説明

カーボンナノチューブ集合体及びその製造方法

【課題】 精製装置に装填する場合の詰め効率の向上と、粉塵の発生抑制によるハンドリング性の向上を図ることができると共に、バインダー等に添加した場合の分散性を飛躍的に向上と、不純物の確実な除去とを図ることができるカーボンナノチューブ集合体等の提供を目的とする。
【解決手段】 粒状であって、かさ密度が0.25g/cm以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体。粒径が1mm以上であることが望ましく、また、空隙率が80体積%以上であることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電池や電気二重層キャパシタの電極材料、走査トンネル顕微鏡の探針、導電性材料、或いは、樹脂やセラミックスの強化のための材料として用いられるカーボンナノチューブに関する。
【背景技術】
【0002】
上記カーボンナノチューブは炭素元素の六員環から成る網目を円筒状に巻き上げた構造をしており、カーボンナノチューブを構成するグラフェンシートの枚数(層数)により分別すると、単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブ(尚、層数が2層あるいは3層の場合は、各々2層カーボンナノチューブ、3層カーボンナノチューブと称されることも有る)に大別される。
【0003】
上記カーボンナノチューブは、繊維状の微小な粉末であるが、凝集性を有しているため、樹脂や溶剤に混合して使用する際に分散性が要求される。このような分散性に対して以下に示すような提案がされている。
(a)カーボンナノチューブを造粒して、形状が略球形である球状カーボンナノチューブ集合体を作製する提案(下記特許文献1参照)。
(b)カーボンナノチューブを造粒処理して形成されるカーボンナノチューブ集合体の見かけ密度を制御することにより、カーボンナノチューブの分散性を向上させる提案(下記特許文献2参照)。
(c)かさ密度が大きなナノ単位のカーボン材料についての提案(下記特許文献3参照)。
【0004】
また、上記カーボンナノチューブの合成方法としては、現在までに、アーク放電法、レーザー蒸発法、CVD法等が知られている。この中でも、上記アーク放電法は、上記レーザー蒸発法と比べてカーボンナノチューブを多量に合成でき、また、CVD法に比べて結晶性に優れるという特徴があるので、カーボンナノチューブの合成方法として期待されている。
【0005】
ここで、上記各種の方法で合成されたカーボンナノチューブでは、合成直後は不純物を多く含有している。このため、不純物を取り除くことにより、カーボンナノチューブのみを単離し、カーボンナノチューブの基礎的物性を向上させて広範な応用を図るためには、カーボンナノチューブを十分に精製することが必要となる。このような精製手段とし、各種の方法が知られているが、中でも、ドライ塩素で不純物を気化除去させる方法は簡単な設備で容易にスケールアップできる利点があり、低コストでカーボンナノチューブを量産するのに好適である。しかしながら、合成したカーボンナノチューブをそのまま精製すると、以下に示すような課題がある。
【0006】
(1)合成直後のカーボンナノチューブはかさ高いことに起因して、精製装置に装填する場合の詰め効率が悪くなる。
(2)カーボンナノチューブは極めて細い繊維状であるため、細かい粉塵が大量に発生しハンドリング性が低下する。
(3)カーボンナノチューブは、燃料電池用電極や複合材料など多くの用途が検討されているが、このような用途に用いられる場合には、樹脂やバインダー中にカーボンナノチューブを分散させた後に成形することが多い。ところが、カーボンナノチューブは極めて細い繊維状であるため、樹脂やバインダー中におけるカーボンナノチューブの分散性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−239531号公報
【特許文献2】特開2006−143532号公報
【特許文献3】特開2006−225245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、上記背景技術に記載した(a)〜(c)の技術では、以下に示すような課題を有している。
(a)の技術の課題
造粒することにより、精製装置に装填する場合の詰め効率の向上や、粉塵の発生を抑制することによるハンドリング性の向上を、ある程度図ることができる。ところが、造粒物のかさ密度について規定されていないので、バインダー等に添加した場合のカーボンナノチューブの分散性を飛躍的に向上させうるか否かが定かではない。加えて、造粒物のかさ密度について規定されていなければ、造粒物中の空間部の占める割合も不明であるため、カーボンナノチューブを十分に精製できるか否かが定かではない。
