説明

ガス圧式アクチュエータ

【課題】シリンダ(5)と、シリンダ(5)内を進退可能なピストンヘッド(2b)とピストンヘッド(2b)に連結されたピストンロッド(2a)とを有するピストン(2)と、シリンダ(5)とピストンヘッド(2b)により区画形成されるシリンダ室(6)に火薬の燃焼に伴って高圧ガスを噴出するガス発生器(3)とを備えた火薬式アクチュエータ(1)において、シリンダ(5)内に挿入されたピストン(2)における移動速度の低下を抑えて、作動性能を向上させるとともに、火薬式アクチュエータ(1)の小型化を可能にする。
【解決手段】火薬式アクチュエータ(1)のガス発生器(3)を、ピストンヘッド(2b)の先端面(8)に形成した凹陥部(9)に挿入固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス発生剤の反応による高圧ガスによって駆動するガス圧式アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガス発生剤の反応による高圧ガスの噴出力を利用して対象物に力を作用させるガス圧式アクチュエータが知られている。そして、特許文献1には、ガス発生剤として火薬を用い、この火薬の燃焼による高圧ガスの噴出力を利用して対象物に力を作用させる火薬式アクチュエータが記載されている。
【0003】
この火薬式アクチュエータは、例えば、歩行者が自動車に衝突した際に、自動車のエンジンルームの上方に開閉可能に設けられたエンジンフードを強制的に持ち上げて、歩行者の二次衝突、つまり歩行者がエンジンフードを介してエンジンブロックに強く当たるのを緩和する安全装置として用いられている。
【0004】
図6は、従来の火薬式アクチュエータの断面図を示している。この火薬式アクチュエータ(31)は、シリンダ(35)と、該シリンダ(35)内を進退可能なピストンヘッド(32b)と該ピストンヘッド(32b)に連結されたピストンロッド(32a)とを有するピストン(32)とを備えている。又、該シリンダ(35)内には、上記シリンダ(35)とピストンヘッド(32b)により区画されたシリンダ室(36)が形成されている。そして、火薬の燃焼に伴って高圧ガスを噴出するガス発生器(33)が、上記シリンダ(35)の底壁(37)に固定されている。尚、上記ガス発生器(33)は、シリンダ室(36)に面するように設けられている。
【0005】
上記ガス発生器(33)は、火薬と、該火薬を収納する破裂可能な密閉容器と、該密閉容器に収納された火薬に着火するための着火機構(図示せず)とを備えている。上記着火機構により着火動作が行われると、密閉容器内の火薬が燃焼して高圧ガスが発生する。すると、密閉容器内に高圧ガスが充満するとともに、該密閉容器内の圧力が上昇する。密閉容器内の圧力が上昇して所定値以上になると、該密閉容器が破裂してシリンダ室(36)に高圧ガスが噴出する。そして、この噴出した高圧ガスが、シリンダ室(36)の圧力を上昇させて上記ピストン(32)をシリンダ(35)の外方(図6の上方)へ押し出す。これにより、ピストン(32)の先端部に設けられた押圧部(32c)がエンジンフードに接触して、該エンジンフードを持ち上げるように構成されている。
【特許文献1】特開平2004−330913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の火薬式アクチュエータにおいて、上記ピストンヘッドがストローク始端からストローク終端に近づくにつれて、上記ピストンの移動速度が低下する場合がある。これは、上記ガス発生器から高圧ガスが噴出されると、シリンダの底壁からピストン側に向かって小さくなるような高圧ガスの圧力分布(以下、単に圧力分布という。)がシリンダ室に形成されるためである。
【0007】
つまり、上記ピストンヘッドが、ストローク始端の近傍、つまりシリンダの底壁に近い位置にある場合には、該ピストンヘッドを押す高圧ガスの圧力が大きいので、ピストンの移動速度は速い。これに対して、上記ピストンヘッドが、ストローク終端に近づくにつれて、シリンダの底壁から離れていくため該ピストンヘッドを押す高圧ガスの圧力が小さくなり、ピストンの移動速度はストローク始端に比べて低下する。
【0008】
