説明

ガスハイドレート生成装置および生成方法

【課題】 望ましいスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器外に取り出すことのできるガスハイドレートの生成装置および生成方法を提供すること更には、水循環装置を備えている場合に冷却装置が循環水中に含まれるガスハイドレートによって閉塞される虞を低減できるようにすること。
【解決手段】 反応容器1内の水中に原料ガス5を気泡として供給する原料ガス供給手段を備え、所定の温度及び圧力条件の下、前記原料ガスと前記水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成装置であって、反応容器1内の水面下の位置に設けられ、該反応容器の水面下の領域をその開口部71を介して互いに連通させた状態で上下2領域72,73に分けるドーナツ状の仕切リング70と、前記上下2領域のそれぞれに設けられて鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼74及び下領域用回転翼75とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反応容器内で所定の温度及び圧力条件の下、原料ガスと水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成装置及び生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスハイドレートは、水分子が結合して形成された立体構造の籠の内部に、例えば天然ガスの成分であるメタン、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素や二酸化炭素等のガス分子が取り込まれて形成される包接(クラスレート)水和物(ハイドレート)の総称である。すなわちガスハイドレートは、原料ガス分子と水分子からなる氷状の固体物質であり、水分子が形成する立体的な籠状構造の内部に原料ガス分子を包接した安定な包接化合物の一種である。このガスハイドレートは、ガス包蔵量が比較的大きいと共に、大きな生成・分解エネルギーや、ハイドレート化ガスの選択性等の特徴ある性質を有しているため、例えば、天然ガス等の輸送・貯蔵手段や、蓄熱システム、アクチュエータ、特定成分ガスの分離回収等の多様な用途が可能であり、盛んに研究がなされている。
【0003】
ガスハイドレートは、通常、高圧・低温条件の下で生成される。生成方法として、以下の方式が良く知られている。原料ガスを高圧に充填した反応容器の上部から冷却した水を噴霧することにより、水滴が原料ガス中を落下する際に水滴表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「水噴霧方式」や、原料ガスを水中に気泡として導入(バブリング)することにより、原料ガスの気泡が水中を上昇する際に気泡表面にガスハイドレートを生成させる、いわゆる「バブリング方式」等である。
【0004】
このガスハイドレートを生成する装置の従来技術として、特許文献1(特開2003−327980号公報)や特許文献2(特開2000−264852号公報)に記載の装置が挙げられる。反応容器内で原料ガスと水を接触させて生成したガスハイドレートは、一般に水より比重が小さいため、また微細な気泡がハイドレートに付着するため、反応容器内の水面上に浮いてガスハイドレートの層を形成する。前記接触反応を継続させることにより、このガスハイドレートは水面上に次第に溜まっていく。このガスハイドレートは、水面上に次第に溜まっていくことにより成長して塊状になりやすい。ガスハイドレートが塊になるとその流動性が低下し、取り出し口から流入させ更に取り出し管内を流動させて反応容器外へ取り出すことが困難になる。
【0005】
そこで、特許文献1に記載された装置では、反応容器内の水面部分に掻き寄せ羽根を設け、該掻き寄せ羽根を回転させて水面に浮いているガスハイドレートを撹拌して流動性を保ちつつ、反応容器の中心側に掻き寄せて集合させ、反応容器の中心部に配置された取り出し口からガスハイドレートのスラリーを流入させて取り出し管内を流動させて外部に取り出すように構成されている。
また、特許文献2に記載された装置では、水面近くに設けられた排出口からガスハイドレートが塊になる前に抜き出すようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−327980号公報
【特許文献2】特開2000−264852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガスハイドレート生成装置は、反応容器内の水面に浮いたガスハイドレートを取り出し管にて反応容器外に取り出すようになっているため、取り出したガスハイドレートスラリーの濃度が一定せず、ばらつく問題があった。すなわち、反応容器外に取り出したガスハイドレートスラリーは、通常、次工程で更に濃縮装置にかけられるが、この濃縮装置にかけるに際して、望ましいスラリー濃度範囲がある。前記反応容器から取り出したスラリー濃度が一定せず、ばらつくと、次工程の望ましいスラリー濃度範囲から外れてしまう問題があった。
【0008】
反応容器内のガスハイドレートと水を強く撹拌して両者を混ぜてスラリー化する場合、反応容器の水面下の領域が単一な槽であるため、均一なスラリー化を目指すには極めて大容量の撹拌装置が必要となり、装置全体が大型化すると共にコストアップする問題があった。