【0009】
(b)の技術の課題
上記(a)の場合と同様、造粒することについては記載されているが、造粒物のかさ密度について具体的に規定されていないので、カーボンナノチューブの分散性を飛躍的に向上させることができるか否か、及び、カーボンナノチューブを十分に精製できるか否かが定かではない。
【0010】
(c)の技術の課題
本提案ではかさ密度について記載されているものの、当該かさ密度は、造粒していないカーボンナノチューブ(粉体状のもの)のかさ密度である。したがって、当該カーボンナノチューブを造粒した後のかさ密度は不明であるため、カーボンナノチューブの分散性を飛躍的に向上させることができるか否か、及び、カーボンナノチューブを十分に精製できるか否かが定かではない。また、粉体状のものであるため、ハンドリング性が良好ではない。
【0011】
本発明は上記課題を考慮したものであって、精製装置に装填する場合の詰め効率の向上と、粉塵の発生抑制によるハンドリング性の向上を図ると共に、バインダー等に添加した場合の分散性の飛躍的な向上と、不純物の確実な除去とを図ることができるカーボンナノチューブ集合体等の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明は、粒状であって、かさ密度が0.25g/cm以下であることを特徴とする。
上記構成の如く、カーボンナノチューブ集合体が粒状であれば、粉塵の発生を抑制することができるので、ハンドリング性が向上し、且つ、ロータリーキルン等の連続処理炉での取り扱いも可能になるので、量産製造における効率化、低コスト化が可能になる。
【0013】
また、かさ密度が0.25g/cm以下に規制されているので、カーボンナノチューブ集合体内に適度な空間が存在する。したがって、精製処理する際に、各種ガス等との接触が十分になされるので、灰分を確実に除去でき、かつ、解砕性が高くなるので、各種溶媒やポリマー等への分散性が向上する。
加えて、かさ密度が0.01g/cm以上に規制されていることが好ましい。これにより、精製装置に装填する場合の詰め効率の向上を図ることができる。
尚、以上のことを考慮すれば、かさ密度が0.03g/cm以上0.20g/cm以下であることが特に望ましい。
【0014】
粒径が1mm以上であることが望ましい。
粒径が1mm未満である場合には、運搬等における取り扱い性が低下するからである。
また、粒径は20mm以下であることが望ましい。粒径が20mmを超えている場合には、粒子状の集合体が割れやすくなり、発塵してしまう可能性がある。さらに、粒子同士の間の空間が大きくなるため、精製装置に装填する場合の詰め効率を十分に向上させることができない場合がある。また、粒径は10mm以下であることがさらに好ましい。これにより、より割れ難く、また製造も容易になる。
【0015】
空隙率が80体積%以上であることが望ましい。
空隙率が80体積%未満になると、カーボンナノチューブ集合体内の空間が小さくなって、精製処理する際に、各種ガス等とカーボンナノチューブとの接触が十分になされず、灰分を十分に除去でないことがある。また、解砕性が低下して、各種溶媒やポリマー等への分散性が低下することもある。また、空隙率が90体積%以上であることが、上記の効果を得る上でより好ましい。
また、空隙率は99体積%以下であることが好ましい。空隙率が99体積%を超えると、カーボンナノチューブ集合体内の空間が大きくなり過ぎるため、粒子状の集合体が割れやすくなり、発塵しまう場合があり、さらに精製装置に装填する場合の詰め効率を十分に向上させることができない場合がある。
上記かさ密度、粒径、空隙率は、カーボンナノチューブ集合体複数個(10個程度)における平均値であればよい。
【0016】
未精製のカーボンナノチューブを、溶剤中に添加し撹拌した後、造粒し、乾燥を施すことにより、かさ密度が0.25g/cm以下である粒状のカーボンナノチューブ集合体を製造することを特徴とする。
このような製造方法により、上記カーボンナノチューブ集合体を製造できる。造粒物を乾燥させる際、造粒物を凝集させずに溶剤のみを除去することにより、かさ密度を低く保ったままの粒状のカーボンナノチューブ集合体を製造することできる。例えば、100℃以上の高温で急激に溶剤を除去しようとした場合には、造粒物の凝集が起こりやすく、かさ密度が大きくなってしまう可能性が高い。
【0017】
上記乾燥が凍結乾燥であることが望ましい。
凍結乾燥であれば、乾燥時のナノチューブの凝集を抑制しつつ、溶剤のみを短時間で除去できるため、カーボンナノチューブ集合体を短時間で作製することができ、カーボンナノチューブ集合体の高品質化と低コスト化とを図ることができる。
【0018】
上記溶剤が、水とメタノールとの混合溶剤であることが望ましい。
水とメタノールとの混合溶剤を用いれば、カーボンナノチューブの純度へ影響が小さく、しかも、気化除去が容易にできるので、精製効率が低下するのを抑止できる。
