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カード
説明

カード

【課題】真贋判定に磁気を読み取るための読取装置など、特別な装置を必要とせず、目視により真贋判定が可能な、また、透かし部分や光透過性を持つ特別なカード基材に限定されない、改竄防止効果の高いカードを提供する。
【解決手段】反射用回折構造形成層と、反射用回折構造形成層の回析構造面に設けられた反射層とを有するカード本体に、透過用回折構造形成層と、透過用回折構造形成層の回析構造面に設けられた透明反射層とを有する表面シートが積層されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに関するものである。特には、改竄防止機能を有するカードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、代金などの支払をクレジットカード・キャッシュカードなどにより行うことが一般化してきている。そして、使用に際しては、カードが偽造・改竄されたりしていないかを判断する必要がある。
【0003】
そこで、カードに取り付ける事により一目で容易に真贋を判定することが可能であり、取り扱いも容易である事から回折格子パターンが記録された回折構造形成層を設けたホログラムカードが偽造改竄防止のために広く使われるようになった。
【0004】
しかし、この回折構造形成層もカード基体から剥して、別のカード基体の当該位置に貼着すれば、外観上正当なカードのように見えてしまい、この偽造・改竄されたカードが使用されてしまう恐れがある。
【0005】
このような偽造や改竄されたカードが使用されないように、カード基体の表面に、保護層、ホログラム形成層、光反射層、接着層からなり、かつ、保護層、ホログラム形成層、接着層の少なくとも1つの層に磁気ファイバーを含むホログラム層を貼着したカードがある。
【0006】
そして、このホログラム層に磁気ファイバー読み取りヘッドを走行させることにより出力波形を生成し、出力波形をカード基体が保持するID情報に基づいたID信号と比較することにより、カードの真偽を判定する真偽判定方法がある(特許文献1)。
【0007】
また、光が入射して発生する回折光が正面側から入射した場合と裏面側から入射した場合とで別の回折光を発生させる多重記録されている回折構造が形成されている回折構造形成層を設けた転写箔がある。
【0008】
この転写箔を用いて、透かし部分や光透過性を持つカードなどの被転写基材に回折構造形成層を設け、その回折光と被転写基材の透かし模様とを同時に、もしくは被転写基材の角度を変える事によってそれぞれ別々の回折光を、観察できることから、偽造防止効果の高い被転写物が得られる(特許文献2)。
【0009】
公知文献を以下に示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平6−239071号公報
【特許文献2】特開2008−83145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記、特許文献1においては、保護層、ホログラム形成層、接着層の少なくとも1つの層に磁気ファイバーを入れるだけであるので、カード自体の製造は特に困難を伴わないが、真贋判定に磁気を読み取るために読取装置が必要となり、店舗などでの手間や費用がかかる。
【0012】
また、特許文献2では、裏面からの光の入射が必要であり、透かし部分や光透過性を持つカードでなくてはならず、一般に用いられている非透明性のカードにはこの技術は用いることができず、用途が限られてしまう。
【0013】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたもので、真贋判定に特別な装置を必要とせず、また、特別なカード基材に限定されない、改竄防止効果の高いカードを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の請求項1に係る発明は、反射用回折構造形成層と、該反射用回折構造形成層の回析構造面に設けられた反射層とを有するカード本体に、透過用回折構造形成層と、該透過用回折構造形成層の回析構造面に設けられた透明反射層とを有する表面シートが積層されていることを特徴とするカードである。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカードは、カード本体と表面シートのそれぞれに回折構造形成層を設けてあるので、その層間距離によって合成されたホログラム画像が変化し、視覚効果が異なる。そのため、表面シート側の回折構造形成層を剥がして、再度貼着させると、カード本体と表面シートのそれぞれに設けられた回折構造形成層の層間距離が変化して、視覚効果に影響を与える。これにより、改竄したことがわかる。
