に記憶される。パラメータ記憶部241に記憶された変換行列は、スペクトル特性算出部242において、被写体のRGBデータよりスペクトル特性を算出してスペクトルデータを生成する際に用いられる。
【0051】
図2において、デジタルカメラ11より出力された画像データは、RGB抽出部231に入力される。RGB抽出部231に入力される画像データは、図4に示す分光感度特性に基づいている。RGB抽出部231はR,G,Bそれぞれの画素データを抽出してRGBデータとして出力する。スペクトル特性算出部242は、入力されたRGBデータと変換行列とを用いて画素ごとにスペクトル特性を算出する。スペクトル特性算出部242は、画素ごとに算出したスペクトル特性に基づいてスペクトルデータを生成して、画像生成部232に供給する。画像生成部232は、入力されたスペクトルデータに基づいて、被写体の波長と反射率とのスペクトル特性を示す画像データを生成する。画像データは図1の表示部22に表示される。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、カラー画像を解析する対象の被写体と同一の被写体とは限らない任意の複数のスペクトルデータを用いるので、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要はない。多数のサンプルを確保する必要がないので、工数を大幅に削減することが可能となる。しかも、任意の複数のスペクトルデータをそのまま用いるのではなく、解析しようとする対象物を示す代表的なスペクトルデータを基準として選択したスペクトルデータを用いるので、スペクトル特性の算出精度を向上させることができる。解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定したスペクトルデータを用いる場合と比較しても遜色ない精度とすることができる。
【0053】
スペクトルデータ群記憶部31に記憶するスペクトルデータは、多種多様のスペクトルデータであるほど代表的なスペクトルデータに近いスペクトルデータ群を抽出することが可能となる。そこで、分光器を用いて新しくスペクトルデータを測定した場合には、スペクトルデータ群記憶部31に随時追加していくことが好ましい。
【0054】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図1,図2では本実施形態をハードウェアで構成されように示したが、ソフトウェア(コンピュータプログラム)によって構成することもできる。ハードウェアとソフトウェアとを混在させてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。
【符号の説明】
【0055】
10 読取装置
11 デジタルカメラ
12 フィルタ切替機構
13 照明部
14 制御部
15,21 通信部
16,22 表示部
20 解析装置
23 スペクトル画像生成部
24 解析部
231 RGB抽出部
232 画像生成部
241 パラメータ記憶部
242 スペクトル特性算出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等により撮影された被写体の画像から色情報を抽出し、被写体のスペクトル特性を推定することにより、被写体の特性を解析するカラー画像解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等により撮影された被写体の画像から色情報を抽出し、被写体のスペクトル特性を推定することにより、被写体の特性を解析するカラー画像解析装置が知られている(特許文献1参照)。カラー画像解析装置は、印刷物の色調整、絵画等の分析、医療分野や美容分野における人間の肌の状態の分析等、種々の分野で用いられている。人間の皮膚の発色を構成する要因は皮膚に存在するメラニンや毛細血管内に存在するヘモグロビンによる光の反射特性等であり、メラニンやヘモグロビンを詳細に分析するためには、反射光のスペクトル特性を分析することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−174631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的にカラー画像解析装置において、被写体である対象物のスペクトル特性を推定するためには、予め対象物に準じる多数のサンプルを測定して多数のスペクトルデータを保持しておくことが必要である。しかも、異なる対象物を被写体とするたびに、改めて多数のサンプルを測定しなければならない。多数のサンプルを確保することは容易ではなく、確保できても多数のサンプルを測定するためには工数が多くかかってしまう。適切なサンプルを準備できない場合には、RGB値とスペクトル特性との関係を精度よく関連付けることができないため、スペクトル特性を精度よく推定することができない。従って、対象物の解析の精度が低下してしまう。