説明

カルテ表示処理プログラム、カルテ表示処理方法及びカルテシステム

【課題】カルテ入力の効率化を図る。
【解決手段】本カルテ表示処理方法は、特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合における方法であって、特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約DBから特定の患者の識別情報を含む予約情報を取得する取得ステップと、取得した予約情報に特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテシステムに関し、特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合において、カルテ入力の効率化を図るための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歯科外来は、グループ診療をベースとしているため、一人の患者に対して、複数のユーザ(例えば、歯科医師、歯科衛生士など)により同時に又は順番に診療を行っている。なお、例えば歯科医院には、患者用の椅子、うがい台、歯科用機器などを備えた歯科ユニット(以下、単に「ユニット」と呼ぶ)が複数設置され、各ユーザはユニット間(すなわち、患者間)を動いて診療を行う。
【0003】
一方で、近年、歯科医院においても電子カルテシステムが導入されつつあり、ユニット毎にカルテ端末が設置される場合がある。この場合、ある患者の診療を行うユーザは、当該患者の座ったユニットに対応するカルテ端末を操作して、患者選択や、カルテの閲覧及び入力を行う。
【0004】
なお、セキュリティなどの問題から、カルテ端末を操作する際には、ユーザ認証を行い、電子カルテシステムにログインする必要がある。また、上で述べたように、各ユーザはユニット間を動いて診療を行うので、あるユーザが「電子カルテシステムへのログイン→患者選択→カルテ入力→ログアウト」を行い、次のユーザも「電子カルテシステムへのログイン→患者選択→カルテ入力→ログアウト」を行う必要がある。すなわち、ユーザは、ユニットを移動する度に、電子カルテシステムへのログイン及び患者選択を行わなければならない。そのため、診療の効率向上を阻害したり、患者の取り違いが起きるという問題があった。
【0005】
例えば特開2006−163504号公報には、カルテ情報の入力途中で利用者が一旦離席した後に席に戻り、中断していたカルテ情報入力を再開した場合にも誤りのないカルテ更新処理を行うことを可能とする技術が開示されている。
【特許文献1】特開2006−163504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記公報では、例えば歯科外来のように、ユーザがユニット間を動いて診療を行う場合については考慮されていない。そのため、ユーザは、ユニットを移動する度に、電子カルテシステムへのログイン及び患者選択を行わなければならない。
【0007】
従って、本発明の目的は、特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合において、カルテ入力の効率化を図るための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係るカルテ表示処理方法は、特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合におけるカルテ表示処理方法であって、特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースから特定の患者の識別情報を含む予約情報を取得する取得ステップと、取得した予約情報に特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップとを含む。
【0009】
このようにすれば、グループ診療を行う場合において、当該グループに含まれる各ユーザの入力領域を備えたカルテ入力画面を表示することができる。すなわち、ある患者のカルテ入力画面が既に表示されている状態であれば、次に診療を行うユーザは、ユニットを移動してきたとしても、電カルテシステムへのログイン及び患者選択を行う必要はないため、診療の効率向上となる。また、患者の取り違いも防止することができる。
【0010】
また、表示ステップが、特定のユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、特定のユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップを含むようにしてもよい。また、認証なしに、予約情報に含まれる複数のユーザのうちの、特定のユーザ以外のユーザのうちいずれかのユーザの指定を含む切り替え指示を受け付けた場合、当該切り替え指示にて指定されたユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、当該切り替え指示にて指定されたユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップをさらに含むようにしてもよい。
【0011】
このようにすれば、例えば現在診療を行っているユーザのみカルテ入力が可能となり、入力ミスなどを防止することができる。
【0012】
