説明

カーボンブラックおよびその多段製造法

多段反応でのカーボンブラックの製造法が記載されている。また、前記の製造法で形成されたカーボンブラックが記載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーブラックおよびカーボンブラックの製造法に関する。
さらに詳しくは、本発明は特異な構造のカーボンブラックおよびいくつかの多段カーボンブラック形成法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ゴムおよび樹脂の充填剤、顔料、および補強材などの多くの重要な用途を有するファーネスブラックのようなカーボンブラックの製造に関する。
一般的に、これらのカーボンブラックを製造するためのファーネス法は、カーボンブラックを製造するための密閉転化ゾーン内での天然ガスあるいは触媒分解炉循環原料油のような炭化水素原料のクラッキングおよび/又は不完全燃焼を伴う。転化ゾーンから出てくるガス中に同伴のカーボンブラックは次いでクエンチされ、そして適当なこの分野の慣用手段よって収集される。しかしながら、高構造で大きい表面積を有するカーボンブラックを製造するためには非常に高コストとなっていた。
【0003】
マッケイらの米国特許第5190739号は、1つにはある一定の表面積においては標準よりも低い構造を有し、またある一定の総合的燃焼レベルにおいては標準よりも低い表面積を有するカーボンブラックの製法に関わる。この製法は、第一段の高温ガス流に第二の炭化水素源が加えられる多段炉の使用を含む。また、‘739特許の態様は低構造のカーボンブラックを製造するためのカリウムの使用を含む。しかしながら、‘739特許で使用される補助的な炭化水素の量は第一段における量よりも著しく少ない。さらに、‘739特許は補助的な炭化水素の導入時にさらなる燃焼を達成するために追加の燃料および/または酸素を任意的に使用することができる。さらに、‘739特許では第一原料が導入されるゾーンと補助的な原料が導入されるゾーンとの間には有意の温度のゾーン差がない。
【0004】
チェンの米国特許第4383973号において、この特許は、反応炉の1つが高構造のカーボンブラック用であり第2の反応炉が低構造のカーボンブラック用である2つの連続したカーボンブラック反応炉を含む製法に関わる。‘973特許の1つの図面において、2つの反応炉は明らかに互いに連続して接続している。しかしながら、この製法においては、第二原料に追加の空気および燃料が導入されそして2つの原料導入ゾーン間には有意な温度差はない。さらに、完全にクエンチする前に起こるべき部分的にクエンチすることが全くない。さらに、‘973特許は第1と第2のカーボンブラック製造ゾーンの間にはクエンチすることが生起しないと、さらに高構造ゾーンに10ppm以上のカリウムを導入してよいと記載する。さらに、各原料導入ゾーンには高い燃焼が生起して、高構造の第1のカーボンブラックが形成されるゾーンと低構造のカーボンブラックが形成されるゾーンとの間には有意な温度のゾーン差は少しもないようである。
【0005】
米国特許第4976945号において、構造を調整するためにカーボンブラック反応炉内でカリウムのようなアルカリ金属の種々の量を使用するカーボンブラックの製法が記載されている。‘945特許はアルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が炭化水素出発原料に対して500〜50000ppmの量で加えられることを記載はする。‘945特許は、多段のカーボンブラックの製法には関わらないしまた完全にクエンチンすることの前に生起する部分的にクエンチすることを開示しない。さらに、‘945特許はアルカリ金属化合物はDBP吸収が多くても90cc/100gであるカーボンブラックの製造に特に効果的であると記載する。
【0006】
グラベリーらの米国特許第4822588号は、それらが連続して接続している第1反応ゾーンと第2反応ゾーンとを有するカーボンブラック反応炉に関わる。この製法においては、第2段で、第2の反応混合物を形成するために追加の炭素質原料が導入される。この製法において、第1の反応ゾーンでは目標はカーボンブラックを実質的に形成しないことであった。同様に、この製法はアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を使用することはなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、増大した表面積を有し改良されたあるいはより高い構造を示すカーボンブラックの新規でかつ改良された製造法を提供する必要性がある。
全体を通して言及された特許および刊行物は参照することによりその全体が本特許に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、大きな表面積と高構造を有するカーボンブラックの製造法を提供することが本発明の1つの特徴である。
本発明の他の特徴は、コスト効率のよいカーボンブラックの製造法を提供することである。
【0009】
本発明の付加的な特徴および利点は、以下の記述の中である程度は説明されるであろうし、またその記述からある程度は明らかであろうし、あるいは本発明の実施によって分かるであろう。本発明の目的および他の利点は、この明細書の記述および請求項に特に指摘される原理および組み合わせを用いて実現されまた達成されるであろう。
【0010】
