カートリッジ式抽出装置
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)に関する。この装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態と、材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を支援するための力生成手段(46)とを備える。力生成手段は、力生成手段により支援される時にカートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制するためのダンピング手段(47、48)と連携することができる。装置は、ハンドルを作動させているユーザに対応するフィードバックを提供するためのストローク終了フィードバック手段(50)と連携するユーザ可動ハンドル(41)を有することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカートリッジ式抽出装置、特に、飲料調製機のためのカートリッジ式抽出装置に関する。カートリッジ式抽出装置は、カートリッジを導入及び除去するために抽出装置を開閉する人間工学的な手動取扱装置を有することができる。
【0002】
本明細書の記載上の目的で、「飲料」には、お茶、コーヒー、ホットチョコレート又はアイスチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液体の食品が含まれるものとする。カートリッジとは、予め小分けされた材料を収容する任意の容器を指し、剛性なカプセル、又は、柔らかい若しくは柔軟性のあるポッドなどで、再利用可能又は再利用不可能な、生分解可能又は生分解不可能な、アルミニウム又はプラスチックなどの任意の材料から作成されたもの、特にアルミニウムポッド又はアルミニウムカプセルなどを指す。
【背景技術】
【0003】
材料カートリッジの取扱について直面する問題の1つに、抽出装置内でのカートリッジの位置決め、及び抽出処理を実行するためのカートリッジ周辺の抽出装置の閉鎖の問題がある。カートリッジは、通常、カートリッジサポート上、又は筺体内にユーザにより位置決めされる必要があり、装置は手動で又は自動的にカートリッジの周辺で閉鎖される。
【0004】
カートリッジを正確に位置決めして装置をカートリッジ周辺で適切に閉鎖させること、及び、良好に封止して良好な抽出条件を形成することは重要である。位置決めが悪いと、カートリッジを損ない、抽出の条件に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
カートリッジ周辺で装置を封止して、加圧液体を不要な液漏れなくカートリッジを通過させることにより適切な抽出を可能にするためには、カートリッジ周辺での装置の閉鎖を、高レベルの精度で実行させなければならない。そのような装置の機械的閉鎖装置の閉鎖の距離は、通常、装置の製造工程において手動で調整され必要レベルの精度が達成される。
【0006】
装置にカプセルを正確に位置決めする際に困難や間違いがないよう、カプセルの装着も簡単でなければならない。また、装着はできる限り素早くでき、且つ過剰な操作を要さないものでなければならない。
【0007】
国際公開第2005/004683号は、カプセル式浸出装置に関し、該装置は、第1の部分、第1の部分に対して移動可能な第2の部分、カプセル用のハウジングであって、固定部分に対する可動部分の閉鎖位置において該ハウジングの軸に沿ってカプセルの抽出位置を画定するハウジング、カプセルを案内して、カプセルが重力により挿入され且つ該カプセルが中間位置に位置決めされるように配置させる手段を備える挿入/位置決め部、飲料注ぎ込みシステムを備え、第2の可動部分は、装置が閉鎖する時に、カプセルを中間位置から抽出位置まで移動させるよう配置及び構成される。
【0008】
欧州特許第1 721 553号明細書は、カプセルを使用するコーヒーメーカ用の浸出ユニットを開示している。ユニットは、飲料出口を有する前側部、及び温水入口を有する後側部を含む。前側部及び後側部は一対の対向する肩案内部材の間に装着される。前側部は、これらの案内部材の間で移動可能であり、抽出されるカプセルを収容するための浸出チャンバを後側部と共に形成するように、後側部に対して押圧され、それにより、コーヒーメーカ内で案内部材の間の前側部材の前に空き容積が残される。
【0009】
欧州特許第1 659 547号明細書は、浸出液、特にエスプレッソコーヒーの生成のための飲料機器に関する。機器は、伸縮ばね及びアセンブリの外側ハウジングを通って伸びる飲料出口導管を有する可動前側部を含む浸出ユニット内に、浸出液チャンバを備える。可動前側部は後側部と協働し、後側部は、ハウジング内で移動可能であり、且つ、可動前側部に対して押されて伸縮ばねを圧縮しそれにより出口導管をアセンブリの外側ハウジングを通ってスライドさせることができる。ポッドは、外部ハウジングを通り、剛性なポッド供給チャネルを介して浸出液チャンバへ送られ、次に、ポッドは、後側部を移動させるためのカム状の経路が設けられた浸出ユニットの可動後側部の上にある外部ブッシングにより、浸出液チャンバ内に移送される。この配置はいくつかの問題点を伴う。ポッドは、浸出チャンバが閉鎖している間に移動させなければならず、これがブロッキングの原因となり得、ポッドの保持手段をより複雑にすることにもなる。さらに、浸出チャンバの開閉は、ハウジング内での可動後側部の直線移動、ハウジング内での可動前側部の直線移動、及びハウジングを通る出口導管の直線移動を同時に伴い、そのため、互いに対して直線的に移動する種々の部分の過剰な案内、詰まり、又は不適切な位置合わせの危険が高まる。流体システムは、流体システムの組み付けをより複雑にする移動アセンブリを備える。抽出後、ポッドを除去するために浸出ユニットが再開放されると、浸出液チャンバ内に収容される加圧水がハウジングの外側に噴出する場合がある。さらに、出口導管がその引込み位置にあるときに、飲料機器内には前側部材とケーシングとの間に空き容積が残される。
【0010】
米国特許第3,260,190号明細書及び国際公開第2005/072574号は、コーヒー缶を内部に位置決めするための着脱可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、コーヒーメーカ内へと水平にスライドさせることができるとともに、水注入装置に向けて引上げることができる。国際公開第2006/023309号は、コーヒーカートリッジを機器内へ導入するためのスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるとともに、引出し器が閉鎖位置にあるときに浸出チャンバを形成するべく互いの方へ枢動し、引出し器が機器からスライドして出るときに離間して枢動する2つのカートリッジハーフシェルを有する。米国特許第6,966,251号明細書は、カプセルを内部に位置決めするための水平にスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、機器内へスライドされると、カプセルの浸出チャンバを形成するために、固定されたカプセルケージへ向けて上方へ移動することができる。欧州特許第1 566 126号明細書は、コーヒーポッドを収容するための垂直浸出ユニットを有するコーヒーメーカを開示している。浸出ユニットは、固定上側部分、及び、浸出ユニットを閉じるために引上げることができ、且つポッドを挿入又は除去するために下降させることができる、ポッドを保持するための可動下側部分を有する。
【0011】
さらなる浸出ユニットは、欧州特許第0 730 425号明細書、欧州特許第0 862 882号明細書、欧州特許第1 219 217号明細書、欧州特許第1 480 540号明細書、欧州特許第1 635 680号明細書、欧州特許第1 669 011号明細書、欧州特許第1 774 878号明細書、欧州特許第1 776 026号明細書、欧州特許第1 893 064号明細書、仏国特許第2 424 010号明細書、米国特許第3,260,190号明細書、米国特許第4,760,774号明細書、米国特許第5,531,152号明細書、米国特許第7,131,369号明細書、米国特許第2005/0106288号明細書、米国特許第2006/0102008号明細書、国際公開第2005/002405号、国際公開第2005/016093号、国際公開第2006/005756号、国際公開第2006/066626号、及び国際公開第2007/135136号に開示されている。
【0012】
国際公開第2005/004683号、国際公開第2007/135135号、及び国際公開第2007/135136号に開示されている浸出ユニットなどの改良された浸出ユニットは、第1の部分、第1の部分に対して移動可能な第2の部分、カプセル用のハウジングであって、固定部分に対する可動部分の閉鎖位置において該ハウジングの軸に沿ってカプセルの抽出位置を画定するハウジング、カプセルを案内して、カプセルが重力により挿入され且つ該カプセルが中間位置に位置決めされるように配置させる手段を備える挿入/位置決め部、飲料注ぎ込みシステムを備え、第2の可動部分は、装置が閉鎖する時に、カプセルを中間位置から抽出位置まで移動させるよう配置及び構成される。可動部分は浸出ユニットを開閉するハンドルにより駆動される。
【0013】
国際公開第2007/135135号では、閉鎖移動中にハンドルに要する手動の力が、閉鎖距離の中間点に至るまで漸次増加し、中間点から閉鎖移動の終了点に向かって漸次減少し、中間点が閉鎖移動に沿った中間の「ハードポイント」を形成する。さらに、浸出ユニットの再開放を支援するために、閉鎖移動中は圧迫され、開放移動中は弛緩するばねを設けても良く、例えば、国際公開第2007/135136号において例示されている。
【0014】
欧州特許第1 980 183号明細書は、材料カプセルのための浸出液ユニットを開示している。ユニットは、カプセルを保持し、浸出後にカプセルを排出するために枢動可能な浸出液チャンバを画定する第1の部分を有する。さらに、ユニットは、チャンバの開閉のためにそれぞれ、第1の部分に対して及び第1の部分から平行移動で移動可能な第2の部分を有する。第2の部分は、転がり軸受を介して第1の部分に対して第2の部分を押圧するスラストカムを支持するレバーにより駆動される。第2の部分が第1の部分から離れるように移動する際に、すなわち、浸出液ユニットを再開放する際に、圧縮ばねを有する自動復帰機構が、スラストカムに対して軸受を介して第2の部分を押圧する。これらのばねは、第2の部分を第1の部分に対して駆動する際に圧迫され、第2の部分を第1の部分から移動させる時に伸長する。一実施形態において、軸受及び移動可能な第2の部分は、転がり軸受に対するスラストカムの摩耗の結果起こる何らかの遊びを自動的に吸収する摩耗補償圧縮ばねにより接続されて、第2の部分の第1の部分に対する閉鎖距離を自動的に調整するものが多い。開示される全てのばね、すなわち、自動復帰ばね及び摩耗補償ばねは、同一の方向、同一の開閉シーケンスで圧縮及び伸長して動作し、機械的に元の状態に戻り、又はそれぞれに弾性エネルギーを蓄積する。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を支援するための力生成手段を備える。
【0016】
典型的には、本装置は、カプセル及び/又はポッドなどの材料カートリッジを受け入れる飲料調製機に備えられる。例えば、機器は、コーヒー、お茶、チョコレート又はスープの調製機である。特に、機器は、挽いたコーヒー又はお茶又はチョコレート又はココア又はミルク粉末など、調製する飲料の材料を収容するカートリッジ内に温水又は別の液体を通過させることにより、カートリッジシート内で飲料を調製するよう配置される。
【0017】
例えば、調製機は、使用のためにカートリッジを受け入れ、且つ使用後にカートリッジを排出するよう配置される、抽出装置などの飲料調製ユニット、調製ユニットから排出されるカートリッジの排出先の領域につながる開放を有するハウジング、及び貯蔵スペースを形成する空洞を有する受入容器であって、そのような領域に排出されるカートリッジを受入容器が満たされるまで収集する受入容器を備える。受入容器は、使用済みカートリッジを収集するための領域に挿入可能であり、収集されたカートリッジを出して空にするためにこの領域から着脱可能である。そのような機器の例は、国際公開第2009/074550号及びPCT/欧州特許09/053368号明細書に開示されている。