さらに、特定のユーザから当該特定のユーザに係るユーザ情報の入力を受け付け、認証処理を実施するステップをさらに含むようにしてもよい。そして、認証が成功した場合に、取得ステップ以降の処理を実施する場合もある。このようにすれば、認証を行うので、セキュリティを向上させることができる。
【0013】
また、取得ステップが、患者のカルテデータを格納しているカルテデータベースから特定の患者に係るカルテデータを取得するステップを含むようにしてもよい。そして、表示ステップが、取得したカルテデータを表示するステップを含むようにしてもよい。
【0014】
本発明の第2の態様に係る電子カルテシステムは、カルテ管理サーバと、患者が診療を受ける際に利用するユニット毎に設けられるカルテ端末とを有する。そして、カルテ管理サーバは、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースと、カルテ端末から患者の識別情報を含む予約情報取得要求を受信した場合、当該予約情報取得要求に係る患者に対応し且つ予約データベースに格納されている予約情報をカルテ端末に送信する手段とを有する。また、カルテ端末は、特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、特定の患者の識別情報を含む予約情報取得要求をカルテ管理サーバに送信する手段と、カルテ管理サーバから特定の患者に対応する予約情報を受信する手段と、カルテ管理サーバから受信した予約情報に特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する手段とを有する。
【0015】
なお、本発明に係るカルテ表示処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを作成することができ、当該プログラムは、例えばフレキシブル・ディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネットワークを介してディジタル信号にて頒布される場合もある。なお、処理途中のデータについては、コンピュータのメモリ等の記憶装置に一時保管される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合において、カルテ入力の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施の形態に係る電子カルテシステムの概要を図1に示す。例えば、歯科医院内のLAN(Local Area Network)であるネットワーク1には、カルテデータなどを管理するカルテ管理サーバ3と、ユーザ(例えば、歯科医師、歯科衛生士)により操作されるカルテ端末5(図1では、5A、5B、・・・)とが接続されている。なお、カルテ端末5は、患者用の椅子、うがい台、歯科用機器などを備えたユニット(図1では、ユニットA、ユニットB、・・・)毎に設置されている。
【0018】
カルテ管理サーバ3は、患者の予約を受け付ける予約処理部31と、カルテ端末5からの要求に応じてユーザ認証を行う認証処理部32と、カルテ端末5とデータのやり取りを行うインタフェース部33とを含む。また、カルテ管理サーバ3は、カルテデータを格納するカルテDB34と、ユーザ情報を格納するユーザマスタDB35と、予約を受けた患者を診療するユーザのグループの情報を格納するグループDB36と、カルテ端末5の情報を格納する端末情報DB37とを管理している。
【0019】
カルテ端末5Aは、ユーザからの操作指示を受け付ける入力部51と、後で説明するカルテ入力画面のデータを生成するカルテ入力画面データ生成部52とを含む。なお、図1の例では図示していないが、カルテ端末5Bも、カルテ端末5Aと同じ構成を有する。
【0020】
図2に、ユーザマスタDB35に格納されるデータの一例を示す。図2の例では、ユーザマスタDB35には、ユーザIDの列と、ユーザ名の列と、パスワードの列とが含まれる。
【0021】
図3に、グループDB36に格納されるデータの一例を示す。図3の例では、グループDB36には、患者IDの列と、患者名の列と、開始時間の列と、終了時間の列と、ユニットの列と、担当者の列とが含まれる。担当者の列は、さらにユーザ毎の列に分かれている(図3の例では、ユーザ1、ユーザ2、ユーザ3、・・・)。患者ID及び患者名の列には、予約患者の情報が設定される。また、開始時間の列には、当該予約に係る開始時間が設定され、終了時間の列には、当該予約に係る終了時間が設定される。ユニットの列には、患者が当日利用するユニットの情報が設定される。また、担当者の列には、当該患者を担当する1又は複数のユーザのユーザIDが設定される。
【0022】
図4に、端末情報DB37に格納されるデータの一例を示す。図4の例では、端末情報DB37には、端末名の列と、IPアドレスの列と、対応ユニットの列とが含まれる。IPアドレスの列には、当該カルテ端末のIPアドレスが設定される。また、対応ユニットの列には、当該カルテ端末が設置されているユニットの情報が設定される。
【0023】