ここに具体化されかつ広義に記載されているように、これらのおよび他の利点を達成するためかつ本発明の目的に従って、本発明はカーボンブラック製品の製造法に関する。
この製造法は、カーボンブラック反応炉の第1段にカーボンブラック生成原料を導入することおよび実質的に第1のカーボンブラックでありそして任意的に副生物である前駆体を形成するためにこの原料を高温ガス流と混合することを含む。次いで、その後に、第1のカーボンブラックを含む反応流を少なくとも部分的にクエンチするために第2のカーボンブラック生成原料が前記の前駆体に導入され、そしてその後、この製造法はカーボンブラック製品を形成するために完全にクエンチすることを含む。
【0011】
本発明はさらに、カーボンブラック反応炉の第1段にカーボンブラック生成原料を導入することおよび前駆体を形成するためにこの原料を高温ガス流と混合することを含むカーボンブラック製品の製造法に関する。前記の前駆体は第1のカーボンブラックを含む。次に、この製造法においては、第2のカーボンブラック生成原料が前記の前駆体に導入されるが、この第2のカーボンブラック生成原料は全製造工程の間に使用されるカーボンブラック生成原料の全重量の少なくとも15重量%を含む。
【0012】
さらに、本発明は、カーボンブラック反応炉の第1段に第1のカーボンブラック生成原料を導入することおよび第1のカーボンブラックを含む前駆体を形成するためにこの原料を高温ガス流と混合することを含むカーボンブラック製品の製造法に関する。次に、この製造法においては、第2のカーボンブラック生成原料が前記の前駆体に導入されるが、前記の前駆体の形成後は少しの酸化源および燃料源も導入されない。
【0013】
さらに、本発明は、第1の温度ゾーンにおいて第1のカーボンブラックを含む前駆体を形成することおよび、次いでクエンチゾーンの前の第2の温度ゾーンにおいてこの前駆体からカーボンブラック製品を形成することを含むカーボンブラック製品の製造法に関する。第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンとは200℃以上の温度差がある。
【0014】
これらの各製造法において、製造法では製造工程の1つ以上の区域で少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料の導入を含むことができる。
【0015】
同様に、本発明は、IA族又はIIA族の元素の全含有量が約50〜約5000ppmであって、DBP範囲が約30〜約150cc/100gであるカーボンブラックに関する。前記のカーボンブラックは、浸出し得るIA族又はIIA族の元素の含有量、空隙率、および約10〜約180m/gのt−面積(t−area)のような好ましいt−面積を、限定はされないが含む他の物理的あるいは化学的な特性を有することができる。
【0016】
前述の一般的な記述および次の詳細な記述はいずれも、例示的であって説明のためのみであり、請求の範囲に記載された本発明の更なる説明を提供することを意図していると理解すべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、カーボンブラック製品の種々の製造法だけでなくカーボンブラック製品にも関する。好適な態様において、カーボンブラック製品の製造法は多段のカーボンブラック反応炉を使用することを含む。さらに好ましくは、多段反応炉はほとんどの場合少なくとも2種の原料(例えば、2種、3種、4種、あるいはさらに多い種の原料)が存在する少なくとも2段(2、3、4、あるいはそれより多い段)を有する。カーボンブラック製品は好適にはファーネスブラックである。
【0018】
より詳細には、本発明の1つの態様において、本発明はカーボンブラック反応炉の第1段にカーボンブラック生成原料を導入することを含むカーボンブラックの製造法に関する。前駆体を形成するためにカーボンブラック生成原料は高温ガスと混合される。前駆体は第1のカーボンブラックであるかあるいは少なくとも第1のカーボンブラックを含む。次いで、その後に第2カーボンブラック生成原料が第1段の下流のカーボンブラック反応炉中に導入され、そしてこの第2カーボンブラック生成原料は好適には第1段で形成された前駆体の存在下に導入される。この方法においては、第2カーボンブラック生成原料が生じている反応を少なくとも部分的にクエンチする。その後、完全なクエンチがそこでは下流で生じる可能性があり、カーボン形成反応が完全に止まるかあるいはクエンチされてカーボンブラック製品がる形成される。
【0019】
この明細書に述べられる他の方法はもちろんこの方法の目的のために、多段カーボンブラック反応炉は米国特許第4383973号、米国特許第5190739号、米国特許第5877251号、米国特許第6153684号、あるいは米国特許第6403695号に記載されるような反応炉を使用することができ、これらの米国特許は参照することによりその全体が本特許に組み込まれる。それ故、本発明は多段ファーネス法を用いることができる。
【0020】
カーボンブラック生成原料は、カーボンブラックを形成させる通常使用されるカーボンブラック生成原料はどれも使用することができる。例えば、炭化水素材料はどれも使用できる。反応条件下で容易に蒸発させることが可能であるカーボンブラック生成炭化水素原料はどれも適した原料であり得る。例えば、アセチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンなどのオレフィン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンのような芳香族類、ある種の飽和炭化水素、およびケロシン、ナフタリン、テルペン、エチレンタール、芳香族類運転在庫品などを使用することができる。
