ガスメータ
【課題】ガスメータとアダプタとの配線の接続をより容易に行うことが可能であり、且つ接続した配線からの雨水等の侵入を防止する構造を有するガスメータを提供する。
【解決手段】アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、通信端子は端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されている。端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有している。アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して配線の他方の端をアダプタに接続する。端子密閉部の所定位置には第2密閉部材を備えた配線密閉部が形成されており、配線1Zを第1密閉部材14と第2密閉部材60とで挟み込んで径方向に囲む。
【解決手段】アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、通信端子は端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されている。端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有している。アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して配線の他方の端をアダプタに接続する。端子密閉部の所定位置には第2密閉部材を備えた配線密閉部が形成されており、配線1Zを第1密閉部材14と第2密閉部材60とで挟み込んで径方向に囲む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能なガスメータの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス流量を積算して積算値を表示するのみでなく、アダプタを接続して所定の機能(種々の条件毎の積算値等)を追加可能なガスメータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−116606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
所定の機能を追加可能なアダプタを接続する場合、ガスメータ本体とアダプタを配線にて接続する必要がある。この場合、ガスメータ本体から配線を引き出すための貫通孔等がガスメータ本体に必要であり、この貫通孔の位置及び構造によっては、風雨にさらされるガスメータ本体の内部に雨水等が浸入する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ガスメータとアダプタとの配線の接続をより容易に行うことが可能であり、且つ接続した配線からの雨水等の侵入を防止する構造を有するガスメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのガスメータである。
請求項1に記載のガスメータは、所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能であるとともに、当該アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、通信端子はガスメータに設けられた端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されている。
端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有している。
そして、アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、当該配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して当該配線の他方の端をアダプタに接続し、端子密閉部の所定位置には配線密閉部が形成されており、配線密閉部には配線の径方向の長さよりも長い第2密閉部材を備え、配線を第1密閉部材と第2密閉部材とで挟み込んで径方向に囲むことが可能に構成されている。
【0005】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのガスメータである。
請求項2に記載のガスメータは、請求項1に記載のガスメータであって、配線密閉部の一部には、配線の位置を固定する配線位置決め部が設けられている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載のガスメータを用いれば、ガスメータの端子収容部に配置した通信端子とアダプタとの配線の接続をより容易に行うことが可能である。
また、第1密閉部材と第2密閉部材にて配線の径方向を密閉することで、接続した配線を伝って雨水等が侵入することを適切に防止することができる。
【0007】