次に、図5乃至図10を用いて、図1に示したシステムの処理を説明する。まず、図5を用いて、患者の予約を行う際の処理について説明する。例えば患者から予約の申し込みを受けると、歯科医院の受付担当者は、カルテ管理サーバ3を操作して、予約患者入力ページ(図示せず)にアクセスする。そして、受付担当者は、カルテ管理サーバ3を操作して、患者情報、予約時間を入力する。カルテ管理サーバ3の予約処理部31は、患者情報、予約時間の入力を受け付け、一旦記憶装置に格納する(図5:ステップS1)。その後、予約患者入力ページからユーザ選択ページ(図示せず)に移行する。そして、受付担当者は、カルテ管理サーバ3を操作して、当該患者を担当するユーザを選択する。例えば、予約可能なユーザの一覧が表示され、その中から、当該患者が次回受ける予定の診療内容などを考慮して選択する。予約処理部31は、当該患者を担当するユーザの選択入力を受け付け、一旦記憶装置に格納する(ステップS3)。そして、当該患者を担当するユーザが他にもいる場合(ステップS5:Yesルート)、ステップS3の処理を繰り返す。
【0024】
一方、当該患者を担当するユーザが他にいなければ(ステップS5:Noルート)、ユーザ選択ページからユニット選択ページ(図示せず)に移行する。そして、受付担当者は、カルテ管理サーバ3を操作して、当該患者が当日利用するユニットを選択する。予約処理部31は、ユニットの選択入力を受け付け、一旦記憶装置に格納する(ステップS7)。そして、予約処理部31は、記憶装置に格納されたデータ(すなわち、患者情報、予約時間、ユーザ及びユニット)に基づきレコードを生成し、グループDB36に登録する(ステップS9)。例えば、患者Aの予約において、「Dr.A(ユーザID:DR001)」、「Dr.B(ユーザID:DR002)」及び「衛生士A(ユーザID:EI001)」の三人のユーザが選択された場合には、図3に示すようなレコード(患者ID:KA001)が登録される。なお、予約当日までにユーザの追加、削除又は変更を行う場合もある。
【0025】
以上のような処理を実施することにより、予約毎に、当該予約に係るグループの情報を登録することができる。
【0026】
次に、図6乃至図10を用いて、診療時の処理について説明する。なお、本実施の形態では、図3に示したレコード(患者ID:KA001)に係る患者Aを診療する場合を例に説明する。例えば、ユーザは、予約の開始時間になると、当該予約に係るユニットに対応するカルテ端末5を操作して、電子カルテシステムにログインする(図6:ステップS11)。具体的には、ユーザがカルテ端末5を操作して、自身のユーザID及びパスワードを入力し、カルテ端末5の入力部51が、ユーザID及びパスワードの入力を受け付け、カルテ管理サーバ3に送信する。そして、カルテ管理サーバ3の認証処理部32が、受信したユーザID及びパスワードと、ユーザマスタDB35に格納されたデータとに基づき認証処理を実施する。
【0027】
カルテ管理サーバ3の認証処理部32による認証が完了すると、カルテ管理サーバ3のインタフェース部33は、グループDB36に格納されたデータに基づき、患者選択画面データを生成し、カルテ端末5に送信する。そして、カルテ端末5の入力部51は、カルテ管理サーバ3からの患者選択画面データを受信し、表示装置に表示する(ステップS13)。例えば、患者選択画面には、本日の予約患者の一覧が表示される。そして、ユーザは、カルテ端末5を操作して、患者Aを選択する。カルテ端末5の入力部51は、患者の選択入力を受け付け、選択患者の識別情報をカルテ管理サーバ3に送信する(ステップS15)。カルテ管理サーバ3のインタフェース部33は、カルテ端末5から患者の識別情報を受信すると、当該患者のカルテデータをカルテDB34から抽出し、さらに当該患者の本日の予約に係るレコードをグループDB36から抽出する。また、インタフェース部33は、送信元のカルテ端末5のIPアドレスを基に、端末情報DB37から当該カルテ端末5に対応するユニットの情報を抽出する。そして、インタフェース部33は、抽出したデータをカルテ端末5に送信する。
【0028】
カルテ端末5の入力部51は、カルテ管理サーバ3から、選択患者のカルテデータ、本日の予約に係るレコード及び対応ユニットの情報を受信し、一旦記憶装置に格納する(ステップS17)。そして、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、カルテ管理サーバ3から2以上のレコードを受信したか判断する(ステップS19)。2以上のレコードを受信した場合(ステップS19:Yesルート)、予約時間が現時刻に最も近いレコードを処理対象として特定する(ステップS21)。一方、2以上のレコードを受信していなければ(ステップS19:Noルート)、すなわち1レコードのみ受信した場合には、ステップS21の処理をスキップし、ステップS23の処理に移行する。
【0029】
そして、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、ログイン・ユーザは担当者として当該レコードに設定されているか判断する(ステップS23)。ログイン・ユーザが担当者として当該レコードに設定されていないと判断された場合(ステップS23:Noルート)、端子Aを介してステップS27(図7)の処理に移行する。
【0030】
一方、ログイン・ユーザが担当者として当該レコードに設定されていると判断された場合(ステップS23:Yesルート)、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、利用しようとしているユニットが、当該レコードに設定されているユニットであるか判断する(ステップS25)。具体的には、カルテ管理サーバ3から受信した対応ユニットと、当該レコードに設定されているユニットとが同一であるか判断する。利用しようとしているユニットが、当該レコードに設定されているユニットでないと判断された場合(ステップS25:Noルート)、端子Aを介してステップS27(図7)の処理に移行する。