また、ガスハイドレート生成装置には、通常、反応容器内の未反応の水を反応容器外に取り出して、冷却装置で冷却した後、再び反応容器内に戻す水循環装置が設けられるが、前記大容量の撹拌装置で単一な槽構造の反応容器内を前記の如く撹拌すると、該水循環装置によって循環される水の中に含まれるガスハイドレートの割合も増加してしまい、冷却装置をガスハイドレートによって閉塞する別の問題が発生する。
【0009】
本発明の目的は、望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器外に取り出すことのできるガスハイドレートの生成装置および生成方法を提供することにある。更には、水循環装置を備えている場合に、冷却装置が循環水中に含まれるガスハイドレートによって閉塞される虞を低減できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、反応容器と、前記反応容器内の水中に原料ガスを気泡として供給する原料ガス供給手段とを備え、所定の温度及び圧力条件の下、前記原料ガスと前記水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成装置であって、前記反応容器内の水面下の位置に設けられ、該反応容器の水面下の領域をその開口部を介して互いに連通させた状態で上下2領域に分けるドーナツ状の仕切リングと、前記上下2領域のそれぞれに設けられて鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼及び下領域用回転翼と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、いわゆる「バブリング方式」のガスハイドレート生成装置において、反応容器がドーナツ状の仕切リングによって上下2領域に分けられ、それぞれの領域に上領域用回転翼及び下領域用回転翼が個別に設けられているので、上領域用回転翼によって仕切リングの上領域を集中的に撹拌することができ、下領域で生成して上領域に浮上してきたガスハイドレートと水とを容易且つ効果的に混ぜてスラリー化することができる。従って、望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器外に取り出すことができる。上領域用回転翼は小型のもので足りる。
【0012】
また、本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記上領域用回転翼は、生成したガスハイドレートを撹拌してスラリー化すると共に、当該上領域に旋回流を発生させ、該旋回流の遠心力によってスラリー濃度が反応容器の中央寄りが高く、内壁寄りが低くなる濃度勾配を取るように構成され、前記上領域における水面付近であって且つ反応容器の中央部寄りに抜き出し口を有し、前記ガスハイドレートのスラリーを前記抜き出し口から流入させて反応容器外に抜き出す抜き出し手段を備えていることを特徴とする。
【0013】
ガスハイドレートは比重が水より小さいので、前記の如くスラリーに旋回流を発生させると、その旋回流の遠心力によって比重の小さいガスハイドレートは旋回流の中央部寄りに集まり、反応容器の内壁寄りは少なくなる。本発明によれば、当該上領域に当該旋回流を発生させることで、スラリー濃度が反応容器の中央寄りが高く、内壁寄りが低くなる濃度勾配を取らせることができる。従って、前記上領域における水面付近であって且つ反応容器の中央部寄りに位置する抜き出し口からガスハイドレートスラリーを抜き出すことにより、より高い濃度で且つ望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器外に取り出すことができる。
【0014】
旋回流の発生条件を変えることで、該旋回流に基づく遠心力の大きさも変わる。従って、スラリーの前記濃度勾配も変わる。これにより、抜き出すガスハイドレートスラリーのスラリー濃度を変えることが可能となる。また、同じ濃度勾配でも抜き出し口の位置を半径方向で変えることにより、同様に抜き出すガスハイドレートスラリーのスラリー濃度を変えることが可能となる。抜き出し管を伸縮可能に形成しておけば、簡単に所望の濃度のスラリーを抜き出すことが可能となる。
【0015】
また、第1の態様において、反応容器内から水を取り出して冷却した後、反応容器内に戻す水循環装置を備え、該水循環装置の水取り出し口は前記下領域内で反応容器の内壁近傍に配設されているものもよい。
【0016】
下領域と上領域とが分けられたことで、当該下領域の水の中に含まれるガスハイドレートの量は一層少なくなる。本発明によれば、水循環装置の水取り出し口は、上下2領域に分けられたうちの下領域内であって反応容器の内壁近傍に配設されている。従って、最もガスハイドレートの少ない水を循環水に使うことになるため、水循環装置を備えているガスハイドレート生成装置において、冷却装置が循環水中に含まれるガスハイドレートによって閉塞される虞を低減できる。
【0017】
また、本発明の第3の態様は、反応容器内の水中に原料ガスを気泡として供給し、所定の温度及び圧力条件の下で前記原料ガスと前記水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成方法であって、前記反応容器内の水面下の位置に設けられたドーナツ状の仕切リングにより該反応容器の水面下の領域をその開口部を介して互いに連通させた状態で上下2領域に分け、前記上下2領域のそれぞれに設けられて鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼及び下領域用回転翼により、それぞれ撹拌することを特徴とする。