また、請求項2に記載のガスメータによれば、接続した配線からの雨水等の侵入を防止することができる位置に、配線を確実に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明のガスメータ1に所定の機能(種々の条件毎(料金毎)の積算値の計算等)を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図を示している。
●[ガスメータ及びアダプタの外観(図1、図2)]
図1及び図2を用いて、本実施の形態におけるアダプタ50、及びガスメータ1の外観の例を説明する。図1(A)は正面図を示しており、図1(B)は側面図を示しており、図2は斜視図を示している。なお、各図のX軸、Y軸、Z軸は、X軸及びY軸が水平方向を示す軸であり、Z軸が垂直方向を示す軸である。
ガスメータ1の上部には、ガスの供給元(ガス会社等)から供給されるガスが流入する流入口1aと、ガスを使用する設備等にガスを供給する供給口1bを備えている。また、ガスメータ1の内部には、ガスの流量を計測する計測手段を備えており(図示せず)、流入口1aから流入して供給口1bから供給されるガスの流量を計測する。
【0009】
ガスメータ1の正面には表示手段1cが設けられており、ガスの積算値等を表示させることが可能である。また、ガスメータ1には異常検出時にガスの供給を遮断するための遮断弁(図示せず)が設けられており、異常を検出してガスを遮断している状態から復帰するための復帰操作部1dが設けられている。
また、端子カバー1eを取り外すと、例えば検査等を行うための通信装置を接続可能な通信端子41、42(図3参照)、及びガスメータ1に所定の機能を追加可能な制御回路(アダプタ50に収容)を接続可能な通信端子20が現れる(図3参照)。通信端子41または42に通信回線及び通信装置を接続すれば、ガスメータ1と通信装置との間で通信を行うことが可能になる。
また、通信端子20に配線及び制御回路を備えたアダプタ50を接続すれば、ガスメータ1に種々の機能を追加することが可能である。例えば種々の機能には、通信装置と無線通信を行う機能であったり、決められた日時から一定時間毎のガス使用量を記憶する機能等がある。なお、上記の制御回路は、ガスメータ1の底部に取り付けられたアダプタ50に収容される。
【0010】
●[端子収容部の構造(図3、図4、図5、図6)]
図3は端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の斜視図を示しており、図4は端子カバー1eを取り外した状態の端子収容部11f及び端子カバー1e(内側)の斜視図を示しており、図5は端子カバー1eにおけるガスメータ1と当接する側(内側)の構造を示しており、図6は端子収容部11f、収容部パッキン14(ラバー等で形成された第1密閉部材)、配線パッキン60(ラバー等で形成された第2密閉部材)の正面図を示している。なお、端子カバー1eは、図2に示す取り付け部材13(ネジ等)にてガスメータ1から容易に着脱可能に構成されている。
端子カバー1eを取り外すと端子収容部11fが現れ、端子収容部11fには通信端子20(例えばアダプタ50との接続用)、通信端子41、42(例えば検査等に用いる通信装置との接続用)等が配置されている(図3〜図6を参照)。
【0011】
また端子収容部11fには、通信端子20、41、42を囲むように設けられた端子密閉部11n(図3(A)、図4及び図6(A)の斜線を施した部分)が形成されている。本実施の形態では、端子密閉部11nは同一平面上に形成されており、端子収容部11fの周囲を切れ目無く周回するように形成されている。
そして図4に示すように、端子カバー1eをガスメータ1に取り付ける際、端子密閉部11nに対応する形状に形成した収容部パッキン14(図6(B)参照)を、端子密閉部11nと端子カバー1eにて挟み込んで密閉することで防水する。もちろん、収容部パッキン14に接触する端子カバー1e側の面も端子密閉部11nの形状に基づいた形状に形成してある。
収容部パッキン14は、防水に用いるため、図6(B)に示すように、切れ目無く周回する形状(環状)に形成されている。また、本実施の形態では収容部パッキン14の厚さt2(図4参照)は約3[mm]のものを用いた。また、本実施の形態にて使用した配線1Zの径は約4[mm]のものを用い、配線パッキン60の厚さt1(図3(B)参照)は約5[mm]のものを用いた。
【0012】
ガスメータ1にアダプタ50を接続する場合、配線1Zの一方の端をアダプタ50に接続して、配線1Zの他方の端を、端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の通信端子20に接続する(図4参照)。その後、収容部パッキン14及び端子カバー1eを取り付けるので、配線1Zは端子収容部11fの端子密閉部11nと収容部パッキン14(及び端子カバー1e)とで挟まれた状態にてガスメータ1の外部に導出され、アダプタ50に接続されることになる。
また、端子密閉部11nの所定位置(通信端子20に接続された配線1Zがガスメータ1の外部に導出される位置)には配線密閉部11gが形成されている。