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑み、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要がなく、精度よく対象物のスペクトル特性を推定して対象物を解析することができるカラー画像解析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、RGBそれぞれで波長に対する感度が所定の特性となっている分光感度を有する読取装置によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出するRGB抽出部(231)と、前記RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶するパラメータ記憶部(241)と、前記RGBデータと前記パラメータ記憶部に記憶された変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成するスペクトル特性算出部(242)とを備え、前記パラメータ記憶部は、前記被写体の代表的なスペクトルデータに対して前記代表的なスペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、前記被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成し、前記複数の抽出データ群のそれぞれを用いて複数の変換行列を生成し、前記複数の変換行列の中から、前記スペクトル特性算出部が前記RGBデータと前記代表的なスペクトルデータとに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列を選択することによって作成した変換行列を記憶していることを特徴とするカラー画像解析装置を提供する。
【0007】
上記の構成において、前記RGB抽出部は、前記読取装置において、RGBそれぞれ1バンドよりなる3バンドの第1の分光感度を異なる複数のフィルタによって分割し、3バンドを超えるバンド数の第2の分光感度によって読み取られた画像データからRGBデータを抽出し、前記パラメータ記憶部は、前記第2の分光感度を用いて計算した複数の変換行列の中から選択した変換行列を記憶していることが好ましい。
【0008】
上記の構成において、前記パラメータ記憶部は、前記代表的なスペクトルデータに基づいて算出したRGB値と前記複数の変換行列それぞれとを用いて複数のスペクトルデータを生成し、前記代表的なスペクトルデータと前記複数のスペクトルデータとの誤差量が最小の変換行列を選択することによって作成した変換行列を記憶していることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要がなく、精度よく対象物のスペクトル特性を推定して対象物を解析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のカラー画像解析装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】被写体のスペクトル画像を生成するための動作の流れを概念的に示すブロック図である。
【図3】図1中の読取装置10の分光感度特性の一例を示す図である。
【図4】図3に示す分光感度特性を2種類のフィルタによって分割した分光感度特性を示す図である。
【図5】任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群を示す図である。
【図6】被写体の代表的なスペクトルデータを示す図である。
【図7】図2中のスペクトルデータ群抽出部32の動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】スペクトルデータ群抽出部32で用いるフィルタの分光感度特性を示す図である。
【図9】スペクトルデータ群抽出部32が抽出した抽出データ群の一例を示す図である。
【図10】図2中の変換行列生成部34で実行される複数の変換行列を生成する動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】変換行列生成部34で実行される最適な変換行列を選択する動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のカラー画像解析装置の一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1において、本実施形態のカラー画像解析装置は、読取装置10と解析装置20とを備える。読取装置10は、被写体を撮影するデジタルカメラ11、デジタルカメラ11のレンズと被写体の間に配置された複数のフィルタを切り替えるフィルタ切替機構12、被写体を一様に照らす照明部13、読取装置10内の各部を制御する制御部14、解析装置20との間でデータをやり取りする通信部15、撮影した画像等を表示する表示部16を備える。
【0012】
解析装置20は、読取装置10との間でデータをやり取りする通信部21、スペクトル画像や画像の解析結果等を表示する表示部22、被写体の画像からスペクトル特性を推定するための色情報を抽出してスペクトル画像を生成するスペクトル画像生成部23、スペクトル画像生成部23が抽出した色情報からスペクトル特性を算出(推定)する解析部24を備える。スペクトル画像生成部23は、撮影された画像から色情報を抽出するRGB抽出部231と、解析部24で算出されたスペクトル特性からスペクトル画像を生成する画像生成部232とを備える。解析部24は、スペクトル特性を算出するために用いる計算用データを記憶するパラメータ記憶部241と、スペクトル画像生成部23が抽出した色情報からスペクトル特性を算出するスペクトル特性算出部242とを備える。
