説明

カーテンウォール

【課題】 カーテンウォールの端部方立と中間方立とに同じ断面の方立を用い、端部開口部に嵌め殺し窓枠と開閉窓枠とのいずれをも選択的に取付自在とする。
【解決手段】 端部方立9a及び中間方立9bは屋外側面に同一断面の固定部23を有し、端部方立用竪補助材11は端部方立9aの固定部に取付けてあり、嵌め殺し窓枠13は、端部方立側の竪枠27及び中間方立側の竪枠29の何れか一方の竪枠の固定部23に対する被固定部16を有し、端部方立用竪補助材11は端部方立9aの屋外側面の左右方向中間部に取付けてあり、嵌め殺し窓枠13は、端部方立側の竪枠27の外周側面を端部方立用竪補助材11の内周側面と対向するようにして端部開口部21に配置自在であり、開閉障子本体は端部方立側の竪框の外周側面を端部方立用竪補助材11の内周側面と対向するようにして端部開口部21に配置自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、木製の無目と中間方立とで囲まれる開口部に嵌め殺し窓枠を設けたカーテンウォールが開示されている。
非特許文献1には、そのP867の下段に示されている中間方立の断面(例えば、CW0210)と、P869の下段に示されている端部方立の断面(例えば、CW0222)とが異なっており、カーテンウォールの端部方立と、中間方立とでは異なる断面のものが使用されることが開示されている。
したがって、特許文献1に開示されているようなカーテンウォールにおいては端部方立と中間方立とで異なる断面のものを使用することが一般的である。
一方、カーテンウォールの端部開口部に中間開口部と異なる窓種、例えば、中間開口部に嵌め殺し窓を設け、端部開口部に開閉窓を設置する場合がある。このように、設置する窓種を異ならせる場合には、異なる断面の方立を使用せざるを得ない状況にあった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−338095号公報
【非特許文献1】三協アルミニウム工業株式会社発行「三協アルミ ビル用建材 総合カタログ」 カタログ番号:HHB0077C 独立行政法人工業所有権総合情報館受領日:平成16年5月18日、P867、P869
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、中間開口部と端部開口部とに同種の窓を設ける場合であっても端部方立と中間方立とで異なる断面の方立を用いたり、端部開口部に設置する窓種が異なる毎に異なる断面の方立を用いたのでは、カーテンウォールの施工に複数の種類の方立を用意する必要があるためコスト高になると共に施工し難いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、カーテンウォールの端部方立と中間方立とに同じ断面の方立を用い、しかも同じ断面の方立を用いて端部開口部に嵌め殺し窓枠と開閉窓枠とのいずれをも選択的に取付自在とすることにより、コストダウンが図れ且つ施工が容易なカーテンウォールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、無目と、方立と、端部方立用竪補助材と、嵌め殺し窓枠と、開閉障子と、屋内側竪戸当り材と、竪枠側面カバー材とを備え、方立は、端部に位置する端部方立と、端部方立の隣に位置する中間方立とであり、端部方立及び中間方立は屋外側面に同一断面の固定部を有するものであり、無目は端部方立と中間方立との間に設けた上下の無目であり、端部方立と中間方立と上下の無目とで端部開口部を形成してあり、端部方立用竪補助材は端部方立の固定部に取付けてあり、嵌め殺し窓枠は、端部方立側の竪枠及び中間方立側の竪枠の何れか一方の竪枠の固定部に対する被固定部を有し、端部方立側の竪枠の外周側面を端部方立用竪補助材の内周側面と対向するようにして端部開口部に配置自在であり、開閉障子は開閉障子本体と開閉金具とから成り、開閉障子本体は端部方立側の竪框の外周側面を端部方立用竪補助材の内周側面と対向するようにして端部開口部に配置自在であり、開閉金具は開閉障子本体と無目または方立とを開閉自在に繋ぐものであり、屋内側竪戸当り材は、中間方立の固定部と、端部方立用竪補助材の内周側における端部方立の固定部とに各々固定自在で且つ中間方立に固定した屋内側戸当り材は開閉障子本体の中間方立側の竪框の屋内側見付け面が当接するものであり、端部方立に固定した屋外側竪戸当り材は開閉障子本