【0018】
本発明によると、力生成手段は、力生成手段により支援される時カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制するためのダンピング手段と連携する。ダンピング手段は、慣性ダンパ、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、及び磁気ダンパのうちの少なくとも1つを備えることができる。例えば、ダンピング手段は、慣性ダンパ及び/又は摩擦ダンパ、特に、平歯車ベースのダンパを備える。
【0019】
典型的には、ダンピング手段を配置して力生成手段により支援される時にカートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制することにより、抑制中、その移動は略一定の速度を有し、且つ/又は、一定の速度に到達するように略一定の追加の力を必要とする。「略一定の」とは典型的には、平均速度を中心に5又は10%の範囲内、又は、移動の距離の90又は95%を超える必要な力であることを意味する。
【0020】
従って、力生成手段の影響による何らかの乱暴な/制御不良の開放を回避することができる。特に、装置の機械的部品への何らかの乱暴な/制御不良の打撃又は衝撃が阻止され、機械的部品が早期に故障することを回避でき、さらなる快適さをユーザに提供する。力生成手段により支援される又は引き起こされる移動は、ダンピング手段により制御される。
【0021】
力生成手段を配置して、カートリッジシートの閉鎖中にエネルギーを蓄積し、カートリッジシートの開放中にその開放を支援するためにエネルギーを解放し、又はその逆を行うことができる。
【0022】
典型的には、装置は、ユーザにより移動可能であり、カートリッジシートを開放状態から閉鎖状態まで、及び/又はその逆に駆動するためのハンドルを有する。ハンドルを使用して、カートリッジシートの開閉のどちらか一方、すなわち、単動式ハンドルのように一方向にのみを行うこと、又は、カートリッジシートの開閉どちらも、すなわち、複動式ハンドルのように両方向に行うことができる。ハンドルが一方向のみに動作する場合、力生成手段及びダンピング手段は典型的には、カートリッジシートの復帰移動を行うように構成される。ハンドルが両方向に動作する場合は、力生成手段及びダンピング手段は、ユーザにより駆動される時のハンドルの復帰移動を支援するよう、又は、ユーザによる何の支援も必要とせずにハンドルを復帰させるようにも、構成することができる。複動式ハンドルは、枢動可能なユーザがつかめるレバーの形式で提供することができる。単動式ハンドルは、ユーザがつかめる回転式ボタンの形式で提供することができる。
【0023】
一実施形態において、力生成手段はばね要素を備える。ばね要素は、螺旋ばね、ぜんまいばね、及びばねブレードから選択することができる。ばね要素は、カートリッジシートの開放移動又は閉鎖移動により圧迫され、且つ、カートリッジシートの反対の移動により弛緩するようにできる。例えば、ばね要素は、カートリッジシートの閉鎖中に圧迫され、且つ、カートリッジシートの開放中に弛緩して開放を支援し、又はその逆も可能である。装置におけるばね要素及びばね要素の構成に応じて、ばね要素は、ねじれ、圧縮及び伸長、並びに屈曲により圧迫及び弛緩することができる。
【0024】
別の実施形態において、力生成手段は、カウンタウェイト装置などの質量系を備える。例えば、質量の慣性中心をカートリッジシートの閉鎖中に上昇させ、カートリッジシートの開放中に重力の効果により下降させて開放を支援する、又はその逆を行う。特に、ハンドルは、軸の周り及びハンドルと共に回転するために偏心して搭載された質量の周りを回転可能とすることができる。
【0025】
典型的には、カートリッジシートは、第1のカートリッジサポート、及び第1のサポートに対向する第2のカートリッジサポートを備え、カートリッジサポートは、カートリッジシートの開放中は離間するように駆動され、カートリッジシートの閉鎖中は閉合される。そのようなカートリッジシートの例は、上述の国際公開第2005/004683号、国際公開第2007/135135号、及び国際公開第2007/135136号で提供されている。
【0026】
少なくとも1つのカートリッジサポートは、水圧により変位可能とすることができる。
【0027】
少なくとも1つのカートリッジサポートは、ハンドルの移動により機械的駆動装置を介して変位可能とすることができる。例えば、機械的駆動装置は、力伝達レバー、特にナックル装置、及び/又は、力伝達歯車装置、特に平歯車装置を備える。
【0028】
本発明は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置、特に上述した装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートを開放状態から閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドルを備える。装置は、上記に開示された特徴のうちの任意の特徴又は組み合わせを含むことができる。
【0029】
本発明によると、ユーザ可動ハンドルは、ハンドルを作動させているユーザに、対応するフィードバックを提供するためのストローク終了フィードバック手段と連携する。
【0030】
本装置は、抽出装置の上述の特徴のうちの任意の特徴、又はそのような特徴の任意の組み合わせと統合することができる。
【0031】
典型的には、フィードバック手段は力感知フィードバック装置を有する。ストローク終了フィードバック手段は、ハンドルのストローク終了時にハンドルをおおむね突然解除して機械的「ハードポイント」を生成するための装置を含むことができ、ストローク終了フィードバック手段は、特に、弾性クリップ又は弾性スナップの装置を備える。典型的には、機械的「ハードポイント」の構成を配置して、ユーザが特定のポイントを通過するために要する力を増加させ、そのポイントを通過することは、ユーザの安堵感と関連する。
【0032】
他の力フィードバックシステムを実装して、ユーザがハンドルの移動距離の終わりに到達しつつあることをユーザに通知し、動作が適切に実行されたとしてユーザを安心させることができる。
【0033】
上記で検討したように、装置は、カートリッジシートの閉鎖又は開放を支援するための力生成手段を含むことができる。ユーザ可動ハンドルは、力生成手段により支援される時にユーザハンドルの動きを抑制するためのダンピング手段と連携することができる。
【0034】
一実施形態において、カートリッジシートの開放を支援するために力生成手段が配置され、カートリッジシートの閉鎖時にストローク終了フィードバック手段が配置される、又はその逆に配置される。
【0035】
本発明のさらなる態様は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置、特に上述した装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートを開放状態から閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドルを備える。ユーザ可動ハンドルは、ユーザハンドルの動きを抑制するためのダンピング手段と連携する。本装置は、種々の抽出装置の上述の特徴のうちの任意の特徴、又はそのような特徴の任意の組み合わせと統合することができる。
【0036】
本発明の別の態様は、飲料調製機、特に、お茶、コーヒー、又はチョコレートを調製するための機器に関する。機器は、上述の装置を備える。
【0037】
本発明のさらなる態様は、材料カートリッジ及び上述の飲料機器を備えるシステムに関する。カートリッジが飲料機器の装置のカートリッジシート内に保持される。
【0038】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明において明らかにされる。
【0039】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1a】比較用の従来技術の抽出装置の断面図である。
【図1b】比較用の従来技術の抽出装置の断面図である。
【図2a】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図2b】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図2c】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図3a】閉鎖状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図3b】開放状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図4】図2a〜図3bの飲料抽出装置の閉鎖状態における断面及び部分的概略図である。
【図5a】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【図5b】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【図5c】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1a及び図1bは、抽出装置1aの比較用の従来技術の実施形態を例示する。本実施形態の構造的及び動作の詳細については、国際公開第2007/135136号に詳細に説明されており、本明細書に参照により組み込まれる。特に、本明細書の添付の図1a及び図1bは、それぞれ国際公開第2007/135136号の図7及び5に対応する。
【0042】
図1a及び図1bの抽出装置1aは、手動開閉装置を有し、手動開閉装置はハンドル41a、及び開放状態への本手動開閉装置の復帰を支援するためのシステム43c、43c′、46a、46a′を含む。図1aにおいて、抽出装置1aは、閉水平位置に近づくハンドル41aを用いて閉鎖しようとしている。図1bにおいて、抽出装置1aは、ハンドル41aが一般に直立して、完全に開放している。
【0043】
抽出装置1aは、2つの対向するカートリッジサポート20a、30aで形成されるカートリッジシートを有する。カートリッジサポート30aは、ハンドル41aを固定枢動軸42aの周りで枢動させることにより、対向するサポート20aに向かって及び対向するサポート20aから、一般に平行移動で移動させることができる。ハンドル41aの枢動移動は、ナックル継ぎ手装置43a、43b、44a、及び枢動可能部材42a′を介して相互接続される枢動低減(de−multiplication)装置43abを有する可動レバーシステムを介して、可動カートリッジサポート30aに伝達される。ナックル装置は、軸45aにおいてカートリッジサポート30に枢動可能に組み付けられたレバー43aを有する。枢動低減装置は、軸42bにおいてハンドル41aに枢動可能に組み付けられる。従って、ハンドル41aが弓形矢印A1、A2で示すように、特に、閉鎖位置から直立位置に枢動すると、レバー43b′が、僅かに回転するとともに、ナックル継ぎ手装置43a、43b、44aの枢軸44a上を平行移動し、一方、枢軸44aが軸42a′の周りのレバー43bの回転移動で下降する。
【0044】
抽出装置1aの開放を支援するために、可動レバーシステム43a、43b、43ab、44aは螺旋けん引ばね46aと連携する。ばね46aは一対のフック端部46a′を有し、その一方が図1aに示され、対応する開放部、すなわちレバー43b、43b′それぞれの対向する拡張部43c、43c′における貫通穴に装着される。ばね46aは、拡張部43c、43c′に装着されると、開放及び閉鎖の状態における拡張部43cと43c′との間の距離の変化に応じて、抽出装置の閉鎖状態(図1a)においては伸長された状態になり、装置の開放状態(図1b)においては弱伸長状態又は弛緩状態になる。従って、ばね46aは、抽出装置1aの開放を支援して開放移動を容易にし、装置1aの閉鎖中には圧迫されることになる。