【0013】
図2は、図1に示す読取装置10及び解析装置20とで、被写体のスペクトル画像を生成するための動作の流れを概念的に示している。解析装置20内のパラメータ記憶部241には、変換行列作成装置30によって作成された変換行列が記憶される。変換行列は、スペクトル特性算出部242がスペクトル特性を算出するための計算用データである。
【0014】
後述するように、変換行列作成装置30内のスペクトルデータ群記憶部31とスペクトルデータ群抽出部32とによって、スペクトルデータ群から選択的にスペクトルデータを抽出して抽出データ群を作成する作成工程が実行される。変換行列生成部34によって変換行列生成工程が実行される。デジタルカメラ11とRGB抽出部231とスペクトル特性算出部242とによって、撮影された画像のスペクトル特性を算出するスペクトル特性算出工程が実行される。なお、本実施形態においては、被写体のスペクトル特性を、重回帰分析により算出する方法を用いる。
【0015】
まず、RGB抽出部231に入力される画像データについて説明する。図3は、デジタルカメラ11の分光感度特性の一例であり、波長に対する感度(相対値)の特性を示している。デジタルカメラ11の分光感度特性は、イメージセンサ、イメージセンサ上に光を集光するレンズ等の光学系、一部の波長域を制限するための光学フィルタ等の光学的特性を総合することによって決まる。図3に示すように、分光感度特性は、R,G,Bの各値を検出するための3つの分光感度を組み合わせることによって決まる。
【0016】
デジタルカメラ11のレンズと被写体の間に配置されたフィルタを例えば2枚の波長透過率の異なるくし型フィルタとし、2枚のくし型フィルタをフィルタ切替機構12によって切り替えることとする。すると、図3に示す3つのバンドからなる分光感度は、図4に示すように6つのバンドからなる分光感度となる。1枚目のくし型フィルタを用いて1回目の撮影を行うと、図4の内のR,G,Bの内の一方である3つのバンドからなる分光感度が得られ、2枚目のくし型フィルタを用いて2回目の撮影を行うと、図4の内のR,G,Bの内の他方である3つのバンドからなる分光感度が得られる。
【0017】
従って、RGB抽出部231に入力される画像データは、図4に示す6バンドの分光感度に対応した画像データとなる。
【0018】
次に、変換行列を作成するための変換行列作成装置30の構成及び動作について説明する。変換行列作成装置30は、まず、スペクトルデータ群から選択的にスペクトルデータを抽出して抽出データ群を作成する作成工程を実行する。図2において、スペクトルデータ群記憶部31は、カラー画像を解析する対象の被写体(対象物)と同一の被写体とは限らない任意のスペクトルデータを多数記憶している。図5は、スペクトルデータ記憶部31が記憶している多数のスペクトルデータの例を示している。カラー画像を解析する対象の被写体が仮に人の肌であっても、スペクトルデータ群記憶部31は、スペクトルデータ群として、人の肌に限らず、人以外の物体を含む任意の物体のスペクトルデータ群を記憶している。
【0019】
スペクトルデータ群記憶部31が記憶するスペクトルデータとしては、既存の汎用的に入手可能なスペクトルデータを用いることができる。従って、カラー画像を解析する対象の被写体が人の肌であったとしても、多数の人を集めて、人の肌のサンプルによってスペクトルデータ群を生成する必要はない。スペクトルデータ群記憶部31が記憶するスペクトルデータ群は例えば2000サンプルである。
【0020】
スペクトルデータ群抽出部32には、スペクトルデータ群記憶部31に記憶されているスペクトルデータ群と、被写体スペクトルデータ入力部33より入力された被写体のスペクトルデータとが入力される。被写体スペクトルデータ入力部33は、カラー画像を解析する対象の被写体または同等の代表的な被写体のスペクトルデータ(以下、代表的スペクトルデータと称する)を入力する。被写体を分光器によって計測することにより、一例として図6に示すような代表的スペクトルデータを生成することができる。被写体を人の肌とする場合、一般的な人を代表的な被写体として代表的スペクトルデータを計測すればよい。従って、スペクトルデータを計測するのは一人でよい。
【0021】
図7を用いてスペクトルデータ群抽出部32に動作について説明する。図7において、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS1にて、図6に示すような代表的スペクトルデータを取り込む。スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS2にて、入力された代表的スペクトルデータの特徴量Aを計算する。スペクトルデータ群抽出部32は、一例として次のように特徴量Aを計算する。スペクトルデータ群抽出部32は、図8に示すように、波長400nmから700nmを6つのバンドからなる計算上のフィルタを用いる。図8の例では、波長425nmを中心としたガウシアン特性のフィルタから中心を50nm間隔で増加させた6バンドのフィルタである。ここでは6バンドとしたが、バンド数は6に限定されない。
【0022】
