説明

ガス化システム

【課題】小さい装置コストと運転コストで炭素系原料をガス化することができ且つ排ガスから回収する熱量とガス化ガスの発生量とを要求に応じて制御できるようにする。
【解決手段】分離器7で分離した排ガス8の熱を回収する熱回収手段16を設け、流動層ガス化炉1に水蒸気、空気、二酸化炭素の少なくとも1つからなるガス化剤3を供給し、流動層ガス化炉1で生成するガス化ガス20の少なくとも一部を用いて機能性材料Xを製造する機能性材料製造手段23を設け、循環粒子2の循環量と流動層ガス化炉1に供給する炭素系原料4の供給量の少なくとも1つを制御することによって、熱回収手段16によって回収される熱量と流動層ガス化炉1から取り出されるガス化ガス20の発生量との割合を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小さい装置コストと運転コストで炭素系原料をガス化することができ且つ排ガスから回収する熱量とガス化ガスの発生量とを要求に応じて制御できるようにしたガス化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等の炭素系材料は、天然ガスを原料として製造する技術が従来から確立されている。
【0003】
しかし、近年の天然ガス価格の高騰から、上記炭素系材料を石炭等の安価な原料から製造することが求められるようになってきている。
【0004】
石炭から炭素系材料を製造する方法としては特許文献1、2がある。特許文献1では酸素Oを用いて石炭をガス化し、ガス化ガスをガスクーラに導き発生した蒸気により蒸気タービンを駆動して発電を行い、更にガス化ガスからグラファイトナノファイバを製造し、ガス化ガスの余剰分でガスタービンを駆動して発電を行っている。又、特許文献2は、石炭ガス化ガスを変換炉に導いて二酸化炭素を一酸化炭素に変換し、この一酸化炭素を炭素源として気相成長法(CVD法)により単層カーボンナノチューブを製造するものである。
【特許文献1】特開2003−120323号公報
【特許文献2】特開2006−027949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、酸素(O)を用いて石炭をガス化しているが、酸素製造装置を装備するための装置コスト、運転コストの面から実用化には問題を有していた。又、特許文献2では、二酸化炭素を一酸化炭素に変換して、この一酸化炭素から単層カーボンナノチューブを設蔵するものであるが、ガス化時の排熱を利用して電気等を併産するものではなく、機動性に欠けるものである。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、小さい装置コストと運転コストで炭素系原料をガス化することができ且つ排ガスから回収する熱量とガス化ガスの発生量とを要求に応じて制御できるようにしたガス化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、高温の循環粒子とガス化剤との存在下で炭素系原料をガス化してガス化ガスを生成する流動層ガス化炉と、流動層ガス化炉でのガス化時に生成したチャーを導入して燃焼することにより循環粒子を加熱する燃焼炉と、燃焼炉からの燃焼ガスを分離器に導いて排ガスと循環粒子とに分離し循環粒子を前記流動層ガス化炉に戻して循環するようにしているガス化システムであって、分離器で分離した排ガスの熱を回収する熱回収手段を設け、流動層ガス化炉に水蒸気、空気、二酸化炭素の少なくとも1つからなるガス化剤を供給し、流動層ガス化炉で生成するガス化ガスの少なくとも一部を用いて機能性材料を製造する機能性材料製造手段を設け、循環粒子の循環量と流動層ガス化炉に供給する炭素系原料の供給量の少なくとも1つを制御することによって、熱回収手段によって回収される熱量と流動層ガス化炉から取り出されるガス化ガスの発生量との割合を制御するようにしたことを特徴とするガス化システム、に係るものである。
【0008】
上記ガス化システムにおいて、流動層ガス化炉からのガス化ガスを、機能性材料製造手段とガス利用系とに振り分けて導く流量制御手段を有することは好ましい。
【0009】
又、上記ガス化システムにおいて、流動層ガス化炉から燃焼炉に供給されるチャーの一部を取り出すチャー取出手段と、チャー取出手段により取り出したチャーを用いて機能性材料を製造する機能性材料製造手段を有することは好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のガス化システムによれば、分離器で分離した排ガスの熱を回収する熱回収手段を設け、流動層ガス化炉に水蒸気、空気、二酸化炭素の少なくとも1つからなるガス化剤を供給し、流動層ガス化炉で生成するガス化ガスの少なくとも一部を用いて機能性材料を製造する機能性材料製造手段を設け、循環粒子の循環量と流動層ガス化炉に供給する炭素系原料の供給量の少なくとも1つを制御することによって、熱回収手段によって回収される熱量と流動層ガス化炉から取り出されるガス化ガスの発生量との割合を制御するようにしたので、小さい装置コストと運転コストで炭素系原料をガス化することができ、且つ排ガスから回収する熱量とガス化ガスの発生量とを要求に応じて任意に制御できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明のガス化システムの一例を示す概略構成図であり、このガス化システムにおいては、高温の循環粒子2とガス化剤3の存在下で流動層10により炭素系原料4をガス化する流動層ガス化炉1と、流動層ガス化炉1でのガス化時に生成したチャーを導入して燃焼することにより循環粒子2を加熱する燃焼炉5と、燃焼炉5からの燃焼ガス6を分離器7に導いて排ガス8と循環粒子2とに分離し循環粒子2を前記流動層ガス化炉1に戻して循環するようにしている。