配線密閉部11gには配線パッキン60を収容する凹部11hが形成されており(図3(B)参照)、当該凹部11hに配線パッキン60を配置(固定)する。配線パッキン60の所定方向の長さL4(図6(C)参照)は、配線1Zの径方向の長さL1(図7(C)参照)よりも長く形成してある。これにより、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んだ場合、配線1Zの径方向を収容部パッキン14と配線パッキン60とで隙間無く囲む(密閉する)ことが可能になり(図7(C)参照)、外部から配線1Zを伝って来る雨水等の浸入を防止することができる。
【0013】
また、収容部パッキン14における、端子密閉部11nの配線密閉部11gに対向する位置は、配線密閉部11gを覆うことが可能な形状及びサイズに形成されている(図4及び図6(B)の対向部分11mを参照)。
なお、配線密閉部11gの一部には、配線1Zの位置を固定する配線位置決め部11k(配線1Zを配置する凹部)が形成されている。本実施の形態では、3本の配線1Zを所定の位置に固定する配線位置決め部11kが、配線パッキン60を収容する凹部11hの上下に3個所ずつ形成してある(図3(B)参照)。
配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んで径方向に密閉するためには、配線1Zが配線パッキン60の位置に配置される必要がある。また、配線1Zが複数の場合は、各配線1Zの間隔L2(図7(C)参照)を適切に設定し、収容部パッキン14と配線パッキン60とで配線1Zの周囲を囲む必要がある。配線1Zを適切な位置に配置することができれば配線位置決め部11kは特に必要ないが、配線位置決め部11kを予め形成しておけば、配線1Zを適切な位置に容易に配置することが可能になり、より好ましい。
【0014】
また、図5に示すように、端子カバー1eの内側には、収容部パッキン14を保持可能とする高さh2の縁部が外周に沿って形成されている。また、配線密閉部11gに設けられた配線位置決め部11kに対向する位置には、カバー側配線位置決め部11q(配線1Zを配置する凹部)が形成されている。これにより、配線1Zをより適切に位置決めすることができる(図7(B)及び(D)参照)。なお、カバー側配線位置決め部11qの高さh1は、縁部の高さh2よりも低く形成されており、図7(D)に示すように、端子カバー1eを組み付けた場合、配線位置決め部11kの周囲とカバー側配線位置決め部11qの周囲とが当接しないように構成してあり、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで確実に圧接して密閉できるようにしている。
なお、図3(B)に示すように、配線位置決め部11kの縁に、カバー側配線位置決め部11qと干渉しない位置に、配線1Zを挟み込んで固定可能な配線固定部11ksを設けると、より好ましい。配線固定部11ksの間隙は配線1Zの径と同程度に設定されているとともに、配線固定部11ksの高さt3は配線パッキン60の厚さt1よりも高く設定されている。これにより、配線固定部11ksにて、より確実に配線1Zを配線位置決め部11kに固定することができる。
【0015】
●[配線を挟み込んだ状態(図7)、及び従来の配線導出部の構造(図8)]
次に図7(A)〜(D)を用いて、配線1Zの一方の端をアダプタ50に接続して、配線1Zの他方の端を通信端子20に接続し、配線パッキン60及び収容部パッキン14にて、当該配線1Zの径方向を囲んで密閉している様子を説明する。
図7(A)は、配線1Zを通信端子20からガスメータ1の外部に導出している部分において、ガスメータ1の左側から見た断面図を示している。また図7(B)は図7(A)におけるBB断面を示しており、図7(C)は図7(A)におけるCC断面を示しており、図7(D)は図7(A)におけるDD断面を示している。
図7(B)に示すように図7(A)に示すBB断面の部分では、配線1Zと配線位置決め部11kとの間には密閉部材が介在しないため、隙間A2ができてしまう。このため、雨水等がこの隙間A2からガスメータ1の内部に侵入しようとするが、図7(C)に示すように図7(A)に示すCC断面の部分では、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んで径方向に密閉しているため、雨水等はこれ以上ガスメータ1の内部に侵入することができない。
【0016】
ここで、図8に配線導出部のその他の構造の例を示す。図8に示す例では、密閉性を持たせるためのゴムブッシュ120に配線1Zを通して、ガスメータ100に形成した溝にゴムブッシュ120をはめ込み、収容部パッキンを備えたカバー110で押さえる。なお、ゴムブッシュ120の内部は薄膜122が形成してあり、配線1Zにて当該薄膜122を貫通させて取り付ける。しかし、この図8に示す構造では、取り付けにやや手間がかかり、作業性があまりよくないことに加えて、ゴムブッシュ120を紛失してしまう可能性もあり、あまり好ましくない。
図3〜図7に示した本実施の形態に示す構造では作業性もよく、更に収容部パッキン14及び配線パッキン60を接着等して固定することで、各パッキンを紛失してしまうこともない。
【0017】
