カードのカード情報を精度良く識別するカードシュー装置
【課題】カードのカード情報を精度よく認識するカードシュー装置を提供する。
【解決手段】カード50を保管する保管部2と、保管部2から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別する制御部151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34とを備えている。
【解決手段】カード50を保管する保管部2と、保管部2から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別する制御部151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードのカード情報を識別するカードシュー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
「ブラックジャック」などのテーブルカードゲームが行われるカジノにおいて、通常、ゲームテーブルにはカードシュー装置が設けられており、プレイヤーに配られるカードは、このカードシュー装置から取り出される。従来、このようなカードシュー装置において、米国特許第7407438号明細書、米国特許第5356145号明細書、米国特許第5362053号明細書、米国特許第5470079号明細書、米国特許第5586766号明細書、米国特許第5586936号明細書、米国特許第5613912号明細書、米国特許第5669816号明細書、米国特許第5722893号明細書、米国特許第5941769号明細書、米国特許第6039650号明細書に開示されているように、赤外線レーザ等の検査光を用いて、取り出されるカードのカード情報を識別するカードシュー装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7407438号明細書
【特許文献2】米国特許第5356145号明細書
【特許文献3】米国特許第5362053号明細書
【特許文献4】米国特許第5470079号明細書
【特許文献5】米国特許第5586766号明細書
【特許文献6】米国特許第5586936号明細書
【特許文献7】米国特許第5613912号明細書
【特許文献8】米国特許第5669816号明細書
【特許文献9】米国特許第5722893号明細書
【特許文献10】米国特許第5941769号明細書
【特許文献11】米国特許第6039650号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように赤外線レーザ等の検査光を用いてカードのカード情報を識別した場合、照明などの外乱光の影響を受けて、識別精度が低下するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、カードのカード情報を精度良く識別することが可能なカードシュー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカードシュー装置は、カードを保管する保管部と、前記保管部から引き出された前記カードを、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端まで案内する案内経路と、前記案内経路中に形成された開口窓と、前記引き出されたカードに向けて、前記開口窓を介して検査光を照射する検査光照射部と、前記引き出されたカードから反射する前記検査光を受光する受光部と、前記受光部で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部と、前記開口窓と前記受光部との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタとを備えていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、開口窓と受光部との間に、外乱光を遮断するフィルタが介在されている。従って、受光部において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカードから反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。
【0008】
また、本発明のカードシュー装置においては、前記フィルタが着脱可能にされていてもよい。上記の構成によれば、フィルタが着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じて変更することができる。従って、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタを取り付けることにより、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0009】
また、本発明のカードシュー装置においては、前記引き出されたカードを、前記カード情報識別部で前記カード情報を識別可能な速度で前記案内経路を移動させる移動部を更に備えていてもよい。上記の構成によれば、引き出されたカードが開口窓を移動する速度は、カード情報識別部でカード情報が識別可能な速度であるため、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0010】
また、本発明のカードシュー装置において、前記移動部は、前記引き出されたカードを一定速度で前記案内経路を移動させてもよい。上記の構成によれば、引き出されたカードは案内経路を一定速度で移動される。従って、引き出されたカードの案内経路中における移動速度の変化によって、カード情報の識別精度が低下することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、カードのカード情報を精度良く識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の表示部の取付位置について説明する説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の電気的構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の検出データを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るメイン処理ルーチンのフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る識別処理ルーチンのフロー図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るカードシュー装置の電気的構成図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るメイン処理ルーチンのフロー図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る識別処理ルーチンのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明のカードシュー装置に係る第1の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお。カードシュー装置1の外側の形状に関しては、略一般的な従来のカードシュー装置に倣っている。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。図2は、図1のA−A断面図である。
【0015】
図1に示すように、カードシュー装置1は、カジノ等に設置されたゲームテーブル100上に設けられている。
【0016】
図1、及び図2に示すように、カードシュー装置1は、カバー部材19、底部材20、カード50を保管する保管部2、保管部2から引き出されたカード50をカード排出端18まで案内する案内経路10、検出ユニット30、及び表示部16を備えている。カバー部材19は、保管部2、並びに後述する搬送機構21、及び制御基板150を覆うように底部材20に取り付けられている。
【0017】
保管部2は、複数枚のカード50を積み重ねて保管している。なお、保管部2に保管されているカード50は、カードの表側が下になるように保管されている。また、保管部2は、保管部2に保管されているカード50の枚数を検出する図示しないカード枚数検出センサ27を有している。
【0018】
図1に示すように、案内経路10は、カードガイド面12を有している。カードガイド面12は、後述する搬送終了端24とカード排出端18とを結ぶ傾斜面である。また、カードガイド面12には、カード50の長手方向の長さよりも少し長めの幅を有する開口窓13が形成されている。カードガイド面12の両側縁部にはガイド溝11aを有するガイドレール11が形成されている。ガイドレール11のガイド溝11aの幅は、カード50一枚の厚さよりも少し大きめに設定されている。なお、開口窓13にガラス等よりなる透明板が嵌め込まれていてもよい。
【0019】
カードガイド面12及びガイドレール11により、搬送終了端24に配置されたカード50は、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18までの移動が案内される。なお、搬送終了端24からカード排出端18までのカード50の移動は、人手(ディーラー)により行われる。また、案内経路10には図示しない移動速度検出センサ26が設けられており、案内経路10中を移動されるカード50の移動速度を検出可能にされている。
【0020】
カバー部材19の側壁には、検出ユニット30を差し込むための差込口15が開設されている。検出ユニット30を差込口15に差し込むことで、検出ユニット30と後述の制御基板150とをデータ通信可能に接続させることができる。
【0021】
また、カバー部材19の両側壁には、図示しない鉤状部が形成されている。表示部16には、図示しない舌片部が形成されており、カバー部材19の鉤状部と係合することができるようにされている。このように構成されていることにより、図3に示すように、カバー部材19の両側面のどちら側でも表示部16を取り付けることが可能にされている。これにより、ディーラーの利き腕に応じて、表示部16の取付位置を変更させることができる。
【0022】
表示部16は、表示装置17を有している。表示装置17には、後述するカード情報識別部(制御部)151により識別されたカード情報が表示される。
【0023】
ここで、カード情報とは、図1に示すように、カード50における文字情報50aと図柄情報50bとからなる、個々のカード固有の情報である。文字情報50aには、2〜10の数字、J(JACK)、Q(QUEEN)、K(KING)、及びA(ACE)で表わされる13の種類がある。また、図柄情報50bには、ハート、ダイヤモンド、クラブ、及びスペードで表わされる4つの種類がある。
【0024】
検出ユニット30は、検査光照射部31、受光部32、フィルタ支持部33、フィルタ34、及びこれらの部材を収容する収容部材35を備えている。検査光照射部31は、赤外線の線状光を開口窓13に向けて出射する装置である。検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を介して、人手により案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射される。
【0025】
受光部32は、カード50に照射された赤外線の反射光を受光する画素を複数有する素子であり、案内経路10中を移動されるカード50の長手方向に対して平行方向に当該画素が、列状に配列されている。
【0026】
収容部材35の対向する一対の側壁には、フィルタ34を着脱可能に支持するフィルタ支持部33が形成されている。フィルタ34は、可視光を遮断する可視光フィルタである。フィルタ34は、一対のフィルタ支持部33により支持されることで、開口窓13と受光部32との間に介在されることになるので、受光部32において受光される可視光の光量を低減することができる。
【0027】
