説明

カーボン凝結体成形品及びカーボン凝結体成形品の製造方法

【課題】調理器具として使用する際に受ける各種応力によって損傷を軽減することが出来るとともに、調理具材の密着抑止を目的に形成するフッ素系樹脂などの塗膜が成形品の基材であるカーボン凝結体との凝集剥離するのを抑制して高い密着性を維持することができるカーボン凝結体成形品及びカーボン凝結体成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】この発明に係るカーボン凝結体成形品は、カーボン粉粒とフェノール系樹脂未硬化物を含んで成る成形材料を用いて得た成形品に対し、成形品の表面に表面改質剤を塗布し、これを無酸素状態の高温で焼成処理したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電磁誘導加熱が可能な炊飯器内釜などの調理器具に使用し、カーボン粉粒と高炭素含有物質である結合材から成る成形品を無酸素状態で焼成処理に供して得るカーボン凝結体成形品及びカーボン凝結体成形品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁加熱調理器であるコンロや炊飯器は、高周波磁場発生装置である誘導加熱コイルが発生する渦電流によって磁性体金属である鉄やステンレスなどが発熱する電磁誘導加熱を利用するもので、調理器による食品の速やかで均一な加熱が得られるという特徴を有する。当該電磁加熱調理器には、アルミニウムや銅などを積層したクラッド材を鍋状の成形品として用いていたが、クラッド材は鍋や釜などの形状加工が困難で、さらに表面をフッ素樹脂などの耐熱樹脂塗装面の各積層界面が剥離するなどの不具合もあった。
【0003】
そこで、鍋を誘導加熱したときに、鍋に渦電流が発生し易くすると共に、発生した熱が鍋全体に均一且つ速やかに伝達し易くし、また、この鍋の製造時に鍋が変形したりすることを防止するために、鍋の外底面部または外周面部に対向するように設けられ上記鍋を誘導加熱する誘導加熱コイルを備えると共に、この誘導加熱コイルを通電制御する制御手段を備えたものにおいて、鍋をカーボン純度が99.9%以上の黒鉛から構成したことにより、誘導加熱時に鍋に渦電流が発生し易くなると共に、発生した熱が鍋全体に均一且つ速やかに伝達するようになる。しかも、上記鍋を製造する場合、クラッド材製の鍋とは異なり、製造時に鍋が傷付いたり、変形したりすることがなくなり、鍋の品質が向上する誘導加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、従来の電磁加熱調理器が急激に高温と成り、かつ急激に冷めて熱効率が悪いこと、並びに焼肉など焼物調理に不向きであることを解消し、炭火焼のような温和な熱で焼肉などの焼物調理をすることができ、かつスイッチを切っても長時間の保温性がある電磁加熱調理器を提供することを目的として、ケ−シング内の高周波磁場発生装置に接して炭素圧縮体から成る器物を配設した電磁加熱調理器、炭素圧縮成形器物から成る電磁加熱調理器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
上述の特許文献1記載の誘導加熱調理器の製造方法は、コークスなどのカーボン粉粒にフェノールやピッチなどの高炭素含有物である結合材を主体とする混合物を成形し、これを無酸素雰囲気下の1000〜3000℃で加熱して得たカーボンの凝結体を得た後、任意の形状に切削加工したものである。しかし、カーボンの焼結体を切削加工して任意の形状に加工することは、切削の大半を占める容器の凹状を成す中空部分にある素材の廃棄が多く、且つ加工工数も大きい、という課題があった。
【0006】
これらの課題を解決する手段として、カーボンの粉粒とフェノール樹脂の原料液やタールピッチなどの結合材との混合物を金型内に注入して加圧するなどして賦型した後、得られた成形品を焼成処理することによって鍋状に成形されたカーボンの凝結体を得る手段が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平9−75211号公報
【特許文献2】特開平9−70352号公報
【特許文献3】特開2007−44257号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献3の成形手段は、射出などによって黒鉛などのカーボン粉粒と成形温度で液状を呈するフェノール樹脂などの高炭素含有物質を結合材とし、これらを混合した成形材料の金型への充填において、金型内にある空気などのガスの滞留によって未充填部分が形成されるのを抑止し、十分な加圧力の付加による均質で高い物性が得られる。従って、原料の流動性を確保するには、結合材を多く含有することが肝要である反面、電磁加熱調理器として必要な強度や電気伝導、熱伝導が優れるカーボン凝結体成形品を得るには、カーボン粉粒の混合比の高いことが必要である。このため、これらの相反する特性の両立が困難であるという課題があった。