【0016】
よって、本発明のカードは、真贋判定に特別な装置を必要とせず、また、特別なカード基材に限定されることがなく、改竄防止の効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明のカードの第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【図2】本発明のカードの第1の実施形態のカード本体と表面シートを貼り合わせる状態を断面で示した説明図である。
【図3】本発明のカードの第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【図4】本発明のカードの第1の実施形態のカード本体と表面シートを貼り合わせる状態を断面で示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施形態>
以下、本発明を実施するための第1の実施形態につき説明する。
図1は、本発明のカードの第1の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【0019】
第1の実施形態のカード100は、カード本体1に表面シート2が積層されている。
カード本体1には、反射用回折構造形成層11と反射用回折構造形成層11の回析構造面に反射層12が設けられている。
【0020】
反射層12は粘着層13を介して、コア基材14に積層され、コア基材14の粘着層13の反対面には、外装基材15が設けられていて、カード100の下側の最外層となっている。また、反射用回折構造形成層11の反射層12の反対面となる上側には、透明樹脂層16が設けられている。
【0021】
表面シート2には、透過用回折構造形成層21と該透過用回折構造形成層21の回析構造面に透明反射層22が設けられている。透明反射層22には、透過用回折構造形成層2
1と反対面に粘着層23が設けられ、粘着層23により、表面シート2はカード本体1と積層されている。
【0022】
透過用回折構造形成層21の透明反射層22と反対面には、剥離性保護層24が設けられていて、カード100の上側の最外層となっている。
【0023】
このような、構造になっているので、カード100は、表面シート2の透明反射層22を透過して、カード本体1の反射層12で反射した光と、表面シート2の透明反射層22で反射した光により、特有の視覚効果が得られる。
【0024】
そのために、透明反射層22と反射層12の間隔は、125μmから130μmにするのが好ましい。この範囲にすることによって、特有の視覚効果が明確に現れる。
【0025】
この、表面シート2の透明反射層22を例えば、粘着層23の層間で剥離させて、再度貼着させたりすれば、表面シート2の透明反射層22とカード本体1の反射層12の距離が変わったり、位置の関係が変わる。
【0026】
そうすると、表面シート2の透明反射層22を透過して、カード本体1の反射層12で反射した光と、表面シート2の透明反射層22で反射した光が、それぞれ、別の位置での反射になったりして、別の視覚効果となる。
【0027】
すなわち、回析の起点が変わる事により、アウトプットの色調に変化が生ずる。特に再貼着した表面シート2の部分とその周囲との境界部位は特に色調の変化が大きく、その境界部位が強調される。
【0028】
この視覚効果の違いにより、改竄したことがわかる。よって、真贋判定に特別な装置を必要とすることなく、高い改竄防止の効果が得られる。
【0029】
次に、本実施形態のカード100の製造方法について説明する。
図2は、本発明のカードの第1の実施形態のカード本体と表面シートを貼り合わせる状態を断面で示した説明図である。
【0030】
カード本体1の製造方法は、まず、透明樹脂層16となる透明樹脂フィルムまたはシートに、回折構造形成用樹脂を塗布して反射用回折構造形成層11を設ける。次に、反射用回折構造形成層11面に、回析構造を表面に設けたスタンパーを押し付けてプレスし、反射用回折構造形成層11の表面に回析構造を設ける。
【0031】
この反射用回折構造形成層11の回析構造面に蒸着により反射層12を設け、この反射層12の面に粘着層13を塗布により設ける。
【0032】
この積層体の粘着層13の面を、外装基材15とコア基材14を重ねた、コア基材14面に重ねあわせ、透明樹脂層16側と外装基材15側より、密着するように加熱プレスして積層する。このようにして、カード本体1を作成する。
【0033】
表面シート2の製造方法は、まず、転写基材25を用意し、転写基材25に剥離性保護層24を塗布して設ける。この剥離性保護層24の面に、回折構造形成用樹脂を塗布して透過用回折構造形成層21を設ける。
【0034】
次に、透過用回折構造形成層21面に、回析構造を表面に設けたスタンパーを押し付けてプレスし、透過用回折構造形成層21の表面に回析構造を設ける。この透過用回折構造