このように、フィルタ34がフィルタ支持部33に対して着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタを取り付けることができる。
【0028】
図2に示すように、保管部2に保管されたカード50は、パスAに沿って、待機位置25を経て、搬送終了端24まで、搬送機構21により搬送される。搬送機構21は、搬送ローラ22とカード検出センサ23とを有している。搬送ローラ22は、後述するアクチュエータ駆動部156により、回転駆動が制御されている。
【0029】
搬送ローラ22は、引出ローラ22aと前段案内ローラ22bと後段案内ローラ22cとを有する。引出ローラ22aは、保管部2に保管されているカード50を一枚引き出し、待機位置25までの搬送を行う。前段案内ローラ22bは、引出ローラ22aにより引き出されたカード50の、待機位置25までの搬送、及びカード50の待機位置25から搬送終了端24までの搬送を行う。後段案内ローラ22cは、カード50の待機位置25から搬送終了端24までの搬送を行う。
【0030】
カード検出センサ23は、パスA沿いの任意の位置に配置されており、カード50の存在検出、及びカード50の移動を検出する。本実施の形態では、カード検出センサ23は、待機位置25、及び搬送終了端24にそれぞれ配置されている。
【0031】
搬送終了端24に配置されているカード検出センサ23bにより、カード50の存在が検出されていない場合には、アクチュエータ駆動部156は、カード検出センサ23bによりカードの存在が検出されるまで、前段案内ローラ22b、及び後段案内ローラ22cを回転駆動させる。
【0032】
また、待機位置25に配置されているカード検出センサ23aにより、カード50の存在が検出されていない場合には、アクチュエータ駆動部156は、カード検出センサ23aによりカード50の存在が検出されるまで、引出ローラ22a、及び前段案内ローラ22bを回転駆動させる。
【0033】
(カードシュー装置1の電気的構成)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の電気的構成について、図4を参照して説明する。
【0034】
カードシュー装置1は、図4に示すように、制御基板150、制御基板150に対して着脱可能にされた検出ユニット30、及び制御基板150と通信可能に接続された表示部16を備えている。
【0035】
制御基板150には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部151と、検出ユニット30の検査光照射部31の赤外線の線状光の発光量を調整する光源調整部153と、検出ユニット30の検査光照射部31の赤外線の線状光を出射させる光源駆動部154と、検出ユニット30の受光部32で検出された光量をアナログ値の電気信号に変換する受光変換部155と、搬送ローラ22を回転駆動させるアクチュエータ駆動部156と、コネクタ157と、アンテナ171とが接続されている。光源駆動部154は、搬送終了端24に配置されているカード検出センサ23bでカード50の移動が検出された場合に、赤外線の線状光が出射されるように検査光照射部31を駆動する。
【0036】
上記の制御部151は、入出力部160とアナログ/デジタル(A/D)変換部161と駆動出力部162とセンサ入力部163と通信部164と演算部165と記憶部166とを有している。
【0037】
入出力部160は、上述の光源駆動部154と光源調整部153とに接続されている。入出力部160は、光源調整部153から入力された信号やデータを制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。また、入出力部160は、制御部151からの信号を光源駆動部154に出力する。
【0038】
受光変換部155は、一定時間ごとに受光部32の個々の画素で受光されたカード50の濃淡情報、即ち光量の大小を、アナログ値の電気信号へ変換(光電交換)し、当該アナログ値を順にA/D変換部161へ出力する。
【0039】
A/D変換部161は、受光変換部155から出力された1ライン分の画素のアナログ値をデジタルデータに変換し、記憶部166の検出データ領域166aに出力する。具体的には、A/D変換部161は、任意の閾値に応じて、アナログ値を「0」か「1」かの2階調に変換する2値化処理を行う。これにより、カード50を背景領域と図柄情報50bや文字情報50aなどの絵柄領域とに分けることができる。なお、本実施の形態においては、絵柄領域は「1」、背景領域は「0」に対応するようにA/D変換部161においてアナログ値が変換される。
【0040】
また、駆動出力部162は、アクチュエータ駆動部156に接続されており、アクチュエータ駆動部156を介して搬送ローラ22を回転駆動可能にされている。センサ入力部163は、カード検出センサ23、移動速度検出センサ26、及びカード枚数検出センサ27に接続されており、これらのセンサからの信号を制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。
【0041】
記憶部166は、検出データ領域166a、ワークデータ領域166b、及びプログラム領域166cを有している。検出データ領域166aは、A/D変換部161から出力されたデジタルデータを検出データとして一時的に格納する領域として使用される。ワークデータ領域166bは、検出データ領域166aの検出データが転送される領域であり、検出データに基づいたカード情報の識別処理に使用される。プログラム領域166cは、識別処理ルーチン等の各種のプログラム、及びカード情報のテンプレート等の各種のデータを読み出し可能及び書換え可能に格納している。尚、プログラム領域166cは、書換え不能にされていてもよい。
【0042】
演算部165は、上記の識別処理ルーチン等の各種プログラムを実行可能にされており、カード50のカード情報を識別可能にされている。また、演算部165では、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように、検出データの補正が行われる。
【0043】
通信部164は、コネクタ157を介して、ホールコンピュータ200とデータ通信可能に接続されており、演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号をホールコンピュータ200に出力する。また、通信部164は、カード枚数検出センサ27により検出される保管部2に保管されているカード50の枚数が、所定の枚数以下となった場合に、カード50の補充を促すカード補充信号をホールコンピュータ200に出力する。
【0044】
変復調部175は、アンテナ171に接続されている。変復調部175は、データを制御部151における情報処理に適した信号形態から、アンテナ171を介したデータ通信に適した信号形態に変換する変調機能と、データ通信の信号形態から制御部151における情報処理の信号形態に変換する復調機能とを有している。
【0045】
カード補充信号、及び演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、変復調部175、及びアンテナ171を介して表示部16へ出力される。
【0046】
検出ユニット30は、検査光照射部31、及び受光部32を有している。検査光照射部31は光源駆動部154に対して、光源駆動部コネクタ173を介して着脱可能に接続されている。受光部32は、受光変換部155に対して、受光変換部コネクタ172を介して着脱可能に接続されている。
【0047】
表示部16は、表示装置17、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU40、変復調部41、アンテナ42、及び記憶部43を備えている。
【0048】
変復調部41は、アンテナ42に接続されている。変復調部41は、データをCPU40における情報処理に適した信号形態から、アンテナ42を介したデータ通信に適した信号形態に変換する変調機能と、データ通信の信号形態からCPU40における情報処理の信号形態に変換する復調機能とを有している。
【0049】
記憶部43には、カード情報信号と表示装置17に表示するカード情報の表示画像とが関係づけられたカード情報対応テーブル等の各種のデータが記憶されている。CPU40は、アンテナ42、及び変復調部41を介してカード情報信号を受信した場合には、カード情報対応テーブルを参照し、当該カード情報信号が表すカード情報を、ディーラーが識別することができるように表示装置17に表示する。また、CPU40は、アンテナ42、及び変復調部41を介してカード補充信号を受信した場合には、ディーラーにカード50の補充を促す画像を表示装置17に表示する。
【0050】
(カードシュー装置1の動作)
次に、カードシュー装置1の動作について説明する。まず、搬送終了端24にカード50が存在しない場合、搬送機構21により保管部2からカード50を搬送終了端24まで搬送する。ディーラーにより、搬送終了端24に存在するカード50が案内経路10中を、当該カード50の短手方向へ移動させられると、カード検出センサ23bによりカード50の移動を検出し、光源駆動部154が検査光照射部31を駆動することで当該検査光照射部31から赤外線の線状光が開口窓13に向けて出射される。また、移動速度検出センサ26により案内経路10中を移動するカード50の移動速度が検出される。
【0051】
検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を通り、案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射(1ライン分の領域に照射)される。カード50に照射された赤外線の線状光の反射光は、開口窓13を通り、フィルタ34を介して受光部32の列状に複数配列された画素により受光される。
【0052】
受光部32の個々の画素で受光されたカード50の光量の大小は、受光変換部155により、一定時間ごとにアナログ値の電気信号へ変換される。そして、一定時間毎に変換された1ライン分のアナログ値は、カード50の長手方向に沿って順にA/D変換部161に出力される。
【0053】
受光変換部155から出力された1ライン分のアナログ値は、A/D変換部161によりデジタルデータに変換され、記憶部166の検出データ領域166aに1ライン分の検出データとして一時的に記憶される。
【0054】
なお、カード50は、ディーラーにより当該カード50の短手方向へ移動させられているので、カード50の長手方向に渡って(1ライン分の領域に照射)照射される赤外線の線状光のカード上の照射位置は、カード50の短手方向へ移動させられる。従って、カード50の長手方向(1ライン分)の検出データを繰り返し取得(カード50の1次元の画像情報を繰り返し取得)することにより、カード50の2次元の画像情報を取得することができる。
【0055】
検出データ領域166aに一時的に記憶された検出データは、ワークデータ領域166bに転送され、演算部165において当該検出データのカード情報が識別される。
【0056】
演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、ホールコンピュータ200、及び表示部16に出力される。表示部16の表示装置17では、受信したカード情報信号が表すカード情報が表示される。
【0057】
(検出データ)
次に図5を参照して、検出データについて説明する。なお、図5に示す検出データは、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように補正を行った後のデータである。
【0058】
図5中の検出データの縦方向は、カード50の長手方向を表し、横方向はカードの短手方向を示す。また、図中のマス目は検出画素を示す。なお、黒く塗りつぶされた検出画素は、A/D変換部161において「1」に変換された画素、即ち絵柄領域であることを示す。また。白く塗りつぶされた検出画素は、A/D変換部161において「0」に変換された画素、即ち背景領域であることを示す。
