説明

ガスタービン発電システムおよびその運転制御方法

【課題】 ガスタービン負荷の急落が発生したとき、ガスタービンの回転数の上昇を容易に抑制することができるガスタービン発電システムを提供する。
【解決手段】 ガスタービン2と、ガスタービン2に回転力伝達可能に接続された発電機7と、上記ガスタービン2に供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機5と、この燃料ガス圧縮機5を駆動するためのモータ9と、上記発電機7から上記モータ9に電力を供給するための第一駆動用給電線16と、ガスタービン2の運転を制御するためのシステム制御装置とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガスタービン発電システムおよびその運転制御方法に関する。さらに詳しくは、ガスタービンに供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機を備えたガスタービン発電システム、および、ガスタービン発電システムにおいて、たとえば負荷遮断等の急激な負荷の低下が生じたとき、ガスタービンが所定の回転数を超えることを防止するためのガスタービン発電システムの運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン発電は火力ボイラ発電に比べて高効率であり且つ二酸化炭素(CO2 )の排出量が少ないため、環境保全対策型の発電設備としての適用例が増加の傾向にある。一方、基幹産業としての製鉄分野においては、たとえば、高炉ガス(Blast Furnace Gas であり、BFGと記す)、転炉ガス(LDG)等の低カロリな副生ガスが発生する。近年、ガスタービンにおいては、技術の向上により、このような低カロリな副生ガスの燃焼が可能となり、ガスタービンの燃料として用いて発電する事例が増加している。
【0003】
図9には、上述した低カロリな副生ガスをガスタービンの燃料として用いる、ガスタービン発電システムの機器配置の例が示されている。図9(a)の発電システム101および図9(b)の発電システム102はいずれもガスタービン104からの動力によって発電するものである。図9(c)の発電システム103は、ガスタービン104に蒸気タービン105が併設され、両者104、105からの動力によって発電する複合発電システムである。いずれの発電システム101、102、103にも、燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機106が付設されている。これは、低カロリな副生ガスを燃料として用いるためには、燃料ガスの供給量を大幅に増大したうえで高濃度に圧縮してガスタービンに必要なカロリ値にする必要があるからである。
【0004】
図9(b)の発電システム102および図9(c)の発電システム103ではいずれも、ガスタービン104からの回転駆動軸110に変速ギア111が介在したうえで燃料ガス圧縮機106が接続されている。
【0005】
ガスタービン104には燃焼用の空気を圧縮する空気圧縮機107と燃焼器108とが設けられており、また、発電機109が接続されている。燃焼器108には空気圧縮機107から圧縮空気を供給する圧縮空気配管112と、燃料ガス圧縮機106から燃料ガスを供給する燃料ガス供給配管113とが接続されている。燃料ガス供給配管113には流量制御弁114が設けられている。燃料ガス圧縮機106、空気圧縮機107および発電機109は、ガスタービン104によって駆動されうるように同軸上に接続されている。また、図9(c)の複合発電システム103では、蒸気タービン105も発電機109に同軸上に接続されている。
【0006】
このように、低カロリなガスを燃料として用いる発電システムでは、大容量の燃料ガス圧縮機106を必要とする。そして、大容量であるので燃料ガス圧縮機106をガスタービン104の動力によって駆動している。このような機器配置を採用するため、システムごとの設計(特に軸設計)が必要となり、建造期間の長期化およびシステム建造の高コスト化が不可避である。
【0007】
一方、天然ガス等の通常の燃料を用いるガスタービン発電システムでは、燃料ガス(天然ガス)が高カロリであるため、一般的に大容量の燃料ガス圧縮機は必要ではなく小容量の燃料ガス圧縮機でよい。この場合、燃料ガス圧縮機はガスタービンとは接続されずに独立して設けられ、一般的には中小型モータによって駆動される。また、燃料ガスの圧力が高い場合には燃料ガス圧縮機を必要としない。
【0008】
図10には、上述した天然ガスをガスタービンの燃料としたガスタービン発電システムの機器配置の例が示されている。図10(a)の発電システム115はガスタービン104からの動力によって発電するものであり、図10(b)の発電システム116は、ガスタービン104に蒸気タービン105が併設された複合発電システムである。図示のごとく、いずれの発電システム115、116にも燃料ガス圧縮機は設置されておらず、燃料ガス(天然ガス)は供給源からそのまま燃焼器108に供給されている。図9のガスタービン発電システムにおける機器と同様の機器には同一の符号を付記し、その詳細な説明を省略する。かかる機器配置を採用する天然ガス焚きのガスタービン発電システムは、設計時、特に軸設計が容易となる。そして、新規にシステムを建造する場合にも、ほぼ標準的な既存の設計を流用したうえで、これをわずかに改変するという手法を取ることが可能となる。