本発明によれば、第1の態様と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器外に取り出すことができる。更には、水循環装置を備えている場合に、冷却装置が循環水中に含まれるガスハイドレートによって閉塞される虞を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
[実施例1]
図1は本発明に係る天然ガスハイドレート生成装置の一実施例を示す概略構成図である。
筒状の反応容器1内の水90中に天然ガスより成る原料ガス5を気泡として供給する原料ガス供給手段を構成するスパージャ60が設けられている。このスパージャ60は、図示しないガス供給源に連通され、制御された噴射量で原料ガス5を前記水90内に供給するようになっている。反応容器1内は、公知の方法により、所定の温度及び圧力に調整される。本実施例では温度は1℃〜5℃、圧力は4MPa〜8MPa、好ましくは温度は2℃〜4℃、圧力は5MPa〜6MPaである。この温度及び圧力の下で、前記原料ガス5の気泡と前記水90が接触してガスハイドレート13が生成するようになっている。
【0020】
反応容器1内の水面下の位置にドーナツ状の仕切リング70設けられている。該仕切リング70は、反応容器1の水面下の領域をその開口部71を介して互いに連通させた状態で上下2領域72,73に分けるように構成されている。仕切リング70の開口部71の直径をd、反応容器1の内径をD、反応容器1の内部の高さをH、仕切リング70の反応容器1の底部からの高さをhとすると、d/D=0.3〜0.8、h/H=0.3〜0.7となるように設計されている。
【0021】
上領域72及び下領域73のそれぞれに、反応容器1内の中心に位置する鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼74及び下領域用回転翼75が設けられている。上領域用回転翼74は回転軸(鉛直軸)76に固定され、下領域用回転翼75は回転軸(鉛直軸)77に固定されている。上領域用回転翼74は、下領域用回転翼75より大型に形成されている。両回転軸76,77は同軸に形成され、駆動装置78によって回転する。上領域用回転翼74は100〜600rpmの回転数、下領域用回転翼75は100〜1000rpmの回転数に設定される。尚、この回転数の数値は、それ単独では技術的意味はないが、各翼74,75の形状や大きさ、更に仕切りリング70の上記d/D及びh/H等との関係で決まるものである。要は上領域用回転翼74及び下領域用回転翼75として要求される条件を満たすように設定されることになる。
【0022】
前記上領域用回転翼74は、生成したガスガイドレート13を撹拌してスラリー化すると共に、上領域72に旋回流を発生させ、該旋回流の遠心力によってスラリー濃度が反応容器1の中央寄りが高く、内壁31寄りが低くなる濃度勾配を取るように構成される。一方、下領域用回転翼75は、スパージャ60から供給される気泡としての原料ガス5を更に微細化する役割を担うように形成されている。
すなわち、気泡としての原料ガス5と水分子の接触により、下領域73でガスハイドレート13が生成され、比重が水より小さいので水90中を浮上して開口部71を通過して上領域72に至る。そして、回転する上領域用回転翼74によって撹拌されて水と良く混ざってスラリー化すると共に、旋回流の遠心力によって、スラリー濃度が反応容器1の中央寄りが高く、内壁31寄りが低くなる濃度勾配を取る。
【0023】
そして、前記スラリーを反応容器1外に抜き出す抜き出し装置80が設けられている。該抜き出し装置80は、前記上領域72における水面付近であって且つ反応容器1の中央部寄りに抜き出し口81を有し、前記ガスハイドレート13のスラリーを前記抜き出し口81から流入させて反応容器1外に抜き出す抜き出し管82を備えている。図において符号83は抜き出し用ポンプを示す。
【0024】
更に、反応容器1には該反応容器1内から水90を取り出して冷却した後、再び反応容器1内に戻す水循環装置91を備えている。該水循環装置91は、下領域73内で反応容器1の内壁31近傍で且つ仕切リング70の直下に、液体としての水90の取り出し口15が設けられ、該取り出し口15と反応容器1の上部に設けられた噴霧ノズル11が循環ライン17を介して接続されている。循環ライン17には循環用ポンプ19と熱交換機21が設けられている。循環用ポンプ19は、液体としての水90を取り出し口15から噴霧ノズル11に向けて送ると共に、噴霧ノズル11の噴霧力を発生させる働きをする。熱交換機21は、ガスハイドレートを生成する原料としての水の温度条件(本実施例では3℃)を維持する為に水温を下げる働きを担うものである。
尚、ガスハイドレートは、水と原料ガスとの接触により水和反応が行われて生成するが、その際、生成熱が発生する。この生成熱(メタンの場合98kcal/kg)を除去するために公知の冷却装置23も設けられている。
【0025】
次に実施例1の作用を説明する。
本実施例によれば、いわゆる「バブリング方式」のガスハイドレート生成装置において、反応容器1がドーナツ状の仕切リング70によって上下2領域72,73に分けられ、それぞれの領域72,73に上領域用回転翼74及び下領域用回転翼75が個別に設けられているので、上領域用回転翼74によって仕切リング70の上領域72を集中的に撹拌することができ、下領域73で生成して上領域72に浮上してきたガスハイドレート13と水90とを容易且つ効果的に混ぜてスラリー化することができる。従って、望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器1外に取り出すことができる。