形成層21の回析構造面に蒸着により透明反射層22を設け、この透過用回折構造形成層21の面に粘着層23を塗布により設ける。これにより、表面シート2が得られる。
【0035】
次に、図2のように、カード本体1の透明樹脂層16面に、表面シート2の粘着層23面を合わせて、圧着した後、表面シート2の転写基材25を剥離性保護層24の面より剥がして、本実施形態のカード100を製造する。
【0036】
尚、カード本体1を加熱プレスして製造してから、表面シート2を積層したが、透明樹脂層16、反射用回折構造形成層11、反射層12、粘着層13からなる積層体と、コア基材14と、外装基材15とを重ね合わせ、その透明樹脂層16面に表面シート2の粘着層23面を合わせて、圧着した後、表面シート2の転写基材25を剥離性保護層24の界面より剥がして、本実施形態のカード100を製造しても良い。
【0037】
<第2の実施形態>
以下本発明を実施するための第2の実施形態につき説明する。
図3は、本発明のカードの第2の実施形態を模式的に断面で示した説明図である。
【0038】
第2の実施形態のカード200は、カード本体3に表面シート4が積層されている。
カード本体3には、コア基材14に回析構造が設けられ、コア基材14が反射用回折構造形成層11を兼ねている。そして、反射用回折構造形成層11を兼ねたコア基材14の上面に設けられた回析構造面に反射層12が設けられている。
【0039】
反射層12の上面に粘着層13が設けられ、粘着層13を介し透明樹脂層16が設けられている。また、コア基材14(反射用回折構造形成層11を兼ねる)の反射層12の反対面となる下側には、外装基材15が設けられている。
【0040】
表面シート4には、透過用回折構造形成層21と該透過用回折構造形成層21の回析構造面に透明反射層22が設けられている。透明反射層22には、透過用回折構造形成層21と反対面に粘着層23が設けられ、粘着層23により、表面シート4はカード本体3と積層されている。
【0041】
透過用回折構造形成層21の透明反射層22と反対面には、剥離性保護層24が設けられていて、カード200の上側の最外層となっている。
【0042】
このような、構造になっているので、カード200は、表面シート4の透明反射層22を透過して、カード本体3の反射層12で反射した光と、表面シート4の透明反射層22で反射した光により、特有の視覚効果が得られる。
【0043】
この、表面シート4の透明反射層22を例えば、粘着層23の層間で剥離させて、再度貼着させたりすれば、表面シート4の透明反射層22とカード本体3の反射層12の距離が変わったり、位置の関係が変わる。
【0044】
そのために、透明反射層22と反射層12の間隔は、125μmから130μmにするのが好ましい。この範囲にすることによって、特有の視覚効果が明確に現れる。
【0045】
そうすると、表面シート4の透明反射層22を透過して、カード本体3の反射層12で反射した光と、表面シート4の透明反射層22で反射した光が、それぞれ、別の位置での反射になったりして、別の視覚効果となる。
【0046】
すなわち、回析の起点が変わる事により、アウトプットの色調に変化が生ずる。特に再
貼着した表面シート2の部分とその周囲との境界部位は特に色調の変化が大きく、その境界部位が強調される。
【0047】
この視覚効果の違いにより、改竄したことがわかる。よって、真贋判定に特別な装置を必要とすることなく、高い改竄防止の効果が得られる。
【0048】
次に、本実施形態のカード200の製造方法について説明する。
図4は、本発明のカードの第2の実施形態のカード本体と表面シートを貼り合わせる状態を断面で示した説明図である。
【0049】
カード本体3の製造方法は、まず、反射用回折構造形成層11を兼ねたコア基材14面に、回析構造を表面に設けたスタンパーを押し付けてプレスし、コア基材14(反射用回折構造形成層11を兼ねる)の表面に回析構造を設ける。
【0050】
このコア基材14(反射用回折構造形成層11を兼ねる)の回析構造面に蒸着により反射層12を設け、この反射層12の面に粘着層13を塗布により設ける。
【0051】
この積層体のコア基材14(反射用回折構造形成層11を兼ねる)側の面を外装基材15に重ね、粘着層13の面に透明樹脂層16の透明樹脂フィルムまたはシートを重ね合わせて、透明樹脂層16側と外装基材15側より、密着するように加熱プレスして積層する。このようにして、カード本体3を作成する。
【0052】
表面シート4の製造方法は、カード100の表面シート2の製造方法と同じである。すなわち、まず、転写基材25を用意し、転写基材25に剥離性保護層24を塗布して設ける。この剥離性保護層24の面に、回折構造形成用樹脂を塗布して透過用回折構造形成層21を設ける。
【0053】