上記流動層ガス化炉1では循環粒子2により800℃以上の温度に保持されてガス化を行うようになっており、又、燃焼炉では900℃以上の温度で循環粒子2を加熱するようになっている。
【0013】
上記ガス化システムにおいて、前記流動層ガス化炉1には炭素系原料4の供給量を制御するようにした原料供給装置9を設ける。原料供給装置9は、流動層ガス化炉1内の圧力を保持(シール)した状態で石炭、石油残渣、ペトロコークス、重質油等の炭素系原料4を供給するようになっている。
【0014】
更に、流動層ガス化炉1の下部には、ガス化剤3を供給するガス化剤供給装置11が設けてあり、ガス化剤供給装置11によって水蒸気、空気、二酸化炭素によるガス化剤3を単独で供給するか、又はその2つ以上を組み合わせたガス化剤3を供給するようにしている。
【0015】
前記燃焼炉5には、下部位置から一次空気12を供給する一次空気供給装置13と、一次空気供給装置13より上部位置から二次空気14を供給する二次空気供給装置15とが設けてあり、一次空気12と二次空気14の供給割合を調節して燃焼炉5内での循環粒子の上昇速度を変化させることにより、循環粒子2が燃焼炉5と流動層ガス化炉1の間を循環する循環量を制御するようにしている。又、系内の循環粒子2の量を増加したり、又は循環粒子2を抜き出すことによっても、系内の循環粒子2の循環量を制御することができる。
【0016】
前記分離器7から排出される排ガス8は、熱回収手段16に導いて熱回収するようにしている。図1に示す熱回収手段16は、排ガス8と水を熱交換して蒸気を発生する熱交換器17(ボイラ)と、該熱交換器17からの蒸気により発電機18を回転させる蒸気タービン19を備えて電気を生産するようにした場合を示している。尚、熱回収手段16は発電せずに熱交換器17によって得られた蒸気を他の目的に利用するようにしてもよい。例えば熱交換器17によって得た蒸気を流動層ガス化炉1にガス化剤3として供給するようにしてもよい。
【0017】
前記流動層ガス化炉1で生成されて取り出されるガス化ガス20は、必要に応じて例えば除塵装置、タール除去装置、改質装置等のガス精製装置21により精製した後、ダンパ等の流量制御手段22を介して機能性材料製造手段23とガス利用系24とに振り分けて導くようにしている。このとき、機能性材料製造手段23とガス利用系24に導くガス化ガス20はその一方のみをガス精製装置によって精製してもよく、又、ガス化ガス20のすべてを機能性材料製造手段23に導くようにしてもよい。
【0018】
機能性材料製造手段23には、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等の機能性材料Xを製造する製造装置が用いられ、この製造装置には、気相成長法(CVD法)を用いた生成炉或いはその他の材料合成反応炉等を用いることができる。
【0019】
前記ガス利用系24としては、ガス化ガス20を燃料とする燃焼装置、ガス化ガス20を用いてアンモニアを製造するアンモニア製造装置、ガス化ガス20を液化して液体燃料を製造する液化装置等がある。
【0020】
又、前記流動層ガス化炉1内の循環粒子とチャーを燃焼炉5に供給する供給管25には、循環粒子とチャーの混合物26の一部を外部に取り出すようにしたダンパ或いはゲートバルブ等の取出手段27を設けている。取出手段27によって取り出した混合物26は、分離手段28に導入してチャー29と循環粒子2とに分離し、分離したチャー29は機能性材料製造手段30に供給して機能性材料Xを製造するようにしている。
【0021】
分離手段28はその一例を図2に示すように、分離槽31の通気板32上に前記混合物26を供給し、送風装置33からのガス(空気)を整流板34により整流して通気板から分離槽31内に供給することにより前記混合物26を比重分離するようにしている。35は送風装置33から吹き出すガスの流量を調整する風量調節板である。混合物26のチャー29は通常、循環粒子2(砂)の粒子径に対して略2倍以上の大きい径を有し且つ重量も重いため、チャー29は分離槽31の底部に堆積してチャー層aを形成し、チャー層aの上部に循環粒子2の中間層bが形成され、中間層bの上部に微粒層cが形成されるようになる。従って、分離槽31の底部のチャー層aからチャー29を効果的に取り出すことができる。
【0022】
前記機能性材料製造手段30では、前記チャー29から活性炭、カーボンブラック等の機能性材料Xを製造することができる。