【0045】
ここで、図2aから図4に例示される特定の実施形態を参照して本発明を説明する。
【0046】
図2aから図4は本発明による抽出装置1を示す。この装置1は、例えば挽いたコーヒーなどの飲料材料を収容する封止された気密性のあるアルミニウム製の袋状のものから成る、例えばNESPRESSO(商標)により商品化されているような、柔らかいポッドの形状の材料カートリッジ2を介して、水などの加熱された液体を循環させることにより飲料を調製するための機器の一部である。
【0047】
抽出装置1は、第1のカートリッジサポート20及び第1のカートリッジサポート20に対向する第2のカートリッジサポート30を備えるカートリッジシート10を有する。カートリッジサポート20、30は、開放して離間した状態でカートリッジ2を受け入れ、且つ閉鎖して圧接した抽出状態においてカートリッジ2を包容するように構成される。図2a、図2b、図2c、及び図3bは、カートリッジサポート20、30が開放して離間した状態にあるカートリッジシート10を例示する。図3a及び図4は、カートリッジサポート20、30が閉鎖して圧接した抽出状態にあり、カートリッジ2がシート10内に包容されたカートリッジシート10を示す。
【0048】
図2aは、カートリッジ2が重力により上からカートリッジシート10内に挿入されることを例示する。より詳細には、下にあるシート10へと導くカートリッジ入口チャネル11の上部に、カートリッジ2を示す。
【0049】
図2bにおいて、抽出の前の開放した位置にあるカートリッジシート10内に保持されるカートリッジ2を示す。カートリッジシート10は、サポート部材20、30が離間開放した位置にある間、カートリッジ2をシート10内に保持するためのカートリッジ保持部材12と連携する。より詳細には、保持部材12はシート10の周囲に配置されて、カートリッジ2の縁3が、このカートリッジ装着途中位置において部材12の上に載りもたれかかる。サポート部材20、30が圧接されると、カートリッジ2が縁3と共に、サポート部材30により周囲の部材12を介して対向する部材20に対してカートリッジ抽出位置まで押され、カートリッジ2はサポート部材20と30との間に包容される(図4に示す通り)。
【0050】
図2cにおいて、サポート部材20、30が離間した状態にある、抽出後の再開放位置にあるカートリッジシート10を示す。装置1は、下部の排出路13を介してシート10から使用済みのカートリッジ2を重力により排出するよう配置される。カートリッジ2を、シート10の下に設置されるカートリッジコレクタ、例えばカートリッジ受入容器(図示せず)に集めても良い。
【0051】
カートリッジ2の挿入、途中位置決め、包容、及び排出に関して、保持部材を有する抽出装置の一般的原理が、欧州特許第1 859 714号明細書において、特にポッドなどの柔らかい又は柔軟性のあるカートリッジについて、より詳細に開示され、同様に、欧州特許第1 646 305号明細書において、特にカプセルなどの剛性のカートリッジついて、より詳細に開示されている。これらの公報は、本明細書において参照により組み込まれる。
【0052】
図3a及び図4において、カートリッジ2をシート10内に包容して圧接されたサポート部材20、30を示す。
【0053】
図4においてより詳細に示すように、水圧式カートリッジサポート20は、ピストンチャンバ25内で移動可能なチューブ状ピストン21を有する。ピストンチャンバ25は、カプセルサポート部材20の前の部分を保持する外形が概してカップ型の前側部26、及びピストン21が内部に沿って移動可能な概してチューブ状の後側部27によって画定される。
【0054】
さらに、抽出装置1は、液体注入装置と連携し、液体注入装置には以下が含まれる。すなわち、冷水などの液体源が特に貯蔵器60aに貯蔵され、ポンプ60が液体を、貯蔵器60aからパイプ61及びチャンバ入口28を介してピストンチャンバ25まで圧力下で送り込み、そのまま圧力下でチャンバ出口29を介し、チューブ71を介してインラインヒータ70に送り、ヒータ70からチェックバルブ80、チューブ81を介して、カートリッジシート10の加熱された液体の入口を形成するピストンチューブ21に送り込む。
【0055】
カートリッジシート10において、加圧且つ加熱された液体が流れてカートリッジ2を通り、カートリッジ2内に収容される材料を抽出することにより飲料を生成する。飲料は収集されカートリッジサポート30と連携する出口35を介して分配される。
【0056】
明確にする目的で、抽出装置1を通る液体の流路を、図4において太矢印で概略的に示す。
【0057】
従って、この液体注入装置は、ピストンチャンバ25に接続されて、未加熱の加圧液体をチャンバ25内に注入し、カートリッジサポート20を対向するカートリッジサポート30に対してピストン21で閉鎖位置まで水圧で駆動する。カートリッジサポート20、21と、前側部26及び後側部27との間の、O−リングシールなどのシール22、23は、チャンバ25からの漏れを防止する。本発明によると、ピストンチャンバ25を通る循環後、液体はさらに、ピストンチャンバ25からヒータ70を通りカートリッジチャンバ10に連続的に圧力下で循環する。
【0058】
さらに、カートリッジサポート30は、機械的駆動装置によって、対向するカートリッジサポート20に向かって、且つ対向するカートリッジサポート20から離れるように移動可能である。
【0059】
図3a及び図3bにさらに詳細に示すように、機械的駆動装置は、ハンドル41の軸42を介して固定フレーム40に枢動可能に装着される手動駆動可能な略L字型のハンドル41を備える。一対のクランク43は、ロッドを介して接続される一方の端部44でハンドル41に軸42から距離を置いて回転可能に装着され、他方の端部45でカートリッジサポート30に回転可能に装着され、その結果、略L字型のハンドル41が開放位置(図3b)から閉鎖位置(図3a)に押されると、クランク43が軸42の周りを枢動するハンドル41によって駆動され、カートリッジサポート30をカートリッジサポート20に向かって引き寄せる。手動で作動させるもの及び/又はモータ付きのものなど種々の機械的駆動装置を使用して、本発明のこの補助的な態様を実装することができ、例えば、欧州特許第1 646 305号明細書、欧州特許第1 859 713号明細書、欧州特許第1 767 129号明細書、及び国際公開第2009/043630号に開示されており、これらは本明細書において参照により組み込まれる。特に、機械的駆動装置は、図1a及び図1bに例示される一般的な原理に従って動作するナックル継ぎ手装置及び枢動低減装置を形成する一連の接続要素を有することができる。
【0060】
フレーム40はまた、チューブ61、入口接続28、並びに、ピストンチャンバ25を画定する前側部26及び後側部27を遮蔽するためのハウジングパネル40′を支持する。前側部26及び後側部27はまた、フレーム40に固定される。従って、チューブ61、71は、固定された構成要素26、60、70、80の間に装着することができ、また、抽出装置の自動的な製造工程において簡単に扱うことができる剛性の材料で作成してもよい。
【0061】
さらに、ハンドル41の再開放を容易にするために、図3bに示すようにばね要素46が設けられる。ばね46は、閉鎖移動時に圧迫され、開放移動時に自動的にハンドル41を後方に駆動するか、又は少なくともそのような開放移動を支援する。特に、螺旋ばね46は、一端46′がフレーム40に固定され、他端が軸42に固定されるか、又は軸42の近辺でハンドル41に支えられる。螺旋ばね46は、軸42の周りに装着される。もちろん、異なるばね装置を設けてこの効果又は同様の効果を生み出すことができる。ばね装置は、例えば、カートリッジサポート30をハンドル41にリンクさせる要素連結鎖などの異なる要素に接続することができる。ばねを装着して、図1a及び図1bに例示するように、圧縮状態又はねじれた状態でけん引の動作をさせることができる。さらに、ばねはブレード状のものとすることもでき、装着されてフレーム40とハンドル41との間で屈曲した状態で動作する。
【0062】
反対方向にばねを装着し、すなわち、抽出装置の閉鎖移動を支援することももちろん可能である。
【0063】
さらに、本発明によると、ハンドル41を作動させる際のユーザの快適さを向上させ、且つばね46により駆動される際のハンドル41のストローク終了時の衝撃を回避する目的で、ハンドル41を介した開閉移動時に機械的駆動装置の人間工学的な感触のある制御を提供するために、移動ダンパが設けられる。この特定の実施形態において、ダンパは、軸42の回転に追随する平歯車の形式で提供される。従って、ハンドル41に固定される軸42に第1の歯車47が組み付けられる。第1の歯車42と協働する第2の歯車48は、フレーム40に回転可能に装着されて、軸42の回転を抑制する。平歯車の移動に関連する慣性と摩擦が、開放移動を制御しダンパとして動作する。もちろん、別のダンピングシステムも、そのような抽出装置の開放及び/又は閉鎖の制御に適切であり、特に、ダンパは、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、磁気ダンパなどから選択される。
【0064】
抽出装置1にはまた、抽出後の再開放時にカートリッジ2を取り出してカートリッジ2の排出を支援するためのカートリッジ取出装置90が設けられる。取出装置ロッド90は、チューブ状ピストン21内で移動可能であり、カム49及びカムフォロア91を介して、カム49が接続されるハンドル41の移動により作動する。図4に示す取出装置90は引込み位置にあり、一方、図2bに示す取出装置90はカートリッジサポート20からカートリッジ2を取り出すための配備位置にある。
【0065】
また、図4に示すように、カートリッジサポート20は、カートリッジ2に穴を開けるための中空針96を介して加熱された液体をカートリッジ2内に注入するためのスプリンクラ95に嵌合される。使用中、加熱された液体がチューブ81からチューブ状ピストン21の周辺に圧力下で供給されて、取出装置91周辺をスプリンクラ95に沿って循環し、針96を介してカートリッジ2に供給される。O−リングシールなどのシール92、93が設けられ、注入された液体が取出装置90に沿って漏れることを防ぐ。対向するカートリッジサポート30は、例えば、ピラミッド型のプレートなど引裂き要素を有するプレートの形状の開放装置97を支持する。従って、カートリッジ2に針96を介して注入された加熱された流体が、カートリッジ内に収容される材料を抽出し、カートリッジ2を開放装置97に残して分配出口35に向かって循環する。そして、カップ又はマグを使用して、カートリッジサポート30に接続される出口35で分配される飲料を収集することができる。抽出後、取出装置90は特にカートリッジ2を針96から取り外す際に役立つ。
【0066】
カートリッジ2を開放シート10(図2b)に導入後、ユーザはハンドル41を下向きに動かし、それにより抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30が、抽出装置1の両側部に配置されるクランク43及びレバー機構により平行移動で駆動される。それにより、カートリッジ2は、カートリッジ2の周囲の縁3を曲げることにより保持部材12に対して押しつけられる。ハンドル41を介した機械的閉鎖移動が終了すると、カートリッジ2はピラミッド型プレート97とスプリンクラ95との間に取り込まれ、針96により穴が開けられる。この段階で、カートリッジ2周辺のカートリッジシート10の封止がほぼ達成される。このほぼ閉鎖した状態において、カートリッジサポート20、30の離間間隔は、典型的には2.5mm未満、通常は1.5mm未満、例えば0.5mm未満である。
【0067】
変形例として、カートリッジの穴開けを、機械的閉鎖による代わりにカートリッジシートの水圧式閉鎖の効果により発生させるように、閉鎖距離を設定することも可能である。これにより、ユーザがカートリッジに穴を開けるために閉鎖時に大きな力を入れる必要が無いという利点が与えられる。この閉鎖時の力はポンプによって与えられる。
【0068】
