カーテン用おもり
【課題】実用上問題ない程度の重量があって耐食性があり、しかも磁気に反応しない焼却可能なカーテン用おもりを提供する。
【解決手段】カーテンの裾部分の縦辺1aと底辺1bの折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりのおもり本体を、樹脂などの非金属製材料で構成する。望ましくは、おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材3A、3Bで構成し、樹脂製板状部材3A、3Bを可撓性の連結部材7で互いに連結すると共に、一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺1aと底辺1bの共通の折り返し部1cの内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を底辺1bまたは縦辺1aの折り返し部の内側に収納する。
【解決手段】カーテンの裾部分の縦辺1aと底辺1bの折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりのおもり本体を、樹脂などの非金属製材料で構成する。望ましくは、おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材3A、3Bで構成し、樹脂製板状部材3A、3Bを可撓性の連結部材7で互いに連結すると共に、一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺1aと底辺1bの共通の折り返し部1cの内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を底辺1bまたは縦辺1aの折り返し部の内側に収納する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンに自然な張りを与えるカーテン用おもりに係り、特におもり本体を非金属製材料で構成してなるカーテン用おもりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーテンの裾に取り付けるカーテン用おもりは、比重が大きい鉛製が多かった。鉛以外ではガラス、セラミック、鋼、亜鉛やSUS304等のステンレス鋼その他の材料が使用されていた。しかし、近年では鉛の毒性が問題視されるようになり、鉛に代わる材料が求められている。ところが、ガラスやセラミックは衝撃に弱く割れやすいという弱点がある。鋼などの金属は発錆することがあるから、洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤に注意を要する。木材は軽いのでおもりとして不適当である。そこで、例えば特許文献1の発明は、複数本の鋼製棒状おもりを樹脂製容器内に密閉収納してカーテンの裾に取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−24183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カーテンの製造工場においては、完成したカーテンを出荷する前に、カーテンの中に縫い針が混入していないかどうか検査する検査工程がある。この検査工程は通常磁気を利用した検針器で行うが、鋼製のおもりは縫い針と同じように磁気に反応する。このため、特許文献1のように樹脂製容器に密封して防錆対策をしても、検針器に反応して誤検知を起こすという課題がある。また、いちいち樹脂製容器に鋼製棒状おもりを入れる手間がかかる。さらに、金属製のおもりは焼却できないので、カーテンごと可燃ごみとして廃棄しようとする場合におもりをいちいち手作業で除去しなければならないという課題もある。
【0005】
本発明の目的は、実用上問題ない程度の重量があって耐食性があり、カーテンに対する取り付けも簡単であって、しかも磁気に反応しない焼却可能なカーテン用おもりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、おもり本体を非金属製材料で構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、おもり本体を非金属製材料で構成したので、おもり本体を検針器が誤検出することがない。
【0008】
請求項2の発明は、前記おもり本体を樹脂で構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、おもり本体が発錆するおそれがないから洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤の制約を受けず、またおもり本体は焼却が可能であるから、カーテンごと廃棄する場合でも、おもりをいちいち取り外す手間がかからない。
【0010】