【0059】
識別処理ルーチンにおいて、検出データの絵柄領域から文字領域、及び図柄領域を抽出し、記憶部166に記憶されているカード情報のテンプレートを参照することで、文字領域からカード50の文字情報50a、図柄領域からカード50の図柄情報50bを識別する。そして、識別された文字情報50a、及び図柄情報50bを基に、カード50のカード情報を識別する。
【0060】
なお、本実施の形態においては、カード50の長手方向に渡って検出データが取得されるようにされているが、これに限定されるものではなく、カード50において文字情報50a、及び図柄情報50bの印影が印された領域のみの検出データが取得されるようにされていてもよい。
【0061】
(メイン処理ルーチン)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンについて説明する。図6は、第1の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンのフロー図である。
【0062】
まず、制御部151は、カード枚数検出センサ27により保管部2にカードが所定枚数以上保管されているか否かを判別する(S1)。所定枚数以上保管されていないと判別した場合(S1:NO)には、カード補充信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力することで、ディーラーやホール管理者に対してカードが所定枚数以上保管されていない事を報知し(S2)、本処理ルーチンを終了する。
【0063】
一方、所定枚数以上保管されていると判別した場合(S1:YES)には、制御部151は、搬送終了端24にカード50が存在するか否かを判別する(S3)。搬送終了端24にカード50が存在すると判別した場合(S3:YES)には、S5の処理に移る。一方で、搬送終了端24にカードが存在しないと判別した場合(S3:NO)には、搬送機構21により、保管部2からカード50を搬送終了端24に搬送し(S4)、S5の処理に移る
【0064】
S5の処理では、制御部151は、カード検出センサ23bにより、カード50の移動が検出されたか否かを判別する。カード50の移動が検出されていないと判別した場合(S5:NO)には、S5の処理に戻る。一方で、カード50の移動が検出されたと判別した場合(S5:YES)には、制御部151は、後で図7を参照して説明する識別処理を行う(S6)。
【0065】
次に、制御部151は、S6の識別処理により識別されたカード50のカード情報を表すカード情報信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力するカード情報送信処理を行い(S7)、本処理ルーチンを終了する。
【0066】
(識別処理ルーチン)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンについて説明する。図7は、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンのフロー図である。
【0067】
まず、制御部151は、1ライン分の検出データを取得し(S31)、当該検出データを検出データ領域166aに格納する(S32)。次に、制御部151は、移動速度検出センサ26に基づいて、案内経路10においてカード50が所定距離だけ移動したか否かを判別する(S33)。所定距離だけ移動していないと判別した場合(S33:NO)には、S31の処理に戻る。一方、所定距離だけ移動したと判別した場合(S33:YES)には、検出データ領域166aに格納された検出データをワークデータ領域166bに転送する(S34)。
【0068】
次に、制御部151は、ワークデータ領域166bに格納された検出データの補正を行う(S35)。具体的には、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように補正を行う。
【0069】
次に、制御部151は、補正後の検出データから文字領域と図柄領域を抽出し(S36)、カード情報を識別する(S37)。具体的には、記憶部166に記憶されているカード情報のテンプレートを参照することで、文字領域からカード50の文字情報50a、図柄領域からカード50の図柄情報50bを識別する。そして、識別された文字情報50a、及び図柄情報50bを基に、カード50のカード情報を識別する。S37の処理が終わると、本処理ルーチンを終了する。
【0070】
(第1の実施形態の概要)
以上のように、第1の実施形態におけるカードシュー装置1は、カード50を保管する保管部2と、保管部2から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部(制御部)151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34とを備えている。
【0071】
上記の構成によれば、開口窓13と受光部32との間に、外乱光を遮断するフィルタ34が介在されている。従って、受光部32において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカード50から反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。
【0072】
また、第1の実施形態におけるカードシュー装置1は、フィルタ34が着脱可能にされている。上記の構成によれば、フィルタ34が着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じて変更することができる。従って、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタ34を取り付けることにより、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0073】
以上、本発明に係る第1の実施形態について説明をしたが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明に係る第1の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明に係る第1の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0074】
例えば、本発明に係る第1の実施形態においては、フィルタ34はフィルタ支持部33に支持されることによって、開口窓13と受光部32との間に介在されているが、これに限定されるものではなく、受光部32の上面に着脱可能にフィルタ34を貼り付けることで、フィルタ34を開口窓13と受光部32との間に介在させてもよい。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図8〜図12を参照して説明する。尚、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。第2の実施形態の構成が第1の実施形態と異なる点は、下記のとおりである。
【0076】
第2の実施形態に係るカードシュー装置は、案内経路中において、カードを制御部でカード情報を識別可能な一定速度で移動させる移動部を備えている。また、第2の実施形態に係るカードシュー装置は、搬送機構を有しておらず、保管部に保管されたカードは人手により引き出されるようにされている。またさらに、第2の実施形態において、カードの長手方向の両端部にバーコードが印刷されており、カードシュー装置は当該バーコードを認識し、認識結果をカード情報の識別に用いている。
【0077】
背景として、従来から、識別対象の画像情報を取得し、当該画像情報から文字等を識別する識別装置において、識別対象が移動速度を変化させながら移動している場合、取得した画像情報に伸縮が生じるため、文字等の識別精度が低下するという問題がある。
【0078】
カードシュー装置1においては、人手によって移動させられているカード50の検出画像を取得した場合に、当該検出画像に伸縮が生じているため、カード情報の識別精度が低下する可能性がある。
【0079】
そこで、第2の実施形態に係る発明は、上記の問題点に鑑みてされたものであり、引き出されたカードの案内経路中における移動速度の変化により、カード情報の識別精度が低下することを抑制することを目的とするものである。
【0080】
図8は、第2の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。図9は、図8のB−B断面図である。
【0081】
図8、及び図9に示すように、カードシュー装置1は、カバー部材19、底部材20、カード50を保管する保管部68、保管部68から引き出されたカード50をカード引出口55からカード排出端18まで案内する案内経路10、検出ユニット30、移動部60、及び表示部16を備えている。カバー部材19は、保管部2、及び制御基板150を覆うように底部材20に取り付けられている。
【0082】
保管部68の底部64は、図9に示すようにカード引出口55に向けて下傾斜する傾斜面である。保管部68内では、保管部68に保管されている複数のカード50は、台形のカード押部材66により、カード引出口55に向けて押され、前壁65に押しつけられている。なお、カード50は、当該カードの短手方向の端部のどちらか一方が底部64に接触し、カード50の表側が下になるように保管部68に保管されている。また、カード50の長手方向の両端部には、バーコード50cが印刷されている。バーコード50cは、カード情報を表すコード情報である。
【0083】
保管部68の前壁65には、引出窓65aが形成されており、ディーラーが、当該引出窓65aを介して、保管部68から一枚のカード50をカード引出口55まで引き出すことができるようにされている。
【0084】
カード引出口55には、カード検出センサ67、及びカード50を案内経路10に案内する案内ローラ69が設置されている。カード検出センサ67は、カード引出口55にカード50が存在するか否かを検出する。
【0085】
また、案内経路10中には、カード50を移動させる移動部60が設置されている。移動部60は、アクチュエータ駆動部156により回転駆動される駆動ローラ61と、回転自在に取り付けられた従動ローラ62とのローラ対63を複数有する。
【0086】
駆動ローラ61は、カードガイド面12に形成された溝部12aに設置されており、アクチュエータ駆動部156により回転駆動される。従動ローラ62は、ガイドレール11のガイド溝11aの溝に設置されている。また、駆動ローラ61、及び従動ローラ62のローラ幅は、ガイドレール11のガイド溝11aの溝の深さよりも少し短めに設定されている。
【0087】
カード50は、駆動ローラ61と従動ローラ62とで挟持されながら、案内経路10中を、カード引出口55からカード排出端18に向けて移動させられる。
【0088】
なお、カード50の移動速度が制御部151によりカード情報が識別可能な一定速度となるように、駆動ローラ61の回転速度は、アクチュエータ駆動部156により制御されている。
【0089】
(カードシュー装置1の電気的構成)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の電気的構成について、図10を参照して説明する。
【0090】
センサ入力部163は、移動速度検出センサ26、及びカード検出センサ67に接続されており、これらのセンサからの信号を制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。駆動出力部162は、アクチュエータ駆動部156に接続されており、カード検出センサ67により、カード引出口55にカード50の存在が検出された場合に、アクチュエータ駆動部156を介して駆動ローラ61を回転駆動させる。
【0091】
また、光源駆動部154は、カード検出センサ67で、カード引出口55にカード50が存在することが検出された場合に、赤外線の線状光が出射されるように検査光照射部31を駆動する。
【0092】