【0019】
上述の製造方法においては、空隙率が90体積%以上であることが望ましい。
【0020】
上述の方法で得られたカーボンナノチューブ集合体を高純度化処理(精製処理)することを特徴とする。
アモルファスカーボン等の不純物を含むカーボンナノチューブをそのまま造粒した後に高純度化処理すれば良いので(即ち、不純物を含むカーボンナノチューブを一旦高純度化処理した後に造粒する必要がないので)、高純度のカーボンナノチューブ集合体を容易に製造できる。
【0021】
上記高純度処理は、ハロゲンガス処理及び/又は酸素ガス処理であることが望ましい。
カーボンナノチューブ集合体を、ハロゲンガスや酸素ガスで乾式精製処理する場合には、カーボンナノチューブに損傷や切断が生じたり、カーボンナノチューブが塊状に固化するのを抑制しつつ、不純物を除去することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カーボンナノチューブを精製装置に装填する場合の詰め効率の向上と、粉塵の発生抑制によるハンドリング性の向上とを図ることができると共に、カーボンナノチューブをバインダー等に添加した場合の分散性を飛躍的に向上でき、且つカーボンナノチューブの不純物を確実に除去できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】カーボンナノチューブを製造する装置の説明図である。
【図2】ハロゲン処理装置の説明図である。
【図3】酸化処理装置の説明図である。
【図4】酸化処理装置に用いるルツボを示す図であって、同図(a)は縦断面図、同図(b)は側面図である。
【図5】本発明ナノチューブ集合体AをFE−SEM観察したときの写真である。
【図6】比較ナノチューブ集合体ZをFE−SEM観察したときの写真である。
【図7】本発明ナノチューブ集合体Aを溶剤に分散させたときの外観である。
【図8】比較ナノチューブ集合体Zを溶剤に分散させたときの外観である。
【図9】UV計にて吸収スペクトルを測定したときのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、この形態及び後述の実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
A.本形態で用いる装置
(カーボンナノチューブを製造する装置)
図1は、アーク放電法により、単層カーボンナノチューブを製造する装置(以下、カーボンナノチューブ製造装置と称するときがある)である。図1に示すように、当該カーボンナノチューブ製造装置は、上チャンバー1と下チャンバー2とを有しており、これら両チャンバー1、2は管路3により連通されている。上記下チャンバー2内には陽極4と陰極5とが対向するように配置されており、これら両極4、5間の距離L1は5mmとなるように配置されている。
【0026】
上記陽極4は、Ni(ニッケル):Y(イットリウム)=4.2:1.0mo1%の割合で含有した金属/炭素複合材料から成り、その形状は縦15mm×横15mm×長さ300mmの直方体形状を成している。また、上記陰極5は黒鉛から成り、直径30mm×長さ50mmの円柱状を成している。一方、上記上チャンバー1内にはコールドトラップ6が設けられており、このコールドトラップ6内には液体窒素を流すための管路(図示せず)が設けられている。そして、上記両極4、5間に電圧を印加することにより陽極4から炭素成分や金属(Ni、Y)が蒸発し、この蒸発物をコールドトラップ6で冷却することにより、上チャンバー1内に灰分を含んだ単層カーボンナノチューブ(チャンバー煤であって、以下、未精製のカーボンナノチューブと称するときがある)9が生成されることになる。
【0027】
(ハロゲン処理装置)
図2は、上記装置で製造された未精製のカーボンナノチューブを造粒した後のカーボンナノチューブ集合体を精製するための一工程を司るハロゲン処理装置を示す概念図である。図2に示すように、本実施例に係るハロゲン処理装置は、ステンレス製のチャンバー11の内側に炭素繊維フェルト断熱材層12を設け、その炭素繊維フェルト断熱材層12の内側にカーボン製のヒーター13を配置し、更にそのヒーター13の内側にカーボン製のサセプター14を備えている。このサセプター14の内部には、未精製のカーボンナノチューブ集合体9を内封したカーボン製のルツボ15が設置されている。尚、上記未精製のカーボンナノチューブ集合体9への不純物混入を防ぐべく、上記サセプター14及びルツボ15は予め高純度化されていることが望ましい。
【0028】