次に、透過用回折構造形成層21面に、回析構造を表面に設けたスタンパーを押し付けてプレスし、透過用回折構造形成層21の表面に回析構造を設ける。この透過用回折構造形成層21の回析構造面に蒸着により透明反射層22を設け、この透過用回折構造形成層21の面に粘着層23を塗布により設ける。これにより、表面シート4が得られる。
【0054】
次に、図4のように、カード本体3の透明樹脂層16面に、表面シート4の粘着層23面を合わせて、圧着した後、表面シート4の転写基材25を剥離性保護層24の面より剥がして、本実施形態のカード200を製造する。
【0055】
尚、カード本体3を加熱プレスして製造してから、表面シート4を積層したが、透明樹脂層16を省略し、コア基材14(反射用回折構造形成層11を兼ねる)、反射層12、粘着層13からなる積層体と、外装基材15とを重ね合わせ、その粘着層13面に表面シート4の粘着層23面を合わせて、圧着した後、表面シート4の転写基材25を剥離性保護層24の界面より剥がして、本実施形態のカード200を製造しても良い。
【0056】
本発明に使用するコア基材14としては、芳香族ポリエステル系樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ、ポリ塩化ビニル樹脂などを主成分とする材料を使用することができる。
【0057】
芳香族ポリエステル系樹脂としては、ポリエチエンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどを用いることができる。
【0058】
非晶性共重合ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂においてエ
チレングリコール成分の10〜70モル%をシクロヘキサンジメタノールに置換してなる共重合物が挙げられる。
【0059】
具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとシクロヘキサンメタノールの脱水縮合体であるポリエステル樹脂(商品名:PETG、イーストマンケミカル社製)が商業的に入手可能なものとして挙げられる。
【0060】
ポリマーアロイに使用するポリカーボネート樹脂は、種々のヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体である。
【0061】
外装基材15は、コア基材14を傷や磨耗から保護すると同時に、コア基材14を衝撃などで割れるのを防ぐ効果が求められる。また、カードの裏面に表示を行う場合、外装基材15に表示のための裏面印刷を行うことができる。
【0062】
外装基材15としては、コア基材14と同様の樹脂を主成分としたものが用いられ、ゴム系添加剤が配合されている混合樹脂を用いることが好ましい。非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂およびゴム系添加物を含む組成物を用いることが、特に好ましい。厚さは、40〜150μmの範囲が好ましい。
【0063】
ここで用いる、ゴム系添加物としては、アルキルアクリレートやアルキルメタアクリレートを主体とするアクリル系重合体やメタクリル系重合体、ブタジエンやイソプレンなどの共役ジエンを主体とするジエン系重合体、ポリオルガノシロキサンを主体とするシリコーン系重合体の一種又は二種以上の共重合体、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−スチレン樹脂、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂(以下、MBS樹脂と略す)、ブチルアクリレート−イソプレン−スチレン樹脂などがあり公知のものを用いることができる。特に、MBS樹脂が好ましい。
【0064】
上記以外のゴム系添加物としては、例えばブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムの水素化物、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−イソプレンゴムの水素化物などを挙げることができる。これらの上記ゴム性弾性体は、一種あるいは二種以上組み合わせて使用しても良い。
【0065】
透明樹脂層16にも、コア基材14と同様に芳香族ポリエステル系樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂、非晶性共重合ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のポリマーアロイ、ポリ塩化ビニル樹脂などの樹脂を主成分としたものが用いられる。これらの樹脂のいずれかを透明なフィルムやシートにして、用いることができる。
【0066】
