説明

カーテン

【課題】 カーテンフックを使用せずにカーテンを取付けることができるカーテンを提供をすること。
【解決手段】 カーテン本体2の上端縁近傍に沿って、その上下を固着して筒上部9を形成し、この筒状部9の片方の面に長手方向一列に等間隔に偶数個の所定の大きさの穴6を設けてなる。これにより、カーテンを横棒に弛ませてカーテンを吊り下げたときに、カーテンには自然な形のプリーツ(ひだ)が形成され、カーテンを飾ったときに立体的にきれいなウエーブができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンフックを使用しなくてもカーテンを取り付けることができるための、カーテンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のカーテンは、一つには、窓枠の上方に設置したカーテンレールに、吊り下げフックを用いてカーテンを吊り下げ、そのカーテンの上縁部分に形成された複数のプリーツ(「ひだ」とも言う。)によりカーテン面にウェーブを形成し、立体的な装飾を付与してなるものがあった。その他には、カーテンの上縁部分に所定の間隔で一列に穴を開けて、その穴に窓枠の上方に設置した横棒を通して吊り下げていた(非特許文献1参照)。
【非特許文献1】有限会社インテリアクレール、「手作りカーテンのインテリアレール」、http://www.curtainshop.co.jp/index.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これ等には、次のような欠点があった。前者では、カーテンの上縁部分に形成する複数のプリーツ(ひだ)を形成するためにカーテン加工に手間がかかり、その上、複雑で高価なカーテンレールを使用し、コスト高であり、取り付けにも面倒であると共に、カーテン上部に吊り下げフックを使うために、カーテンを洗濯するときにはフックを取り外し、洗濯後、再度フックを取り付けてから吊り下げるという煩わしさがあった。さらに後者では、室内から取り付け部分のカーテンの上方の穴や横棒が丸見えになってしまい美的感覚を損なうものであった。
【0004】
本発明は、これらの欠点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カーテン本体の上端縁近傍に沿って、その上下を固着して筒上部を形成し、この筒状部の片方の面に長手方向一列に等間隔に偶数個の所定の大きさの穴を設けてなることを特徴とするカーテン。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、カーテンの上端の縁近傍の筒状部において、横棒がカーテン外面に露出している部分ではカーテンは、横棒に巻き付いていず、拘束されていないために、カーテンを横棒に弛ませてカーテンを吊り下げたときに、カーテンには自然な形のプリーツ(ひだ)が形成され、カーテンを飾ったときに立体的にきれいなウエーブができ室内にいる人に対して美的感覚を満足させる。カーテンの縫い付け時に、プリーツ(ひだ)を設ける必要がなく、縫製作業が簡易化でき、コスト低減が図れ、形態が平らなので洗濯時に扱い易い。カーテンを吊り下げた場合に、ほぼ自動的に、簡単にプリーツ(ひだ)ができる。また誰にでもカーテンを指でつまんでプリーツ(ひだ)の幅や高さを容易に調節できる。
【0007】
本発明のカーテンでは、プリーツ(ひだ)は表面側にでき、裏面側はほぼ平らであるために、奥行きが不要のために窓枠の奥行きの幅が狭くてもカーテンの設置が可能である。また、プリーツ(ひだ)の高さと幅の調節が容易にできることと、突っ張り棒の使用でカーテンを容易に設置できるので、窓の幅の大小に柔軟に対応可能である。複雑な構造のカーテンレールや吊り下げ用フックが不要となりコスト削減となり、そしてカーテンの洗濯時のフックの着脱等の煩わしさから開放される。
【0008】
横棒を通す穴をカーテンの裏面(室内側の表面に対して反対側)に設けたので、通し穴が室内側の表面から見えないのと同時に、カーテンを広げたときに横棒も表面側から見えないので美的感覚を満足させることができる。そして、カーテンと横棒との接触面積が大きいので、カーテンが振動や弱い風等には移動されにくいために、本発明のカーテンでは常に立体的にきれいなプリーツ(ひだ)やウエーブが持続できる。さらに、複雑なプリーツ(ひだ)の縫製加工等が不要であるために、カーテン生地としてレース、織物、いろいろな繊維素材に対応可能である。
【0009】