また、上記チャンバー11は真空容器であって、その上部にはチャンバー11内部と連通するガス排出管路16が設けられ、このガス排出管路16内に設けられた真空ポンプ18によりチャンバー11の減圧状態を維持できる。一方、上記チャンバー11の下部には、上記チャンバー11内部と連通し塩素ガス含有不活性ガスをチャンバー11内部に導入するガス供給管路17が設けられている。そして、上記塩素ガス含有不活性ガスは、上記未精製カーボンナノチューブ集合体の塩化処理を行なった後、上記ガス排出管路16内に設けられたダストキャッチャー19と上記真空ポンプ18とを経て、最終的にはスクラバー20中の苛性ソーダにより中和され無害化されて大気開放される構成となっている。尚、図2における21は、メッシュ状の底板であって、このようにメッシュ状とすることにより、塩素ガス含有不活性ガスをサセプター14内部に円滑に導入することが可能となっている。
【0029】
(酸化処理装置)
図3は、上記ハロゲン処理装置で一次精製されたカーボンナノチューブ集合体を更に精製するための一工程を司る酸化処理装置を示す概念図である。図3に示すように、本実施例に係る酸化処理装置は、両端がステンレス製のシールポート32、33により封口された筒状の酸化処理炉31を有している。上記シールポート33のガス導入路33aには、内部にアルゴンガスが貯蔵された第1ボンベ34と内部にアルゴンガス及び酸素ガスが貯蔵された第2ボンベ35とが管路38を介して接続されており、これにより、酸化処理炉31内にアルゴンガス又はアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガスを導入することができる。尚、34a、35aはガス流量計である。一方、上記シールポート32のガス排出路32aには、酸化処理炉31内に導入されたガスを外部に排出するための管路39が接続されている。
【0030】
また、上記酸化処理炉31の外部には、酸化処理炉31内を加温するためのヒーター36が設けられる一方、上記酸化処理炉31の内部には石英製のルツボ37が設けられている。このルツボ37は、図4(a)(b)に示すように、筒状を成す本体部37aを有しており、この本体部37aの一方の端部には側壁37bが設けられている。この側壁37bには多数の孔37cが設けられており、この孔37cを上述したガスが通ることによって、図2の装置でハロゲン処理を終えたカーボンナノチューブ集合体にガスを均一に当てることが可能になる。尚、このような作用を発揮するためには、上記ルツボ37を2個併設することが望ましい。
【0031】
B.未精製のカーボンナノチューブの製造、このカーボンナノチューブの造粒処理、真空凍結乾燥、及び真空凍結乾燥されたカーボンナノチューブ集合体の精製
(未精製のカーボンナノチューブの製造)
先ず、上記(1)に示すカーボンナノチューブ製造装置の上下チャンバー1、2内の圧力が5Torr以下となるように図示しない真空ポンプで真空引きした後に、上下チャンバー1、2内の圧力が200Torrとなるようにヘリウムガスを導入し、450Aの電流を流すと共に、電極間距離L1を5mmに保った状態で25Vの直流電圧を印加してアーク放電させた(図1中の符号8部分でアークプラズマが発生している状態)。このアーク放電により陽極4から炭素成分や触媒金属等が蒸発し、この蒸発物がヘリウムガスとともに上チャンバー1のコールドとラップ6表面に搬送される。そうすると、コールドトラップ6で蒸発物が冷却され、これによって、未精製のカーボンナノチューブ9が生成されることになる。次いで、上記アーク放電が終了した後、上下チャンバー1、2内部を十分に冷却し、更に大気開放することにより、上チャンバー1内に堆積した未精製のカーボンナノチューブを回収した。
【0032】
(未精製のカーボンナノチューブの造粒処理、及び真空凍結乾燥処理)
先ず、上記未精製のカーボンナノチューブ1gに対して、水とエタノールとの混合液(エタノールの割合は6体積%)を5g加えた後、ヘンシェル型ミキサーで3分間攪拌造粒することにより、粒状のカーボンナノチューブ集合体(粒径約2〜7mm)を得た。
次に、上記粒状のカーボンナノチューブ集合体を50ccビーカーに移した後、ドライアイスで凍結させた上で、室温25℃にて0.5Torr以下の真空下で真空凍結乾燥を12時間施した。凍結乾燥後の粒子は、造粒後の形状を保ったままで乾燥状態になっていた。
【0033】
(カーボンナノチューブ集合体の精製(高純度化))
真空凍結乾燥処理が施されたカーボンナノチューブ集合体の精製は、下記(1)〜(3)に示す3つの工程を経て行なった。
(1)ハロゲン処理工程