図6の代表的スペクトルデータをPo(λ)とし、図8におけるそれぞれのバンドのフィルタの分光感度をt1(λ),t2(λ),t3(λ),t4(λ),t5(λ),t6(λ)とすると、6つのバンドそれぞれによる特徴量ε1〜ε6は式(1)で表される。特徴量ε1〜ε6が特徴量Aである。フィルタの特性を任意に設定することにより特徴量Aを任意に決定することが可能である。対象とするスペクトルデータに応じてスペクトルの波長に対する反射率の変化をよく示すようにフィルタの特性を設定すると効果的である。
【0023】
【数1】
【0024】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS3にて、条件設定係数を用いて特徴量Aに対する相違の程度の許容範囲である特徴量許容範囲ΔAを決定する。特徴量許容範囲ΔAは、特徴量ε1〜ε6それぞれに対して設定される。特徴量許容範囲ΔAは、特徴量ε1〜ε6に対して全て同じ値でもよいし、全て同じ値でなくてもよい。特徴量Aが大きいバンドの特徴量許容範囲ΔAを大きくしてもよく、特徴量許容範囲ΔAを適宜設定すればよい。
【0025】
一方、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS4にて、スペクトルデータ群記憶部31に記憶されているスペクトルデータ群を取り込む。スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS5にて、ステップS2で用いたフィルタと同じフィルタを用いて、スペクトルデータ群それぞれのスペクトルデータに対して、式(1)と同様に、特徴量Bを計算する。
【0026】
次に、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS6にて、特徴量Aに特徴量許容範囲ΔAを加えた特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがあるか否かを判定する。スペクトルデータ群抽出部32は、特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがある場合(YES)、ステップS7にて、特徴量Bが特徴量(A+ΔA)の範囲内にあるスペクトルデータを抽出して第nの抽出データ群を生成する。最初にスペクトルデータを抽出する場合、nは1であり、第1の抽出データ群となる。なお、抽出データ群のスペクトルデータの数は、数十から2,3百程度となる。
【0027】
ステップS6にて特徴量(A+ΔA)の範囲に特徴量Bがない場合には(NO)、スペクトルデータ群抽出部32は処理をステップS8に移行させる。
【0028】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS8にて、スペクトルデータ群における全てのスペクトルデータに対してステップS6,S7の処理を行って、全てのスペクトルデータを確認したか否か判定する。全てのスペクトルデータを確認していなければ(NO)、ステップS5に戻る。全てのスペクトルデータを確認したら(YES)、スペクトルデータ群抽出部32は、処理をステップS9に移行させる。
【0029】
スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS9にて、nが所定の抽出データ群数Nに達したか否か判定する。nが所定の抽出データ群数Nに達していなければ(NO)、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS10にて、条件設定係数を変更して、処理をステップS3に戻す。スペクトルデータ群抽出部32は、新たな条件設定係数を用いて新たな特徴量許容範囲ΔAを決定する。そして、スペクトルデータ群抽出部32は、ステップS6〜S10及びS3の処理を繰り返す。ステップS9にてnが所定の抽出データ群数Nに達したら(YES)、処理を終了する。
【0030】
このように、スペクトルデータ群抽出部32は、代表的スペクトルデータに対して代表的スペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる1または複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成している。
【0031】
図9は、図7に示す処理で抽出された1つの抽出データ群を示している。スペクトルデータ群抽出部32は、条件設定係数を変更することによって、図9に示すような抽出データ群を所定の数N抽出する。Nは複数であり、例えば20である。上記のように、1つの抽出データ群のスペクトルデータの数は数十から2,3百程度であり、数十から2,3百程度の抽出データ群を20程度生成することになる。特徴量許容範囲ΔAの程度によっては、抽出データ群に含まれるスペクトルデータの数は、図9に示す抽出データ群に含まれるスペクトルデータの数よりも少なくなったり、多くなったりする。
【0032】
スペクトルデータ群抽出部32は図8に示す特性の分光感度を有するフィルタを用いたが、図4に示す特性の分光感度を有するフィルタを用いてもよい。
【0033】
図2に戻り、変換行列生成部34には、スペクトルデータ群抽出部32で抽出されたN個の抽出データ群よりなるスペクトルデータと、被写体スペクトルデータ入力部33より入力された代表的スペクトルデータとが入力される。変換行列生成部34は、N個それぞれの抽出データ群を用いてN個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列を生成する。変換行列生成部34は、N個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列の中から最適な変換行列を1つ選択する。