請求項3の発明は、前記おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材で構成し、前記板状部材を可撓性の連結部材で互いに連結し、少なくとも一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺と底辺の共通の折り返し部の内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を前記共通の折り返し部を除く底辺または縦辺の折り返し部の内側に収納するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材に分割しているので、おもり本体をカーテンの裾部分に分散配置することができ、比重が小さいためにカーテン用おもりとして必要な重量を稼ぐと分厚くなって体裁上の課題がある樹脂の弱点を克服することができる。また、複数の樹脂製板状部材を連結部材で連結することにより取り扱いが容易になり、カーテンに取り付けた後もおもりが安定する。さらに、金属性のおもりの場合は、おもりを取り付けたカーテンの裾部分の下部が、おもりの重量によって経時的に下方に下がって体裁が悪くなることがあるが、請求項3の発明によれば、おもり本体を分割しているので、荷重が分散されてこのような不具合が発生しない。
【0012】
請求項4の発明は、カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、カーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能なシート部材と、前記シート部材に形成した複数の収納部と、前記収納部に収納した樹脂製板状部材とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、おもり本体の樹脂製板状部材を安定的にシート部材の収納部に収納することができるうえ、シート部材をカーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能であるため、カーテンに確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、おもり本体を非金属製材料で構成したカーテン用おもりであるから、検針器が誤検出することがない。おもり本体を樹脂で構成した場合は発錆するおそれがないから洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤の制約を受けず、カーテンごと廃棄する場合におもりをいちいち取り外す手間がかからないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】カーテンの概略的正面図である。
【図2】カーテンの裾部分の正面図である。
【図3A】図2のカーテンのA−A線矢視断面図である。
【図3B】図2のカーテンのB−B線矢視断面図である。
【図3C】図2のカーテンのC−C線矢視断面図である。
【図4】樹脂製板状部材を不織布の収納袋に収納したカーテン用おもりの正面図である。
【図5】図4のカーテン用おもりのV−V線矢視断面図である。
【図6】(A)〜(C)はカーテン用おもりをカーテンに取り付ける工程を示す斜視図である。
【図7】カーテン用おもりの第1変形例を示す正面図である。
【図8】カーテン用おもりの第2変形例を示す正面図である。
【図9A】カーテン用おもりの第3変形例を示す正面図である。
【図9B】カーテン用おもりの第3変形例を示す斜視図である。
【図10】カーテン用おもりの第4変形例を示す斜視図である。
【図11】(A)、(B)はカーテン用おもりの第5変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明のカーテン用おもり3を取り付けたカーテン1の概略的正面図である。図2〜図4に示すように、カーテン1の裾部分の両端に、樹脂製板状部材を二枚使用したカーテン用おもり3が取り付けられている。この樹脂製板状部材は、詳しくは図4に示すように、大きさが等しい長方形の板状部材3A、3Bであって、一枚の板状部材3A(または3B)の大きさは幅20ミリ、長さ100ミリ、厚さ数ミリで、重量は約4グラムである。この樹脂製板状部材3A、3Bを二つの収納部7a、7bを有する不織布製収納袋7に収納する。この収納袋7は可撓性の連結部材を兼ねるもので、図5の断面で示すように長方形の不織布生地を二つ折りし、開いた三辺を縫い込み線9aで縫い合わせ、さらに三等分するように縫い込み線9b、9cで縫い合わせている。収納袋7の中に収納袋7の両端に位置する二つの長方形の収納部7a、7bが形成され、収納部7aと7bの間は空の中空部7cとされている。
【0017】
カーテン用おもり3のおもり本体である樹脂製板状部材3A、3Bを二分割したのは以下の理由による。樹脂は鉛やステンレスに比べて比重が小さい。鉛11.3、ステンレス7.8に対して、比較的重い樹脂とされるPETでも約1.4である。このためカーテン用おもりとして実用上問題ない程度の最低限の重量(約8グラム)を確保しようとすると、必然的に厚みが大きくなる。分厚い樹脂製おもりになるとカーテンの裾部分の体裁が悪くなる。そこで樹脂製おもりを複数に分割することにした。図4は樹脂製おもりを二分割にした例であるが、三分割以上にすることも可能である。分割した樹脂製板状部材3A、3Bは、そのままでは取り扱いが不便でありカーテン1に対する取り付けも簡単ではない。そこで樹脂製板状部材3A、3Bを例えば不織布などのシート部材で構成した収納袋に収納した状態でカーテンに取り付けることにした。
