説明

カード用ステッカー

【課題】 カードの記録変更の際に剥離しても糊残りなどのベタベタ感や異物の付着などの汚れ感がなく、取り扱い時の感触が良好であり、記録変更のためカードを機械装置に挿入した場合にも該機械装置のトラブルをまねくことがないカード用ステッカーを提供する。
【解決手段】 表面に印刷面2を有する基板1と、該基板1の裏面に接着されて反対面に微細な発泡フォーム層4を有する吸盤シート3からなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカード及び磁気カード等に貼着して使用されるステッカーに関するものであり、前記カードの記録変更の際に、剥離しても糊残りなどのベタベタ感や汚れ感がなく、取り扱い時の感触が良好であり、さらに、記録変更用の機械装置に挿入した場合にも該機械装置のトラブルをまねくことがないカード用ステッカーに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、チャージ型の定期券及び乗車券など、記録を変更して使用する非接触型のICカード、その他、磁気カードが提供されている。それらのカードは、長期間使用すると表面が磨耗して表面に表示された情報が読みにくくなり、また、使用者が不快感を感じる場合があり、さらに、表面に表示された情報が第三者に盗み視されて個人情報が漏れるなどのおそれがあった。
【0003】
上記事情に鑑み、これまでに、カードの表面に透明の粘着シートを貼着してカードを効率よく保護する考案(実開平5−5835公報)が提供されている。
【0004】
さらに、カード表面の情報の盗み視などによる安全上の問題を回避し、カード表面の磨耗を防ぐとともに、カードを元の意匠とは異なる別の意匠に見せることができるカード用ステッカーが提案されている(実用新案登録第3139039号公報)。該カード用ステッカーは、表面に適宜絵柄、文字などが印刷されて裏面に再剥離性接着剤層が形成されている。
【特許文献1】実開平5−5835号公報
【特許文献2】登録実用新案第3139039号公報 前記粘着シート及びカード用ステッカーは、前記ICカード、その他、磁気カード等(以下単に「カード」という。)に貼着して使用されるものであった。
【0005】
そして、カードの記録変更の際には、該カードから前記カード用ステッカーが剥離されるが、該カード用ステッカーの裏面に再剥離性接着剤(以下単に「接着剤」という。)が使用されているために糊残りなどのベタベタ感や異物の付着などの汚れ感があり、取り扱い時の感触に問題があった。
【0006】
さらに、カード側に前記接着剤が移行することが考えられ、該カード側に前記接着剤が移行した状態で該カードを記録変更用の機械装置(以下単に「機械装置」という。)に挿入すると該機械装置のトラブルをまねくおそれがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記事情に鑑み、カードの記録変更の際に剥離しても糊残りなどのベタベタ感や異物の付着などの汚れ感がなく、取り扱い時の感触が良好なカード用ステッカーを提供しようとするものである。
【0008】
さらに、カードを前記機械装置に挿入した場合にも該機械装置のトラブルをまねくことがないカード用ステッカーを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のカード用ステッカーは、表面に印刷面を有する基板と、該基板の裏面に接着されて反対面に微細な発泡フォーム層を有する吸盤シートからなることを特徴とする(請求項1)。本発明によれば、カード面に対して前記微細な発泡フォーム層を有する吸盤シートが貼着される。
【0010】
すなわち、従来のように、接着剤は使用されない。したがって、カードから剥離した場合にも、糊残りなどのベタベタ感や異物の付着などの汚れ感がなく、取り扱い時の感触が良好である。このことは再貼着時も同様である。さらに、接着剤を使用するものではないため、カード側に接着剤が移行した場合に考えられる前記機械装置のトラブルの発生も防止される。
【0011】
本発明の実施の一形態は、カードに貼着したままではカードの機械装置への挿入が不可能となる厚さに形成したことを特徴とする(請求項2)。
【0012】
この実施の一形態によれば、ユーザーが、チャージなど、カードの記録変更のためにステッカーを貼着したままのカードを前記機械装置の挿入口に近づけた場合にすぐに、挿入が不可能であること及びステッカーを剥離すべきことに気付き、その後は、ステッカーを剥離して、カードのみを前記機械装置に挿入して目的を達成することができる。
【0013】