【0034】
図10のフローチャートを用いて、変換行列生成部34において実行される変換行列生成工程について説明する。変換行列生成部34では、変換行列を生成する際に、抽出データ群におけるそれぞれのサンプルのスペクトルデータPi(λ)と、光源である照明部13の放射スペクトルE(λ)と、読取装置10のR,G,Bの分光感度とを用いる。読取装置10のR,G,Bの分光感度は、図4で示した通りである。変換行列生成部34は、読取装置10の分光感度特性と同じまたは同等の分光感度を用いて変換行列を生成することによって、読取装置10で読み取った画像データのスペクトル特性を精度よく算出することが可能となる。
【0035】
1枚目のくし型フィルタを用いて1回目の撮影を行った場合の、図4におけるR,G,Bそれぞれ一対のバンドの内、一方の3つのバンドからなる分光感度をSr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)とする。2枚目のくし型フィルタを用いて2回目の撮影を行った場合の、図4におけるR,G,Bそれぞれ一対のバンドの内、他方の3つのバンドからなる分光感度をSr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)とする。
【0036】
変換行列生成部34では、読取装置10のR,G,Bの分光感度に相当する分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)及びSr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いる。
【0037】
図10において、変換行列生成部34は、ステップS11にて、N個の抽出データ群の中から1つの抽出データ群を取り込む。変換行列生成部34は、ステップS12にて、次の式(2)を用いて抽出データ群それぞれのサンプルのRGB値を算出する。計算上のRGB値を(νr,νg,νb)とし、分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)を用いた場合のRGB値を(νr1,νg1,νb1)、分光感度Sr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いた場合のRGB値を(νr2,νg2,νb2)とする。
【0038】
【数2】
【0039】
変換行列生成部34は、ステップS13にて、抽出データ群それぞれのサンプルのスペクトル特性における波長ごとの反射率を目的変数とし、ステップS12で算出したRGB値を説明変数として、変換行列を生成する。スペクトル特性を算出するための変換行列を予め準備しておく必要がある。そこで、変換行列作成装置30において変換行列を作成し、パラメータ記憶部241に記憶しておく。変換行列は重回帰分析によって計算された偏回帰係数で構成される。
【0040】
重回帰式は、2つ以上の説明変数x1,x2,…によって目的変数yを表す方程式であり、式(3)のように表される。a,b,c,…を偏回帰係数と呼ぶ。
y=a+bx1+cx2+… (3)
【0041】
例えば、可視光帯における波長400nm,405nm,410nm,…のように複数の波長のそれぞれについて、各サンプルの反射率を目的変数とし、RGB値を説明変数として重回帰式を求める。反射率をr、1枚目のくし型フィルタによって得られたRGB値をR1,G1,B1、2枚目のくし型フィルタによって得られたRGB値をR2,G2,B2とすると、重回帰式はそれぞれの波長に対して式(4)のように求められる。重回帰式を求める計算方法については公知であるため説明を省略する。
r=a+bR1+cG1+dB1+eR2+fG2+gB2… (4)
【0042】
例えば、波長400nmに対して、偏回帰係数a400,b400,c400,d400,e400,f400,g400が得られる。波長405nmに対して、偏回帰係数a405,b405,c405,d405,e405,f405,g405が得られる。波長410nmに対して、偏回帰係数a410,b410,c410,d410,e410,f410,g410が得られる。以下、同様にして、それぞれの波長に対して、偏回帰係数が得られる。それぞれの波長の偏回帰係数の全体が1個の変換行列となる。
【0043】
図10において、変換行列生成部34は、ステップS14にて、N個の抽出データ群の全てに対して、変換行列を生成したか否かを判定し、全てに対して変換行列を生成していなければ(NO)、ステップS11に戻ってステップS11〜S13を繰り返し、全てに対して変換行列を生成していれば終了する。
【0044】
図3に示す分光感度を図4に示すようにバンド数を増加させているのは、バンド数が多い方が偏回帰係数を求める際の説明変数を増やすことができ、変換行列の計算精度を上げることができるからである。よって、分光感度のバンド数を増加させることが好ましい。
【0045】