【0021】
カーボンブラック生成原料と混合される高温ガス流については、固体、液体および/または気体の燃料を限定はされないが例えば空気、酸素、空気と酸素との混合物等の適した酸化体流と接触させることによって形成することができる高温燃焼ガスと見なすことができる。その代わりに、液体あるいは気体の燃料を加えないで予熱酸化体を通過させてもよい。高温ガスを形成するために酸化体流を接触させるのに好適な燃料の例としては天然ガス、水素、一酸化炭素、メタン、アセチレン、アルコール、あるいは灯油などの容易に可燃性のガス、蒸気あるいは液体の流れはどれもが含まれる。通常は、炭素含有成分の含有量の高い燃料、そして特に炭化水素を使用することが好ましい。空気対本発明のカーボンブラックを生成するために用いられる燃料の割合は約1:1(化学量論比)〜無限大であってよい。上述のごとく、高温ガスの形成を促進するために酸化体流は予熱してもよい。
【0022】
多段反応炉の使用を通じのカーボンブラックを形成しかつカーボンブラックを形成するために適した高温ガスを得る一般的な方法は、ここに参照することにより本特許に組み込まれそしてここに記載される変形とともに本発明に適用され得る上記に特定されて参照される特許に記載される。本発明の1つの態様において、好適には第1カーボンブラック生成原料の導入後に、無水冷却、高温ガスとカーボンブラック生成原料との急速混合、および/又は短い混合距離などによる高温の維持によって表面積は最大化される。
【0023】
本発明は適したカーボンブラック製造用反応炉はどれでも使用して実施することができる。例えば、図1はそのような反応炉の1例の断面図を示す。通常、この種の反応炉は空気のような酸化体と混合される燃焼ガスが必要である。通常、ガス混合物は燃焼室中に導入され、そして任意の適した方法で着火される。ガス流は図1の左から右(A方向)である。一度着火されると、高温ガス混合物は、反応炉を移動させることができ、そしてカーボンブラック製造に適した炭化水素原料と接触させられる。図1において、そして単に1例として、燃料は位置1で導入することができそして酸化体は位置2で導入することができる。他の位置も可能である。
【0024】
第1の位置3(1箇所以上)は第1カーボンブラック生成原料の導入位置の一例である。第2および第3の位置3は第2のカーボンブラック生成原料の導入位置の例である。位置4は水のような部分クエンチ剤に適した位置の一例である。位置5は完全クエンチに適した位置の一例である。平行な2つの線は反応炉が任意の長さであり得ることを示す。種々のD数は反応炉の種々の長さを示す。D1〜D8は、任意の適した直径であり得て、そして同一でも異なってよい。例えば、D2はD1およびD8より小さくてもよく、D1とD8は同一でも異なってよい。ゾーンL1又はゾーンL2は第1温度ゾーンの例であり、そしてゾーンL3は第2温度ゾーンの例である。もし部分クエンチ剤が例えば位置4で使用されると、そのときは第1温度ゾーンは典型的にはL1である。
【0025】
通常は、カーボンブラック生成原料は図1に示される複数の流れ3(L2内の)によって反応炉中に投入することができ、この複数の流れ3は高温燃焼ガスとカーボンブラック生成原料の混合およびせん断の高速化を保証するために高温燃焼ガス流の内部領域中に浸透する。このことが、原料が速やかにかつ完全に分解しそして第1のカーボンブラック材に転換することを保証する。
【0026】
ここに記載される製造法において形成される前駆体は第1のカーボンブラックを含み、かつ不使用の燃料や酸化体あるいは燃焼生成物などの他の成分を含んでもよく、限定はされないが例えば無機材料、金属、塩、および金属酸化物などの他の成分も同様に含んでもよい。先ず、前駆体はカーボンブラック生成物である。例えば、前駆体の80〜99重量%そして、より好ましくは95重量%〜99重量%あるいはそれより多い(例えば、100重量%)がカーボンブラックである。
【0027】
それに続いて、第1のカーボンブラックを含む前駆体への第2カーボンブラック生成原料の導入に関して、この第2カーボンブラック生成原料は第1段からまだ存在している反応を少なくとも部分的にクエンチする量を第1段の下流に加えられる。本発明の目的のために、反応の部分的クエンチとはこの第2カーボンブラック生成原料の導入が反応を完全にクエンチしないが反応の一部をクエンチすることを意味する。好適には、第2カーボンブラック生成原料の導入は反応を完全にはクエンチしない。第2カーボンブラック生成原料は第1段で導入されたカーボンブラック生成原料と同種の原料であっても違う種の原料であってもよい。
【0028】
上記に特定される特許で前駆体の調製に用いることができる種々のカーボンブラック形成条件および出発量が提供される。
どちらかの段に導入されるカーボンブラック生成原料は単一流あるいは複数流のような任意の通常の方法で導入してよく、そして原料の導入は任意の速度で起こりえる。複数流を用いる場合、各流れの速度は同一でも異なってもよい。
【0029】
好適には、その後の前駆体へのカーボンブラック生成原料の投導入は複数の流れによって行われる。第2カーボンブラック生成原料を導入できる任意の方法を用いることができる。
