説明

カーテンウォールの取付け用ファスナー、同取付けの方法及び構造

【課題】層間変位に追従するすべりを確実に行わせることができ、しかも、カーテンウォールとファスナーとの現場での結合作業を容易にすることができるカーテンウォールの取付け用ファスナー等を提供する。
【解決手段】建物躯体1とカーテンウォール2とをつなぐファスナー3が、躯体側に取り付けられるファスナー部品4と、カーテンウォール側に取り付けられるファスナー部品5とに分割され、これらファスナー部品4,5の一方又は両方にルーズ孔6が設けられ、該ルーズ孔6に通されたボルト8によりこれらファスナー部品4,5同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されている。そして、カーテンウォール側のファスナー部品5の取付け部5bが大きな締付け力でカーテンウォール2側にボルト9で接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールの取付け用ファスナー、同取付けの方法及び構造、並びに、部材の連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールの取付けは、従来より、図4(イ)(ロ)に示すように、ファスナー51を建物躯体52にボルト53などで固定すると共に、該ファスナー51にカーテンウォール54のパネルフレーム54aをボルト55で取り付けるというようにして行われている。そして、図4(ハ)に示すように、ファスナー51には、ルーズ孔56が設けられ、該ルーズ孔56に通されたボルト55でファスナー51とカーテンウォール54とが締結結合され、ファスナー51とカーテンウォール54とが層間変位に追従してすべりを生じることができるようになされている。
【特許文献1】特開平11−324191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような取付け構造では、カーテンウォール54とファスナー51とのボルト55による結合を建築現場で行う必要があり、カーテンウォール54とファスナー51とを層間変位に追従してすべりを生じることができるように所定の締付けトルク値で締め付けなければならず、そのため、カーテンウォール54とファスナー51との現場でのボルト結合作業が非常に厄介であるという問題がある。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、層間変位に追従するすべりを確実に行わせることができ、しかも、カーテンウォールとファスナーとの現場での結合作業を容易にすることができるカーテンウォールの取付け用ファスナー、同取付けの方法及び構造等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題は、建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーであって、
躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結され、
カーテンウォール側ファスナー部品に、該部品をカーテンウォール側にボルトで取り付けるボルト取付け部が備えられていることを特徴とするカーテンウォール取付け用ファスナーによって解決される(第1発明)。
【0006】
また、第1発明のファスナーを用い、該ファスナーのカーテンウォール側ファスナー部品を、ファスナー部品同士が層間変位に追従してすべりを生じる前記締付け力よりも大きな締付け力でカーテンウォール側にボルト接合することを特徴とするカーテンウォールの取付け方法によって解決される(第2発明)。
【0007】
また、建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーが、躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されており、
カーテンウォール側ファスナー部品に、該部品をカーテンウォール側にボルトで取り付けるボルト取付け部が備えられ、該カーテンウォール側ファスナー部品が、ファスナー部品同士が層間変位に追従してすべりを生じる前記締付け力よりも大きな締付け力でカーテンウォール側にボルト接合されていることを特徴とするカーテンウォールの取付け構造によって解決される(第3発明)。
【0008】
上記の第1〜第3発明によれば、分割されたファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されているので、層間変形に追従するすべりを、ファスナー部品同士のボルト締結部において確実に行わせることができる。
