説明

カンバセーション(conversation)中の複数の通信のモダリティ(modalities)の伝送

カンバセーションは、音声、ビデオ、デスクトップ共有、IM、アプリケーション共有、等を含む、任意にサポートされた種類の通信のモダリティを使用して確立させることができる。カンバセーション中、同時にユーザは、カンバセーションのモダリティのすべてまたは一部を、1つまたは複数の伝送先へ伝送することができる。伝送は、必須または必須でないモダリティを特徴付けることができ、管理されたやり方または管理されないやり方で発生することもできる。モダリティの伝送に加えて、カンバセーションのペイロード(例えば、IM履歴)は、伝送先へ伝送される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カンバセーションにおける通信の伝送に関する。
【背景技術】
【0002】
異なる通信アプリケーションは、様々な情報および機能性をユーザに供給することによって、通信をより簡単に、および、よりアクセス可能になるように図られている。例えば、ユーザは、音声通話、テキストメッセージ、インスタントメッセージ(IM)、ビデオ等、異なる通信手段を通してユーザと連絡する能力を有することができる。
【発明の概要】
【0003】
この概要は、詳細な説明で下記にさらに記載する概念の選択を簡単な形で紹介するものである。この概要は、特許を請求する内容の主要な特徴または不可欠な特徴を特定することを意図するものではなく、特許を請求する内容の範囲の画定に用いられることを意図してもいない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
カンバセーションは、音声、ビデオ、IM、アプリケーション共有、デスクトップ共有等の異なる種類のサポートされる通信のモダリティを含む。カンバセーション中、ユーザは、1つまたは複数の伝送先へ、確立されたカンバセーションのすべてまたは一部を伝送することができる。伝送は、必須または必須でないモダリティを特徴付けることができ、管理されたやり方または管理されないやり方で発生することもできる。カンバセーションのモダリティの伝送に加えて、カンバセーションのペイロード(例えば、IM履歴)は、伝送先へ伝送されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】コンピューティング環境の例を示す図である。
【図2】カンバセーションのモダリティを伝送する通信システムを示す図である。
【図3】カンバセーションのモダリティを伝送するプロセスの例示的な概観を表す図である。
【図4】カンバセーションのモダリティの伝送のための例示的なプロセスを示す図である。
【図5】カンバセーションのモダリティの管理された伝送のための例示的なプロセスを示す図である。
【図6】必須でないカンバセーションのモダリティの伝送が失敗するプロセスを示す図である。
【図7】カンバセーションのモダリティの必須である伝送が失敗するプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
次に、同種の番号により同様の要素を表す図面を参照しつつ、さまざまな実施形態について説明する。特に、図1およびそれに対応する説明は、実施形態を実装できる好適なコンピューティング環境について簡潔に述べた一般的な説明であることが意図されている。
【0007】
一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、および他の種類の構造を含む。ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家電製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、および同様のものを含む、他のコンピュータシステム構成も使用できる。通信ネットワークを通じてリンクされているリモート処理デバイスによりタスクが実行される分散コンピューティング環境も使用できる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカルおよびリモートの両方の記憶装置デバイス内に配置されうる。
【0008】
次に、図1を参照しつつ、さまざまな実施形態において使用されるコンピュータ100の例示的なコンピュータ環境について説明する。図1に示されているコンピュータ環境は、サーバ、デスクトップ、またはモバイルコンピュータ、または幾つかの他の種類のコンピューティングデバイスとして構成することができ、中央演算処理装置5(「CPU」)、ランダムアクセスメモリ9(「RAM」)および読み取り専用メモリ(「ROM」)10を含むシステムメモリ7、およびメモリを中央演算処理装置5(「CPU」)に結合するシステムバス12を含むことができる。
【0009】
起動時などにコンピュータ内の要素間の情報伝送を助ける基本ルーチンを含む基本入出力システムは、ROM10に格納される。コンピュータ100は、以下でさらに詳しく説明される、オペレーティングシステム16、アプリケーションプログラム24、他のプログラムモジュール25、および伝送マネージャ26を格納するための大容量記憶装置デバイス14をさらに含む。
