説明

ガスセンサ素子および内燃機関用ガスセンサ

【課題】自動車用内燃機関の排ガス中のNOx等を検知するガスセンサ素子の、検出感度のばらつきを小さくし、検出感度の校正作業を容易にして、検出精度と低コストを両立する。
【解決手段】所定の拡散抵抗で被測定ガスである排ガスが導入される内部空間7に、一方の電極2a、4aが面する第一酸素ポンプセル2、第二酸素ポンプセル4を設け、一方の電極2a、4aを相対向するように配置する。一対の電極のうち他方の電極2b、4bは、第一基準ガス空間16、第二基準ガス空間17に面しており、共通の基準酸素濃度ガスである大気に曝されている。第一酸素ポンプセル2、第二酸素ポンプセル4の一対の電極への通電により内部空間7に酸素を導入または排出し、酸素濃度を調整した後、一方の電極3aが内部空間7に面するセンサセル3で特定ガス成分であるNOx濃度を、雰囲気によらず高精度に検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用内燃機関の排気系に設置される浄化システム等に使用され、NOx(窒素酸化物)等のガス成分の検知に利用されるガスセンサ素子およびそれを用いた内燃機関用ガスセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用内燃機関等から排出される排ガスを原因とする大気汚染は、現代社会に深刻な問題を引き起こしており、排ガス中の公害物質(例えば、NOx)に対する浄化基準法規が年々厳しくなっている。そこで、排ガス中のNOx濃度を検出し、検出結果をエンジン燃焼制御モニタ、触媒モニタ等にフィードバックすれば、より効率よく排ガス浄化を行うことができると考えられる。このような背景から、排ガス中のNOx濃度を精度よく検出可能なガスセンサ素子が求められていた。
【0003】
ここで、従来よく知られたガスセンサ素子として、特許文献1に記載のものが挙げられる。このガスセンサ素子は、第一および第二電気化学的ポンプセルと電気化学的センサセルを備えるもので、その概要は以下の通りである。図8に示すように、ガスセンサ素子100の先端部には、第一拡散抵抗101の下に被測定ガス存在空間からNOxを含むガスが導入される第一内部空所102と、第一内部空所と第二拡散抵抗103により連通する第二内部空所104が設けられる。
【0004】
この第一内部空所102と対面するよう第一電気化学的ポンプセル105が配置され、該ポンプセル105に電圧を印加することで、第一内部空所102内にある酸素を素子外部へポンピングまたは第一内部空所102内へ素子外部の酸素をポンピングする。また、第一内部空所102の酸素濃度を検知可能な電気化学的センサセル106を設け、この電気化学的センサセル106により検出される第一内部空所102内の酸素濃度が一定となるように、第一電気化学的ポンプセル105がフィードバック制御される。
【0005】
第二内部空所104には、NOxから生成された酸素イオンを測定することでNOx濃度を測定できる第二電気化学的ポンプセル107が設けてあり、第二電気化学的ポンプセル107に所定の電圧を印加した際に移動する酸素イオンの量、即ち第二電気化学的ポンプセル107における酸素イオン電流の大きさがNOx濃度に対応する。これにより、被測定ガス中のNOx濃度を測定することができる。
【0006】
ところで、触媒を用いた排ガス浄化システムとして、尿素SCR(Selective Catalytic Reduction)システムが知られている。尿素SCRシステムは、排ガス中のNOx低減手法の一つであり、排ガス中に尿素水を噴射して還元剤としてのNH(アンモニア)を発生させ、選択還元触媒でNOxを無害なNとHOに還元する。ただし、浄化すべきNOx量に対して尿素水噴射量が過剰であると有害なNHが排出されるため、尿素水噴射量を最適制御することが求められる。すなわち、NOx量に対して尿素水噴射量が不足すればNOxが排出され、NOx量に対して尿素水噴射量が過剰であればNHが排出される(図3(b)参照)。
【0007】
そこで、触媒後流のNOx濃度とNH濃度の総量が最小となるように、尿素水噴射量をフィードバック制御すれば、尿素SCRシステムにおける最適な排ガス浄化を実現できると考えられる。このような背景から、排ガス中のNOx濃度に加えて、NH濃度も精度よく検出可能なガスセンサ素子が求められている。
【0008】
ガスセンサ素子の精度向上を目的とするものに、特許文献2に記載のガス分析装置がある。このガス分析装置は、第1の空間部および第2の空間部と、第1〜第3ポンプ電極を有するNOxセンサを用い、校正ガスを用いてNOx感度を校正する方法を採用している。このNOxセンサは、あらかじめセンサ個体毎に、第3ポンプセル電流の酸素ガス濃度依存性とNOxガス濃度依存性との間に存在する相関関係を測定しておき、これを利用することで、所定濃度の酸素ガスを校正ガスとして用いてNOx感度を校正する。これにより、メインテナンス作業として校正をする場合に、設置現場でNOxガスを入手できなくてもNOxセンサを校正できる。