【0008】
電磁加熱調理器としての成形品を確保する上で、カーボン粉粒が密に充填したことのよって十分な圧力を付加することが出来ずに多くの気孔が残留した成形品では、無酸素雰囲気で焼成処理したカーボン凝結体が調理を行う際に受ける各種応力に対しても、本来の耐性に比較して低下するという課題があった。このような表面強度の低下は、成形品表面を塗装した場合に塗膜が基材とともに剥離し易くなるため、塗膜密着性が低いという課題も併せ持つことになる。
【0009】
また、上述の如く結合材を削減して多量のカーボン粉粒とを混合した態様を得たことによって、カーボン粉粒の表面に結合材が塗布されない部位が生じ易くなる上、流動性の低下に伴って粒子間に圧力を付加できずに、カーボン粉粒が密に充填せずに多くの気孔が残留して、焼成処理した凝結体の強度や熱伝導率が低下するという課題があった。
【0010】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、調理器具として使用する際に受ける各種応力によって損傷を軽減することが出来るとともに、調理具材の密着抑止を目的に形成するフッ素系樹脂などの塗膜が成形品の基材であるカーボン凝結体との凝集剥離するのを抑制して高い密着性を維持することができるカーボン凝結体成形品及びカーボン凝結体成形品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係るカーボン凝結体成形品は、カーボン粉粒とフェノール系樹脂未硬化物を含んで成る成形材料を用いて得た成形品に対し、前記成形品の表面に表面改質剤を塗布し、これを無酸素状態の高温で焼成処理したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るカーボン凝結体成形品は、カーボン粉粒とフェノール系樹脂未硬化物を含んで成る成形材料を用いて得た成形品に対し、前記成形品の表面に表面改質剤を塗布し、これを無酸素状態の高温で焼成処理したことにより、カーボン凝結体成形品における表面の強度を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
電磁加熱調理器の製造方法であり、カーボン粉粒と結合材との混合物を圧縮成形によって得た鍋状成形品の内部表面層が、当該部位に改質剤としてシロキサンを含浸させた後に焼成処理を行う強度向上手段について、以下に詳述する。
【0014】
まず、石油コークスを無酸素状態の高温(約3000℃)で焼成してグラファイト化した塊状物を0.3mm以下に粉砕して得たカーボン粉粒物を、アルコール溶液で希釈したフェノールの原料溶液中に投入し、カーボン粉粒物を均一に分散させた状態で重合させる。得られる半硬化状態のフェノール樹脂が、好適な流動性や硬化状態を確保するに至る重合条件にまで温度を維持すれば、任意の反応時間の経過後にエマルジョン状態を成す微粒子を形成した成形材料が得られる。
【0015】
この状態では、成形材料である半硬化状態のフェノール樹脂がアルコール溶液中に分散した状態であるほか、カーボン粉粒の表面にも薄膜として付着して成る。この状態を更に継続してカーボン粉粒表面上の半硬化状態のフェノール樹脂薄膜に微粒子として分散している別の半硬化状態のフェノール樹脂が析出するとともに、過度な析出樹脂の脱離や再度に別のカーボン粉粒表面の薄膜への付着を繰り返し、重合度の上昇とともにカーボン粉粒を核として安定した状態の粒状を成す成形材料を備えた分散液が確保できる。
【0016】
以上の分散液において、アルコール溶媒中に分散したカーボン粉粒表面に付着した半硬化性のフェノール樹脂が再度に融着しない状態にまでカーボン粉粒とのコンポジットの分散液を冷却し、粒状を形成した状態で十分に固化させた後、これを減圧下で溶剤のアルコールを飛散させて乾燥させた。これにより、カーボン粉粒の表面に未硬化状態のフェノール樹脂を配して直径が0.05〜0.3mmのほぼ球状を成して、フェノール樹脂の原料投入量を予め調整して樹脂保有率が約20wt%の成形材料を得た。
【0017】
上述の手段によって得られた成形材料は、塊状物を破砕したカーボン粉粒が備える鋭角な端面を覆い隠して平滑な面を形成して成るため、金型内での加圧時における空隙を埋めるようにして好適な位置に移動しやすい、つまり、流動性に優れるという特徴を有することになる。
【0018】