【0009】
しかも、このように、層間変形に追従するすべりがファスナー部品同士のボルト締結部において行われるようになされていることで、カーテンウォール側ファスナー部品とカーテンウォール側とのボルトの締付け力はすべりのための前記締付け力よりも大きくてよく、そのため、現場作業となるファスナーとカーテンウォールとのボルト締結作業を電動工具等を用いて容易に行っていくことができる。
【0010】
また、上記の課題は、建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーであって、
躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されていることを特徴とするカーテンウォール取付け用ファスナーによって解決される。(第4発明)。
【0011】
このファスナーでは、分割されたファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されているので、層間変形に追従するすべりを、ファスナー部品同士のボルト締結部において確実に行わせることができる。
【0012】
しかも、このように、層間変形に追従するすべりがファスナー部品同士のボルト締結部において行われるようになされていることで、カーテンウォール側ファスナー部品とカーテンウォールとは、そのようなすべりを考慮しない結合手段で結合することができて、現場作業となるファスナーとカーテンウォールとの結合作業を容易にすることができる。
【0013】
また、上記の課題は、建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーのカーテンウォール側の取付け部に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトでファスナーとカーテンウォールとが層間変位に追従してすべりを生じるように締め合わされたカーテンウォールの取付け構造であって、
ファスナーのカーテンウォール側の取付け部のルーズ孔のサイズよりも大きい座金本体部と、該座金本体部からルーズ孔内に突出し、カーテンウォール側のボルト通孔よりもサイズの大きい突出部とを備えたT形座金が、その突出部をルーズ孔内に突出させ、座金本体部をボルト頭部とファスナーとの間に位置させるように配置されると共に、座金本体部とファスナーとの間に弾性体が介設され、
前記ボルトは、座金の突出部がカーテンウォール側に当接する位置まで締め付けられ、前記弾性体が弾性変形をして復元力を保有し、該復元力によってファスナーとカーテンウォールとが締め合わされて層間変位に追従してすべりを生じるようになされていることを特徴とするカーテンウォールの取付け構造によって解決される(第5発明)。
【0014】
この取付け構造では、ファスナーとカーテンウォールとを連結するに際してT形座金と弾性体とをセットし、そして、ボルトを締め付けていくと、その過程で、T形座金の突出部がカーテンウォール側に当接してそれ以上の締付けが阻止されると共に、弾性体の復元力によってファスナーとカーテンウォールとが締め合わされ、それによって、ファスナーとカーテンウォールとに層間変位に追従するすべりを確実に行わせることができる。
【0015】
しかも、T形座金の突出部がカーテンウォール側に当接し、それ以上の締付けが阻止されることにより、締付けの完了を知ることができ、ボルト締結作業を容易に行っていくことができる。
【0016】
また、本願は、第1部材に、第1部材と第2部材の相対変位を許容するルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトで第1部材と第2部材とがすべりを生じるように締め合わされた部材の連結構造であって、
前記第1部材のルーズ孔のサイズよりも大きい座金本体部と、該座金本体部からルーズ孔内に突出し、第2部材のボルト通孔よりもサイズの大きい突出部とを備えたT形座金が、その突出部をルーズ孔内に突出させ、座金本体部をボルト頭部と第1部材との間に位置させるように配置されると共に、座金本体部と第1部材との間に弾性体が介設され、
前記ボルトは、座金の突出部が第2部材の側に当接する位置まで締め付けられ、前記弾性体が弾性変形をして復元力を保有し、該復元力によって第1部材と第2部材とが締め合わされてすべりを生じるようになされていることを特徴とする部材の連結構造を含む(第6発明)。
【0017】
この連結構造では、第1部材と第2部材とを連結するに際してT形座金と弾性体とをセットし、そして、ボルトを締め付けていくと、その過程で、座金の突出部が第2部材側に当接してそれ以上の締付けが阻止されると共に、弾性体の復元力によって第1部材と第2部材とが締め合わされ、それによって、第1部材と第2部材とにすべりを確実に行わせることができる。