【0031】
一方、利用しようとしているユニットが、当該レコードに設定されているユニットであると判断された場合(ステップS25:Yesルート)、端子Bを介してステップS31(図7)の処理に移行する。
【0032】
図7の説明に移行して、端子Aの後、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、ログイン・ユーザの入力欄を設けたカルテ入力画面データを生成し、表示装置に表示する(図7:ステップS27)。例えば図8に示すようなカルテ入力画面が表示される。
【0033】
図8の例では、カルテ入力画面には、過去の診療に係るカルテの表示欄801と、カルテ入力欄802と、カルテ入力に関連するボタン群803と、ログアウトボタン804と、保存ボタン805とが設けられている。なお、図8は、Dr.Dがログインした場合の例であり(Dr.Dは患者Aの担当者でないとする)、カルテ入力欄802には、Dr.D用の入力欄のみ設けられている。本実施の形態では、ログイン・ユーザが選択患者の担当者でない場合又は予約に係るユニット以外のユニットに対応するカルテ端末5を操作している場合には、図8のようなカルテ入力画面が表示される。
【0034】
そして、ユーザによりカルテの入力が行われた場合には、カルテ端末5の入力部51は、カルテの入力を受け付け、一旦記憶装置に格納する(ステップS29)。なお、図示していないが、保存ボタン805(図8)がクリックされた場合には、記憶装置に格納されたカルテデータをカルテ管理サーバ3に送信する。そして、ログアウトボタン804(図8)がクリックされた場合、後で説明するステップS43の処理に移行する。
【0035】
一方、端子Bの後、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、当該レコードに含まれる各ユーザの入力欄を設けたカルテ入力画面データを生成する(ステップS31)。そして、ログイン・ユーザの入力欄を入力可能に設定し、表示装置に表示する(ステップS33)。なお、ログイン・ユーザ以外のユーザの入力欄については入力不可に設定する。例えば図9に示すようなカルテ入力画面が表示される。
【0036】
図9の例では、カルテ入力画面には、過去の診療に係るカルテの表示欄901と、カルテ入力欄902と、カルテ入力に関連するボタン群903と、ログアウトボタン904と、保存ボタン905と、ユーザ選択欄906とが設けられている。なお、図9は、Dr.Aがログインした場合の例であり(Dr.A、Dr.B及び衛生士Aが患者Aの担当者であるものとする)、カルテ入力欄902には、Dr.A用の入力欄と、Dr.B用の入力欄と、衛生士A用の入力欄とが設けられている。カルテ入力欄902において、太枠の入力欄(すなわち、Dr.A用の入力欄)は、Dr.Aによる入力が可能であることを示す。また、ユーザ選択欄906には、Dr.Aのボタンと、Dr.Bのボタンと、衛生士Aのボタンとが設けられている。ユーザ選択欄906において、網掛けのボタン(すなわち、Dr.Aのボタン)は、現在選択されているユーザを示す。なお、ユーザ選択欄906におけるボタンと、カルテ入力欄902における太枠の入力欄とは連動しており、カルテ入力欄902において、ユーザ選択欄906で選択されているユーザの入力欄が入力可能(すなわち、太枠表示)となる。
【0037】
そして、ユーザによりカルテの入力が行われた場合には、カルテ端末5の入力部51は、カルテの入力を受け付け、一旦記憶装置に格納する(ステップS35)。なお、図示していないが、保存ボタン905(図9)がクリックされた場合には、記憶装置に格納されたカルテデータをカルテ管理サーバ3に送信する。そして、他のユーザによる診療行為がある場合(ステップS37:Yesルート)、カルテ端末5の入力部5は、ユーザ切り替え指示を受け付ける(ステップS39)。そして、カルテ端末5のカルテ入力画面データ生成部52は、切り替え指示に係るユーザの入力欄を入力可能に設定し、カルテ入力画面を表示装置に表示する(ステップS41)。なお、切り替え指示に係るユーザ以外のユーザの入力欄については入力不可に設定する。例えば図10に示すようなカルテ入力画面が表示される。
【0038】
図10の例では、カルテ入力画面には、過去の診療に係るカルテの表示欄1001と、カルテ入力欄1002と、カルテ入力に関連するボタン群1003と、ログアウトボタン1004と、保存ボタン1005と、ユーザ選択欄1006とが設けられている。なお、図10は、図9に示したカルテ入力画面において、Dr.Aによるカルテ入力が行われた後、ユーザ選択欄906のDr.Bのボタンがクリックされた場合のカルテ入力画面である。従って、ユーザ選択欄1006において、Dr.Bのボタンが網掛けになっており、カルテ入力欄1002において、Dr.B用の入力欄が太枠になっている。
【0039】
一方、ステップS37において、他のユーザによる診療行為がなければ(ステップS37:Noルート)、すなわち、患者Aに対する診療が終了し、ログアウトボタン904(図9)又は1004(図10)がクリックされた場合、ステップS43の処理に移行する。
【0040】
ログアウトボタン804(図8)、904(図9)又は1004(図10)がクリックされると、カルテ端末5の入力部51は、ログアウト指示を受け付け、記憶装置に格納されたカルテデータをカルテ管理サーバ3に送信し、ログアウトする(ステップS43)。そして、処理を終了する。