次に、この成形材料から金型内で鍋状を成すカーボン凝結体成形品から成る調理器を得る手段について詳述する。まず、鍋状成形品を得るため、予め、金型を結合材であるフェノール樹脂の硬化温度である約160℃に加熱しておき、任意の量の成形材料を投入する。このとき、フェノール樹脂が反応の初期段階に副生成物の水蒸気や未反応物を促すと共に、発生ガスを積極的に排気して、成形品内部に残留しないようにすることが肝要である。そのため、反応の進行に伴う流動時の粘度が過度に高くならない時間、本実施の形態では20〜40秒間を触圧程度の低圧での保持後に一時的な金型開放を繰り返しながら未硬化のフェノール樹脂を溶融、概略形状に賦型させた。その後、成形材料が最密充填を成すように高圧状態、本実施の形態では、約10MPaで加圧して任意時間、本実施の形態では300〜360秒間の放置によってフェノール樹脂を硬化後、金型から鍋状成形品Aを取り出した。
【0019】
次に、後段で行う無酸素状態の高温で焼成処理して得られるカーボン凝結体成形品の表面を改質するために、上記にて成形した鍋状成形品の表面に改質剤を塗布して調理器を製造する。この製造工程を、図1の製造工程図を用いて説明する。
【0020】
まず、金型から取り出し鍋状成形品Aの表面に、シロキサン結合を含む、例えばオルガノシロキサンから成る塗料(以下、単にシロキサン)をスプレー、または刷毛などを用いて塗布する手段により鍋状成形品Bを得る。
【0021】
また、金型表面にシロキサンを塗布し、ここに成形材料を載置することによって表面層部分に含浸させた後に成形する手段であっても良い。この後者の方法は、金型表面に高粘度のシロキサン化合物を配設したことによって、成形材料の金型との接触する表面層部分にのみ含浸させることができるので、この後、上述したカーボン凝結体成形品Aの場合と同じ成形方法にて鍋状の鍋状成形品Cも得た。
【0022】
これとは別に、市販の低融点ノボラック型フェノール樹脂が本実施の形態と同じカーボン粉粒に含有率20wt%となるように調整して押出機を用いて混練して得た成形原料を用いて、本実施の形態における鍋状成形品を得た場合と同様に、前記鍋状成形品を得るための硬化温度に加温した金型内で低圧および高圧状態での加圧することによって金型内でフェノール樹脂を硬化させ、比較例とする鍋状成形品を得た。
【0023】
得られた何れの鍋状成形品とも、無酸素状態で約1200℃の雰囲気下に放置してフェノール樹脂を炭化させ、鍋状を成すカーボン凝結体成形品を得た。
【0024】
鍋状成形品Aを無酸素状態で約1200℃の雰囲気下に放置してフェノール樹脂を炭化させたものをカーボン凝結体成形品Aとする。
【0025】
同様に、鍋状成形品Bを無酸素状態で約1200℃の雰囲気下に放置してフェノール樹脂を炭化させたものをカーボン凝結体成形品Bとする。
【0026】
また、鍋状成形品Cを無酸素状態で約1200℃の雰囲気下に放置してフェノール樹脂を炭化させたものをカーボン凝結体成形品Cとする。
【0027】
さらに、比較例とする鍋状成形品を無酸素状態で約1200℃の雰囲気下に放置してフェノール樹脂を炭化させたものを比較例のカーボン凝結体成形品とする。
【0028】
このとき、フェノールの分解生成物が当該カーボン凝結体成形品から放散せずに内部に滞留し、断層亀裂を発生して局部的に膨れるのを防止するため、温度上昇を段階的に行うことが肝要で、フェノール樹脂の分解が活発になって急激な重量減少を来す350℃、500℃、800℃近傍は温度の緩い上昇または保持を行う。具体的には、300℃迄を0.5℃/minで速く昇温後、350℃に1℃/hrの緩い昇温で到達後、5時間の保持をした。また、450℃迄を5℃/hr、500℃迄を1℃/hrで到達後、5時間の保持、750℃迄を5℃/hr、800℃迄を2℃/hrで到達後、3時間の保持をした。さらに、その後、0.5℃/minで1200℃に到達させて2時間の保持を行った。
【0029】
また、冷却については、0.5℃/minで室温近傍まで冷却した。
【0030】
次に、上記手段にて作成した鍋状を成すカーボン凝結体成形品(カーボン凝結体成形品A、カーボン凝結体成形品B、カーボン凝結体成形品C、比較例のカーボン凝結体成形品)について、成形時にシロキサンを含浸させた成形品の表面層における改質効果となる強度の向上を確認するため、当該部位にシリコーン樹脂で塗装を施し、塗膜の密着性を評価した。シリコーン樹脂の塗料のみに1mm間隔で縦横、各々に11本の切れ目を碁盤目状に入れ、この面上に密着させたテープの引き剥し動作を10回、繰り返すことによって生じる欠損箇所を確認し、欠損のない部分の升目の数で評価した。
【0031】
それらの塗膜密着性の評価の結果を図2に示す。成形品の表面層部分にシロキサンを含浸させたもの(カーボン凝結体成形品B、カーボン凝結体成形品C)は、何れも塗膜密着性に優れ、殆ど欠損を生じなかった。これに対し、比較例のカーボン凝結体成形品においては、ほぼ半数の升目で欠損が生じ、特に、基材であるカーボン凝結体を伴って塗料が引き剥がされたことを確認した。
【0032】
つまり、シロキサンを含浸させた後に高温で焼成処理したことにより、成形品の表面層部分の強度が改善され、テープの引き剥がしに伴って生じる引っ張り応力にも十分に耐えられるようになったことが確認できた。
【0033】
実施の形態2.
