説明

カーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体

【課題】車両に生じた不具合を早急に発見することができるとともに、人を介することなく車両に生じた不具合を発見することができるようにしたカーシェアリングシステムを提供する。
【解決手段】利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記車両に生じた不具合を管理するカーシェアリングシステムにおける車両管理システムであって、上記車両に搭載された1つ以上のECUに生じた不具合を監視する監視手段と、上記監視手段による監視結果を管理者に報告する報告手段と、上記監視手段により監視された上記ECUに生じた不具合に基づいて、上記車両の使用を停止する車両使用停止手段とを有するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関し、さらに詳細には、車両における故障などの不具合の管理を容易にするカーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一台の自動車を複数の会員が共同で利用する自動車の新しい利用形態として、所謂、カーシェアリングが注目されている。
【0003】
ここで、カーシェアリングとは、利用者は自ら自動車を所有せず、管理団体の会員となり、必要に応じてその団体の自動車を借りるというものである。
【0004】
また、カーシェアリングは、ある地域に限定したコミュニティーの中で会員同士で自動車を共有し、インターネットなどを通じて車両の利用状態の確認や利用予約を行うようにしているため、貸し出し手続に時間を必要とせず、貸し出し・返却場所は、居住しているマンションの駐車場であったり、あるいは、通勤駅の近くであったりと、会員が利用するにあたって便利な場所に設定されていることが多い。
【0005】
こうしたカーシェアリングにより、利用者は、自動車を所有する場合に比べて、自動車取得費用、維持経費ならびに駐車料金といった費用を削減することができるようになる。
【0006】
さらに、カーシェアリングが広く普及されることにより、自動車の総台数の低減が見込まれ、都市の交通渋滞の緩和やエネルギー消費量の低減により、二酸化炭素による地球温暖化を抑止する効果が期待されている。
【0007】

ところで、上記したような従来のカーシェアリングにおいては、例えば、図1のブロック構成図に示すようなシステムを構築し、このシステムにより車両の予約や運行の管理が行われている。
【0008】
即ち、従来の技術によるカーシェアリングシステム100は、カーシェアリングシステム100の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに当該管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられかつ携帯電話網でサーバー108と接続される車載器112と、車両110に設けられるとともに車載器112と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器112に接続されるキーボックス116とを有して構成されている。
【0009】

以上の構成において、図2乃至図4を参照しながら、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明する。
【0010】
まず、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0011】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにログインする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0012】
ここで、上記したICカードを取得した利用者が、カーシェアリングシステム100を利用して車両110の予約や利用を行う場合には、利用者がパーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスして会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力してログインし、車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS202)。
【0013】
こうした利用者による車両110の予約が完了し、予約時間になると、携帯電話網を利用して、この予約の情報がサーバー108から車載器112に送られる。
【0014】
そして、利用者は予約した時間に車両110が駐車された駐車場まで行き(ステップS204)、車両110に設けられたカードリーダー114に、会員登録時に取得したICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS206)。
【0015】

ここで、図3のフローチャートには、このステップS206における車両利用前のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、予約時間になり、サーバー108から予約の情報が車載器112に送られると、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、カードリーダー114が起動されるので、予約時間に車両110が駐車している駐車場に来た利用者はカードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS302)。
【0016】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS304)。
【0017】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かを判断する(ステップS306)。
【0018】
ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように促し(ステップS308)、再度、ステップS302の処理に戻る。
【0019】
一方、ステップS306の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるとともに、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110のセキュリティを解除した旨の音声ガイダンスを流し、車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS310)。
【0020】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0021】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0022】

上記したステップS206の処理による認証が完了すると、利用者は、車両110に乗車してキーボックス116からキーを取り出し(ステップS208)、取り出したキーを利用してエンジンをかけて車両110を利用する(ステップS210)。
【0023】
その後、車両110を利用した利用者は、予約時間が終了するまでに車両110を決められた駐車場に駐車させ(ステップS212)、車両110のキーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉める(ステップS214)。
【0024】
ステップS214の処理の後に、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS216)。
【0025】

ここで、図4のフローチャートには、このステップS216における車両利用後のICカードによる認証処理の詳細な処理内容が示されており、この車両利用後のICカードによる認証処理においては、まず、車載器112において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられているか否かの判断を行う(ステップS402)。
【0026】
ステップS402の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックスへのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉じられていること」の3つのうち、1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用すると判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0027】
一方、ステップS402の判断処理において、車両110のエンジンが停止し、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉じられていると判断された場合には、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114の起動を知らせるとともに、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流し、車両110に設けられたカードリーダー114を起動させる。
【0028】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳して、カードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS404)。
【0029】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードを車載器112に出力し、車載器112から携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS406)。
【0030】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS408)。
【0031】
このステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促し(ステップS410)、再びステップS404の処理に戻る。
【0032】
一方、ステップS408の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS412)、当該利用者が利用している車両110が存在しているか否かの判断を行う(ステップS414)。
【0033】
このステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動させることなく処理を終了する。
【0034】
即ち、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を利用している状態となる。
【0035】
一方、ステップS414の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を携帯電話網を利用して車載器112に出力し、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS416)。
【0036】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、返却処理中のことである。)は、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0037】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、返却処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、車載器112の制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0038】

そして、上記したステップS216の処理による認証が完了すると、車載器112により、走行距離、走行時間ならびに車両110の状態などが確認され、確認された情報をサーバー108に出力し、管理団体がパーソナルコンピューター102によりサーバー108にアクセスし、車載器112からの情報に基づいて車両110の利用に関する料金を算出し、算出した料金を会員のパーソナルコンピューター104もしくは携帯電話106に通知する(ステップS218)。
【0039】