記憶部166のプログラム領域166cには、識別処理ルーチン等の各種のプログラム、カード情報のテンプレート、及びカード情報とバーコードのコード情報とが関連付けられたコードテーブル等の各種のデータを読み出し可能及び書換え可能に格納している。
【0093】
(カードシュー装置1の動作)
次に、カードシュー装置1の動作について説明する。まず、ディーラーにより、前壁65の引出窓65aを介して、保管部68から一枚のカード50がカード引出口55まで引き出されると、カード検出センサ67により、カード引出口55にカード50が存在することが検出される。カード検出センサ67により、カード50の存在が検出されると、光源駆動部154が検査光照射部31を駆動することで当該検査光照射部31から赤外線の線状光が開口窓13に向けて出射される。また、アクチュエータ駆動部156は、アクチュエータ駆動部156を介して駆動ローラ61を回転駆動させることで、カード引出口55に存在するカード50を、制御部151によりカード情報が識別可能な一定速度で案内経路10中を移動させる。
【0094】
検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を通り、案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射される。カード50に照射された赤外線の線状光の反射光は、開口窓13を通り、フィルタ34を介して受光部32の列状に複数配列された画素により受光される。
【0095】
受光部32の個々の画素で受光されたカード50の光量の大小は、受光変換部155により、一定時間ごとにアナログ値の電気信号へ変換され、一定時間毎に変換された1ライン分のアナログ値を、カード50の長手方向に沿って順にA/D変換部161に出力される。
【0096】
受光変換部155から出力された1ライン分のアナログ値は、A/D変換部161によりデジタルデータに変換され、記憶部166の検出データ領域166aに1ライン分の検出データとして一時的に記憶される。
【0097】
検出データ領域166aに一時的に記憶された検出データは、ワークデータ領域166bに転送され、演算部165において当該検出データのカード情報が識別される。
【0098】
演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、ホールコンピュータ200、及び表示部16に出力される。表示部16の表示装置17では、受信したカード情報信号が表すカード情報が表示される。
【0099】
以上のように、第2の実施形態に係るカードシュー装置1において、保管部68に保管されているカード50は、人手によりカード引出口55まで引き出される。従って、保管部68からカード引出口55までカード50を搬送する搬送機構等をカードシュー装置1に設ける必要がないので、カードシュー装置1を小型化することができる。
【0100】
(メイン処理ルーチン)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンについて説明する。図11は、第2の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンのフロー図である。
【0101】
まず、制御部151は、カード枚数検出センサ27により保管部2にカードが所定枚数以上保管されているか否かを判別する(S41)。所定枚数以上保管されていないと判別した場合(S41:NO)には、カード補充信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力することでディーラーやホール管理者に対してカード50が所定枚数以上保管されていない事を報知し(S42)、本処理ルーチンを終了する。
【0102】
一方、所定枚数以上保管されていると判別した場合(S41:YES)には、制御部151は、カード引出口55にカード50が存在するか否かを判別する(S43)。カード引出口55にカード50が存在しないと判別した場合(S43:NO)には、S43の処理に移る。一方で、カード引出口55にカード50が存在すると判別した場合(S43:NO)には、駆動ローラ61の回転駆動を開始する(S44)。なお、駆動ローラ61は、制御部151で前記カード情報を識別可能な一定速度で、カード50が案内経路10を移動するように、回転速度がアクチュエータ駆動部156により制御されている。次に、制御部151は、後で図12を参照して説明する識別処理を行う(S45)。
【0103】
次に、制御部151は、S45の識別処理により識別されたカード50のカード情報を表すカード情報信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力するカード情報送信処理を行う(S46)。なお、S45の処理において、後述する識別不能信号が、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力されている場合には、S46の処理は行われない。
【0104】
次に、駆動ローラ61の回転駆動を停止し(S47)、本処理ルーチンを終了する。
【0105】
(識別処理ルーチン)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンについて説明する。図12は、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンのフロー図である。
【0106】
まず、制御部151は、1ライン分の検出データを取得し(S51)、当該検出データを検出データ領域166aに格納する(S52)。次に、制御部151は、移動速度検出センサ26に基づいて、案内経路10においてカード50が所定距離だけ移動したか否かを判別する(S53)。所定距離だけ移動していないと判別した場合(S53:NO)には、S51の処理に戻る。一方、所定距離だけ移動したと判別した場合(S53:YES)には、検出データ領域166aに格納された検出データをワークデータ領域166bに転送する(S54)。
【0107】
次に、制御部151は、検出データから文字領域と図柄領域を抽出し(S55)、当該文字領域、及び図柄領域からカード情報を識別する(S56)。
【0108】
次に、制御部151は、検出データからバーコード領域を抽出し(S57)、抽出したバーコード領域のバーコード50cのコード情報を認識し、記憶部166のプログラム領域166cに記憶されているコードテーブルして、認識したコード情報が表すカード情報を識別する(S58)。
【0109】
次に、制御部151は、S56の処理において識別したカード情報と、S58の処理において識別したカード情報とが一致するか否かを判別する(S59)。一致すると判別した場合(S59:YES)には、本処理ルーチンを識別する。一方で、一致しないと判別した場合には、カード情報を識別することが出来なかったことを表す識別不能信号を、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力する識別不能信号出力処理を行ない(S60)、本処理ルーチンを終了する。なお、表示部16、及びホールコンピュータ200に識別不能信号が入力されると、表示部16、及びホールコンピュータ200において、ディーラーやホールの管理者に対して、カード情報を識別することが出来なかったことが報知される。
【0110】
このように、第2の実施形態において、カードシュー装置1は、検出データの文字領域、及び図柄領域を用いて識別したカード情報と、検出データのバーコード領域を用いて識別したカード情報とが一致した場合にのみ、当該カード情報を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力される態様にされている。従って、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力されるカード情報の正確性を向上させることができる。
【0111】
(第2の実施形態の概要)
以上のように、第2の実施形態におけるカードシュー装置1は、カード50を保管する保管部68と、保管部68から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別する制御部151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34と、引き出されたカード50を、制御部151でカード情報を識別可能な速度で案内経路10を移動させる移動部60を備えている。
【0112】
上記の構成によれば、開口窓13と受光部32との間に、外乱光を遮断するフィルタ34が介在されている。従って、受光部32において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカード50から反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。またさらには、引き出されたカード50が開口窓13を移動する速度は、制御部151でカード情報が識別可能な速度であるため、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0113】
また、第2の実施形態におけるカードシュー装置1において、移動部60は、引き出されたカード50を一定速度で案内経路10を移動させている。従って、引き出されたカード50の案内経路10中における移動速度の変化によって、カード情報の識別精度が低下することを抑制することができる。
【0114】
以上、本発明に係る第2の実施形態について説明をしたが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明に係る第2の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明に係る第2の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0115】
例えば、第2の実施形態におけるカードシュー装置1において、バーコード50cのコード情報は、カード50の赤外線の線状光の反射光を検出することによって認識している。しかし、本発明において、これに限定する必要はない。バーコード50cを、紫外線が当たると発色する紫外線発色インクで、カード50に印刷し、案内経路10中を移動させられているカード50のバーコード50cに紫外線を照射する紫外線ランプと、カード50の紫外線の反射光を受光する紫外線受光部を検出ユニット30に設けることによって、バーコード50cのコード情報を認識するようにされていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 カードシュー装置
2 保管部
10 案内経路
13 開口窓
18 カード排出端
31 検査光照射部
32 受光部
34 フィルタ
60 移動部
68 保管部
151 制御部(カード情報識別部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードのカード情報を識別するカードシュー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
「ブラックジャック」などのテーブルカードゲームが行われるカジノにおいて、通常、ゲームテーブルにはカードシュー装置が設けられており、プレイヤーに配られるカードは、このカードシュー装置から取り出される。従来、このようなカードシュー装置において、米国特許第7407438号明細書、米国特許第5356145号明細書、米国特許第5362053号明細書、米国特許第5470079号明細書、米国特許第5586766号明細書、米国特許第5586936号明細書、米国特許第5613912号明細書、米国特許第5669816号明細書、米国特許第5722893号明細書、米国特許第5941769号明細書、米国特許第6039650号明細書に開示されているように、赤外線レーザ等の検査光を用いて、取り出されるカードのカード情報を識別するカードシュー装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第7407438号明細書