射出成形による成形品を無酸素状態の高温で焼成して得た電磁加熱調理器である炊飯器の内釜について、原料であるカーボン粉粒と結合材との混合物を金型内に射出充填して得られた成形品の凝結体における表面の強度を向上する手段について、以下に詳述する。
【0034】
まず、石油コークスを無酸素状態の高温(約3000℃)で焼成してグラファイト化した塊状物を粉砕して得た0.1mm以下のカーボン粉粒物を、樹脂保有率が約40wt%になるように調整したフェノールのエタノール希釈液を添加して減圧下で混合し、表面を十分に濡らす。この後、カーボン粉粒が分散するように混合を継続しながら過剰のホルムアルデヒドを添加、50〜80℃に昇温して縮重合させる。このとき、射出および金型充填時に進行する硬化の副生成物である水蒸気などのガス量抑制とともに、流動性や好適な硬化反応を成すフェノール樹脂を得るために、未硬化状態のフェノール樹脂の重合度を制御することが肝要である。
【0035】
以上の調整された成形原料に対し、未硬化状態のフェノール樹脂膜を保持したカーボン粉粒である成形用原料が撹拌されてエタノールと過剰のホルムアルデヒドとに分散して成る混合液の中に、結晶性の熱可塑性樹脂で、加圧による粘度低下を顕著に示すポリアミドの微粉末を、フェノール樹脂の約10%相当量、投入して分散させたものを作製した。ここで用いたポリアミドの微粉末は、カーボン粉粒の表面を覆って成るフェノール樹脂と混合して保持されて成る。ポリアミドに代えて、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)でもよい。
【0036】
これら成形材料原料液の反応が進行するとともに、フェノール樹脂が固化するので、これが凝集しないような安定状態を確保できるように低温状態を維持しながら、さらに低沸点のエタノールと過剰のホルムアルデヒドを減圧状態下で飛散させる乾燥処理を行うことにより、未硬化のフェノール樹脂膜をカーボン粉粒の表面に保持し、直径が概略1mmの粒状を成す成形用原料を得た。
【0037】
上述手段で得た成形用原料は、カーボン粉粒の鋭角な端面を未硬化状態のフェノール樹脂膜が覆って平滑な面を形成して成るので、射出成形機で優れた混練性が得られ、射出後の金型内での流動時に、カーボン粉粒の表面が殆ど露出すること無しに被覆している樹脂が溶融し、優れた流動性を醸し出すという特徴を有する。
【0038】
次に、成形用原料を用いて射出成形した後、得られた成形品を無酸素状態の高温雰囲気で焼成処理し、炊飯器内釜を得る手段について詳述する。内釜開口部外周相当部分をゲートとして設けた金型をフェノール樹脂の硬化温度である約160℃に加熱し、ゲートから成形用材料を充填する。このとき、ポリアミドを成形材料粒子を混合したものは、充填時にポリアミドを混合しない成形用材料に比較して遙かに低粘度となって見掛けの流動性を向上させるとともに原料粒子間に充填されるので、成形原料同士の融着に殆ど影響すること無く、強度や熱伝導率などの調理器具の機能に有効な特性を低下させ難いので都合がよい。
【0039】
また、上述工程で得たフェノール樹脂は、反応の初期段階に副生成物である水蒸気などのガスの放散を促すとともに、金型内での好適な流動性を確保するために、シリンダーをフェノール樹脂の融点より僅かに高い温度で調整するとともに、シリンダーの中間部付近に設けたベントから減圧で吸引して排除したり、閉塞した金型内を減圧状態に維持して排出を促したり、するなどが有効である。
【0040】
金型内に充填した成形材料は、表面に被覆して成る未硬化のフェノール樹脂が硬化する際に反応の副生成物である水蒸気と共に反応に寄与しなかったフェノールを主とする素原料が気化したガス成分を放出するので、これを最小限に抑制する成形材料組成とともに、円滑な排出によって平滑な成形品表面を確保することができた。
【0041】
また、このとき、金型表面には微細な凸状を備えることにより、高粘度の当該成形用原料が金型表面への密着を抑制できるので、脱型時にフェノール樹脂が完全に硬化せずに強度が不十分でも、当該成形品表面の剥離等の損傷を与えることなしに脱型できるので、射出完了の3分後に金型を開放して成形品を取り出した。
【0042】
金型内に充填された成形用原料は、その表面を被覆して成るフェノール樹脂が硬化して脱型が可能状態に至る。得られた成形品表面には溶融して金型との間で生じる摩擦を低減して流動性の向上に寄与したフェノール樹脂と、流動性を補完したポリアミドが多く存在して成るので、後述する無酸素状態下で焼成処理に伴う気散物を放出した結果として極めて多くの微細な気孔が多く存在する。
【0043】
