説明

カロリー低減味覚保持食品

乾燥重量ベースで1〜3.25カロリー/グラムの範囲にあると同時に、継続粒状構造、継続的粒状構造が得られるため化学的に修正された組立て品が伴われる抵抗性澱粉が含まれる食品。タイプIIの抵抗性澱粉について、抵抗性澱粉から生じる食品内の全食物繊維は重量で完成品の14〜20%が含まれる。タイプIVの抵抗性澱粉については、抵抗性澱粉から生じる食品内部の全食物繊維は重量で完成品の14〜60%を構成する。食品はクッキー、ケーキ、インスタントヌードル、チーズクラッカー、パスタ、およびエッグヌードルであって良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品調理配合特に、付随する口の感触、風味および舌触りに関する喪失感の無いカロリー低減に関する。
【背景技術】
【0002】
ポテトチップ、クラッカー、クッキー、ケーキ、マフィン、ナッツ入りチョコレートケーキ、朝食用シリアル類、パスタ等といった美味な低カロリーあるいはカロリー低減製品は長年調理家の捕らえにくい夢であった。これらの製品の願いは明らかであったにもかかわらず、技術上の限界によって、このような製品が食品メーカーにより市場にもたらされることが妨げられてきた。これらの限界は受入れがたい味あるいは舌触りあるいは消化上のマイナス効果となって現れる。本発明の目的は現状技術に存する限界をはっきりさせると同時に、現状技術が打破される方法が提供されるとともに相当なカロリー低減を伴う好ましい製品が創出されることにある。この低減は標準製品の30%を越えるものと定義される。(すなわち、ここで説明されることになっているのと同じ約3.25カロリー/グラム未満)
【0003】
カロリー低減への一番安易な経路の1つは完成品水分量の高い水準の保持によって行われる。例えば、標準の白パンは40%に近い単なる高水分含有量だけによりたった2.6カロリー/グラムのカロリー値が示されることも度々である。その他のマフィン(これも40%の水分に近い)、スポンジケーキ(30%の水分)およびドーナッツ(35%の水分)といった製品が続きこの傾向が裏付けられる。しかしながら、これは消費者に対し偽の省カロリーを表していると同時に、製品と一緒に追加で水を飲む以外にはもはや有効ではない。その上、大きな満足度は提供されずに、摂取者はじきに空腹になるだけであると同時に、実際には同一あるいはこれ以上のカロリーが食されることになってしまう。
【0004】
クッキー、マフィンおよびケーキのようなベーク物向けの水分レベルは種類間ならびに同種類間の個々の配合間でも劇的に変動し得るため、公表された完成品のFDA命令のカロリー値を見ても、それらは非乾燥重量ベースでのカロリー/グラムにだけ基づいているので、真のカロリー低減の評定は不可能である。むしろ、低減カロリーが決定される最も適切な手段は乾燥重量をベースとしたカロリー/グラムの確認にある。この値は構成成分の水分の全グラム重量未満の構成成分の全グラム重量で構成成分の全カロリー数をわり算して得られ得る。本発明の筋立てにおける用語「カロリー」は4.186キロジュールあるいは1,000熱エネルギーカロリーに等しい大カロリーあるいは食品カロリーとしても知られるキロカロリー単位のエネルギーのことが言及されると同時に、1キログラムの水の温度が摂氏1度(華氏で1.8度)だけ上がるのに必要なエネルギーであるものと理解される。
【0005】
低カロリー製品が創出される場合に固有の困難は、使用できる原成分が極めて少ない点である。ベーキングメーカーで使用されるすべての共通成分はグラム当たりベースで比較的高カロリー値である。例えば、小麦粉、砂糖、および澱粉はすべて炭水化物であるとともに、それぞれおよそ4カロリー/グラムが含まれるものである。任意のタンパクによってもまた4カロリー/グラムが供される一方、脂肪分および油分は9カロリー/グラムが供される。従って、基本配合では、たとえ脂肪分の量が大きく低減されてもあるいは完全に除去されたとしても、乾燥重量ベースで28グラム(1オンス)1単位(28x4=112)につきおよそ110カロリーがまだあることになる。
【0006】
1950代に遡る多くの特許で実施された先行技術が沢山あり、これらは極めて多様な低カロリー製品の創出に集中している。原料成分の過多が示唆されてきたが、実際の実務と個別の事例類であって成分の使用限界が明らかになる場合には、適切な条件下の恐らく本当の低カロリー製品が生み出されたことであろう。マフィン、ドーナッツ、ケーキ、クッキー等といった低カロリーベーキング品の創出が試みられたこれらのすべての特許、すなわち、発生カロリーの伴った提供製品だけが一貫して提示された例類では、3.27〜5.57カロリー/グラムの間の乾燥重量がカウントされる。下記は特許の収集例証データ、特許内部のサンプル番号、サンプルで使用された味付けベーキング品のタイプならびに該サンプルに関する乾燥重量ベースの全カロリーである。最高値および最低値が太字で注記されている。
【0007】
<表1>