【0009】
また、特許文献3に記載のガスセンサは、サンプルガス室に設けられた第1酸素ポンプセルおよび第2酸素ポンプセルと検出セルからなり、第1酸素ポンプセルおよび第2酸素ポンプセルの一方の電極を、サンプルガス室に面して設けている。他方の電極は、サンプルガスが流通する素子カバー内空間または該空間に開放される開放室に面している。この時、2つの酸素ポンプセルによってサンプルガス室の酸素排出能力を高め、サンプルガス室の酸素をほぼ0として、NOx感度を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第2885336号明細書
【特許文献2】特開2007−108018号公報
【特許文献3】特許第3607453号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載のガスセンサ素子100は、第一内部空所102内の酸素濃度が一定となるように制御されているため、NHは内部空所102内でNOに変換される。すなわち、NOxとNHの共存下においては、NHから生成したNOxと被測定ガス中のNOxとの合計量を検出することができる。この際、センサ信号でNOx濃度とNH濃度の区別は必ずしも必要なく、NOx排出領域では尿素水噴射量を増加させるとセンサ出力が減少し、NH排出領域では尿素水噴射量を増加させるとセンサ出力が増加することから最適制御点を検出できる。
【0012】
ところが、ガスセンサ素子100は、第一拡散抵抗101、第二拡散抵抗103、内部空所102、104の形状がセンサ個体毎にばらつきを持つと、NOxガスに対する第二電気化学的ポンプセル107の電流感度もばらつく。そのため、排ガス中のNOxガスを高精度に検出するには、センサ個体毎に、所定濃度のNOxガスに対する第二電気化学ポンプセル107の電流を測定してNOx感度を校正する必要があり、有毒かつ高価なNOxガスを使用することもあり、高コスト要因となっていた。
【0013】
これに対し、特許文献2に記載のNOxセンサは、所定濃度の酸素ガスを校正ガスとして用いることにより、有毒かつ高価なNOxガスを使用せずにNOxセンサを校正できるとしている。しかしながら、あらかじめ個体毎に、NOx濃度依存性と酸素濃度依存性の相関を測定する必要があり、その際には所定濃度のNOxガスが必要となる。さらに、測定対象のNOxガス濃度と同程度の所定濃度の酸素ガスを準備する必要があるため、大幅なコスト低減は困難であった。
【0014】
また、特許文献3に記載のガスセンサは、第1酸素および第2酸素ポンプセルの他方の電極が、サンプルガスに曝されているために電位が安定せず、精密な酸素濃度制御ができない。また、リーン雰囲気での作動を前提としており、リッチ雰囲気ではサンプルガス室に酸素を供給できないために動作が困難となる。
【0015】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、自動車用内燃機関の排気浄化システム等に使用されてNOx等のガス成分を検知するガスセンサ素子について、センサ個体形状による検出感度のばらつきを小さくし、検出感度の校正作業を容易にして、リーンおよびリッチ雰囲気のいずれにおいても動作可能で、高い検出精度と低コストを両立できるガスセンサ素子と、それを用いた内燃機関用ガスセンサを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により前記内部空間に酸素を導入または排出し、該内部空間内の酸素濃度を調整する第一酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により前記内部空間に酸素を導入または排出し、該内部空間内の酸素濃度を調整する第二酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極に流れる電流値から被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルと、を有するガスセンサ素子であって、
前記第一酸素ポンプセルと前記第二酸素ポンプセルは、前記内部空間に面する前記一方の電極が相対向するように設けられ、前記一対の電極のうち他方の電極は、共通の基準酸素濃度ガスに曝されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明において、ガスセンサ素子は、
前記第一酸素ポンプセルの固体電解質体と前記第二酸素ポンプセルの固体電解質体は、前記内部空間を挟んで積層されており、
前記第一酸素ポンプセルの固体電解質体には、前記内部空間と反対側の表面に前記他方の電極が第一基準ガス空間に面するように設けられ、