【0041】
以上のような処理を実施することにより、グループのいずれかのユーザがログインしていれば、次に診療を行うユーザは、電子カルテシステムへのログイン及び患者選択を行わずに、カルテ入力を行うことができるようになる。また、患者選択を行わなくて済むため、患者の取り違いも生じない。
【0042】
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上で説明した機能ブロック図は必ずしも実際のプログラムモジュール構成に対応するものではない。例えばカルテ管理サーバ3は、1台のコンピュータではなく複数台のコンピュータで実現するようにしても良い。
【0043】
また、上で説明した各テーブルの構成は一例であって、必ずしも上記のような構成でなければならないわけではない。さらに、上で述べた画面例は一例であって、同様の内容を表示する他の画面構成を採用することも可能である。また、例えば、ユーザの種別(例えば、歯科医師、歯科衛生士)によって、カルテ入力欄を異なる構成にするにしてもよい。 また、処理フローについても、処理結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えることも可能である。さらに、並列に実行させるようにしても良い。
【0044】
なお、カルテ管理サーバ3及びカルテ端末5は、図11のようなコンピュータ装置であって、メモリ2501(記憶装置)とCPU2503(処理装置)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS:Operating System)及び本実施の形態における処理を実施するためのアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。本発明の実施の形態では、上で述べた処理を実施するためのアプリケーション・プログラムはリムーバブル・ディスク2511に格納されて頒布され、ドライブ装置2513からHDD2505にインストールされる。インターネットなどのネットワーク及び通信制御部2517を経由して、HDD2505にインストールされる場合もある。このようなコンピュータ装置は、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。
【0045】
(付記1)
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースから前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報を取得する取得ステップと、
取得した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのカルテ表示処理プログラム。
【0046】
(付記2)
前記表示ステップが、
前記特定のユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、前記特定のユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップ
を含む付記1記載のカルテ表示処理プログラム。
【0047】
(付記3)
認証なしに、前記予約情報に含まれる前記複数のユーザのうちの、前記特定のユーザ以外のユーザのうちいずれかのユーザの指定を含む切り替え指示を受け付けた場合、当該切り替え指示にて指定されたユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、当該切り替え指示にて指定されたユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップ
をさらに実行させる付記2記載のカルテ表示処理プログラム。
【0048】
(付記4)
前記特定のユーザから当該特定のユーザに係るユーザ情報の入力を受け付け、認証処理を実施するステップ
をさらに実行させ、
認証が成功した場合に、前記取得ステップ以降の処理を実施する
ことを特徴とする付記1記載のカルテ表示処理プログラム。
【0049】
(付記5)
前記取得ステップが、
患者のカルテデータを格納しているカルテデータベースから前記特定の患者に係る前記カルテデータを取得するステップ
を含み、
前記表示ステップが、
取得した前記カルテデータを表示するステップ
を含む付記1記載のカルテ表示処理プログラム。
【0050】
(付記6)
特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合におけるカルテ表示処理方法であって、
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースから前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報を取得する取得ステップと、
取得した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップと、
を含み、コンピュータにより実行されるカルテ表示処理方法。
【0051】
(付記7)
カルテ管理サーバと、
患者が診療を受ける際に利用するユニット毎に設けられるカルテ端末と、
を有し、
前記カルテ管理サーバは、
患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースと、