【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は乾燥重量ベースでおよそ1から3.25カロリー/グラムの間の栄養価のある好ましい口当たりが伴われる食品の製造が可能となる処理と成分を開発して技術の現状の限界を打破することにある。
【0009】
本発明の範囲が理解されるためには、低カロリー配合で使用され増加体積が付加されない多くの成分があることが当初に理解されることが重要である。これらにはガム、人工甘味料および乳化剤が含まれる。しかしながら、満足感に必要な低カロリー体積が提供される限定された数でしかない成分もある。これらの成分は3つの種別に当てはまる。すなわち、1)ポリオール(砂糖アルコール)2)セルロースおよび関連繊維 3)酵素抵抗性澱粉質である。
【0010】
これらの成分の利点は、0.1カロリー/グラム程度でしかないセルロース繊維である最低カロリー種別に伴って、これらのカロリー値の変動幅が極めて低い点にある。しかしながら、これらの低カロリー値にも係わらず、これらの成分により満足感が提供されるので、これらはカロリー摂取が制限されると同時に減量が促進されるためには有用である。繊維により満足効果と胃の満腹効果が生み出されることが示される多くの研究がある。
【0011】
これらの成分の限界は、しかしながら、これらの標準ベーキング配合の推奨使用レベルが比較的低い点にある。低推奨レベルの理由はこれらの成分が標準配合において高レベルに増やされる場合には、これらにより風味あるいは舌触りが不完全な結果になる点にある。
【0012】
さらに、いくつかの成分により、たとえこれらが予想の舌触りから高レベルの製品配合で許容できたとしても、これらはマイナスの消化効果により制約されなくてはならないという懸念がもたらされる。ポリオール種別では、例えば、FDAによって命令される通り各ポリオールには推奨許容使用レベルがあり、これを越えると製品により下剤効果がある場合もあるという点が示唆された警告ラベルが含まれなくてはならない。さらに、FDAが高レベルの使用が許容された一定の成分により膨満感および低レベルとはいえその他の望ましくない効果が生ずることが判明した。
【0013】
例えば、ポリデキシトロースは、FDAが下剤効果は90グラム/日が食されるまでは感じられないと決めたにもかかわらず、10グラム/日のレベルの膨満感が引き起こされることが示された。
【0014】
第2種別、すなわち、セルロース繊維はアルファセルロース、半セルロース、リグニンおよびその他の自然では不消化な植物材料から構成される。非溶解性繊維だけが米国食品薬品管理庁(FDA)によってノンカロリーと考えられている。セルロース繊維は完成品では粒状と破片状の舌触りに分かれる。高度に処理されると、これらはより粒状性は少ないが代わりに沈泥性が増す。あらゆる形態において、これらは完成品に高いレベルで使用されると好ましくない口触りが生み出される。さらに、セルロースの高水分吸収により配合に多くの問題が生まれる。
【0015】
第3種別、つまり酵素抵抗性澱粉質は消化酵素に抵抗すると同時に小腸で消化されない澱粉質部分である。その異質な性質のため正確な計量化は不可能であるが、あるものは正式な公認農業化学者協会(AOAC)方式によって食物繊維として決められている。抵抗性澱粉は4つの等級に分類された。すなわち、
RS―I:種およびマメ科に見られる物理的には手に入らない澱粉
RS―II:例えば小麦粉およびじゃがいもに見られる粒状、非ゼラチン化澱粉として摂取される澱粉
RS−III:加熱あるいは剪断変形によって引き起こされる劣化によって形成される簡単には入手しがたい澱粉、
パンあるいはRTE穀類の澱粉が例となろう。
RS−IV:架橋結合、置換あるいは側鎖の追加といった化学的に修正された澱粉
【0016】
先行技術では、しかしながら、抵抗性澱粉質の使用があふれている。ベーキング品にできるだけ多く抵抗性澱粉が添加されることが要求されたが、「消化抵抗性」のある「完成食品」の最大「割合」12.2%だけが首尾良く明示され、つまり、澱粉質の何%が、人体が真似られた条件下の消化性酵素によって消化されるかどうかの測定方法「AOAC法991.43」に決められた完成品の12.2%の消化抵抗性があったことになる。「消化抵抗性」のある「完成食品」の「割合」のさらに高いレベルが全般的に示唆されたが実際の論証はなされていない。
【0017】
表2により、消化「抵抗性のある」「小麦粉成分」の「割合」の計算による数多くの特許から集められた先行技術の実験事例および「消化抵抗性」のある「完成食品」が掲げられている。また、様々な抵抗性澱粉の機能的に許容可能な幅が決められるため、ここに含まれる現状特許からのサンプルもここに掲げられている。
【0018】
<表2>



