説明

カートン

【課題】開封が容易で、確実に再封できるカートンを提供すること。
【解決手段】カートンの外側妻板11に形成されたミシン目12は、端縁11Bから順に第一切込部121と、第二切込部122と、3本の第三切込部123とが、側端縁11Cまで延びて形成されている。第一切込部121は、端縁11Bから第1方向に延びる第一直線部121Aと、第一直線部121Aの折曲端縁11A側の端部から側端縁11D側に屈曲する第一屈曲部121Bと、を有している。第一直線部121Aの延長線をLとすると、延長線Lと第一屈曲部121Bとがなす角度αは、以下の式(1)に示す範囲であることが好ましい。
[数1]
0<α<90° …(1)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妻面を開封開始位置とするカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等を包装するトップオープン型のカートンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、矩形の底板の両側に折り曲げ線を介して側板が連接され、この側板の一方に底板と対称状に折り曲げ線を介して天板が連接され、天板の側板が連設されていない側に折り曲げ線を介して下垂板が連設されたカートンブランクが開示されている。また、天板および底板の左右端には折り曲げ線を介して妻板(妻面)がそれぞれ連設され、下垂板の左右端には折り曲げ線を介してサイドフラップがそれぞれ連設されている。そして、下垂板の端縁から天板の方向には、下垂板から天板に通る2本の切断線が一定間隔をおいて設けられ、この2本の切断線に挟まれて開封つまみ部が形成されている。
【0003】
このようなカートンブランクを組み立てる際は、天板と底板とを対向配置した状態で側板と下垂板とを重ね合わせ、下垂板に形成された2本の切断線より外側の領域において下垂板と側板とを接着剤等で接着するとともに、下垂板に連設されたサイドフラップを側板の内側に折り込む。また、底板に連設された妻板(内側妻板)の上に天板に連設された妻板(外側妻板)を重ね合わせて接着剤等で接着する。これにより四角柱状のカートンが形成される。開封する際は、下垂板に形成された切断線に沿って切断する。また、切断により形成される開封つまみ部を、下垂板の内側に重ね合わされている側板に形成された係止部に差し込むことで再封できる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−113835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のような四角柱状のカートンは、一般的に天板および底板の面積が最も広く、ついで側板(下垂板)、妻板の順に面積が小さくなる構成となっている。したがって、下垂板が側板に接着される領域は比較的広いため、接着剤により確実に接着させることができる。また、下垂板に連設されたサイドフラップが側板の内側に折り込まれた構成が下垂板を切断しようとする力に対する抵抗力として働き、下垂板全体が側板から剥がれてしまうことを抑制することができる。すなわち、特許文献1に記載のカートンでは、下垂板を切断して開封する際に、下垂板と側版とが剥がれてしまうおそれはない。しかしながら、このようなカートンは、開口部が広いにもかかわらず、内容物が柱状、スティック状などであって、カートンの幅方向に長さを有するものであった場合に取り出しにくいという問題が発生する。
【0006】
一方、柱状、スティック状の内容物の取り出しを容易にするため、妻板に切断線を設け、妻板部分を開口部とした場合、切断線が形成される妻板にサイドフラップが形成されないため、開封時に妻板を切断しようとする力に対する抵抗を得ることができない。また、妻板の面積が小さいことから接着領域の面積も小さく、接着剤による接着強度が弱い。したがって、妻板に形成された切断線に沿って切断しようとすると、この切断しようとする力が妻板全体に大きく作用し、外側妻板と内側妻板との接着が剥がれ、外側妻板ごと開封されてしまうため、外側妻板を切断線に沿って切断することが困難となる。したがって、切断によって形成されるはずの開封つまみ部を形成することができず、開封したカートンを再封できなくなるという問題が発生する。
【0007】
本発明の目的は、開封が容易で、柱状、スティック状の内容物の取り出しも容易であって、さらに確実に再封できるカートンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決すべく、本発明は、下記のいずれかの構成からなる発明である。
