説明

ガイダンス制御システム及びその制御方法

【課題】より自由度の高いガイダンスを再生すること。
【解決手段】ガイダンス制御システム1は、端末10と、端末10に接続されたサーバ21と、サーバ21に接続されたガイダンス制御装置22と、を備え、発信元の端末10に対してガイダンスを提供する。また、サーバ21は、端末10から送信される発呼信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択し、ガイダンス制御装置22に対して送信する。一方、ガイダンス制御装置22は、サーバ21から受信したガイダンス選択情報と、可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、ガイダンスのための音声データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信元の端末に音声ガイダンスを提供するガイダンス制御システム及びその制御方法に関し、より詳細には、ガイダンスを可変させるガイダンス制御システム及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IP端末からの呼を受信して呼制御を行うと共に、所定の音声ガイダンスを指定するガイダンス情報を生成する呼制御手段と、呼制御手段より受信したガイダンス情報を、1つ以上の音声データに対応付けられた識別子から構成される識別子情報へと変換するガイダンス制御手段と、ガイダンス制御手段より受信した識別子情報を構成する識別子に対応付けられた1つ以上の音声データを順次再生することによって、IP端末に対し所定の音声ガイダンスを提供するガイダンス手段と、を備えるガイダンス制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−311206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のガイダンス制御システムは、指定されたガイダンスコードに従い、保持している断片的な音声データを意味あるガイダンスとなるように適切な順序で構築し、再生させる処理を行っているにすぎない。すなわち、指定されたガイダンスコードによって指定された、ガイダンス制御手段上に用意された音声データのみしか再生することができず、自由度の高い音声ガイダンスを再生することができない。
【0004】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、より自由度の高いガイダンスを再生できるガイダンス制御システム及びその制御方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の一態様は、端末と、該端末に接続されたサーバと、該サーバに接続されたガイダンス制御装置と、を備え、発信元の前記端末に対してガイダンスを提供するガイダンス制御システムであって、前記サーバは、前記端末から送信される発呼信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、前記ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択し、前記ガイダンス制御装置に対して送信し、前記ガイダンス制御装置は、前記サーバから受信した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、前記ガイダンスのための音声データを生成する、ことを特徴とするガイダンス制御システムである。この一態様によれば、より自由度の高いガイダンスを再生することができる。
【0006】
また、この一態様において、前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を自動的に選択してもよい。これにより、必要に応じて適切な可変ガイダンス指示記号が、自動的に選択されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0007】
さらに、この一態様において、前記サーバは、ユーザの入力情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を選択してもよい。これにより、ユーザは、可変ガイダンス指示記号を任意に選択することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0008】
なお、上記目的を達成するための本発明の一態様は、端末と、該端末に接続されたサーバと、該サーバに接続されたガイダンス制御装置と、を備え、発信元の前記端末に対してガイダンスを提供するガイダンス制御システムの制御方法であって、前記サーバが、前記端末から送信される発呼信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、前記ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択する選択工程と、前記サーバが、前記選択工程で選択した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号とを、前記ガイダンス制御装置に対して送信する送信工程と、前記ガイダンス制御装置が、前記サーバにより受信した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、前記ガイダンスのための音声データを生成する音声データ生成工程と、を含む、ことを特徴とするガイダンス制御システムの制御方法であってもよい。この一態様によれば、より自由度の高いガイダンスを再生することができる。
【0009】