【特許文献2】米国特許第5356145号明細書
【特許文献3】米国特許第5362053号明細書
【特許文献4】米国特許第5470079号明細書
【特許文献5】米国特許第5586766号明細書
【特許文献6】米国特許第5586936号明細書
【特許文献7】米国特許第5613912号明細書
【特許文献8】米国特許第5669816号明細書
【特許文献9】米国特許第5722893号明細書
【特許文献10】米国特許第5941769号明細書
【特許文献11】米国特許第6039650号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように赤外線レーザ等の検査光を用いてカードのカード情報を識別した場合、照明などの外乱光の影響を受けて、識別精度が低下するという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、カードのカード情報を精度良く識別することが可能なカードシュー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカードシュー装置は、カードを保管する保管部と、前記保管部から引き出された前記カードを、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端まで案内する案内経路と、前記案内経路中に形成された開口窓と、前記引き出されたカードに向けて、前記開口窓を介して検査光を照射する検査光照射部と、前記引き出されたカードから反射する前記検査光を受光する受光部と、前記受光部で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部と、前記開口窓と前記受光部との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタとを備えていることを特徴とする。
【0007】
上記の構成によれば、開口窓と受光部との間に、外乱光を遮断するフィルタが介在されている。従って、受光部において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカードから反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。
【0008】
また、本発明のカードシュー装置においては、前記フィルタが着脱可能にされていてもよい。上記の構成によれば、フィルタが着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じて変更することができる。従って、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタを取り付けることにより、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0009】
また、本発明のカードシュー装置においては、前記引き出されたカードを、前記カード情報識別部で前記カード情報を識別可能な速度で前記案内経路を移動させる移動部を更に備えていてもよい。上記の構成によれば、引き出されたカードが開口窓を移動する速度は、カード情報識別部でカード情報が識別可能な速度であるため、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0010】
また、本発明のカードシュー装置において、前記移動部は、前記引き出されたカードを一定速度で前記案内経路を移動させてもよい。上記の構成によれば、引き出されたカードは案内経路を一定速度で移動される。従って、引き出されたカードの案内経路中における移動速度の変化によって、カード情報の識別精度が低下することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、カードのカード情報を精度良く識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の表示部の取付位置について説明する説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の電気的構成図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカードシュー装置の検出データを示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るメイン処理ルーチンのフロー図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る識別処理ルーチンのフロー図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係るカードシュー装置の電気的構成図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るメイン処理ルーチンのフロー図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る識別処理ルーチンのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明のカードシュー装置に係る第1の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。なお。カードシュー装置1の外側の形状に関しては、略一般的な従来のカードシュー装置に倣っている。
【0014】
図1は、第1の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。図2は、図1のA−A断面図である。
【0015】
図1に示すように、カードシュー装置1は、カジノ等に設置されたゲームテーブル100上に設けられている。
【0016】
図1、及び図2に示すように、カードシュー装置1は、カバー部材19、底部材20、カード50を保管する保管部2、保管部2から引き出されたカード50をカード排出端18まで案内する案内経路10、検出ユニット30、及び表示部16を備えている。カバー部材19は、保管部2、並びに後述する搬送機構21、及び制御基板150を覆うように底部材20に取り付けられている。
【0017】
保管部2は、複数枚のカード50を積み重ねて保管している。なお、保管部2に保管されているカード50は、カードの表側が下になるように保管されている。また、保管部2は、保管部2に保管されているカード50の枚数を検出する図示しないカード枚数検出センサ27を有している。
【0018】
図1に示すように、案内経路10は、カードガイド面12を有している。カードガイド面12は、後述する搬送終了端24とカード排出端18とを結ぶ傾斜面である。また、カードガイド面12には、カード50の長手方向の長さよりも少し長めの幅を有する開口窓13が形成されている。カードガイド面12の両側縁部にはガイド溝11aを有するガイドレール11が形成されている。ガイドレール11のガイド溝11aの幅は、カード50一枚の厚さよりも少し大きめに設定されている。なお、開口窓13にガラス等よりなる透明板が嵌め込まれていてもよい。
【0019】
カードガイド面12及びガイドレール11により、搬送終了端24に配置されたカード50は、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18までの移動が案内される。なお、搬送終了端24からカード排出端18までのカード50の移動は、人手(ディーラー)により行われる。また、案内経路10には図示しない移動速度検出センサ26が設けられており、案内経路10中を移動されるカード50の移動速度を検出可能にされている。
【0020】
カバー部材19の側壁には、検出ユニット30を差し込むための差込口15が開設されている。検出ユニット30を差込口15に差し込むことで、検出ユニット30と後述の制御基板150とをデータ通信可能に接続させることができる。
【0021】
また、カバー部材19の両側壁には、図示しない鉤状部が形成されている。表示部16には、図示しない舌片部が形成されており、カバー部材19の鉤状部と係合することができるようにされている。このように構成されていることにより、図3に示すように、カバー部材19の両側面のどちら側でも表示部16を取り付けることが可能にされている。これにより、ディーラーの利き腕に応じて、表示部16の取付位置を変更させることができる。
【0022】
表示部16は、表示装置17を有している。表示装置17には、後述するカード情報識別部(制御部)151により識別されたカード情報が表示される。
【0023】
ここで、カード情報とは、図1に示すように、カード50における文字情報50aと図柄情報50bとからなる、個々のカード固有の情報である。文字情報50aには、2〜10の数字、J(JACK)、Q(QUEEN)、K(KING)、及びA(ACE)で表わされる13の種類がある。また、図柄情報50bには、ハート、ダイヤモンド、クラブ、及びスペードで表わされる4つの種類がある。
【0024】
検出ユニット30は、検査光照射部31、受光部32、フィルタ支持部33、フィルタ34、及びこれらの部材を収容する収容部材35を備えている。検査光照射部31は、赤外線の線状光を開口窓13に向けて出射する装置である。検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を介して、人手により案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射される。
【0025】
受光部32は、カード50に照射された赤外線の反射光を受光する画素を複数有する素子であり、案内経路10中を移動されるカード50の長手方向に対して平行方向に当該画素が、列状に配列されている。
【0026】
収容部材35の対向する一対の側壁には、フィルタ34を着脱可能に支持するフィルタ支持部33が形成されている。フィルタ34は、可視光を遮断する可視光フィルタである。フィルタ34は、一対のフィルタ支持部33により支持されることで、開口窓13と受光部32との間に介在されることになるので、受光部32において受光される可視光の光量を低減することができる。
【0027】
このように、フィルタ34がフィルタ支持部33に対して着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタを取り付けることができる。
【0028】
図2に示すように、保管部2に保管されたカード50は、パスAに沿って、待機位置25を経て、搬送終了端24まで、搬送機構21により搬送される。搬送機構21は、搬送ローラ22とカード検出センサ23とを有している。搬送ローラ22は、後述するアクチュエータ駆動部156により、回転駆動が制御されている。
【0029】
搬送ローラ22は、引出ローラ22aと前段案内ローラ22bと後段案内ローラ22cとを有する。引出ローラ22aは、保管部2に保管されているカード50を一枚引き出し、待機位置25までの搬送を行う。前段案内ローラ22bは、引出ローラ22aにより引き出されたカード50の、待機位置25までの搬送、及びカード50の待機位置25から搬送終了端24までの搬送を行う。後段案内ローラ22cは、カード50の待機位置25から搬送終了端24までの搬送を行う。
【0030】
カード検出センサ23は、パスA沿いの任意の位置に配置されており、カード50の存在検出、及びカード50の移動を検出する。本実施の形態では、カード検出センサ23は、待機位置25、及び搬送終了端24にそれぞれ配置されている。
【0031】
搬送終了端24に配置されているカード検出センサ23bにより、カード50の存在が検出されていない場合には、アクチュエータ駆動部156は、カード検出センサ23bによりカードの存在が検出されるまで、前段案内ローラ22b、及び後段案内ローラ22cを回転駆動させる。
【0032】
また、待機位置25に配置されているカード検出センサ23aにより、カード50の存在が検出されていない場合には、アクチュエータ駆動部156は、カード検出センサ23aによりカード50の存在が検出されるまで、引出ローラ22a、及び前段案内ローラ22bを回転駆動させる。