ポンプ60が起動されて飲料の調製が始まると、冷水などの未加熱の液体が、ピストンチャンバ25に送られる。次に、液体はピストンチャンバ25から出て、加熱要素70を通り、その後、バルブ80まで流れる。バルブ80の前で流体内の圧力が増加し始めると、ピストン21を有するカートリッジサポート20が、ピストンチャンバ25内の液体の増大する圧力下で、対向するカートリッジサポート30に対して平行移動且つ押圧されて、カートリッジシート10内のカートリッジ2を適切に封止する。図4に例示するように、バルブ80は、カプセルサポート20と30との間の何らかの漏れを回避するのに十分なレベルの圧力で開く。
【0069】
バルブ80が開いて流体が流されると、加圧且つ加熱された液体がスプリンクラ95へ流れると共に針96を介してカートリッジ2内へ流れ、それにより、カートリッジ2内において、カートリッジがピラミッド型97上で引裂かれて開くまで圧力が増加し、抽出中に液体がカートリッジ2から流れ出る。
【0070】
本明細書において、「加熱された液体」は、抽出装置のヒータにより直接加熱された液体を意味する。「未加熱の液体」は、特に、ピストンチャンバを出ず、ヒータを通過していない液体を意味する。従って、「未加熱の液体」は、タンクのような液体源から、ピストンチャンバの上流、ピストンチャンバの内部、ヒータの上流の液体を含むものである。
【0071】
浸出処理の最後で、バルブ80の作動を停止させて、ピストンチャンバ25内の圧力を解除することができる。従って、カートリッジサポート20、30は、封止を解除され、分離可能になる。典型的には、バルブ80は、ソレノイドバルブで良く、ポンプ60の作動停止と共に作動を停止させる。
【0072】
使用後にカプセル2を排出するために、ユーザがハンドル41を開放すると、ハンドル41はばね46の効果により、ダンパ47、48の効果で制御されたスピードで、自動的に開く。
【0073】
それにより、抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30は駆動されて、抽出装置1の後側部、すなわち、カートリッジサポート20から離れる。これにより、カートリッジシート10がさらに開放することになり、一方で、取出装置90がカム49及びカムフォロア91の効果により配備されて、カートリッジ2をカートリッジサポート20から離間させるように押し、重力の効果により、カートリッジシート10から、例えば下に設置される使用済みカプセルコレクタ(図示せず)に落下させる(図2c)。
【0074】
図5aから図5cは、抽出装置1のさらなる人間工学的な態様を例示する。装置1は、ハンドル41が水平位置に到達間近になると、ロックした感触をユーザに与えて、移動の終了の人間工学的なフィードバックをユーザに与えるように配置される。図5aは、直立して開放位置にあるハンドル41を例示する。図5bは、閉鎖移動中の中間位置にあるハンドル41を示す。図5cは、閉鎖位置にあるハンドル41を例示する。
【0075】
本発明によると、ハンドル41は、ストローク終了フィードバック手段50と連携する。フィードバック手段50を配置して、ハンドル41を作動させているユーザにフィードバックを与えて、ハンドルの開放位置から閉鎖位置への移動が終了に達したことを示し、ユーザに閉鎖移動が適切に実行されたことを知らせる。
【0076】
図5aから図5cに例示する実施形態において、移動終了フィードバック手段50には、ハンドル41を介して力のフィードバックをユーザに与えるための装置、特に、ハンドルのストローク終了時にハンドルを突然解除して機械的「ハードポイント」を生成するための装置が含まれる。そのような力のフィードバックを生成するために、手段50には、弾性クリップ又は弾性スナップの装置が含まれる。特に、手段50は、フレーム40に対して又は反対に固定された固定端51、すなわち、略L字型のベース51、及び弾性的に変形可能である自由端52を有するばねブレードで形成することができる。略L字型の自由端52は、解除ランプ54と結合する抵抗ランプ53を有する。ハンドル41が押し下げられると、すなわち、図5aに例示する位置から図5cに示す位置まで押し下げられると、ロッド44が軸42の周りを枢動する。ハンドル41が、図5bに示すように水平閉鎖位置に近づくと、ロッド44が抵抗ランプ53に接触する。軸42の周りを枢動するにつれて、ロッド44が抵抗ランプ53に沿ってスライドし、ランプ42を軸42に向かって押し、それにより、自由端52が弾性的に変形されて、これが、ロッド44にかかり且つ軸42周りのロッド44の時計回りの回転に対抗する力を生成し、この力はロッド44がさらに回転すると大きくなる。ロッド44が大体抵抗ランプ53と解除ランプ54との間の結合点周辺にある時、ばね46により生み出される力を考慮すると、ロッド44は平衡状態に到達する。その平衡点を過ぎると、ロッド44は、解除ランプ53に沿って通過しハンドル41に閉鎖方向にかかる力を生成する。換言すると、ロッド44がばねブレード50上を通過する間、ハンドル41を水平閉鎖位置に移動させるために必要な力が、漸次的に増加して徐々に減少する。これは、ハンドル41を作動させているユーザに「ハードポイント」を通過する感触を与える。従って、ハンドル41のストローク終了時のこの「ハードポイント」により、ハンドル41の移動が適切に完了したことを示す機械的感知フィードバックがユーザに提供される。
【0077】
代替として又は重複して、ストローク終了フィードバック手段を提供して、ハンドルが閉鎖位置から開放位置への移動の終了に達したことをユーザに示すことも可能である。
【0078】
もちろん、フィードバックの力をハンドル41に与えるのではなく、他の感知フィードバック手段を提供することも可能である。例えば、フィードバック手段は、ユーザに対する視覚的又は音声のフィードバックシステムとして配置することができる。
【技術分野】
【0001】
本発明はカートリッジ式抽出装置、特に、飲料調製機のためのカートリッジ式抽出装置に関する。カートリッジ式抽出装置は、カートリッジを導入及び除去するために抽出装置を開閉する人間工学的な手動取扱装置を有することができる。
【0002】
本明細書の記載上の目的で、「飲料」には、お茶、コーヒー、ホットチョコレート又はアイスチョコレート、ミルク、スープ、ベビーフードなどの任意の液体の食品が含まれるものとする。カートリッジとは、予め小分けされた材料を収容する任意の容器を指し、剛性なカプセル、又は、柔らかい若しくは柔軟性のあるポッドなどで、再利用可能又は再利用不可能な、生分解可能又は生分解不可能な、アルミニウム又はプラスチックなどの任意の材料から作成されたもの、特にアルミニウムポッド又はアルミニウムカプセルなどを指す。
【背景技術】
【0003】
材料カートリッジの取扱について直面する問題の1つに、抽出装置内でのカートリッジの位置決め、及び抽出処理を実行するためのカートリッジ周辺の抽出装置の閉鎖の問題がある。カートリッジは、通常、カートリッジサポート上、又は筺体内にユーザにより位置決めされる必要があり、装置は手動で又は自動的にカートリッジの周辺で閉鎖される。
【0004】
カートリッジを正確に位置決めして装置をカートリッジ周辺で適切に閉鎖させること、及び、良好に封止して良好な抽出条件を形成することは重要である。位置決めが悪いと、カートリッジを損ない、抽出の条件に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0005】
カートリッジ周辺で装置を封止して、加圧液体を不要な液漏れなくカートリッジを通過させることにより適切な抽出を可能にするためには、カートリッジ周辺での装置の閉鎖を、高レベルの精度で実行させなければならない。そのような装置の機械的閉鎖装置の閉鎖の距離は、通常、装置の製造工程において手動で調整され必要レベルの精度が達成される。
【0006】
装置にカプセルを正確に位置決めする際に困難や間違いがないよう、カプセルの装着も簡単でなければならない。また、装着はできる限り素早くでき、且つ過剰な操作を要さないものでなければならない。
【0007】
国際公開第2005/004683号は、カプセル式浸出装置に関し、該装置は、第1の部分、第1の部分に対して移動可能な第2の部分、カプセル用のハウジングであって、固定部分に対する可動部分の閉鎖位置において該ハウジングの軸に沿ってカプセルの抽出位置を画定するハウジング、カプセルを案内して、カプセルが重力により挿入され且つ該カプセルが中間位置に位置決めされるように配置させる手段を備える挿入/位置決め部、飲料注ぎ込みシステムを備え、第2の可動部分は、装置が閉鎖する時に、カプセルを中間位置から抽出位置まで移動させるよう配置及び構成される。
【0008】
欧州特許第1 721 553号明細書は、カプセルを使用するコーヒーメーカ用の浸出ユニットを開示している。ユニットは、飲料出口を有する前側部、及び温水入口を有する後側部を含む。前側部及び後側部は一対の対向する肩案内部材の間に装着される。前側部は、これらの案内部材の間で移動可能であり、抽出されるカプセルを収容するための浸出チャンバを後側部と共に形成するように、後側部に対して押圧され、それにより、コーヒーメーカ内で案内部材の間の前側部材の前に空き容積が残される。
【0009】
欧州特許第1 659 547号明細書は、浸出液、特にエスプレッソコーヒーの生成のための飲料機器に関する。機器は、伸縮ばね及びアセンブリの外側ハウジングを通って伸びる飲料出口導管を有する可動前側部を含む浸出ユニット内に、浸出液チャンバを備える。可動前側部は後側部と協働し、後側部は、ハウジング内で移動可能であり、且つ、可動前側部に対して押されて伸縮ばねを圧縮しそれにより出口導管をアセンブリの外側ハウジングを通ってスライドさせることができる。ポッドは、外部ハウジングを通り、剛性なポッド供給チャネルを介して浸出液チャンバへ送られ、次に、ポッドは、後側部を移動させるためのカム状の経路が設けられた浸出ユニットの可動後側部の上にある外部ブッシングにより、浸出液チャンバ内に移送される。この配置はいくつかの問題点を伴う。ポッドは、浸出チャンバが閉鎖している間に移動させなければならず、これがブロッキングの原因となり得、ポッドの保持手段をより複雑にすることにもなる。さらに、浸出チャンバの開閉は、ハウジング内での可動後側部の直線移動、ハウジング内での可動前側部の直線移動、及びハウジングを通る出口導管の直線移動を同時に伴い、そのため、互いに対して直線的に移動する種々の部分の過剰な案内、詰まり、又は不適切な位置合わせの危険が高まる。流体システムは、流体システムの組み付けをより複雑にする移動アセンブリを備える。抽出後、ポッドを除去するために浸出ユニットが再開放されると、浸出液チャンバ内に収容される加圧水がハウジングの外側に噴出する場合がある。さらに、出口導管がその引込み位置にあるときに、飲料機器内には前側部材とケーシングとの間に空き容積が残される。
【0010】
米国特許第3,260,190号明細書及び国際公開第2005/072574号は、コーヒー缶を内部に位置決めするための着脱可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、コーヒーメーカ内へと水平にスライドさせることができるとともに、水注入装置に向けて引上げることができる。国際公開第2006/023309号は、コーヒーカートリッジを機器内へ導入するためのスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であるとともに、引出し器が閉鎖位置にあるときに浸出チャンバを形成するべく互いの方へ枢動し、引出し器が機器からスライドして出るときに離間して枢動する2つのカートリッジハーフシェルを有する。米国特許第6,966,251号明細書は、カプセルを内部に位置決めするための水平にスライド可能な引出し器を有するコーヒーメーカを開示している。引出し器は、機器内へスライドされると、カプセルの浸出チャンバを形成するために、固定されたカプセルケージへ向けて上方へ移動することができる。欧州特許第1 566 126号明細書は、コーヒーポッドを収容するための垂直浸出ユニットを有するコーヒーメーカを開示している。浸出ユニットは、固定上側部分、及び、浸出ユニットを閉じるために引上げることができ、且つポッドを挿入又は除去するために下降させることができる、ポッドを保持するための可動下側部分を有する。
【0011】