本発明のガスメータ1及びその構成部品等は、本実施の形態で説明した構成、構造、外観、形状、材質等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のガスメータ1は、業務用ガスメータ及び一般家庭用ガスメータの他にも、種々の流体の流量を計測する流量計測装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のガスメータ1に所定の機能を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図(正面図、側面図)である。
【図2】本発明のガスメータ1に所定の機能を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図(斜視図)である。
【図3】端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の斜視図である。
【図4】端子カバー1eを取り外した状態の端子収容部11f及び端子カバー1eの斜視図である。
【図5】端子カバー1eの内側の構造を説明する図である。
【図6】端子収容部11f、収容部パッキン14(第1密閉部材)、配線パッキン60(第2密閉部材)の正面図である。
【図7】配線パッキン60及び収容部パッキン14にて、配線1Zの径方向を囲んで密閉している様子を説明する図である。
【図8】配線導出部のその他の構造の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ガスメータ
1a 供給元流入口
1b 設備流出口
1e 端子カバー
11f 端子収容部
11g 配線密閉部
11n 端子密閉部
11k 配線位置決め部
11ks 配線固定部
11q カバー側配線位置決め部
14 収容部パッキン(第1密閉部材)
60 配線パッキン(第2密閉部材)
20、41、42 通信端子
50 アダプタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能なガスメータの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス流量を積算して積算値を表示するのみでなく、アダプタを接続して所定の機能(種々の条件毎の積算値等)を追加可能なガスメータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−116606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
所定の機能を追加可能なアダプタを接続する場合、ガスメータ本体とアダプタを配線にて接続する必要がある。この場合、ガスメータ本体から配線を引き出すための貫通孔等がガスメータ本体に必要であり、この貫通孔の位置及び構造によっては、風雨にさらされるガスメータ本体の内部に雨水等が浸入する可能性がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、ガスメータとアダプタとの配線の接続をより容易に行うことが可能であり、且つ接続した配線からの雨水等の侵入を防止する構造を有するガスメータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりのガスメータである。
請求項1に記載のガスメータは、所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能であるとともに、当該アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、通信端子はガスメータに設けられた端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されている。
端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有している。
そして、アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、当該配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して当該配線の他方の端をアダプタに接続し、端子密閉部の所定位置には配線密閉部が形成されており、配線密閉部には配線の径方向の長さよりも長い第2密閉部材を備え、配線を第1密閉部材と第2密閉部材とで挟み込んで径方向に囲むことが可能に構成されている。
【0005】
また、本発明の第2発明は、請求項2に記載されたとおりのガスメータである。
請求項2に記載のガスメータは、請求項1に記載のガスメータであって、配線密閉部の一部には、配線の位置を固定する配線位置決め部が設けられている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載のガスメータを用いれば、ガスメータの端子収容部に配置した通信端子とアダプタとの配線の接続をより容易に行うことが可能である。
また、第1密閉部材と第2密閉部材にて配線の径方向を密閉することで、接続した配線を伝って雨水等が侵入することを適切に防止することができる。
【0007】