【0033】
(カードシュー装置1の電気的構成)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の電気的構成について、図4を参照して説明する。
【0034】
カードシュー装置1は、図4に示すように、制御基板150、制御基板150に対して着脱可能にされた検出ユニット30、及び制御基板150と通信可能に接続された表示部16を備えている。
【0035】
制御基板150には、マイクロコンピュータ等で構成された制御部151と、検出ユニット30の検査光照射部31の赤外線の線状光の発光量を調整する光源調整部153と、検出ユニット30の検査光照射部31の赤外線の線状光を出射させる光源駆動部154と、検出ユニット30の受光部32で検出された光量をアナログ値の電気信号に変換する受光変換部155と、搬送ローラ22を回転駆動させるアクチュエータ駆動部156と、コネクタ157と、アンテナ171とが接続されている。光源駆動部154は、搬送終了端24に配置されているカード検出センサ23bでカード50の移動が検出された場合に、赤外線の線状光が出射されるように検査光照射部31を駆動する。
【0036】
上記の制御部151は、入出力部160とアナログ/デジタル(A/D)変換部161と駆動出力部162とセンサ入力部163と通信部164と演算部165と記憶部166とを有している。
【0037】
入出力部160は、上述の光源駆動部154と光源調整部153とに接続されている。入出力部160は、光源調整部153から入力された信号やデータを制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。また、入出力部160は、制御部151からの信号を光源駆動部154に出力する。
【0038】
受光変換部155は、一定時間ごとに受光部32の個々の画素で受光されたカード50の濃淡情報、即ち光量の大小を、アナログ値の電気信号へ変換(光電交換)し、当該アナログ値を順にA/D変換部161へ出力する。
【0039】
A/D変換部161は、受光変換部155から出力された1ライン分の画素のアナログ値をデジタルデータに変換し、記憶部166の検出データ領域166aに出力する。具体的には、A/D変換部161は、任意の閾値に応じて、アナログ値を「0」か「1」かの2階調に変換する2値化処理を行う。これにより、カード50を背景領域と図柄情報50bや文字情報50aなどの絵柄領域とに分けることができる。なお、本実施の形態においては、絵柄領域は「1」、背景領域は「0」に対応するようにA/D変換部161においてアナログ値が変換される。
【0040】
また、駆動出力部162は、アクチュエータ駆動部156に接続されており、アクチュエータ駆動部156を介して搬送ローラ22を回転駆動可能にされている。センサ入力部163は、カード検出センサ23、移動速度検出センサ26、及びカード枚数検出センサ27に接続されており、これらのセンサからの信号を制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。
【0041】
記憶部166は、検出データ領域166a、ワークデータ領域166b、及びプログラム領域166cを有している。検出データ領域166aは、A/D変換部161から出力されたデジタルデータを検出データとして一時的に格納する領域として使用される。ワークデータ領域166bは、検出データ領域166aの検出データが転送される領域であり、検出データに基づいたカード情報の識別処理に使用される。プログラム領域166cは、識別処理ルーチン等の各種のプログラム、及びカード情報のテンプレート等の各種のデータを読み出し可能及び書換え可能に格納している。尚、プログラム領域166cは、書換え不能にされていてもよい。
【0042】
演算部165は、上記の識別処理ルーチン等の各種プログラムを実行可能にされており、カード50のカード情報を識別可能にされている。また、演算部165では、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように、検出データの補正が行われる。
【0043】
通信部164は、コネクタ157を介して、ホールコンピュータ200とデータ通信可能に接続されており、演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号をホールコンピュータ200に出力する。また、通信部164は、カード枚数検出センサ27により検出される保管部2に保管されているカード50の枚数が、所定の枚数以下となった場合に、カード50の補充を促すカード補充信号をホールコンピュータ200に出力する。
【0044】
変復調部175は、アンテナ171に接続されている。変復調部175は、データを制御部151における情報処理に適した信号形態から、アンテナ171を介したデータ通信に適した信号形態に変換する変調機能と、データ通信の信号形態から制御部151における情報処理の信号形態に変換する復調機能とを有している。
【0045】
カード補充信号、及び演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、変復調部175、及びアンテナ171を介して表示部16へ出力される。
【0046】
検出ユニット30は、検査光照射部31、及び受光部32を有している。検査光照射部31は光源駆動部154に対して、光源駆動部コネクタ173を介して着脱可能に接続されている。受光部32は、受光変換部155に対して、受光変換部コネクタ172を介して着脱可能に接続されている。
【0047】
表示部16は、表示装置17、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU40、変復調部41、アンテナ42、及び記憶部43を備えている。
【0048】
変復調部41は、アンテナ42に接続されている。変復調部41は、データをCPU40における情報処理に適した信号形態から、アンテナ42を介したデータ通信に適した信号形態に変換する変調機能と、データ通信の信号形態からCPU40における情報処理の信号形態に変換する復調機能とを有している。
【0049】
記憶部43には、カード情報信号と表示装置17に表示するカード情報の表示画像とが関係づけられたカード情報対応テーブル等の各種のデータが記憶されている。CPU40は、アンテナ42、及び変復調部41を介してカード情報信号を受信した場合には、カード情報対応テーブルを参照し、当該カード情報信号が表すカード情報を、ディーラーが識別することができるように表示装置17に表示する。また、CPU40は、アンテナ42、及び変復調部41を介してカード補充信号を受信した場合には、ディーラーにカード50の補充を促す画像を表示装置17に表示する。
【0050】
(カードシュー装置1の動作)
次に、カードシュー装置1の動作について説明する。まず、搬送終了端24にカード50が存在しない場合、搬送機構21により保管部2からカード50を搬送終了端24まで搬送する。ディーラーにより、搬送終了端24に存在するカード50が案内経路10中を、当該カード50の短手方向へ移動させられると、カード検出センサ23bによりカード50の移動を検出し、光源駆動部154が検査光照射部31を駆動することで当該検査光照射部31から赤外線の線状光が開口窓13に向けて出射される。また、移動速度検出センサ26により案内経路10中を移動するカード50の移動速度が検出される。
【0051】
検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を通り、案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射(1ライン分の領域に照射)される。カード50に照射された赤外線の線状光の反射光は、開口窓13を通り、フィルタ34を介して受光部32の列状に複数配列された画素により受光される。
【0052】
受光部32の個々の画素で受光されたカード50の光量の大小は、受光変換部155により、一定時間ごとにアナログ値の電気信号へ変換される。そして、一定時間毎に変換された1ライン分のアナログ値は、カード50の長手方向に沿って順にA/D変換部161に出力される。
【0053】
受光変換部155から出力された1ライン分のアナログ値は、A/D変換部161によりデジタルデータに変換され、記憶部166の検出データ領域166aに1ライン分の検出データとして一時的に記憶される。
【0054】
なお、カード50は、ディーラーにより当該カード50の短手方向へ移動させられているので、カード50の長手方向に渡って(1ライン分の領域に照射)照射される赤外線の線状光のカード上の照射位置は、カード50の短手方向へ移動させられる。従って、カード50の長手方向(1ライン分)の検出データを繰り返し取得(カード50の1次元の画像情報を繰り返し取得)することにより、カード50の2次元の画像情報を取得することができる。
【0055】
検出データ領域166aに一時的に記憶された検出データは、ワークデータ領域166bに転送され、演算部165において当該検出データのカード情報が識別される。
【0056】
演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、ホールコンピュータ200、及び表示部16に出力される。表示部16の表示装置17では、受信したカード情報信号が表すカード情報が表示される。
【0057】
(検出データ)
次に図5を参照して、検出データについて説明する。なお、図5に示す検出データは、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように補正を行った後のデータである。
【0058】
図5中の検出データの縦方向は、カード50の長手方向を表し、横方向はカードの短手方向を示す。また、図中のマス目は検出画素を示す。なお、黒く塗りつぶされた検出画素は、A/D変換部161において「1」に変換された画素、即ち絵柄領域であることを示す。また。白く塗りつぶされた検出画素は、A/D変換部161において「0」に変換された画素、即ち背景領域であることを示す。
【0059】
識別処理ルーチンにおいて、検出データの絵柄領域から文字領域、及び図柄領域を抽出し、記憶部166に記憶されているカード情報のテンプレートを参照することで、文字領域からカード50の文字情報50a、図柄領域からカード50の図柄情報50bを識別する。そして、識別された文字情報50a、及び図柄情報50bを基に、カード50のカード情報を識別する。
【0060】
なお、本実施の形態においては、カード50の長手方向に渡って検出データが取得されるようにされているが、これに限定されるものではなく、カード50において文字情報50a、及び図柄情報50bの印影が印された領域のみの検出データが取得されるようにされていてもよい。
【0061】
(メイン処理ルーチン)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンについて説明する。図6は、第1の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンのフロー図である。
【0062】
まず、制御部151は、カード枚数検出センサ27により保管部2にカードが所定枚数以上保管されているか否かを判別する(S1)。所定枚数以上保管されていないと判別した場合(S1:NO)には、カード補充信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力することで、ディーラーやホール管理者に対してカードが所定枚数以上保管されていない事を報知し(S2)、本処理ルーチンを終了する。
【0063】
一方、所定枚数以上保管されていると判別した場合(S1:YES)には、制御部151は、搬送終了端24にカード50が存在するか否かを判別する(S3)。搬送終了端24にカード50が存在すると判別した場合(S3:YES)には、S5の処理に移る。一方で、搬送終了端24にカードが存在しないと判別した場合(S3:NO)には、搬送機構21により、保管部2からカード50を搬送終了端24に搬送し(S4)、S5の処理に移る