さらなる浸出ユニットは、欧州特許第0 730 425号明細書、欧州特許第0 862 882号明細書、欧州特許第1 219 217号明細書、欧州特許第1 480 540号明細書、欧州特許第1 635 680号明細書、欧州特許第1 669 011号明細書、欧州特許第1 774 878号明細書、欧州特許第1 776 026号明細書、欧州特許第1 893 064号明細書、仏国特許第2 424 010号明細書、米国特許第3,260,190号明細書、米国特許第4,760,774号明細書、米国特許第5,531,152号明細書、米国特許第7,131,369号明細書、米国特許第2005/0106288号明細書、米国特許第2006/0102008号明細書、国際公開第2005/002405号、国際公開第2005/016093号、国際公開第2006/005756号、国際公開第2006/066626号、及び国際公開第2007/135136号に開示されている。
【0012】
国際公開第2005/004683号、国際公開第2007/135135号、及び国際公開第2007/135136号に開示されている浸出ユニットなどの改良された浸出ユニットは、第1の部分、第1の部分に対して移動可能な第2の部分、カプセル用のハウジングであって、固定部分に対する可動部分の閉鎖位置において該ハウジングの軸に沿ってカプセルの抽出位置を画定するハウジング、カプセルを案内して、カプセルが重力により挿入され且つ該カプセルが中間位置に位置決めされるように配置させる手段を備える挿入/位置決め部、飲料注ぎ込みシステムを備え、第2の可動部分は、装置が閉鎖する時に、カプセルを中間位置から抽出位置まで移動させるよう配置及び構成される。可動部分は浸出ユニットを開閉するハンドルにより駆動される。
【0013】
国際公開第2007/135135号では、閉鎖移動中にハンドルに要する手動の力が、閉鎖距離の中間点に至るまで漸次増加し、中間点から閉鎖移動の終了点に向かって漸次減少し、中間点が閉鎖移動に沿った中間の「ハードポイント」を形成する。さらに、浸出ユニットの再開放を支援するために、閉鎖移動中は圧迫され、開放移動中は弛緩するばねを設けても良く、例えば、国際公開第2007/135136号において例示されている。
【0014】
欧州特許第1 980 183号明細書は、材料カプセルのための浸出液ユニットを開示している。ユニットは、カプセルを保持し、浸出後にカプセルを排出するために枢動可能な浸出液チャンバを画定する第1の部分を有する。さらに、ユニットは、チャンバの開閉のためにそれぞれ、第1の部分に対して及び第1の部分から平行移動で移動可能な第2の部分を有する。第2の部分は、転がり軸受を介して第1の部分に対して第2の部分を押圧するスラストカムを支持するレバーにより駆動される。第2の部分が第1の部分から離れるように移動する際に、すなわち、浸出液ユニットを再開放する際に、圧縮ばねを有する自動復帰機構が、スラストカムに対して軸受を介して第2の部分を押圧する。これらのばねは、第2の部分を第1の部分に対して駆動する際に圧迫され、第2の部分を第1の部分から移動させる時に伸長する。一実施形態において、軸受及び移動可能な第2の部分は、転がり軸受に対するスラストカムの摩耗の結果起こる何らかの遊びを自動的に吸収する摩耗補償圧縮ばねにより接続されて、第2の部分の第1の部分に対する閉鎖距離を自動的に調整するものが多い。開示される全てのばね、すなわち、自動復帰ばね及び摩耗補償ばねは、同一の方向、同一の開閉シーケンスで圧縮及び伸長して動作し、機械的に元の状態に戻り、又はそれぞれに弾性エネルギーを蓄積する。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を支援するための力生成手段を備える。
【0016】
典型的には、本装置は、カプセル及び/又はポッドなどの材料カートリッジを受け入れる飲料調製機に備えられる。例えば、機器は、コーヒー、お茶、チョコレート又はスープの調製機である。特に、機器は、挽いたコーヒー又はお茶又はチョコレート又はココア又はミルク粉末など、調製する飲料の材料を収容するカートリッジ内に温水又は別の液体を通過させることにより、カートリッジシート内で飲料を調製するよう配置される。
【0017】
例えば、調製機は、使用のためにカートリッジを受け入れ、且つ使用後にカートリッジを排出するよう配置される、抽出装置などの飲料調製ユニット、調製ユニットから排出されるカートリッジの排出先の領域につながる開放を有するハウジング、及び貯蔵スペースを形成する空洞を有する受入容器であって、そのような領域に排出されるカートリッジを受入容器が満たされるまで収集する受入容器を備える。受入容器は、使用済みカートリッジを収集するための領域に挿入可能であり、収集されたカートリッジを出して空にするためにこの領域から着脱可能である。そのような機器の例は、国際公開第2009/074550号及びPCT/欧州特許09/053368号明細書に開示されている。
【0018】
本発明によると、力生成手段は、力生成手段により支援される時カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制するためのダンピング手段と連携する。ダンピング手段は、慣性ダンパ、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、及び磁気ダンパのうちの少なくとも1つを備えることができる。例えば、ダンピング手段は、慣性ダンパ及び/又は摩擦ダンパ、特に、平歯車ベースのダンパを備える。
【0019】
典型的には、ダンピング手段を配置して力生成手段により支援される時にカートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制することにより、抑制中、その移動は略一定の速度を有し、且つ/又は、一定の速度に到達するように略一定の追加の力を必要とする。「略一定の」とは典型的には、平均速度を中心に5又は10%の範囲内、又は、移動の距離の90又は95%を超える必要な力であることを意味する。
【0020】
従って、力生成手段の影響による何らかの乱暴な/制御不良の開放を回避することができる。特に、装置の機械的部品への何らかの乱暴な/制御不良の打撃又は衝撃が阻止され、機械的部品が早期に故障することを回避でき、さらなる快適さをユーザに提供する。力生成手段により支援される又は引き起こされる移動は、ダンピング手段により制御される。
【0021】
力生成手段を配置して、カートリッジシートの閉鎖中にエネルギーを蓄積し、カートリッジシートの開放中にその開放を支援するためにエネルギーを解放し、又はその逆を行うことができる。
【0022】
典型的には、装置は、ユーザにより移動可能であり、カートリッジシートを開放状態から閉鎖状態まで、及び/又はその逆に駆動するためのハンドルを有する。ハンドルを使用して、カートリッジシートの開閉のどちらか一方、すなわち、単動式ハンドルのように一方向にのみを行うこと、又は、カートリッジシートの開閉どちらも、すなわち、複動式ハンドルのように両方向に行うことができる。ハンドルが一方向のみに動作する場合、力生成手段及びダンピング手段は典型的には、カートリッジシートの復帰移動を行うように構成される。ハンドルが両方向に動作する場合は、力生成手段及びダンピング手段は、ユーザにより駆動される時のハンドルの復帰移動を支援するよう、又は、ユーザによる何の支援も必要とせずにハンドルを復帰させるようにも、構成することができる。複動式ハンドルは、枢動可能なユーザがつかめるレバーの形式で提供することができる。単動式ハンドルは、ユーザがつかめる回転式ボタンの形式で提供することができる。
【0023】
一実施形態において、力生成手段はばね要素を備える。ばね要素は、螺旋ばね、ぜんまいばね、及びばねブレードから選択することができる。ばね要素は、カートリッジシートの開放移動又は閉鎖移動により圧迫され、且つ、カートリッジシートの反対の移動により弛緩するようにできる。例えば、ばね要素は、カートリッジシートの閉鎖中に圧迫され、且つ、カートリッジシートの開放中に弛緩して開放を支援し、又はその逆も可能である。装置におけるばね要素及びばね要素の構成に応じて、ばね要素は、ねじれ、圧縮及び伸長、並びに屈曲により圧迫及び弛緩することができる。
【0024】
別の実施形態において、力生成手段は、カウンタウェイト装置などの質量系を備える。例えば、質量の慣性中心をカートリッジシートの閉鎖中に上昇させ、カートリッジシートの開放中に重力の効果により下降させて開放を支援する、又はその逆を行う。特に、ハンドルは、軸の周り及びハンドルと共に回転するために偏心して搭載された質量の周りを回転可能とすることができる。
【0025】
典型的には、カートリッジシートは、第1のカートリッジサポート、及び第1のサポートに対向する第2のカートリッジサポートを備え、カートリッジサポートは、カートリッジシートの開放中は離間するように駆動され、カートリッジシートの閉鎖中は閉合される。そのようなカートリッジシートの例は、上述の国際公開第2005/004683号、国際公開第2007/135135号、及び国際公開第2007/135136号で提供されている。
【0026】
少なくとも1つのカートリッジサポートは、水圧により変位可能とすることができる。
【0027】
少なくとも1つのカートリッジサポートは、ハンドルの移動により機械的駆動装置を介して変位可能とすることができる。例えば、機械的駆動装置は、力伝達レバー、特にナックル装置、及び/又は、力伝達歯車装置、特に平歯車装置を備える。
【0028】
本発明は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置、特に上述した装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートを開放状態から閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドルを備える。装置は、上記に開示された特徴のうちの任意の特徴又は組み合わせを含むことができる。
【0029】
本発明によると、ユーザ可動ハンドルは、ハンドルを作動させているユーザに、対応するフィードバックを提供するためのストローク終了フィードバック手段と連携する。
【0030】
本装置は、抽出装置の上述の特徴のうちの任意の特徴、又はそのような特徴の任意の組み合わせと統合することができる。
【0031】
典型的には、フィードバック手段は力感知フィードバック装置を有する。ストローク終了フィードバック手段は、ハンドルのストローク終了時にハンドルをおおむね突然解除して機械的「ハードポイント」を生成するための装置を含むことができ、ストローク終了フィードバック手段は、特に、弾性クリップ又は弾性スナップの装置を備える。典型的には、機械的「ハードポイント」の構成を配置して、ユーザが特定のポイントを通過するために要する力を増加させ、そのポイントを通過することは、ユーザの安堵感と関連する。
【0032】
他の力フィードバックシステムを実装して、ユーザがハンドルの移動距離の終わりに到達しつつあることをユーザに通知し、動作が適切に実行されたとしてユーザを安心させることができる。
【0033】
上記で検討したように、装置は、カートリッジシートの閉鎖又は開放を支援するための力生成手段を含むことができる。ユーザ可動ハンドルは、力生成手段により支援される時にユーザハンドルの動きを抑制するためのダンピング手段と連携することができる。
【0034】
一実施形態において、カートリッジシートの開放を支援するために力生成手段が配置され、カートリッジシートの閉鎖時にストローク終了フィードバック手段が配置される、又はその逆に配置される。
【0035】
本発明のさらなる態様は、材料カートリッジを受け入れ、且つカートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置、特に上述した装置に関する。装置は、カートリッジを受け入れ及び/又はそのような装置からカートリッジを除去するための開放状態、及び材料を抽出するための閉鎖状態を有するカートリッジシート、並びにカートリッジシートを開放状態から閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドルを備える。ユーザ可動ハンドルは、ユーザハンドルの動きを抑制するためのダンピング手段と連携する。本装置は、種々の抽出装置の上述の特徴のうちの任意の特徴、又はそのような特徴の任意の組み合わせと統合することができる。