【0019】
20%のレベルに達すると、先行技術では許容できる感覚器官刺激特性を伴う製品が作られることはありえなく、この場合、脂肪分の量は必要によって制限され、(脂肪には澱粉あるいは蛋白質の4カロリー/グラムに対して9カロリー/グラムが含まれるので)機能上および感覚器官刺激上の観点から許容可能な抵抗性澱粉の量ははるかに低い。高レベルの脂肪分により抵抗性澱粉のマイナスの感覚器官刺激特性が隠蔽され得る。先行技術および現状の技術レベルでは、採用される抵抗性澱粉の量は比較的少ない。さらに、世界の主導的ベーキング品メーカーのクラフト/ナビスコ社により、米国特許番号6,613,373で小麦粉置換に関する最良の実施可能な結果が抵抗性澱粉タイプIIIについて見つかった点が指摘されている。しかしながら、抵抗性澱粉タイプIIおよびIVに関しては、クラフト/ナビスコ社により、これらが小麦粉置換ほど採用に適当でないと同時に、これらがベーキング処理では通用しない低融点をもつものとして特徴付けられるとともに、良好なベーキング作用が示されない点が提起された。例えば、過剰な水の存在中での粒状澱粉質は、クッキーやクラッカー向けの一般的なベーキング温度以下である約80℃〜約100℃の温度で溶ける。クラフト/ナビスコ社により、さらに澱粉質の消化性がヒドロキシプロピル基群といった架橋結合あるいは様々な置換剤の存在によって減少する場合がある点が見つけられた。しかしながら、タイプIVの抵抗性澱粉質で生じる澱粉質の化学的あるいは熱的修正により、澱粉質のベーキング特性が影響を受ける事が多い。さらに、化学的あるいは熱的に修正された澱粉質により、ベーキング品でかなりな量が用いられた場合には望ましくない風味あるいは色が示されることがある。対照的に、カロリー低減ベーキング品の製造に極めて都合の良いタイプIIIの抵抗性澱粉は熱的に極めて安定していることがクラフト/ナビスコ社によって見つけられた。
【0020】
本発明により、先行技術の教唆にもかかわらず、抵抗性澱粉質タイプII、IVにより実際に以下の配合のRS IIIよりも遙かに優れた製品が製造されることが実験的に発見された。
【0021】
全般的に、本発明には乾燥重量ベースで約1〜3.25カロリー/グラムの範囲にあると同時に、維持された粒状構造を伴う抵抗性澱粉質(化学的変更によるのが望ましい)の含まれる食品が含まれる。澱粉質はそれぞれこれら独自の最適な温度、PH、その他の反応条件による任意の広範な反応配列が利用されて究極の抵抗度に化学上修正可能である。一般的に、しかしながら、実際の反応(あるいは反応群)は2つの大まかな種別、澱粉質分子上の化学的側鎖の追加あるいは置換にあてはまる。架橋結合は追加「側鎖」がもう一つ別の澱粉分子である前者の種別の部分集合に見られ得る。実際の使用向けにあり得る修正の過多は連邦規制、表題21、第三巻、172.892部「修正澱粉質食品」によって厳しく制限され(本発明の制約ではないけれども)、これにより、ごく少数の化学混合物だけのしかも制約された用法レベルでの使用が許される。最も可能性の高い単独あるいは組合わせ使用の可能な化学的に承認された修正は、酸化、エーテル化あるいはエステル化、アセチルあるいは燐酸塩群(それぞれアセチル化あるいは燐酸塩化)あるいはアジピン酸あるいはリン酸塩結合による澱粉質分子の架橋結合による修正である。特に、抵抗性のある澱粉質はタイプIIの抵抗性澱粉であるとともに、この場合には抵抗性澱粉から生ずる全食物繊維は重量で完成食品の14〜20%を構成する。あるいは、抵抗性澱粉はタイプIVの抵抗性澱粉であるとともに、この場合に抵抗性澱粉から生ずる全食物繊維は重量で完成食品の14〜60%を構成する。
【0022】