【0018】
カーテン1の裾部分は、図3B、図3Cに示すように、縦辺1aを二回内側に折り込んだ後に、同じように底辺1bを二回内側に折り込み、折り返した端縁は縫い込み線5a、5bでカーテン本体側に縫い合わせるようにしている。縦辺1aの一回の折り返し幅は約20ミリで、縦辺1aを内側に巻き込むようにして二回折り返し、図3Bのように折り返した後の縦辺1aを三層にしている。これに対して底辺1bの一回の折り返し幅は約100ミリで、底辺1bを内側に巻き込むようにして二回折り返し、図3Cのようにこの部分も三層となる。
【0019】
カーテン用おもり3に使用する樹脂製板状部材3A、3Bは、図2のように、その一枚が縦辺1aと底辺1bの共通の折り返し部1cの内側に折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0020】
この折り込み方法は、詳しくは図6(A)に示すように、まずカーテン用おもり3をカーテン生地のコーナ部に配置する。このとき、生地の縦辺1aに一回分の折代Cを残しておく。この折代Cは、樹脂製板状部材3Aの幅に合わせて約20ミリである。
【0021】
縦辺1aの折代Cを、図6Bのようにカーテン用おもり3の一方の樹脂製板状部材3Bの上に重ねるように折り返す。そして図6(B)、(C)のように、この重ねた部分を収納袋7の中空部7cの上に重ねるように矢印方向に折り返す。
【0022】
次に、今度はカーテン生地の底辺1bをカーテン用おもり3と共に図6Cの矢印方向に一回折り返し、さらにもう一回同じ方向に折り返す。これで図2のように縦辺1aと底辺1bの二回折り返し部が互いに重なった共通の折り返し部1cが形成される。折り返した縁は図3Aのように縫い込み線5cで縫い合わせる。
【0023】
一方の樹脂製板状部材3Aは共通の折り返し部1cの外側にあるが、底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれていて、しかも収納袋7に収納され、この収納袋7が縫い込み線5cでカーテン1に固定されていることから、カーテン1内で位置ズレすることはない。なお、図3Cの縫い込み線5bを収納袋7の上縁に重ねるようにしてもよく、これによりカーテン用おもり3はいっそう安定する。
【0024】
図7〜図11は樹脂製おもり3の5つの変形例1〜5を示したものである。図7の第1変形例は不織布製収納袋17に二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを隣接して収納したものである。この第1変形例の場合、一方の板状部材3Bを、カーテン生地の縦辺1aを図6(B)から(C)のように折り返すときに縦辺1aの内側に挟み込むようにする。このため、図6(A)でのカーテン用おもり3の位置は、折代Cを倍にしてさらに内側に配置することになる。以後の折り返し方は前述したやり方と同じである。この第1変形例では、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0025】
図8は縦長の不織布製収納袋27の上下両端に二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを収納したものである。収納袋17の上下方向中間部分は板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じ大きさの中空部にする。このおもりは、図6(A)の想像線で示す収納袋27の位置に配置し、前述した折り返し順序と同じ順序で縦辺1aと底辺1bを折り返すことにより、一方の板状部材3Bが共通の折り返し部1cの内側に折り込まれる。他の板状部材3Aは、図2の板状部材3Bの上方の縦辺1aの折り返し部の内側に配置されることになる。
【0026】
図9A、図9Bは二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを樹脂シート3Cに一体化したものである。このような一体形にするとカーテン用おもり3を射出成形等で簡単低コストに製造できる。板状部材3A、3Bの中間の樹脂シート3Cはほぼ一枚分の板状部材3Aまたは3Bの大きさであり、板状部材3A、3Bを連結する可撓性の連結部材の役目をする。樹脂シート3Cはできるだけ薄い方がカーテン生地に容易に縫い付けることができて好都合であるが、縫い付け可能性を損なわない範囲である程度の厚みを与えることでおもりとしての機能も分担することができる。この変形例も、板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0027】
図10は二枚の樹脂製板状部材3A、3Bに長孔11を形成し、この長孔11に可撓性の連結部材としての繋ぎベルト3Dを通して二枚の板状部材3A、3Bを連結したものである。板状部材3Aと3Bの間隔は、一枚分の板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じにする。一枚分の繋ぎベルト3Dは例えば薄い不織布などで構成しておくとカーテン生地に対して容易に縫い付けることができる。この変形例も、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0028】