また、この一態様において、前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に対応させて、前記可変ガイダンス指示記号を記憶しており、前記選択工程において、前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に対応する、前記可変ガイダンス指示記号を自動的に選択してもよい。これにより、必要に応じて適切な可変ガイダンス指示記号が、自動的に選択されるため、ユーザの利便性が向上する。
【0010】
さらに、この一態様であって、前記選択工程において、前記サーバは、ユーザの入力情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を選択してもよい。これにより、ユーザは、可変ガイダンス指示記号を任意に選択することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、より自由度の高いガイダンスを再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら一実施形態を挙げて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【0013】
ガイダンス制御システム1は、発信元のIMS(Internet Protocol Multimedia Subsystem)端末10に対して、音声ガイダンス(音声案内)を提供するシステムである。ガイダンス制御システム1は、単数又は複数のIMS端末10と、IMS網20と、を備えている。
【0014】
IMS端末10は、IMS網20に対して接続可能な通信端末である。IMS端末10は、無線通信リンクを介したネットワーク接続だけでなく、様々な種類のデバイスやアクセス手段により通信接続がサポートされている。なお、IMS端末10は、例えば、無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)や第3世代携帯電話(3GPP:3rd Generation Partnership Project)のように、アクセスネットワーク経由でIMS網20に接続する通信端末であってもよい。
【0015】
IMS端末10は、所定の操作に応じて、プログラムを実行させ動作するコンピュータ機能を有しており、IMS網20と通信可能にする通信機能を有している。また、IMS端末10は、所定の情報を記憶する記憶機能を有しており、音声を入出力する入出力機能を有している。さらに、IMS端末10は、キーの押下操作に応じて操作信号を出力する機能を有しており、この操作信号に基づいて諸機能を制御する制御機能を有している。
【0016】
IMS網20は、VoIP(Voice over Internet Protocol)等のIP(Internet Protocol)ベースのマルチメディアサービスを、第3世代携帯電話や無線LANへ、アクセス網に依存せずに提供するネットワークである。また、IMS網20は、IPベースのマルチメディアサービスの提供だけでなく、公衆電話交換回線網(PSTN:Public Switched Telephone Network)やインターネットへ接続するサービスを、提供することも可能である。IMS網20は、SIP(Session Initiation Protocol)サーバ21と、ガイダンス制御装置22と、を有している。
【0017】
SIPサーバ21は、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を土台にした、テキストベースのリクエスト/レスポンス型のSIPを用いて動作するサーバである。また、SIPサーバ21は、IMS網20内に設けられた装置である。
【0018】
SIPサーバ21は、所定の操作に応じて、プログラムを実行させ動作するコンピュータ機能を有しており、IMS端末10及びガイダンス制御装置22と通信可能にする通信機能を有している。また、SIPサーバ21は、所定の情報を記憶する記憶機能を有しており、諸機能を制御する制御機能を有している。SIPサーバ21は、ガイダンス制御装置22との間で、SIPに基づいたSIP信号を用いて、情報の送受信が可能である。
【0019】
ガイダンス制御装置22は、音声ガイダンスを提供するための制御を行う装置である。ガイダンス制御装置22は、IMS網20内に設けられた装置である。ガイダンス制御装置22は、所定の操作に応じて、プログラムを実行させ動作するコンピュータ機能を有しており、SIPサーバ21と通信可能にする通信機能を有している。また、ガイダンス制御装置22は、所定の情報を記憶する記憶機能を有しており、諸機能を制御する制御機能を有している。さらに、ガイダンス制御装置22は、メディアに関するメディア機能を有している。ガイダンス制御装置22は、SIPサーバ21との間で、SIP信号を用いて情報の送受信が可能である。
【0020】
次に、本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システム1の動作について、図2及び図3を用いて詳細に説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システム1の動作を模式的に示したシーケンス図である。図3は、本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システム1におけるSIPサーバ21の動作を模式的に示したフローチャートである。
【0021】