体の端部方立側の竪框の屋内側見付け面が当接するものであり、竪枠側面カバー材は端部方立の屋外側に配置して端部方立用竪補助材の外周側面を被覆しており、嵌め殺し窓枠及び開閉障子の何れか一方を選択して端部開口部に対して取付自在にしてあることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、端部方立用竪補助材は内周側面に係合部材を取付自在であり、嵌め殺し窓枠は端部方立側の竪枠の外周側面に被係合部を有し且つ中間方立側の竪枠の外周側面に係合部を有しており、端部方立用竪補助材の係合部材と端部方立側の竪枠の被係合部が係合してあると共に、中間方立側の竪枠の外周側面の係合部と、端部開口部に隣接する中間開口部に配置した嵌め殺し窓枠の被係合部が係合自在としてあることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、屋外側竪押縁材又は屋外側架設竪押縁材を備え、屋外側竪押縁材は、嵌め殺し窓枠の端部方立側の竪枠の屋外側に取付けるものであり、屋外側架設竪押縁材は、嵌め殺し窓枠の端部方立側の竪枠の屋外側に取付けるものであると共に竪枠側面カバー材の屋外側面に重なる重合部を有するものであることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、無目及び方立は屋内側に木部材を接合しており、竪枠側面カバー材は外周側が木部材のものと金属部材のものとの少なくとも2種類から選択した一つであり、屋外側架設竪押縁材は屋外側に木部材を接合したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、端部方立では、屋外側面の左右方向中間部に設けた端部方立用竪補助材に竪枠側面カバー材を取付けて端部方立側の竪枠の外周側を被覆するので、屋外側面の左右片側のみに嵌め殺し窓枠を配置した場合でも、中間方立と端部方立とで屋外側面に設けてある固定部が同一断面の方立を用いることができ、コストダウンが図れ且つ施工が容易である。
端部開口部に開閉窓を設ける場合には、端部方立に取付けた端部方立用竪補助材を開閉窓竪枠として用い、端部開口部に嵌め殺し窓を設ける場合には、端部方立用竪補助材の内周側において、端部方立の固定部に嵌め殺し窓の端部方立側の竪枠を係合して取付け、中間方立の固定部に中間方立側の竪枠を取付ける。したがって、カーテンウォールの端部開口部に嵌め殺し窓と開閉窓とを選択して取付け自在である。
更に、端部開口部に開閉障子を取付ける場合には端部方立用竪補助材が開閉窓竪枠を兼ねることができ、開閉窓竪枠を設けなくて済むので、部品点数を少なくでき、コストダウンを図ることができると共に施工が容易である。
端部開口部に嵌め殺し窓と開閉窓とのいずれを取付ける場合にも共通の竪枠カバー材を用いることができるので、部品種類が少なくて済む。
嵌め殺し窓枠は、端部方立側の竪枠及び中間方立側の竪枠の何れか一方の竪枠を方立に固定する構成であり固定箇所が少なくて済むので、施工が容易にできる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の効果が得られると共に、隣合う嵌め殺し竪枠どうしを係合しているので嵌め殺し竪枠どうしのねじ等による固定箇所を少なくでき、嵌め殺し窓の連接が容易にできる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の効果が得られると共に、屋外側竪押縁材又は屋外側架設竪押縁材を択一的に用いることにより、例えば、屋外側竪押縁材を使用して押縁材が端部竪枠側面カバー材に重ならないものとしたり、屋外側架設竪押縁材を用いて押縁材が端部竪枠側面カバー材の屋外側面に重なるようにしたりでき、屋外側から見た意匠の自由度を高めることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の効果が得られると共に、カーテンウォールの屋内側及び屋外側を木調にすると共に竪枠側面カバー材も木調としてカーテンウォール全体を木調にしたり、竪枠側面カバー材を金属製として一部を金属調としたりでき、意匠の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明するが、まず、図1〜図4を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。図1は図4のA−A断面図であり、図2は図4のB−B断面図であり、図3はC−C断面図であり、図4は本発明の第1実施の形態に係るカーテンウォールの一部を示す正面図である。