図11(A)、(B)は図10のカーテン用おもりの変形例であって、(A)は分解斜視図、(B)は完成斜視図である。この変形例は二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2で構成し、可撓性の連結部材として例えば薄い不織布などで構成した繋ぎベルト3Eの両端を本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2の間に挟み込んで固定するようにしたものである。板状部材3Aと3Bの間隔は、一枚分の板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じにする。押さえ板部3A2、3B2はその三辺に複数の係合爪30を備え、これら係合爪30を本体部3A1、3B1の段部32に形成した係合孔31に嵌合し、本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2を一体化するようにしている。なお、繋ぎベルト3Eの固定力をアップするために、押さえ板部3A2、3B2の下面と本体部3A1、3B1の段部32に凹凸面や粗面などを必要に応じて形成してもよい。この変形例も、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0029】
以上、本発明の実施形態と変形例について説明したが、本発明は前記実施形態や変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1 カーテン
3 カーテン用おもり
3A、3B 樹脂製板状部材(おもり本体)
7 不織布製収納袋
7a、7b 収納部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンに自然な張りを与えるカーテン用おもりに係り、特におもり本体を非金属製材料で構成してなるカーテン用おもりに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーテンの裾に取り付けるカーテン用おもりは、比重が大きい鉛製が多かった。鉛以外ではガラス、セラミック、鋼、亜鉛やSUS304等のステンレス鋼その他の材料が使用されていた。しかし、近年では鉛の毒性が問題視されるようになり、鉛に代わる材料が求められている。ところが、ガラスやセラミックは衝撃に弱く割れやすいという弱点がある。鋼などの金属は発錆することがあるから、洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤に注意を要する。木材は軽いのでおもりとして不適当である。そこで、例えば特許文献1の発明は、複数本の鋼製棒状おもりを樹脂製容器内に密閉収納してカーテンの裾に取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7−24183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カーテンの製造工場においては、完成したカーテンを出荷する前に、カーテンの中に縫い針が混入していないかどうか検査する検査工程がある。この検査工程は通常磁気を利用した検針器で行うが、鋼製のおもりは縫い針と同じように磁気に反応する。このため、特許文献1のように樹脂製容器に密封して防錆対策をしても、検針器に反応して誤検知を起こすという課題がある。また、いちいち樹脂製容器に鋼製棒状おもりを入れる手間がかかる。さらに、金属製のおもりは焼却できないので、カーテンごと可燃ごみとして廃棄しようとする場合におもりをいちいち手作業で除去しなければならないという課題もある。
【0005】
本発明の目的は、実用上問題ない程度の重量があって耐食性があり、カーテンに対する取り付けも簡単であって、しかも磁気に反応しない焼却可能なカーテン用おもりを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、おもり本体を非金属製材料で構成したことを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、おもり本体を非金属製材料で構成したので、おもり本体を検針器が誤検出することがない。
【0008】
請求項2の発明は、前記おもり本体を樹脂で構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、おもり本体が発錆するおそれがないから洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤の制約を受けず、またおもり本体は焼却が可能であるから、カーテンごと廃棄する場合でも、おもりをいちいち取り外す手間がかからない。
【0010】