【0010】
大容量記憶デバイス14は、バス12に接続されている大容量記憶装置コントローラ(図示せず)を通じてCPU5に接続されている。大容量記憶装置デバイス14およびその関連するコンピュータ可読媒体は、コンピュータ100用に不揮発性記憶装置を供給する。本明細書に記載されているコンピュータ可読媒体の説明では、ハードディスクまたはCD−ROMドライブなどの大容量記憶装置デバイスに言及しているが、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ100によってアクセスできる利用可能な任意の媒体とすることができる。
【0011】
例えば、限定はしないが、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造体、プログラムモジュール、またはその他のデータなどの情報を格納する方法または技術で実装される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能媒体を含む。コンピュータ記憶媒体としては、限定はしないが、RAM、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリまたはその他のソリッドステートメモリ技術、CD−ROM、DVD(versatile disks)、またはその他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を格納するために使用することができ、しかもコンピュータ100によりアクセスできる他の媒体が挙げられる。
【0012】
コンピュータ100は、インターネットなどのネットワーク18を通じてリモートコンピュータへの論理的接続を使用してネットワーク接続環境において動作することができる。コンピュータ100は、バス12に接続されているネットワークインタフェースユニット20を通じてネットワーク18に接続することができる。ネットワーク接続は、無線方式および/または有線方式としてよい。ネットワークインタフェースユニット20は、他の種類のネットワークおよびリモートコンピュータシステムに接続するために使用することもできる。コンピュータ100は、キーボード、マウス、または電子スタイラス(図1には示されていない)を含む、複数の他のデバイスから入力を受信して、処理するための入出力コントローラ22を備えることもできる。同様に、入出力コントローラ22は、IP電話19、ディスプレイ画面23、プリンタ、または他の種類の出力デバイスへ、入出力をすることができる。
【0013】
キャリアネットワーク(Carrier network)28は、モバイルデバイス29との通信を担当するネットワークである。キャリアネットワーク28は、無線または有線のコンポーネントの両方を含むことができる。例えば、キャリアネットワーク28は、有線電話のネットワークへリンクされるセルラタワー(cellular tower)を含むことができる。典型的には、セルラタワーは、携帯電話、ノートブック、ポケットPC、長距離通信リンク等の、モバイルデバイスの通信のやり取りをする。
【0014】
ゲートウエイ27は、キャリアネットワーク28とIPネットワーク18との間でメッセージをルーティングすることができる。例えば、コール、または幾つか他のメッセージは、キャリアネットワーク28において、モバイルデバイスにルーティングされることが可能であり、および/またはIPネットワーク18において、ユーザのデバイスにコール、または幾つか他のメッセージをルーティングすることができる。ゲートウエイ27は、IPネットワークからキャリアネットワークへの通信を伝送する手段を提供する。反対に、キャリアネットワークに接続されているデバイスを有するユーザは、IPネットワーク18においてクライアントにコールを向けることができる。
【0015】
上で簡単に述べたように、コンピュータ100の大容量記憶装置デバイス14およびRAM9に、本件特許出願人のWINDOWS COMMUNICATION SERVER(登録商標)、WINDOWS SERVER(登録商標)、またはオペレーティングシステムWINDOWS 7(登録商標)などの、コンピュータのオペレーションを制御するのに適しているオペレーティングシステム16を含む、複数のプログラムモジュールおよびデータファイルを格納することができる。大容量記憶装置デバイス14およびRAM9には、1つまたは複数のプログラムモジュールを格納することもできる。特に、大容量記憶装置デバイス14およびRAM9には、1つまたは複数のアプリケーションプログラム24およびプログラムモジュール25を格納することができる。
【0016】