次に、図11のフローチャートを用いて、変換行列生成部34において実行されるN個の抽出データ群それぞれに対するN個の変換行列の中から最適な変換行列を1つ選択する変換行列選択工程について説明する。図11において、変換行列生成部34は、ステップS21にて、図6に示す代表的スペクトルデータを取り込む。代表的スペクトルデータを代表的スペクトルデータαとする。変換行列生成部34は、ステップS22にて、次の式(5)を用いて代表的スペクトルデータαのRGB値を算出する。ここでも、分光感度Sr1(λ),Sg1(λ),Sgb1(λ)を用いた場合のRGB値を(νr1,νg1,νb1)、分光感度Sr2(λ),Sg2(λ),Sgb2(λ)を用いた場合のRGB値を(νr2,νg2,νb2)とする。
【0046】
【数3】
【0047】
変換行列生成部34は、ステップS23にて、ステップS22で算出したRGB値とN個の変換行列における1つの変換行列とを用いてスペクトルデータを生成する。上記のように、変換行列は、所定のステップごとの波長における反射率を計算するための偏回帰係数であるので、それぞれの波長における反射率を集計することによってスペクトルデータを生成することが可能である。ステップS23で生成するスペクトルデータをスペクトルデータβとする。
【0048】
変換行列生成部34は、ステップS24にて、スペクトルデータαとスペクトルデータβとの誤差量を算出する。誤差量は、複数の波長におけるスペクトルデータα,βの反射率の差の二乗和平均値や、スペクトルデータα,βの相関を調べた相関係数等を用いればよい。変換行列生成部34は、ステップS25にて、N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成したか否かを判定する。N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成していなければ(NO)、変換行列生成部34は、処理をステップS23に戻し、N個全ての変換行列を用いてスペクトルデータβを生成していれば(YES)、処理をステップS26に移行させる。
【0049】
変換行列生成部34は、ステップS26にて、ステップS24で算出した誤差量を比較して、誤差量が最小となる変換行列を選択して終了する。誤差量が最小の変換行列は、スペクトル特性算出部242がRGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列であるということである。
【0050】
図2に戻り、以上のように生成された変換行列は、パラメータ記憶部241に記憶される。パラメータ記憶部241に記憶された変換行列は、スペクトル特性算出部242において、被写体のRGBデータよりスペクトル特性を算出してスペクトルデータを生成する際に用いられる。
【0051】
図2において、デジタルカメラ11より出力された画像データは、RGB抽出部231に入力される。RGB抽出部231に入力される画像データは、図4に示す分光感度特性に基づいている。RGB抽出部231はR,G,Bそれぞれの画素データを抽出してRGBデータとして出力する。スペクトル特性算出部242は、入力されたRGBデータと変換行列とを用いて画素ごとにスペクトル特性を算出する。スペクトル特性算出部242は、画素ごとに算出したスペクトル特性に基づいてスペクトルデータを生成して、画像生成部232に供給する。画像生成部232は、入力されたスペクトルデータに基づいて、被写体の波長と反射率とのスペクトル特性を示す画像データを生成する。画像データは図1の表示部22に表示される。
【0052】
以上のように、本実施形態によれば、カラー画像を解析する対象の被写体と同一の被写体とは限らない任意の複数のスペクトルデータを用いるので、解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定した多数のスペクトルデータを用いる必要はない。多数のサンプルを確保する必要がないので、工数を大幅に削減することが可能となる。しかも、任意の複数のスペクトルデータをそのまま用いるのではなく、解析しようとする対象物を示す代表的なスペクトルデータを基準として選択したスペクトルデータを用いるので、スペクトル特性の算出精度を向上させることができる。解析しようとする対象物に準じる多数のサンプルを測定したスペクトルデータを用いる場合と比較しても遜色ない精度とすることができる。
【0053】
スペクトルデータ群記憶部31に記憶するスペクトルデータは、多種多様のスペクトルデータであるほど代表的なスペクトルデータに近いスペクトルデータ群を抽出することが可能となる。そこで、分光器を用いて新しくスペクトルデータを測定した場合には、スペクトルデータ群記憶部31に随時追加していくことが好ましい。
【0054】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。図1,図2では本実施形態をハードウェアで構成されように示したが、ソフトウェア(コンピュータプログラム)によって構成することもできる。ハードウェアとソフトウェアとを混在させてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの使い分けは任意である。
【符号の説明】
【0055】
10 読取装置
11 デジタルカメラ
12 フィルタ切替機構
13 照明部
14 制御部
15,21 通信部
16,22 表示部
20 解析装置
23 スペクトル画像生成部
24 解析部
231 RGB抽出部
232 画像生成部
241 パラメータ記憶部