又、シリンダの外側にガス発生器が設けられているので、その分だけ火薬式アクチュエータが大きくなり、エンジンルームの狭いスペースに該火薬式アクチュエータを配置するのが困難な場合もある。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス圧式アクチュエータにおいて、シリンダ内に挿入されたピストンにおける移動速度の低下を抑えて、該ガス圧式アクチュエータの作動性能を向上するとともに、小型化を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明は、シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内を進退可能なピストンヘッド(2b)とピストンロッド(2a)とを有するピストン(2)と、上記シリンダ(5)とピストンヘッド(2b)により区画形成されるシリンダ室(6)にガス発生剤の反応に伴って高圧ガスを噴出するガス発生器(3)とを備えたガス圧式アクチュエータを前提としている。
【0011】
そして、上記ガス圧式アクチュエータのガス発生器(3)は、上記ピストン(2)に設けられていることを特徴としている。
【0012】
第1の発明では、上記ピストン(2)にガス発生器(3)を設けることにより、従来とは違い、ピストンヘッド(2b)からシリンダ(5)の底壁側に向かって小さくなるような圧力分布、つまりピストンヘッド(2b)が最も大きくなるような圧力分布をシリンダ室(6)に形成することができる。したがって、ピストンヘッド(2b)を押す高圧ガスの圧力は、従来とは異なり、ピストンヘッド(2b)がストローク終端に近づくにつれて、小さくなりにくい。これにより、ピストン(2)の移動速度は低下しにくくなる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明において、上記ガス発生器(3)は、上記シリンダ室(6)に面するように上記ピストンヘッド(2b)に設けられていることを特徴としている。
【0014】
第2の発明では、上記シリンダ室(6)を区画形成するピストンヘッド(2b)にガス発生器(3)を設けることにより、ピストンヘッド(2b)からシリンダ(5)の底壁(7)側に向かって小さくなるような圧力分布を確実にシリンダ室(6)に形成することができる。
【0015】
第3の発明は、第2の発明において、上記ガス発生器(3)は、ピストンヘッド(2b)の内部に埋設されていることを特徴としている。
【0016】
第3の発明では、上記ピストンヘッド(2b)の内部にガス発生器(3)を設けることにより、ピストンヘッド(2b)からガス発生器(3)が突出しないようにすることができる。したがって、ガス発生器(3)がピストンヘッド(2b)から突出して設けられた場合に比べて、シリンダ(5)の底壁(7)とピストンヘッド(2b)の先端面(8)との間の突出した分の距離を短くすることができる。
【0017】
第4の発明は、第1の発明において、上記ガス発生器(3)は、上記ピストン(2)の内部に設けられ、上記ピストンロッド(2a)には、上記ガス発生器(3)と上記シリンダ室(6)とを連通するガス通路(27)が形成されていることを特徴としている。
【0018】
ここで、上記ガス通路(27)は、上記ガス発生器(3)で発生した高圧ガスを上記シリンダ室(6)へ噴出するための通路を構成する。
【0019】
第4の発明では、上記ガス通路(27)を設けることにより、上記ガス発生器(3)をシリンダ室(6)から遠ざけることができる。これにより、上記ガス発生器(3)が外部信号によりガス発生剤の反応を行うように構成されている場合において、その外部信号を該ガス発生器(3)に伝えるための電気配線を、該ガス発生器(3)に結線しやすくできる。
【0020】
第5の発明は、第4の発明において、上記ガス発生器(3)は、上記シリンダ(5)から突出したピストン(2)の先端に設けられていることを特徴としている。
【0021】
第5の発明では、上記ガス発生器(3)をシリンダ室(6)からシリンダ(5)の外側まで遠ざけることができる。したがって、上記ガス発生器(3)が外部信号によりガス発生剤の反応を行うように構成されている場合において、その外部信号を該ガス発生器(3)に伝えるための電気配線を、該ガス発生器(3)にさらに結線しやすくできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、上記ピストン(2)にガス発生器(3)を設けることにより、ピストンヘッド(2b)が最も大きくなるような圧力分布をシリンダ室(6)に形成することができる。これにより、ピストン(2)の移動速度は低下しにくくなり、上記ガス圧式アクチュエータの作動性能を向上することができる。又、ガス発生器(3)がシリンダ(5)の外部に突出しないので、上記ガス圧式アクチュエータを小型化でき、エンジンルーム等の狭いスペースでも配置し易くなる。
【0023】