前記第二酸素ポンプセルの固体電解質体には、前記内部空間と反対側の表面に前記他方の電極が第二基準ガス空間に面するように設けられ、
これら第一基準ガス空間および第二基準ガス空間に、共通の基準酸素濃度ガス存在空間から基準酸素濃度ガスが導入される構成としてある。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明において、前記基準酸素濃度ガスが大気である。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明において、前記被測定ガス中の特定ガス成分が窒素酸化物である。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明において、前記内部空間の高さが0.1mm以上である。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明において、前記センサセルは、前記内部空間における被測定ガスの流れに対して、前記第一酸素ポンプセルおよび前記第二酸素ポンプセルの下流側に位置する。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかのガスセンサ素子を用いた内燃機関用ガスセンサであり、被測定ガスは内燃機関からの排ガスである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の請求項1に記載のガスセンサ素子は、共通の内部空間に面する第一酸素ポンプセルおよび第二酸素ポンプセルの一方の電極を対向させて配置し、酸素ポンプ能力を向上させ、内部空間内の酸素濃度を所定の均一濃度に制御して、センサセルによるNOx等の検出精度を向上させることができる。この時、酸素ポンプセルのO感度とセンサセルのNOx感度とには相関があり、この相関を利用して大気中での酸素ポンプセル電流値からNOx感度を推定することができる。すなわち、有毒で高価なNOxガス酸素を用いる必要がないので、校正作業が容易になる。
【0024】
また、第一酸素ポンプセルおよび第二酸素ポンプセルの他方の電極には、共通の基準酸素濃度ガスが導入されるので、測定雰囲気がリッチ条件下においても安定的に内部空間内に酸素をポンピングすることができ、雰囲気によらず高精度な検出可能となる。
よって、検出精度の向上とコスト低減を両立したガスセンサ素子を得ることができる。
【0025】
本発明の請求項2に記載の発明のように、ガスセンサ素子は、具体的には、第一酸素ポンプセル用の固体電解質体と第二酸素ポンプセル用の固体電解質体の間に、内部空間を形成し、これら固体電解質体の外側に、それぞれ第一基準ガス空間、第二基準ガス空間を形成することができる。この時、第一酸素ポンプセルと第二酸素ポンプセルを対称に配置することができ、これらのポンピング作用により、内部空間の酸素濃度を効率よく制御し、上記効果が容易に得られる。
【0026】
本発明の請求項3に記載の発明のように、好適には、基準酸素濃度ガスとして大気が使用され、第一基準ガス空間、第二基準ガス空間を大気に連通されることで、容易に上記効果が得られる。
【0027】
本発明の請求項4に記載の発明のように、本発明のガスセンサ素子は、被測定ガス中の特定ガス成分がNOxである場合、例えば尿素SCRシステムの制御等に好適に使用され、NOxおよびNHの濃度を良好に検出することができる。
【0028】
本発明の請求項5に記載の発明のように、内部空間の高さが0.1mm以上であると、内部空間での拡散抵抗の寄与が小さくなり、製造ばらつきによる校正精度を確保するために有効である。
【0029】
本発明の請求項6に記載の発明のように、センサセルは、好適には、内部空間の下流側に配置すると、第一酸素ポンプセルおよび第二酸素ポンプセルにより酸素濃度が制御された被測定ガス中の特定ガス成分を検出することになり、検出精度をより向上させることができる。
【0030】
本発明の請求項7に記載の発明のように、これらガスセンサ素子は、内燃機関用の排ガス中の特定ガス成分、例えばNOxの検出に有用であり、各種制御に効果的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態であり、(a)は、ガスセンサ素子の先端部の模式的断面図、(b)は、第1実施形態のガスセンサ素子を含むNOxセンサの全体断面図である。
【図2】第1実施形態のガスセンサ素子の分解展開図である。
【図3】(a)は、自動車内燃機関の排気系に設置され、NOxセンサを適用した尿素SCRシステムを含む排気浄化システムの全体構成図、(b)は、尿素SCRシステムへの尿素添加量とNOx、NH濃度の関係を示す図である。
【図4】(a)は、第1実施形態のガスセンサ素子のポンプセル電流とセンサセル電流の関係を示す図、(b)は、第1実施形態のガスセンサ素子の内部空間高さとセンサセル電流の関係を示す図である。