【0026】
また、ガスハイドレート13は比重が水より小さいので、スラリーに旋回流を発生させると、その旋回流の遠心力によって比重の小さいガスハイドレート13は旋回流の中央部寄りに集まり、反応容器1の内壁31寄りは少なくなる。すなわち、上領域72に当該旋回流を発生させることで、スラリー濃度が反応容器1の中央寄りが高く、内壁31寄りが低くなる濃度勾配を取らせることができる。従って、上領域72における水面付近であって且つ反応容器1の中央部寄りに位置する抜き出し口81からガスハイドレートスラリーを抜き出すことにより、より高い濃度で且つ望ましい或いはユーザーが意図したスラリー濃度のガスハイドレートスラリーを簡単且つ安定して反応容器1外に取り出すことができる。
【0027】
通常、反応容器1からの抜き出し易さや次工程における更なる濃縮装置の能力等との関連性を考慮して、ガスハイドレートスラリーの濃度を10〜30重量%、望ましくは20重量%程度に調整される。
【0028】
更に、旋回流の発生条件を変えることで、該旋回流に基づく遠心力の大きさも変わる。従って、スラリーの前記濃度勾配も変わる。これにより、抜き出すガスハイドレートスラリーのスラリー濃度を変えることが可能となる。また、同じ濃度勾配でも抜き出し口81の位置を半径方向で変えることにより、同様に抜き出すガスハイドレートスラリーのスラリー濃度を変えることが可能となる。抜き出し管82を伸縮可能に形成しておけば、簡単に所望の濃度のスラリーを抜き出すことが可能となる。
【0029】
更に、下領域73と上領域72とが分けられたことで、当該下領域73の水90の中に含まれるガスハイドレート13の量は一層少なくなる。すなわち、水循環装置91の水取り出し口15は、上下2領域72,73に分けられたうちの下領域73内であって反応容器1の内壁31近傍に配設されている。従って、最もガスハイドレート13の少ない水を循環水に使うことになるため、水循環装置91を備えているガスハイドレート生成装置において、熱交換機21が循環水中に含まれるガスハイドレートによって閉塞される虞を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、反応容器内で所定の温度及び圧力条件の下、原料ガスと水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成装置及び生成方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る天然ガスハイドレート生成装置の一実施例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0032】
1 反応容器
3 上部空間部
5 原料ガス
9 噴霧された水
13 ガスハイドレート
21 熱交換機
70 仕切リング
71 開口部
72 上領域
73 下領域
74 上領域用回転翼
75 下領域用回転翼
80 抜き出し装置
81 抜き出し口
82 抜き出し管
90 液体としての水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器と、前記反応容器内の水中に原料ガスを気泡として供給する原料ガス供給手段とを備え、所定の温度及び圧力条件の下、前記原料ガスと前記水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成装置であって、
前記反応容器内の水面下の位置に設けられ、該反応容器の水面下の領域をその開口部を介して互いに連通させた状態で上下2領域に分けるドーナツ状の仕切リングと、
前記上下2領域のそれぞれに設けられて鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼及び下領域用回転翼と、を備えていることを特徴とするガスハイドレート生成装置。
【請求項2】
請求項1において、前記上領域用回転翼は、生成したガスハイドレートを撹拌してスラリー化すると共に、当該上領域に旋回流を発生させ、該旋回流の遠心力によってスラリー濃度が反応容器の中央寄りが高く、内壁寄りが低くなる濃度勾配を取るように構成され、
前記上領域における水面付近であって且つ反応容器の中央部寄りに抜き出し口を有し、前記ガスハイドレートのスラリーを前記抜き出し口から流入させて反応容器外に抜き出す抜き出し手段を備えていることを特徴とするガスハイドレート生成装置。
【請求項3】
反応容器内の水中に原料ガスを気泡として供給し、所定の温度及び圧力条件の下で前記原料ガスと前記水を接触させてガスハイドレートを生成するガスハイドレート生成方法であって、
前記反応容器内の水面下の位置に設けられたドーナツ状の仕切リングにより該反応容器の水面下の領域をその開口部を介して互いに連通させた状態で上下2領域に分け、
前記上下2領域のそれぞれに設けられて鉛直軸回りに回転する上領域用回転翼及び下領域用回転翼により、それぞれ撹拌することを特徴とするガスハイドレート生成方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2006−160833(P2006−160833A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−351564(P2004−351564)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】