伝送マネージャ26は、確立されたカンバセーションのモダリティを1つまたは複数の伝送先(伝送ターゲット)へ伝送するように構成されている。1つの実施例によれば、伝送マネージャ26は、通信ネットワーク内でクライアントデバイスにおいてデプロイされ、カンバセーションのモダリティの伝送に関連したメッセージを開始する。カンバセーション内の通信のモダリティは、これらに限定はされないが、音声、ビデオ、アプリケーション共有、デスクトップ共有、インスタントメッセージ(IM)等を含むことができる。伝送マネージャ26は、管理された、または管理されないやり方でカンバセーションのモダリティを伝送するように構成されうる。例えば、伝送マネージャ26は、伝送ターゲットがカンバセーションのモダリティの伝送を受容することができるか否かを決定するために、伝送ターゲットによりダイアログを開始するように用いられうる。モダリティのすべてのまたは一部のモダリティは、管理されたやり方で伝送されうる。例えば、モダリティの一部は、管理されたやり方で1つの伝送ターゲットへ伝送され、モダリティの別の部分は、管理されないやり方で別の伝送ターゲットへ伝送されうる(図4および図5を参照)。
【0017】
1つの実施例によれば、伝送マネージャ26は、MICROSOFT’s OFFICE COMMUNICATOR(登録商標)等のアプリケーションプログラム24と通信する。伝送マネージャ26が、独立したプログラムとして示される場合、機能性は、MICROSOFT’s OFFICE COMMUNICATOR等の他のソフトウエアおよび/またはハードウエアに組み入れることが可能である。伝送マネージャ26の動作は、以下により詳細に説明される。
【0018】
ユーザインタフェース25は、カンバセーションの各々のモダリティについての伝送ターゲットを伝送すると同時に特徴付けるように通信のモダリティを選択するために使用されうる。
【0019】
図2に、同時にカンバセーションのモダリティを伝送する通信システムを示す。図示されるように、システム200は、IPネットワーク18に接続されているクライアント1(204)およびクライアント2(205)と、IPネットワーク2(212)に接続されているクライアント3(206)と、キャリアネットワーク28に接続されているモバイルデバイス1(207)およびモバイルデバイス2(208)と、通信マネージャ26を含む通信サーバ210と、キャリアゲートウエイ27と、PSTN220通じてPBX225に接続されているゲートウエイ215と、電話1(230)とを含む。クライアントの各々は、カンバセーションのモダリティの伝送において使用される伝送マネージャ26を含む。上で簡単に説明したように、伝送マネージャ26は、1つのエンドポイントから別のエンドポイントへのカンバセーションの異なるモダリティを伝送する、メッセージを生成するように構成される。
【0020】
通信サーバ210は、適した伝送先へ着信をルーティングするように構成される。システム200内の通信伝送は、異なる手法となり得る。例えば、電話番号は、逆引き番号検索(Reverse Number Lookup; RNL)プロセスを使用してSIP URIに位置付けられることができる。逆引き番号検索を実行することによって、サーバ210は、特定のユーザのSIP URIに関連付けられたエンドポイントへコールをルーティングすることができる。サーバは、適した媒体のゲートウエイ(いわゆる、キャリアゲートウエイ27、ゲートウエイ215)へコールをルーティングする管理者によって、構成されたコール権限のルールを利用することもできる。1つの実施例によれば、通信サーバ210は、SIPを利用する。この業界標準プロトコルのより詳しい情報については、http://www.ietf.org/rfc/rfc3261.txtにおいて探すことができる。一般的に、SIPは、VoIP(Voice over-IP)のコールのシグナリングについて広く使用されている2つのパーティの間のセッションのセットアップ、強制終了、およびメディアの交渉についての標準を定義する。セッション記述プロトコル(Session Description Protocol; SDP)、または他の幾つかのプロトコルはまた、システムによって利用されて、マルチメディアセッションがどのように編成されてカンバセーションのエンドポイントを参加させるかを定義する。
【0021】
通信サーバ210は、IPネットワーク上でのエンドポイントへコールをルーティングし(IP−IPコール)、PSTN/PBXへコールをルーティングし(IP−PSTNコール)、キャリアネットワーク等の他のネットワークを使用して伝送先へコールをルーティングすることもできる。通信サーバは、1つまたは複数のゲートウエイを通じてネットワークへ接続できる。ゲートウエイ215は、ネットワークとIP音声インフラストラクチャとの間でシグナルリングとメディアをトランスレートする。
【0022】
通信サーバ210は、1つまたは複数の場所について通信サービスを提供するように構成されうる。例として、通信サーバ210は、IPネットワーク18および/または他のIPネットワーク(例えば、IPネットワーク2(212))を使用して接続される支店を有する企業のために利用されることができる。例として、クライアント3は、通信サーバ210が、本社に位置している場合、支社に位置することが可能である。
【0023】
