説明

ガスメータ

【課題】ガスメータにおいて、磁性体の塵挨を除去し流量計測部への塵挨の流入を防止すること。
【解決手段】筐体2と、筐体2に設けられた流入部3、および流出部4と、筐体2内に配置され、入口部11と出口部12とを有する流量計測部10と、筐体2内部に配置した磁石14とよりなり、流入部3から筐体2内を通過して流量計測部10に流入する経路に、磁石14を配置することにより、ダストに含まれる磁性体を吸着するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計測部への塵挨流入を防止するガスメータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のガスメータは、流量計測部より上流側に設けられた遮断弁に流入する通路にダスト受け部を設けている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図3は、特許文献1に記載された従来のガスメータを示すものである。図3に示すように、ガスメータ101は、遮断弁102と、流量計測部103とを有しており、ガスが流入する下向き通路104の下部に設けられたダスト受け部105において、ダストを取り除く構成となっている。
【0004】
また、このダスト受け部105に吸着材(図示せず)を配設することにより、より確実にダストを取り除くことができる構成も示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−296154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来の構成では、ダストの除去は、単に重力効果によるダストの落下に依存しているだけなので、比較的重いものしか取り除くことができず、捕集効率が良くないという課題を有していた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ダストの軽重に関わらず磁性を帯びた塵埃を確実に捕集することにより流量計測部への塵挨の流入を防止するようにしたガスメータを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明のガスメータは、筐体と、前記筐体に設けられた流入部、および流出部と、前記筐体内に配置され、入口部と出口部とを有する流量計測部と、前記筐体内部に配置した磁石とよりなり、前記流量計測部は入口部を前記筐体内に開口するとともに、前記流量計測部の出口部を前記流出部に接続し、前記磁石は前記流入部から前記入口部に至る流れにさらされる位置に配置したものである。
【0009】
これによって、流入部より流入したガスの流れを、いったんガスメータの筐体内の広い空間に開放して流速を遅くして塵挨の落下を容易にするとともに、さらに流量計測部に入る前に、流れにさらされる位置に配置した磁石により、ダストに含まれる磁性体を吸着することができ、流量計測部への塵挨流入を防止することができるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明のガスメータによると、流速の低下と磁石の配置により流量計測部への塵挨流入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガスメータの垂直断面図
【図2】本発明の実施の形態2におけるガスメータの垂直断面図
【図3】従来のガスメータの垂直断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、筐体と、前記筐体に設けられた流入部、および流出部と、前記筐体内に配置され、入口部と出口部とを有する流量計測部と、前記筐体内部に配置した磁石とよりなり、前記流量計測部は入口部を前記筐体内に開口するとともに、前記流量計測部の出口部を前記流出部に接続し、前記磁石は前記流入部から前記入口部に至る流れにさらされる位置に配置することにより、流入部より流入したガスの流れを、いったんガスメータの筐体内の広い空間に開放して流速を遅くして塵挨の落下を容易にするとともに、さらに流量計測部に入る前に、流れにさらされる位置に配置した磁石により、ダストに含まれる磁性体を吸着することができ、流量計測部への塵挨流入を防止することができる。
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
(実施の形態1)
実施の形態1ついて、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態におけるガスメータの垂直断面図を示すものである。
【0015】
図1において1はガスメータである。ガスメータ1の筐体2は、流入部3と流出部4を有している。流入部3には流入パイプ5、流出部4には流出パイプ6が接続されている。
【0016】
筐体2の内部において、流入部3には遮断弁7が接続されている。この遮断弁7の入口端8は流入部3に接続され、出口端9は筐体2の内部に開放されている。
【0017】
また、筐体2の内部には、流量計測部10が配置されている。流量計測部10は入口部11と出口部12を有しており、入口部11は筐体2の内部に開放されており、出口部12は接続部13により流出部4に接続されている。
【0018】
流量計測部10は、例えば超音波で流量を計測する方式のものや、フローセンサで流量を計測するものがある。また、超音波で計測するもので、その流路断面を矩形に形成し、その流路内部を仕切り板で複数に分割するものも含まれる。
【0019】
筐体2の内部には磁石14が配置されている。磁石14は、流入部3より遮断弁7に流入した流れが遮断弁7の出口端9より筐体2に流入する流れP1となり、その後、流れ状態P2を経た後、流れP3として流量計測部10の入口部11に流入するに至る流れの経路にさらされる位置に配置されている。
【0020】
以上のように構成されたガスメータについて、以下、その動作、作用を説明する。
【0021】
まず、流入パイプ5より流入したガスは、流入部3から遮断弁7の入口端8より、入り、その後、出口端9より筐体2の内部空間に放出される。
【0022】
遮断弁7の出口端9より放出された流れP1は、P2、P3のような流れとなって流量計測部10の入口部11より、流量計測部10に流入する。
【0023】
このとき、上記P1→P2→P3の流れにさらされる状態で、磁石14が配置されているため、ダストに含まれている磁性体、例えば、鉄粉、酸化鉄等は矢印Qに示すように磁石14に吸引され、流量計測部10に流入する前に除去されるものである。
【0024】
なお、本実施の形態では、流れP1はいったん筐体2内の広い空間に放出されるため、流速が低くなり、磁石14による捕集効率をいっそう高めることができるものである。
【0025】
(実施の形態2)
実施の形態2について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態におけるガスメータの垂直断面図を示すものである。
【0026】
実施の形態2において、実施の形態1と異なるところは、磁石が筐体2の内面15全体に形成されている点のみである。その他の部分は実施の形態1と同じゆえ、同じ番号で示している。
【0027】
この実施の形態の場合、流れは矢印Q1,Q2,Q3の経路をたどる。その際、筐体2の内面15が磁石であるため、Q1、Q2、Q3のように、いたるところで、塵埃に含まれる磁性体が吸着される。
【0028】
以上のように、本実施の形態においては、磁性体を吸着する機会が格段に増加するため、塵埃の除去効率を一層、高めることができるものである。
【0029】
なお、本実施の形態では、磁石を内面15全域に形成する事例を示したが、流れに沿った部分のみとするようにしてもよい。
【0030】
また、筐体2が比較的薄く、内面15に形成された磁場が外部にもおよぶ場合には外部の不要な磁性体吸着等、外部への磁場形成による悪影響を弱めるため、筐体2の外面に樹脂等の非磁性体コーティングを施すこともできるものである。
【産業上の利用可能性】
【0031】
以上のように、本発明にかかるガスメータは、ダストに含まれる磁性体を除去でき、流量計測部への塵挨流入を防止することが可能となるので、家庭用から業務用に至る大型のガスメータまで幅広い用途に適用できる。
【符号の説明】
【0032】
1 ガスメータ
2 筐体
3 流入部
4 流出部
10 流量計測部
11 入口部
12 出口部
14 磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に設けられた流入部、および流出部と、
前記筐体内に配置され、入口部と出口部とを有する流量計測部と、
前記筐体内部に配置した磁石と、よりなり、
前記流量計測部は、入口部を前記筐体内に開口するとともに、前記流量計測部の出口部を前記流出部に接続し、前記磁石は前記流入部から前記入口部に至る流れにさらされる位置に配置したガスメータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−44533(P2013−44533A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180148(P2011−180148)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】