高温燃焼ガスとカーボンブラック生成原料との混合物がクエンチされて後、冷却されたガスはカーボンブラックが回収される任意の通常の冷却さらに分離手段中へ下って通る。ガス流からのカーボンブラックの分離は集塵器、サイクロン分離器あるいはバグフィルターのような標準となった手段によって容易に達成される。最終のカーボンブラック製品を形成するために反応を完全にクエンチすることに関して、第2カーボンブラック生成原料の下流での反応をクエンチするために標準となった任意の手段を用いることができ、そしてその手段は当業者に知られる。例えば、水あるいは化学反応を停めるために適した他の流体であってよいクエンチする流体を投入することができる。
【0030】
本発明の1つの態様において、この方法は周期律表のIA族あるいはIIA族の元素(あるいはそのイオン)の少なくとも1種であるか1種を含む少なくとも1種の材料を導入することをさらに含む。好適には、前記の材料は少なくとも1種のアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を含む。リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、あるいはラジウム、あるいはそれらの結合物が例に含まれる。
【0031】
これらの成分の任意の1種以上が材料中に存在してもよい。材料は固体、溶液、分散体、ガスあるいはこれらの任意の組み合わせでありえる。同種あるいは異種のIA族あるいはIIA族の金属を有する1種以上の材料を用いることができる。もし複数の材料を用いるときは、材料は一緒に、別々に、逐次的に、あるいは異なった反応位置に加えることができる。本発明の目的のために、前記の材料は、金属(あるいは金属イオン)自体、1種以上のこれらの元素を含有する塩を含めて1種以上のこれらの元素を含有する化合物などでありえる。
【0032】
好適には、前記の材料は、カーボンブラックを形成中である反応中に金属あるいは金属イオンを導入することが可能である。本発明の目的のためには、前記材料は好適には上記の完全にクエンチする前に導入される。例えば、前記の材料は、第1段のカーボンブラック生成原料導入の前を含めて、第1段のカーボンブラック生成原料導入の間、第1段のカーボンブラック生成原料導入の後、前駆体への2回目のカーボンブラック生成原料導入の前かその間か又は直後に、あるいは2回目のカーボンブラック生成原料導入後の任意の段階で但し完全なクエンチ前などの、完全なクエンチ前の任意の位置で加えることができる。前記材料の導入は1つ以上の位置を用いることができる。好適には、前記材料の導入は2回目のカーボンブラック生成原料導入の前および/又は第1段のカーボンブラック生成原料導入の間あるいは直後である。
【0033】
前記のIA族あるいはIIA族の金属含有材料の量は、カーボンブラック製品を形成することができる限り任意の量であり得る。例えば、前記材料の量は、最終的に形成されるカーボンブラック製品中に200ppm以上のIA族あるいはIIA族の元素が存在しているような量で加えることができる。形成されるカーボンブラック中のIA族あるいはIIA族の元素の他の量は約200ppm〜約5000ppmを含み、また他の範囲は約300ppm〜約1000ppm又は約500ppm〜約1000ppmであってよい。
【0034】
これらの水準は金属イオン濃度に関してあり得る。記載のように、これら形成されるカーボンブラック製品中に存在するIA族あるいはIIA族の元素の量は、IA族あるいはIIA族の元素の1元素以上についてありえて、従って形成されるカーボンブラック製品中に存在するIA族あるいはIIA族の元素の総計量であるほうがよい。前記材料は任意の標準となった方法を含めて任意の方法で加えることができる。言い換えれば、前記材料はカーボンブラック生成原料が導入されるのと同じ方法で加えることができる。前記材料はガス、液体、あるいは固体、又はそれらを任意に組み合わせて加えることができる。前記材料は1つの位置あるいはいくつかの位置で加えることができ、また単一流としてあるいは複数流として加えることができる。前記材料はそれらの導入前あるいは導入の間に原料、燃料、および/又は酸化体と混ぜ合わせることができる。
【0035】
原料中に例えばカリウムのようなIA族あるいはIIA族の元素の少なくとも1種を含有する材料を導入できる1つの方法は原料中への前記材料の混入による。燃焼で、金属イオンはカーボンブラック中に均一に混入されるに至る。金属イオンの投入が個々のカーボンブラック間の反発力をもたらす。この反発力が粒子を凝集させないように、従ってカーボンブラックの全体構造を低下させないようにすることができる。
【0036】
前から存在するカーボンブラック粒子への追加の原料の適用は、原料のカーボンブラックへの反応が止まるまで何回でも繰り返してもよい。追加の原料が加えられるたびに、全反応混合物の温度は次第に低くなり、そしてカーボンブラックの粒子径が大きくなる。この方法では原料はカーボンブラックを冷却するためのクエンチ剤として作用する。
【0037】
本発明の他の態様において、本発明はカーボンブラック生成原料が第1段で導入されそして前駆体を形成するために高温ガス流と混合されるカーボンブラックの製造法に関する。さらに、その後に第2のカーボンブラック生成原料が前駆体に対して下流に導入される。それ故、この時点までは、この方法は上記の態様と同じであり、従って同じ条件と例がこの方法に適用されるほうがよい。
【0038】
さらに、この方法において、第2のカーボンブラック生成原料は全工程の間に使用されるカーボンブラック生成原料の全量の内の少なくとも15重量%を含む。第2のカーボンブラック生成原料は全工程の間に使用されるカーボンブラック生成原料の全量の内の約15重量%〜約80重量%を含んでよい。他の範囲は全工程の間に使用されるカーボンブラック生成原料の全量の内の約25重量%〜約70重量%あるいは約30重量%〜約60重量%を含む。