【0009】
近年、発電システムの運転コストの多くの部分を占める燃料としての天然ガスの値上がり等に伴い、天然ガス焚きのガスタービン発電システムを廃止して副生ガス(低カロリガス)焚きのガスタービン発電システムを建造したり、既存の天然ガス焚きのガスタービン発電システムを低カロリガス焚きのガスタービン発電システムに改造することを望むユーザが増加している。しかしながら、従来は、前述したように、低カロリなガスを燃料として用いる発電システムでは、大容量の燃料ガス圧縮機を必要とし、システムごとの設計(特に軸設計)が必要となり、建造期間の長期化およびシステム建造の高コスト化が不可避である。
【0010】
また、こうした低カロリガスを燃料とするガスタービン発電システムであっても、天然ガス等の高カロリな燃料を用いたガスタービン発電システムと同様に、負荷遮断等の負荷が急落するような事態が生じたときには、ガスタービンの過速(回転数の過度の上昇)を抑制するとともに、トリップすることなく所定の回転数を維持するとともに、回転数の制御が可能な状態に維持することが要求される。
【0011】
たとえば、ガスタービンが定格負荷で運転中に、送電系統やガスタービン発電システムに生じた何らかの原因によって負荷遮断が発生した場合、ガスタービンは負荷から解列すると瞬時に過速状態に陥る。これを制御装置が検知すると、燃料供給量を減少させるために燃料供給系の流量制御弁の開度を急速に小さくしてガスタービンの過速を抑制する。負荷遮断の検知は発電機の出力信号やガスタービンの回転数信号等の入力によってなされる。そして、流量制御弁は、燃焼器の失火を回避しつつ、無負荷状態で定格回転数を維持するための燃料の必要最小流量が確保される開度まで閉作動させられる。この流量制御弁の開度制御は、たとえばガスタービン回転数、発電機出力、ガスタービンの排気温度、空気圧縮機の入口圧力および出口圧力等の運転状態量を監視しながら行われる。このような負荷遮断時の制御については多くの文献に開示されている(たとえば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。
【0012】
高カロリな天然ガスを燃料とするガスタービンの場合は、燃料供給量が比較的に少ないため、その燃料ガス供給配管および流量制御弁の口径は小さい。したがって、流量制御弁による制御はそれほど難しいものではない。しかしながら、上記の低カロリガスを燃料として使用するガスタービン発電システムでは、この負荷急落時の運転制御が容易ではない。燃料ガスが低カロリであるが故にガスタービンへの燃料供給量が多く、大口径の燃料ガス供給配管を用いている。従って、大口径の流量制御弁を選択せざるを得ず、流量制御用として使用できる弁形式が限定される。かかる流量制御弁によれば、天然ガス用の流量制御弁とは異なり、負荷遮断時に必要な小流量状態において流量を安定的に制御することが困難である。したがって、負荷遮断の発生と同時にガスタービンへの入熱量を安定的に減少させ、その後の入熱量を維持することが困難となる。加えて、燃料のカロリが低いことにより、失火を防止しながら行うガスタービンの有効な過速抑制は困難である。
【0013】
それ故、従来の低カロリガスを燃料とするガスタービン発電システムでは、燃料ガス圧縮機がガスタービンと同軸上に接続されている。この場合、ガスタービン、燃料ガス圧縮機および発電機が構成する発電機列の回転体全体の慣性モーメントが大きなものとなっている。
【特許文献1】特開平8−165934号公報
【特許文献2】特開2002−138856号公報
【特許文献3】特開2002−227610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、従来の天然ガス等の高カロリな燃料ガスを用いるガスタービン発電システムを転用することにより、設計および製造が容易な低カロリガス焚きのガスタービン発電システムを提供することを目的としている。すなわち、新たに製造することが容易であり、また、既設の高カロリガス焚きのガスタービン発電システムを改造して得ることも容易な、低カロリガス焚きのガスタービン発電システムを提供することを目的としている。さらに、かかる低カロリガス焚きのガスタービン発電システムにおいて負荷遮断等の負荷の急落が発生したときに、容易にガスタービンの回転数の上昇を抑制することができるガスタービンの運転制御方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のガスタービン発電システムは、
ガスタービンと、このガスタービンに、回転力伝達可能に接続された発電機と、上記ガスタービンに供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機と、この燃料ガス圧縮機を駆動するためのモータと、上記発電機から上記モータに電力を供給するための第一駆動用給電ラインと、ガスタービンの運転を制御するためのシステム制御装置とを備えている。
【0016】
かかるガスタービン発電システムによれば、従来の天然ガス等の高カロリガスを燃料とするガスタービン発電システムの機器配置を流用できる。したがって、新たな軸設計が不要となるかまたは容易となる。その結果、設計製造が容易となり、建造期間の短縮およびシステム建造の低コスト化が可能となる。また、負荷遮断等の外部負荷の急落が発生したときでも、燃料ガス圧縮機用モータの消費動力が負荷として存在するため、従来技術のようにガスタービンの負荷が極端に大きく低下しない。その結果、ガスタービンの回転数上昇が予め抑制されることになるので、ガスタービンの回転数制御が容易となる。