(1)複数の面で構成された胴体の両端が、折曲端縁を介して接続された内側妻板および外側妻板を折り込んで閉鎖されるカートンであって、前記外側妻板は、折曲端縁に対向する端縁上における所定距離を隔てた位置から折曲端縁方向に延びる少なくとも2本のミシン目と、前記2本のミシン目に挟まれて形成されるつまみ部と、前記ミシン目を境界線とし、前記つまみ部を有して形成される開封部と、前記ミシン目を境界線とし、この境界線の他方側に形成される固定部と、を有し、前記内側妻板は、前記つまみ部を差し込み可能な係止切断部を有し、前記固定部および前記内側妻板は、前記折曲端縁に対向する端縁側に形成された接着部により接着され、前記ミシン目は、前記折曲端縁に対向する端縁から前記折曲端縁方向に延びる第一切込部と、その他の複数の切込部により形成され、前記第一切込部の先端は、隣接する前記固定部の接着部から離れる方向に屈曲していることを特徴とするカートン。
【0009】
(2)前記第一切込部は、前記折曲端縁に対向する端縁から前記折曲端縁方向に延びる第一直線部と、前記第一直線部から隣接する前記固定部に形成される接着部から離れる方向に屈曲する屈曲部と、で構成され、前記第一直線部の延長線と前記屈曲部とのなす角度αは、以下の式(1)に示す範囲であることを特徴とする上記(1)に記載のカートン。
【0010】
[数1]
0<α<90° …(1)
【発明の効果】
【0011】
本発明のカートンによれば、外側妻板と内側妻板との接着を剥がすことなくミシン目に沿って容易に開封することができ、開封によって形成されるつまみ部を内側妻板の係止切断部に差し込むことで確実に再封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るカートンを形成するブランク板の展開図である。
【図2】前記カートンの外側妻板を示す拡大図である。
【図3】前記カートンを包装する状態を示す斜視図である。
【図4】前記カートンを示す斜視図であり、(A)は開封前の状態、(B)は開封後の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、バターやマーガリン等の個装を包装するカートンについて説明する。このカートンは、四角柱状の胴体の両端を封止する妻板にミシン目が形成され、ミシン目に沿って切断することで開封されるものである。
[1.カートンの構成]
図1は、カートンを展開したブランク板10Aを示す。ブランク板10Aは、天面板1と、側面板2と、底面板3と、下重ね側面板4と、が折り曲げ線を介してこの順に連設されている。また、天面板1の側面板2とは反対側に、折り曲げ線を介して上重ね側面板5が連接されている。
【0014】
天面板1は、側面板2または上重ね側面板5が連接された一対の辺に直交する一対の辺に、外側妻板11が折り曲げ線を介してそれぞれ連設されている。
外側妻板11は、4つの端縁によって長方形状の外形が形成されている。ここで、天面板1との境界となる折り曲げ部を折曲端縁11A、折曲端縁11Aに対向する端縁を端縁11B、折曲端縁11Aおよび端縁11Bに直交する端縁を側端縁11C、11Dとする。外側妻板11には、端縁11Bから折曲端縁11Aの方向に所定位置まで延び、この所定位置から両側の側端縁11C、11Dの方向にそれぞれ延びる2本のミシン目12が形成されている。
【0015】
図2に基づいて、ミシン目12の構成について説明する。なお、端縁11Bから側端縁11Cに屈曲するミシン目12について具体的に説明するが、2本のミシン目12は、図2において左右対称であるため、端縁11Bから延びて側端縁11Dに屈曲するミシン目12も同様の構成である。
ここで、端縁11Bに直交して折曲端縁11Aに向かう方向を第1方向とし、ミシン目12が所定位置から屈曲して側端縁11Cに向かう方向を第2方向とする。第1方向と第2方向とがなす角度θ1は、開封を容易に行える程度であれば特に限定されないが、90°より大きく、かつ180°より小さいことが好ましい。
【0016】
ミシン目12は、複数の切り込みにより形成されており、具体的には、端縁11Bから順に第一切込部121と、第二切込部122と、3本の第三切込部123とが、側端縁11Cまで延びて形成されている。
第一切込部121は、端縁11Bから第1方向に延びる第一直線部121Aと、第一直線部121Aの折曲端縁11A側の端部121Cから側端縁11D側に屈曲する第一屈曲部121Bと、を有している。第一直線部121Aの延長線をLとすると、延長線Lと第一屈曲部121Bとがなす角度αは、以下の式(1)に示す範囲であることが好ましく、以下の式(2)に示す範囲であることがより好ましい。角度αが90°以上であると、第一切込部121の方向と開封の際につまみ部13を引き上げる方向(第1方向)とが異なる方向となってしまい、開封方向を誘導できなくなってしまう。