【0039】
前記の第2のカーボンブラック生成原料の投入は2つ以上の部分、あるいはこれらの複数の部分が第1の部分から下流であってよい2つ以上の段で導入してよい。この点がカーボンブラック生成原料のその後のどんな投入も10重量%以下のような非常に少量である従前の多段方法と全く異なる。この多量の第2のカーボンブラック生成原料が後述するように有益なカーボンブラック製品に至るのである。同様に、このカーボンブラックの量が起こっている反応の部分的なクエンチに役立ち得る。
【0040】
最初に記載した方法でのように、IA族あるいはIIA族の元素か又はそのイオンを含む材料は上記と同様の方法で加えることができる。これら上述の詳細はここで同様に適用される。
【0041】
本発明の他の態様において、本発明は第1および第2の上述の方法に関してのように第1のカーボンブラック生成原料が第1段で導入されそして前駆体を形成するために高温ガス流と混合されるカーボンブラックの製造法に関する。次いで、第2のカーボンブラック生成原料が前駆体に導入されるが、この方法においては前駆体の形成後には酸化源および燃料源は決して導入されない。それ故、この方法において、いくらかの酸化源および/または燃料源は第1のカーボンブラック生成原料の導入前あるいは第1のカーボンブラック生成原料の導入の間にのみ導入される。かさねて、この点が、典型的には、第2のカーボンブラック生成原料が導入されると第2のカーボンブラック生成原料の十分な熱分解を促進するために十分な燃料および酸化源が加えられる従前の方法と全く異なる。さらに、従前の方法でと同様に、少なくとも1種のIA族あるいはIIA族の金属含有材料を上述と同様の方法で導入してよく、これらの詳細もこの方法で同じく適用される。
【0042】
本発明の他の態様において、本発明は第1のカーボンブラックを含む前駆体がカーボンブラック反応炉の第1温度ゾーンで形成され、そして次いでカーボンブラック生成原料がこの前駆体に導入されうるカーボンブラックの製造法に関する。この方法は、次いでクエンチゾーンの前に位置する第2温度ゾーンでのカーボンブラックの形成を含む。この方法において、第1温度ゾーンおよび第2温度ゾーンは200℃以上の温度差、好ましくは300℃以上の温度差を有する。前記の温度差に関する適した範囲は、例えば約200℃〜約900℃あるいは約400℃〜約700℃であり得る。
【0043】
温度差に関する他の温度範囲を用いることができる。一般的に、温度差に関して、第1温度ゾーンはより高い温度であり第2の温度ゾーンはより低い温度であり、それ故にこのことは好適な態様に過ぎないが温度差を生じさせる。温度の差異は、燃焼ガスの更なる導入を一切避けるかあるいは第2温度ゾーンにおける燃焼ガスの形成を避けるか最小にするかのようなあらゆる方法で達成することができる。この温度の差異を達成するための他の手段を用いることができる。
【0044】
さらに、前の態様のように、IA族あるいはIIA族の金属含有材料を用いそして上記と同様の方法で導入することができ、上に記載のような詳細はここでも等しく適用される。好適には、IA族あるいはIIA族の金属含有材料は第1の温度ゾーンあるいは少なくともクエンチゾーンの前で導入される。選択肢として、IA族あるいはIIA族の金属含有材料は前駆体の形成の間、あるいは前あるいはその間とその前の両方で導入することができる。加えて、この方法において、カーボンブラック生成原料を前駆体に導入することができる。
【0045】
上記方法に関して、単一の方法にこの方法の1つ以上の態様を用いることができる。例えば、第2のカーボンブラック生成原料を部分的にクエンチするために用いることができ、かつ第1と第2の温度ゾーン差異は200℃以上でありえる。ここに述べたような方法の態様のどのような組み合わせも兼ね備えることができる。
【0046】
第1の温度ゾーンと第2の温度ゾーンに関して200℃以上の温度差の達成を含む態様において、およびここに記載の他の態様において、第2のカーボンブラック生成原料が導入される温度ゾーンあるいはゾーンと比べた第1のカーボンブラック生成原料が導入される温度ゾーンあるいはゾーンとの間の温度を減じるためのどのような方法も用いることができる。例えば、第2のカーボンブラック生成原料が導入されるかその後の反応炉(あるいはその一部)の周りにウォータージャケットを用いることができる。別の方法ではあるいは組み合わせて、水蒸気をここで導入することができる。加えてあるいは別の方法では、第2のカーボンブラック生成原料が導入されるがその後の位置に温度の低下を達成するために窒素、水、あるいは他の適したクエンチ剤のような他のクエンチ剤を用いることができる。好適には、本発明のいずれの態様においても、第1温度ゾーンにおいてはウオータージャケットあるいは他のクエンチする装置あるいは手段は一切なく、好適には第2のカーボンブラック生成原料の導入の直前、その間あるいは導入直後に何らかのそのようなクエンチが起こる。
【0047】
さらに、上記の方法に関して、好適には、第1のカーボンブラック生成原料が導入される第1段における目標は表面積を最大化することである。例えば、第1段において、BETに基いて約100〜約400m/gのような大きい表面積を達成するために操作される。
【0048】