伝送マネージャ26は、異なるモダリティを含むカンバセーションを、1つまたは複数の伝送ターゲットへ伝送するのを助けるように構成される。例として、クライアント1およびクライアント3は、IMモダリティおよびオーディオビジュアル(AV)モダリティを含むカンバセーションに含まれることができる。VoIPのカンバセーション中の幾つかのポイントにおいて、クライアント1は、カンバセーションのモダリティの1つまたは両方を別のエンドポイントへ伝送するように決定することができる。例えば、クライアント1は、クライアント2へ伝送するようにカンバセーションのIMモダリティおよびAVモダリティを選択するユーザインタフェースを利用しうる。カンバセーションの各モダリティは、同じエンドポイントまたは異なるエンドポイントへ伝送されうる。本実施例では、カンバセーションのモダリティが、クライアント1からクライアント2へ伝送されると、AVモダリティおよびIMモダリティを含むカンバセーションは、クライアント2とクライアント3との間にある。カンバセーションのモダリティを伝送することに加えて、カンバセーションのペイロードも伝送されうる。一般的には、カンバセーションのペイロードは、確立されたカンバセーションの中で生成され、および/または使用される情報に関連するデータである。例として、カンバセーションのペイロードは、IM履歴、アプリケーションデータ等のモダリティに関連する情報となりうる。1つの実施例によれば、カンバセーションのペイロードが、伝送されるとき、SIPのトラザクション(REFER)は、伝送するカンバセーションのペイロードとカンバセーションのペイロードのデータ(図4を参照)を指し示す伝送オプションを含む。1つの実施例によれば、カンバセーションのペイロードは、伝送コンテキスト内に含まれる。
【0024】
カンバセーションの異なるモダリティを、伝送先(この場合、クライアント3)に差し向けた後、クライアント3は、各通信モダリティについての新しいSIPのトラザクション(INVITE)を希望の伝送ターゲット(この場合、クライアント2)へ発行する。
【0025】
伝送ターゲット(いわゆるクライアント2)は、インビテーションを受け入れると、伝送先(クライアント3)は、伝送の成功または失敗を指し示す新しいSIPのトラザクション(NOTIFY)を、伝送元(クライアント1)へ送信する。1つの実施例によれば、伝送元は、伝送の成功の通知を伝送先から受信されるまで、確立されたカンバセーションの、カンバセーションのモダリティを終了しない。別の実施例により、伝送されたモダリティは、モダリティが、伝送先に差し向けられた後、任意のポイントにおいて終了されることができる。
【0026】
次に、図3から図5を参照しつつ、カンバセーションのモダリティを伝送する、例示的なプロセスについて説明する。本明細書で提示しているルーチンの説明を読むと、さまざまな実施形態の論理的オペレーションは、(1)コンピューティングシステム上で実行される一連のコンピュータ実装活動またはプログラムモジュールとして、および/または(2)コンピューティングシステム内の相互接続されたマシン論理回路または回路モジュールとして実装されることは理解されるであろう。この実装は、本発明を実装するコンピューティングシステムの性能要件に応じて選択できるものである。したがって、本明細書において例示されている、本明細書で説明されている実施形態を構成する論理的なオペレーションは、演算、構造的デバイス、活動、またはモジュールとさまざまに称される。これらの演算、構造的デバイス、活動、およびモジュールは、ソフトウエア、ファームウエア、専用デジタル論理回路、およびこれらの任意の組み合わせで実装されうる。
【0027】
次に、図3を参照しつつ、カンバセーションの複数のモダリティの伝送の概略プロセスについて説明する。
【0028】
オペレーションの開始後、プロセスは、異なるモダリティを含むカンバセーションが少なくとも2つのユーザの間で確立されたオペレーション310へ流れる。カンバセーションは、サポートされた通信モードの任意の種類を含むことが可能である。例として、カンバセーションは、IMモダリティ、ビデオモダリティ、音声モダリティ、アプリケーション共有モダリティ、オーディオビジュアルモダリティ等になりえる。カンバセーションは、ユーザが別のユーザから通信リクエストを受け入れたとき、確立される。
【0029】
オペレーション320に移動すると、決定は、伝送されるモダリティのプロパティおよび伝送されるカンバセーションのモダリティについて行われる。1つの実施形態により、ユーザは、伝送するモダリティおよび伝送するプロパティを選択するようにユーザインタフェースを利用できる。例として、ユーザインタフェースは、カンバセーションのモダリティを有するアクティブなカンバセーションを示し、伝送するカンバセーションのモダリティをユーザに選択させることができる。1つの実施形態により、ユーザは、1つまたは複数の伝送ターゲットへ伝送するようにカンバセーションのモダリティのすべてを選択する。ユーザは、伝送するモダリティのプロパティを決定することもできる。例えば、決定は、モダリティが伝送されたとき、モダリティについてのカンバセーションのペイロードを伝送するか否かについて行われる。例えば、ユーザは、IMモダリティが伝送されるときカンバセーションのIM履歴を伝送すること、ビデオモダリティが伝送されるときビデオを伝送すること、アプリケーション共有モダリティが伝送されるときアプリケーションデータを伝送すること、等を決定できる。