【0017】
[数2]
0<α<90° …(1)
【0018】
[数3]
0<α<45° …(2)
【0019】
また、第一屈曲部121Bの長さは、第一屈曲部121Bを第1方向と第1方向に直交する方向に分解した際の第1方向成分が、端部121Cと第二切込部122の端縁11B側の端部122Cとの距離より短くなるように調整される。なお、特に限定はないが、より好ましくは端部121Dと端部122Cの距離は、端部121Cと端部122Cの距離よりも短くなるように調整される。
【0020】
第二切込部122は、第1方向に沿って延びる第二直線部122Aと、第二直線部122Aの折曲端縁11A側の端部を屈曲点122Eとし、この屈曲点122Eから第2方向に延びる第二屈曲部122Bと、を有している。すなわち、端縁11Bから第1方向に延びるミシン目12は、この屈曲点122Eから第2方向に屈曲して側端縁11Cまで延びている。第二直線部122Aと第二屈曲部122Bとがなす角度が上述した角度θ1である。
【0021】
第三切込部123は、第二屈曲部122Bの延長線上にあって、第2方向に沿って延びる切り込みである。複数の第三切込部123が所定間隔をあけて側端縁11Cまで形成されている。第三切込部123は、第2方向に沿って延びる第三直線部123Aと、第三直線部123Aの第二切込部122側の端部から折曲端縁11A側に屈曲する第三屈曲部123Bと、を有している。第三直線部123Aと第三屈曲部123Bとがなす角度θ2は、90°より大きく、かつ180°より小さいことが好ましい。また、第三屈曲部123Bの長さは、第三屈曲部123Bの第二切込部122側の端部123Cが、第二切込部122の側端縁11C側の端部122Dから第1方向に延びる延長線(図示しない)上に近い位置に達する程度の長さであることが好ましい。つまみ部13を把持してミシン目12に沿って開封する際の開封方向は第1方向となり、第二切込部122の端部122Dにかかる力は第1方向に大きく働くため、第1方向の延長線上に近い位置に第三切込部123の端部123Cが存在することにより、第三切込部123に開封方向を誘導することができる。この122Dと123C間の距離は適宜決定すればよい。
【0022】
外側妻板11は、ミシン目12を境界線として、折曲端縁11A側の開封部14と、端縁11B側の角部を有する略三角形状の2つの固定部15と、で構成される。
開封部14は、端縁11Bから延びる2本の第一切込部121に挟まれたつまみ部13を有している。
固定部15は、内側妻板31と対向する面に、接着剤を介して内側妻板31に接着可能な第一接着部16を有している。第一接着部16は、端縁11B、側端縁11C,11D、およびミシン目12から所定距離だけ離れた位置にある。第一接着部16がミシン目12に近い位置にあると、ミシン目12に沿って切断する力が第一接着部16にかかりやすく、接着が剥がれてしまうおそれがあるため、端縁11Bに近い位置に設けることが好ましい。もっとも、十分な接着強度を維持できる場合はこの距離にこだわる必要はない。
【0023】
底面板3は、図1に示すように、側面板2または下重ね側面板4が連接された一対の辺に直交する一対の辺に、内側妻板31が折り曲げ線を介してそれぞれ連設されている。
内側妻板31には、外側妻板11のつまみ部13を差し込み可能な係止切断部32が形成されている。また、内側妻板31に外側妻板11を重ね合わせた際に第一接着部16に対応する位置に、第二接着部33を有している。第二接着部33は、接着剤を介して第一接着部16と接着する領域であり、第二接着部33と第一接着部16とが接着することで、カートン10が封止され、角柱状の形状を維持することができる。なお、第一接着部16および第二接着33が、本発明の接着部である。
【0024】
第一接着部16と第二接着部33との接着に使用される接着剤としては、通常カートンのフラップの接着に用いられているものであればいずれの接着剤であってもよく、例えば、ホットメルトやグルアが挙げられる。
接着剤の塗布量は、角柱形状に成形されたカートン10(図4(A)参照)が展開せず、角柱形状を維持できる程度の接着強度を発揮できる量であればよい。例えば、65mm×35mmの妻面の場合、15mm幅の先端部で接着剤が点付けされ、塗布量は0.01〜0.05g程度となる。
【0025】
側面板2は、天面板1または底面板3が連設された一対の辺に直交する一対の辺に、サイドフラップ21が折り曲げ線を介してそれぞれ連設されている。