第2の発明によれば、上記ピストンヘッド(2b)にガス発生器(3)を設けることにより、ピストンヘッド(2b)が最も大きくなるような圧力分布を確実にシリンダ室(6)に形成することができる。これにより、ピストン(2)の移動速度は低下しにくくなり、上記ガス圧式アクチュエータの作動性能を確実に向上することができる。
【0024】
第3の発明によれば、上記ピストンヘッド(2b)にガス発生器(3)を埋設することにより、シリンダ(5)の底壁(7)とピストンヘッド(2b)の先端面(8)との間の距離を短くすることができる。これにより、シリンダ(5)の長さを短くすることができ、上記ガス圧式アクチュエータをコンパクトにすることができる。
【0025】
第4の発明によれば、上記ガス通路(27)を設けて、シリンダ室(6)からガス発生器(3)を遠ざけることにより、該ガス発生器(3)に対する電気配線の接続が行いやすくなる。したがって、上記ガス圧式アクチュエータの組立性を向上することができる。
【0026】
第5の発明によれば、上記ガス発生器(3)をシリンダ室(6)からシリンダ(5)の外側まで遠ざけることにより、該ガス発生器(3)に対する電気配線の接続がさらに行いやすくなる。したがって、上記ガス圧式アクチュエータの組立性をさらに向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
本実施形態の火薬式アクチュエータ(ガス圧式アクチュエータ)(1)は、図1に示すように自動車(10)に搭載された安全装置(13)の要素機器を構成している。尚、上記安全装置(13)は、自動車(10)の前端部に衝突した歩行者の二次衝突、つまり歩行者がエンジンフードを介してエンジンブロックに強く当たるのを緩和するためのものである。
【0029】
具体的に、上記安全装置(13)は、衝突検知センサ(20)とコントローラ(30)と上記火薬式アクチュエータ(1)とが電気配線で接続されて構成されている。上記衝突検知センサ(20)は、自動車(10)の前端部に設けられており、該前端部への歩行者の衝突を感知すると、コントローラ(30)へ衝突感知信号を出力するものである。又、上記コントローラ(30)は、自動車(10)のエンジンルーム(12)内に設けられており、上記衝突検知センサ(20)から衝突感知信号が入力されると、直ちに作動信号を上記火薬式アクチュエータ(1)に出力するものである。
【0030】
上記火薬式アクチュエータ(1)は、自動車(10)のエンジンルーム(12)の上方に開閉可能に設けられたエンジンフード(11)の下方に設けられており、上記コントローラ(30)から作動信号が入力されると、図2に示すように、上記エンジンフード(11)を強制的に持ち上げるものである。こうすると、歩行者が自動車(10)に衝突しても、エンジンフード(11)の下の固いエンジンブロックに強く当たることを緩和できる。以下、上記火薬式アクチュエータ(1)について、詳細に説明する。
【0031】
上記火薬式アクチュエータ(1)は、図3に示すように、シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内に設けられたピストン(2)と、上記シリンダ(5)及びピストン(2)により区画形成されたシリンダ室(6)に高圧ガスを噴出するガス発生器(3)とを備えている。
【0032】
上記シリンダ(5)は、円筒状に形成され、上端部が開口し下端部が閉塞されている。そして、上端部の開口部分にはブッシュ(4)が取り付けられている。このブッシュ(4)には、その長さ方向に貫通するブッシュ孔が形成されている。
【0033】
上記ピストン(2)は、上記シリンダ(5)の内径よりも小径の円柱状に形成されたピストンロッド(2a)と、該ピストンロッド(2a)の下端(図3の下側)に接続されたピストンヘッド(2b)と、該ピストンロッド(2a)の上端(図3の上側)に接続された押圧部(2c)とで構成されている。上記ピストンヘッド(2b)は、扁平な円柱状に形成され、その外周面がシリンダ(5)の内周面に摺接するように構成されている。上記ピストンロッド(2a)は、ブッシュ孔に挿通され、摺動自在に支持されている。上記押圧部(2c)は、シリンダ(5)の外側に露出している。
【0034】
上記ピストン(2)は、シリンダ(5)に対して進退可能に構成されている。又、ピストンヘッド(2b)の先端面(8)とシリンダ(5)の内周面とで囲まれた空間がシリンダ室(6)を構成する。
【0035】