まず、IMS端末10は、着信先のユーザの端末(不図示)へ電話(発呼)すべく、ユーザの操作によりINVITE信号(発呼信号)を、SIPサーバ21に対して送信する(図2のステップA1)。ここで、INVITE信号は、SIP信号の一種であり、着信先のユーザの端末を発呼するためのテキストテータ(例えば、電話番号)を含む発呼信号である。なお、INVITE信号は、大きく分けて、ガイダンスを実施する事象を含む場合と、ガイダンスを実施する事象を含まない場合と、がある。
【0022】
次に、SIPサーバ21は、IMS端末10から送信されたINVITE信号を受信すると、TRYING信号をIMS端末10に対して送信する(図2及び図3のステップB1)。ここで、TRYING信号は、SIP信号の一種であり、INVITE信号に対する暫定応答のための信号である。
【0023】
その後、IMS端末10は、SIPサーバ21からのTRYING信号を受信すると、INVITE信号がSIPサーバ21に送達されたことを認識する(図2のステップA2)。
【0024】
また、SIPサーバ21は、IMS端末10へTRYING信号を送信した(ステップB1)後、IMS端末10からのINVITE信号に基づいて、サービス判定を行う(図2及び図3のステップB2)。このサービス判定において、SIPサーバ21は、INVITE信号に基づいて、サービス(例えば、電話サービス、ファックスサービス等)の種類を、判定する。
【0025】
上記サービス判定(ステップB2)の後、SIPサーバ21は、INVITE信号に基づいてガイダンス接続判定を行う(図2及び図3のステップB3)。ガイダンス接続判定において、SIPサーバ21は、INVITE信号に基づいて、ガイダンス接続するか否かについて判定(換言すれば、ガイダンスが必要か否かの判定、若しくは、呼接続が可能か否かの判定)を行う。
【0026】
例えば、着信先であるユーザの電話機の電話番号に変更等の事象が発生した場合、あるいは、INVITE信号に含まれる電話番号に対応する電話機が存在しない場合、等のように呼接続が不可能であり、ガイダンス接続の必要性がある場合において、SIPサーバ21は、ガイダンス接続すると判定し(ステップB3のYES)、下記(ステップB4)へ移行する。
【0027】
一方、着信先のユーザの電話機に呼接続が可能であり、ガイダンス接続の必要性がない場合において、SIPサーバ21は、ガイダンス接続しないと判定し(ステップB3のNO)、IMS端末10と着信先のユーザの電話機(不図示)との間で通信可能にするための後処理を実行し(図3のステップB3a)、その後、本処理を終了する。
【0028】
SIPサーバ21は、ガイダンス接続すると判定した場合(ステップB3のYES)、INVITE信号に基づいて、ガイダンス情報判定を行う(図2及び図3のステップB4)。
【0029】
ガイダンス情報判定において、SIPサーバ21は、INVITE信号に基づいて、ガイダンス項目(着信先のユーザの電話機の電話番号の変更等の事象が発生した場合、あるいは、INVITE信号に含まれる電話番号に対応する電話機が存在しない場合、等のガイダンス選択情報)を選択する(選択工程)。そして、SIPサーバ21は、選択したガイダンス項目に対応する可変ガイダンス指示記号(例えば、後述の表1に示す記号)が存在するか否かの判定を行い、可変ガイダンスが必要か否かの判定を行う。ここで、ガイダンス指示記号は、ガイダンスの可変を指示するための記号であり、上記選択されるガイダンス項目に対応した情報として、予めSIPサーバ21に記憶されている。
【0030】
SIPサーバ21は、対応する可変ガイダンス指示記号が存在し、可変ガイダンスが必要と判定したとき(ステップB4のYES)、この可変ガイダンス指示記号を、自動的に選択する。そして、SIPサーバ21は、この可変ガイダンス指示記号を、選択したガイダンス項目に対応するガイダンスコードに付加し、この付加されたガイダンスコードをINVITE信号に付加する(選択工程)(図3のステップB4a)。
【0031】
これにより、必要に応じた適切な可変ガイダンス指示記号が自動的に選択され、INVITE信号に付加されるため、ユーザの利便性が向上する。ここで、可変ガイダンスが必要とされる場合として、例えば、電話番号に対応する電話機が存在しない場合のガイダンスが考えられる。
【0032】
なお、SIPサーバ21は、対応する可変ガイダンス指示記号を、自動的に選択しているが、SIPサーバ21の保守者(ユーザ)の入力情報に基づいて、可変ガイダンス指示記号を選択してもよい。これにより、ユーザは、可変ガイダンス指示記号を任意に選択することができるため、ユーザの利便性が向上する。
【0033】
一方、SIPサーバ21は、可変ガイダンス指示記号が存在せず、可変ガイダンスが不必要と判定したとき(ステップB4のNO)、選択したガイダンス項目に対応するガイダンスコードを、INVITE信号に付加する(図3のステップB4b)。ここで、SIPは、テキストベースのプロトコルであるため、SIP信号の一種であるINVITE信号のガイダンスコード内に、可変ガイダンス指示記号を、そのまま付加することが可能である。
【0034】
上記(ステップB4a)又は(ステップB4b)の後、SIPサーバ21は、上記選択されたガイダンス項目に対応し、可変ガイダンス指示記号が付加されたガイダンスコードを含むINVITE信号を、ガイダンス制御装置22に対して送信する(図2及び図3のステップB5)(送信工程)。
【0035】
上記(ステップB5)の後、ガイダンス制御装置22は、SIPサーバ21からのINVITE信号を受信すると、TRYING信号をSIPサーバ21に対して送信する(図2のステップC1)。
【0036】
次に、SIPサーバ21は、ガイダンス制御装置22からのTRYING信号を受信すると、INVITE信号がガイダンス制御装置22に送達されたことを認識する(図2のステップB6)。
【0037】