請求項3の発明は、前記おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材で構成し、前記板状部材を可撓性の連結部材で互いに連結し、少なくとも一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺と底辺の共通の折り返し部の内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を前記共通の折り返し部を除く底辺または縦辺の折り返し部の内側に収納するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材に分割しているので、おもり本体をカーテンの裾部分に分散配置することができ、比重が小さいためにカーテン用おもりとして必要な重量を稼ぐと分厚くなって体裁上の課題がある樹脂の弱点を克服することができる。また、複数の樹脂製板状部材を連結部材で連結することにより取り扱いが容易になり、カーテンに取り付けた後もおもりが安定する。さらに、金属性のおもりの場合は、おもりを取り付けたカーテンの裾部分の下部が、おもりの重量によって経時的に下方に下がって体裁が悪くなることがあるが、請求項3の発明によれば、おもり本体を分割しているので、荷重が分散されてこのような不具合が発生しない。
【0012】
請求項4の発明は、カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、カーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能なシート部材と、前記シート部材に形成した複数の収納部と、前記収納部に収納した樹脂製板状部材とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、おもり本体の樹脂製板状部材を安定的にシート部材の収納部に収納することができるうえ、シート部材をカーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能であるため、カーテンに確実に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、おもり本体を非金属製材料で構成したカーテン用おもりであるから、検針器が誤検出することがない。おもり本体を樹脂で構成した場合は発錆するおそれがないから洗濯やクリーニングで使用する洗剤や有機溶剤の制約を受けず、カーテンごと廃棄する場合におもりをいちいち取り外す手間がかからないという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】カーテンの概略的正面図である。
【図2】カーテンの裾部分の正面図である。
【図3A】図2のカーテンのA−A線矢視断面図である。
【図3B】図2のカーテンのB−B線矢視断面図である。
【図3C】図2のカーテンのC−C線矢視断面図である。
【図4】樹脂製板状部材を不織布の収納袋に収納したカーテン用おもりの正面図である。
【図5】図4のカーテン用おもりのV−V線矢視断面図である。
【図6】(A)〜(C)はカーテン用おもりをカーテンに取り付ける工程を示す斜視図である。
【図7】カーテン用おもりの第1変形例を示す正面図である。
【図8】カーテン用おもりの第2変形例を示す正面図である。
【図9A】カーテン用おもりの第3変形例を示す正面図である。
【図9B】カーテン用おもりの第3変形例を示す斜視図である。
【図10】カーテン用おもりの第4変形例を示す斜視図である。
【図11】(A)、(B)はカーテン用おもりの第5変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明のカーテン用おもり3を取り付けたカーテン1の概略的正面図である。図2〜図4に示すように、カーテン1の裾部分の両端に、樹脂製板状部材を二枚使用したカーテン用おもり3が取り付けられている。この樹脂製板状部材は、詳しくは図4に示すように、大きさが等しい長方形の板状部材3A、3Bであって、一枚の板状部材3A(または3B)の大きさは幅20ミリ、長さ100ミリ、厚さ数ミリで、重量は約4グラムである。この樹脂製板状部材3A、3Bを二つの収納部7a、7bを有する不織布製収納袋7に収納する。この収納袋7は可撓性の連結部材を兼ねるもので、図5の断面で示すように長方形の不織布生地を二つ折りし、開いた三辺を縫い込み線9aで縫い合わせ、さらに三等分するように縫い込み線9b、9cで縫い合わせている。収納袋7の中に収納袋7の両端に位置する二つの長方形の収納部7a、7bが形成され、収納部7aと7bの間は空の中空部7cとされている。
【0017】
カーテン用おもり3のおもり本体である樹脂製板状部材3A、3Bを二分割したのは以下の理由による。樹脂は鉛やステンレスに比べて比重が小さい。鉛11.3、ステンレス7.8に対して、比較的重い樹脂とされるPETでも約1.4である。このためカーテン用おもりとして実用上問題ない程度の最低限の重量(約8グラム)を確保しようとすると、必然的に厚みが大きくなる。分厚い樹脂製おもりになるとカーテンの裾部分の体裁が悪くなる。そこで樹脂製おもりを複数に分割することにした。図4は樹脂製おもりを二分割にした例であるが、三分割以上にすることも可能である。分割した樹脂製板状部材3A、3Bは、そのままでは取り扱いが不便でありカーテン1に対する取り付けも簡単ではない。そこで樹脂製板状部材3A、3Bを例えば不織布などのシート部材で構成した収納袋に収納した状態でカーテンに取り付けることにした。