コア基材14が反射用回折構造形成層11を兼ねないときの反射用回折構造形成層11や、透過用回折構造形成層21に用いる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂などを使用することができる。
【0067】
例えば、熱可塑性樹脂では、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂などが挙げられる。また、反応性水酸基を有するアクリルポリオールやポリエステルポリオールなどにポリイソシアネートを架橋剤として添加して架橋させたウレタン樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂などが使用できる。また、紫外線あるいは電子
線硬化性樹脂としては、エポキシ(メタ)アクリル、ウレタン(メタ)アクリレートなどが使用できる。
【0068】
反射用回折構造形成層11や透過用回折構造形成層21には、表面に回析構造が刻設されている。回析構造は、体積型回析格子でも良いが、第1と第2の実施形態では、レリーフ型回析格子を用いた。また、反射用回折構造形成層11や透過用回折構造形成層21の回析構造は、相互に視覚的にリンクするように構成されている。
【0069】
レリーフ型回折格子は、その表面に微細な凹凸パターンの形態で回折格子を記録したものであり、単層の場合には複数の画像を参照光や物体光の角度や照射される向きを変えて同一面に多重記録される。
【0070】
凹凸パターンは、例えば、二光束干渉法を使用して感光性樹脂の表面に互いに可干渉の2本の光線を照射してこの感光性樹脂表面に干渉縞を生成させ、この干渉縞を凹凸の形態で感光性樹脂に記録することで形成できる。
【0071】
尚、この二光束性干渉法によって形成された干渉縞も回折格子であり、この2本の光線の選択によって任意の立体画像を回折格子パターンとして記録することが可能である。また、観察する角度に応じて異なる画像(以下チェンジング画像と言う)が見られるように記録することも可能である。
【0072】
この感光性樹脂に回折格子パターンを記録させたものをマスター版とし、マスター版の表面に電気メッキ法で金属膜を形成することによって、レリーフ型マスター版の凹凸パターンを複製し、これをプレス版とする。
【0073】
そして、塗布などによって設けられた反射用回折構造形成層11や透過用回折構造形成層21の表面に微細な凹凸パターンを転写することにより、回折構造を形成することができる。凹凸パターンの空間周波数は、100〜2000本/mmで設けることが好ましい。
【0074】
透過用回折構造形成層21には、特開2008−83145に記載された、回析構造を形成しても良い。すなわち、ある一定範囲の角度にて色彩や画像を観察する事が可能な、もしくは観察する角度に応じて複数の異なる色彩や画像パターンを観察する事が可能な回折構造が形成されてなる回折構造形成層、及び、この回折構造形成層に入射して透過した光の一部を反射する透明反射層を有し、回折構造形成層に光が入射して発生する回折光がおもて側から入射した場合やうら側から入射した場合のどちらも回折光を発生させるよう多重記録されている回折構造を形成しても良い。この場合の凹凸パターンの空間周波数は、2000本/mm以上で設けることが好ましい。
【0075】
このような回折構造にすることによって、特有の視覚効果がさらに複雑になり、改竄したときの微妙な変化でも視覚効果が変化し、真贋判定がより確実になる。
【0076】
反射用回折構造形成層11の回析構造面に設ける反射層12としては、例えば、アルミニウム、銀、金、及びそれらの合金などの金属材料からなる金属層を使用することができる。そして、反射層12は、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。
【0077】
また、金属粉末を含むインキを印刷して反射層12の薄膜としても良い。この場合、粉末としては粒子径500nm以下のものが好ましく、薄膜の厚みは印刷後の光透過性を考慮して決定され、0.1〜20μmが好ましく、印刷方式としては、グラビア印刷法、フ
レキソ印刷法、スクリーン印刷法など、公知の印刷方法が利用できる。
【0078】
透明反射層22として高屈折率の透明薄膜を利用する事もできる。この透明薄膜には、透過用回折構造形成層21の屈折率より0.2以上大きい屈折率を有する透明な樹脂、金属、金属酸化物などの材料が好ましい。また、屈折率2.0以上の高屈折率材料が好ましい。
【0079】
このような透明高屈折率材料としては、例えば、Sb(屈折率n=3.0)、Fe(n=2.7)、TiO(n=2.6)、CdS(n=2.6)、CeO(n=2.3)、ZnS(n=2.3)、PbCl(n=2.3)、CdO(n=2.2)、Sb(n=2.0)、WO(n=2.0)、SiO(n=2.0)、Si(n=2.5)、In(n=2.0)、PbO(n=2.6)、Ta(n=2.4)、ZnO(n=2.1)、ZrO(n=2.0)、などが挙げられる。