上記真空凍結乾燥処理が施されたカーボンナノチューブ集合体をルツボ15内に配置し、当該ルツボ15を図2で示したハロゲン処理装置内に配置した。次いで、チャンバー11内を1Torr以下に真空排気し、更に、カーボン製ヒーター13に通電を行なってチャンバー11内部を1000℃まで昇温させた。次に、ガス供給管路17からアルゴンガスをチャンバー11内に導入して、チャンバー11内部の圧力が70Torrとなるように調整し、当該圧力となった後は毎分1Lのアルゴンガスをチャンバー11内に導入した。その後、アルゴンガスに加えて、ガス供給管路17から塩素ガスをチャンバー11内に導入し、チャンバー内部の圧力が90Torrとなるように調整し、当該圧力となった後は毎分0.3Lの塩素ガスをチャンバー11内に導入した。そのままの状態で、1時間保持した後に通電を停止し、更にアルゴンガスと塩素ガスとの導入を停止して真空冷却した。最後に、1Torr以下の圧力で真空冷却を12時間行なった後、チャンバー11内部が室温まで冷却されていることを確認したうえで大気圧になるまで窒素ガスをチャンバー11内に導入し、しかる後、チャンバー11を開封してルツボ15を取り出した。このようにして真空凍結乾燥処理が施されたカーボンナノチューブ集合体のハロゲン処理を行なった。
【0034】
(2)酸化処理工程
上記ハロゲン処理を行ったカーボンナノチューブ集合体を、図3及び図4に示したルツボ37内に配置すると共に、第1ボンベ34からアルゴンガスを酸化処理炉31内に導入しつつヒーター36で酸化処理炉31内を400℃まで上昇させた。このような状態で、上記内部にカーボンナノチューブ集合体を備えたルツボ37を酸化処理炉31内に配置させ、且つ、第1ボンベ34のバルブを閉じ、第2ボンベのバルブを開けることにより、酸化処理炉31内にアルゴンガスと酸素ガスとの混合ガス(アルゴンガスと酸素ガスとの体積比率は80:20)を導入した。この場合の混合ガス導入量は毎分1Lとした。尚、酸素ガス以外にアルゴンガスを含むのは、アルゴンガスの存在によりカーボンナノチューブ集合体の酸化を緩やかに行うこと、即ち、酸化速度のコントロールを可能とするためである。このような状態を30分間保持した後、酸化処理炉31からルツボ37取り出して、更にルツボ37内で冷却した。このようにしてハロゲン処理を終えたカーボンナノチューブ集合体の酸化処理を行なった。
【0035】
(3)再度のハロゲン処理工程
上記ハロゲン処理工程で用いたハロゲン処理装置を用いて、上記酸化処理を行ったカーボンナノチューブ集合体を再度のハロゲン処理を行った。尚、ハロゲン再処理工程における各種条件(チャンバー11内の圧力や温度等)は上記(1)ハロゲン処理工程で示した条件と全て同様であるので、その詳細は省略する。
【実施例】
【0036】
(実施例)
実施例としては、上記最良の形態で作製したカーボンナノチューブ集合体を用いた。
このようにして作製したカーボンナノチューブ集合体(再度のハロゲン処理工程を経たカーボンナノチューブ集合体)を、以下、本発明ナノチューブ集合体Aと称する。
【0037】
(比較例)
未精製のカーボンナノチューブの造粒処理を行った後、凍結させずに循環式熱風乾燥機で乾燥(温度:80℃)した以外は、上記実施例と同様にしてカーボンナノチューブ集合体を作製した。
このようにして作製したカーボンナノチューブ集合体を、以下、比較ナノチューブ集合体Zと称する。
【0038】
(参考例)
参考例としては、造粒処理を施す前の未精製のカーボンナノチューブを用いた。
このようにして作製したカーボンナノチューブを、以下、参考ナノチューブXと称する。
【0039】
(実験1)
上記本発明ナノチューブ集合体A及び比較ナノチューブ集合体Zの重量、体積、比容積、かさ密度、粒径、空隙率、及び、飛散の有無について調べたので、その結果を表1に示す。
尚、表1には、参考ナノチューブXについての値についても記している。また、表1における空隙率は、カーボンナノチューブの真密度を1g/cmとして、カーボンナノチューブ集合体を構成するカーボンナノチューブのみの体積(Vcnt)を算出した後、下記(1)式を用いて算出した。(1)式において、Vはカーボンナノチューブ集合体の全体の体積である。なお、表1における本発明ナノチューブ集合体A、および比較ナノチューブZにおける重量、体積、比容積、かさ密度および空隙率は、それぞれ採取したサンプル粒(本発明ナノチューブ集合体Aでは17粒、比較ナノチューブ集合体Zでは14粒)の平均値を表している。
【0040】
空隙率=〔1−(Vcnt/V)〕×100・・・(1)
【0041】
【表1】

【0042】
表1から明らかなように、本発明ナノチューブ集合体Aと比較ナノチューブ集合体Zは、参考ナノチューブXに比べて、かさ密度が大きくなっていることが認められる。したがって、塩素処理および酸化処理等の純化処理時において、限られた炉内空間に多量のカーボンナノチューブを配置する事が可能になる。この結果、一回のバッチ当りの処理量を多くすることができるので、純度の高いカーボンナノチューブの生産性が格段に向上する。
【0043】
また、参考ナノチューブXはカーボンナノチューブの飛散が非常に多いのに対して、本発明ナノチューブ集合体Aと比較ナノチューブ集合体Zはカーボンナノチューブの飛散が実質的に無く、ハンドリング性が飛躍的に向上していることが認められる。
【0044】