【0017】
上記発電機からの第一駆動用給電ラインに加えて、上記発電機以外の電源から上記モータに電力を供給するための第二駆動用給電ラインを配備し、上記システム制御装置を、上記第二駆動用給電ラインから上記モータに対してなされる給電と、上記第一駆動用給電ラインから上記モータに対してなされる給電とを切り替えるように構成することができる。
【0018】
上記第二駆動用給電ラインに、上記モータを起動するための、固定型周波数変換器を有するモータ起動装置を設けることができる。かかる構成により、たとえ第二駆動用給電ラインと上記発電機との二つの給電系統において、電気の位相および電圧が互いに異なっている場合であっても問題なくモータを起動することができる。
【0019】
上記第一駆動用給電ラインを、上記第二駆動用給電ラインにおける、モータとモータ起動装置との間の部分に接続することができる。
【0020】
上記第一駆動用給電ラインを第二駆動用給電ラインに接続し、上記モータ起動装置を、第二駆動用給電ラインにおける、第一駆動用給電ラインとの接続部とモータとの間の部分に接続することができる。かかる構成によれば、発電機からモータへ供給される電気の周波数を制御することにより、燃料ガス圧縮機によるガス圧縮率を調節することができる。
【0021】
上記発電機から外部に電力を送り出すとともに、上記ガスタービンを駆動するために外部から発電機に電力を供給するための発電機母線を設け、この発電機母線に上記第二駆動用給電ラインを接続することができる。かかる構成によれば、第二駆動用給電ラインに設けるべき機器類の点数を減少させることができるので、設備コストおよびメンテナンスコストが低減されるので好ましい。
【0022】
本発明のガスタービン発電システムの運転制御方法は、
ガスタービンと、このガスタービンに、回転力伝達可能に接続された発電機と、上記ガスタービンに供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機と、この燃料ガス圧縮機を駆動するためのモータと、このモータに給電するための電力供給ラインとを備えたガスタービン発電システムの運転制御方法であって、
上記燃料ガス圧縮機の起動時には、上記電力供給ラインから上記モータに給電し、上記ガスタービンの運転中には上記発電機から上記モータに給電することを含んでいる。
【0023】
本方法によれば、負荷遮断等、ガスタービンの外部負荷が急落したときでも、前述したと同様に、ガスタービンの回転数制御が容易となる。
【0024】
上記ガスタービンの負荷が急落したときに、上記燃料ガス圧縮機の運転条件を変更することによってモータの負荷を調節することにより、ガスタービンの回転数制御が一層容易となる。
【0025】
ガスタービンの負荷が急落したときに、ガスタービンへの入熱量を低下させるとともに、上記のとおり燃料ガス圧縮機の運転条件を変更することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、低カロリガス焚きのガスタービン発電システムを建造するうえで、すでに標準設計がなされている高カロリガス(天然ガス等)焚きのガスタービン発電システムの機器配置を流用することができるため、新たな軸設計が不要であるかまたは容易である。したがって、設計製造が容易となり、建造期間の短縮およびシステム建造の低コスト化が可能となる。さらに、かかる低カロリガス焚きのガスタービン発電システムにおいて負荷遮断等の負荷の急落が発生したとき、容易にガスタービンの回転数の上昇を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
添付の図面を参照しながら本発明のガスタービン発電システムおよびガスタービンの運転制御方法の実施形態を説明する。
【0028】
図1は本発明のガスタービン発電システムの一実施形態を含んだガスタービン発電システム1を概略的に示す系統図である。このガスタービン発電システム1(以下、単に発電システム1ともいう)は、ガス発生源の一例としての高炉Sで発生した低カロリな副生ガス(低カロリガス)であるBFGをガスタービン2の燃料として使用するものである。そして、燃焼器3と、燃焼器3に燃料ガスを供給する燃料ガス供給配管4と、燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機5と、燃焼器3に圧縮空気を供給する空気圧縮機6と、発電機7とを備えている。ガス発生源Sからは、上記燃料ガス供給配管4が燃料ガス圧縮機5を経由して燃焼器3まで接続されている。燃料ガス供給配管4の燃料ガス圧縮機5と燃焼器3との間の部分には流量制御弁10が設けられている。
【0029】
本発電システム1の通常運転時には、システム制御装置70が、たとえば発電機7の出力値、ガスタービン2の回転数、空気圧縮機6の出入口圧力、ガスタービン2の排気温度等を入力信号として、その変動に応じてガスタービンへの入熱を行うように流量制御弁10の開度を制御している。
【0030】