【0080】
そして、真空製膜法を利用して薄膜を形成する事ができ、この場合、薄膜の厚みは5〜1000nm程度で良い。
【0081】
また、金属粉末や透明材料の粉末を含むインキを印刷して薄膜としても良い。この場合、粉末としては粒子径500nm以下のものが好ましく、薄膜の厚みは印刷後の光透過性を考慮して決定され、0.1〜20μmが好ましい。印刷方式としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法など、公知の印刷方法が利用できる。
【0082】
粘着層13、23は、その材料として、天然ゴム、スチレンーブタジエン重合体、ブタジエン重合体、クロロプレン共重合体などのジエン系弾性体、アクリル酸エステル共重合体、ビニルエーテル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのエチレニック系共重合体、ポリウレタン、シリコーン樹脂などの縮合系弾性体、ロジン、ロジンエステル、クマロインデン、ポリテルペン、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、石油炭化水素系樹脂、キシレン樹脂、エポキシ樹脂などの粘着付与樹脂、フタル酸エステル、リン酸エステル、塩化パラフィンなどの可塑剤、動・植物性油脂、鉱物油などの油脂類、共重合性モノマー、官能性モノマー、架橋剤などの粘着調整剤、老化防止剤、安定剤、着色剤などを適宜組み合わせたものが代表例として挙げられる。
【0083】
また、上記粘着層中に他層との離型性を付与するシリコーン化合物、ワックス類、界面活性剤、金属石鹸などを添加してもよい。
【0084】
転写基材25としては樹脂フィルムが使用できる。樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、耐熱ポリ塩化ビニルフィルムなどが使用できる。これらの樹脂の中で、耐熱性が高く厚みが安定しているポリエチレンテレフタレート樹脂フィルムが好ましく使用できる。
【0085】
また、これら樹脂フィルムに剥離層を設けたり、易接着処理を行ったりして剥離保護層2の剥離強度を調整したフィルムを転写基材25として利用する事もできる。また、帯電防止処理、マット加工、エンボス処理などの加工を施したフィルムも使用する事ができる。
【0086】
剥離性保護層24は、転写基材25と透過用回折構造形成層21の間に設けられていて、転写するときに、転写基材25との界面で容易に剥がすことができて、また、転写後は、カードの最上層となり、磨耗や傷などから透過用回折構造形成層21保護する層である。
【0087】
そして、剥離性保護層24としては、樹脂に滑剤を添加したものが使用できる。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、湿気硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などが使用できる。
【0088】
例えば、アクリル樹脂やポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂である。また、滑剤としてはポリエチレンパウダーや、カルナバロウなどのワックスを使用する事ができ、20重量部まで添加する事が可能である。これらは剥離保護層2として、支持体1上にグラビア印刷法やマイクログラビア印刷法など、公知の塗布方法によって形成される。
【符号の説明】
【0089】
100、200・・・カード
1、3・・・カード本体
2、4・・・表面シート
11・・・反射用回折構造形成層
12・・・反射層
13・・・粘着層
14・・・コア基材
15・・・外装基材
16・・・透明樹脂層
21・・・透過用回折構造形成層
22・・・透明反射層
23・・・粘着層
24・・・剥離性保護層
25・・・転写基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射用回折構造形成層と、該反射用回折構造形成層の回析構造面に設けられた反射層とを有するカード本体に、透過用回折構造形成層と、該透過用回折構造形成層の回析構造面に設けられた透明反射層とを有する表面シートが積層されていることを特徴とするカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−109266(P2013−109266A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255979(P2011−255979)
【出願日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】