尚、本発明ナノチューブ集合体Aは粒径が2〜8mmであって、造粒直後と同等であり、指で押すと容易に変形した。これに対して、比較ナノチューブ集合体Zは粒径が0.7〜19.8mmであって、造粒直後に比べて収縮しており、指で押しても容易に変形しなかった。このように、比較ナノチューブ集合体Zは収縮したことから、本発明ナノチューブ集合体Aに比べて、空隙率、体積、比容積が小さくなる一方、かさ密度が大きくなっていることが認められる。
【0045】
(実験2)
上記本発明ナノチューブ集合体A及び比較ナノチューブ集合体Zの回収比率、結晶性(G/D比)、純度(TG/DTA)について調べたので、その結果を表2に示す。尚、表2には、参考ナノチューブXについての値についても記している。
【0046】
(1)カーボンナノチューブの結晶性の評価
カーボンナノチューブの結晶性の評価は、ラマン分光法によるG/D比の評価が一般的である。尚、TEM観察による可視的な評価が併用されることもあるが、当該評価法では定量的表現が困難であることを考慮して、本実験においてはラマン分光法を採用した。具体的には、以下の通りである。
【0047】
ラマン分光法におけるラマンスペクトルにおいて、1570〜1610cm-1(通常は、1590cm-1付近)でのピークはグラファイトの六員環網目の面内収縮振動でありG−Bandと呼ばれる。また、1320〜1360cm-1(通常は、1340cm-1付近)に見られるピークは、欠陥に起因しておりD−Bandと呼ばれる。したがって、G−BandとD−Bandとのピーク強度の比であるG/D比は、カーボンナノチューブを含んだ炭素材料中のカーボンナノチューブの品質評価に用いることができる。
【0048】
但し、G−Bandの強度はラマン分光法で用いるレーザー励起波長に共鳴的に依存するため、G/D比もレーザー励起波長に依存する。したがって、同じ指標で評価するには同じレーザー励起波長を用いで評価する必要がある。本実験においては、ラマン分光法は波長532nmのYAGレーザーを用い、サーモニコレイ社の顕微ラマン分光装置ALMEGAによりマクロモードで測定した。
【0049】
(2)カーボンナノチューブの純度分析
カーボンナノチューブの純度分析には、示唆熱・熱重量法(TG/DTA)を用いた。具体的には、以下の通りである。
先ず、炭素材料(試料)を白金皿に載せて、毎分400mlの流量で大気を流しつつ毎分10℃の速度で1000℃まで昇温して完全に灰化させた。次に、白金皿に残った灰分の重量から炭素材料の純度を算出し、灰分のXMAから灰分の組成を定量分析したうえで炭素材料中の金属不純物の濃度を算出した。
【0050】
尚、TG/DTAにおいて、酸化開始温度の差異から、先ず非晶質炭素の燃焼が生じ、次にカーボンナノチューブの燃焼が生じ、最後にグラファイトの燃焼が生じることが知られている。したがって、DTGのピーク面積を比較することで、単層カーボンナノチューブ含有炭素材料中の非晶質炭素とカーボンナノチューブとグラファイトとの組成比率を知ることができる。
【0051】
【表2】

【0052】
回収率に関しては、表2から明らかなように、1回目の塩素処理後、酸化処理後、及び2回目の塩素処理後の何れの段階においても、比較ナノチューブ集合体Zは本発明ナノチューブ集合体Aよりも回収率が高くなっていることが認められる。また、何れの段階においても、本発明ナノチューブ集合体Aは参考ナノチューブXと略同等であることが認められる。
【0053】
一方、G/D比に関して、本発明ナノチューブ集合体Aは参考ナノチューブXよりも小さくなっているものの、比較ナノチューブ集合体Zよりも格段に大きくなっていることが認められる。
【0054】
また、灰分(触媒金属とイットリウム)の割合に関して、本発明ナノチューブ集合体Aは参考ナノチューブXより小さくなっており、灰分が十分に除去されているのに対して、比較ナノチューブ集合体Zでは参考ナノチューブXより大きくなっており、灰分が十分に除去されていないことが認められる。
【0055】
本発明ナノチューブ集合体Aと比較ナノチューブ集合体Zとにおける灰分につき、更に詳細に調べるべく、FE−SEM観察を行ったので、その結果を図5及び図6に示す。尚、図5は本発明ナノチューブ集合体AをFE−SEM観察したときの写真であり、図6は比較ナノチューブ集合体ZをFE−SEM観察したときの写真である。
【0056】
図5から明らかなように、本発明ナノチューブ集合体Aではアモルファス炭素や触媒金属粒子が殆ど存在していないのに対して、図6から明らかなように、比較ナノチューブ集合体Zではアモルファス炭素や触媒金属粒子が多数存在していることが認められる。このような結果となるのは、比較ナノチューブ集合体Zでは、熱風乾燥時の収縮によって粒子中の空間が小さくなって、塩素ガスや酸素ガスの通りが悪くなる。このため、カーボンナノチューブとガスとの接触が円滑に行われず、純化が効率的に進行しない。これに対して、本発明ナノチューブ集合体Aでは乾燥時に収縮しないので、粒子中の空間が小さくならず、塩素ガスや酸素ガスの通りが悪くなるのを抑制できる。このため、カーボンナノチューブとガスとの接触が円滑に行われ、純化が効率的に進行するからである。