ところで、車両110においては、一般的にエンジンやブレーキなどのそれぞれ車載システム毎の電気的な制御を行うためのエレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)が搭載されている。
【0040】
通常、こうした車載システムの電気的な制御を行うECUは、車載式故障診断装置(OBD:On Board Diagnosis)に接続されており、OBDにおいて走行中に発生した車両の不具合情報を検出するとともに所定の記憶領域に記憶するものである。
【0041】
このOBDの診断機能を利用して、車両110の点検の際などには、整備工場において所定の診断機器などを利用してOBDにアクセスし、そこから得た情報により車両110に生じた不具合の原因を検出するようにしている。
【0042】

ここで、上記したカーシェアリングシステム100を利用したカーシェアリングにおいては、人を介することなく貸出や返却が行われるため、人を介して貸出や返却が行われるレンタカーとは異なり、車両110の返却の度に専門のスタッフによる車両110の点検を行うことはない。
【0043】
このため、車両110に何らかの不具合が発生した場合には、不具合を見つけた利用者からの連絡、あるいは、専門のスタッフによる定期点検があるまで車両110において発生した不具合を発見することができなかった。
【0044】
従って、カーシェアリングにおいて、車両110の円滑な運用を図るためには、専門のスタッフにより車両110の定期点検を頻繁に行わなければならず、管理コストが高くなってしまっていた。
【0045】
さらに、カーシェアリングにおいて、車両110に対して専門のスタッフにより定期点検を頻繁に行うとしても、利用者からの車両110の返却が行われる度に点検を行うことは現実的ではなく、現在のところ車両110の返却が行われる度に専門のスタッフによる車両110の点検は行われていなかった。
【0046】
従って、車両110に不具合が発生していたとしても、不具合を発生している車両110を利用者が利用してしまう恐れがあり、利用者に対して十分な安全性を確保することが困難であった。
【0047】
このため、車両110に生じた不具合を早急に発見することができるとともに、人を介することなく車両110に生じた不具合を発見することができるカーシェアリングシステムの提案が強く望まれていた。
【0048】

なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0049】
本発明は、従来の技術の有する上記したような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両に生じた不具合を早急に発見することができるとともに、人を介することなく車両に生じた不具合を発見することができるようにしたカーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0050】
上記目的を達成するために、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記車両に生じた不具合を管理するカーシェアリングシステムにおける車両管理システムであって、上記車両に搭載された1つ以上のECUに生じた不具合を監視する監視手段と、上記監視手段による監視結果を管理者に報告する報告手段と、上記監視手段により監視された上記ECUに生じた不具合に基づいて、上記車両の使用を停止する車両使用停止手段とを有するようにしたものである。
【0051】
また、本発明は、上記した発明において、上記車両使用停止手段は、監視結果として示される上記ECUに生じた不具合の程度を判断する判断手段と、上記車両の使用を直ちに停止するように上記利用者に警告を行う警告手段と、上記車両に関する情報を上記車両の修理を行う業者に通報する第1の通報手段と、上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報する第2の通報手段と、上記車両の予約を停止する予約停止手段とを有し、上記車両使用停止手段においては、上記判断手段の判断結果に基づいて、上記警告手段により上記車両の使用を直ちに停止するように上記利用者に対して警告し、上記第1の通報手段により上記車両の修理を行う業者に上記車両に関する情報を通報するとともに、上記第2の通報手段により上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報し、上記予約停止手段により上記車両の予約を停止するようにしたものである。
【0052】
また、本発明は、上記した発明において、上記判断手段は、上記車両の使用を直ちに停止しなければならないか否かを判断し、上記判断手段により、上記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、上記警告手段により上記車両を利用している上記利用者に対して、上記車両の使用を直ちに停止するように警告を行い、上記第1の通報手段により上記業者に上記車両に関する情報を通報し、上記第2の通報手段により上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報し、上記予約停止手段により上記車両の予約を停止し、上記判断手段により、上記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断されなかった場合には、上記第2の通報手段により上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報し、上記予約停止手段により上記車両の予約を停止し、上記第1の通報手段により上記業者に上記車両に関する情報を通報するようにしたものである。
【0053】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記警告手段による警告が行われた後に、上記利用者が上記車両のエンジンを止めたときにGPS衛星からのGPS信号を受信し、該GPS信号に基づいて上記車両の位置情報を取得する車両位置情報取得手段とを有し、上記判断手段により、上記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断された場合において、上記第1の通信手段が上記業者に通報する上記車両に関する情報は、上記車両位置情報取得手段により取得した上記車両の位置情報および上記監視手段によって監視された上記車両に生じた不具合の情報であるようにしたものである。
【0054】
また、本発明は、利用者からの予約に応じて車両を管理し、上記利用者による認証処理を行って、上記利用者への上記車両の貸出および返却を行うとともに、上記車両に生じた不具合を管理するカーシェアリングシステムにおける車両管理方法であって、上記車両に搭載された1つ以上のECUに生じた不具合を監視する第1の工程と、上記複数のECUの監視結果を管理者に報告する第2の工程と、上記監視手段により監視された上記ECUに生じた不具合に基づいて、上記車両の使用を停止する第3の工程とを有するようにしたものである。
【0055】
また、本発明は、上記した発明において、上記第3の工程は、上記第1の工程で監視された上記ECUに生じた不具合の程度を判断する第4の工程と、上記車両の使用を直ちに停止するように上記利用者に警告を行う第5の工程と、上記車両に関する情報を上記車両の修理を行う業者に通報する第6の工程と、上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報する第7の工程と、上記車両の予約を停止する第8の工程とを有し、上記第3の工程においては、上記第4の工程における判断結果に基づいて、上記第5乃至上記第8の工程を行うものであるようにしたものである。
【0056】
また、本発明は、上記した発明において、上記第4の工程では、上記車両の使用を直ちに停止しなければならないか否かの判断を行い、上記第4の工程において、上記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、上記第5の工程で上記車両を利用している利用者に対して、上記車両の使用を直ちに停止するように警告を行い、上記第6の工程で上記業者に上記車両に関する情報を通報し、上記第7の工程で上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報し、上記第8の工程で上記車両の予約を停止し、上記第4の工程において、上記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断されなかった場合には、上記第7の工程で上記車両が使用できなくなった旨を上記車両を予約した利用者に通報し、上記第8の工程で上記車両の予約を停止し、上記6の工程で上記業者に上記車両に関する情報を通報するようにしたものである。
【0057】
また、本発明は、上記した発明において、さらに、上記第5の工程で警告が行われた後に、上記利用者が上記車両のエンジンを止めたときにGPS衛星からのGPS信号を受信し、該GPS信号に基づいて上記車両の位置情報を取得する第9の工程とを有し、上記第4の工程において、上記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、上記第6の工程において上記業者が通報する上記車両に関する情報は、上記第9の工程で取得した上記車両に位置情報および上記第1の工程で監視された上記車両に生じた不具合の情報であるようにしたものである。
【0058】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0059】
また、本発明は、上記した発明に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理方法をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
【0060】
また、本発明は、上記した発明に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0061】
本発明は、以上説明したように構成されているので、車両に生じた不具合を早急に発見することができるとともに、人を介することなく車両に生じた不具合を発見することができるという優れた作用効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】図1は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図2】図2は、従来の技術によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図3】図3は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】図4は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図である。
【図6】図6は、本発明によるカーシェアリングシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、カーシェアリングシステムにおける車両利用前の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図8は、カーシェアリングシステムにおける車両の使用停止処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図9は、カーシェアリングシステムにおける車両利用後の認証処理の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるカーシェアリングシステムにおける車両管理システム、車両管理方法、プログラムおよびコンピューター読み取り可能な記録媒体の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0064】
なお、以下の説明においては、図1乃至図4を参照しながら説明した従来の技術によるカーシェアリングシステム100と同一または相当する構成については、上記において用いた符号と同一の符号を用いて示すことにより、その詳細な構成ならびに作用の説明は適宜に省略することとする。
【0065】