空気圧縮機6および発電機7は、ガスタービン2の回転軸2aによって駆動されるように、ガスタービン2と同軸上に連結されている。以上の機器配置は、従来の天然ガス焚きのガスタービン発電システムと共通している。したがって、システムの設計製造は容易なものとなる。しかし、天然ガス焚きのガスタービン発電システムとは異なり、前述したように、低カロリガス焚きの本ガスタービン発電システム1には大容量の燃料ガス圧縮機5が設けられている。この燃料ガス圧縮機5はガスタービン2と同軸には連結されておらず、独立して設置されている。この点が本システム1の特徴の一つである。したがって、大容量の燃料ガス圧縮機5を配設するうえで、新たな軸設計を必要としない。この点も、設計製造の容易化に寄与している。独立配置された燃料ガス圧縮機5は、ガスタービン2によって駆動されるのではなく、それ専用のモータ9によって駆動される。そして、後述するように、このモータ9には、発電所の所内給電配線(母線)から給電されるとともに、上記発電機7からも給電することができるようにされている。この点も本システム1の特徴である。
【0031】
図2には、上記発電システム1におけるガスタービン2および燃料ガス圧縮機5を駆動するため、および、発電機7から電力を送給するためのための電気系統が示されている。システム制御装置70についてはその図示が省略されている。この発電所には、発電機7から外部へ給電するとき等に用いられる第一母線11、および、燃料ガス圧縮機5のモータ9に給電するとき等に用いられる第二母線12が設けられている。
【0032】
この第一母線11と発電機7との間には発電機母線13が設けられている。発電機母線13は、発電機7から電力を第一母線11に送給するために用いられ、および、ガスタービン2を起動するときに第一母線11から発電機7へ給電するためにも用いられるものである。また、発電機母線13には、起動時に用いられる遮断器14aおよび負荷遮断時に用いられる遮断器14eが設けられている。発電機母線13にはさらに、この遮断器14aをバイパスするように、ガスタービン2用の起動装置15を備えたバイパス母線15aが設けられている。このバイパス母線15aにも遮断器14bが設けられ、断路器14fも設けられている。上記起動装置15は、発電機7を同期電動機として利用してガスタービン2を起動するためのものである。この起動装置15として、たとえば静止型周波数変換器を用いてもよい。
【0033】
発電機7と燃料ガス圧縮機5用のモータ9との間には第一駆動用給電線16が設けられており、第二母線12と上記モータ9との間には第二駆動用給電線17が設けられている。いずれの給電線16、17にも遮断器14c、14dが設けられている。第一駆動用給電線16は、ガスタービン2の運転時に発電機7からモータ9に給電して燃料ガス圧縮機5を駆動するための母線である。第二駆動用給電線17は、ガスタービン2の起動時に第二母線12からモータ9に給電して燃料ガス圧縮機5を起動するための母線である。この第二駆動用給電線17には、モータ9を起動するためのモータ起動装置18が設けられている。このモータ起動装置18として静止型周波数変換器を用いているので、第二母線12からの電気および発電機7からの電気の位相および電圧が互いに異なっている場合であっても問題なくモータ9を起動することができる。この点も本システム1の特徴の一つである。各駆動用給電線16、17、発電機母線13、および、バイパス母線15a上の適宜箇所に変圧器8が設けられている。
【0034】
図2を参照しながら、システム制御装置70による、ガスタービン発電システム1の運転制御について説明する。運転開始前には、全ての配線上の遮断器14a、14b、14c、14d、14eおよび断路器14fは開放されている。すなわち、給電は遮断されている。そして、ガスタービン2を起動するために、遮断器14eならびにバイパス母線15a上の遮断器14bおよび断路器14fが閉じる。そうすると、起動装置15が発電機7に周波数を変化させて給電し、それによって発電機7を同期電動機として回転させ、ガスタービン2を回転させる。このとき、ガスタービンの燃焼器3には起動時の燃料として天然ガスNG等が一時的に供給されるので、ガスタービン2が起動する。
【0035】
ついで、上記バイパス母線15a上の遮断器14bおよび断路器14fは開放されて起動装置15は役目を終える。一方、発電機母線13上の遮断器14aが閉じて発電機7で発生した電気が第一母線11に送給され、発電所の内部や外部のユーザポイントに配電される。ついで、第二駆動用給電線17上の遮断器14dが閉じて、第二母線12からモータ起動装置18に給電される。そうすると、このモータ起動装置18は燃料ガス圧縮機5用のモータ9を定格速度まで駆動する。このモータ9の回転によって燃料ガス圧縮機5が起動する。
【0036】
ついで、図3に示すように、モータ起動装置18は、第二母線12からの電気と発電機7で発生している電気との位相および電圧を同期させる。第一駆動用給電線16上の遮断器14cが閉じ、発電機7からモータ9への給電がされる。第二駆動用給電線17上の遮断器14dは開放して、第二母線12からモータ起動装置18への給電が停止する。すなわち、モータ9への給電経路が第二駆動用給電線17から第一駆動用給電線16に切り替えられる。発電機7からモータ9に定常的に給電されることによって、燃料ガス圧縮機5が通常運転に入る。そして、燃焼器3には燃料ガス供給配管4を通して燃料ガス(低カロリガス)が供給され、ガスタービン2が通常運転を開始する。このとき、起動用に供給されていた天然ガスは、その供給が停止される。
【0037】