【0030】
オペレーション330に移ると、選択された各モダリティについての伝送ターゲットは、決定される。1つの実施形態により、ユーザインタフェースは、伝送される各モダリティと伝送ターゲットを関連付けるように使用されうる。任意の数のカンバセーションのモダリティは、単一の伝送ターゲットに関連付けられうる。例として、カンバセーションが3つのモダリティを有するとき、3つすべては単一の伝送ターゲットへ伝送され、または3つのモダリティの2つは1つのターゲットへ伝送されるが、3番目のモダリティは異なる伝送ターゲットへ伝送され、または各モダリティは、異なるターゲットへ伝送されうる。
【0031】
オペレーション340のフローに流れ、各モダリティは、決定された伝送ターゲットへ伝送される。1つの実施形態により、伝送は、SIPプロトコルを使用して完了する。
【0032】
オペレーション350に移ると、伝送されたモダリティは終了する。1つの実施形態により、モダリティは、通知が、モダリティが伝送ターゲットへ成功裏に伝送されたことを示す通知が受信されるまで、オリジナルのカンバセーションから終了されない。
【0033】
次いで、このプロセスは、終了ブロックに流れ、他のアクションの処理に戻る。
【0034】
図4に、カンバセーションのモダリティの伝送のための例示的なプロセスを示す。示されているように、プロセス400は、伝送元410、伝送先420、伝送ターゲット(TT1)430、および伝送ターゲット(TT2)440を含む。2つの伝送ターゲットが図示されているが、より多い、またはより少ない伝送ターゲットが有りうる。例として、1つだけの伝送ターゲット、または3つの伝送ターゲットが有りうる。
【0035】
1から3のステップは、伝送元410と伝送先420との間の3つの異なるモダリティを確立することが示されている。示されたように、IMモダリティ、オーディオビジュアルモダリティ、アプリケーション共有モダリティは、確立され、単一のカンバセーション(C1)と関連付けられる。より多い、またはより少ない通信のモダリティは、確立されうる。
【0036】
ボックス450に、伝送元410が、伝送先420へカンバセーションC1のモダリティを伝送する、ステップ4から9を示す。ステップ4では、伝送元410は、IMモダリティを伝送し、伝送ターゲットTT1(430)を選択する。この伝送では、伝送元410は、IMモダリティの伝送と共にIM履歴を含むように決定される。図のように、REFERメッセージは、カンバセーションのペイロードを伝送するように指し示される“履歴”の伝送オプションを含む(この場合では、IM履歴)。ステップ6から9に、AVモダリティおよびアプリケーション共有モダリティを伝送ターゲットTT2(440)に伝送することを示す。伝送される各モダリティは、モダリティと共に伝送される、関連付けられたカンバセーションのペイロードを有することができる。例えば、AVモダリティは、カンバセーションのペイロードとして伝送されるビデオコンテンツ、または他のコンテンツを有することができる。同様に、コンテンツを共有するアプリケーションは、カンバセーションのペイロードとして伝送される、共有されるアプリケーション、共有されるリソースへのリンク、共有される1つまたは複数のドキュメント等のアイテムを有することができる。1つの実施形態により、カンバセーションのペイロードのすべてまたは一部は、伝送されうる。例えば、何のコンテンツをカンバセーションのペイロード内で伝送するかを選択するセレクションが(例えば、ユーザインタフェースを使用して)行なわれる。
【0037】
ボックス460に、伝送先420が、カンバセーションC1のモダリティの伝送を受け入れるように、伝送ターゲットTT1およびTT2をインバイトするステップ10から20を示す。ステップ10から12は、伝送先420がIM履歴と共にIMモダリティを受け入れるようにTT1(430)をインバイトすることを示す。ステップ13から20は、伝送先420がAVモダリティおよびアプリケーション共有モダリティを受け入れるようにTT2(440)をインバイトすることを示す。
【0038】
ボックス470に、伝送元410に伝送されたモダリティの各々の結果を伝送先420が提供することを示す。伝送元410が、伝送の成功という通知を受けたとき、伝送元410は、確立されたカンバセーションからこのモダリティを終了させる。
【0039】
図5を参照すると、管理された伝送を使用するカンバセーションのモダリティを伝送するプロセスのフローが表されている。示されているように、プロセス500は、伝送先510、伝送元520、および伝送ターゲット(TT)530を含む。1つの伝送ターゲットが示されているが、より多くの伝送ターゲットが有りうる。例えば、2つ、またはそれ以上の伝送ターゲットが有りうる。さらに、モダリティの各々について管理された伝送が示されているが、任意の数のカンバセーションのモダリティは、管理されたやり方において伝送されうる。
【0040】