タイプIIの抵抗性澱粉が含まれる食品には、重量で小麦粉成分の25〜30%を構成する製品の小麦粉成分の抵抗性部分があるのが好ましい。同様に、タイプIVの抵抗性澱粉が含まれる食品には、重量で小麦粉成分の25〜80%を構成する製品の小麦粉の抵抗性部分があるのが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0023】
製品に添加可能である抵抗性澱粉の量は使用される抵抗性澱粉のタイプ(RS−III、RS−IIあるいはRS−IV)に大きく依存して変動することが実験的に測定された。集中的な実験において次の点が判明した。
RS―IIIが使用された場合で、また「消化」(「PFFPRD」)「抵抗性」のある「完成食品」の割合がおよそ11%を越えた場合には、感覚器官刺激評価における好ましい製品の創出は無理であった。多少とも好ましい結果は7%PFFPRD前後で得られた。
RS―IIが使用された場合で、またPFFPRDがおよそ20%を越えた場合、感覚器官刺激評価における好ましい製品の創出は無理であった。多少とも好ましい結果はおよそ14%PFFPRDで得られた。
驚いたことには、RS−IVが使用される場合で、またPFFPRDが60%程度であった場合に、感覚器官刺激評価における好ましい製品が容易に得られた。
【0024】
これをチェックするためのもう一つ別の方法は全小麦粉成分(D列)と比較して消化「抵抗性」のある(PFCR)「小麦粉成分」の割合を調べることである。この割合は消化「抵抗性」(第2列)のある「澱粉質」の「割合」および「澱粉質」(第3列)と置換された「小麦粉」成分の「割合」が典型的に示される表2の先行技術特許において様々に述べられている。これらの2つの係数が採用されると同時に、消化「抵抗性」のある(第4列)「小麦粉」成分の「割合」に到達するように掛け算された。既存の特許文面で引用されたすべての実験では、PFCRはせいぜい23.5%であった。
【0025】
さらなる追加実験では次の点が判明した。
RS―IIIが使用された場合で、またPFCRが30%であった場合、感覚器官刺激評価における好ましい製品の創出は無理であった。多少とも好ましい結果は15%PFCRで得られた。
RS―IIが使用された場合で、またPFCRが60%を越えた場合、感覚器官刺激評価における好ましい製品の創出は無理であった。多少とも好ましい結果は30%PFCRで得られた。
RS−IVが使用される場合で、またPFCRが80%であった場合でも、感覚器官刺激評価における好ましい製品が容易に可能であった。
【0026】
この発見の背後にある合理性はRS−IIIの劣化によりその粒状構造が破壊される点にあるようである。
RS−IIIには乾燥製品の創出時の舌触り問題とともに練り粉になるのが困難となるとともに粒子が十分膨らむようにできないより高レベルの水分吸収があると同時に、
RS−IIIの粒子は、完成品の粒状の舌触りを生ずるはっきりした大きさあるいは形状のない不規則でかつ不定形である。
【0027】
これに引き替え、RS−IIではより多くの粒状構造が維持されるので、より良好な配合が果たされる。しかし、この粒状構造は保護されてないので、RS−IIIで観察されるものと類似のマイナス効果が生じて処理中にある程度壊れてしまうことが多い。
【0028】
RS−IVには消化酵素(アミラーゼ)だけでなく粒状構造に対する保護障壁が提供される架橋結合がある。この点により、この発明で特許請求される製品が最大限機能可能かつ許容可能となる。
【0029】
従って、本発明によると、PFFRDが14〜60%および/またはPFCRが25〜80%のRS−IVが利用されるすべての製品が含まれる。さらに、PFFRDが14〜20%および/またはPFCRが25〜30%のRS−IIが利用されるすべての製品が本発明の範囲内である。