【0018】
しかも、座金の突出部が第2部材側に当接し、それ以上の締付けが阻止されることにより、締付けの完了を知ることができて、ボルト締結作業を容易に行っていくことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のとおりのものであるから、層間変位に追従するすべりを確実に行わせることができ、しかも、カーテンウォールとファスナーとの現場での結合作業を容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1は、第1〜第4発明の実施形態を示すもので、図1(イ)(ロ)において、1はH形鋼梁からなる建物躯体、2はカーテンウォール、3はファスナーである。
【0022】
ファスナー3は、図1(ロ)に示すように、躯体1側に取り付けられる躯体側ファスナー部品4と、カーテンウォール2側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品5とに分割されている。
【0023】
そして、各ファスナー部品4,5には垂直板部4a,5aが設けられ、一方のファスナー部品5の垂直板部5aには層間変位追従用のルーズ孔6が設けられると共に、もう一方のファスナー部品4の垂直板部4aには通常のボルト通孔7が設けられ、これら孔6,7に通されたボルト8によって、ファスナー部品4,5同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結された構造になっている。21は座金である。
【0024】
また、カーテンウォール側ファスナー部品5には、該部品5をカーテンウォール2側にボルト9で取り付けるボルト取付け部5bが備えられると共に、躯体側ファスナー部品4にも、該部品4を躯体1側にボルト10で取り付けるボルト取付け部4bが備えられ、各ボルト取付け部5b,4bには、図示しないが、ルーズ孔でない通常のボルト通孔が設けられている。
【0025】
カーテンウォール2の取付けは、上記のファスナー3を用い、ボルト10で躯体1に取り付けたファスナー3とカーテンウォール2とを、建築現場において、ボルト9で接合する。該ボルト9の締付け力は、層間変形に追従するすべりがファスナー部品4,5同士のボルト締結部8において行われるようになされていることで、ファスナー3とカーテンウォール2側とのボルト9の締付け力は、すべりのための締付け力よりも大きくてよく、そのため、現場作業となるファスナー3とカーテンウォール2とのボルト結合作業を電動工具等を用いて容易に行っていくことができる。
【0026】
そして、こうして形成された取付け構造によれば、分割された躯体側ファスナー部品4に層間変位追従用のルーズ孔6が設けられ、該ルーズ孔6に通されたボルト8によりファスナー部品4,5同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されているので、ファスナー部品4,5同士のボルト締結部8において、層間変形に追従するすべりを確実に行わせることができる。
【0027】
なお、上記の実施形態では、ファスナー3の躯体側ファスナー部品4と躯体1との結合を、ボルト10で行った場合を示しているが、溶接などその他の各種の結合手段で行われていてもよい。
【0028】
また、上記の実施形態におけるファスナー3では、一方のファスナー部品5にルーズ孔6が設けられると共に、もう一方のファスナー部品4に通常のボルト通孔7が設けられ、これら孔6,7に通されたボルト8によって、ファスナー部品4,5同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結された構造となっているが、
前記もう一方のファスナー部品4にルーズ孔が設けられると共に、前記一方のファスナー部品5に通常のボルト通孔が設けられてボルト8で締結された構造になっていてもよいし、
各ファスナー部品4,5に設けたルーズ孔にボルト8を通して締結した構造になっていてもよい。
【0029】
また、上記の実施形態では、カーテンウォール側ファスナー部品5とカーテンウォール2とをボルト9で結合する構造となっている場合を示したが、ボルト以外の各種の結合手段で結合されていてもよく、その場合であっても、層間変形に追従するすべりは、ファスナー部品4,5同士のボルト締結部8において確実に行われ、カーテンウォール側ファスナー部品5とカーテンウォール2との結合手段の選択の幅を広くすることができる。
【0030】