ここで、図5には、本発明によるカーシェアリングシステムの概要を示すブロック構成図が示されている。
【0066】
この図5に示す、本発明によるカーシェアリングシステム10は、カーシェアリングシステム10の管理団体のパーソナルコンピューター102と接続されるとともに管理団体の会員となった利用者のパーソナルコンピューター104や当該利用者の携帯電話106とネットワークなどを介して接続されるサーバー108と、車両110に設けられるとともにサーバー108と携帯電話網を利用して接続される車載器12と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるカードリーダー114と、車両110に設けられるとともに車載器12と接続されるキーボックス116と、車両110に設けられるとともに車載器に接続されるOBD20とを有して構成されている。
【0067】

より詳細には、車載器12は、車両110に備えられた装置や機能に対する監視や当該監視に基づく制御を行うものであり、GPS衛星16と通信するGPSモジュール12aと、携帯電話網と接続する通信モジュール12bと、カードリーダー114、GPSモジュール12a、通信モジュール12bおよび監視部12e(後述する。)からの各種情報を処理するとともに、カードリーダー114、キーボックス116、OBD20ならびに車載器12の全体の動きを制御するメインコントローラー12cと、メインコントローラー12cからの情報により車両110に設けられたエンジンスタータ110aおよびドアロックアンロックシステム110bを操作する操作部12dと、車両110に設けられたドアスイッチ110c、イグニッション110d、バッテリー電圧110e、燃料計110f、車速110g、キーボックス116およびOBD20を監視する監視部12eと、メインコントローラー12cからの情報によりキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスなどを出力させる音声モジュール12fとを有して構成されている。
【0068】
また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からGPS信号を受信するために必要なアンテナ12aaを備えており、また、通信モジュール12bは、車載器12が各種情報を携帯電話網を介して送受信するためのアンテナ12baを備えている。
【0069】
さらに、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)に接続されている。
【0070】
さらにまた、カードリーダー114は、車両110内に配置されるとともに、車両110の外から利用者がICカードを翳すことにより、当該ICカードに記憶された認証用コードを読み取ることが可能な位置に配置されている。
【0071】
また、OBD20は、車両110に搭載されるとともに、エンジンスタータ110a、ドアロックアンロックシステム110b、ドアスイッチ110c、イグニッション110d、バッテリ電圧110e、燃料計110f、車速110gやエンジン、ブレーキなどの車載システム毎に設けられて各車載システムの電気的な制御を行うECU22と接続されており、具体的には、n個(「n」は正の整数である。)のECU22−1、22−2、・・・22−nと接続されている。つまり、図示はしないが、エンジンスタータ110a、ドアロックアンロックシステム110b、ドアスイッチ110c、イグニッション110d、バッテリ電圧110e、燃料計110fおよび車速110gのそれぞれが、ECU22−1〜22−nのいずれかと接続されていることとなる。
【0072】