242 スペクトル特性算出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RGBそれぞれで波長に対する感度が所定の特性となっている分光感度を有する読取装置によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出するRGB抽出部と、
前記RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶するパラメータ記憶部と、
前記RGBデータと前記パラメータ記憶部に記憶された変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成するスペクトル特性算出部と、
を備え、
前記パラメータ記憶部は、
前記被写体の代表的なスペクトルデータに対して前記代表的なスペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、前記被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成し、
前記複数の抽出データ群のそれぞれを用いて複数の変換行列を生成し、
前記複数の変換行列の中から、前記スペクトル特性算出部が前記RGBデータと前記代表的なスペクトルデータとに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列を選択する
ことによって作成した変換行列を記憶している
ことを特徴とするカラー画像解析装置。
【請求項2】
前記RGB抽出部は、前記読取装置において、RGBそれぞれ1バンドよりなる3バンドの第1の分光感度を異なる複数のフィルタによって分割し、3バンドを超えるバンド数の第2の分光感度によって読み取られた画像データからRGBデータを抽出し、
前記パラメータ記憶部は、
前記第2の分光感度を用いて計算した複数の変換行列の中から選択した変換行列を記憶している
ことを特徴とする請求項1記載のカラー画像解析装置。
【請求項3】
前記パラメータ記憶部は、
前記代表的なスペクトルデータに基づいて算出したRGB値と前記複数の変換行列それぞれとを用いて複数のスペクトルデータを生成し、
前記代表的なスペクトルデータと前記複数のスペクトルデータとの誤差量が最小の変換行列を選択する
ことによって作成した変換行列を記憶している
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカラー画像解析装置。
【請求項1】
RGBそれぞれで波長に対する感度が所定の特性となっている分光感度を有する読取装置によって読み取られた被写体の画像データからRGBデータを抽出するRGB抽出部と、
前記RGBデータに基づいてスペクトルデータを生成するための変換行列を記憶するパラメータ記憶部と、
前記RGBデータと前記パラメータ記憶部に記憶された変換行列とを用いてスペクトル特性を算出して、スペクトルデータを生成するスペクトル特性算出部と、
を備え、
前記パラメータ記憶部は、
前記被写体の代表的なスペクトルデータに対して前記代表的なスペクトルデータと相違する程度を示す所定の許容範囲を複数設定し、前記被写体に限定されない任意の複数のスペクトルデータからなるスペクトルデータ群の内、複数の許容範囲それぞれに含まれる複数のスペクトルデータを抽出して複数の抽出データ群を生成し、
前記複数の抽出データ群のそれぞれを用いて複数の変換行列を生成し、
前記複数の変換行列の中から、前記スペクトル特性算出部が前記RGBデータと前記代表的なスペクトルデータとに基づいてスペクトルデータを生成するのに最も適した変換行列を選択する
ことによって作成した変換行列を記憶している
ことを特徴とするカラー画像解析装置。
【請求項2】
前記RGB抽出部は、前記読取装置において、RGBそれぞれ1バンドよりなる3バンドの第1の分光感度を異なる複数のフィルタによって分割し、3バンドを超えるバンド数の第2の分光感度によって読み取られた画像データからRGBデータを抽出し、
前記パラメータ記憶部は、
前記第2の分光感度を用いて計算した複数の変換行列の中から選択した変換行列を記憶している
ことを特徴とする請求項1記載のカラー画像解析装置。
【請求項3】
前記パラメータ記憶部は、
前記代表的なスペクトルデータに基づいて算出したRGB値と前記複数の変換行列それぞれとを用いて複数のスペクトルデータを生成し、
前記代表的なスペクトルデータと前記複数のスペクトルデータとの誤差量が最小の変換行列を選択する
ことによって作成した変換行列を記憶している
ことを特徴とする請求項1または2に記載のカラー画像解析装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図5】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図5】
【図9】
【公開番号】特開2013−44629(P2013−44629A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182257(P2011−182257)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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