図2及び図3は、第5,第6発明の実施形態を示すもので、図2(イ)において、1はH形鋼梁からなる建物躯体、2はカーテンウォール、3はファスナーであり、図2(ロ)において、2aは、カーテンウォール2のパネルフレームである。
【0031】
ファスナー3は、非分割構造のものからなっていて、図2(ロ)、図3に示すように、そのカーテンウォール側の垂直な取付け板部3aには、層間変位追従用のルーズ孔6が設けられると共に、カーテンウォール2のパネルフレーム2aには、通常のボルト通孔11が設けられ、ルーズ孔6とボルト通孔11とに通されたボルト12と、T形座金13と、弾性体14とで、ファスナー3とカーテンウォール2とが層間変位に追従してすべりを生じるように締め合わされた構造となっている。
【0032】
即ち、T形座金13は、ファスナー3のカーテンウォール側の取付け部のルーズ孔6のサイズよりも大きい座金本体部15と、該座金本体部15からルーズ孔6内に突出し、カーテンウォール2のパネルフレーム2aのボルト通孔11よりもサイズの大きい突出部16とを備えたものからなっていて、該T形座金13は、その突出部16をルーズ孔6内に突出させ、座金本体部15をボルト頭部12aとファスナー3との間に位置させるように配置され、座金本体部15とファスナー3との間に弾性体14が介設されている。
【0033】
弾性体14は、T形座金13の突出部16を通す中心孔を備えた、例えばゴム状弾性体などからなっていて、ボルト12の締込みを行う前の状態では、T形座金13の突出部16とパネルフレーム2aとを離間状態に保持するスペーサーとして働き、ボルト12の締込みを行っていくと、圧縮の弾性変形をしていくことで復元力を保有していき、その締込みの過程で、T形座金13の突出部16の先端をカーテンウォール2のパネルフレーム2aのボルト通孔11の周縁部に当接させることができるようになされており、その当接状態における復元力によってファスナー3とカーテンウォール2のパネルフレーム2aとが締め合わされ、層間変位に追従してすべりを生じる締付け状態を得ることができるようになされている。なお、弾性体14の、ルーズ孔6側の面部には、硬質のプレート17が備えられ、ファスナー3とカーテンウォール2のパネルフレーム2aとの締め合わせによってゴム状弾性体14の肉がルーズ孔6内に入り込んでしまうのを防ぐようになされている。
【0034】
この取付け構造では、このように、ファスナー3とカーテンウォール2とを連結するに際して、T形座金13と弾性体14とをセットし、そして、ボルト12を締め付けていくと、その過程で、T形座金13の突出部がカーテンウォール2のパネルフレーム2aに当接してそれ以上の締付けが阻止されると共に、弾性体14の復元力によってファスナー3とカーテンウォール2との締め合わされ、それによって、図2(ハ)(ニ)に示すように、ファスナー3とカーテンウォール2とに層間変位に追従するすべりを確実に行わせることができる。
【0035】
しかも、T形座金13の突出部16がカーテンウォール2のパネルフレーム2aに当接すると、それ以上の締付けが阻止されることで、締付け作業において締付けの完了を知ることができ、ボルト締結作業を容易に行っていくことができる。
【0036】
なお、上記の実施形態では、弾性体14としてゴム状弾性体を用いた場合を示したが、ゴム状弾性体に代えて、例えば皿バネなどの各種の弾性体が用いられてよい。また、ボルト頭部12aは、ボルトに螺合されたナットなどからなっていてもよい。
【0037】
また、上記の実施形態では、ファスナー3とカーテンウォール2との締結部に適用した場合を示したが、第6発明は、ファスナー3とカーテンウォール2との締結部のほか、摩擦ダンパーなどの各種の第1部材と第2部材との締結部に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】第1実施形態を示すもので、図(イ)はカーテンウォールの取付け状態を示す断面側面図、図(ロ)は躯体とカーテンウォールとファスナーとを分離状態にして示す断面側面図、図(ハ)は図(ロ)のI−I線断面図である。
【図2】第2実施形態を示すもので、図(イ)はカーテンウォールの取付け状態を示す断面側面図、図(ロ)は図(イ)のII−II線断面図、図(ハ)及び図(ニ)はそれぞれ層間変位によるすべりの動作を示す断面図である。
【図3】図(イ)は同取付け構造部分の分解断面図、図(ロ)及び図(ハ)は取付け方法の一例を順次に示す断面図である。
【図4】従来例を示すもので、図(イ)はカーテンウォールの取付け状態を示す断面側面図、図(ロ)は躯体とカーテンウォールとファスナーとを分離状態にして示す断面側面図、図(ハ)は図(イ)のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1…建物躯体