【図5】従来のガスセンサ素子を使用し、リッチ雰囲気からリーン雰囲気に切り換えた時のセンサ出力の変化を示す図である。
【図6】第1実施形態のガスセンサ素子を使用し、リッチ雰囲気からリーン雰囲気に切り換えた時のセンサ出力の変化を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態におけるガスセンサ素子の先端部の模式的断面図である。
【図8】従来のガスセンサ素子の先端部の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本発明を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態におけるガスセンサ素子1の先端部の模式的断面図であり、図2は、その分解展開図である。図1(b)は、ガスセンサ素子1を含む内燃機関用ガスセンサの全体構成を示す図であり、ここでは、NOxセンサSは、例えば、内燃機関としての自動車エンジンの排気通路に設置されて、被測定ガスである排ガス中に含まれる特定ガス成分、例えば、NOx(窒素酸化物)を検出する。
【0033】
図1(b)において、NOxセンサSは、図示しない排気管壁に取り付けられる筒状ハウジングH1と、ハウジングH1内に絶縁保持されるガスセンサ素子1を有している。ガスセンサ素子1は、細長い板状で、中央部がハウジングH1内に配置した筒状絶縁体H2内に保持され、ガスセンサ素子1の先端部(図の下端部)は、ハウジングH1下端に固定される素子カバーH3内に収容されている。ガスセンサ素子1の基端部(図の上端部)は、ハウジングH1上端に固定される筒状部材H4内に位置し、端子Pが外部へ延出されるリード線H8に接続される。筒状部材H4とガスセンサ素子1の基端部との間には、筒状絶縁体H5が充填されている。
【0034】
排気管内に突出する素子カバーH3は内外二重構造で、側壁および底壁に排気口H6が設けられる。これにより、排気通路を流通する排ガスを、特定ガス成分を含む被測定ガスとして、ガスセンサ素子1の先端部が位置する素子カバーH3の内部に取り込むことができる。一方、排気管外部に露出する筒状部材H4の上端部には、側壁に大気口H7が形成されており、ガスセンサ素子1の基端部が位置する筒状絶縁体H5の筒内に、基準酸素濃度ガスである大気が導入される。これにより、共通の基準酸素濃度ガス存在空間となる筒状絶縁体H5の筒内空間から、ガスセンサ素子1の内部へ大気を導入可能となっている。
【0035】
図1(a)、図2において、ガスセンサ素子1は、第一酸素ポンプセル2を構成するためのシート状の固体電解質体6と、第二酸素ポンプセル4およびセンサセル3を構成するためのシート状の固体電解質体5と、内部空間7を形成するためのシート状のスペーサ8と、第一基準ガス空間16および第二基準ガス空間17を形成するためのシート状のスペーサ9、91と、これらを加熱するヒータ12とが、順次積層されて構成される。
【0036】
内部空間7は、被測定ガス存在空間より被測定ガスが導入される室であり、図2に示す様に、固体電解質体5、6との間に位置するスペーサ8の抜き穴8aにて形成される。ここでは、被測定ガス存在空間は、図1(b)における素子カバーH3の内部空間であり、内燃機関の排気通路内を流通する排ガスが被測定ガスとして導入されている。
また、内部空間7は、多孔質拡散抵抗11を介して、被測定ガス存在空間と連通している。多孔質拡散抵抗11の形状や気孔率、気孔径は、これを通過して内部空間7に導入される被測定ガスの拡散速度が所定の速度となるように、適宜設計される。
【0037】
第一基準ガス空間16および第二基準ガス空間17は、一定の酸素濃度をもつ共通の基準酸素濃度ガスとしての大気が導入され、固体電解体6の下方に積層したスペーサ9に設けた抜き穴9a、固体電解質5の上方に積層したスペーサ91に設けた抜き穴91aにて形成される。この抜き穴9a、91aは、ガスセンサ素子1の長手方向に伸びる溝としての通路部9b、91bを有し、この通路部9b、91bは、スペーサ9、91の基端側(図2の右端側)に開口して、共通の基準酸素濃度ガス存在空間である筒状絶縁体H5の筒内空間に連通している。
【0038】
スペーサ9の下方には、ヒータ12が積層され、スペーサ91の上方には、絶縁材料よりなるシート92が積層されて、抜き穴9a、91a、通路部9b、91bの上下開口を閉鎖する。これにより、通路部9b、91bを通して、第一、第二基準ガス空間16、17に大気が導入される。ここで、各スペーサ8、9、91はアルミナ等の絶縁材料よりなる。
【0039】