【0036】
本発明の別の態様は、飲料調製機、特に、お茶、コーヒー、又はチョコレートを調製するための機器に関する。機器は、上述の装置を備える。
【0037】
本発明のさらなる態様は、材料カートリッジ及び上述の飲料機器を備えるシステムに関する。カートリッジが飲料機器の装置のカートリッジシート内に保持される。
【0038】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の詳細な説明において明らかにされる。
【0039】
以下、図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1a】比較用の従来技術の抽出装置の断面図である。
【図1b】比較用の従来技術の抽出装置の断面図である。
【図2a】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図2b】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図2c】本発明による開放状態にある飲料抽出装置の一部の断面図である。
【図3a】閉鎖状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図3b】開放状態にある飲料抽出装置の一部の斜視図である。
【図4】図2a〜図3bの飲料抽出装置の閉鎖状態における断面及び部分的概略図である。
【図5a】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【図5b】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【図5c】本発明による、ストローク終了フィードバック装置を有する装置の一部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1a及び図1bは、抽出装置1aの比較用の従来技術の実施形態を例示する。本実施形態の構造的及び動作の詳細については、国際公開第2007/135136号に詳細に説明されており、本明細書に参照により組み込まれる。特に、本明細書の添付の図1a及び図1bは、それぞれ国際公開第2007/135136号の図7及び5に対応する。
【0042】
図1a及び図1bの抽出装置1aは、手動開閉装置を有し、手動開閉装置はハンドル41a、及び開放状態への本手動開閉装置の復帰を支援するためのシステム43c、43c′、46a、46a′を含む。図1aにおいて、抽出装置1aは、閉水平位置に近づくハンドル41aを用いて閉鎖しようとしている。図1bにおいて、抽出装置1aは、ハンドル41aが一般に直立して、完全に開放している。
【0043】
抽出装置1aは、2つの対向するカートリッジサポート20a、30aで形成されるカートリッジシートを有する。カートリッジサポート30aは、ハンドル41aを固定枢動軸42aの周りで枢動させることにより、対向するサポート20aに向かって及び対向するサポート20aから、一般に平行移動で移動させることができる。ハンドル41aの枢動移動は、ナックル継ぎ手装置43a、43b、44a、及び枢動可能部材42a′を介して相互接続される枢動低減(de−multiplication)装置43abを有する可動レバーシステムを介して、可動カートリッジサポート30aに伝達される。ナックル装置は、軸45aにおいてカートリッジサポート30に枢動可能に組み付けられたレバー43aを有する。枢動低減装置は、軸42bにおいてハンドル41aに枢動可能に組み付けられる。従って、ハンドル41aが弓形矢印A1、A2で示すように、特に、閉鎖位置から直立位置に枢動すると、レバー43b′が、僅かに回転するとともに、ナックル継ぎ手装置43a、43b、44aの枢軸44a上を平行移動し、一方、枢軸44aが軸42a′の周りのレバー43bの回転移動で下降する。
【0044】
抽出装置1aの開放を支援するために、可動レバーシステム43a、43b、43ab、44aは螺旋けん引ばね46aと連携する。ばね46aは一対のフック端部46a′を有し、その一方が図1aに示され、対応する開放部、すなわちレバー43b、43b′それぞれの対向する拡張部43c、43c′における貫通穴に装着される。ばね46aは、拡張部43c、43c′に装着されると、開放及び閉鎖の状態における拡張部43cと43c′との間の距離の変化に応じて、抽出装置の閉鎖状態(図1a)においては伸長された状態になり、装置の開放状態(図1b)においては弱伸長状態又は弛緩状態になる。従って、ばね46aは、抽出装置1aの開放を支援して開放移動を容易にし、装置1aの閉鎖中には圧迫されることになる。
【0045】
ここで、図2aから図4に例示される特定の実施形態を参照して本発明を説明する。
【0046】
図2aから図4は本発明による抽出装置1を示す。この装置1は、例えば挽いたコーヒーなどの飲料材料を収容する封止された気密性のあるアルミニウム製の袋状のものから成る、例えばNESPRESSO(商標)により商品化されているような、柔らかいポッドの形状の材料カートリッジ2を介して、水などの加熱された液体を循環させることにより飲料を調製するための機器の一部である。
【0047】
抽出装置1は、第1のカートリッジサポート20及び第1のカートリッジサポート20に対向する第2のカートリッジサポート30を備えるカートリッジシート10を有する。カートリッジサポート20、30は、開放して離間した状態でカートリッジ2を受け入れ、且つ閉鎖して圧接した抽出状態においてカートリッジ2を包容するように構成される。図2a、図2b、図2c、及び図3bは、カートリッジサポート20、30が開放して離間した状態にあるカートリッジシート10を例示する。図3a及び図4は、カートリッジサポート20、30が閉鎖して圧接した抽出状態にあり、カートリッジ2がシート10内に包容されたカートリッジシート10を示す。
【0048】
図2aは、カートリッジ2が重力により上からカートリッジシート10内に挿入されることを例示する。より詳細には、下にあるシート10へと導くカートリッジ入口チャネル11の上部に、カートリッジ2を示す。
【0049】
図2bにおいて、抽出の前の開放した位置にあるカートリッジシート10内に保持されるカートリッジ2を示す。カートリッジシート10は、サポート部材20、30が離間開放した位置にある間、カートリッジ2をシート10内に保持するためのカートリッジ保持部材12と連携する。より詳細には、保持部材12はシート10の周囲に配置されて、カートリッジ2の縁3が、このカートリッジ装着途中位置において部材12の上に載りもたれかかる。サポート部材20、30が圧接されると、カートリッジ2が縁3と共に、サポート部材30により周囲の部材12を介して対向する部材20に対してカートリッジ抽出位置まで押され、カートリッジ2はサポート部材20と30との間に包容される(図4に示す通り)。
【0050】
図2cにおいて、サポート部材20、30が離間した状態にある、抽出後の再開放位置にあるカートリッジシート10を示す。装置1は、下部の排出路13を介してシート10から使用済みのカートリッジ2を重力により排出するよう配置される。カートリッジ2を、シート10の下に設置されるカートリッジコレクタ、例えばカートリッジ受入容器(図示せず)に集めても良い。
【0051】
カートリッジ2の挿入、途中位置決め、包容、及び排出に関して、保持部材を有する抽出装置の一般的原理が、欧州特許第1 859 714号明細書において、特にポッドなどの柔らかい又は柔軟性のあるカートリッジについて、より詳細に開示され、同様に、欧州特許第1 646 305号明細書において、特にカプセルなどの剛性のカートリッジついて、より詳細に開示されている。これらの公報は、本明細書において参照により組み込まれる。
【0052】
図3a及び図4において、カートリッジ2をシート10内に包容して圧接されたサポート部材20、30を示す。
【0053】
図4においてより詳細に示すように、水圧式カートリッジサポート20は、ピストンチャンバ25内で移動可能なチューブ状ピストン21を有する。ピストンチャンバ25は、カプセルサポート部材20の前の部分を保持する外形が概してカップ型の前側部26、及びピストン21が内部に沿って移動可能な概してチューブ状の後側部27によって画定される。
【0054】
さらに、抽出装置1は、液体注入装置と連携し、液体注入装置には以下が含まれる。すなわち、冷水などの液体源が特に貯蔵器60aに貯蔵され、ポンプ60が液体を、貯蔵器60aからパイプ61及びチャンバ入口28を介してピストンチャンバ25まで圧力下で送り込み、そのまま圧力下でチャンバ出口29を介し、チューブ71を介してインラインヒータ70に送り、ヒータ70からチェックバルブ80、チューブ81を介して、カートリッジシート10の加熱された液体の入口を形成するピストンチューブ21に送り込む。
【0055】
カートリッジシート10において、加圧且つ加熱された液体が流れてカートリッジ2を通り、カートリッジ2内に収容される材料を抽出することにより飲料を生成する。飲料は収集されカートリッジサポート30と連携する出口35を介して分配される。
【0056】
明確にする目的で、抽出装置1を通る液体の流路を、図4において太矢印で概略的に示す。
【0057】
従って、この液体注入装置は、ピストンチャンバ25に接続されて、未加熱の加圧液体をチャンバ25内に注入し、カートリッジサポート20を対向するカートリッジサポート30に対してピストン21で閉鎖位置まで水圧で駆動する。カートリッジサポート20、21と、前側部26及び後側部27との間の、O−リングシールなどのシール22、23は、チャンバ25からの漏れを防止する。本発明によると、ピストンチャンバ25を通る循環後、液体はさらに、ピストンチャンバ25からヒータ70を通りカートリッジチャンバ10に連続的に圧力下で循環する。
【0058】
さらに、カートリッジサポート30は、機械的駆動装置によって、対向するカートリッジサポート20に向かって、且つ対向するカートリッジサポート20から離れるように移動可能である。
【0059】
図3a及び図3bにさらに詳細に示すように、機械的駆動装置は、ハンドル41の軸42を介して固定フレーム40に枢動可能に装着される手動駆動可能な略L字型のハンドル41を備える。一対のクランク43は、ロッドを介して接続される一方の端部44でハンドル41に軸42から距離を置いて回転可能に装着され、他方の端部45でカートリッジサポート30に回転可能に装着され、その結果、略L字型のハンドル41が開放位置(図3b)から閉鎖位置(図3a)に押されると、クランク43が軸42の周りを枢動するハンドル41によって駆動され、カートリッジサポート30をカートリッジサポート20に向かって引き寄せる。手動で作動させるもの及び/又はモータ付きのものなど種々の機械的駆動装置を使用して、本発明のこの補助的な態様を実装することができ、例えば、欧州特許第1 646 305号明細書、欧州特許第1 859 713号明細書、欧州特許第1 767 129号明細書、及び国際公開第2009/043630号に開示されており、これらは本明細書において参照により組み込まれる。特に、機械的駆動装置は、図1a及び図1bに例示される一般的な原理に従って動作するナックル継ぎ手装置及び枢動低減装置を形成する一連の接続要素を有することができる。
【0060】
フレーム40はまた、チューブ61、入口接続28、並びに、ピストンチャンバ25を画定する前側部26及び後側部27を遮蔽するためのハウジングパネル40′を支持する。前側部26及び後側部27はまた、フレーム40に固定される。従って、チューブ61、71は、固定された構成要素26、60、70、80の間に装着することができ、また、抽出装置の自動的な製造工程において簡単に扱うことができる剛性の材料で作成してもよい。
【0061】