【0057】
(実験3)
本発明ナノチューブ集合体Aと比較ナノチューブ集合体Zとにおける分散性について調べたので、その結果を図7及び図8に示す。具体的な実験は、SDS1%水溶液100mlに対し各ナノチューブ集合体A、Zを5mg加え、超音波ホモジナイザーを1分照射後の外観を観察した。図7は本発明ナノチューブ集合体Aの外観であり、図8は比較ナノチューブ集合体Zの外観である。
【0058】
図7から明らかなように、本発明ナノチューブ集合体Aでは目視で粒子を確認できないのに対して、図8から明らかなように、比較ナノチューブ集合体Zでは目視で確認できる粒子が多数見られる。そこで、分散性を比較する目的で、さらに超音波ホモジナイザーを5分間照射して、分散化を進行させたところ、本発明ナノチューブ集合体Aのみならず比較ナノチューブ集合体Zにおいても、目視で粒子を確認できない程度に分散化が進行した。
【0059】
更に、本発明ナノチューブ集合体Aと比較ナノチューブ集合体Zとにおける分散性を調査する目的で、UV計にて吸収スペクトルを測定した。図9に測定例を示す。含有するカーボンナノチューブのカイラルに依存した光吸収が確認され、720nmでカーボンナノチューブ由来の光吸収を確認できたので、当該波長で吸光度を測定した。
【0060】
具体的な実験は、作製した分散液(ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)1%水溶液100mlに対し各ナノチューブ集合体A、Zを5mg加えた分散液)を50ml分取し、5000gの遠心力で10分間遠心分離した上澄み液をUV計にて吸光度を測定した。次に、残りの分散液50mlを更に10分間超音波照射し、カーボンナノチューブ集合体A、Zを完全に分散化させて、吸光度を測定した。これらの吸光度の測定値から、ランベルトベールの法則によってカーボンナノチューブ濃度を算出した。
【0061】
カーボンナノチューブの添加濃度は共に50ppmであったが、本発明ナノチューブ集合体Aでのカーボンナノチューブ濃度は40ppmになっているのに対して、比較ナノチューブ集合体Zでは17ppmとなっていた。したがって、本発明ナノチューブ集合体Aは比較ナノチューブ集合体Zに比べて、高い分散性を示すことがわかる。
以上の結果、凍結乾燥した本発明ナノチューブ集合体Aは溶媒中で速やかに解砕が進行するが、熱風乾燥により硬く収縮した比較ナノチューブ集合体Zの粉体は溶媒中で解砕が進行し難いことがわかった。
【0062】
(実験1〜3のまとめ)
本発明ナノチューブ集合体Aは粒状である。したがって、粉塵の発生を抑制することによるハンドリング性の向上を図れるので、取り扱いが容易になり、且つ、ロータリーキルン等の連続処理炉での取り扱いも可能になるので、量産製造における効率化、低コスト化が可能となる。加えて、造粒処理を施していない参考ナノチューブXよりもかさ密度が大きいので、参考ナノチューブXに比べて、精製装置に装填する場合の詰め効率が向上する。但し、これらの点については、比較ナノチューブ集合体Zも同様である。
【0063】
しかしながら、本発明ナノチューブ集合体Aは純化処理工程において、結晶性に問題が生じることなく灰分を除去できるのに対して、比較ナノチューブ集合体Zは結晶性に問題が生じ、灰分も十分に除去することができない。これは、本発明ナノチューブ集合体Aでは粒子内に適度な空間が存在するので、カーボンナノチューブが塩素ガスや酸素ガスと十分に接触できるのに対して、比較ナノチューブ集合体Zでは粒子内に適度な空間が存在しないので、カーボンナノチューブが塩素ガスや酸素ガスと十分に接触できないことに起因する。
【0064】
更に、本発明ナノチューブ集合体Aでは粒子内に適度な空間が存在し、解砕性に優れることに起因して、各種溶媒やポリマー等への分散性が向上するのに対して、比較ナノチューブ集合体Zでは粒子内に適度な空間が存在せず、解砕性に劣ることに起因して、各種溶媒やポリマー等への分散性が向上しない。
【0065】
(その他の事項)
(1)上記実施例では、カーボンナノチューブを造粒した後、これを凍結乾燥させているが、このような方法に限定するものではなく、造粒物を乾燥させる際、造粒物を凝集させずに溶剤のみを除去することにより、かさ密度を低く保ったままの粒状のカーボンナノチューブ集合体を製造すればよい。例として、常圧または減圧下にて、溶剤を除去できる低温(溶剤の蒸発温度、揮発温度等)にて乾燥させる方法が挙げられる。
【0066】