第一酸素ポンプセル2、第二酸素ポンプセル4、センサセル3を構成するための固体電解質体5、6は、ジルコニアやセリア等の酸素イオン導電性を有する電解質よりなる。第一酸素ポンプセル2は、固体電解質体6と、固体電解質体6を挟むように対向配置された一対の電極2a、2bとより構成される。一対の電極2a、2bのうち一方の電極2aは、内部空間7に面するように、固体電解質体6上表面に接して設けられ、他方の電極2bは第一基準ガス空間16に面するように、固体電解質体6下表面に接して設けられている。
【0040】
第二酸素ポンプセル4は、固体電解質体5と、固体電解質体5を挟むように対向配置された一対の電極4a、4bとより構成される。一対の電極4a、4bのうち一方の電極4aは、内部空間7に面するように、固体電解質体5下表面に接して設けられ、他方の電極4bは第二基準ガス空間17に面するように、固体電解質体5上表面に接して設けられている。第二酸素ポンプセル4の電極4aと第一酸素ポンプセル2の電極2aは、内部空間7に面して相対向して、ここでは図1(a)の上下方向に対向する位置に設けられる。
【0041】
センサセル3は、固体電解質体5と、固体電解質体5を挟むように対向配置された一対の電極3a、3bとより構成される。一対の電極3a、3bのうち一方の電極3aは、内部空間7に面するように、固体電解質体5下表面に接して設けられ、他方の電極3bは第二基準ガス空間17に面するように、固体電解質体5上表面に接して設けられている。センサセル3の電極3a、3bは、内部空間7において、第二酸素ポンプセル4より下流側に配置される。なお、本実施形態では、センサセル3の電極3bは、第二酸素ポンプセル4の電極4bと一体的に設けられている。
【0042】
ここで、第一酸素ポンプセル2の一方の電極2aおよび第二酸素ポンプセル4の一方の電極4aには、被測定ガス中のNOxの分解を抑制するために、NOxの分解活性の低い電極を用いると良い。具体的には、主成分としてPt(白金)とAu(金)を含有する多孔質サーメット電極が好適に用いられる。この際、金属成分中のAuの含有量は、0.5〜5重量%程度とするのが良い。また、センサセル3の一方の電極3aには、被測定ガス中のNOxを分解するために、NOxの分解活性の高い電極を用いると良い。具体的には、主成分としてPtとRh(ロジウム)を含有する多孔質サーメット電極が好適に用いられる。この際、金属成分中のRhの含有量は、10〜50重量%程度とするのが良い。第一酸素ポンプセル2、第二酸素ポンプセル4、センサセル3の電極2b 、4b、3bには、例えば、Pt多孔質サーメット電極が好適に用いられる。
【0043】
また、図2に示すように、これら各電極2a、2b、4a、4b、3a、3bには、これら各電極から電気信号を取出すためのリード2c、2d、4c、3c、3dが一体に形成されている。これらリードは、各電極と同じくPt等の貴金属とジルコニア等のセラミックを主成分としたサーメット材料で構成される。ここで、固体電解質体5、6上の電極2a等以外の部位、特にリード2c等の形成部位には、固体電解質体5、6とリード2c等の間にアルミナ等の絶縁層(図略)を形成しておくことが好ましい。
【0044】
上記ヒータ12は、アルミナ製のヒータシート13の上面に、通電発熱するヒータ電極14をパターニング形成し、このヒータ電極14の上面(スペーサ9側の面)に、絶縁のためのアルミナ層15を形成してなる。ヒータ電極14は、通常、Ptとアルミナ等のセラミックスとのサーメットが用いられる。このヒータ12は、ヒータ電極14を外部からの給電により発熱させ、上記各セル2、3、4を活性化温度まで加熱するものである。
【0045】
また、図2に示すように、各セル2、3、4、ヒータ電極14は、固体電解質体5、6、スペーサ8、9、91、ヒータシート13等の基端部に形成されたスルーホールSHを通して、センサ基部の端子Pまで接続されている。
そして、図1(b)に示すように、この端子Pにはコネクタを介して圧着やろう付け等により、リード線H8が接続され、外部回路と各セル2、3、4及びヒータ12との信号のやり取りが可能となっている。
【0046】
なお、固体電解質体5、6、スペーサ8、9、91、アルミナ層15及びヒータシート13は、ドクターブレード法や押し出し成形法等により、シート形状に成形することができる。
また、上記の各電極2a等、リード2c等及び端子Pは、スクリーン印刷等により形成することができる。そして、各シートは積層して焼成することにより、一体化される。
【0047】
次に、上記構成のガスセンサ素子の動作原理を説明する。図1(a)において、被測定ガスである排ガスは、多孔質拡散抵抗11を通過して内部空間7に導入される。導入されるガス量は、多孔質拡散層11の拡散抵抗により決定される。
第一酸素ポンプセル2の一対の電極2a、2b、第二酸素ポンプセルの一対の電極4a、4bに、第一、第二基準ガス空間16、17側の電極2b、4bが+極となるように電圧を印加すると、上記内部空間7側の電極2a、4a上で被測定ガス中の酸素が還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極2b、4b側に排出される。