ステップ1から2に、伝送先510と伝送元520との間のカンバセーション内で2つの異なるモダリティが確立されることを示す。示されたように、IMモダリティおよびオーディオビジュアルモダリティは、確立され、単一のカンバセーション(C1)に関連付けられる。より多い、またはより少ない通信モダリティは、単一のカンバセーションと共に確立されうる。
【0041】
ステップ3から5に、伝送先510と伝送元520との間に確立されるモダリティを伝送するか否かを決定するために伝送ターゲット530とのダイアログを伝送元520が確立することを示し、そして、ステップ3から5は、カンバセーションC1の一部である。
【0042】
ボックス540に、伝送元520は、伝送ターゲット530が伝送ターゲット530と伝送元520との間のダイアログに応答して伝送リクエストを受け入れた後、伝送元520を伝送ターゲット530に置き換えるように伝送先510へ参照リクエストを送信するステップ6から9を示す。伝送元520は、ダイアログが置き換えられることを通知する伝送リクエストを伝送先510へ送信する。この管理された伝送の例では、カンバセーションのペイロードは、伝送されない(例えば、伝送先510と伝送元520との間のIM履歴は、伝送ターゲット530へ伝送されないであろう)。示されたように、REFERメッセージは、カンバセーションのペイロードを伝送するよう指し示す伝送オプションの“履歴”を含む(この場合では、IM履歴)。
【0043】
ボックス550に、伝送先510が、カンバセーションC1のモダリティの伝送を受け入れるように、TT530をインバイトすることを示す。ステップ10から12に、伝送先510が、IMモダリティを受け入れ、ダイアログD1をIMモダリティに置き換えるようにTT(530)をインバイトすることを示す。ステップ13から16に、伝送先510が、AVモダリティを受け入れるようにTT(530)をインバイトすることを示す。
【0044】
ボックス560に、伝送先510は、モダリティの伝送が成功することを伝送元520に通知する、ステップ17から26を示す。伝送されたモダリティについての成功の通知に応答して、伝送先510と伝送元520との間のオリジナルのカンバセーションのモダリティは、終了される。
【0045】
図6に、必須でないカンバセーションのモダリティが伝送に失敗する例示的なプロセスを示す。示されたように、プロセス600は、伝送元610、伝送先620、伝送ターゲット(TT1)630、および伝送ターゲット(TT2)640を含む。2つの伝送ターゲットが示さているが、より多い、またはより少ない伝送ターゲットが有りうる。
【0046】
ステップ1から3に、伝送元610と伝送先620との間の3つの異なるモダリティが確立されることを示す。示されたように、IMモダリティ、オーディオビジュアルモダリティおよびアプリケーション共有モダリティは、確立され、単一のカンバセーション(C1)に関連付けられる。より多い、またはより少ない通信モダリティは、確立されうる。
【0047】
ボックス650に、伝送元610は、伝送先620へカンバセーションC1のモダリティを伝送するステップ4から5を示す。この例では、ユーザは、他のモダリティよりもカンバセーションの1つのモダリティ(IMモダリティ)を優先させ、カンバセーションの他のモダリティが伝送される前に、IMモダリティを成功させなければならないよう特徴付ける。モダリティの優先順位付けは、ユーザインタフェースから、または他の幾つかのやり方において、決定されうる。1つの実施形態により、デフォルトの優先順位は、カンバセーションにおいて利用できるモダリティの各々について構成されうる。例えば、ある動作シナリオにおいて、いくつかのモダリティが、伝送元がカンバセーションの他のモダリティを伝送しようと試みる前に、伝送されなければならないということが決定されうる。この例では、伝送元610は、IMモダリティが最初に伝送されるという選択、およびIMモダリティの伝送が失敗したら、他のモダリティは伝送されないという選択がなされている。ステップ4では、伝送元610は、IMモダリティを伝送先620へ伝送し、伝送についての伝送先として伝送ターゲットTT1(630)を選択する。この伝送において、伝送元610は、IMモダリティの伝送と共に、IM履歴を含むように決定する。
【0048】
ボックス660に、伝送先620がIMモダリティの伝送を受け入れるようTT1 630をインバイトすること、およびTT1 630が伝送を受け入れることを表すステップ6から8を示す。ボックス670に、伝送先620がIMモダリティの成功した伝送を伝送元610に通知することを表すステップ9から12を示す。IMモダリティの伝送が成功したので、伝送元は、カンバセーションC1のIMモダリティを終了させる。IMモダリティの伝送が、この例において失敗したら、他のモダリティは、伝送されるように試みられないだろう(図7および関連する説明を参照)。
【0049】