以上の構成において、図6乃至図8を参照しながら、カーシェアリングシステム10を利用して車両110の予約や利用を行う場合について説明するが、はじめに各構成要素の機能について説明する。
【0073】
まず、メインコントローラー12cは、サーバー108、監視部12eおよびGPS衛星16からの各種情報の入力を行い、入力した情報を記憶するとともに、サーバー108に対して各種情報を出力する。
【0074】
さらに、このメインコントローラー12cは、操作部12d、監視部12e、音声モジュール12f、OBD20、カードリーダー114およびキーボックス116といった構成要素に対してそれらを制御する出力を行う。
【0075】
また、操作部12dは、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果などに基づいて、認証処理なしにドアを開けてエンジンをかけようとしてキーが使用されたと判断された場合に、メインコントローラー12cの制御により、エンジンスタータ110aを起動しないように制御することでエンジンがかからないようにする。
【0076】
さらに、操作部12dは、メインコントローラー12cから認証処理による認証が完了したとの情報を入力すると、ドアロックアンロックシステム110bを制御して車両110のドアのロックならびにロックの解除を行う。
【0077】
また、監視部12eは、ドアスイッチ110cから開閉信号を取得することによりドアの開閉状態の監視を行い、イグニッション110dからIG信号を取得することによりエンジンが起動した状態であるか否かの監視を行い、バッテリー電圧110eから電位を取得することにより車両110が動作状態か否かの監視を行い、燃料計110fから燃料の残量信号を取得することにより車両110の燃料の残量を監視を行い、車速110gから車速信号を取得することにより車両110の走行距離の監視を行い、OBD20から各ECU22−1〜22−nにおいて生じた不具合の情報を取得することにより車両110の不具合についての監視を行い、キーボックス116から所定の情報を取得することによりキーの有無などの監視を行うものであるとともに、こうした監視結果をメインコントローラー12cに出力するものである。
【0078】

また、GPSモジュール12aは、GPS衛星16からのGPS信号を取得し、当該GPS信号をメインコントローラー12cに出力するものであり、メインコントローラー12cにおいては、取得したGPS信号に基づいて車両110の位置情報を取得する。
【0079】
また、通信モジュール12bは、メインコントローラー12cにおける各種情報を携帯電話網を利用してサーバー108に出力するとともに、サーバー108から携帯電話網を利用して出力された各種情報をメインコントローラー12cに入力する。
【0080】
また、音声モジュール12fは、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスを流すものである。
【0081】
そして、カードリーダー114は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるとともに、読み取り部(図示せず。)にICカードが翳されると、ICカードから認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力する。
【0082】
さらに、カードリーダー114には、LEDランプ(図示せず。)が設けられており、メインコントローラー12cの制御により、このLEDランプ(図示せず。)を点滅させて、利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す。
【0083】
また、キーボックス116は、認証処理が完了した後に、メインコントローラー12cによって、キーの取り出しを可能または不可能な状態に制御されるとともに、音声モジュール12fからの音声ガイダンスを、設けられたスピーカー(図示せず。)から流すものである。
【0084】
ECU22−1〜22−nは、それぞれエンジンやブレーキなど車載システムを電気的に制御するコンピューターである。
【0085】
また、OBD20は、メインコントローラー12cによりその起動が制御されるとともに、ECU22−1〜22−nで生じた不具合情報を取得し、取得した不具合情報を監視部12eに出力するものである。
【0086】

次に、図6乃至図8を参照しながら、カーシェアリングシステム10における利用手順および携帯電話を利用した認証処理について説明する。
【0087】
まず、カーシェアリングシステム10を利用するに際して、利用者が管理団体に対し会員登録を申請すると、管理団体は、利用者固有の登録コードを作成し、当該登録コードを利用者に配布するとともに、サーバー108内に設けられた記憶手段(図示せず。)に記憶させる。
【0088】
さらに、上記した登録コードと同じ認証用コードが記憶されたICカードと、利用者がサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスする際に必要となるIDおよびパスワードとが利用者に対して配布される。
【0089】
そして、管理団体への会員登録を完了し、ICカードを取得した利用者は、カーシェアリングシステム10において、パーソナルコンピューター104または携帯電話106を利用してサーバー108に設けられた予約サイトにアクセスし、会員登録時に取得したIDおよびパスワードを入力してログインし、車両110の状態や車両110の予約状況といった情報を閲覧し、利用者の要望にあった車両110の予約を行う(ステップS602)。
【0090】
利用者による車両110の予約が完了し、予約時間になると、この予約情報がサーバー108から携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力される。
【0091】
そして、利用者は予約した時間に車両110が駐車している駐車場まで行き(ステップS604)、車両110に設けられたカードリーダー114に会員登録時に取得したICカードを翳すことにより認証処理を行う(ステップS606)。
【0092】

ここで、図7のフローチャートには、このステップS606における車両利用前の認証処理の詳細な処理内容が示されており、車両利用前の認証処理においては、まず、予約時間になり、サーバー108から予約情報がメインコントローラー12cに出力されると、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114に起動を知らせるとともに、カードリーダー114が起動されるので、予約時間に車両110が駐車している駐車場に来た利用者はカードリーダー114に対して会員登録時に取得したICカードを翳し、カードリーダー114に当該ICカードを読み取らせる(ステップS702)。
【0093】
即ち、利用者がカードリーダー114にICカードを翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取った認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する(ステップS704)。
【0094】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108では、当該認証用コードとサーバー108に予め記憶されている利用者の登録コードとが一致するか否かを判断する(ステップS706)。
【0095】
ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びICカードをカードリーダー114に翳すように促し(ステップS708)、再度、ステップS702の処理に戻る。
【0096】
一方、ステップS706の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致するという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるとともに、音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両のセキュリティを解除した旨の音声ガイダンスを流し、車両110のセキュリティを解除した状態、具体的には、車両110のドアロックを解除するとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができる状態とする(ステップS710)。
【0097】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、認証用コードと登録コードとが一致するか否かの判断処理による判断がなされるまで(つまり、認証処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0098】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、認証処理中、認証用コードと登録コードとが一致しないと判断されたとき、認証用コードと登録コードとが一致すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプの点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0099】