【実験例】
【0030】
これらの実験に関して使用された抵抗性のある澱粉は上述の3つの抵抗性澱粉質種別、つまり、タイプII、III、およびIVにあてはまる。ファイバーシム 70 およびファイバーシム 80 は、それぞれ70%および80%の抵抗性澱粉含有量の小麦およびじゃがいも澱粉質から生じるタイプIVの抵抗性澱粉質であるとともに、MGP イングリーディエント社によって供給される。ゲムスター R70はまた抵抗性澱粉含有量70%の小麦澱粉から生じるタイプIVの抵抗性澱粉でもある。これは、メーカーの特許請求項がファイバーシム澱粉で採用されたものとは一致しない非公開の処理が利用されるマニルドラグループUSA社によって製造される。ノベローズ 260はタイプIIの抵抗性澱粉60%の抵抗性澱粉であるとともに、ノベローズ 330は抵抗性澱粉30%のタイプIIIの抵抗性澱粉である。両ノベローズ澱粉はとうもろこし澱粉から取り出されるとともに、国立澱粉化学社によって供給される。アクティスター 11700は抵抗性澱粉含有50%のタピオカ澱粉質(マルトデキストサン)から取り出されるタイプIIIの抵抗性澱粉であるとともに、カーギル社によって供給される。実験で対照群として使用されたその他の非抵抗性澱粉には非修正じゃがいもならびにとうもろこし澱粉が含まれる。
【0031】
非修正じゃがいもおよびとうもろこしにより、それぞれその水分重量で約91%および95%の低水分結合能力が示される。これらの澱粉質によってもまたかなりな量のアミロースが、そしてじゃがいもよりもとうもろこしの場合の方がより多い度合いで濾過される。
【0032】
部分的に消化抵抗性とするためにファイバーシム70およびファイバーシム80によって施される化学処理により、多少の収縮を除き手づかずのままの澱粉質の粒状構造が可能となり、ファイバーシム70およびファイバーシム80についてそれぞれその水分重量でおよそ70%および80%の低水分結合能力が維持される結果となる。さらに、処理により粒から漏れるアミロースの量が減少する。ゲムスターR70はファイバーシムと同様に振る舞う。
【0033】
ノベローズ260(RSタイプII)は「自然」抵抗性澱粉と見なされるとともに、その粒状構造は加工中に影響を受けない。その水分結合能力は多少上昇し、その重量の115%の結合が可能である。これに引き替え、ノベローズ330(RSタイプIII)では全体澱粉質が、酵素感応成分でも熱的劣化を通じて加工中に変更されるとともに、全体粒状構造が失われる。その水分結合能力はその重量の200%まで上昇する。アクティスター11700はノベローズ330と同様に振る舞う。
【0034】
オレアンはプロクター&ギャンブル社によって供給されると同時にFDAによって、下記の揚げ物実験のようにスナック製品のフライの使用向けに承認される不消化油(スクロースポリエステル)である。
I.クッキー
これらの実験は下記の順番で徹底的な乾燥成分の組合せと混合によって行われた。湿り気のある成分はその後下記の順番で組合わされると同時に乾燥成分に添加された。水分が好ましい生地になるまで添加される。水分が過度に添加される場合には下に記録されるようにこれを補うため追加の澱粉が付加された。練り粉はその後10個の直径1.5インチの平たい円形クッキー(標準「ニラ」ウェハースに似た)に形成され、脂が敷かれたクッキー板上に置かれるとともに軽く茶色になるまで華氏375度でベークされた。正確なベーク時間は下に記録されている。
I1.いくつかの実験では澱粉に追加して非漂白全目的小麦粉の標準量が採用された。これらの実験、および使用された小麦粉の量は「小麦粉量」列に示される。すべての材料単位はグラムであるとともに時間は分である。
【0035】
<表3>
基本成分