また、請求項2に記載のガスメータによれば、接続した配線からの雨水等の侵入を防止することができる位置に、配線を確実に位置決めすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明のガスメータ1に所定の機能(種々の条件毎(料金毎)の積算値の計算等)を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図を示している。
●[ガスメータ及びアダプタの外観(図1、図2)]
図1及び図2を用いて、本実施の形態におけるアダプタ50、及びガスメータ1の外観の例を説明する。図1(A)は正面図を示しており、図1(B)は側面図を示しており、図2は斜視図を示している。なお、各図のX軸、Y軸、Z軸は、X軸及びY軸が水平方向を示す軸であり、Z軸が垂直方向を示す軸である。
ガスメータ1の上部には、ガスの供給元(ガス会社等)から供給されるガスが流入する流入口1aと、ガスを使用する設備等にガスを供給する供給口1bを備えている。また、ガスメータ1の内部には、ガスの流量を計測する計測手段を備えており(図示せず)、流入口1aから流入して供給口1bから供給されるガスの流量を計測する。
【0009】
ガスメータ1の正面には表示手段1cが設けられており、ガスの積算値等を表示させることが可能である。また、ガスメータ1には異常検出時にガスの供給を遮断するための遮断弁(図示せず)が設けられており、異常を検出してガスを遮断している状態から復帰するための復帰操作部1dが設けられている。
また、端子カバー1eを取り外すと、例えば検査等を行うための通信装置を接続可能な通信端子41、42(図3参照)、及びガスメータ1に所定の機能を追加可能な制御回路(アダプタ50に収容)を接続可能な通信端子20が現れる(図3参照)。通信端子41または42に通信回線及び通信装置を接続すれば、ガスメータ1と通信装置との間で通信を行うことが可能になる。
また、通信端子20に配線及び制御回路を備えたアダプタ50を接続すれば、ガスメータ1に種々の機能を追加することが可能である。例えば種々の機能には、通信装置と無線通信を行う機能であったり、決められた日時から一定時間毎のガス使用量を記憶する機能等がある。なお、上記の制御回路は、ガスメータ1の底部に取り付けられたアダプタ50に収容される。
【0010】
●[端子収容部の構造(図3、図4、図5、図6)]
図3は端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の斜視図を示しており、図4は端子カバー1eを取り外した状態の端子収容部11f及び端子カバー1e(内側)の斜視図を示しており、図5は端子カバー1eにおけるガスメータ1と当接する側(内側)の構造を示しており、図6は端子収容部11f、収容部パッキン14(ラバー等で形成された第1密閉部材)、配線パッキン60(ラバー等で形成された第2密閉部材)の正面図を示している。なお、端子カバー1eは、図2に示す取り付け部材13(ネジ等)にてガスメータ1から容易に着脱可能に構成されている。
端子カバー1eを取り外すと端子収容部11fが現れ、端子収容部11fには通信端子20(例えばアダプタ50との接続用)、通信端子41、42(例えば検査等に用いる通信装置との接続用)等が配置されている(図3〜図6を参照)。
【0011】
また端子収容部11fには、通信端子20、41、42を囲むように設けられた端子密閉部11n(図3(A)、図4及び図6(A)の斜線を施した部分)が形成されている。本実施の形態では、端子密閉部11nは同一平面上に形成されており、端子収容部11fの周囲を切れ目無く周回するように形成されている。
そして図4に示すように、端子カバー1eをガスメータ1に取り付ける際、端子密閉部11nに対応する形状に形成した収容部パッキン14(図6(B)参照)を、端子密閉部11nと端子カバー1eにて挟み込んで密閉することで防水する。もちろん、収容部パッキン14に接触する端子カバー1e側の面も端子密閉部11nの形状に基づいた形状に形成してある。
収容部パッキン14は、防水に用いるため、図6(B)に示すように、切れ目無く周回する形状(環状)に形成されている。また、本実施の形態では収容部パッキン14の厚さt2(図4参照)は約3[mm]のものを用いた。また、本実施の形態にて使用した配線1Zの径は約4[mm]のものを用い、配線パッキン60の厚さt1(図3(B)参照)は約5[mm]のものを用いた。
【0012】
ガスメータ1にアダプタ50を接続する場合、配線1Zの一方の端をアダプタ50に接続して、配線1Zの他方の端を、端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の通信端子20に接続する(図4参照)。その後、収容部パッキン14及び端子カバー1eを取り付けるので、配線1Zは端子収容部11fの端子密閉部11nと収容部パッキン14(及び端子カバー1e)とで挟まれた状態にてガスメータ1の外部に導出され、アダプタ50に接続されることになる。
また、端子密閉部11nの所定位置(通信端子20に接続された配線1Zがガスメータ1の外部に導出される位置)には配線密閉部11gが形成されている。