もちろん本発明のカーテンは、従来のカーテンレールに吊るすことも可能である。例えば筒状部の長手方向に一列に等間隔に偶数個設けている穴に吊り下げフックを挿入して、カーテンレールに吊るせば、カーテンの上縁部分に複数の多くのプリーツ(ひだ)を形成して吊り下げられる。そして、カーテンの縫い付け時に、特別にプリーツ(ひだ)を設ける必要がなく、縫製作業が簡易化でき、コスト低減が図れ、さらに、カーテンレールは従来のまま使用できるのでカーテンの交換だけであるから安価に交換でき、そしてカーテンを吊り下げたときに、カーテンには自然な形のプリーツ(ひだ)が形成され、カーテンを飾ったときに立体的にきれいなウエーブができ室内にいる人に対して美的感覚を満足させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の第1の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図を示す。カーテン1は、カーテン本体2の上端3の縁に沿って、補助布4(ここでは裏地付属部分)を配置して、カーテン本体2と補助布4に直角方向7Aにて二点鎖線により表示する上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示する下方固着部8とで、カーテン本体2と補助布4とで筒状部9を形成している。
【0012】
そして、この筒状部9を形成する補助布4の面側に穴6を、筒状部9の長手方向に一列に等間隔に偶数個(ここでは8個)設けている。この穴6の形状は、丸穴、縦長穴、横長穴、縦切り込み穴、横切り込み穴等いずれでもよく、その穴6の大きさは、カーテン1を吊り下げる横棒13(図3参照)が挿入できて、カーテン1が左右横方向に滑らかに容易に移動可能である大きさの穴6でよく、更に、穴6の周囲を糸等でかがって、切断面の布がほつれたり、切れたりしないように保護加工を施されていることが望ましい。
【0013】
図2は、本発明の図1のカーテンの第1の実施形態のカーテンの裏面の上端の縁近傍において、横棒を筒状部及び穴に挿入する組立斜視図を示す。カーテン1は、カーテン本体2の上端3の縁に沿って、補助布4(ここでは裏地付属部分)を配置して、カーテン本体2と補助布4に直角方向7Aにて二点鎖線により表示する上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示する下方固着部8とで、カーテン本体2と補助布4とで筒状部9を形成している。この筒状部9と穴6とに横棒13を順に挿入する。図2において、横棒13の中心軸の延長線にて、実線表示の部分では、横棒13が筒状部から外側に露出している部分15を示し、点線表示の部分にては、横棒13が筒状部9に挿通されている部分14を示す。横棒13は左方から、筒状部9に入り、穴6(左方)から外側に露出し次の穴6に再度挿入されて、順次これを繰り返す。尚、後述するが、カーテン1の筒状部9の長手方向の範囲内において、横棒13が外面に露出している部分15ではカーテン1は、横棒13に巻き付いていないために、カーテン1を横棒13に弛ませてカーテン1を吊り下げたときに、横棒13が外面に露出している部分15では、カーテン1は横棒13に拘束されていないために、プリーツ(ひだ)20が形成される(図3参照)。
【0014】
図3は、図1、図2に示す本発明の第1の実施形態のカーテンが吊り下げられた状態で、カーテンの表面からの斜視図を示す。ここでカーテン1は、カーテン本体2の上端3の縁に沿って、裏面に補助布4(ここでは裏地付属部分)を配置して、カーテン本体2と補助布4に直角方向7Aにて二点鎖線により表示する上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示する下方固着部8とで、カーテン本体2と補助布4とで筒状部9を形成している。この筒状部9と穴6とに横棒13を順に挿入している。図2に示す横棒13の露出部分15に当るところではカーテン1は横棒13に巻きついていず拘束されていないために、図3に示すように、カーテン1を弛ませて吊り下げると、プリーツ(ひだ)20を形成してカーテン1を配置することができる。このような構成であるから本発明のカーテン1は、従来のようなカーテンの上縁部分に形成する複数のプリーツ(ひだ)を形成するための加工が不要である。そのためにカーテン加工の手間が大幅に短縮される。
【0015】
その上、複雑で高価なカーテンレールも不要であり、コスト低減が図れる。更に取り付け状態についても、横棒13をカーテン1に挿通してから、図示せぬ支持部材16等にて横棒の両端を窓枠や壁面に取り付けたり、又は、図示せぬがボルトやナットそれに圧縮コイルばね等からなる突っ張り機構付の横棒を、窓枠に突っ張らせてカーテン上部を吊り下げるだけでよい。このように設置も簡単である。そして、フックを使わないために、カーテンを洗濯するときにはフックを取り外し、その洗濯終了後、再度フックを取り付けてから吊り下げるというような煩わしさがない。このことは第2の実施態様、第3の実施態様、第4の実施態様にも共通して言える。
【0016】