本実施の形態に係るカーテンウォール1では各開口部に主に嵌め殺し窓が設けてあるが、カーテンウォールの端部開口部に嵌め殺し窓3がある箇所(図4のA−A)と開閉窓5がある箇所(図4のB−B)とがある。
カーテンウォール1は、無目7と、端部方立9aと、中間方立9bと、端部方立用竪補助材11と、嵌め殺し窓枠13と、開閉障子15と、屋内側竪戸当り材17と、竪枠側面カバー材19とを備えている。
端部方立9aは、カーテンウォール1の端部に位置しており、中間方立9bは端部方立9aの隣に位置し且つ端部方立9aと屋外側面に同一断面の固定部23を有している。端部方立9aと中間方立9bとは、それぞれ屋内側に木部材Mを接合してある。
無目7は端部方立9aと中間方立9bとに架設してあり、嵌め殺し窓3と開閉窓5との各窓の上下に設けてある。無目7は屋内側に木部材Mを接合してある。
端部方立9aと、中間方立9bと上下の無目7、7とでカーテンウォール1の端部開口部21を形成している。
嵌め殺し窓枠13が設けてある端部開口部21(図1)では、端部方立用竪補助材11は端部方立9aの屋外側面の左右方向中間部に取付けてある。この端部方立用竪補助材11は、端部方立9aの固定部23に係合してあると共にねじ25により固定部23にねじ止めされている。端部方立用竪補助材11の内周側面には係合部材22がねじ24で止めてある。係合部材22には内周側面に係合凹部22aが形成されている。
端部方立用竪補助材11の外周側面には、竪枠側面カバー材19の係止部20が設けてある。
嵌め殺し窓枠13は、端部方立側の竪枠27及び中間方立側の竪枠29と、下枠31と上枠33とを有しており、端部方立側の竪枠27は外周面を端部方立用竪補助材11の内周側面に対向して設けてあり、中間方立側の竪枠29は中間方立9bの固定部23にねじ25で固定してある。端部方立側の竪枠27の外周面には被係合部26が突設されており、端部方立用竪補助材11に取付けてある係合部材22に係合している。
中間方立側の竪枠29の外周面には係合部32が設けてあり、隣に連接している嵌め殺し窓3の竪枠30の被係合部26と係合している。
中間方立側の竪枠29は被固定部16を有しており、ねじ28で中間方立の固定部23に固定されている。
竪枠側面カバー材19は端部方立9aの屋外側に配置してあり、端部方立用竪補助材11の外周側面を被覆している。この竪枠側面カバー材19は端部方立用竪補助材11にねじ41で止めてあると共に、被係止43を端部方立用竪補助材11に設けてある係止部20に係止して取付けてある。
竪枠側面カバー材19は、本実施の形態では、外周側に木部材Mが取付けてあり、屋外側面には屋外側架設竪押縁材43が重合している。
端部方立側の竪枠27の屋外側には、屋外側架設竪押縁材43が設けてある。屋外側架設竪押縁材43は、屋外側に木部材Mを接合してあり、係止部45を端部方立側の竪枠27の外周側面に設けてある被係止部47に係止して嵌め殺しパネル51を屋外側から止めている。屋外側架設竪押縁材43は、端部方立側の竪枠27に取付けてあるパネル縁部51aと竪枠側面カバー材19の屋外側面に跨って取付けてあり、竪枠側面カバー材19の屋外側面に重なる重合部53を有している。中間方立側の竪枠29にも、屋外側架設竪押縁材43が隣合う嵌め殺しパネル縁部51aに跨って取付けてある。
一方、端部開口部21に開閉窓5を設けている箇所(図2)では、端部方立9aに端部方立用竪補助材11を取付けてあり、中間方立9bには連接している嵌め殺し窓の竪枠55が取付けてあり、方立用補助材11と嵌め殺し窓の竪枠55とが開閉障子15の開閉窓竪枠を兼ねている。
開閉障子15は開き窓の障子であり、開閉障子本体35と開閉金具37とから成り、開閉金具37は開閉障子本体35と無目7とに固定して無目7に対して開閉障子15を開閉自在に繋いでいる。本実施の形態では開閉金具37は上下に連接している嵌め殺し窓枠の上枠33と下枠31とに固定して間接的に上下の無目7、7に固定している。
開閉障子本体35は端部方立側の竪框39の外周側面を端部方立用竪補助材11の内周側面11aと対向して配置してある。この開閉窓にある端部方立用竪補助材11には、嵌め殺し窓3にある端部方立用竪補助材11と異なり係合部材22が取付けていない。