配線密閉部11gには配線パッキン60を収容する凹部11hが形成されており(図3(B)参照)、当該凹部11hに配線パッキン60を配置(固定)する。配線パッキン60の所定方向の長さL4(図6(C)参照)は、配線1Zの径方向の長さL1(図7(C)参照)よりも長く形成してある。これにより、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んだ場合、配線1Zの径方向を収容部パッキン14と配線パッキン60とで隙間無く囲む(密閉する)ことが可能になり(図7(C)参照)、外部から配線1Zを伝って来る雨水等の浸入を防止することができる。
【0013】
また、収容部パッキン14における、端子密閉部11nの配線密閉部11gに対向する位置は、配線密閉部11gを覆うことが可能な形状及びサイズに形成されている(図4及び図6(B)の対向部分11mを参照)。
なお、配線密閉部11gの一部には、配線1Zの位置を固定する配線位置決め部11k(配線1Zを配置する凹部)が形成されている。本実施の形態では、3本の配線1Zを所定の位置に固定する配線位置決め部11kが、配線パッキン60を収容する凹部11hの上下に3個所ずつ形成してある(図3(B)参照)。
配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んで径方向に密閉するためには、配線1Zが配線パッキン60の位置に配置される必要がある。また、配線1Zが複数の場合は、各配線1Zの間隔L2(図7(C)参照)を適切に設定し、収容部パッキン14と配線パッキン60とで配線1Zの周囲を囲む必要がある。配線1Zを適切な位置に配置することができれば配線位置決め部11kは特に必要ないが、配線位置決め部11kを予め形成しておけば、配線1Zを適切な位置に容易に配置することが可能になり、より好ましい。
【0014】
また、図5に示すように、端子カバー1eの内側には、収容部パッキン14を保持可能とする高さh2の縁部が外周に沿って形成されている。また、配線密閉部11gに設けられた配線位置決め部11kに対向する位置には、カバー側配線位置決め部11q(配線1Zを配置する凹部)が形成されている。これにより、配線1Zをより適切に位置決めすることができる(図7(B)及び(D)参照)。なお、カバー側配線位置決め部11qの高さh1は、縁部の高さh2よりも低く形成されており、図7(D)に示すように、端子カバー1eを組み付けた場合、配線位置決め部11kの周囲とカバー側配線位置決め部11qの周囲とが当接しないように構成してあり、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで確実に圧接して密閉できるようにしている。
なお、図3(B)に示すように、配線位置決め部11kの縁に、カバー側配線位置決め部11qと干渉しない位置に、配線1Zを挟み込んで固定可能な配線固定部11ksを設けると、より好ましい。配線固定部11ksの間隙は配線1Zの径と同程度に設定されているとともに、配線固定部11ksの高さt3は配線パッキン60の厚さt1よりも高く設定されている。これにより、配線固定部11ksにて、より確実に配線1Zを配線位置決め部11kに固定することができる。
【0015】
●[配線を挟み込んだ状態(図7)、及び従来の配線導出部の構造(図8)]
次に図7(A)〜(D)を用いて、配線1Zの一方の端をアダプタ50に接続して、配線1Zの他方の端を通信端子20に接続し、配線パッキン60及び収容部パッキン14にて、当該配線1Zの径方向を囲んで密閉している様子を説明する。
図7(A)は、配線1Zを通信端子20からガスメータ1の外部に導出している部分において、ガスメータ1の左側から見た断面図を示している。また図7(B)は図7(A)におけるBB断面を示しており、図7(C)は図7(A)におけるCC断面を示しており、図7(D)は図7(A)におけるDD断面を示している。
図7(B)に示すように図7(A)に示すBB断面の部分では、配線1Zと配線位置決め部11kとの間には密閉部材が介在しないため、隙間A2ができてしまう。このため、雨水等がこの隙間A2からガスメータ1の内部に侵入しようとするが、図7(C)に示すように図7(A)に示すCC断面の部分では、配線1Zを収容部パッキン14と配線パッキン60とで挟み込んで径方向に密閉しているため、雨水等はこれ以上ガスメータ1の内部に侵入することができない。
【0016】
ここで、図8に配線導出部のその他の構造の例を示す。図8に示す例では、密閉性を持たせるためのゴムブッシュ120に配線1Zを通して、ガスメータ100に形成した溝にゴムブッシュ120をはめ込み、収容部パッキンを備えたカバー110で押さえる。なお、ゴムブッシュ120の内部は薄膜122が形成してあり、配線1Zにて当該薄膜122を貫通させて取り付ける。しかし、この図8に示す構造では、取り付けにやや手間がかかり、作業性があまりよくないことに加えて、ゴムブッシュ120を紛失してしまう可能性もあり、あまり好ましくない。
図3〜図7に示した本実施の形態に示す構造では作業性もよく、更に収容部パッキン14及び配線パッキン60を接着等して固定することで、各パッキンを紛失してしまうこともない。
【0017】