上重ね側面板5は、天面板1が連接された辺に直交する一対の辺に、サイドフラップ51が折り曲げ線を介してそれぞれ連設されている。
【0026】
カートン10は、紙を主材とする材料から構成され、被包装物の種類に応じて適当な材料が選択される。具体的には、マニラボール、コートボール等の白板紙、これらの白板紙に耐油処理を施した耐油紙、これらの紙とアルミ箔を組み合わせたもの、および合成紙等が挙げられる。
【0027】
このようなブランク板10Aによる包装方法について説明する。ブランク板10Aの底面板3の上に個装を載置した後、側面板2を底面板3に対して起立させ、天面板1を折り曲げて図3のように略コ字状を形成する。次に、下重ね側面板4に上重ね側面板5を重ね合わせるとともに、サイドフラップ21,51を内側に折り込む。
そして、内側妻板31をサイドプラップ21,51に重ねるように折り曲げた後、内側妻板31の第二接着部33に接着剤を塗布し、外側妻板11を内側妻板31の上に重ねるように折り曲げる。このとき第一接着部16と第二接着部33とを接着剤により接着させる。これにより、カートン10は、図4(A)に示すように、角柱状に成形されて封止状態となる。この状態では、第一接着部16と第二接着部33との接着により、角柱形状を維持することができる。
【0028】
[2.カートン10の開封]
カートン10を開封する際は、外側妻板11のつまみ部13を把持した後、つまみ部13を第1方向に引き上げる。これにより、外側妻板11はミシン目12に沿って切断され、開封部14と固定部15とに分離される。このとき、図4(B)に示すように、固定部15は第一接着部16により内側妻板31に接着されているため、内側妻板31とともに底面板3に固定される。一方、開封部14は天面板1および上重ね側面板5とともに開封され、カートン10の天面を大きく開口する。
【0029】
カートン10を再封する際は、一旦開口したカートン10を折り曲げて元の角柱状の形状に戻し、つまみ部13を内側妻板31の係止切断部32に差し込む。これにより開封部14は内側妻板31に係止されるため、開封部14が開口せず、角柱形状を維持することができる。すなわち、カートン10を再封することができる。
【0030】
[3.本実施形態の作用効果]
以上の本実施形態では、以下の作用効果を奏することができる。
ミシン目12の第一切込部121は、第1方向に延びる第一直線部121Aと第一直線部121Aから側端縁11D側に屈曲する第一屈曲部121Bとを有している。カートン10を開封する際、つまみ部13を第1方向に引き上げる力は、まず、第一屈曲部121Bの端部121Dから折曲端縁11A側に放射状に伝達され、この放射状の先に位置する第二切込部122の端部122Cに伝達される。そして、切断方向は、この第二切込部122に誘導されて第1方向から第2方向に屈曲し、さらに第三切込部123に誘導されて側端縁11Cまで切断される。
【0031】
以上のように、第一切込部121が第一屈曲部121Bを有していることにより、第一切込部121の端部121Dは、第一接着部16から離れて位置することになる。したがって、端部121Dにかかる力は第一接着部16に伝達されにくく、第一接着部16には接着剤による接着を剥がすほどの負荷がかからない。したがって、カートン10を開封する際に、固定部15が内側妻板31から剥がれることを防止することができ、ミシン目12に沿って容易に開封することができる。これにより、開封部14と固定部15を確実に分離することができ、分離により形成されたつまみ部13を係止切断部32に差し込むことでカートン10を確実に再封することができる。また、外側妻板11にミシン目(切断線)12を設け、妻面を開口部としたので、柱状、スティック状の内容物の取り出しが容易である。
【0032】
特に、第一直線部121Aの延長線Lと第一屈曲部121Bとのなす角度αを上述の式(1)の範囲としているため、端部121Dにかかる第1方向の力が分散されて第二切込部122の端部122Cに伝達されやすくなる。したがって、ミシン目12に沿って容易に切断することができる。
【0033】
[4.変形例]
【0034】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上記実施形態では、第三切込部123は第三屈曲部123Bを有する構成であったが、第三屈曲部123Bを有さない構成であってもよい。
【0035】
また、上記実施形態では、ミシン目12は端縁11Bから折曲端縁11Aに向かって所定位置(屈曲点122E)まで延び、この所定位置から側端縁11C側に屈曲して側端縁