屋内側竪戸当り材17は、端部方立9aの屋外側面で且つ端部方立用竪補助材11の内周側に固定したものと、中間方立9bの屋外側面に固定したものとがあり、各々ねじ18で端部方立9aと中間方立9bに固定されている。端部方立9aに固定した屋内側竪戸当り材17には開閉障子本体35の端部方立側の竪框39の屋内側見付け面19aが当接し、中間方立9bに固定した屋内側竪戸当り材17には開閉障子本体35の中間方立側の竪框40の屋内側見付け面40aが当接している。
竪枠側面カバー材19は端部方立9aの屋外側に配置してあり、端部方立用竪補助材11の外周側面を被覆している。この竪枠側面カバー材19は端部方立用竪補助材11にねじ41で止めてあると共に、被係止43を端部方立用竪補助材11に設けてある係止部20に係止して取付けてある。
竪枠側面カバー材19は、外周側に木部材Mが取付けてある。開閉障子15が取付けてある端部開口部21の端部方立9aには嵌め殺し窓枠を取付ける場合(図1)と異なり、屋外側架設竪押縁材43は設けていない。
【0015】
次に、本実施の形態に係るカーテンウォール1の施工、作用及び効果について説明する。
カーテンウォール1の端部に開閉窓5を設ける箇所(図2)の施工では、端部方立9aの屋外側面の固定部23には左右方向中間部に端部方立用竪補助材11をねじ25で止め、端部方立用竪補助材11の内周側に屋外側竪戸当り材17をねじ18で止めて、端部方立用竪補助材11の外周側面に竪枠側面カバー材19をねじで止める。尚、中間方立9aの屋外側面の固定部23にも屋外戸当り材17をねじ41で止める。また、開閉障子本体35と無目とを開閉障子金具37で繋ぐ。
一方、端部に嵌め殺し窓3を設ける箇所(図1)の施工では、予め端部方立用竪補助材11の内周側面に係合部材22をねじ24で止めておき、端部方立9aの固定部23には、屋外側面の左右方向中間部に端部方立用竪補助材11をねじ25で止め、端部方立用竪補助材11の内周側に取付けた係合部材22に端部方立側の竪枠27の被係合部26を係合する。端部方立用竪補助材11の外周側面には竪枠側面カバー材19をねじ41で止める。中間方立9bの屋外側面に設けた固定部23には、中間方立側の竪枠29の被固定部16をねじ28で止める。そして、下の無目7に下枠31を取付け上の無目7には上枠33を取付けて、嵌め殺し枠13を形成する。そして、嵌め殺し枠13に嵌め殺しパネル51を嵌め込んだ後に、屋外側から屋外側架設竪押縁材43を端部方立側の竪枠27と竪枠側面カバー材19の屋外側面とに跨って取付ける。
本実施の形態によれば、端部方立9aでは、屋外側面の左右方向中間部に設けた端部方立用竪補助材11に竪枠側面カバー材19を取付けて端部方立側の竪枠27の外周側を被覆するので、中間方立9aと端部方立9bとに同一断面の固定部23を有する方立を用いることができ、コストダウンが図れ且つ施工が容易である。
端部開口部21に開閉窓5を設ける場合には、端部方立9aに取付けた端部方立用竪補助材11を開閉窓竪枠として用い、端部開口部21に嵌め殺し窓3を設ける場合には、端部方立用竪補助材11の内周側に端部方立側の竪枠27を取付けるので、カーテンウォール1の端部開口部21に嵌め殺し窓枠13と開閉障子15とのいずれをも選択的に取付け自在である。
更に、端部開口部21に開閉障子15を取付ける場合には、端部方立用竪補助材11が開閉窓の竪枠を兼ねることができ、開閉窓竪枠を設けなくて済むので、部品点数を少なくでき、コストダウンを図ることができると共に施工が容易である。
端部開口部21に嵌め殺し窓3と開閉窓5とのいずれを取付ける場合にも共通の竪枠カバー材19を用いることができるので、部品種類が少なくて済む。
また、端部開口部21に嵌め殺し窓枠13と開閉障子15とのいずれを設けた場合でも、端部方立9aに端部方立用竪補助材11を取付けるとともに端部方立用竪補助材11に竪枠側面カバー材19を取付けて端部方立用竪補助材11の外周側を被覆できるので、外観が良く且つ施工が容易である。
嵌め殺し窓枠13は、中間方立側の竪枠29の被固定部16を中間方立9bの固定部23にねじ28で固定し、端部方立側の竪枠27は端部方立9aの固定部23にねじ固定していないから、固定箇所が少なくて済むので、施工が容易にできる。
端部方立側の竪枠27は端部方立用竪補助材11に係合して取付けているので、ねじ等による固定箇所が少なくて済み取付けが容易にでき、且つ中間方立9bにおいては、中間方立側の竪枠29に設けた係合部32と連接する嵌め殺し窓枠の竪枠55の被係合部26と係合しているので、嵌め殺し窓の連接が容易にできる。