上記のようにして、ステップS606の車両利用前の認証処理により認証が完了すると、メインコントローラー12cによってカードリーダー114の電源が切られ、利用者は、車両110に乗車してキーボックス114からキーを取り出し(ステップS608)、取り出したキーを利用してエンジンをかけるが、このとき、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果に基づいてOBD20を起動し、ECU22−1〜22−nにおいて生じる不具合情報の検出を開始する(ステップS610)。
【0100】
つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eのイグニッション110dの監視結果を受けて、車両110のエンジンがかけられたと判断するとOBD20を起動して、OBD20により車両110に生じる不具合情報の検出を開始する。
【0101】
そして、利用者はエンジンがかけられて利用可能となった車両110を利用するが、利用者により車両110が利用されている間は、常に、OBD20によりECU22−1〜22−nを監視することによって、ECU22−1〜22−nに不具合が生じていないか監視することとなり(ステップS612)、OBD20において不具合情報を検出したか否かの判断が行われる(ステップS614)。
【0102】
このステップS614の判断処理において、不具合情報が検出された、つまり、利用者により車両110の利用中にOBD20によってECU22−1〜22−nのいずれかから不具合情報が検出された場合には、車両の使用停止処理を行う(ステップS616)。
【0103】

ここで、図8のフローチャートには、このステップS616における車両の使用停止処理の詳細な処理内容が示されており、車両の使用停止処理においては、まず、OBDにおいて、検出したECU22−1〜22−nのうちいずれかにおいて生じた不具合情報を監視部12eに出力し、監視部12eにおける監視に基づいて、メインコントローラー12cにより監視部12eに出力された不具合情報をメインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108の出力し、サーバー108に出力した不具合情報を、サーバー108から管理団体のパーソナルコンピューター102に出力し、パーソナルコンピューター102の表示画面上に表示して管理団体に車両110に生じた不具合を報告する(ステップS802)。
【0104】
そして、サーバー108において、メインコントローラー12cから出力された不具合情報が、車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度なものであるか否かの判断を行う(ステップS804)。
【0105】
ステップS804の判断処理において、メインコントローラー12cから出力された不具合情報が車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度であると判断された場合には、メインコントローラー12cから出力された不具合情報が車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度なものであるという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110の利用を直ちに停止するよう促す旨の音声ガイダンスを流し、利用者に対して警告を行う(ステップS806)。
【0106】
ステップS806の処理で利用者に対して警告が行われると、次に、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにより、利用者が車両110のエンジンを停止して、車両110の使用を停止したか否かの判断を行う(ステップS808)。
【0107】
このステップS808の判断処理において、利用者が車両110のエンジンを停止せず、車両110の使用を停止していない、つまり、車両110の使用を継続していると判断された場合には、再びステップS806の処理に戻って、メインコントローラー12cの制御により、音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110の利用を直ちに停止するよう促す旨の音声ガイダンスを流し、利用者に対して警告を行う。
【0108】
また、ステップS808の判断処理において、利用者が車両110のエンジンを停止し、車両110の使用を停止したと判断された場合には、メインコントローラー12cにおいて、GPSモジュール12aを介して、GPS衛星16からGPS信号を入力し、取得したGPS信号に基づいて使用を停止している車両110の位置情報を取得する(ステップS810)。
【0109】
そして、メインコントローラー12cにおいて取得した車両110の位置情報を、メインコントローラー12から通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力し、車両110のメンテナンスや修理を行うメンテナンス業者のパーソナルコンピューターなどに対して、サーバー108から、例えば、携帯電話網を利用して出力された車両110の位置情報および車両110に生じた不具合情報を出力することにより(ステップS812)、車両110の修理や利用者の送迎といった処理の手配を行う。
【0110】
また、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から車両110の予約状況を確認し(ステップS814)、当該車両110が予約されているか否かの判断を行う(ステップS816)。
【0111】
ステップS816の判断処理において、車両110が予約されていると判断された場合には、サーバー108から車両110の予約を行った全ての利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に対して、予約した車両110が使用できない旨の連絡を行い、当該利用者に対して、当該利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して別の車両の予約を行うように促す(ステップS818)。
【0112】
その後、サーバー108に設けられた予約サイトで当該車両110を当該車両110の修理が終了するまで予約サイトでの予約が不可能な状態とする(ステップS820)。
【0113】
また、ステップS816の判断処理において、車両110が予約されていないと判断された場合には、ステップS820の処理がなされ、サーバー108に設けられた予約サイトで当該車両110を当該車両110の修理が終了するまで予約が不可能な状態とする(ステップS820)。
【0114】
一方、ステップS804の判断処理において、メインコントローラー12から出力された不具合情報が車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度でないと判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から車両110の予約状況を確認し(ステップS822)、当該車両110が予約されているか否かの判断を行う(ステップS824)。
【0115】
ステップS824の判断処理において、車両110が予約されていないと判断された場合には、サーバー108に設けられた予約サイトで当該車両110を当該車両110の修理が終了するまで予約が不可能な状態とする(ステップS826)。
【0116】
また、ステップS824の判断処理において、車両110が予約されていると判断された場合には、サーバー108から車両110の予約を行った全ての利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に対して、予約した車両110が使用できない旨の連絡を行うとともに、当該利用者に対して、当該利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して別の車両の予約を行うように促し(ステップS828)、その後、ステップS826の処理を行う。
【0117】
ステップS826の処理が終了すると、メンテナンス業者のパーソナルコンピューターなどに対して、サーバー108から、例えば、携帯電話網を利用して、予め定められた車両110の返却位置、車両110の利用が終了する時間および車両110に生じた不具合情報を出力することにより(ステップS830)、車両110の修理の手配を行い、その後、後述するステップS618の処理に戻る。
【0118】

一方、ステップS614の判断処理において、不具合情報を検出しない、つまり、利用者による車両110の利用中にOBD20によってECU22−1〜22−nのいずれからも不具合情報が検出されない場合は、車両110を利用した利用者は、予約時間が終了するまでに車両110を予め定められた返却位置に駐車させ、キーを利用して車両110のエンジンを止めるが、このとき、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eにおけるイグニッション110dの監視結果に基づいて、OBD20を停止させ、ECU22−1〜22−nにおける不具合情報の検出を終了する(ステップS618)。
【0119】
つまり、メインコントローラー12cにおいては、監視部12eのイグニッション110dの監視結果を受けて、車両110のエンジンが停止されたと判断するとOBD20を停止して、OBD20による車両110に生じる不具合情報の検出を終了する。
【0120】
そして、車両110のキーをキーボックス116に返却し、車両110の全てのドアを閉める(ステップS620)。
【0121】
ステップS620の処理の後に、再度、ICカードを車両110に設けられたカードリーダー114に翳し、車両110に設けられたカードリーダー114にICカードを読み取らせて認証を受ける(ステップS622)。
【0122】