ガイダンス制御装置22は、SIPサーバ21に対して、TRYING信号を送信した(ステップC1)後、SIPサーバ21からのINVITE信号に基づいて、ガイダンス判定を行う(図2のステップC2)。ガイダンス判定において、ガイダンス制御装置22は、INVITE信号のガイダンスコード内に、可変ガイダンス指示記号が付加されているか否かを判定する。
【0038】
ガイダンス制御装置22は、INVITE信号のガイダンスコード内に、可変ガイダンス指示記号が付加されていると判定したとき(ステップC2のYES)、予め保持している非断片的な音声データに基づいて、選択されたガイダンス項目に対応し、可変ガイダンス指示記号が付加されたガイダンスコードを、対応する音声データに変換し、生成する(ステップC2a)(音声データ生成工程)。このように、ガイダンスコード内に可変ガイダンス指示用を付加することで、この可変ガイダンス指示記号を用いて、より自由度の高い音声データを生成することができる。
【0039】
一方、ガイダンス制御装置22は、INVITE信号のガイダンスコード内に可変ガイダンス指示記号が付加されないと判定したとき(ステップC2のNO)、INVITE信号に付加されたガイダンスコードに従い、予め保持している断片的な音声データに基づいて、意味のあるガイダンスとなるように適切な順序で音声データを構築する(ステップC2b)。これにより、ガイダンスコードに基づいて、適切な音声データを構築することができる。
【0040】
上記(ステップC2a又はステップC2b)の後、ガイダンス制御装置22は、変換又は構築された音声データを、SIPサーバ21に対して送信する(図2のステップC3)。そして、上記(ステップC3)の後、SIPサーバ21は、ガイダンス制御装置22からの音声データを、IMS端末10に対して送信する(図2及び図3のステップB7)。
【0041】
なお、ガイダンス制御装置22は、変換又は構築された音声データを、SIPサーバ21を介して、IMS端末10に対して、間接的に送信しているが、SIPサーバ21を介することなく、直接的にIMS端末10に対して送信してもよい。
【0042】
上記(ステップB7)の後、IMS端末10は、SIPサーバ21から、音声データを受信すると、当該音声データを再生する(図2のステップA3)。これにより、IMS端末10は、ガイダンスコードのみにより構築された音声データのガイダンスだけでなく、さらに、可変ガイダンス指示記号が付加されたガイダンスコードに基づいた音声データのガイダンスを再生することができる。
【0043】
次に、上述した、本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システム1の可変ガイダンス指示記号について、詳細に説明する。表1は、ガイダンス制御システム1において、INVITE信号のガイダンスコード(ガイダンス番号)に付加される可変ガイダンス指示記号の一例を示す表である。
【表1】

【0044】
表1に示す如く、記号「 / 」は、ガイダンスのガイダンス番号の後に記号「 / 」を挿入し、この記号「 / 」の後に送信したい数字を挿入する。なお、通常、ガイダンス番号は数字であるが、数字自体をガイダンスとして指定することができる。
【0045】
記号「 * 」は、繰り返し指定を行いたいガイダンスのガイダンス番号の後に記号「 * 」を挿入し、この記号「 * 」の後に繰り返したい回数を挿入する。この記号「 * 」の挿入により、ガイダンスの繰り返し再生の回数を任意に指定できる。
【0046】
記号「 + 」は、無音区間を挿入したいガイダンスのガイダンス番号の後に記号「 + 」を挿入し、この記号「 + 」の後に無音区間の時間を表す数字を挿入する。この記号「 + 」の挿入により、ガイダンスの無音区間を任意に指定することができる。
【0047】
記号「 - 」は、再生時間を指定したいガイダンスのガイダンス番号の後に記号「 - 」を挿入し、この記号「 - 」の後に再生時間を表す数字を挿入する。この記号「 - 」の挿入により、ガイダンスの再生時間を任意に指定することができる。
【0048】
記号「 _ 」は、挿入したい位置に記号「 _ 」を挿入し、この記号「 _ 」の後に挿入したいガイダンスのガイダンス番号を挿入する。この記号「 _ 」の挿入により、複数のガイダンス(ガイダンス番号)を任意に組み合わせることができる。
【0049】
上述の如く、表1に示す各記号を、上述のINVITE信号のRequest-URIヘッダに付加する。例えば、ガイダンス番号「0001」を再生し、その後、100msの無音区間を挿入する。次に、ガイダンス番号「0002」を再生し、その後、1000msの無音区間を挿入する。さらに、ガイダンス番号「0002」を再生し、その後、1000msの無音区間を挿入する。このようなガイダンスを再生する場合に、INVITE信号に付加するガイダンス指定部分は次のようになる。
Request-URI INVITE sip:0001+1_0002*2+10@mrf.nec.com SIP/2.0
【0050】
上述の如く、ガイダンス制御システム1において、SIPサーバ21は、可変ガイダンスが必要と判定したとき、例えば、表1に示す可変ガイダンス指示記号を、INVITE信号のガイダンスコードに付加して、ガイダンス制御装置22に対して送信する。そして、ガイダンス制御装置22は、可変ガイダンス指示記号が付加されたガイダンスコードのINVITE信号を受信すると、その意味解釈を行い、音声データを生成して、IMS端末10に対して送信する。
【0051】