【0036】
<表4>





【0037】
概要:抵抗性澱粉が最高割合含まれると同時にファイバーシム80製品が使用されて、丁度本発明の1〜3.25カロリー/グラムの範囲の非常に好ましい生成物、乾燥重量ベースで2.66カロリー/グラムの最終生成物が提供される。
【0038】
II.チョコレートケーキ
これらの実験は下に挙げられた順番で一貫した乾燥成分の組合せおよび混合によって行われた。湿潤成分は、その後、下に挙げられた順番で組合せられるとともに、乾燥成分に添加された。水分は好ましい生地が形成されるまで添加された。水分量は変動するとともに下に記録されている。生地は、その後、脂が敷かれたケーキパンに注がれると同時に華氏350度で少なくとも15分間ベークされた。
【0039】
<表5>
基本成分

【0040】
<表6>



【0041】
概要:抵抗性澱粉質の高割合が含まれるファイバーシム80製品が使用されて、極めて好ましい製品が提供され、完成品では本発明の1〜3.25カロリー/グラムの範囲内の乾燥重量ベースで2.39カロリー/グラムがもたらされた。
【0042】
III.ポテトポテトチップ1:
これらの実験は3グラムの「不可欠小麦グルテン」澱粉を伴う塩分および水分15グラムの組合せによって行われた。添加グルテンおよび水分は練り粉が適当な機械にかけられ得る均一性が達成されるまで1グラムおよび2グラムずつ増量して付加された(それぞれ)。練り粉は、その後、均一な厚みが達成される手動の二重ローラーを通してロールにかけられ、細長片に切断され、華氏375度で12分間ベークされると同時に華氏375度で、オレアンが使用されて1分間揚げられた。
【0043】
<表7>
基本成分

【0044】
<表8>

【0045】
IV.ポテトポテトチップ2.
これらの実験は澱粉質および「不可欠小麦粉グルテン」3グラムと一緒の塩分と15グラムの水分との組合せによって行われた。添加グルテンおよび水分は、練り粉が適当な機械にかけられ得る均一性が達成されるまで1グラムおよび2グラムずつの増量で(それぞれ)添加された。練り粉は、その後、均一な厚さが得られる手動の二重ローラーを通じてロールに通され、細長片に切断され、華氏375度で10分間ベーキングされるとともに、華氏375度のオレアン中で30秒揚げられた。
【0046】
<表9>
基本成分

【0047】
<表10>

【0048】
概要:抵抗性澱粉が高割合で含まれるファイバーシム80製品が使用されて、オレアン中で揚げるに先だって、本発明の1〜3.25カロリー/グラムの範囲内にある乾燥重量ベースの1.15/グラムが提供される極めて好ましい製品が提供される。オレアンはカロリーに全く貢献しないが重量には幾分貢献するので、完成品により、より少ないカロリーでさえももたらされる。実際の数値はオレアン取入れの見積にまつわる困難さのため分かっていないが、少なくとも1カロリー/グラム未満と見積もられる。
【0049】
V.標準パスタ
すべての成分が組合わされて5分間こねられた。練り粉は、その後、ボールに形作られ5分間放置された。その後、手動二重ローラーによってロールに通され均一厚さにされ、細長片に切断されるとともに、8時間吊されて乾燥された。最後に、パスタはアルダンテ状態まで5〜10分間、水中でゆでられた。
【0050】
<表11>

【0051】
<表12>

【0052】
<表13>

【0053】
<表14>


澱粉(澱粉タイプ下記参照)21、グルテン6、塩分0.3、乳漿蛋白濃縮剤
その後、試験がうまくいかない例も何回かありノベロース260版は取り出された。
【0054】
VI.エッグヌードル
すべての成分が一緒にされると同時に5分間こねられた。水分は練り粉が均一になるまで添加された。練り粉は、その後、ボールに形作られるとともに5分間放置された。その後、手動の二重ローラーによって均一な厚さにロールされ、細長片に切断されるとともに、10分間空中で乾燥させられた。最後にパスタは5〜10分間アルダンテ状態までゆでられた。
【0055】
澱粉(澱粉タイプについては下を参照)21、グルテン4、ホールエッグ10
【0056】
<表15>

【0057】
<表16>

【0058】
VII.ポテトポテトチップ3
これらの実験はフィアバーシム80および3グラムの「不可欠小麦粉グルテン」および15グラムの水が一緒の塩分と一緒にされて行われた。添加グルテンおよび水分が1グラムずつの増量で練り粉が適当に機械にかけられる均一さになるまで添加された。練り粉は、その後、手動の二重ローラーで均一な厚さになるまでロールされ、細長片に切断され、華氏375度で10分間ベークされるとともに、華氏375度のオレアン中で30秒間揚げられた。
【0059】
<表17>
基本成分