11Cまで延びる構成であったが、つまみ部13を区画形成でき、天面板1を開封可能な構成であればミシン目12の形状はこれに限られない。例えば、端縁11Bから折曲端縁11Aまで延び、折曲端縁11Aに沿って側端縁11Cまたは11Dまで延びるミシン目であってもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、バターやマーガリン等の固形物を包装するカートンとして説明したが、被包装体としては、その他の固形物、個装された粉体、および流動物等も包装することができる。固形物としてはチョコレート、キャラメル、ガム等の菓子、アイスクリーム等の冷菓類が挙げられ、粉体としては塩、砂糖、脱脂粉乳、全粉乳、粉末ジュース、粉末スープ等が挙げられ、流動物としてはジャム等のスプレッド類、水飴等が挙げられる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明する。なお、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0038】
〔実施例1〕
上述の実施形態において、端部121Dと端部122Cの距離を一定にしたカートンを作成し、第一直線部121Aの延長線Lと第一屈曲部121Bとがなす角度αの大きさを変化させて開封性を評価した。評価基準は以下の通りである。結果を表1に示す。
◎:良好(外側妻板と内側妻板の接着が剥がれない)
○:やや良好(外側妻板と内側妻板の接着がほとんど剥がれない)
△:やや不良(外側妻板と内側妻板の接着が若干剥がれる)
×:不良(外側妻板と内側妻板の接着が完全に剥がれる)
【0039】
【表1】

【0040】
〔評価結果〕
表1に示す通り、0<α<45°で開封性は良好であった。また、αが0°では外側妻板と内側妻板の接着が剥がれてしまい開封不良となる。また、αが45°から90°に近づくにつれて端部121Dから端部122Cへの誘導が阻害され、開封性が低下する傾向にある。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のカートンは、固形物や個装された粉体、流動物などの包装に適用できる。
【符号の説明】
【0042】
1…天面板、2…側面板、3…底面板、4…下重ね側面板、5…上重ね側面板、10…カートン、10A…ブランク板、11…外側妻板、11A…折曲端縁、11B…端縁、11C,11D…側端縁、12…ミシン目、13…つまみ部、14…開封部、15…固定部、16…第一接着部、31…内側妻板、32…係止切断部、33…第二接着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の面で構成された胴体の両端が、折曲端縁を介して接続された内側妻板および外側妻板を折り込んで閉鎖されるカートンであって、
前記外側妻板は、
折曲端縁に対向する端縁上における所定距離を隔てた位置から折曲端縁方向に延びる少なくとも2本のミシン目と、
前記2本のミシン目に挟まれて形成されるつまみ部と、
前記ミシン目を境界線とし、前記つまみ部を有して形成される開封部と、
前記ミシン目を境界線とし、この境界線の他方側に形成される固定部と、を有し、
前記内側妻板は、
前記つまみ部を差し込み可能な係止切断部を有し、
前記固定部および前記内側妻板は、前記折曲端縁に対向する端縁側に形成された接着部により接着され、
前記ミシン目は、
前記折曲端縁に対向する端縁から前記折曲端縁方向に延びる第一切込部と、その他の複数の切込部により形成され、
前記第一切込部の先端は、隣接する前記固定部の接着部から離れる方向に屈曲している
ことを特徴とするカートン。
【請求項2】
請求項1に記載のカートンにおいて、
前記第一切込部は、前記折曲端縁に対向する端縁から前記折曲端縁方向に延びる第一直線部と、前記第一直線部から隣接する前記固定部に形成される接着部から離れる方向に屈曲する屈曲部と、で構成され、
前記第一直線部の延長線と前記屈曲部とのなす角度αは、以下の式(1)に示す範囲であることを特徴とするカートン。
[数1]
0<α<90° …(1)

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−39960(P2013−39960A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−179458(P2011−179458)
【出願日】平成23年8月19日(2011.8.19)
【出願人】(711002926)雪印メグミルク株式会社 (65)
【Fターム(参考)】