上記ピストン(2)において、該ピストンヘッド(2b)の先端面(8)には、該先端面(8)からピストン(2)のピストンロッド(2a)側に向かって凹陥部(9)が形成されている。又、上記凹陥部(9)の空間からピストンロッド(2a)及び押圧部(2c)を貫通してシリンダ(5)の外部空間に連通する細い電気配線孔(図示せず)が設けられている。そして、ピストンヘッド(2b)の先端面(8)からガス発生器(3)が突出しないか、又は若干突出するように、該ガス発生器(3)が上記凹陥部(9)に挿入固定されている。
【0036】
上記ガス発生器(3)は、破裂可能に形成された密閉容器と、該密閉容器に収納された火薬(ガス発生剤)と、該火薬を着火燃焼させるための着火装置とを備えている(図示省略)。そして、上記コントローラ(30)から延びる電気配線(図示せず)が、上記電気配線孔を貫通して上記着火装置に接続されている。
【0037】
−運転動作−
次に、上記火薬式アクチュエータ(1)の動作について説明する。
【0038】
上記安全装置(13)の衝突検知センサ(20)が歩行者の衝突を感知すると、上記コントローラ(30)から上記火薬式アクチュエータ(1)へ作動信号が入力される。尚、該作動信号は、上記ガス発生器(3)の着火装置に入力される着火信号である。
【0039】
上記火薬式アクチュエータ(1)において、上記着火装置に着火信号が送られると、該着火装置が作動して火薬が燃焼を開始する。すると、ガス発生器(3)の密閉容器内に高圧ガスが充満し、密閉容器内の圧力が上昇して該密閉容器が破裂し、高圧ガスがシリンダ室(6)に向かって噴出する。そして、この噴出した高圧ガスにより、シリンダ室(6)の圧力が上昇する。
【0040】
この時、上記シリンダ室(6)には、ピストンヘッド(2b)からシリンダ(5)の底壁(7)側に向かって小さくなるような圧力分布、つまりピストンヘッド(2b)が最も大きくなるような圧力分布が形成される。そして、この圧力分布に起因してピストンヘッド(2b)が押され、図4に示すように、シリンダ(5)の前端部からピストン(2)が突出する。そして、このピストン(2)の突出により、上記ピストン(2)の押圧部(2c)が、自動車(10)のエンジンフード(11)を持ち上げる。
【0041】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記ピストンヘッド(2b)にガス発生器(3)を設けることにより、ピストンヘッド(2b)からシリンダ(5)の底壁(7)側に向かって小さくなるような圧力分布、つまりピストンヘッド(2b)が最も大きくなるような圧力分布をシリンダ室(6)に形成することができる。したがって、ピストンヘッド(2b)を押す高圧ガスの圧力が、従来の火薬式アクチュエータ(1)に比べて、小さくなりにくい。これにより、ピストン(2)の移動速度は低下しにくくなり、上記火薬式アクチュエータ(1)の作動性能を向上することができる。
【0042】
又、本実施形態によれば、上記ガス発生器(3)が、シリンダ室(6)に面するようにピストンヘッド(2b)に埋設されているので、従来のようにシリンダ(5)の外側に該ガス発生器(3)が取り付けられているものに比べて、上記火薬式アクチュエータ(1)をコンパクトにすることができる。したがって、エンジンルーム(12)等の狭いスペースでも、上記火薬式アクチュエータ(1)を配置し易くなる。
【0043】
又、本実施形態によれば、上記ガス発生器(3)は、ピストンヘッド(2b)の先端面(8)から突出しないように固定されている。したがって、ピストンヘッド(2b)からガス発生器(3)が突出した場合に比べて、シリンダ(5)の底壁(7)とピストンヘッド(2b)の先端面(8)との間の距離を短くすることができる。これにより、シリンダ(5)の長さを短くすることができ、上記火薬式アクチュエータ(1)をコンパクトにすることができる。
【0044】
−実施形態の変形例−
図5は、実施形態の変形例に係る火薬式アクチュエータ(21)を示す縦断面図である。
【0045】
本実施形態と、実施形態の変形例との違いは、ガス発生器(23)が、上記シリンダ(25)から突出したピストン(22)の先端(押圧部(22c)の先端)に配置されるとともに、ガス発生器(23)と上記シリンダ室(26)とを連通するガス通路(27)が形成されている点である。尚、上記ガス通路(27)は、上記ガス発生器(23)で発生した高圧ガスを上記シリンダ室(6)へ噴出するための通路を構成する。以下、変更点についてのみ説明する。
【0046】
実施形態の変形例では、上記ガス発生器(23)は、上記シリンダ(25)の外側に配置されるので、該ガス発生器(23)の着火装置への電気配線の接続が行い易くなる。
【0047】