つぎに、ガスタービン2の負荷急落の一例としての負荷遮断試験における運転制御について説明する。事業用のガスタービン発電システムにおいては、定格負荷運転中に負荷遮断が生じた場合にガスタービンが許容最大回転数(一般に、負荷運転時の定格回転数の110%)を超えないように調速装置が機能することを負荷遮断試験によって確認することが義務づけられている。調速装置の機能に問題がないことが確認された後に操業が許可されるようになっている。調速装置とは、たとえば燃料ガス供給配管上の流量制御弁の開度を調節するシステム制御装置等を含んでいる。
【0038】
負荷遮断試験では、図4に示すように、突然に負荷遮断用として用いられる遮断器14eが開放してガスタービン2の外部負荷が遮断されるが、その他の電気系統は通常の運転状態を維持している。すなわち、発電機7は燃料ガス圧縮機5用のモータ9への給電を継続している。一方、ガスタービン2は瞬間的に負荷から解列されるが、それまで定格運転を維持するために供給していた入熱量については瞬間的に減少させることはできない。余剰分となった入熱量が上記回転体の加速トルクを生じてガスタービン2を加速させて回転数を上昇させることになる。このような場合でもガスタービン2の回転数が許容最大回転数を超えないように入熱量を急激に減少させなければならない。
【0039】
従来の天然ガス焚きのガスタービンでは負荷遮断とともに実質的に負荷がゼロとなるので、余剰分となる入熱量は大きいものとなる。一方、本システム1では、負荷遮断が生じても発電機7からは燃料ガス圧縮機5用のモータ9へ常時給電しているので、外部負荷が遮断されても、実質的な負荷はゼロではなく、定格負荷のたとえば20〜40パーセントとなるだけである。その分、発電機から上記モータに給電しない従来のガスタービンと比較して、ガスタービン2の回転数の上昇は抑制される。したがって、燃料ガスの供給量を急激且つ極端に減少させる必要が無い。すなわち、大口径の流量制御弁10であってもこれを制御することが容易となり、ガスタービン2の回転数制御が容易となる。
【0040】
また、上記モータ9の消費動力が高くなれば、負荷急落時のガスタービンの残存負荷は大きくなる。したがって、これを利用して、負荷急落時には燃料ガス圧縮機5の運転条件を変更することによってモータ9の負荷を調節することにより、ガスタービン2の回転数制御を一層容易にすることができる。
【0041】
燃料ガス圧縮機としては一般的に軸流式圧縮機が用いられている。本実施形態における上記燃料ガス圧縮機5も軸流式圧縮機が採用されており、その流体入口側のガイドベーンの傾斜角を変更することにより、燃料ガスの圧力が調整される。
【0042】
図2〜図4に示す電気系統では、ガスタービン2を起動するための電力供給および発電機7から外部への電力供給を司る第一母線11と、燃料ガス圧縮機用のモータ9を起動するため電力供給を司る第二母線12とが別の系統である。しかし、図5に示すとおり、単一の系統(母線)11によって両電力供給を行うことも可能である。
【0043】
図5に示す電気系統では、図2と対比すれば明らかなように、第二母線12は設けられていない。第二駆動用給電線17が発電機母線13に接続されることにより、第一母線11から発電機母線13および第二駆動用給電線17を通して、燃料ガス圧縮機用のモータ9に対して起動用の電力が供給される。第二駆動用給電線17が接続される発電機母線13の部分は、バイパス母線15aの接続点と変圧器8との間である。もちろん、この位置に限定されることはない。かかる構成により、遮断器14dや変圧器8の点数を低減することができ、母線も単一のもので済む。図2〜図4に示す電気系統との相違点は以上説明した部分のみであり、その他の構成は同じであるため、同じ構成物に対して同じ参照符号を付記し、その説明を省略する。
【0044】
つぎに、図6には、図2や図5に示された電気系統とは異なる機器配置に適用される電気系統が示されている。この電気系統も、上記ガスタービン発電システム1におけるガスタービン2および燃料ガス圧縮機5を駆動するため、および、発電機7から電力を送給するためのための電気系統である。図6は、全ての配線上の遮断器14a、14b、14c、14d、14eおよび断路器14fが開放された、運転開始前の状態を示している。すなわち、給電は遮断されている。図2や図5に示す電気系統では、発電機7から燃料ガス圧縮機用のモータ9への第一駆動用給電線16が、第二駆動用給電線17における当該モータ9とその起動装置18との間の部分に接続されている。しかし、図6の電気系統では、上記第一駆動用給電線16が第二駆動用給電線17におけるモータ起動装置18の上流側(モータ起動装置18の第二母線12側)に接続されている。
【0045】
かかる構成によれば、本発電システム1の通常運転時において、このモータ起動装置18によって燃料ガス圧縮機5の回転数(モータ9の回転数)を変化させることができる。なぜなら、前述したようにこのモータ起動装置18として静止型周波数変換器を用いているので、その機能によってモータ9の回転数を変更できるからである。この場合、燃料ガス圧縮機5としては、前述したガイドベーン付きの軸流式圧縮機を用いてもよいが、モータ起動装置18によってガス圧縮率を調整することができるので遠心圧縮機を用いてもよい。
【0046】