屋外側架設竪押縁材43は端部方立9aにおいても中間方立9bと同様に取付けることができ、しかも端部方立9aと中間方立9bとで同じ押縁材を用いることができるので、部品種類を少なくできるとともに施工が容易である。
上下の無目7、7及び端部方立9a、中間方立9bは屋内側を木部材Mとし屋外側架設竪押縁材43は屋外側に木部材Mを接合し、且つ竪枠側面カバー材19も室外側に木部材Mを設けて、カーテンウォール1全体を木調にしているので、外観が良い。
次に、図5〜図7を参照して本発明の第2実施の形態について説明するが、以下に説明する実施の形態において、上述した実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には同一の符号を付することによってその部分の詳細な説明を省略し、以下の説明では第1実施の形態と異なる点を主に説明する。図5は本発明の第2実施の形態に係るカーテンウォールを図4のA−Aに対応した位置で切断した断面図であり、図6は第2実施の形態に係るカーテンウォールを図4のB−Bに対応した位置で切断した断面図であり、図7は第2実施の形態に係るカーテンウォールを図4のC−Cに対応した位置で切断した断面図である。
この第2実施の形態では、竪枠側面カバー材19と屋外側竪押縁材57を金属製としており、且つ第1実施の形態で用いた屋外側架設竪押縁材43に換えて屋外側竪押縁材57を用いている点が上述した第1実施の形態と異なっている。
第2実施の形態では屋外側を金属調とする施工ができると共に、第1実施の形態と竪枠側面カバー材19と屋外側竪押縁材57とが異なるのみで、他の部材は共通して用いることができる。したがって、本発明によれば、第1実施の形態に係るカーテンウォールのように屋外側を木調としたり、第2実施の形態に係るカーテンウォールのように屋外側を金属調としたりする意匠の変更が容易にでき、意匠選択の自由度が高い。
この第2実施の形態においても、上述した実施の形態と同様に、カーテンウォールの端部開口部21に嵌め殺し窓枠13と開閉障子15とのいずれをも選択して取付けることができる。また、嵌め殺し窓枠13と開閉障子15とのいずれを取付ける場合でも、端部方立用竪補助材11に竪枠側面カバー材19を取付けて端部方立用竪補助材11の外周側を被覆できるので、外観が良く且つ施工が容易である。嵌め殺し窓3と開閉窓5とで共通の竪枠カバー材19を用いることができるので、部品点数が少なくて済む。
端部方立側の竪枠27は端部方立用竪補助材11に係合して取付けているので、ねじ等による固定箇所が少なくて済み取付けが容易にでき、且つ中間方立9bにおいては隣合う嵌め殺し竪枠29、30どうしを係合部32と被係合部26とで係合しているので、嵌め殺し窓の連接が容易にできる。
【0016】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
例えば、開閉金具37は無目7、7に直接固定するものであってもよく、また方立9a、9bに間接又は直接固定して方立9a、9bと開閉障子本体35とを繋ぐものであってもよい。また、開閉障子15は、竪すべり出し窓、内倒し障子、外倒し障子や突き出し障子であってもよい。
端部方立用竪補助材11に取付けた係合部材22と端部方立側の竪枠27の被係合部26の係合は、いずれが凸状や凹状であってもよい。同様に、中間方立側の竪枠29の係合部32とこれに連接する嵌め殺し窓の竪枠30の被係合部26との係合もいずれが凸状や凹状であってもよい。
嵌め殺し窓枠13は、中間方立側の竪枠29に被固定部16を設けないで、端部方立側の竪枠27に被固定部16を設けて端部方立9aの固定部23にねじで固定してもよい。
端部方立9aと中間方立9bとは、少なくとも固定部23の断面が同一であればよく、端部方立9aの断面が中間方立9bの断面よりも屋内外方向の寸法が長かったり、端部方立9aと中間方立9bとの断面が室内側で異なる形状であってもよい。
第1実施の形態において竪枠側面カバー材19を金属製としてもよいし、第2実施の形態において竪枠側面カバー材の外周側を木部材としてもよい。
請求項1〜3に記載の発明にあっては、端部方立9a、中間方立9bや上下の無目7、7のいずれかを金属製としたり、すべてを金属製とするものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図4のA−A断面図である。