【0023】
機能性材料製造手段30はその一例を図3に示すように、電気或いはその他の加熱源36によって加熱される流動層反応炉37内に前記チャー29と触媒38を供給し、下部の散気板39により水素、炭化水素ガス等の反応ガス40を供給し流動化して反応させることにより目的の機能性材料Xを製造するようにしている。ここで、触媒38は粒径を選定して用いることができるので、チャー29と粒径が異なる触媒38を用いると、流動層反応炉37から取り出して篩分けする等によって容易に機能性材料Xと触媒38とを分離することができ、分離した触媒38は再び流動層反応炉37に供給して利用することができる。
【0024】
図4は機能性材料製造手段30の他の例を示したもので、電気或いはその他の加熱源36によって加熱される固定床反応炉41内に前記チャー29と触媒38を供給し、下部から水素、炭化水素ガス等の反応ガス40を供給して反応させることにより目的の機能性材料Xを製造するようにしている。この場合も、固定床反応炉41から切出バルブ42等によって取り出して篩分けする等により機能性材料Xと触媒38とを分離することができ、分離した触媒38は再び固定床反応炉41に供給することができる。
【0025】
上記形態例の作動を説明する。
【0026】
図1のガス化システムにおいて、燃焼炉5からの燃焼ガス6は分離器7により循環粒子2と排ガス8とに分離され、循環粒子2は流動層ガス化炉1に供給され、排ガス8は熱回収手段16の熱交換器17に供給されて水と熱交換することにより蒸気を発生させ、熱交換器17の蒸気が蒸気タービン19に供給されて電気を生産する。
【0027】
一方、原料供給装置9から流動層ガス化炉1に供給された石炭等の炭素系原料4は、流動層10において循環粒子2による加熱とガス化剤3の作用を受けることによりガス化される。このとき、ガス化剤3に水蒸気、空気、二酸化炭素を用いるようにしているので、従来の酸素をガス化剤に用いた場合に比して、小さい装置コストと運転コストのガス化システムを達成することができる。
【0028】
水蒸気ガス化の場合には、一酸化炭素CO、水素Hを主成分とし、これにメタンCH、タール、一酸化炭素CO、二酸化炭素CO等が混合したガス化ガス20が生成される。このとき、流動層ガス化炉1に触媒を供給するとガス化ガス20の性状を変えることができ、機能性材料Xを製造するのに適した性状のガス化ガス20が得られる触媒を選定して用いることは好ましい。
【0029】
ガス化ガス20は流動層ガス化炉1から取り出された後、必要に応じてガス精製装置21により精製され、ダンパ等の流量制御手段22を介して機能性材料製造手段23とガス利用系24とに振り分けて供給される。機能性材料製造手段23では、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等の機能性材料Xが製造され、又、ガス利用系24では、ガス化ガス20が燃焼装置に燃料として供給されたり、アンモニア製造装置にアンモニアを製造する原料として供給されたり、液化装置に液体燃料を製造する原料として供給される。このとき、流動層ガス化炉1のガス化ガスの発生量に応じて機能性材料製造手段23とガス利用系24に供給するガス化ガス20の供給割合を変更したり、或いは、機能性材料製造手段23及びガス利用系24のガス化ガス20の要求量に応じて原料供給装置9から流動層ガス化炉1に供給する石炭等の炭素系原料4の供給量を変更するようにしてもよい。
【0030】
又、前記流動層ガス化炉1の循環粒子2とチャーを燃焼炉5に供給する供給管25に設けた取出手段27によりチャーと循環粒子の混合物26の一部を外部に取り出すようにしており、取り出した混合物26は分離手段28に導入してチャー29と循環粒子2とに分離する。分離したチャー29は機能性材料製造手段30に供給して活性炭、カーボンブラック等の機能性材料Xを製造する。
【0031】
上記システムにおいては、熱回収手段16によって回収する熱量と、流動層ガス化炉1から取り出されるガス化ガス20の発生量との割合を制御するようにしている。
【0032】
上記熱回収手段16で回収する熱量と、流動層ガス化炉1のガス化ガス20の発生量との割合を変える際は、循環粒子2の循環量と、流動層ガス化炉1に供給する炭素系原料4の供給量の少なくとも1つを制御することによって行うことができる。
【0033】
循環粒子2の循環量は、一次空気12と二次空気14の供給割合を調節して燃焼炉5内での循環粒子の上昇速度を変化させることによって制御できる。又、系内における循環粒子2の量を増減することによっても循環粒子2の循環量を制御することができる。
【0034】
系内の循環粒子2の循環量が増大すると、流動層ガス化炉1の温度が上昇して流動層ガス化炉1でのガス化作用が向上するためガス化ガス20の発生量は増大し、よって機能性材料製造手段23による機能性材料Xの生産量の増加、及びガス利用系24に供給されるガス化ガス20の増加が図れる。一方、流動層ガス化炉1でのガス化の促進によって燃焼炉5に供給されるチャーの熱量が減少するために、排ガス8の流量と温度が低下し、熱回収手段16で回収される熱量は減少する。