【0060】
<表18>

これらの実験は「ポテトフレーク」(実験中にある場合には)を除いてすべての成分および実験で要求される「ポテトフレーク」の重量(すなわち、5グラムのフレークにつき5グラムの水分、10グラムのフレークにつき10グラムの水分)に等しい水分量が一緒にされて行われた。練り粉は、その後、手動の二重ローラーで均一な厚さになるまでロールされた。この時点で、ポテトフレークは等量の水分と軽く混ぜられると同時に練り粉に仕立てられた。追加の水分は練り粉が適切に機械にかけられる均一性になるまで0.5グラムの増量で添加された。練り粉は、その後、細長片に切断され、華氏375度で指定された分の間ベークされ、華氏375度のオレアン中で30秒間揚げられた。
【0061】
<表19>
基本成分

【0062】
<表20>

VIII.味付けパスタ
標準パスタの最良の成功版は上述と同じ手順が使用され適合され味付けされた。すべての成分が一緒にされると同時に5分間こねられた。練り粉は、その後、ボールに形つくられ5分間放置された。その後、手動二重ローラーで均一な厚さにロールされ、細長片に切断されるとともに、8時間吊されて乾燥された。最後にパスタはアルダンテ状態まで5〜10分間水中で茹でられた。
【0063】
<表21>

IX.チーズクラッカー
この実験における練り粉は手動のローラーで均一な厚さになるようロールされ、細長片に切断され、華氏325度で15分間ベークされ、ひっくり返されると同時に、華氏325度で再度もう3分間、べ−キングされた。
【0064】
<表22>
実験1

【0065】
X.インスタントヌードル
すべての成分が一緒にされると同時に5分間こねられた。練り粉の均一性に要求される水分が添加された。練り粉はその後ボールに形つくられるとともに5分間放置された。その後、手動二重ローラーで均一な厚さにロールがかけられ、薄い細長片に切断された。この時点で、実験は2.5分間水中で任意に茹でられた。(チャートに示される)すべての実験はその後、華氏375度の植物油中で1.5分間しっかり揚げられた。最後に、ヌードルは、その後、沸騰したお湯で満たされるスチロフォームのコップ中に置かれるとともに5分間静置された。
【0066】
<表23>
基本成分

【0067】
<表24>

【0068】
上記の例は本発明の例示的なものであると同時に、以下の請求項に定められる本発明の範囲から逸脱せずに成分、配合、処理その他の変更がなされても良い点が理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥重量ベースで約1〜3.25カロリー/グラムまでの範囲にあると同時に持続粒状構造をもつ抵抗性澱粉が含まれる食品
【請求項2】
抵抗性澱粉が化学的に緩和されて持続粒状構造が得られる請求項1に記載の食品
【請求項3】
抵抗性澱粉がタイプIIの抵抗性澱粉である場合ならびに抵抗性澱粉から生ずる食品内部の全食物繊維が最終食品重量の14〜20%を含む場合の請求項1に記載の食品
【請求項4】
抵抗性澱粉がタイプIVである場合ならびに抵抗性澱粉から生ずる食品内部の全食物繊維により最終食品重量の14〜60%が構成される場合の請求項1に記載の食品
【請求項5】
食品がクッキー、ケーキ、ポテトポテトチップ、インスタントヌードル、チーズクラッカー、パスタ、およびエッグヌードルからなる群から選定される請求項4に記載の食品
【請求項6】
重量で小麦粉成分の25〜30%に製品の小麦粉成分の抵抗性澱粉部分が含まれる小麦粉成分ならびにタイプIIの抵抗性澱粉が含まれる食品
【請求項7】
重量で小麦粉成分の25〜80%に製品の小麦粉成分の抵抗性澱粉部分が含まれる小麦粉成分ならびにタイプIVの抵抗性澱粉が含まれる食品
【請求項8】
食品がクッキー、ケーキ、ポテトポテトチップ、インスタントヌードル、チーズクラッカー、パスタ、およびエッグヌードルからなる群から選定される請請求項7に記載の食品

【公表番号】特表2008−503242(P2008−503242A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518265(P2007−518265)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【国際出願番号】PCT/US2005/022240
【国際公開番号】WO2006/002307
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506397497)
【出願人】(506397501)
【Fターム(参考)】