本発明の1つの態様において、前駆体を形成する第1のカーボンブラック生成原料は蒸発して前駆体を覆うその後のカーボンブラック生成原料によって結局は表面を覆われる。
【0049】
有益なカーボンブラックを形成することができ、例えば、約50〜150ppmのIA族あるいはIIA族の全金属含有量を有し、約120〜約150cc/100gのDBP範囲を有するカーボンブラックを形成することができる。他のDBP範囲は、約100〜約500ppmのIA族あるいはIIA族の全金属含有量を有し約90〜約120cc/100gのDBP範囲、約200〜約1000ppmのIA族あるいはIIA族の金属含有量を有し約60〜約90cc/100gのDBP範囲、約500〜約5000ppmのIA族あるいはIIA族の全金属含有量を有し約30〜約60cc/100gのDBP範囲を含む。
【0050】
本発明のカーボンブラックは浸出可能な量のIA族あるいはIIA族の金属を有することができる。例えば、カーボンブラックは存在しているIA族あるいはIIA族の元素の約20重量%以下、そしてさらにより好適には15重量%以下、10重量%以下、5重量%以下、1重量%以下、1/2重量%以下の浸出可能な量のIA族あるいはIIA族の金属を有することができる。範囲は、約0〜約20重量%、又は約0.25〜約10重量%を含むが、限定されない。前記の浸出可能な量はカーボンブラックのソックスレー抽出法、それに続くASTM法のD4527、C871あるいはEPA法のSW8−1311およびSW8−1312と概念が似ているカリウム抽出水の分析によって決めることができる。
【0051】
前記のカーボンブラックは、BET表面積(m/gで)対t−面積(m/gで)の比が0.9〜1.5のような1.5以下で有り得る。一般的に、好適には、本発明のカーボンブラックは低い程度の微細孔性を有する。同様に、本発明のカーボンブラックは約10m/g〜約180m/gのt−面積を有してよい。他の範囲は約30m/g〜約150m/gおよび約50m/g〜約120m/gを含む。一般的に、本発明のカーボンブラックは大量のシリカを含有しない。
【0052】
本発明のカーボンブラックは、ゴム製品、タイヤ、インク、インクジェット、トナー、ガス拡散電極、塗料、樹脂、ポリマーなどの標準となったカーボンブラックが用いられるどのような製品にも用いることができる。
本発明は、本発明の単に例となる以下の実施例によってさらに明らかになるであろう。
【実施例】
【0053】
実施例
パイロットプラントで、本発明のカーボンブラックの1つの態様を調製した。この方法では、図1に示されそして米国特許第6403695号に示される設計図と類似した設計図を有するカーボンブラック反応炉を用いた。実施例1〜7は表1に概説される。各例において、酸素豊富な燃焼反応の合計40%になる第1燃焼140%を用いた。燃焼反応用の第1燃料は天然ガスであり反応炉には流れ1で導入した。カーボンブラック形成方法に供給された天然ガスはほぼ室温で約77°Fであった。使用した液体原料は米国特許第5190739号に載せられた典型的な特性を有する市販の原料であった。
【0054】
この方法において、第1の燃焼によって形成された高温ガス流の存在下、第1段に第1のカーボンブラック含有原料が導入された。第1のカーボンブラック生成原料が表1に示される量を変化させて、工程に導入された。一旦第1段で第1のカーボンブラック生成原料が第1のカーボンブラックを含有する前駆体を形成するために高温ガス流と混合されると、次いでその後に第2のカーボンブラック生成原料が川下に投入された。この第2のカーボンブラック生成原料は酸化源および燃料源を一切伴わないで導入され、そしてクエンチゾーンの前で導入された。
【0055】
【表1】

【0056】
実施例5において、2つの原料投入の間で100kg/hrの量の水を投入した。この水は加圧噴霧器を使用して微細スプレーとして導入された。
実施例6において、第2のカーボンブラック生成原料は2つの等量に分けた。第1の部分は表1に示すように図1のL1に導入した。2番目の部分は1m下流に導入した。
第1のカーボンブラック生成原料の導入の間に、前駆体がカリウム含量を有するように量を変えたカリウムアセテート溶液の形態のカリウムが導入された。
【0057】
次いで、本発明のカーボンブラック製品を形成するために第2のカーボンブラック生成原料の川下への水により、前記の反応において形成されたカーボンブラックは完全にクエンチされた。形成されたカーボンブラックは表1に示されるt−面積、BET表面積およびDBP吸着を有した。
【0058】
出願人は、すべての引用例はその全体をこの記載に組み込む。さらにある範囲、好適な範囲、あるいは好ましい上限値および好ましい下限値のリストとして、量、濃度、あるいは他の値あるいはパラメーターが与えられるときは、範囲が分けて記載されているか否かにかかわらずこれは任意の上限あるいは好適な大きい値と任意の下限あるいは好適な小さい値から形成されるあらゆる範囲を特に開示していると理解されるべきである。ここで数値の範囲が列挙され、その他の点では記述されていなければ、その範囲は範囲内のその端点、およびすべての整数および分数を含むことを意図している。範囲を規定するときに列挙された特別な値に本発明の範囲が限定されることを意図していない。
【0059】