図6を参照しながら、システム制御装置70によるガスタービン発電システム1の運転制御について説明する。図6の電気系統による場合は、図2の電気系統による場合と比較すると、モータ9が起動した後、発電機7からモータ9へ給電されるている状態での運転制御が互いに異なっている。すなわち、図6の電気系統においても、第二母線12からの電気と発電機7で発生している電気との位相および電圧が同期させられたうえで、モータ9への給電経路が第二駆動用給電線17から第一駆動用給電線16に切り替えられる。しかし、この後は、発電機7からモータ9への給電は周波数変換機能を有するモータ起動装置18を通して行われる。したがって、モータ起動装置18の周波数変換作用により、モータ9の回転数を変更することができる。かかる構成により、燃料ガス圧縮機5に流体圧変更機能(ガイドベーン等)が備わっていなくても、モータ起動装置18の制御によって燃料ガス圧縮機5によるガス圧縮率を変更することができる。もちろん、ガイドベーン付きの軸流式圧縮機を用いても問題はない。
【0047】
図7にも、発電機7からモータ起動装置18を通してモータ9に給電することができる電気系統が示されている。図7に示す電気系統では、図6と対比すれば明らかなように、第二母線12は設けられていない。第二駆動用給電線17が発電機母線13に接続されることにより、第一母線11から発電機母線13および第二駆動用給電線17を通して、燃料ガス圧縮機用のモータ9を起動するため電力が供給される。第二駆動用給電線17が接続される発電機母線13の部分は、バイパス母線15aの接続点と変圧器8との間である。もちろん、この位置に限定されることはない。かかる構成により、遮断器14dや変圧器8を節約することができ、母線も単一のもので済む。図6に示す電気系統との相違点は以上説明した部分のみであり、その他の構成は図6に示す電気系統と同じであるため、同じ構成物に対して同じ参照符号を付記し、その説明を省略する。
【0048】
図8を参照しながら、上記運転制御の効果について説明する。
【0049】
図8(a)は負荷遮断時におけるガスタービン2の負荷の変化を示している。横軸は時間を示し、縦軸はガスタービン負荷(%)を示しており、100%が定格負荷を示している。負荷遮断までは100%定格負荷運転がなされており(図中A0で示す)、負荷遮断後は上記モータ9の消費動力分の負荷(たとえば、30%とする)であるA1点までステップ状に低下する。発電機から燃料ガス圧縮機用モータに給電しないタイプのガスタービンでは0%であるA2点までステップ状に低下することが、比較のために示されている。
【0050】
図8(b)は、負荷遮断に伴って生じるガスタービン2の回転数の上昇、および、これを流量制御弁10等による入熱量コントロール(図8(c)に示す)によって抑制したときのガスタービン2の回転数の変化が示されている。横軸は上記図8(a)および後述の図8(c)と対応するように時間を示している。縦軸はガスタービン2の回転数を、定格負荷運転時の定格回転数Nrat.を100%としたときの回転数の割合を百分率で示している。
【0051】
図8(b)中の曲線B1は、負荷遮断後のガスタービン2の回転数が上昇を抑制されずに許容最大回転数(定格回転数の110%の値)Nmax.を超える場合を示している。曲線B2は、比較のために、発電機から燃料ガス圧縮機用モータに給電しないタイプのガスタービンにおいて、負荷遮断後の回転数の上昇が抑制されずに許容最大回転数(定格回転数の110%の値)Nmax.を超える場合を例示したものである。同一の入熱量に対して、本実施形態におけるガスタービン2の回転数(B1)は比較例の回転数(B2)より低い。これは、燃料ガス圧縮機用モータ9の消費動力が負荷として存在しているからである。曲線B3は、本実施形態におけるガスタービン2において、負荷遮断時に後述する図8(c)の燃料流量減少曲線C1に従って制御されたときの回転数の変化を示している。
【0052】
図8(c)はガスタービン2の負荷遮断時に、ガスタービン2の回転数上昇を抑制するための流量制御弁10の開度変化を示している。横軸は上記図8(a)および図8(b)と対応するように時間を示している。縦軸は流量制御弁10の開度(%)を示しているが、燃料流量と同一視してもよい。
【0053】
図8(c)中の実線の曲線C1は、負荷遮断が生じたとき、ガスタービン2の回転数が許容最大値Nmax.(図8(b))を超えないようにガスタービン入熱量を減少させるために必要な閉弁曲線であり、燃料流量(減少)曲線である。一方、一点鎖線で示す曲線C2は、比較のために、発電機から燃料ガス圧縮機用モータに給電しないタイプのガスタービンにおいて、ガスタービンの回転数が許容最大値Nmax.(図8(b))を超えないために必要な閉弁曲線を例示したものである。
【0054】
負荷遮断になるまでは流量制御弁10の定格開度(100%)Urat.、すなわち、当該ガスタービン2の定格入熱量を可能とする燃料流量(定格燃料流量)Qrat.で運転がなされる。負荷遮断後は、燃料流量がガスタービンの無負荷定格回転数を維持しうる必要最小流量(Qmin.)となる小開度(必要最小開度と呼ぶ)Umin.を下回らないように制御弁10が開度を減少させる。必要最小流量Qmin.は、燃焼器3における失火限界に至らない必要最小入熱量を確保するために設定された燃料の流量である。しかし、本実施形態の発電システム1では、負荷遮断後もモータ9の消費動力が負荷として存在しているため、必要最小開度Umin.に対して余裕を持った開度にすることができる(曲線C1とUmin.との差を参照)。一方、発電機から燃料ガス圧縮機用モータに給電しないタイプのガスタービンでは、流量制御弁の開度を必要最小開度Umin.に近づける必要がある(曲線C2を参照)。