ボックス680に、必須の伝送であるように優先させたIMモダリティの成功した伝送の後、伝送ターゲットTT2(640)へのAVモダリティおよびアプリケーション共有モダリティの伝送を表すステップ13から32を示す。ステップ13から16に、伝送元610が残りのモダリティを伝送先620に差し向けることを示す。ステップ17から20に、伝送先620がAVモダリティを受け入れるようにTT2(640)をインバイトすること、およびTT2 640がインビテーションを受け入れることを示す。ステップ21から24に、伝送先620が共有モダリティを受け入れるようにTT2(640)をインバイトすること、およびTT2(640)が共有モダリティを伝送するインビテーションを受け入れないことを示す。ステップ25から28に、伝送先620がAVモダリティの伝送の成功を伝送元610に通知すること、および伝送元610がAVモダリティを終了させることを示す。ステップ29から32に、伝送先620が共有モダリティを伝送しようとして失敗したことを伝送元610に通知すること、および伝送元610がカンバセーションから共有モダリティを終了させることを示す。
【0050】
図7に、カンバセーションのモダリティの必須の伝送が失敗する例示的なプロセスを示す。示されたように、プロセス700は、伝送元710、伝送先720、伝送ターゲット(TT1)730を含む。1つの伝送ターゲットが示されているが、より多い伝送ターゲットが有りうる。
【0051】
ステップ1から3に、伝送元710と伝送先720との間の3つの異なるモダリティが確立されることを示す。示されたように、IMモダリティ、オーディオビジュアルモダリティおよびアプリケーション共有モダリティは、確立され、単一のカンバセーション(C1)に関連付けられる。より多い、またはより少ない通信モダリティは、確立されうる。
【0052】
ボックス740に、伝送元710は、伝送先720へカンバセーションC1のモダリティを伝送するステップ4から5を示す。この例では、ユーザは、他のモダリティよりもカンバセーションの1つのモダリティ(IMモダリティ)を優先させ、IMモダリティの伝送が必須であることを特徴付ける。この例では、IMモダリティは最初に伝送され、IMモダリティの伝送が失敗したら、他のモダリティは伝送されない。ステップ4では、伝送元710は、IMモダリティを伝送し、伝送ターゲットTT1(730)を選択する。この伝送において、伝送元710は、IMモダリティの伝送と共に、IM履歴を含むように決定する。
【0053】
ボックス750に、伝送先720が、IMモダリティの伝送を受け入れるようTT1 730をインバイトすることを表すステップ6から8を示す。この例では、IMモダリティのTT1 730への伝送は、成功しなかった。
【0054】
ボックス760に、伝送先720が、IMモダリティの失敗した伝送を伝送元710に通知することを表すステップ9から10を示す。IMモダリティの伝送が失敗したので、伝送元は、カンバセーションC1のIMモダリティを終了させず、カンバセーションは、カンバセーションの伝送が試みられる前の時と同じままである。
【0055】
上記の仕様、実例、およびデータにより、本発明の構成物の製造および使用に関する完全な説明を提供する。本発明の多くの実施形態は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく実装できるため、本発明は付属の請求項によって画定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上でカンバセーションのモダリティを伝送する方法であって、
伝送元と伝送先との間で、異なるモダリティを含むカンバセーションを前記IPネットワーク上で確立するステップと、
プロセッサを使用して、前記カンバセーション中で用いられる前記異なるモダリティをいつ伝送するかを決定するステップと、
前記カンバセーションの前記異なるモダリティを伝送する少なくとも1つの伝送ターゲットを決定するステップと、
決定された前記伝送ターゲットへ前記異なるモダリティの各々を伝送するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
通信の前記異なるモダリティは、次のモダリティ、つまり、
音声のモダリティ、インスタントメッセージのモダリティ、ビデオのモダリティ、アプリケーション共有モダリティ、およびデスクトップ共有のセッション、の少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記伝送ターゲットへ前記異なるモダリティを伝送するステップは、少なくとも1つの伝送される前記異なるモダリティの管理された伝送を実行するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
伝送されるモダリティについてのカンバセーションのペイロードを伝送するステップをさらに備え、前記カンバセーションのペイロードは、確立された前記カンバセーションの間で使用されるデータであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