【0018】
カーテン1の裾部分は、図3B、図3Cに示すように、縦辺1aを二回内側に折り込んだ後に、同じように底辺1bを二回内側に折り込み、折り返した端縁は縫い込み線5a、5bでカーテン本体側に縫い合わせるようにしている。縦辺1aの一回の折り返し幅は約20ミリで、縦辺1aを内側に巻き込むようにして二回折り返し、図3Bのように折り返した後の縦辺1aを三層にしている。これに対して底辺1bの一回の折り返し幅は約100ミリで、底辺1bを内側に巻き込むようにして二回折り返し、図3Cのようにこの部分も三層となる。
【0019】
カーテン用おもり3に使用する樹脂製板状部材3A、3Bは、図2のように、その一枚が縦辺1aと底辺1bの共通の折り返し部1cの内側に折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0020】
この折り込み方法は、詳しくは図6(A)に示すように、まずカーテン用おもり3をカーテン生地のコーナ部に配置する。このとき、生地の縦辺1aに一回分の折代Cを残しておく。この折代Cは、樹脂製板状部材3Aの幅に合わせて約20ミリである。
【0021】
縦辺1aの折代Cを、図6Bのようにカーテン用おもり3の一方の樹脂製板状部材3Bの上に重ねるように折り返す。そして図6(B)、(C)のように、この重ねた部分を収納袋7の中空部7cの上に重ねるように矢印方向に折り返す。
【0022】
次に、今度はカーテン生地の底辺1bをカーテン用おもり3と共に図6Cの矢印方向に一回折り返し、さらにもう一回同じ方向に折り返す。これで図2のように縦辺1aと底辺1bの二回折り返し部が互いに重なった共通の折り返し部1cが形成される。折り返した縁は図3Aのように縫い込み線5cで縫い合わせる。
【0023】
一方の樹脂製板状部材3Aは共通の折り返し部1cの外側にあるが、底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれていて、しかも収納袋7に収納され、この収納袋7が縫い込み線5cでカーテン1に固定されていることから、カーテン1内で位置ズレすることはない。なお、図3Cの縫い込み線5bを収納袋7の上縁に重ねるようにしてもよく、これによりカーテン用おもり3はいっそう安定する。
【0024】
図7〜図11は樹脂製おもり3の5つの変形例1〜5を示したものである。図7の第1変形例は不織布製収納袋17に二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを隣接して収納したものである。この第1変形例の場合、一方の板状部材3Bを、カーテン生地の縦辺1aを図6(B)から(C)のように折り返すときに縦辺1aの内側に挟み込むようにする。このため、図6(A)でのカーテン用おもり3の位置は、折代Cを倍にしてさらに内側に配置することになる。以後の折り返し方は前述したやり方と同じである。この第1変形例では、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0025】
図8は縦長の不織布製収納袋27の上下両端に二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを収納したものである。収納袋17の上下方向中間部分は板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じ大きさの中空部にする。このおもりは、図6(A)の想像線で示す収納袋27の位置に配置し、前述した折り返し順序と同じ順序で縦辺1aと底辺1bを折り返すことにより、一方の板状部材3Bが共通の折り返し部1cの内側に折り込まれる。他の板状部材3Aは、図2の板状部材3Bの上方の縦辺1aの折り返し部の内側に配置されることになる。
【0026】
図9A、図9Bは二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを樹脂シート3Cに一体化したものである。このような一体形にするとカーテン用おもり3を射出成形等で簡単低コストに製造できる。板状部材3A、3Bの中間の樹脂シート3Cはほぼ一枚分の板状部材3Aまたは3Bの大きさであり、板状部材3A、3Bを連結する可撓性の連結部材の役目をする。樹脂シート3Cはできるだけ薄い方がカーテン生地に容易に縫い付けることができて好都合であるが、縫い付け可能性を損なわない範囲である程度の厚みを与えることでおもりとしての機能も分担することができる。この変形例も、板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0027】