すなわち、不注意により、チャージ等の記録変更のために前記従来の粘着シートあるいはカード用ステッカーを貼着したままのカードを前記機械装置に挿入すると、前記粘着シート及びカード用ステッカーの表面に変更事項が表示されるという問題が発生するものである。
【0014】
さらに、前記機械装置への挿入時あるいは返還時に、前記粘着シートあるいはカード用ステッカーがカードから剥離するおそれがあり、該剥離した粘着シートあるいはカード用ステッカーが前記機械装置の内部に貼着したり、詰まったりして該機械装置の損傷などのトラブルを招くおそれがあった。この実施の一形態によれば上記問題及びトラブルの発生を防止することができる。
【0015】
本考案の他の実施の一形態は、前記ステッカーの厚さが、0.5〜1mmであることを特徴とする(請求項3)。この実施の一形態では、ステッカーの厚さが0.5mm以下の場合には、カードに貼着しても汎用されている記録変更用の機械装置に挿入される可能性があり、また、1mm以上ではかさばりが感じられ、定期券入れ、財布などに対する取り扱いが面倒になるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、カードの記録変更の際に剥離しても、糊残りなどのベタベタ感や異物の付着などの汚れ感がなく、取り扱い時の感触が良好である。さらに、接着剤を使用するものではないため、ガード側に接着剤が移行した場合に考えられる前記機械装置で発生するおそれのあるトラブルを防止することができる。
【0017】
さらに、実施の一形態によれば、カード用ステッカーを貼着したまま前記機械装置にカードを挿入することが防止される。したがって、カードのみが前記機械装置に挿入されて適正な記録変更が行われ前記機械装置で発生するおそれのあるトラブル等が二重に防止されるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は、拡大断面図である。図中、1は、表面2に新商品キャンペーン、キャラクターイラストなどを印刷表示した基板であり、3は、前記基板1の裏面に接着され、反対面に微細な発泡フォーム層4を有するアクリル樹脂等からなる吸盤シート材である。
【0019】
また、図中、5は、前記吸盤シート3の発泡フォーム層4に吸着された剥離紙、6は、前記基板1の表面2の印刷表示面を保護するポリプロピレン等の透明フィルムであり必要に応じて設けられる。
【0020】
前記本発明のカード用ステッカーは、図示しないカード面に対して前記微細な発泡フォーム層4を有する吸盤シート3が貼着されて使用される。
【0021】
また、前記本発明の実施の一形態では、前記剥離紙5を除き、前記基板1及び吸盤シート3、さらに、透明フィルム6の厚さSが0.5〜1mmの厚さに形成される。その結果、カード(図示せず)に貼着したままでは前記機械装置への挿入が不可能となるものである。
【0022】
前記本発明のカード用ステッカーの製造は、前記透明フィルム6を貼り合わせた基板1、前記吸盤シート3及び剥離紙5を重ね合わせて一体にした後、打ち抜き加工により容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、カード用ステッカーの断面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 基板
2 印刷面
3 吸盤シート部材
4 発泡フォーム層
5 剥離紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に印刷面を有する基板と、該基板の裏面に接着されて反対面に微細な発泡フォーム層を有する吸盤シートからなることを特徴とするカード用ステッカー。
【請求項2】
カードに貼着したままではカードの記録変更用の機械装置への挿入が不可能となる厚さに形成されてなることを特徴とする請求項1に記載のカード用ステッカー。
【請求項3】
前記厚さが0.5〜1mmであることを特徴とする請求項2に記載のカード用ステッカー。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−288765(P2009−288765A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272632(P2008−272632)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【基礎とした実用新案登録】実用新案登録第3143941号
【原出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(391061244)三光産業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】