また、これら気孔が形成される焼成段階で、カーボン粉粒とフェノール樹脂が焼成処理時の膨張や収縮の挙動が異なるために、発生した応力が微細な亀裂などの欠陥を生成して成形品表面の強度低下を促すため、該成形品の表面に塗装した塗膜が基材の破壊を伴って欠落し易くなり、見掛けの塗膜密着性が低下することになるので好ましくない。
【0044】
従って、得られた成形品表面には、より強度の高い層を積層する処理を施すことが有効であり、本実施の形態では表面改質剤として高炭素含有化合物、例えば、コプナ樹脂や石油および石炭のタールを表面改質剤として塗布した。これにより、成形品表面にはカーボン粉粒との膨張や収縮に伴って発生する成形品表面の欠陥部分が殆ど無いため、塗膜剥離に伴う成形品基材への応力付与を緩和して塗膜剥離に対する補強効果を醸し出すことができるものである。
【0045】
また、上記高炭素含有化合物にパルプ繊維などの易分解性繊維を混入した表面改質剤を積層する処理を施したものも作製した。これは、塗布後の焼成処理時に易分解性物質を分解および気散させることにより、表面層部分に均質な気孔を生成するので、塗膜の含浸性を向上させて密着力の向上させる効果を得るものである。即ち、高炭素含有化合物は、粒子状物質または繊維状物質の飛散痕跡である微細気孔を含んで成るものでもよい。
【0046】
以上の工程を経た成形品は、成形品の基材にあるフェノール樹脂および表面の塗膜である高炭素含有化合物を、約1200℃の無酸素状態雰囲気下で炭化させることにより、電磁誘導加熱が可能な内釜形状を成すカーボン凝結体を得た。このとき、前記炭化に伴う分解に伴って壁面内に亀裂を発生させる膨張や収縮挙動のほか、ガスの発生による成形品壁内、特に表面に近い部分の内圧が上昇して局部的な膨れやクラックが発生することがある。この不具合の防止には、分解生成物を成形品内部に滞留することなく放散させることが肝要で、分解ガスの発生量に応じて段階的に焼成温度を上昇させることが有効である。つまり、フェノール樹脂の分解に伴う急激な重量減少を来す温度域では、緩い上昇または保持する温度制御を行うことであり、例えば300℃までを3〜5℃/hrで昇温した後に12時間の保持、さらに600℃までを1〜3℃/hr、1200℃までを5〜10℃/hr の昇温速度で焼成する。
【0047】
ただし、本実施の形態で作成した成形品のうち、熱可塑性樹脂であるポリアミドが分散しているものについては、分解ガスなどのガス生成や熱膨張または収縮に伴って発生した応力に起因したクラック発生に対し、溶融状態にあるポリアミドの系外への流出を含む成形品内での低応力負荷部分への移動に伴って局部的に発生する応力を緩和する。この結果、焼成時の昇温を促進することが可能となった結果、図3に示すように、焼成時間を短縮してもクラックが発生せず、その結果、従来の20日間の焼成時間に対し、約2/3の14日間で完了させることができた。
【0048】
以上のカーボン凝結体から成る鍋状の成形品には、調理器具としての耐摩耗や防汚性の向上を目的とした塗装を行う必要があり、ここで用いる塗料は、前記焼成によって形成した気孔内に含浸し易く、外面には耐摩耗性と耐熱性に優れるシリコーン樹脂を用いた。塗料は、凝結体表面にある多くの気孔に含浸してアンカー効果による塗膜の強固な固着を促すことになる。得られた塗膜の剥離強さは、塗料のみに1mm間隔で縦横、各々に11本の切れ目を碁盤目状に入れ、この面上にテープを密着させた後、これを引き剥す動作を10回、繰り返すことによって生じる欠損箇所を確認、欠損のない部分の升目の数で評価した。
【0049】
実施の形態1の比較例に対し、射出成形品を焼成処理した凝結体にコプナ樹脂を表面に塗布した後に焼成処理した凝結体の成形品である(カーボン凝結体成形品D)、フェノール樹脂にパルプ繊維を混合した塗膜を備えた凝結体の成形品(カーボン凝結体成形品E)のほか、ポリアミドを混合した成形材料の射出成形品表面に、コプナ樹脂の塗布後に焼成処理した凝結体の成形品である(カーボン凝結体成形品F)について、各々の塗膜密着性の評価結果を図4に示す。本実施の形態で述べた成形品は、基材のみで改質剤塗布膜を有さない比較例のカーボン凝結体である成形品が基材の凝集剥離を伴って塗膜が引き剥がされたのに対し、カーボン凝結体成形品D、カーボン凝結体成形品E、カーボン凝結体成形品Fには殆ど欠損を生じることが無く、有意に優れた塗膜密着性を示した。
【0050】
なお、本実施の形態では、結合材や表面改質剤にフェノール樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂を用いたが、これに替えて、高温で流動性を呈するタールピッチなどの炭素含有率の高い物質を用いた場合は、高温焼成時における分解生成物の飛散後に炭素が十分に残存して収縮や結合力の不足が生じることもないので、代替が可能である。さらに、系外への流出を含む成形品内の低応力負荷部分に移動して均質化が図れる挙動を備えるので、焼成時に成形材料の偏在や結合材の不均一分布に基づく焼成時の収縮量の差異などで生じる内部残存歪みの開放挙動である亀裂発生の抑制効果を備え、熱可塑性樹脂のポリアミドなどを混合した場合と同様、焼成処理に要する時間を短縮することができる効果を得ることが出来る。