2…カーテンウォール
3…ファスナー
4…躯体側ファスナー部品
5…カーテンウォール側ファスナー部品
5b…ボルト取付け部
6…ルーズ孔
7…ボルト通孔
8…ボルト
9…ボルト
11…ボルト通孔
12…ボルト
12a…ボルト頭部
13…T形座金
14…弾性体
15…座金本体部
16…突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーであって、
躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結され、
カーテンウォール側ファスナー部品に、該部品をカーテンウォール側にボルトで取り付けるボルト取付け部が備えられていることを特徴とするカーテンウォール取付け用ファスナー。
【請求項2】
請求項1に記載のカーテンウォール取付け用ファスナーを用い、該ファスナーのカーテンウォール側ファスナー部品を、ファスナー部品同士が層間変位に追従してすべりを生じる前記締付け力よりも大きな締付け力でカーテンウォール側にボルト接合することを特徴とするカーテンウォールの取付け方法。
【請求項3】
建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーが、躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されており、
カーテンウォール側ファスナー部品に、該部品をカーテンウォール側にボルトで取り付けるボルト取付け部が備えられ、該カーテンウォール側ファスナー部品が、ファスナー部品同士が層間変位に追従してすべりを生じる前記締付け力よりも大きな締付け力でカーテンウォール側にボルト接合されていることを特徴とするカーテンウォールの取付け構造。
【請求項4】
建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーであって、
躯体側に取り付けられる躯体側ファスナー部品と、カーテンウォール側に取り付けられるカーテンウォール側ファスナー部品とに分割され、
これらファスナー部品の一方又は両方に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトによりこれらファスナー部品同士が層間変位追従のためのすべりを生じる締付け力にて締結されていることを特徴とするカーテンウォール取付け用ファスナー。
【請求項5】
建物躯体とカーテンウォールとをつなぐファスナーのカーテンウォール側の取付け部に、層間変位追従用のルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトでファスナーとカーテンウォールとが層間変位に追従してすべりを生じるように締め合わされたカーテンウォールの取付け構造であって、
ファスナーのカーテンウォール側の取付け部のルーズ孔のサイズよりも大きい座金本体部と、該座金本体部からルーズ孔内に突出し、カーテンウォール側のボルト通孔よりもサイズの大きい突出部とを備えたT形座金が、その突出部をルーズ孔内に突出させ、座金本体部をボルト頭部とファスナーとの間に位置させるように配置されると共に、座金本体部とファスナーとの間に弾性体が介設され、
前記ボルトは、座金の突出部がカーテンウォール側に当接する位置まで締め付けられ、前記弾性体が弾性変形をして復元力を保有し、該復元力によってファスナーとカーテンウォールとが締め合わされて層間変位に追従してすべりを生じるようになされていることを特徴とするカーテンウォールの取付け構造。
【請求項6】
第1部材に、第1部材と第2部材の相対変位を許容するルーズ孔が設けられ、該ルーズ孔に通されたボルトで第1部材と第2部材とがすべりを生じるように締め合わされた部材の連結構造であって、
前記第1部材のルーズ孔のサイズよりも大きい座金本体部と、該座金本体部からルーズ孔内に突出し、第2部材のボルト通孔よりもサイズの大きい突出部とを備えたT形座金が、その突出部をルーズ孔内に突出させ、座金本体部をボルト頭部と第1部材との間に位置させるように配置されると共に、座金本体部と第1部材との間に弾性体が介設され、
前記ボルトは、座金の突出部が第2部材の側に当接する位置まで締め付けられ、前記弾性体が弾性変形をして復元力を保有し、該復元力によって第1部材と第2部材とが締め合わされてすべりを生じるようになされていることを特徴とする部材の連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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