【0048】
逆に、内部空間7側の電極2a、4aが+極となるように電圧を印加すると、第一、第二基準ガス空間16、17側の電極2b、4b上で酸素が還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極2a、4a側に排出される。予め求められた酸素ポンプセル印加電圧と酸素ポンプセル電流の関係から、酸素ポンプ電流が限界電流となるように、酸素濃度に応じた電圧を印加することにより、内部空間7内の酸素濃度を所定の低濃度に制御できる。
【0049】
センサセル3の一対の電極3a、3bに、第二基準ガス空間17側の電極3bが+極となるように所定の電圧(例えば、0.40V)を印加する。電極3aは、特定ガス成分であるNOxの分解に活性なPt-Rhサーメット電極であるため、上記内部空間7側の電極3a上で被測定ガス中の酸素やNOxが還元されて酸素イオンとなり、ポンピング作用により電極3b側に排出される。被測定ガス中にNOxが存在すると、NOx濃度に応じて電流値が増加するため、これにより被測定ガス中のNOx濃度が検出可能となる。
【0050】
図3(a)に示すように、本発明のガスセンサ素子1を用いたNOxセンサSは、自動車エンジンの排気通路EXに設置されるNOx浄化システム、例えば、尿素SCRシステムを含む排気浄化システムに好適に使用される。排気通路EXには、上流側から、排ガス中のPM(粒状物質)を除去するためのパティキュレートフィルタ、選択還元型のNOx浄化触媒(SCR触媒)、NHのスリップ防止用の酸化触媒が配設される。SCR触媒の上流側には、排気通路EXに尿素水を噴射するためのインジェクタが設置され、これにより、添加した尿素が分解して生じた還元剤としてのNHが、SCR触媒において、排気ガス中のNOxを選択的に還元して、無害なNとHOとし排気ガスを浄化する。インジェクタには、尿素タンクに貯蔵された尿素水がポンプにて供給される。
【0051】
この尿素SCRシステムにおいて、尿素水噴射量が適正である場合には、排気ガス中のNOxが全て無害化される。ただし、浄化すべきNOx量に対して尿素水噴射量が過剰であると有害なNHが排出されるため、尿素水噴射量を最適制御することが求められる。すなわち、図3(b)に示すように、NOx量に対して尿素水噴射量が不足すればNOxが排出され、NOx量に対して尿素水噴射量が過剰であればNHが排出されることになる。そこで、SCR触媒の下流側に本発明のNOxセンサSを配置し、尿素水によるNOx浄化後の排ガス中のNOx濃度およびNH濃度を測定する。そして、触媒後流のNOx濃度とNH濃度の総量が最小となるように、尿素水噴射量をフィードバック制御し、尿素SCRシステムにおける最適な排ガス浄化を実現する。
【0052】
このような背景から、NOxセンサSのガスセンサ素子1には、排ガス中のNOx濃度に加えてNH濃度を精度よく検出することが求められる。ここで、尿素水噴射量が過剰である場合には、NOx浄化後の余剰のNHが、ガスセンサ素子1に導入されることになるが、NHは内部空間7に存在する酸素によって酸化しNOxを生成するので、このNOxがセンサセル3において、検出されることになる。したがって、センサ信号でNOx濃度とNH濃度の区別は必ずしも必要なく、図3(b)に基づいて、最適制御点となるようにフィードバック制御すればよい。
【0053】
そして、本発明のガスセンサ素子1は、内部空所7に面して相対向する第一酸素ポンプセル2および第二酸素ポンプセル4を有し、内部空所7内の酸素濃度が一定となるように制御するので、酸素ポンプ能力が高い。また、第一、第二基準ガス空間16、17は大気に連通しているので、リッチ・リーン雰囲気によらず、内部空間7側から第一、第二基準ガス空間16、17側へ、あるいは逆方向に酸素イオンがポンピング作用により速やかに排出することができる。
【0054】
これにより、内部空間7内の酸素濃度を均一にし、かつ所定の低濃度に制御できる。したがって、内部空間7に面してセンサセル3を配置して、簡易な構成で、NOx濃度を精度よく検出できる。また、センサセル3を別の内部空間に配置して別の拡散抵抗で連通する構成とする必要がないので、これら形状のセンサ個体差によるばらつきを小さくすることができる。
【0055】
ところで、本発明のガスセンサ素子1においても、多孔質拡散抵抗11をセンサ個体間で全く同じに形成することは事実上不可能なため、センサセル3の出力電流のNOx濃度依存性(=NOx感度)は、センサ個体間でばらつきを生じる。従って、個体間のばらつきを無くし、より高精度なNOxセンサを提供するためには、センサ個体毎にセンサ出力を校正する必要がある。そのため従来は、所定濃度のNOxガスを校正ガスとしてセンサ出力を校正していたが、NOxガスは高価で、また有毒であるため取扱いに際しては安全設備が必要となるなど、校正作業は高コスト要因となっていた。