本発明のガスメータ1及びその構成部品等は、本実施の形態で説明した構成、構造、外観、形状、材質等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明のガスメータ1は、業務用ガスメータ及び一般家庭用ガスメータの他にも、種々の流体の流量を計測する流量計測装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明のガスメータ1に所定の機能を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図(正面図、側面図)である。
【図2】本発明のガスメータ1に所定の機能を追加可能なアダプタ50を接続した状態における、一実施の形態の概略外観図(斜視図)である。
【図3】端子カバー1eを取り外した状態のガスメータ1の斜視図である。
【図4】端子カバー1eを取り外した状態の端子収容部11f及び端子カバー1eの斜視図である。
【図5】端子カバー1eの内側の構造を説明する図である。
【図6】端子収容部11f、収容部パッキン14(第1密閉部材)、配線パッキン60(第2密閉部材)の正面図である。
【図7】配線パッキン60及び収容部パッキン14にて、配線1Zの径方向を囲んで密閉している様子を説明する図である。
【図8】配線導出部のその他の構造の例を説明する図である。
【符号の説明】
【0020】
1 ガスメータ
1a 供給元流入口
1b 設備流出口
1e 端子カバー
11f 端子収容部
11g 配線密閉部
11n 端子密閉部
11k 配線位置決め部
11ks 配線固定部
11q カバー側配線位置決め部
14 収容部パッキン(第1密閉部材)
60 配線パッキン(第2密閉部材)
20、41、42 通信端子
50 アダプタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能であるとともに、当該アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、
通信端子はガスメータに設けられた端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されており、
端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有し、
アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、当該配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して当該配線の他方の端をアダプタに接続し、
端子密閉部の所定位置には配線密閉部が形成されており、配線密閉部には配線の径方向の長さよりも長い第2密閉部材を備え、配線を第1密閉部材と第2密閉部材とで挟み込んで径方向に囲むことが可能に構成されている、
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスメータであって、
配線密閉部の一部には、配線の位置を固定する配線位置決め部が設けられている、
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項1】
所定の機能を追加可能なアダプタを外部に接続可能であるとともに、当該アダプタと通信を行うための通信端子を備えたガスメータであって、
通信端子はガスメータに設けられた端子収容部に配置されており、端子収容部には通信端子を囲むように設けられた端子密閉部が形成されており、
端子収容部には着脱可能な端子カバーが設けられ、端子密閉部と端子カバーとで端子密閉部に対応する形状に形成された第1密閉部材を挟み込む構造を有し、
アダプタを接続する場合、配線の一方の端を通信端子に接続し、当該配線を端子密閉部と端子カバーとの間から外部に導出して当該配線の他方の端をアダプタに接続し、
端子密閉部の所定位置には配線密閉部が形成されており、配線密閉部には配線の径方向の長さよりも長い第2密閉部材を備え、配線を第1密閉部材と第2密閉部材とで挟み込んで径方向に囲むことが可能に構成されている、
ことを特徴とするガスメータ。
【請求項2】
請求項1に記載のガスメータであって、
配線密閉部の一部には、配線の位置を固定する配線位置決め部が設けられている、
ことを特徴とするガスメータ。
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1】
【図2】
【図4】
【公開番号】特開2006−3305(P2006−3305A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182627(P2004−182627)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000222211)東洋ガスメーター株式会社 (34)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000222211)東洋ガスメーター株式会社 (34)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000000284)大阪瓦斯株式会社 (2,453)
【出願人】(000221834)東邦瓦斯株式会社 (440)
【Fターム(参考)】
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