以上、本実施形態に係るガイダンス制御システム1において、SIPサーバ21は、IMS端末10から送信されるINVITE信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択する。そして、SIPサーバ21は、上記選択したガイダンス選択情報に対応するガイダンスコードに上記選択した可変ガイダンス指示記号を付加した、INVITE信号をガイダンス制御装置22に対して送信する。一方、ガイダンス制御装置22は、SIPサーバ21から受信したINVITE信号に含まれるガイダンス選択情報のガイダンスコードと、可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、ガイダンスのための音声データを生成する。
【0052】
このように、INVITE信号のガイダンスコード内に可変ガイダンス指示記号を付加させることで、ガイダンス内の数字の挿入、繰り返し再生の回数、無音区間、再生時間、ガイダンス要素の組合せ、等の指定を任意に可変させて、ガイダンスを生成することができる。したがって、従来のように指定されたガイダンスコードに従い断片的な音声データを意味のある音声データに構築したガイダンスの再生に加えて、さらに、ガイダンスを任意に可変させて再生することができる。すなわち、より自由度の高いガイダンスを再生することができる。
【0053】
なお、本発明を実施するための最良の形態について一実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした一実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、上述した一実施形態に種々の変形及び置換を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システムの構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システムの動作を模式的に示したシーケンス図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るガイダンス制御システムにおけるSIPサーバの動作を模式的に示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 ガイダンス制御システム
10 IMS端末(端末)
20 IMS網
21 SIPサーバ(サーバ)
22 ガイダンス制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、該端末に接続されたサーバと、該サーバに接続されたガイダンス制御装置と、を備え、発信元の前記端末に対してガイダンスを提供するガイダンス制御システムであって、
前記サーバは、前記端末から送信される発呼信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、前記ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択し、前記ガイダンス制御装置に対して送信し、
前記ガイダンス制御装置は、前記サーバから受信した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、前記ガイダンスのための音声データを生成する、ことを特徴とするガイダンス制御システム。
【請求項2】
請求項1記載のガイダンス制御システムであって、
前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を自動的に選択する、ことを特徴とするガイダンス制御システム。
【請求項3】
請求項1記載のガイダンス制御システムであって、
前記サーバは、ユーザの入力情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を選択する、ことを特徴とするガイダンス制御システム。
【請求項4】
端末と、該端末に接続されたサーバと、該サーバに接続されたガイダンス制御装置と、を備え、発信元の前記端末に対してガイダンスを提供するガイダンス制御システムの制御方法であって、
前記サーバが、前記端末から送信される発呼信号に基づいて、ガイダンス選択情報と、前記ガイダンスの可変を指示する可変ガイダンス指示記号と、を選択する選択工程と、
前記サーバが、前記選択工程で選択した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号とを、前記ガイダンス制御装置に対して送信する送信工程と、
前記ガイダンス制御装置が、前記サーバにより受信した前記ガイダンス選択情報と、前記可変ガイダンス指示記号と、に基づいて、前記ガイダンスのための音声データを生成する音声データ生成工程と、を含む、ことを特徴とするガイダンス制御システムの制御方法。
【請求項5】
請求項4記載のガイダンス制御システムの制御方法であって、
前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に対応させて、前記可変ガイダンス指示記号を記憶しており、
前記選択工程において、前記サーバは、前記ガイダンス選択情報に対応する、前記可変ガイダンス指示記号を自動的に選択する、ことを特徴とするガイダンス制御システムの制御方法。
【請求項6】
請求項4記載のガイダンス制御システムの制御方法であって、
前記選択工程において、前記サーバは、ユーザの入力情報に基づいて、前記可変ガイダンス指示記号を選択する、ことを特徴とするガイダンス制御システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−212774(P2009−212774A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−53233(P2008−53233)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】