(2)カーボンナノチューブを造粒する際の溶剤としては、水とエタノールとの混合液に限定するものではなく、メタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等の低級ケトン等であっても良い。
【0067】
(3)上記実施例では炭素材料をアーク放電法で作製したが、このような方法に限定するものではなく、レーザー蒸発法、CVD法等を用いて作製しても本発明を適用しうることは勿論である。但し、結晶性の高いカーボンナノチューブを含んだ高純度炭素材料を得るには、アーク放電法あるいはレーザー蒸発法により合成された炭素材料を用いることが望ましい。
【0068】
(4)カーボンナノチューブ集合体のカーボンナノチューブとしては、高温(1300℃以上)で熱処理を施されると構造変化が生じる単層カーボンナノチューブや2層カーボンナノチューブが適しているが、多層カーボンナノチューブを用いることもできる。
【0069】
(5)カーボンナノチューブの作製にアーク放電法を用いる場合、NiYの2元系触媒を含有した炭素電極を陽極に用いた直流アーク放電法を用いても良いが、この方法に限定するものではなく、交流アーク放電法を用いても良い。また、上記NiY以外の触媒としては、Fe、Ni、Coのいずれかを含んだ合金でも良い。更に、放電雰囲気としては、Ar雰囲気やN雰囲気であっても良いが、カーボンナノチューブの収率を向上させるために、He雰囲気であることが望ましい。
【0070】
(6)カーボンナノチューブの作製にCVD法を用いる場合、炭素源として炭化水素やアルコール、バイオマス由来の炭素源を用いる事も可能であるし、触媒金属としては主にFe、Ni、Coのいずれかを含んだ微粒子を用いて流動床法、基板法で合成しても良い。
【0071】
(7)カーボンナノチューブの作製にレーザー蒸発法を用いる場合Fe、Ni、Coのいずれかを含んだ炭素ターゲットを蒸発させて合成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、例えば、燃料電池やリチウム2次電池用負極材、樹脂や有機半導体との複合材料からなる高強度樹脂、導電性樹脂、電磁波シールド材の材料、走査型トンネル顕微鏡用プローブ、電界電子放出源、ナノピンセットの材料、吸着材料、医療用ナノカプセルの材料として好ましく適用することができる。
【符号の説明】
【0073】
4:陽極
5:陰極
13:ヒーター
14:サセプター
15:ルツボ
31:酸化処理炉
34:第1ボンベ
35:第2ボンベ
36:ヒーター
37:ルツボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状であって、かさ密度が0.25g/cm以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ集合体。
【請求項2】
粒径が1mm以上である、請求項1に記載のカーボンナノチューブ集合体。
【請求項3】
空隙率が80体積%以上である、請求項1又は2に記載のカーボンナノチューブ集合体。
【請求項4】
未精製のカーボンナノチューブを、溶剤中に添加し撹拌した後、造粒し、乾燥を施すことにより、かさ密度が0.25g/cm以下である粒状のカーボンナノチューブ集合体を製造することを特徴とするカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項5】
上記乾燥が凍結乾燥である、請求項4に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項6】
上記溶剤が、水とメタノールとの混合溶剤である、請求項4に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項7】
空隙率が80体積%以上である、請求項4〜6のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項8】
乾燥後、高純度処理することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。
【請求項9】
上記高純度処理は、ハロゲンガス処理及び/又は酸素ガス処理である、請求項8に記載のカーボンナノチューブ集合体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図9】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−190128(P2011−190128A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−55870(P2010−55870)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000222842)東洋炭素株式会社 (198)
【Fターム(参考)】