もちろん本発明のカーテン1は、従来のカーテンレールに吊るすことも可能である。例えば筒状部9の長手方向に一列に等間隔に偶数個設けている穴6に吊り下げフックを挿入して、カーテンレールに吊るせば、カーテンの上縁部分に複数の多くのプリーツ(ひだ)を形成して吊り下げられる訳である。
【0017】
図4は、本発明の第2の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図を示す。
【0018】
カーテン1は、カーテン本体2の上端3の縁に沿って、やや幅広の補助布4(ここでは飾り用のレール地)を山折に折り返して上端3の縁に被せて配置し、カーテン本体2と山折に折り返して被せて配置した補助布4とに直角方向7Aにて二点鎖線により表示する上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示する下方固着部8とで、カーテン本体2と補助布4とで筒状部9を形成している。そして、この筒状部9を形成する補助布4の面(筒状部9の一方の面9A)に穴6を、一列に等間隔に偶数個(ここでは8個)設けている。
【0019】
図4のカーテン1は、図1の第1の実施態様のカーテン1とはカーテン本体2の上端3の縁に沿って、やや幅広の補助布4(ここでは飾り用のレール地)を山折に折り返して上端3の縁に被せて配置した点で異なるが、その他の構成は同じである。すなわち、この筒状部9に横棒13を挿入し、横棒13の軸心の延長線では、実線表示の部分にては、横棒13が筒状部から外側に露出している部分15を示し、同様に点線表示の部分にては、横棒13が筒状部9に挿通されている部分14を示す。さらに同じく横棒13は左方から、筒状部9に入り、穴6(左方)から外側に露出し次の穴6に再度挿入されて、順次これを繰り返す。そしてカーテン1を吊り下げたときに、横棒13がカーテン1の外面に露出している部分15がカーテンのプリーツ(ひだ)20を形成する訳である(図3と同様である)。
【0020】
図5は、本発明の第3の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図を示す。カーテン1は、カーテン本体2の上端3の縁に沿って、表側(図5では向う側)に補助布4(ここでは飾り用レール地)を配置して、補助布4とカーテン本体2に直角方向7Aにて二点鎖線により表示される上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示される下方固着部8とで、カーテン本体2と補助布4とで筒状部9を形成している。そして、この筒状部9を形成するカーテン本体2側の面(筒状部9の一方の面9A)に穴6を、筒状9の長手方向に一列に等間隔に偶数個(ここでは8個)設けている。
【0021】
この筒状部9に横棒13を挿入し、横棒13は、実線表示の部分にては、横棒13が筒状部から外側に露出している部分15である。点線表示の部分にては、横棒13が筒状部9に挿通されている部分14を示す。横棒13は左方から、筒状部9に挿入され、穴6(左方)から外側に露出し次の穴6に再度挿入されて、順次これを繰り返す。カーテン1を吊り下げたときに、横棒13がカーテン1の外面に露出している部分15がカーテンのプリーツ(ひだ)20を形成する訳である。
【0022】
図5の本発明の第3の実施態様は、本発明の図1の第1の実施態様とは、この筒状部9を形成するカーテン本体2の面(筒状部9の一方の面9A)に穴6を、一列に等間隔に偶数個設けている点が図1の第1の実施態様に異なる。その他は、図1の第1の実施態様と同様であるから、カーテン本体2の範囲内において、カーテン1を吊り下げたときに、横棒13がカーテン1の外面に露出している部分15がカーテンのプリーツ(ひだ)20を形成することは図3の第1の実施態様と同様である。
【0023】
図6は、本発明の第4の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図を示す。上方にて、カーテン1は、カーテン本体2を裏面側(図6にては図の表面側)に山折に折り返して二重にして上端3の縁を形成し、カーテン本体2を山折に折り返して二重にした部分において、前記上端3に沿って、直角方向7Aにて二点鎖線により表示する上方固着部7と、同じく直角方向8Aにて一点鎖線により表示する下方固着部8とで、筒状部9を形成している。そして、この筒状部9を形成する裏面側に山折に折り返したカーテン本体2の面(筒状部9の一方の面9A)に穴6を、筒状部9の長手方向に一列に等間隔に偶数個(ここでは8個)設けている。
【0024】