【0035】
又、系内の循環粒子2の循環量が減少すると、流動層ガス化炉1の温度が低下して流動層ガス化炉1でのガス化作用が低下するためガス化ガス20の発生量が減少し、よって機能性材料製造手段23による機能性材料Xの生産量の減少、及びガス利用系24に供給されるガス化ガス20の減少となる。一方、流動層ガス化炉1でのガス化が抑制されるために燃焼炉5に供給されるチャーの熱量は増加し、よって排ガス8の流量と温度が上昇し、熱回収手段16によって回収される熱量は増加する。
【0036】
又、原料供給装置9によって流動層ガス化炉1に供給する炭素系原料4の供給量を減少させた際には、流動層ガス化炉1の温度が上昇して流動層ガス化炉1でのガス化が促進されるためにガス化ガス20への転換率が向上して発生量は増加する反面、燃焼炉5に供給されるチャーの熱量が減少するために熱回収手段16で回収される熱量は減少する。
【0037】
流動層ガス化炉1に供給する炭素系原料4の供給量を増加した際には、流動層ガス化炉1の温度が低下して流動層ガス化炉1でのガス化が抑制されるためにガス化ガス20への転換率が低下して発生量が減少する反面、燃焼炉5に供給されるチャーの熱量が増加するために熱回収手段16で回収される熱量は増加する。
【0038】
このように、循環粒子2の循環量と流動層ガス化炉1に供給する炭素系原料4の供給量の少なくとも1つを制御することによって、熱回収手段16で回収する熱量と、流動層ガス化炉1から取り出されるガス化ガス20の発生量との割合を要求に応じて任意に制御することができるようになる。
【0039】
又、供給管25に設けた取出手段27によりチャーと循環粒子の混合物26の一部を外部に取り出し、分離手段28に導入してチャー29と循環粒子2に分離した後、分離したチャー29を機能性材料製造手段30に供給することにより活性炭、カーボンブラック等の機能性材料Xを製造することができる。
【0040】
このとき、取出手段27によって取り出すチャー29の取り出し量に応じて燃焼炉5で燃焼するチャーの熱量が減少することになるので、熱回収手段16で回収する熱量が減少する。従って、取出手段27によるチャー29の取り出し量を制御することによって熱回収手段16で回収する熱量を制御することができる。
【0041】
尚、本発明は上記形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明のガス化システムの一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に備えた分離手段の一例を示す概略側面図である。
【図3】機能性材料製造手段の一例を示す概略側面図である。
【図4】機能性材料製造手段の他の例を示す概略側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 流動層ガス化炉
2 循環粒子
3 ガス化剤
4 炭素系原料
5 燃焼炉
6 燃焼ガス
7 分離器
8 排ガス
16 熱回収手段
20 ガス化ガス
22 流量制御手段
23 機能性材料製造手段
24 ガス利用系
27 取出手段
30 機能性材料製造手段
X 機能性材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の循環粒子とガス化剤との存在下で炭素系原料をガス化してガス化ガスを生成する流動層ガス化炉と、流動層ガス化炉でのガス化時に生成したチャーを導入して燃焼することにより循環粒子を加熱する燃焼炉と、燃焼炉からの燃焼ガスを分離器に導いて排ガスと循環粒子とに分離し循環粒子を前記流動層ガス化炉に戻して循環するようにしているガス化システムであって、分離器で分離した排ガスの熱を回収する熱回収手段を設け、流動層ガス化炉に水蒸気、空気、二酸化炭素の少なくとも1つからなるガス化剤を供給し、流動層ガス化炉で生成するガス化ガスの少なくとも一部を用いて機能性材料を製造する機能性材料製造手段を設け、循環粒子の循環量と流動層ガス化炉に供給する炭素系原料の供給量の少なくとも1つを制御することによって、熱回収手段によって回収される熱量と流動層ガス化炉から取り出されるガス化ガスの発生量との割合を制御するようにしたことを特徴とするガス化システム。
【請求項2】
流動層ガス化炉からのガス化ガスを、機能性材料製造手段とガス利用系とに振り分けて導く流量制御手段を有する請求項1に記載のガス化システム。
【請求項3】
流動層ガス化炉から燃焼炉に供給されるチャーの一部を取り出すチャー取出手段と、チャー取出手段により取り出したチャーを用いて機能性材料を製造する機能性材料製造手段を有する請求項1又は2に記載のガス化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−7388(P2009−7388A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−167153(P2007−167153)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】