【0055】
これらの燃料流量減少曲線(C1、C2)の比較から判るように、本実施形態のガスタービン発電システム1では、比較例のシステムほど流量制御弁10の開度を小さくする必要はない。これは、燃料ガス圧縮機用モータ9の消費動力が負荷として存在しているため、相当量の燃料を必要とするからである。換言すれば、本実施形態のガスタービン発電システム1では、負荷遮断時のガスタービン2の回転数制御に際して、燃焼器3における失火限界に対して余裕を持った流量制御弁の制御を行うことができることを意味している。
【0056】
以上、図8(a)から図8(c)に示したごとく、負荷遮断によってガスタービン2の負荷が図8(a)中の100%であるA0点から0%であるA1点までステップ状に低下したとき、本実施形態におけるシステム制御装置70は、ガスタービン2の回転数の急上昇を抑えるために、流量制御弁10の開度を、必要最小開度Umin.より大きい、余裕を持った開度とする(図8(c)の曲線C1)。そうすると、ガスタービン2への入熱量は減少し、その結果、負荷から解列されて急速に回転数が上昇し始めたガスタービンは、入熱量が低減された結果の制動効果により許容最大回転数Nmax.を超えることが防止され、定格回転数Nrat.近傍まで減速される(図8(b)の曲線B3)。
【0057】
システム制御装置70がガスタービン2の負荷が急落したことを検知するためには、たとえば、従来公知のパワーロードアンバランス検知という手法を用いることができる。もちろん、かかる方法には限定されない。可能であれば、ガスタービンの回転数信号、燃料ガス圧縮機の出口圧力信号、負荷遮断器からの遮断信号等から負荷急落を検知するようにしてもよい。
【0058】
そして、負荷の急落を検知した後にシステム制御装置70が流量制御弁10の閉弁動作を制御する際、定格回転数Nrad.を目標値とし、実際のガスタービン回転数をフィードバック制御することができる。加えて、その他のガスタービン運転状態量をフィードバック制御してもよい。また、ガスタービンの定格負荷運転から負荷急落後の事象をモデル化した制御弁の閉弁制御をシミュレーションすることもできる。そのシミュレーション結果から得られた負荷急落時の制御弁の開度等に関するデータをシステム制御装置70にプリセットする。そして、現実の負荷急落時にプリセットデータを選択して実行することができる。また、実操業運転を通じて得られる実データ(負荷遮断時のデータをも含む)をシミュレーションデータの一部または全部と置き換えて使用してもよい。すなわち、シミュレーション結果のプリセットデータを実運転データによって補正して使用してもよい。
【0059】
このように、システム制御装置70には、上記制御に必要な演算処理を行うプログラムやプリセットデータが格納されており、運転中のデータや数値等を一時的に記憶しておくRAMや上記プログラムに沿った演算処理を行うCPUが装備されている。
【0060】
システム制御装置70は、前述したようにガスタービン運転の全動作を制御する。すなわちシステム制御装置70は、起動(起動準備、パージング、点火、同期投入、コールドスタート、ウォームスタートを含む)、定格負荷運転、部分負荷運転、停止、クールダウン、負荷遮断等の各運転モードを所掌する。
【0061】
以上説明した実施形態では、ガスタービンによってのみ発電するシステムを例示しているが、かかる構成には限定されない。たとえば、発電機にガスタービンとともに蒸気タービンをも同軸上に接続した複合発電システムであってもよい。従来の高カロリガス焚きのガスタービン発電システムの機器配置を流用できるからである。
【0062】
以上説明した実施形態では、使用する低カロリ副生ガスとしてBFG(高炉ガス)を例示したが、これに限定されない。低カロリガスとしては、転炉ガス(LDG)や直接還元鉄法によって発生する副生ガス(FINEXガスやCOREXガス)、溶融還元製鉄法によって発生する副生ガスが含まれる。さらに、製鉄分野以外の低カロリガスとして、石炭層に含まれる石炭層ガス(COG)、GTL(Gas-to-Liquid)プロセスにおいて発生するテイルガス(Tail gas)、オイルサンドからオイル精製プロセスに伴って発生する副生ガス、ゴミを熱分解することによって発生するガス、生ゴミを含む一般廃棄物がその埋め立て地において発酵、分解する過程で生じる可燃メタンガス(Landfill gas)、および、その他の類似の原料を化学反応させることに伴って発生する副生ガス等の低カロリガス等が含まれる。もちろん、上記ガスを単独はもとより、複数の異種ガスを混合したガスをも含む。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明のガスタービン発電システムは、ガスタービンに接続された発電機から燃料ガス圧縮機のモータに給電するように構成されているため、負荷急落時に、従来技術ほどには負荷が大きく低下しないので、その後のガスタービンの回転数制御が容易になる。したがって、たとえば、負荷遮断試験が義務付けられているようなガスタービン発電設備に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明のガスタービン発電システムの一実施形態を含んだガスタービン発電システムの一例を概略的に示す系統図である。
【図2】本発明のガスタービン発電システムの電気系統の一例を示す系統図であり、運転開始前の状態を示している。