【0051】
実施の形態3.
圧縮成形による成形品を無酸素状態の高温で焼成して得た電磁加熱調理器であるフライパン状調理器について、原料であるカーボン粉粒と結合材との混合物を金型内に充填して得られた成形品の凝結体表面を改質して強度を向上する手段について、以下に詳述する。
【0052】
石油コークスを無酸素状態の高温(約3000℃)で焼成してグラファイト化した塊状物を粉砕して得た0.1mm以下のカーボン粉粒物に結合材として加える未硬化のノボラック型フェノール樹脂の保有率が約30wt%になるように調整した成形材料と、これに、焼成後の凝結体成形品表面から塗料などの樹脂含浸を促進する気孔生成を促進するための直径が約30μm、長さが3mm以下のポリプロピレン繊維(易分解性繊維状樹脂の一例)を添加、均一に混合したものの2種類の成形材料を調整した。
【0053】
このとき、樹脂含浸を可能とする気孔の形成を可能とする易分解性繊維状樹脂に、ポリプロピレン繊維に代えて、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンやポリアミドなどのオレフィン系樹脂でも良く、また、成形段階で溶融してカーボン粉粒やノボラック型フェノール樹脂の粒子間の空隙に介在しうる樹脂であれば、粒状のものを用いても良い。
【0054】
次に、上述した混合物から成る成形用原料を用いて圧縮成形する。金型をフェノール樹脂の硬化温度である約160℃に加熱後、外面を成す下型に上述した成形用材料を投入して金型を閉塞する。このとき、触圧程度の低い圧縮負荷に止めて、硬化の初期段階で発生する水蒸気や、例えばホルムアルデヒドなどの未反応原料ガスの放散を阻害して成形品内部に滞留しないように、金型空隙内を減圧状態にするなどの配慮が必要である。そのため、10〜30秒間の触圧で保持した後、約10Mpaの圧力を付加して所望する形状を確保、硬化が完了する射出完了の3分後に金型を開放して成形品を取り出した。
【0055】
次に、約1200℃の無酸素状態雰囲気下でフェノール樹脂を炭化させる焼成処理を施して電磁誘導加熱が可能な調理器と成すカーボン凝結体を得る。このとき、フェノール樹脂などの急激な分解を来す温度域で、分解ガスの飛散に伴う膨張や収縮挙動に起因する壁面内の亀裂発生のほか、ガス発生による内圧上昇に基づく表面層近傍における局部的な膨れやクラックの発生を防止するため、段階的な焼成温度の上昇によって急激な分解ガスの発生を抑制することが肝要である。例えば、300℃までを3〜5℃/hrで昇温した後に12時間の保持後、600℃までを1〜3℃/hr、1200℃までを5〜10℃/hrの昇温速度で焼成した。
【0056】
また、焼成段階で、カーボン粉粒とフェノール樹脂の温度上昇時における膨張や分解時の収縮の挙動が異なるために、発生した応力が微細な亀裂などの欠陥を生成して、成形品表面に施す塗料が基材の破壊を伴って欠落して見掛けの密着性を低下させる要因となる。
【0057】
これに対し、本実施の形態の該成形品は、成形時にポリプロピレン繊維が溶融してカーボン粉粒間で連続して保持されて成るので、後述する焼成処理の初期段階で溶融状態を維持しながら分解して連続した気孔を形成することになる。このため、フェノール樹脂の分解ガスを成形品内部に滞留することなく放散できる効果を備えたので、成形品におけるフクレや亀裂の発生抑止効果が得られる。
【0058】
また、熱膨張または収縮に伴って発生するクラックに対して、ポリプロピレンが系外への流出などによって、加熱による膨張に伴って生じる応力の緩和挙動として作用して、クラック発生を来しにくくなるので、昇温速度の上昇が可能となる。この結果、焼成時間が従来の20日間の焼成時間に対して、本実施の形態の凝結体から成る成形品では約2/3の14日間で完了させることができた。
【0059】
次に、得られた成形品の表面に高い強度の層を積層する処理を施すことにより、成形品表面における見掛けの強度を向上させ、高い塗膜密着性を得るようにした。本実施の形態では表面改質剤として高炭素含有化合物、例えば、コプナ樹脂やフェノール樹脂などの塗布により、カーボン粉粒の膨張やフェノール樹脂の焼成に伴う収縮などの相互作用から発生する成形品表面の微細な亀裂なども殆ど無く、塗膜剥離に伴う直接的な応力付与を緩和して塗膜剥離に対する補強効果を醸し出すものである。