図6の、本発明の第4の実施態様のカーテン1は、補助布4を使用せずに、カーテン本体2を裏面側(図6では図の表面側)に山折に折り返して二重にして上端3の縁に沿って筒状部9を形成した点で、図1の本発明の第1の実施形態と異なるが、その他は同様である。すなわち、この筒状部9に横棒13を挿入し、横棒13は、実線表示の部分にては、横棒13が筒状部から外側に露出している部分15であり、点線表示の部分にては、横棒13が筒状部9に挿通されている部分14を示す。横棒13は左方から、筒状部9に挿入され、穴6(左方)から外側に露出し次の穴6に再度挿入されて、順次これを繰り返す。カーテン1を吊り下げたときに、横棒がカーテン1の外面に露出している部分15がカーテンのプリーツ(ひだ)20を形成する訳である(図3と同様である)。
【0025】
本発明によれば、カーテン1の上端3の縁の筒上部9の長手方向において、横棒13がカーテン1の外面に露出している部分ではカーテン1は、横棒13に巻き付いていず、拘束されていないために、カーテン1を横棒13に弛ませてカーテン1を吊り下げたときに、カーテン1には自然な形のプリーツ(ひだ)が形成され、カーテン1を飾ったときに立体的にきれいなウエーブができ室内にいる人に対して美的感覚を満足させる(図3参照)
【0026】
また、カーテンの縫い付け時に、特別にプリーツ(ひだ)を設ける必要がなく、縫製作業が簡易化でき、コスト低減が図れ、また形態が平らなので洗濯時に扱い易い。そしてカーテン1を吊り下げた場合に、ほぼ自動的に、かつ簡単にプリーツができ、誰にでもカーテン1を指でつまんでプリーツ(ひだ)の幅や高さを容易に調節できる。本発明のカーテン1では、プリーツは室内側の表面にでき、裏面側はほぼ平らであるために、カーテン1の設置状態では、奥行きが不要のために窓枠の奥行きの幅が狭くてもカーテン1の設置が可能である。しかもプリーツの高さと幅の調節が容易に可能であり、突っ張り棒の使用でカーテン1を容易に設置できるので、窓の幅の大小に柔軟に対応可能である。
【0027】
複雑な構造のカーテンレールや吊り下げ用フックが不要となりコスト削減となり、カーテン1の洗濯時のフックの着脱等の煩わしさから開放される。
【0028】
横棒13を通す穴6をカーテンの裏面に設けたので、通し穴6が室内側の表面から見えないのと同時に、カーテン1を広げたときに横棒13も表面側から見えないので美的感覚を満足させることができる。
【0029】
カーテン1と横棒13との接触面積が大きいので、カーテン1が振動や弱い風等ではずれずに立体的にきれいなプリーツやウエーブが持続できる。さらに、複雑なプリーツ(ひだ)の縫製加工等が不要であるために、カーテン生地としてレース、織物、いろいろな繊維素材に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図。
【図2】本発明の第1の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図。
【図3】本発明の第1の実施形態のカーテン1の表面からの斜視図。
【図4】本発明の第2の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図。
【図5】本発明の第3の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図。
【図6】本発明の第4の実施形態のカーテンの裏面からの組立斜視図。
【符号の説明】
【0031】
1…カーテン
2…カーテン本体
3…上端
4…補助布
6…穴
7…上方固着部
8…下方固着部
9…筒状部
13…横棒
14…横棒13が筒状部9に挿通されている部分
15…横棒13が筒状部9から外面に露出している部分
20…プリーツ(ひだ)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン本体の上端縁近傍に沿って、その上下を固着して筒上部を形成し、この筒状部の片方の面に長手方向一列に等間隔に偶数個の所定の大きさの穴を設けてなることを特徴とするカーテン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン本体の上端縁近傍に沿って、当該カーテン本体の裏地付属部分である補助布の上下を固着して筒部を形成し、この筒状部の片方の面に当該筒状部に嵌挿される横棒の直径よりも大きな直径を有する穴を長手方向一列に等間隔に偶数個設けてなることを特徴とするカーテン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−136357(P2006−136357A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325976(P2004−325976)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(503278289)株式会社ネクスト (1)
【Fターム(参考)】