本発明の他の態様は、本明細書を考慮しかつここに開示された本発明を実施すれば当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は特許請求の範囲の請求項などに示されている本発明の真の範囲および精神を持つ典型的であるに過ぎないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明において使用されうるカーボンブラック反応炉の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応炉の第1段にカーボンブラック生成原料を導入しそして反応流中で実質的に第1のカーボンブラックからなる前駆体を形成するために高温ガス流と混合すること、そして次に、その後、第1のカーボンブラックを含む反応流を部分的にクエンチするために前記の前駆体に第2のカーボンブラック生成原料を導入すること、そしてその後カーボンブラック製品を形成するために完全にクエンチすることを含むカーボンブラック製品の製造法。
【請求項2】
さらに、前記第2のカーボンブラック生成原料の導入の前に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項1に記載の製造法。
【請求項3】
さらに、前記完全にクエンチすることの前に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含有する物質を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項1に記載の製造法。
【請求項4】
さらに、前記第2のカーボンブラック生成原料の導入の前に少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項1に記載の製造法。
【請求項5】
さらに、前記完全にクエンチすることの前に少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項1に記載の製造法。
【請求項6】
さらに、前記第2のカーボンブラック生成原料の導入の前に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素をカーボンブラック製品中に200ppm以上となるに十分な量で含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項1に記載の製造法。
【請求項7】
前記量が500ppm以上である請求項6に記載の製造法。
【請求項8】
前記IA族元素がカリウムを含む請求項5に記載の製造法。
【請求項9】
前記IA族元素がカリウムである請求項5に記載の製造法。
【請求項10】
第1段でカーボンブラック生成原料を導入しそして第1のカーボンブラックを含む前駆体を形成するために高温ガス流と混合すること、そして次に、第2のカーボンブラック生成原料を前記の前駆体に導入すること、その際にこの第2のカーボンブラック生成原料は製造工程の間に使用されるカーボンブラック生成原料の全重量の少なくとも15重量%を含むこと、そしてさらに少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を前記カーボンブラック製品の形成前に導入することを含むカーボンブラック製品の製造法。
【請求項11】
前記第2のカーボンブラック生成原料が2つ以上の部分に分割して加えられる請求項10に記載の製造法。
【請求項12】
さらに、少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を前記カーボンブラック製品の形成前に導入することを含む請求項10に記載の製造法。
【請求項13】
前記IA族元素がカリウムを含む請求項12に記載の製造法。
【請求項14】
前記IA族元素がカリウムである請求項12に記載の製造法。
【請求項15】
前記材料が前記第2のカーボンブラック生成原料の導入の間あるいは前に導入される請求項10に記載の製造法。
【請求項16】
前記材料が前記第2のカーボンブラック生成原料の導入の前に導入される請求項10に記載の製造法。
【請求項17】
第1段で第1のカーボンブラック生成原料を導入することそして第1のカーボンブラックを含む前駆体を形成するために高温ガス流と混合すること、そして次に第2のカーボンブラック生成原料を前記の前駆体に導入すること、その際に前記の前駆体の形成後は少しの酸化源および燃料源も導入されないこと、そしてさらに少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む材料を導入することを含むカーボンブラック製品の製造法。
【請求項18】
前記第2のカーボンブラック生成原料導入の間あるいは前に、さらにIA族の元素の少なくとも1種を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項17に記載の製造法。
【請求項19】
さらに、前記前駆体の形成の間あるいは前にIA族の元素の少なくとも1種を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項17に記載の製造法。
【請求項20】
さらに、前記前駆体の形成の間あるいは前に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項17に記載の製造法。
【請求項21】
前記IA族元素がカリウムを含む請求項17に記載の製造法。
【請求項22】
前記IA族元素がカリウムである請求項17に記載の製造法。
【請求項23】
第1温度ゾーンで実質的に第1のカーボンブラックからなる前駆体を形成することそして次いでカーボンブラック生成原料を前記前駆体に導入することそしてクエンチゾーンの前の第2温度ゾーンでカーボンブラック製品を形成することを含み、その際に第1温度ゾーンおよび第2温度ゾーンは200℃以上の温度差(Δ)を有するカーボンブラック製品の製造法。