【0056】
図4(a)は、8本のガスセンサ素子1について、20%Oに対するポンプセル電流と100ppmNOに対するセンサセル電流の関係をプロットした図であり、両者の間には直線関係が成立している。すなわち、ポンプセル電流のO濃度依存性(=O感度)とセンサセル電流のNOx濃度依存性(=NOx感度)には所定の比例関係があり、所定濃度の酸素ガスを校正ガスに用いた際の酸素ポンプセル電流値を測定し、この比例関係を利用して、センサセル3のNOx感度を校正することができる。所定濃度の酸素ガスとしては大気を用いることができる。これにより、高価で取扱いの困難なNOxガスを用いることなく、センサ出力の校正が可能となる。
【0057】
ただし、ポンプセル電流とセンサセル電流の相関を高めるため、ポンプセル−センサセル間の拡散抵抗は多孔質拡散抵抗11に比べて、十分小さいことが望ましい。これについて図4(b)は内部空間高さとセンサセル電流の関係を示したものである。
本実施例では、内部空間7の幅3.0mm、長さ8.0mmにおいて、内部空間高さを変化させたときのセンサセル電流を測定したものである。なお、多孔質拡散抵抗11は、ポンプセル電流1mA/20%Oを与える仕様としている。
【0058】
内部空間高さが小さいと、多孔質拡散抵抗11だけでなく内部空間7での拡散抵抗が寄与するため、センサセル電流が小さくなる。内部空間高さが大きくなるにつれ、内部空間7での拡散抵抗の寄与が小さくなり、多孔質拡散抵抗11のみでセンサセル電流が決定されるようになる。多孔質拡散抵抗11はポンプセル電流とセンサセル電流に共通の拡散抵抗であるが、内部空間7による拡散抵抗はポンプセル電流よりも、センサセル電流への寄与が大きい。製造ばらつきにより、内部空間7の形状はばらつくため、ポンプセル電流とセンサセル電流の相関を高めて校正精度を確保するためには、センサセル電流への内部空間7への寄与が小さい方がよい。
【0059】
図4(b)の結果から、内部空間高さが0.1mm以上であれば、ほぼ内部空間7の影響がなく、内部空間形状の影響を受けないことが分かる。したがって、好適には、内部空間7高さを0.1mm以上に設定し、上記方法により校正を行なうことで、高精度なガスセンサ素子1を実現できる。
【0060】
なお、内部空間7の高さを大きくし、ポンプセル−センサセル間の拡散抵抗を多孔質拡散抵抗11に比べて十分小さくすると、多孔質拡散抵抗11の拡散抵抗が同じであれば相対的に内部空間7の容積が大きくなる。その場合、内部空間7の酸素濃度を制御するために、十分な酸素ポンプ能力を確保する必要が生じる。本発明では、ガスセンサ素子1の第一酸素ポンプセル2、第二酸素ポンプセル4を内部空間7の上下面に設けており、2つのポンプセル2、4によって酸素ポンプ能力を向上させるとともに、内部空間7の酸素濃度を均一にすることができる。
【0061】
また、本発明では、第一酸素ポンプセル2の電極2bおよび第二酸素ポンプセル4の電極4bは、第一基準ガス空間16および第二基準ガス空間17に面し、共通の基準酸素濃度ガスである大気に接している。これにより、電極2b、4bを制御回路上で等電位として扱うことができるとともに、測定雰囲気がリッチ条件下においても大気から安定的に内部空間7内に酸素をポンピングし、所定の低酸素濃度を維持することができる。
【0062】
図5、図6は、電極2b、4bが測定ガスに曝されている従来例(特許文献3参照)および本発明のガスセンサ素子1において、リッチ→リーン時のセンサ出力を比較したものである。なお、制御回路はNO濃度が100ppmのときに1Vを出力するように調整してある。図5の従来例では、リッチ時に内部空間の酸素濃度が制御されていないため、正常な出力を示していない。また、リーン状態になってからも正常な出力を示すのに時間がかかっている。これに対し本発明では、図6に明らかなように、リッチ時においても正常な出力であるだけでなく、リーン状態への切り替え時にも速やかに応答していることがわかる。
【0063】
図7は、本発明の第2実施形態におけるガスセンサ素子1の先端部の模式的断面図である。本実施形態の基本構成は、上述した第1実施形態と同様であり、ガスセンサ素子1は、第一酸素ポンプセル2を構成するためのシート状の固体電解質体6と、第二酸素ポンプセル4およびセンサセル3を構成するためのシート状の固体電解質体5と、内部空間7を形成するためのシート状のスペーサ8と、第一基準ガス空間16および第二基準ガス空間17を形成するためのシート状のスペーサ9、91と、これらを加熱するヒータ12とが、順次積層されて構成される。
【0064】