【0060】
まず、射出成形品を焼成処理したカーボン凝結成形品の表面に、高炭素含有化合物のコプナ樹脂をエタノール希釈物と、分解除去して気孔を形成するためのポリプロピレン繊維と、の混合物を改質剤として塗布して、十分に含浸させた。
【0061】
これを成形品と同様の約1200℃の無酸素雰囲気下で焼成して、基材のカーボン凝結体と同化させるとともに、電磁誘導加熱が可能な表面層を保持させた。この凝結体表面に多くの気孔を備えてなるので、前記気孔にコプナ樹脂塗料が含浸して、アンカー効果による塗膜を強固に固着させることができる。さらに、コプナ樹脂自身は、無酸素状態下の高温での焼成によるカーボン残留量が非常に多く、塗膜の基材として十分な強度を発現することができるという特徴を備えることができる。
【0062】
他の高炭素含有化合物として、石油および石炭のタールを用いても、コプナ樹脂と同様、約1200℃の無酸素雰囲気での焼成後によって、カーボン残留量が非常に多くて十分な強度を発現することができる表面層を得ることができた。
【0063】
一方、表面改質剤としてオルガノシロキサンなどのシロキサン系化合物と未硬化のフェノール樹脂の混合物を塗布、含浸させても同様の効果得られる。この場合、フェノールとシロキサンの焼成処理温度である約1200℃で、両物質が反応して炭化ケイ素を生成し、これの優れた剛性と強度が凝結体表面を改質するものである。
【0064】
以上のようにして得られたカーボンの凝結体成形品は調理器具としての実用機能を得るため、外面に塗布して耐摩耗性と耐熱性に優れるシリコーン樹脂、内面には調理具材の固着を抑止するフッ素樹脂塗料を塗布し、所定の乾燥処理を施して、塗膜を密着・固定させた。
【0065】
前記塗膜の剥離強さは、塗料のみに1mm間隔で縦横、各々に11本の切れ目を碁盤目状に入れ、この面上に密着させたテープの引き剥し動作を10回、繰り返すことによって生じる欠損箇所を確認して、欠損のない部分の升目の数で評価した。
【0066】
コプナ樹脂の塗布後に焼成処理した凝結体の成形品(カーボン凝結体成形品G)、シロキサンとフェノール樹脂の混合物を塗布後に焼成処理行った凝結体の成形品(カーボン凝結体成形品H)、塗膜密着性の評価結果を、実施の形態2で示した比較例2とともに図5に示した。本実施の形態で述べた成形品は、従来の凝結体成形品であるフェノール樹脂とカーボン粉粒の混合物の塗膜が、基材を伴って多くの塗膜が引き剥がされたのに対して、殆ど欠損を生じることが無く、有意に優れた塗膜密着性を示した。
【0067】
なお、本実施の形態では、表面改質剤にフェノール樹脂をはじめとする熱硬化性樹脂を用いたが、これに替えて、高温で流動性を呈する石油タールなどの炭素含有率の高い物質を用いたもの(凝結体成形品I)であっても、高温焼成による分解生成物が飛散しても炭素が十分に残存して収縮や結合力の不足が生じることもないうえ、図5に併記した塗膜密着性の結果からも同様効果が得られたので、代替が可能である。
【0068】
以上に示したように、凝結体成形品の表面を、高炭素含有化合物およびそれとシロキサンから生成される炭化ケイ素の強固な表面層とすることにより、調理器具の調理面に形成した塗膜層の密着性能を大幅に向上できることを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施の形態1を示す図で、調理器具の製造工程図。
【図2】実施の形態1を示す図で、カーボン凝結体成形品の塗膜密着性の評価結果を示す図。
【図3】実施の形態2を示す図で、ポリアミド有無によるカーボン凝結体成形品(炊飯器内釜)のクラック発生状況を示す図。
【図4】実施の形態2を示す図で、カーボン凝結体成形品の塗膜密着性の評価結果を示す図。
【図5】実施の形態3を示す図で、カーボン凝結体成形品の塗膜密着性の評価結果を示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン粉粒とフェノール系樹脂未硬化物を含んで成る成形材料を用いて得た成形品に対し、前記成形品の表面に表面改質剤を塗布し、これを無酸素状態の高温で焼成処理したことを特徴とするカーボン凝結体成形品。
【請求項2】
前記表面改質剤が、高炭素含有化合物を含んで成る塗料を塗装して成ることを特徴とする請求項1に記載のカーボン凝結体成形品。
【請求項3】
前記高炭素含有化合物が、コプナ樹脂であることを特徴とする請求項2に記載のカーボン凝結体成形品。
【請求項4】
前記高炭素含有化合物が、石油および石炭のタールを含んで成ることを特徴とする請求項2に記載のカーボン凝結体成形品。
【請求項5】
前記高炭素含有化合物が、粒子状物質または繊維状物質の飛散痕跡である微細気孔を含んで成ることを特徴とする請求項2に記載のカーボン凝結体成形品。