【0064】
S5の処理では、制御部151は、カード検出センサ23bにより、カード50の移動が検出されたか否かを判別する。カード50の移動が検出されていないと判別した場合(S5:NO)には、S5の処理に戻る。一方で、カード50の移動が検出されたと判別した場合(S5:YES)には、制御部151は、後で図7を参照して説明する識別処理を行う(S6)。
【0065】
次に、制御部151は、S6の識別処理により識別されたカード50のカード情報を表すカード情報信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力するカード情報送信処理を行い(S7)、本処理ルーチンを終了する。
【0066】
(識別処理ルーチン)
次に、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンについて説明する。図7は、第1の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンのフロー図である。
【0067】
まず、制御部151は、1ライン分の検出データを取得し(S31)、当該検出データを検出データ領域166aに格納する(S32)。次に、制御部151は、移動速度検出センサ26に基づいて、案内経路10においてカード50が所定距離だけ移動したか否かを判別する(S33)。所定距離だけ移動していないと判別した場合(S33:NO)には、S31の処理に戻る。一方、所定距離だけ移動したと判別した場合(S33:YES)には、検出データ領域166aに格納された検出データをワークデータ領域166bに転送する(S34)。
【0068】
次に、制御部151は、ワークデータ領域166bに格納された検出データの補正を行う(S35)。具体的には、移動速度検出センサ26により検出された、カード50の移動速度に基づいて、検出データにおいてカード50を表す領域の縦横比率と実際のカード50の縦横比率とが同一となるように補正を行う。
【0069】
次に、制御部151は、補正後の検出データから文字領域と図柄領域を抽出し(S36)、カード情報を識別する(S37)。具体的には、記憶部166に記憶されているカード情報のテンプレートを参照することで、文字領域からカード50の文字情報50a、図柄領域からカード50の図柄情報50bを識別する。そして、識別された文字情報50a、及び図柄情報50bを基に、カード50のカード情報を識別する。S37の処理が終わると、本処理ルーチンを終了する。
【0070】
(第1の実施形態の概要)
以上のように、第1の実施形態におけるカードシュー装置1は、カード50を保管する保管部2と、保管部2から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部(制御部)151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34とを備えている。
【0071】
上記の構成によれば、開口窓13と受光部32との間に、外乱光を遮断するフィルタ34が介在されている。従って、受光部32において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカード50から反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。
【0072】
また、第1の実施形態におけるカードシュー装置1は、フィルタ34が着脱可能にされている。上記の構成によれば、フィルタ34が着脱可能にされているので、外乱光の強さ度合に応じて変更することができる。従って、外乱光の強さ度合に応じた適切なフィルタ34を取り付けることにより、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0073】
以上、本発明に係る第1の実施形態について説明をしたが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明に係る第1の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明に係る第1の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0074】
例えば、本発明に係る第1の実施形態においては、フィルタ34はフィルタ支持部33に支持されることによって、開口窓13と受光部32との間に介在されているが、これに限定されるものではなく、受光部32の上面に着脱可能にフィルタ34を貼り付けることで、フィルタ34を開口窓13と受光部32との間に介在させてもよい。
【0075】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、図8〜図12を参照して説明する。尚、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。第2の実施形態の構成が第1の実施形態と異なる点は、下記のとおりである。
【0076】
第2の実施形態に係るカードシュー装置は、案内経路中において、カードを制御部でカード情報を識別可能な一定速度で移動させる移動部を備えている。また、第2の実施形態に係るカードシュー装置は、搬送機構を有しておらず、保管部に保管されたカードは人手により引き出されるようにされている。またさらに、第2の実施形態において、カードの長手方向の両端部にバーコードが印刷されており、カードシュー装置は当該バーコードを認識し、認識結果をカード情報の識別に用いている。
【0077】
背景として、従来から、識別対象の画像情報を取得し、当該画像情報から文字等を識別する識別装置において、識別対象が移動速度を変化させながら移動している場合、取得した画像情報に伸縮が生じるため、文字等の識別精度が低下するという問題がある。
【0078】
カードシュー装置1においては、人手によって移動させられているカード50の検出画像を取得した場合に、当該検出画像に伸縮が生じているため、カード情報の識別精度が低下する可能性がある。
【0079】
そこで、第2の実施形態に係る発明は、上記の問題点に鑑みてされたものであり、引き出されたカードの案内経路中における移動速度の変化により、カード情報の識別精度が低下することを抑制することを目的とするものである。
【0080】
図8は、第2の実施形態に係るカードシュー装置について説明する説明図である。図9は、図8のB−B断面図である。
【0081】
図8、及び図9に示すように、カードシュー装置1は、カバー部材19、底部材20、カード50を保管する保管部68、保管部68から引き出されたカード50をカード引出口55からカード排出端18まで案内する案内経路10、検出ユニット30、移動部60、及び表示部16を備えている。カバー部材19は、保管部2、及び制御基板150を覆うように底部材20に取り付けられている。
【0082】
保管部68の底部64は、図9に示すようにカード引出口55に向けて下傾斜する傾斜面である。保管部68内では、保管部68に保管されている複数のカード50は、台形のカード押部材66により、カード引出口55に向けて押され、前壁65に押しつけられている。なお、カード50は、当該カードの短手方向の端部のどちらか一方が底部64に接触し、カード50の表側が下になるように保管部68に保管されている。また、カード50の長手方向の両端部には、バーコード50cが印刷されている。バーコード50cは、カード情報を表すコード情報である。
【0083】
保管部68の前壁65には、引出窓65aが形成されており、ディーラーが、当該引出窓65aを介して、保管部68から一枚のカード50をカード引出口55まで引き出すことができるようにされている。
【0084】
カード引出口55には、カード検出センサ67、及びカード50を案内経路10に案内する案内ローラ69が設置されている。カード検出センサ67は、カード引出口55にカード50が存在するか否かを検出する。
【0085】
また、案内経路10中には、カード50を移動させる移動部60が設置されている。移動部60は、アクチュエータ駆動部156により回転駆動される駆動ローラ61と、回転自在に取り付けられた従動ローラ62とのローラ対63を複数有する。
【0086】
駆動ローラ61は、カードガイド面12に形成された溝部12aに設置されており、アクチュエータ駆動部156により回転駆動される。従動ローラ62は、ガイドレール11のガイド溝11aの溝に設置されている。また、駆動ローラ61、及び従動ローラ62のローラ幅は、ガイドレール11のガイド溝11aの溝の深さよりも少し短めに設定されている。
【0087】
カード50は、駆動ローラ61と従動ローラ62とで挟持されながら、案内経路10中を、カード引出口55からカード排出端18に向けて移動させられる。
【0088】
なお、カード50の移動速度が制御部151によりカード情報が識別可能な一定速度となるように、駆動ローラ61の回転速度は、アクチュエータ駆動部156により制御されている。
【0089】
(カードシュー装置1の電気的構成)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の電気的構成について、図10を参照して説明する。
【0090】
センサ入力部163は、移動速度検出センサ26、及びカード検出センサ67に接続されており、これらのセンサからの信号を制御部151での情報処理に適した状態に変換して取り込むことを可能にしている。駆動出力部162は、アクチュエータ駆動部156に接続されており、カード検出センサ67により、カード引出口55にカード50の存在が検出された場合に、アクチュエータ駆動部156を介して駆動ローラ61を回転駆動させる。
【0091】
また、光源駆動部154は、カード検出センサ67で、カード引出口55にカード50が存在することが検出された場合に、赤外線の線状光が出射されるように検査光照射部31を駆動する。
【0092】
記憶部166のプログラム領域166cには、識別処理ルーチン等の各種のプログラム、カード情報のテンプレート、及びカード情報とバーコードのコード情報とが関連付けられたコードテーブル等の各種のデータを読み出し可能及び書換え可能に格納している。
【0093】
(カードシュー装置1の動作)
次に、カードシュー装置1の動作について説明する。まず、ディーラーにより、前壁65の引出窓65aを介して、保管部68から一枚のカード50がカード引出口55まで引き出されると、カード検出センサ67により、カード引出口55にカード50が存在することが検出される。カード検出センサ67により、カード50の存在が検出されると、光源駆動部154が検査光照射部31を駆動することで当該検査光照射部31から赤外線の線状光が開口窓13に向けて出射される。また、アクチュエータ駆動部156は、アクチュエータ駆動部156を介して駆動ローラ61を回転駆動させることで、カード引出口55に存在するカード50を、制御部151によりカード情報が識別可能な一定速度で案内経路10中を移動させる。
【0094】
検査光照射部31から出射された赤外線の線状光は、開口窓13を通り、案内経路10中を移動させられているカード50の長手方向に渡って照射される。カード50に照射された赤外線の線状光の反射光は、開口窓13を通り、フィルタ34を介して受光部32の列状に複数配列された画素により受光される。
【0095】
受光部32の個々の画素で受光されたカード50の光量の大小は、受光変換部155により、一定時間ごとにアナログ値の電気信号へ変換され、一定時間毎に変換された1ライン分のアナログ値を、カード50の長手方向に沿って順にA/D変換部161に出力される。
【0096】
受光変換部155から出力された1ライン分のアナログ値は、A/D変換部161によりデジタルデータに変換され、記憶部166の検出データ領域166aに1ライン分の検出データとして一時的に記憶される。
【0097】
検出データ領域166aに一時的に記憶された検出データは、ワークデータ領域166bに転送され、演算部165において当該検出データのカード情報が識別される。