本実施形態では、第二酸素ポンプセル4の電極4bと、センサセル3の電極3bとを、分離して形成してある。これにより、センサセル3の電流が、第二酸素ポンプセル4の影響を受け難くなり、検出精度が向上する。その他の構成は同様であり、同一部位には同一符号を付してある。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上のように、本発明によれば、検出精度と低コストを両立させたガスセンサ素子を実現できる。このガスセンサ素子は、内燃機関の排気系に設置されるNOxセンサとして尿素SCRシステムの尿素噴射量制御のみならず、NOx吸蔵還元触媒下流のNOx濃度の監視あるいはNOx吸蔵還元触媒の再生制御等、種々のNOx浄化システムに使用することができる。
【0066】
さらには、本発明のガスセンサ素子により検出される特定ガス成分として、NOxの他、SOx、酸素、二酸化炭素その他に適用することもできる。また、被測定ガスは内燃機関からの排ガスに限らず、種々のガス中の特定ガス成分の検出に使用されて、検出精度を大きく向上させ、各種システムの制御性の向上等に貢献することができる。
【符号の説明】
【0067】
S NOxセンサ(内燃機関用ガスセンサ)
1 ガスセンサ素子
11 多孔質拡散抵抗(拡散抵抗)
12 ヒータ
13 ヒータシート
14 ヒータ電極
15 アルミナ層
16 第一基準ガス空間
17 第二基準ガス空間
2 第一酸素ポンプセル
2a 一方の電極(一対の電極)
2b 他方の電極(一対の電極)
3 センサセル
3a 一方の電極(一対の電極)
3b 他方の電極(一対の電極)
4 第二酸素ポンプセル
4a 一方の電極(一対の電極)
4b 他方の電極(一対の電極)
5、6 固体電解質体
7 内部空間
8 スペーサ
9、91 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の拡散抵抗の下に被測定ガスが導入される内部空間と、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により前記内部空間に酸素を導入または排出し、該内部空間内の酸素濃度を調整する第一酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極への通電により前記内部空間に酸素を導入または排出し、該内部空間内の酸素濃度を調整する第二酸素ポンプセルと、
酸素イオン導電性の固体電解質体の表面に、一方の電極が前記内部空間に面するように設けられた一対の電極を有し、これら一対の電極に流れる電流値から被測定ガス中の特定ガス成分濃度を検出するセンサセルと、を有するガスセンサ素子であって、
前記第一酸素ポンプセルと前記第二酸素ポンプセルは、前記内部空間に面する前記一方の電極が相対向するように設けられ、前記一対の電極のうち他方の電極は、共通の基準酸素濃度ガスに曝されていることを特徴とするガスセンサ素子。
【請求項2】
前記第一酸素ポンプセルの固体電解質体と前記第二酸素ポンプセルの固体電解質体は、前記内部空間を挟んで積層されており、
前記第一酸素ポンプセルの固体電解質体には、前記内部空間と反対側の表面に前記他方の電極が第一基準ガス空間に面するように設けられ、
前記第二酸素ポンプセルの固体電解質体には、前記内部空間と反対側の表面に前記他方の電極が第二基準ガス空間に面するように設けられ、
これら第一基準ガス空間および第二基準ガス空間に、共通の基準酸素濃度ガス存在空間から基準酸素濃度ガスが導入されることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ素子。
【請求項3】
前記基準酸素濃度ガスが大気であることを特徴とする請求項1または2記載のガスセンサ素子。
【請求項4】
前記被測定ガス中の特定ガス成分が窒素酸化物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
【請求項5】
前記内部空間の高さが0.1mm以上であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
【請求項6】
前記センサセルは、前記内部空間における被測定ガスの流れに対して、前記第一酸素ポンプセルおよび前記第二酸素ポンプセルの下流側に位置することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかのガスセンサ素子を用いた内燃機関用ガスセンサであり、被測定ガスは内燃機関からの排ガスであることを特徴とする内燃機関用ガスセンサ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−88119(P2013−88119A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225643(P2011−225643)
【出願日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)