ここで、図9のフローチャートには、このステップS622における車両利用後の認証処理の詳細な内容が示されており、この車両利用後の認証処理においては、まず、監視部12eにおけるイグニッション110d、キーボックス116ならびにドアスイッチ110cの監視結果に基づいて、メインコントローラー12cにより、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められているか否かの判断を行う(ステップS902)。
【0123】
ステップS902の判断処理において、「車両110のエンジンの停止」、「キーボックス116へのキーの返却」、「車両110の全てのドアが閉じられていること」の3つのうちの1つでも行われていないと判断された場合には、継続して車両110を使用するものと判断され、認証処理を行わずに処理を終了する。
【0124】
一方、ステップS902の判断処理において、車両110のエンジンが停止され、キーボックス116にキーが返却され、かつ、車両110の全てのドアが閉められていると判断された場合には、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者にカードリーダー114に起動を知らせるとともに、音声モジュール12fを介して利用者に対してカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスをキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流し、車両110に設けられたカードリーダー114を起動させる。
【0125】
そして、利用者がICカードをカードリーダー114に翳してカードリーダー114にICカードを読み取らせる(ステップS904)。
【0126】
即ち、利用者がICカードをカードリーダー114に翳すことにより、カードリーダー114ではICカードの認証用コードを読み取り、読み取って認証用コードをメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cから通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に入力する(ステップS906)。
【0127】
認証用コードがサーバー108に入力されると、サーバー108においては、当該認証用コードと予めサーバー108に記憶された利用者の登録コードとが一致するか否かの判断を行う(ステップS908)。
【0128】
このステップS908の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致しないと判断された場合には、サーバー108から認証用コードと登録コードとが一致しないという判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させることで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促し(ステップS910)、再度、ステップS904の処理に戻る。
【0129】
一方、ステップS908の判断処理において、認証用コードと利用者の登録コードとが一致すると判断された場合には、サーバー108において、サーバー108で管理されている予約情報から認証用コードと一致する登録コードの利用者の予約状況を確認し(ステップS912)、当該利用者が利用している車両110が存在するか否かの判断を行う(ステップS914)。
【0130】
このステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在しないとの判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12cに出力し、メインコントローラー12cにより、カードリーダー114を起動した状態で、車両110のセキュリティを起動させずに処理を終了する。
【0131】
即ち、ステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在しないと判断された場合には、当該利用者による車両110の返却は不可能であると判断され、車両110が返却されていない状態、つまり、利用者が車両110を使用している状態となる。
【0132】
一方ステップS914の判断処理において、利用者が利用している車両110が存在すると判断された場合には、サーバー108から利用者が利用している車両110が存在するとの判断結果を携帯電話網を利用し、通信モジュール12bを介してメインコントローラー12に出力し、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて車両110の返却処理の完了を知らせるとともに、車両110のセキュリティが起動した状態、具体的には、車両110のドアロックを行うとともに、キーボックス116からキーを取り出すことができない状態とする(ステップS916)。
【0133】
なお、カードリーダー114にICカードが翳されて認証処理が開始され、利用者が利用している車両110が存在するか否か判断よりによる判断がなされるまで(つまり、返却処理中のことである。)は、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させる。
【0134】
上記した説明において、カードリーダー114が起動したとき、返却処理中、認証用コードと登録コードとが一致市内と判断されたとき、利用者が利用している車両110が存在すると判断されたときにおいて、メインコントローラー12cの制御によりカードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させるものであるが、こうしたLEDランプ(図示せず。)の点滅はそれぞれ点滅パターンが異なっている。従って、利用者はこの点滅パターンの違いによって、どのような状態であるかを知ることができる。
【0135】

そして、上記したステップS622による車両利用後の認証処理による認証が完了すると、メインコントローラー12cによりカードリーダー114の電源が切られ、監視部12eにより走行時間、走行距離、燃料の残量、車両110の状態などが監視され、この監視情報をメインコントローラー12cに出力し、さらに、当該監視情報を通信モジュール12bを介し、携帯電話網を利用してサーバー108に出力する。
【0136】
こうしてサーバー108に出力された監視情報に基づいて、管理団体がパーソナルコンピューター102からサーバー108の管理システムにアクセスして、車両110の利用により生じた料金を算出し、算出した料金を利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に通知する(ステップS624)。
【0137】

以上において説明したように、カーシェアリングシステム10においては、メインコントローラー12cにより、利用者が車両110を利用する際に、エンジンをかけたときからエンジンを停止するときまでの間、常に、ECU22−1〜22−nを監視しているため、車両110に不具合が生じたとしても早急に当該不具合の情報を取得することができるとともに、こうした不具合情報を早急に取得することで、重度の不具合が生じた場合などでは、利用者に使用を中止するように警告することにより、車両110の使用を中止させて利用者の安全を確保することができる。
【0138】
さらに、上記したようにして、車両110に生じた不具合情報を取得するようにしているため、人を介することなく車両110に生じた不具合を発見することができ、専門のスタッフによる点検の頻度を少なくすることができ、管理コストを抑制することができる。
【0139】

なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(9)に示すように変形するようにしてもよい。
【0140】
(1)上記した実施の形態においては、利用者がキーを利用して車両110のエンジンをかけたときから、利用者がキーを利用して車両110のエンジンを停止したときまでの間、常に、OBD20により車両110に生じる不具合情報を検出するようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、車両利用前の認証処理が完了したときから車両利用後の認証処理が完了したときまでの間、常に、OBD20により車両110に生じる不具合情報を検出するようにしてもよい。
【0141】
(2)上記した実施の形態においては、ステップS708の処理やステップS810の処理において、LEDランプを点滅することで、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促すようにしたが、これに限られるものではないことは勿論である。
【0142】
つまり、LEDランプの点滅に換えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0143】
さらに、LEDランプの点滅に加えて、キーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から、利用者に対して再びカードリーダー114にICカードを翳すように促す旨の音声ガイダンスを流すようにしてもよい。
【0144】
(3)上記した実施の形態においては、ステップS816の処理においては、メインコントローラー12cの制御により、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)を点滅させて利用者に対して車両110の返却処理の完了を知らせるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、LEDランプの点滅に換えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよし、LEDランプの点滅に加えて、車両110のセキュリティを起動した旨の音声ガイダンスを、メインコントローラー12cが音声モジュール12fを制御してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から流すようにしてもよい。
【0145】
(4)上記した実施の形態においては、サーバー108において、不具合情報の程度を判断するとともに所定の処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、サーバー108に出力された不具合情報をパーソナルコンピューター102に表示して管理者側に報告した後、当該不具合情報の報告を管理者側で確認し、管理者が当該不具合情報に基づいた判断を行い、パーソナルコンピューター102を介して各処理を行うように指示するようにしてもよい。
【0146】
具体的には、サーバー108に出力された不具合情報をパーソナルコンピューター102に表示して、管理者側に発生した不具合を報告した後、当該不具合情報の報告を管理者側で確認し、管理者が、例えば、マニュアルなどの補助的な資料を参照しながら当該不具合情報に基づいて車両110の継続使用の可否を判断する。
【0147】
そして、車両110の継続使用ができない場合には、車両110を使用している利用者に対して、携帯電話106を介して管理者が連絡を行い、予約サイトにおいて車両110をメンテナンス状態として、以降の予約ができないようにするとともに、既になされている予約に対しては、管理者がパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して、不具合が生じた車両110を予約した利用者に連絡をとり、予約をキャンセルするか、あるいは、他の車両を利用するかの確認を行って予約内容の変更を行うようにする。
【0148】
また、サーバー108に出力された不具合情報をパーソナルコンピューター102に表示して管理者側に報告した後、パーソナルコンピューター102において、報告された不具合情報に基づき、当該不具合情報に対して行うべき処理を管理者に提案し、管理者が当該提案に基づいて行うべき処理を判断し、その提案に基づいた処理をパーソナルコンピューター102を介して指示するようにしてもよい。
【0149】
具体的には、サーバー108に出力された不具合情報をパーソナルコンピューター102に表示して、管理者側に発生した不具合を報告する。
【0150】
パーソナルコンピューター102において、報告された不具合情報に基づいて、予め記憶している情報を参照して車両110の継続使用の可否についての提案を行い、管理者がパーソナルコンピューター102による提案に基づいて車両110の継続使用の可否について判断する。
【0151】
そして、車両110の継続使用ができない場合には、車両110を使用している利用者に対して、携帯電話106を介して管理者が連絡を行い、予約サイトにおいて車両110をメンテナンス状態として、以降の予約ができないようにするとともに、既になされている予約に対しては、管理者がパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して、不具合が生じた車両110を予約した利用者に連絡をとり、予約をキャンセルするか、あるいは、他の車両を利用するかの確認を行って予約内容の変更を行うようにする。
【0152】
(5)上記した実施の形態においては、ステップS828の処理では、ステップS824の判断処理において、車両110に予約があると判断された場合には、サーバー108から車両110の予約を行った全ての利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106に対して、予約した車両110が使用できない旨の連絡を行うとともに、当該利用者に対して、当該利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して別の車両の予約を行うように促すようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ステップS828の処理において、不具合情報の内容に応じて、修理に時間を要するものであれば、数日先までの予約者の全員に対して予約した車両110が使用できない旨の連絡を行うとともに、当該利用者に対して、当該利用者のパーソナルコンピューター104や携帯電話106を介して別の車両の予約を行うように促し、修理に時間を要するものでなければ、当日の予約者の全員に対して予約した車両100が使用できない旨の連絡を行うとともに、別の車両の予約を行うように促すようにしてもよい。
【0153】
(6)上記した実施の形態においては、不具合情報を、車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度なものであるか否かを判断し、重度である場合と重度でない場合とで異なる処理を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、不具合情報の程度を2つ以上の複数の段階に分けるようにしてもよく、その際には、それぞれの不具合情報の程度に応じた処理を行うようにすればよい。
【0154】
(7)上記した実施の形態においては、不具合情報が車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度なものである場合、車両110の位置情報および車両110に生じた不具合情報をメンテナンス業者に連絡した後に、車両110を予約した利用者に対して車両110が利用できなくなった旨を連絡するとともに、当該車両110の予約サイトでの予約が不可能な状態とするようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、車両110を予約した利用者に対して車両110が利用できなくなった旨を連絡するとともに、当該車両110の予約サイトでの予約が不可能な状態とするようにした後に、車両110の位置情報および車両110に生じた不具合情報をメンテナンス業者に連絡するようにしてもよい。
【0155】
(8)上記した実施の形態においては、ステップS804の判断処理において、不具合情報が車両110の利用者による使用を直ちに停止しなければならないほど重度なものである場合には、メインコントローラー12cの制御により、音声モジュール12fを介してキーボックス116に設けられたスピーカー(図示せず。)から車両110の利用を直ちに停止するよう促す旨の音声ガイダンスを流し、利用者に対して警告を行うようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、スピーカー(図示せず。)から音声ガイダンスを流すことに加えて、カードリーダー114に設けられたLEDランプ(図示せず。)をメインコントローラー12cの制御により点滅させて、利用者に対して車両110の利用を直ちに停止するように促すようにしてもよい。