【0098】
演算部165において識別されたカード情報を表すカード情報信号は、ホールコンピュータ200、及び表示部16に出力される。表示部16の表示装置17では、受信したカード情報信号が表すカード情報が表示される。
【0099】
以上のように、第2の実施形態に係るカードシュー装置1において、保管部68に保管されているカード50は、人手によりカード引出口55まで引き出される。従って、保管部68からカード引出口55までカード50を搬送する搬送機構等をカードシュー装置1に設ける必要がないので、カードシュー装置1を小型化することができる。
【0100】
(メイン処理ルーチン)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンについて説明する。図11は、第2の実施形態に係るカードシュー装置1のメイン処理ルーチンのフロー図である。
【0101】
まず、制御部151は、カード枚数検出センサ27により保管部2にカードが所定枚数以上保管されているか否かを判別する(S41)。所定枚数以上保管されていないと判別した場合(S41:NO)には、カード補充信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力することでディーラーやホール管理者に対してカード50が所定枚数以上保管されていない事を報知し(S42)、本処理ルーチンを終了する。
【0102】
一方、所定枚数以上保管されていると判別した場合(S41:YES)には、制御部151は、カード引出口55にカード50が存在するか否かを判別する(S43)。カード引出口55にカード50が存在しないと判別した場合(S43:NO)には、S43の処理に移る。一方で、カード引出口55にカード50が存在すると判別した場合(S43:NO)には、駆動ローラ61の回転駆動を開始する(S44)。なお、駆動ローラ61は、制御部151で前記カード情報を識別可能な一定速度で、カード50が案内経路10を移動するように、回転速度がアクチュエータ駆動部156により制御されている。次に、制御部151は、後で図12を参照して説明する識別処理を行う(S45)。
【0103】
次に、制御部151は、S45の識別処理により識別されたカード50のカード情報を表すカード情報信号を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力するカード情報送信処理を行う(S46)。なお、S45の処理において、後述する識別不能信号が、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力されている場合には、S46の処理は行われない。
【0104】
次に、駆動ローラ61の回転駆動を停止し(S47)、本処理ルーチンを終了する。
【0105】
(識別処理ルーチン)
次に、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンについて説明する。図12は、第2の実施形態に係るカードシュー装置1の識別処理ルーチンのフロー図である。
【0106】
まず、制御部151は、1ライン分の検出データを取得し(S51)、当該検出データを検出データ領域166aに格納する(S52)。次に、制御部151は、移動速度検出センサ26に基づいて、案内経路10においてカード50が所定距離だけ移動したか否かを判別する(S53)。所定距離だけ移動していないと判別した場合(S53:NO)には、S51の処理に戻る。一方、所定距離だけ移動したと判別した場合(S53:YES)には、検出データ領域166aに格納された検出データをワークデータ領域166bに転送する(S54)。
【0107】
次に、制御部151は、検出データから文字領域と図柄領域を抽出し(S55)、当該文字領域、及び図柄領域からカード情報を識別する(S56)。
【0108】
次に、制御部151は、検出データからバーコード領域を抽出し(S57)、抽出したバーコード領域のバーコード50cのコード情報を認識し、記憶部166のプログラム領域166cに記憶されているコードテーブルして、認識したコード情報が表すカード情報を識別する(S58)。
【0109】
次に、制御部151は、S56の処理において識別したカード情報と、S58の処理において識別したカード情報とが一致するか否かを判別する(S59)。一致すると判別した場合(S59:YES)には、本処理ルーチンを識別する。一方で、一致しないと判別した場合には、カード情報を識別することが出来なかったことを表す識別不能信号を、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力する識別不能信号出力処理を行ない(S60)、本処理ルーチンを終了する。なお、表示部16、及びホールコンピュータ200に識別不能信号が入力されると、表示部16、及びホールコンピュータ200において、ディーラーやホールの管理者に対して、カード情報を識別することが出来なかったことが報知される。
【0110】
このように、第2の実施形態において、カードシュー装置1は、検出データの文字領域、及び図柄領域を用いて識別したカード情報と、検出データのバーコード領域を用いて識別したカード情報とが一致した場合にのみ、当該カード情報を表示部16、及びホールコンピュータ200に出力される態様にされている。従って、表示部16、及びホールコンピュータ200に出力されるカード情報の正確性を向上させることができる。
【0111】
(第2の実施形態の概要)
以上のように、第2の実施形態におけるカードシュー装置1は、カード50を保管する保管部68と、保管部68から引き出されたカード50を、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端18まで案内する案内経路10と、案内経路10中に形成された開口窓13と、引き出されたカード50に向けて、開口窓13を介して検査光を照射する検査光照射部31と、引き出されたカード50から反射する検査光を受光する受光部32と、受光部32で受光した検査光を基に、カード情報を識別する制御部151と、開口窓13と受光部32との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタ34と、引き出されたカード50を、制御部151でカード情報を識別可能な速度で案内経路10を移動させる移動部60を備えている。
【0112】
上記の構成によれば、開口窓13と受光部32との間に、外乱光を遮断するフィルタ34が介在されている。従って、受光部32において、外乱光の影響を受けずに、引き出されたカード50から反射する検査光のみを受光することができるので、カード情報を精度良く識別することができる。またさらには、引き出されたカード50が開口窓13を移動する速度は、制御部151でカード情報が識別可能な速度であるため、カード情報を精度良く識別することが可能となる。
【0113】
また、第2の実施形態におけるカードシュー装置1において、移動部60は、引き出されたカード50を一定速度で案内経路10を移動させている。従って、引き出されたカード50の案内経路10中における移動速度の変化によって、カード情報の識別精度が低下することを抑制することができる。
【0114】
以上、本発明に係る第2の実施形態について説明をしたが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明に係る第2の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明に係る第2の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0115】
例えば、第2の実施形態におけるカードシュー装置1において、バーコード50cのコード情報は、カード50の赤外線の線状光の反射光を検出することによって認識している。しかし、本発明において、これに限定する必要はない。バーコード50cを、紫外線が当たると発色する紫外線発色インクで、カード50に印刷し、案内経路10中を移動させられているカード50のバーコード50cに紫外線を照射する紫外線ランプと、カード50の紫外線の反射光を受光する紫外線受光部を検出ユニット30に設けることによって、バーコード50cのコード情報を認識するようにされていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 カードシュー装置
2 保管部
10 案内経路
13 開口窓
18 カード排出端
31 検査光照射部
32 受光部
34 フィルタ
60 移動部
68 保管部
151 制御部(カード情報識別部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードを保管する保管部と、
前記保管部から引き出された前記カードを、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端まで案内する案内経路と、
前記案内経路中に形成された開口窓と、
前記引き出されたカードに向けて、前記開口窓を介して検査光を照射する検査光照射部と、
前記引き出されたカードから反射する前記検査光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部と、
前記開口窓と前記受光部との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタとを備えていることを特徴とするカードシュー装置。
【請求項2】
前記フィルタが着脱可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のカードシュー装置。
【請求項3】
前記引き出されたカードを、前記カード情報識別部で前記カード情報を識別可能な速度で前記案内経路を移動させる移動部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のカードシュー装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記引き出されたカードを一定速度で前記案内経路を移動させることを特徴とする請求項3に記載のカードシュー装置。
【請求項1】
カードを保管する保管部と、
前記保管部から引き出された前記カードを、当該カードの一方面を接触させながらカード排出端まで案内する案内経路と、
前記案内経路中に形成された開口窓と、
前記引き出されたカードに向けて、前記開口窓を介して検査光を照射する検査光照射部と、
前記引き出されたカードから反射する前記検査光を受光する受光部と、
前記受光部で受光した検査光を基に、カード情報を識別するカード情報識別部と、
前記開口窓と前記受光部との間に介在し、外乱光を遮断するフィルタとを備えていることを特徴とするカードシュー装置。
【請求項2】
前記フィルタが着脱可能にされていることを特徴とする請求項1に記載のカードシュー装置。
【請求項3】
前記引き出されたカードを、前記カード情報識別部で前記カード情報を識別可能な速度で前記案内経路を移動させる移動部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載のカードシュー装置。
【請求項4】
前記移動部は、前記引き出されたカードを一定速度で前記案内経路を移動させることを特徴とする請求項3に記載のカードシュー装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−78450(P2011−78450A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230766(P2009−230766)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(598098526)株式会社ユニバーサルエンターテインメント (7,628)
【出願人】(507332387)アルゼゲーミングアメリカインク (176)
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