さらに、ハンドル41の再開放を容易にするために、図3bに示すようにばね要素46が設けられる。ばね46は、閉鎖移動時に圧迫され、開放移動時に自動的にハンドル41を後方に駆動するか、又は少なくともそのような開放移動を支援する。特に、螺旋ばね46は、一端46′がフレーム40に固定され、他端が軸42に固定されるか、又は軸42の近辺でハンドル41に支えられる。螺旋ばね46は、軸42の周りに装着される。もちろん、異なるばね装置を設けてこの効果又は同様の効果を生み出すことができる。ばね装置は、例えば、カートリッジサポート30をハンドル41にリンクさせる要素連結鎖などの異なる要素に接続することができる。ばねを装着して、図1a及び図1bに例示するように、圧縮状態又はねじれた状態でけん引の動作をさせることができる。さらに、ばねはブレード状のものとすることもでき、装着されてフレーム40とハンドル41との間で屈曲した状態で動作する。
【0062】
反対方向にばねを装着し、すなわち、抽出装置の閉鎖移動を支援することももちろん可能である。
【0063】
さらに、本発明によると、ハンドル41を作動させる際のユーザの快適さを向上させ、且つばね46により駆動される際のハンドル41のストローク終了時の衝撃を回避する目的で、ハンドル41を介した開閉移動時に機械的駆動装置の人間工学的な感触のある制御を提供するために、移動ダンパが設けられる。この特定の実施形態において、ダンパは、軸42の回転に追随する平歯車の形式で提供される。従って、ハンドル41に固定される軸42に第1の歯車47が組み付けられる。第1の歯車42と協働する第2の歯車48は、フレーム40に回転可能に装着されて、軸42の回転を抑制する。平歯車の移動に関連する慣性と摩擦が、開放移動を制御しダンパとして動作する。もちろん、別のダンピングシステムも、そのような抽出装置の開放及び/又は閉鎖の制御に適切であり、特に、ダンパは、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、磁気ダンパなどから選択される。
【0064】
抽出装置1にはまた、抽出後の再開放時にカートリッジ2を取り出してカートリッジ2の排出を支援するためのカートリッジ取出装置90が設けられる。取出装置ロッド90は、チューブ状ピストン21内で移動可能であり、カム49及びカムフォロア91を介して、カム49が接続されるハンドル41の移動により作動する。図4に示す取出装置90は引込み位置にあり、一方、図2bに示す取出装置90はカートリッジサポート20からカートリッジ2を取り出すための配備位置にある。
【0065】
また、図4に示すように、カートリッジサポート20は、カートリッジ2に穴を開けるための中空針96を介して加熱された液体をカートリッジ2内に注入するためのスプリンクラ95に嵌合される。使用中、加熱された液体がチューブ81からチューブ状ピストン21の周辺に圧力下で供給されて、取出装置91周辺をスプリンクラ95に沿って循環し、針96を介してカートリッジ2に供給される。O−リングシールなどのシール92、93が設けられ、注入された液体が取出装置90に沿って漏れることを防ぐ。対向するカートリッジサポート30は、例えば、ピラミッド型のプレートなど引裂き要素を有するプレートの形状の開放装置97を支持する。従って、カートリッジ2に針96を介して注入された加熱された流体が、カートリッジ内に収容される材料を抽出し、カートリッジ2を開放装置97に残して分配出口35に向かって循環する。そして、カップ又はマグを使用して、カートリッジサポート30に接続される出口35で分配される飲料を収集することができる。抽出後、取出装置90は特にカートリッジ2を針96から取り外す際に役立つ。
【0066】
カートリッジ2を開放シート10(図2b)に導入後、ユーザはハンドル41を下向きに動かし、それにより抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30が、抽出装置1の両側部に配置されるクランク43及びレバー機構により平行移動で駆動される。それにより、カートリッジ2は、カートリッジ2の周囲の縁3を曲げることにより保持部材12に対して押しつけられる。ハンドル41を介した機械的閉鎖移動が終了すると、カートリッジ2はピラミッド型プレート97とスプリンクラ95との間に取り込まれ、針96により穴が開けられる。この段階で、カートリッジ2周辺のカートリッジシート10の封止がほぼ達成される。このほぼ閉鎖した状態において、カートリッジサポート20、30の離間間隔は、典型的には2.5mm未満、通常は1.5mm未満、例えば0.5mm未満である。
【0067】
変形例として、カートリッジの穴開けを、機械的閉鎖による代わりにカートリッジシートの水圧式閉鎖の効果により発生させるように、閉鎖距離を設定することも可能である。これにより、ユーザがカートリッジに穴を開けるために閉鎖時に大きな力を入れる必要が無いという利点が与えられる。この閉鎖時の力はポンプによって与えられる。
【0068】
ポンプ60が起動されて飲料の調製が始まると、冷水などの未加熱の液体が、ピストンチャンバ25に送られる。次に、液体はピストンチャンバ25から出て、加熱要素70を通り、その後、バルブ80まで流れる。バルブ80の前で流体内の圧力が増加し始めると、ピストン21を有するカートリッジサポート20が、ピストンチャンバ25内の液体の増大する圧力下で、対向するカートリッジサポート30に対して平行移動且つ押圧されて、カートリッジシート10内のカートリッジ2を適切に封止する。図4に例示するように、バルブ80は、カプセルサポート20と30との間の何らかの漏れを回避するのに十分なレベルの圧力で開く。
【0069】
バルブ80が開いて流体が流されると、加圧且つ加熱された液体がスプリンクラ95へ流れると共に針96を介してカートリッジ2内へ流れ、それにより、カートリッジ2内において、カートリッジがピラミッド型97上で引裂かれて開くまで圧力が増加し、抽出中に液体がカートリッジ2から流れ出る。
【0070】
本明細書において、「加熱された液体」は、抽出装置のヒータにより直接加熱された液体を意味する。「未加熱の液体」は、特に、ピストンチャンバを出ず、ヒータを通過していない液体を意味する。従って、「未加熱の液体」は、タンクのような液体源から、ピストンチャンバの上流、ピストンチャンバの内部、ヒータの上流の液体を含むものである。
【0071】
浸出処理の最後で、バルブ80の作動を停止させて、ピストンチャンバ25内の圧力を解除することができる。従って、カートリッジサポート20、30は、封止を解除され、分離可能になる。典型的には、バルブ80は、ソレノイドバルブで良く、ポンプ60の作動停止と共に作動を停止させる。
【0072】
使用後にカプセル2を排出するために、ユーザがハンドル41を開放すると、ハンドル41はばね46の効果により、ダンパ47、48の効果で制御されたスピードで、自動的に開く。
【0073】
それにより、抽出装置1の前側部、すなわち、カートリッジサポート30は駆動されて、抽出装置1の後側部、すなわち、カートリッジサポート20から離れる。これにより、カートリッジシート10がさらに開放することになり、一方で、取出装置90がカム49及びカムフォロア91の効果により配備されて、カートリッジ2をカートリッジサポート20から離間させるように押し、重力の効果により、カートリッジシート10から、例えば下に設置される使用済みカプセルコレクタ(図示せず)に落下させる(図2c)。
【0074】
図5aから図5cは、抽出装置1のさらなる人間工学的な態様を例示する。装置1は、ハンドル41が水平位置に到達間近になると、ロックした感触をユーザに与えて、移動の終了の人間工学的なフィードバックをユーザに与えるように配置される。図5aは、直立して開放位置にあるハンドル41を例示する。図5bは、閉鎖移動中の中間位置にあるハンドル41を示す。図5cは、閉鎖位置にあるハンドル41を例示する。
【0075】
本発明によると、ハンドル41は、ストローク終了フィードバック手段50と連携する。フィードバック手段50を配置して、ハンドル41を作動させているユーザにフィードバックを与えて、ハンドルの開放位置から閉鎖位置への移動が終了に達したことを示し、ユーザに閉鎖移動が適切に実行されたことを知らせる。
【0076】
図5aから図5cに例示する実施形態において、移動終了フィードバック手段50には、ハンドル41を介して力のフィードバックをユーザに与えるための装置、特に、ハンドルのストローク終了時にハンドルを突然解除して機械的「ハードポイント」を生成するための装置が含まれる。そのような力のフィードバックを生成するために、手段50には、弾性クリップ又は弾性スナップの装置が含まれる。特に、手段50は、フレーム40に対して又は反対に固定された固定端51、すなわち、略L字型のベース51、及び弾性的に変形可能である自由端52を有するばねブレードで形成することができる。略L字型の自由端52は、解除ランプ54と結合する抵抗ランプ53を有する。ハンドル41が押し下げられると、すなわち、図5aに例示する位置から図5cに示す位置まで押し下げられると、ロッド44が軸42の周りを枢動する。ハンドル41が、図5bに示すように水平閉鎖位置に近づくと、ロッド44が抵抗ランプ53に接触する。軸42の周りを枢動するにつれて、ロッド44が抵抗ランプ53に沿ってスライドし、ランプ42を軸42に向かって押し、それにより、自由端52が弾性的に変形されて、これが、ロッド44にかかり且つ軸42周りのロッド44の時計回りの回転に対抗する力を生成し、この力はロッド44がさらに回転すると大きくなる。ロッド44が大体抵抗ランプ53と解除ランプ54との間の結合点周辺にある時、ばね46により生み出される力を考慮すると、ロッド44は平衡状態に到達する。その平衡点を過ぎると、ロッド44は、解除ランプ53に沿って通過しハンドル41に閉鎖方向にかかる力を生成する。換言すると、ロッド44がばねブレード50上を通過する間、ハンドル41を水平閉鎖位置に移動させるために必要な力が、漸次的に増加して徐々に減少する。これは、ハンドル41を作動させているユーザに「ハードポイント」を通過する感触を与える。従って、ハンドル41のストローク終了時のこの「ハードポイント」により、ハンドル41の移動が適切に完了したことを示す機械的感知フィードバックがユーザに提供される。
【0077】
代替として又は重複して、ストローク終了フィードバック手段を提供して、ハンドルが閉鎖位置から開放位置への移動の終了に達したことをユーザに示すことも可能である。
【0078】
もちろん、フィードバックの力をハンドル41に与えるのではなく、他の感知フィードバック手段を提供することも可能である。例えば、フィードバック手段は、ユーザに対する視覚的又は音声のフィードバックシステムとして配置することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を支援するための力生成手段(46)と
を備える装置において、
さらに前記カートリッジシート及び前記力生成手段に対して、前記力生成手段により支援される時に前記カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制するためのダンピング手段(47、48)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ダンピング手段が、慣性ダンパ、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、及び磁気ダンパのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ダンピング手段が、摩擦ダンパ及び/又は平歯車ベースのダンパ(47、48)を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ダンピング手段(47、48)は、前記力生成手段(47、48)により支援される時に前記カートリッジシート(10)の閉鎖移動又は開放移動を抑制して、抑制中に、前記移動が略一定の速度を有し、且つ/又は、一定の速度に到達するように略一定の追加の力を必要とするように構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記力生成手段(46)は、前記カートリッジシート(10)の閉鎖中にエネルギーを蓄積し、前記カートリッジシートの開放中にその開放を支援するためにエネルギーを解放し、又はその逆を行うように構成され、前記力生成手段は、ばね要素及び/又はカウンタウェイト装置などの質量系を任意に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