前記カルテ端末から前記患者の識別情報を含む予約情報取得要求を受信した場合、当該予約情報取得要求に係る患者に対応し且つ前記予約データベースに格納されている前記予約情報を前記カルテ端末に送信する手段と、
を有し、
前記カルテ端末は、
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報取得要求を前記カルテ管理サーバに送信する手段と、
前記カルテ管理サーバから前記特定の患者に対応する前記予約情報を受信する手段と、
前記カルテ管理サーバから受信した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する手段と、
を有する電子カルテシステム。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係るシステム構成図である。
【図2】ユーザマスタDBに格納されるデータの一例を示す図である。
【図3】グループDBに格納されるデータの一例を示す図である。
【図4】端末情報DBに格納されるデータの一例を示す図である。
【図5】患者の予約を行う際の処理フローを示す図である。
【図6】診療時の処理フロー(第1の部分)を示す図である。
【図7】診療時の処理フロー(第2の部分)を示す図である。
【図8】本実施の形態におけるカルテ入力画面の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態におけるカルテ入力画面の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態におけるカルテ入力画面の一例を示す図である。
【図11】コンピュータの機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0053】
1 ネットワーク
3 カルテ管理サーバ
5 カルテ端末
31 予約処理部 32 認証処理部
33 インタフェース部 34 カルテDB
35 ユーザマスタDB 36 グループDB
37 端末情報DB
51 入力部 52 カルテ入力画面データ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースから前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報を取得する取得ステップと、
取得した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップと、
をコンピュータに実行させるためのカルテ表示処理プログラム。
【請求項2】
前記表示ステップが、
前記特定のユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、前記特定のユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップ
を含む請求項1記載のカルテ表示処理プログラム。
【請求項3】
認証なしに、前記予約情報に含まれる前記複数のユーザのうちの、前記特定のユーザ以外のユーザのうちいずれかのユーザの指定を含む切り替え指示を受け付けた場合、当該切り替え指示にて指定されたユーザの入力領域を入力可能に設定すると共に、当該切り替え指示にて指定されたユーザ以外のユーザの入力領域を入力不可に設定するステップ
をさらに実行させる請求項2記載のカルテ表示処理プログラム。
【請求項4】
特定の患者に対する診療を複数のユーザにより行う場合におけるカルテ表示処理方法であって、
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースから前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報を取得する取得ステップと、
取得した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する表示ステップと、
を含み、コンピュータにより実行されるカルテ表示処理方法。
【請求項5】
カルテ管理サーバと、
患者が診療を受ける際に利用するユニット毎に設けられるカルテ端末と、
を有し、
前記カルテ管理サーバは、
患者の識別情報と当該患者を担当する複数のユーザの識別情報とを含む予約情報を格納している予約データベースと、
前記カルテ端末から前記患者の識別情報を含む予約情報取得要求を受信した場合、当該予約情報取得要求に係る患者に対応し且つ前記予約データベースに格納されている前記予約情報を前記カルテ端末に送信する手段と、
を有し、
前記カルテ端末は、
特定のユーザから特定の患者に係るカルテ入力画面の表示指示を受け付けた場合、前記特定の患者の識別情報を含む前記予約情報取得要求を前記カルテ管理サーバに送信する手段と、
前記カルテ管理サーバから前記特定の患者に対応する前記予約情報を受信する手段と、
前記カルテ管理サーバから受信した前記予約情報に前記特定のユーザの識別情報が含まれる場合には、当該予約情報に含まれる前記複数のユーザの各々の入力領域を備えたカルテ入力画面データを生成し、表示する手段と、
を有する電子カルテシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−217324(P2009−217324A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−57534(P2008−57534)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】