【0156】
(9)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(8)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明は、カーシェアリングを管理する団体が用いて好適なカーシェアリングシステムである。
【符号の説明】
【0158】
10、100 カーシェアリングシステム
12、112 車載器
12a GPSモジュール
12b 通信モジュール
12c メインコントローラー
12d 操作部
12e 監視部
16 GPS衛星
20 OBD
22−1〜22−n ECU
102、104 パーソナルコンピューター
106 携帯電話
108 サーバー
110 車両
114 カードリーダー
116 キーボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うとともに、前記車両に生じた不具合を管理するカーシェアリングシステムにおける車両管理システムであって、
前記車両に搭載された1つ以上のECUに生じた不具合を監視する監視手段と、
前記監視手段による監視結果を管理者に報告する報告手段と、
前記監視手段により監視された前記ECUに生じた不具合に基づいて、前記車両の使用を停止する車両使用停止手段と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理システムにおいて、
前記車両使用停止手段は、
監視結果として示される前記ECUに生じた不具合の程度を判断する判断手段と、
前記車両の使用を直ちに停止するように前記利用者に警告を行う警告手段と、
前記車両に関する情報を前記車両の修理を行う業者に通報する第1の通報手段と、
前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報する第2の通報手段と、
前記車両の予約を停止する予約停止手段と
を有し、
前記車両使用停止手段においては、前記判断手段の判断結果に基づいて、前記警告手段により前記車両の使用を直ちに停止するように前記利用者に対して警告し、前記第1の通報手段により前記車両の修理を行う業者に前記車両に関する情報を通報するとともに、前記第2の通報手段により前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報し、前記予約停止手段により前記車両の予約を停止する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理システムにおいて、
前記判断手段は、前記車両の使用を直ちに停止しなければならないか否かを判断し、
前記判断手段により、前記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、前記警告手段により前記車両を利用している前記利用者に対して、前記車両の使用を直ちに停止するように警告を行い、前記第1の通報手段により前記業者に前記車両に関する情報を通報し、前記第2の通報手段により前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報し、前記予約停止手段により前記車両の予約を停止し、
前記判断手段により、前記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断されなかった場合には、前記第2の通報手段により前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報し、前記予約停止手段により前記車両の予約を停止し、前記第1の通報手段により前記業者に前記車両に関する情報を通報する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理システム。
【請求項4】
請求項2および請求項3のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理システムにおいて、さらに、
前記警告手段による警告が行われた後に、前記利用者が前記車両のエンジンを止めたときにGPS衛星からのGPS信号を受信し、該GPS信号に基づいて前記車両の位置情報を取得する車両位置情報取得手段と
を有し、
前記判断手段により、前記車両の使用を直ちに停止しなければならないと判断された場合において、前記第1の通信手段が前記業者に通報する前記車両に関する情報は、前記車両位置情報取得手段により取得した前記車両の位置情報および前記監視手段によって監視された前記車両に生じた不具合の情報である
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理システム。
【請求項5】
利用者からの予約に応じて車両を管理し、前記利用者による認証処理を行って、前記利用者への前記車両の貸出および返却を行うとともに、前記車両に生じた不具合を管理するカーシェアリングシステムにおける車両管理方法であって、
前記車両に搭載された1つ以上のECUに生じた不具合を監視する第1の工程と、
前記複数のECUの監視結果を管理者に報告する第2の工程と、
前記監視手段により監視された前記ECUに生じた不具合に基づいて、前記車両の使用を停止する第3の工程と
を有することを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理方法において、
前記第3の工程は、
前記第1の工程で監視された前記ECUに生じた不具合の程度を判断する第4の工程と、
前記車両の使用を直ちに停止するように前記利用者に警告を行う第5の工程と、
前記車両に関する情報を前記車両の修理を行う業者に通報する第6の工程と、
前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報する第7の工程と、
前記車両の予約を停止する第8の工程と
を有し、
前記第3の工程においては、前記第4の工程における判断結果に基づいて、前記第5乃至前記第8の工程を行うものである
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理方法において、
前記第4の工程では、前記車両の使用を直ちに停止しなければならないか否かの判断を行い、
前記第4の工程において、前記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、前記第5の工程で前記車両を利用している前記利用者に対して、前記車両の使用を直ちに停止するように警告を行い、前記第6の工程で前記業者に前記車両に関する情報を通報し、前記第7の工程で前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報し、前記第8の工程で前記車両の予約を停止し、
前記第4の工程において、前記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断されなかった場合には、前記第7の工程で前記車両が使用できなくなった旨を前記車両を予約した利用者に通報し、前記第8の工程で前記車両の予約を停止し、前記6の工程で前記業者に前記車両に関する情報を通報する
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理方法。
【請求項8】
請求項6および請求項7のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理方法において、さらに、
前記第5の工程で警告が行われた後に、前記利用者が前記車両のエンジンを止めたときにGPS衛星からのGPS信号を受信し、該GPS信号に基づいて前記車両の位置情報を取得する第9の工程と
を有し、
前記第4の工程において、前記車両の利用を直ちに停止しなければならないと判断された場合には、前記第6の工程において前記業者が通報する前記車両に関する情報は、前記第9の工程で取得した前記車両に位置情報および前記第1の工程で監視された前記車両に生じた不具合の情報である
ことを特徴とするカーシェアリングシステムにおける車両管理方法。
【請求項9】
請求項1、請求項2、請求項3および請求項4のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理システムとしてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項5、請求項6、請求項7および請求項8のいずれか1項に記載のカーシェアリングシステムにおける車両管理方法をコンピューターに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項9または10のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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