伝送される前記カンバセーションのペイロードは、IMモダリティが伝送されるとき、IM履歴であることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記モダリティが伝送された後、確立された前記カンバセーション内で、伝送された前記モダリティの各々を終了させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記モダリティが伝送された後、確立された前記カンバセーション内で、伝送された前記モダリティの各々を終了させるステップは、成功裏に伝送されたモダリティだけを終了させるステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記カンバセーションのモダリティを必須のモダリティであると特徴付けるステップと、
前記カンバセーションの他のモダリティを伝送しようとする前に、前記必須のモダリティを伝送するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ユーザインタフェースを通して伝送するように、前記伝送ターゲットの選択、および前記カンバセーションの前記異なるモダリティを受け入れるステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項10】
インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上でカンバセーションのモダリティを伝送するコンピュータ実行可能命令を有する、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、
伝送元と伝送先との間で、少なくとも2つの異なるモダリティを含むカンバセーションを前記IPネットワーク上で確立することと、
前記カンバセーションの前記異なるモダリティをいつ、1つまたは複数の伝送ターゲットへ伝送するかを決定することと、
前記異なるモダリティを前記伝送元から決定された前記伝送ターゲットへ伝送することと、
前記モダリティの伝送の結果を指し示す通知を前記伝送元において受信することと、
前記伝送の前記結果が成功であることを指し示す前記通知を受信すると前記モダリティを終了させることと
を備えたことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
通信の前記異なるモダリティは、次のモダリティ、つまり、
インスタントメッセージのモダリティ、ビデオのモダリティ、デスクトップ共有モダリティ、およびアプリケーション共有モダリティ、の少なくとも2つを含むことを特徴とする請求項10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記伝送元から前記伝送ターゲットへ前記異なるモダリティを伝送する手段は、前記伝送を管理することを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
伝送される少なくとも1つの前記モダリティについてのカンバセーションのペイロードを伝送することをさらに備え、前記カンバセーションのペイロードは、前記伝送元と前記伝送先との間で確立された前記カンバセーション中、保存されたデータを含むことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記カンバセーションのモダリティを必須のモダリティであると特徴付けることと、
前記必須のモダリティの前記伝送が失敗するとき、前記カンバセーションを、前記伝送が試みる前の前記カンバセーションの状態へ戻すことと
をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
インターネットプロトコル(IP)ネットワーク上でカンバセーションのモダリティを伝送するシステムであって、
前記IPネットワークへ接続されるように構成されるネットワーク接続と、
プロセッサおよびコンピュータ可読媒体と、
前記コンピュータ可読媒体に格納され、および前記プロセッサ上で実行するオペレーティング環境と、
前記オペレーティング環境の制御下で次の動作をすることが可能な伝送マネージャとを備え、
次の動作は、
前記IPネットワーク上で確立されたカンバセーションの異なるモダリティをいつ、1つまたは複数の伝送ターゲットへ伝送するかを決定することであって、通信の前記異なるモダリティは、インスタントメッセージのモダリティ、ビデオのモダリティ、およびアプリケーション共有モダリティ、の少なくとも2つを含む、ことと、
前記伝送ターゲットへ前記異なるモダリティを伝送することと、
前記モダリティの各々について前記伝送の成功または失敗を指し示す結果を、各々の伝送された通知に対して受信することと、
前記確立されたカンバセーション内で、各々の伝送されたモダリティについての前記モダリティを終了させることと
を含むことを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−511769(P2013−511769A)
【公表日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−539916(P2012−539916)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/053501
【国際公開番号】WO2011/062723
【国際公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】