【請求項24】
前記温度差が300℃以上である請求項23に記載の製造法。
【請求項25】
前記温度差が200℃〜約900℃である請求項23に記載の製造法。
【請求項26】
前記温度差が約400℃〜約700℃である請求項23に記載の製造法。
【請求項27】
前記温度差が、前記第1温度ゾーンと第2温度ゾーンの間で冷却ジャケット、水スプレー、および/又は蒸気によって少なくとも一部分は得られる請求項23に記載の製造法。
【請求項28】
前記前駆体の形成と前記カーボンブラック生成原料の導入の間にクエンチが一切生じない請求項23に記載の製造法。
【請求項29】
さらに、前記クエンチゾーンの前に少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項30】
さらに、前記クエンチゾーンの前にIA族又はIIA族の元素の少なくとも1種を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項31】
さらに、前記第1温度ゾーンで少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項32】
さらに、前記前駆体の形成の間に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項33】
さらに、前記前駆体の形成の前に少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項34】
さらに、前記第1の温度ゾーンで少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項35】
さらに、前記前駆体の形成の間に少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項36】
さらに、前記前駆体の形成の前に少なくとも1つのIA族の元素を含む少なくとも1種の材料を導入することを含む請求項23に記載の製造法。
【請求項37】
前記材料が塩である請求項2に記載の製造法。
【請求項38】
前記材料が溶液である請求項2に記載の製造法。
【請求項39】
前記材料が少なくとも1つのIA族又はIIA族の元素を含む化合物である請求項2に記載の製造法。
【請求項40】
約50〜約150ppmのIAあるいはIIA族の全元素含有量を有し、約120〜約150cc/100gのDBP範囲を有するか、あるいは
約100〜約500ppmのIAあるいはIIA族の全元素含有量を有し、約90〜約120cc/100gのDBP範囲を有するか、あるいは、
約200〜約1000ppmのIAあるいはIIA族の全元素含有量を有し、約60〜約90cc/100gのDBP範囲を有するか、あるいは
約500〜約5000ppmのIAあるいはIIA族の全元素含有量を有し、約30〜約60cc/100gのDBP範囲を有するカーボンブラック。
【請求項41】
前記カーボンブラックが20重量%以下の浸出可能なIA族あるいはIIA族の元素の含量を有する請求項40に記載のカーボンブラック。
【請求項42】
前記カーボンブラックが10重量%以下の浸出可能なIA族あるいはIIA族の元素の含量を有する請求項40に記載のカーボンブラック。
【請求項43】
前記カーボンブラックがm/gでのBET表面積とm/gでのt−面積の比が1.5以下である請求項40に記載のカーボンブラック。
【請求項44】
前記カーボンブラックが約0.25重量%〜約5重量%の浸出可能なIA族あるいはIIA族の含量を有する請求項40に記載のカーボンブラック。
【請求項45】
前記カーボンブラックが約10m/g〜約180m/gのt−面積を有する請求項40に記載のカーボンブラック。
【請求項46】
前記材料が塩である請求項10に記載の製造法。
【請求項47】
前記材料が溶液である請求項10に記載の製造法。
【請求項48】
前記材料が少なくともIA族あるいはIIA族の元素を含有する化合物である請求項10に記載の製造法。
【請求項49】
前記材料が塩である請求項17に記載の製造法。
【請求項50】
前記材料が溶液である請求項17に記載の製造法。
【請求項51】
前記材料が少なくともIA族あるいはIIA族の元素を含有する化合物である請求項17に記載の製造法。
【請求項52】
さらに、前記第2カーボンブラック生成原料の導入の前に部分的に中間的クエンチを行う請求項1〜39および46〜51のいずれか1項に記載の製造法。
【請求項53】
前記第2カーボンブラック生成原料がカーボンブラック生成原料の全重量の30〜60重量%である請求項10に記載の製造法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−536407(P2007−536407A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511474(P2007−511474)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/015189
【国際公開番号】WO2005/108504
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(391010758)キャボット コーポレイション (164)
【氏名又は名称原語表記】CABOT CORPORATION
【Fターム(参考)】