ユーザにより移動可能であり、前記カートリッジシート(10)を前記開放状態から前記閉鎖状態まで、及び/又はその逆に駆動するためのハンドル(41)を備え、
前記力生成手段(46)は、特に、前記可動ハンドル(41)の前記開放状態又は前記閉鎖状態への復帰を支援するよう構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記カートリッジシート(10)が、第1のカートリッジサポート(20)と、前記第1のカートリッジサポートに対向する第2のカートリッジサポート(30)とを備え、前記第1のカートリッジサポート及び第2のカートリッジサポートは、前記カートリッジシートの開放中は互いから離間するように駆動され、前記カートリッジシートの閉鎖中は閉合され、少なくとも1つのカートリッジサポート(20)が特に水圧により変位可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのカートリッジサポート(30)が、前記ハンドル(41)の移動により機械的駆動装置(42、43、44、45)を介して変位可能であり、前記機械的駆動装置は、特に、ナックル装置などの力伝達レバー、及び/又は、平歯車装置などの力伝達歯車装置を備える、請求項6、又は、請求項6に従属する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)、特に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートを前記開放状態から前記閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドル(41)と
を備える装置において
前記ユーザ可動ハンドル(41)が、ハンドルを作動させているユーザに対応するフィードバックを提供するためのストローク終了フィードバック手段(50)と連携することを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記ストローク終了フィードバック手段(50)が力フィードバックを、前記ハンドル(41)を介してユーザに提供するための装置(52)、特に、前記ハンドルのストローク終了時に前記ハンドルを突然解除して機械的ハードポイントを生成するための装置(53、54)を含み、
前記ストローク終了フィードバック手段が、弾性クリップ式又は弾性スナップ式の装置を任意に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記カートリッジシート(10)の閉鎖又は開放を、前記ハンドル(41)を介して支援するための力生成手段(46)を備え、
前記ユーザ可動ハンドル(51)は、前記力生成手段(46)により支援される時にユーザ可動ハンドル(41)の動きを抑制するためのダンピング手段(47、48)と任意に連携する、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記カートリッジシート(10)の開放を支援するために前記力生成手段(46)が設けられており、前記カートリッジシートの閉鎖時に前記ストローク終了フィードバック手段(50)が配置され、又はその逆に配置され、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)、特に先行請求項のいずれか1項に記載の装置であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートを前記開放状態から前記閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドル(41)と
を備える装置において、
さらに、前記ユーザ可動ハンドル(41)及び前記カートリッジシートに対して、前記ユーザハンドル(41)の動きを抑制するためのダンピング手段(47、48)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項14】
飲料調製機、特に、お茶、コーヒー、又はチョコレートを調製するための飲料調整機であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置(1)を備える、飲料調製機。
【請求項15】
材料カートリッジ(2)と、請求項14に記載の飲料調整機とを備えるシステムであって、前記材料カートリッジが前記飲料調整機の装置(1)のカートリッジシート(10)内に保持される、システム。
【請求項1】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を支援するための力生成手段(46)と
を備える装置において、
さらに前記カートリッジシート及び前記力生成手段に対して、前記力生成手段により支援される時に前記カートリッジシートの閉鎖移動又は開放移動を抑制するためのダンピング手段(47、48)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記ダンピング手段が、慣性ダンパ、摩擦ダンパ、水圧式ダンパ、空気ダンパ、及び磁気ダンパのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ダンピング手段が、摩擦ダンパ及び/又は平歯車ベースのダンパ(47、48)を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ダンピング手段(47、48)は、前記力生成手段(47、48)により支援される時に前記カートリッジシート(10)の閉鎖移動又は開放移動を抑制して、抑制中に、前記移動が略一定の速度を有し、且つ/又は、一定の速度に到達するように略一定の追加の力を必要とするように構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記力生成手段(46)は、前記カートリッジシート(10)の閉鎖中にエネルギーを蓄積し、前記カートリッジシートの開放中にその開放を支援するためにエネルギーを解放し、又はその逆を行うように構成され、前記力生成手段は、ばね要素及び/又はカウンタウェイト装置などの質量系を任意に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
ユーザにより移動可能であり、前記カートリッジシート(10)を前記開放状態から前記閉鎖状態まで、及び/又はその逆に駆動するためのハンドル(41)を備え、
前記力生成手段(46)は、特に、前記可動ハンドル(41)の前記開放状態又は前記閉鎖状態への復帰を支援するよう構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記カートリッジシート(10)が、第1のカートリッジサポート(20)と、前記第1のカートリッジサポートに対向する第2のカートリッジサポート(30)とを備え、前記第1のカートリッジサポート及び第2のカートリッジサポートは、前記カートリッジシートの開放中は互いから離間するように駆動され、前記カートリッジシートの閉鎖中は閉合され、少なくとも1つのカートリッジサポート(20)が特に水圧により変位可能である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つのカートリッジサポート(30)が、前記ハンドル(41)の移動により機械的駆動装置(42、43、44、45)を介して変位可能であり、前記機械的駆動装置は、特に、ナックル装置などの力伝達レバー、及び/又は、平歯車装置などの力伝達歯車装置を備える、請求項6、又は、請求項6に従属する請求項7に記載の装置。
【請求項9】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)、特に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートを前記開放状態から前記閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドル(41)と
を備える装置において
前記ユーザ可動ハンドル(41)が、ハンドルを作動させているユーザに対応するフィードバックを提供するためのストローク終了フィードバック手段(50)と連携することを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記ストローク終了フィードバック手段(50)が力フィードバックを、前記ハンドル(41)を介してユーザに提供するための装置(52)、特に、前記ハンドルのストローク終了時に前記ハンドルを突然解除して機械的ハードポイントを生成するための装置(53、54)を含み、
前記ストローク終了フィードバック手段が、弾性クリップ式又は弾性スナップ式の装置を任意に備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記カートリッジシート(10)の閉鎖又は開放を、前記ハンドル(41)を介して支援するための力生成手段(46)を備え、
前記ユーザ可動ハンドル(51)は、前記力生成手段(46)により支援される時にユーザ可動ハンドル(41)の動きを抑制するためのダンピング手段(47、48)と任意に連携する、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記カートリッジシート(10)の開放を支援するために前記力生成手段(46)が設けられており、前記カートリッジシートの閉鎖時に前記ストローク終了フィードバック手段(50)が配置され、又はその逆に配置され、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
材料カートリッジ(2)を受け入れ、且つ前記材料カートリッジ内に加熱された液体を通過させることにより材料を抽出するための装置(1)、特に先行請求項のいずれか1項に記載の装置であって、
前記カートリッジを受け入れ及び/又は当該装置から前記カートリッジを除去するための開放状態と、前記材料を抽出するための閉鎖状態とを有するカートリッジシート(10)と、
前記カートリッジシートを前記開放状態から前記閉鎖状態に、及びその逆に駆動するためのユーザ可動ハンドル(41)と
を備える装置において、
さらに、前記ユーザ可動ハンドル(41)及び前記カートリッジシートに対して、前記ユーザハンドル(41)の動きを抑制するためのダンピング手段(47、48)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項14】
飲料調製機、特に、お茶、コーヒー、又はチョコレートを調製するための飲料調整機であって、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置(1)を備える、飲料調製機。
【請求項15】
材料カートリッジ(2)と、請求項14に記載の飲料調整機とを備えるシステムであって、前記材料カートリッジが前記飲料調整機の装置(1)のカートリッジシート(10)内に保持される、システム。
【図1a】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図1b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【公表番号】特表2013−506475(P2013−506475A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−531457(P2012−531457)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064773
【国際公開番号】WO2011/042401
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/064773
【国際公開番号】WO2011/042401
【国際公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】
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