【図3】図2の系統図であって、当該ガスタービン発電システムの通常運転状態を示している。
【図4】図2の系統図であって、当該ガスタービン発電システムの負荷遮断時の状態を示している。
【図5】本発明のガスタービン発電システムの電気系統の他の例を示す系統図であり、運転開始前の状態を示している。
【図6】図5の系統図であって、当該ガスタービン発電システムの通常運転状態を示している。
【図7】図5の系統図であって、当該ガスタービン発電システムの負荷遮断時の状態を示している。
【図8】図8(a)はガスタービンの負荷遮断時の負荷の変化を示すグラフであり、図8(b)は負荷遮断にガスタービン入熱量の制御によって生じるガスタービンの回転数変化を示すグラフであり、図8(b)は負荷遮断に対応して制御される流量制御弁の開度の変化を示すグラフである。
【図9】図9(a)は従来の低カロリガス焚きのガスタービンを備えた発電システムの一例を示す系統図であり、図9(b)は同システムの他の例を示す系統図であり、図9(c)は同システムのさらに他の例を示す系統図である。
【図10】図10(a)は従来の天然ガス焚きのガスタービンを備えた発電システムの一例を示す系統図であり、図10(b)は同システムの他の例を示す系統図である。
【符号の説明】
【0065】
1・・・・ガスタービン発電システム
2・・・・ガスタービン
3・・・・燃焼器
4・・・・燃料ガス供給配管
5・・・・燃料ガス圧縮機
6・・・・空気圧縮機
7・・・・発電機
8・・・・変圧器
9・・・・(燃料ガス圧縮機駆動用)モータ
10・・・・流量制御弁
11・・・・第一母線
12・・・・第二母線
13・・・・発電機母線
14a〜14e・・・・遮断器
14f・・・・断路器
15・・・・起動装置
16・・・・第一駆動用給電線
17・・・・第二駆動用給電線
18・・・・起動装置
70・・・・システム制御装置
S・・・・ガス発生源
101・・・・発電システム
102・・・・発電システム
103・・・・発電システム
104・・・・ガスタービン
105・・・・蒸気タービン
106・・・・燃料ガス圧縮機
107・・・・空気圧縮機
108・・・・燃焼器
109・・・・発電機
110・・・・回転駆動軸
111・・・・変速ギア
112・・・・圧縮空気供給配管
113・・・・燃料ガス供給配管
114・・・・流量制御弁
115・・・・発電システム
116・・・・発電システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンと、
該ガスタービンに、回転力伝達可能に接続された発電機と、
上記ガスタービンに供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機と、
該燃料ガス圧縮機を駆動するためのモータと、
上記発電機から上記モータに電力を供給するための第一駆動用給電ラインと、
ガスタービンの運転を制御するためのシステム制御装置とを備えてなるガスタービン発電システム。
【請求項2】
上記発電機からの第一駆動用給電ラインに加えて、上記発電機以外の電源から上記モータに電力を供給するための第二駆動用給電ラインを備えており、
上記システム制御装置が、上記第二駆動用給電ラインから上記モータに対してなされる給電と、上記第一駆動用給電ラインから上記モータに対してなされる給電とを切り替えるように構成されてなる請求項1記載のガスタービン発電システム。
【請求項3】
上記第二駆動用給電ラインに、上記モータを起動するための、固定型周波数変換器を有するモータ起動装置が設けられてなる請求項2記載のガスタービン発電システム。
【請求項4】
上記第一駆動用給電ラインが、上記第二駆動用給電ラインにおける、モータとモータ起動装置との間の部分に接続されてなる請求項3記載のガスタービン発電システム。
【請求項5】
上記第一駆動用給電ラインが第二駆動用給電ラインに接続されており、上記モータ起動装置が、第二駆動用給電ラインにおける、第一駆動用給電ラインとの接続部とモータとの間の部分に接続されてなる請求項3記載のガスタービン発電システム。
【請求項6】
上記発電機から外部に電力を送り出すとともに、上記ガスタービンを駆動するために外部から発電機に電力を供給するための発電機母線が設けられており、該発電機母線に上記第二駆動用給電ラインが接続されてなる請求項2記載のガスタービン発電システム。
【請求項7】
ガスタービンと、該ガスタービンに、回転力伝達可能に接続された発電機と、上記ガスタービンに供給される燃料ガスを圧縮するための燃料ガス圧縮機と、該燃料ガス圧縮機を駆動するためのモータと、該モータに給電するための電力供給ラインとを備えたガスタービン発電システムの運転制御方法であって、
上記燃料ガス圧縮機の起動時には、上記電力供給ラインから上記モータに給電し、上記ガスタービンの運転中には上記発電機から上記モータに給電する、ガスタービン発電システムの運転制御方法。
【請求項8】
上記ガスタービンの負荷が急落したときに、上記燃料ガス圧縮機の運転条件を変更することによってモータの負荷を調節する、請求項7記載のガスタービン発電システムの運転制御方法。
【請求項9】
上記ガスタービンの負荷が急落したときに、ガスタービンへの入熱量を低下させる、請求項8記載のガスタービン発電システムの運転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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