図10は二枚の樹脂製板状部材3A、3Bに長孔11を形成し、この長孔11に可撓性の連結部材としての繋ぎベルト3Dを通して二枚の板状部材3A、3Bを連結したものである。板状部材3Aと3Bの間隔は、一枚分の板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じにする。一枚分の繋ぎベルト3Dは例えば薄い不織布などで構成しておくとカーテン生地に対して容易に縫い付けることができる。この変形例も、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0028】
図11(A)、(B)は図10のカーテン用おもりの変形例であって、(A)は分解斜視図、(B)は完成斜視図である。この変形例は二枚の樹脂製板状部材3A、3Bを本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2で構成し、可撓性の連結部材として例えば薄い不織布などで構成した繋ぎベルト3Eの両端を本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2の間に挟み込んで固定するようにしたものである。板状部材3Aと3Bの間隔は、一枚分の板状部材3Aまたは3Bとほぼ同じにする。押さえ板部3A2、3B2はその三辺に複数の係合爪30を備え、これら係合爪30を本体部3A1、3B1の段部32に形成した係合孔31に嵌合し、本体部3A1、3B1と押さえ板部3A2、3B2を一体化するようにしている。なお、繋ぎベルト3Eの固定力をアップするために、押さえ板部3A2、3B2の下面と本体部3A1、3B1の段部32に凹凸面や粗面などを必要に応じて形成してもよい。この変形例も、樹脂製板状部材3A、3Bの一枚が共通の折り返し部1cに折り込まれ、残りの一枚は底辺1bの折り返し部の内側に折り込まれる。
【0029】
以上、本発明の実施形態と変形例について説明したが、本発明は前記実施形態や変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0030】
1 カーテン
3 カーテン用おもり
3A、3B 樹脂製板状部材(おもり本体)
7 不織布製収納袋
7a、7b 収納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、おもり本体を非金属製材料で構成してなるカーテン用おもり。
【請求項2】
前記おもり本体を樹脂で構成してなる請求項1のカーテン用おもり。
【請求項3】
前記おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材で構成し、前記板状部材を可撓性の連結部材で互いに連結し、少なくとも一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺と底辺の共通の折り返し部の内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を前記共通の折り返し部を除く底辺または縦辺の折り返し部の内側に収納するようにした請求項1のカーテン用おもり。
【請求項4】
カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、カーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能なシート部材と、前記シート部材に形成した複数の収納部と、前記収納部に収納した樹脂製板状部材とを有するカーテン用おもり。
【請求項1】
カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、おもり本体を非金属製材料で構成してなるカーテン用おもり。
【請求項2】
前記おもり本体を樹脂で構成してなる請求項1のカーテン用おもり。
【請求項3】
前記おもり本体を二枚以上の樹脂製板状部材で構成し、前記板状部材を可撓性の連結部材で互いに連結し、少なくとも一枚の樹脂製板状部材をカーテンの裾部分の縦辺と底辺の共通の折り返し部の内側に収納し、残りの樹脂製板状部材を前記共通の折り返し部を除く底辺または縦辺の折り返し部の内側に収納するようにした請求項1のカーテン用おもり。
【請求項4】
カーテンの裾部分の縦辺と底辺の折り返し部の内側に取り付けてカーテンに張りを与えるカーテン用おもりであって、カーテンの裾部分の折り返し部に縫い込み可能なシート部材と、前記シート部材に形成した複数の収納部と、前記収納部に収納した樹脂製板状部材とを有するカーテン用おもり。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−65797(P2012−65797A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212443(P2010−212443)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(500540121)株式会社イマイ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(500540121)株式会社イマイ (5)
【Fターム(参考)】
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