【図2】図4のB−B断面図である。
【図3】図4のC−C断面図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係るカーテンウォールの一部を示す正面図である。
【図5】本発明の第2実施の形態に係るカーテンウォールであって、図4のA−Aに対応した位置で切断した断面図である。
【図6】本発明の第2実施の形態に係るカーテンウォールであって、図4のB−Bに対応した位置で切断した断面図である。
【図7】本発明の第2実施の形態に係るカーテンウォールであって、図4のC−Cに対応した位置で切断した断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1 カーテンウォール
7 無目
9a 端部方立
9b 中間方立
11 端部方立用竪補助材
13 嵌め殺し窓枠
15 開閉障子
16 被固定部
17 屋内側竪戸当り材
19 竪枠側面カバー材
21 端部開口部
22 係合部材
23 固定部
26 被係合部
27 端部方立側の竪枠
29 中間方立側の竪枠
31 下枠
32 係合部
33 上枠
35 開閉障子本体
37 開閉金具
39 端部方立側の竪框
43 屋外側架設竪押縁材
53 重合部
57 屋外側竪押縁材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無目と、方立と、端部方立用竪補助材と、嵌め殺し窓枠と、開閉障子と、屋内側竪戸当り材と、竪枠側面カバー材とを備え、方立は、端部に位置する端部方立と、端部方立の隣に位置する中間方立とであり、端部方立及び中間方立は屋外側面に同一断面の固定部を有するものであり、無目は端部方立と中間方立との間に設けた上下の無目であり、端部方立と中間方立と上下の無目とで端部開口部を形成してあり、端部方立用竪補助材は端部方立の固定部に取付けてあり、嵌め殺し窓枠は、端部方立側の竪枠及び中間方立側の竪枠の何れか一方の竪枠の固定部に対する被固定部を有し、端部方立側の竪枠の外周側面を端部方立用竪補助材の内周側面と対向するようにして端部開口部に配置自在であり、開閉障子は開閉障子本体と開閉金具とから成り、開閉障子本体は端部方立側の竪框の外周側面を端部方立用竪補助材の内周側面と対向するようにして端部開口部に配置自在であり、開閉金具は開閉障子本体と無目または方立とを開閉自在に繋ぐものであり、屋内側竪戸当り材は、中間方立の固定部と、端部方立用竪補助材の内周側における端部方立の固定部とに各々固定自在で且つ中間方立に固定した屋内側戸当り材は開閉障子本体の中間方立側の竪框の屋内側見付け面が当接するものであり、端部方立に固定した屋外側竪戸当り材は開閉障子本体の端部方立側の竪框の屋内側見付け面が当接するものであり、竪枠側面カバー材は端部方立の屋外側に配置して端部方立用竪補助材の外周側面を被覆しており、嵌め殺し窓枠及び開閉障子の何れか一方を選択して端部開口部に対して取付自在にしてあることを特徴とするカーテンウォール。
【請求項2】
端部方立用竪補助材は内周側面に係合部材を取付自在であり、嵌め殺し窓枠は端部方立側の竪枠の外周側面に被係合部を有し且つ中間方立側の竪枠の外周側面に係合部を有しており、端部方立用竪補助材の係合部材と端部方立側の竪枠の被係合部が係合してあると共に、中間方立側の竪枠の外周側面の係合部と、端部開口部に隣接する中間開口部に配置した嵌め殺し窓枠の被係合部が係合自在としてあることを特徴とする請求項1に記載のカーテンウォール。
【請求項3】
屋外側竪押縁材又は屋外側架設竪押縁材を備え、屋外側竪押縁材は、嵌め殺し窓枠の端部方立側の竪枠の屋外側に取付けるものであり、屋外側架設竪押縁材は、嵌め殺し窓枠の端部方立側の竪枠の屋外側に取付けるものであると共に竪枠側面カバー材の屋外側面に重なる重合部を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーテンウォール。
【請求項4】
無目及び方立は屋内側に木部材を接合しており、竪枠側面カバー材は外周側が木部材のものと金属部材のものとの少なくとも2種類から選択した一つであり、屋外側架設竪押縁材は屋外側に木部材を接合したものであることを特徴とする請求項3に記載のカーテンウォール。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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