【請求項6】
カーボン粉粒とフェノール系樹脂未硬化物を含んで成る成形材料を用いて得た成形品の表面にシロキサンを塗布して、無酸素状態の高温で焼成処理したことを特徴とするカーボン凝結体成形品。
【請求項7】
任意の量のカーボン粉粒を混合しながら重合段階を経たフェノール系樹脂未硬化物から成る成形材料を金型内で加圧しながら硬化することによって得た成形品の表面にシロキサンを塗布した後、これを無酸素状態の高温で焼成処理によって有機物を分解して得ることを特徴とするカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項8】
任意の量のカーボン粉粒を混合しながら重合段階を経たフェノール系樹脂未硬化物から成る成形材料をシロキサンが塗布された金型面に載置後、または金型内に配設した前記成形材料の表面にシロキサンを噴霧後、金型内で加圧しながら硬化することによって得た成形品を無酸素状態の高温で焼成処理によって有機物を分解して得ることを特徴とするカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項9】
任意の量のカーボン粉粒を混合しながら重合段階を経たフェノール系樹脂未硬化物から成る成形材料を、金型内で加圧しながら硬化することによって得た成形品の表面に、表面改質剤を塗布した後、これを無酸素状態の高温で焼成処理によって有機物を分解して得ることを特徴とするカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項10】
前記成形材料が、成形時の加熱によって溶融する溶融温度を有するポリアミドまたはPBT樹脂を混合して成ることを特徴とする請求項9に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項11】
前記表面改質剤が、高炭素含有化合物を含んで成る塗料を塗装して成ることを特徴とする請求項9に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項12】
前記高炭素含有化合物が、コプナ樹脂であることを特徴とする請求項11に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項13】
前記高炭素含有化合物が、石油および石炭のタールを含んで成ることを特徴とする請求項11に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項14】
前記高炭素含有化合物が、易分解性の粒子状物質または繊維状物質を混合して成ることを特徴とする請求項11に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項15】
カーボン粉粒と易分解性繊維状樹脂とフェノール系樹脂未硬化物の混合物である成形材料を金型内で加圧および加熱して得た成形品を、無酸素状態の高温で焼成処理した後に、表面に表面改質剤を塗布して無酸素状態の高温で再度の焼成処理をしたカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項16】
前記易分解性繊維状樹脂が、オレフィン系樹脂を用いて成ることを特徴とする請求項15に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項17】
前記表面改質剤が、少なくともシロキサン系化合物を含んで成る塗料を塗装して成ることを特徴とする請求項15に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項18】
前記表面改質剤が、高炭素含有化合物を含んで成る塗料を塗装して成ることを特徴とする請求項15に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項19】
前記高炭素含有化合物が、コプナ樹脂であることを特徴とする請求項18に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。
【請求項20】
前記高炭素含有化合物が、石油および石炭のタールであることを特徴とする請求項18に記載のカーボン凝結体成形品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−59036(P2010−59036A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229441(P2008−229441)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】