したがって、実施形態の変形例によれば、上記ガス発生器(23)への結線が行い易くなるので、上記火薬式アクチュエータ(21)の組立性を向上することができる。その他の構成、作用および効果は、上記実施形態と同様である。
【0048】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0049】
本実施形態では、上記ガス発生器(3)において、ガス発生剤として火薬を用いたが、これに限定されず、反応によりガスを発生するものであればよい。
【0050】
本実施形態では、上記ガス発生器(3)を挿入固定するための凹陥部(9)を上記ピストンヘッド(2b)に形成したが、これに限定されず、凹陥部(9)をピストンロッド(2a)まで延ばし、該ピストンロッド(2a)に上記ガス発生器(3)を挿入固定してもよい。
【0051】
本実施形態では、上記ピストン(2)において、ピストンロッド(2a)にピストンヘッド(2b)を接続しているが、必ずしも接続する必要はなく、該ピストンロッド(2a)とピストンヘッド(2b)とが別部材で接続されていないものであって、作動時にピストンヘッド(2b)がピストンロッド(2a)を押し出すように構成されているものであってもよい。
【0052】
本実施形態の変形例では、ガス発生器(3)をピストンロッド(22a)の上端部に設けているが、必ずしも上端部に設ける必要はなく、ピストンロッド(22a)の中間部分に設けてもよい。
【0053】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本発明は、ガス圧式アクチュエータについて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】実施形態に係る火薬式アクチュエータが設けられた自動車の前方部を示す側面図である。
【図2】自動車のエンジンフードが押し上げられた状態を示す側面図である。
【図3】実施形態に係る火薬式アクチュエータを示す縦断面図である。
【図4】実施形態に係る火薬式アクチュエータの動作状態を説明するための縦断面図である。
【図5】実施形態の変形例に係る火薬式アクチュエータを示す縦断面図である。
【図6】従来の火薬式アクチュエータを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 火薬式アクチュエータ(ガス圧式アクチュエータ)
2 ピストン
2a ピストンロッド
2b ピストンヘッド
2c 押圧部
3 ガス発生器
5 シリンダ
6 シリンダ室
10 自動車
11 エンジンフード
12 エンジンルーム
13 安全装置
20 衝突検出センサ
30 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダ(5)と、該シリンダ(5)内を進退可能なピストンヘッド(2b)とピストンロッド(2a)とを有するピストン(2)と、上記シリンダ(5)とピストンヘッド(2b)により区画形成されるシリンダ室(6)にガス発生剤の反応に伴って高圧ガスを噴出するガス発生器(3)とを備えたガス圧式アクチュエータであって、
上記ガス発生器(3)は、上記ピストン(2)に設けられていることを特徴とするガス圧式アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1において、
上記ガス発生器(3)は、上記シリンダ室(6)に面するように上記ピストンヘッド(2b)に設けられていることを特徴とするガス圧式アクチュエータ。
【請求項3】
請求項2において、
上記ガス発生器(3)は、ピストンヘッド(2b)の内部に埋設されていることを特徴とするガス圧式アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1において、
上記ガス発生器(3)は、上記ピストン(2)の内部に設けられ、
上記ピストンロッド(2a)には、上記ガス発生器(3)と上記シリンダ室(6)とを連通するガス通路(27)が形成されていることを特徴とするガス圧式アクチュエータ。
【請求項5】
請求項4において、
上記ガス発生器(3)は、上記シリンダ(5)から突出したピストン(2)の先端に設けられていることを特徴とするガス圧式アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−63008(P2009−63008A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228792(P2007−228792)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】