説明

ガス排出方法およびそのシステム

【課題】不活性ガス設備の燃料消費量を減らすと共により早く実行出来る工程及びシステムを提供する。
【解決手段】底部ラインシステム10と、この底部ラインシステムによって接続され、かつすべてのオイルを排出した後に炭化水素ガスのような気相のガスを含む複数の隣接するオイルタンク1,2,3,4,5,6とを有する。各タンクには、タンク中に残存するガスよりも低い比重を有するガスおよび/または空気を供給する少なくとも一つの吸気口12と、供給ガスと残存ガスとの混合ガスを各タンクの底部から連続的に換気する排出口とを設けた。複数のタンク1,2,3,4は、タンク列のドロップライン16の前または近傍にあり、混合ガスを、タンクの下部近傍からタンク外にはしる垂直通気管14を通して換気する。タンク列のドロップラインの後方にある複数のタンク5,6は、混合ガスを、底部ラインシステムおよびドロップラインを通して換気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶または他の設備に積載されたガスを排出するシステムおよび方法に関するものである。このシステムは、水素ガスなどの気相のガスを収容する複数の隣接するオイルタンクを有し、このタンク列の各々のタンクの少なくとも一つの取り入れ口より、タンクに存在するガスよりも小さい比重のガスを連続的に注入するものである。
【背景技術】
【0002】
揮発性ガスは、船舶または他の設備に積載されたタンクでしばしば運搬される。そのようなガスを抜き取るとき、タンク内でガスの蒸発が起こるため、タンク内の清掃および作業を行う前にはガスを排出しなければならない。
【0003】
船舶に積載されたタンクへの不活性ガスの供給は、抜き取りおよび換気の際によく行われる工程である。不活性ガスは低い酸素含有率という利点を有している。不活性ガスの導入が義務化される前は、陸揚中に存在する原油の上から空気が送り込まれていた。これは、例えば静電気の結果起こる火花によって爆発する恐れのある混合気を生み出していた。これは、特に、陸揚の最後の直前に行う清掃の間に起こっていた。
【0004】
一つ以上のタンクから凝縮したガスは1970年ごろから実践され始めた。カーゴタンクの一つで搭載ポンプが交換された場合、冷却設備の圧縮機がそのタンクのガスを吸い取り、その過程で液化したガスは他のタンクに加えられる。それと同時に、不活性ガスがタンクの最上部から加えられ、タンクを空にする。タンク全体またはほぼ全体が不活性ガスで置換されたとき、タンク内に入るのを可能にするため空気が送風される。不活性ガスとLPGガスとの間に明確な境目を設けることは、ガスの損失を最小限にするために大切なことである。これらの船舶の船長および一等航海士は、長期にわたりこの技術を運用してきた。典型的な80,000m3のLPGタンカーは、次のプロパンを搭載するために陸揚後のタンクを冷やすのに、すべてのタンクで250トンのプロパンを必要とする。もしタンク(50mt)の一つでそのガスが失われたら、失われたプロパンを置換するためにドックに入ることなくタンクを冷やすことはできない。そして、船は24時間無駄に過ごし、港に余計に滞在する間に多額の費用が発生することになる。
【0005】
原油を運ぶ船のタンクは、荷揚後、混合気体状態となる。いくつかの船舶は、荷揚中にタンク中をプロパン環境にするための設備を有していない。このプロパンは、積み込み中、甲板にあるタンクで凝結する。本発明によるタンクからガスを排出する方法は、このような設備に適用することができる。
【0006】
図7で示すように、今日最も頻繁に使われているガス排出方法は、HC濃度が2%未満になるまで、タンクの上部と下部からタンク内に不活性ガスまたは空気を送り込み、上部および甲板の排出口から換気するというものである。この方法は受け入れられているものの、複雑かつ時間のかかる方法であるので、経済的に悪影響を与える。
【0007】
特許文献1は、タンク列のタンクからオイルを移送する方法を開示している。タンクからオイルを移送した後でも、タンク内には炭化水素ガスが依然残っている。炭化水素ガスの量が規定のレベル以下に下がるまで、各タンクの上部の注入口から不活性ガスが連続的に供給される。また、非特許文献1には、不活性ガスシステムの操作方法が開示されている。
【0008】
【特許文献1】国際公開第9212893号パンフレット
【非特許文献1】不活性ガスシステムの基準 http://www.tc.gc.ca/publications/EN/TP4295/PDF/HR/TP4295E.pdfサイト上に掲載
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、不活性ガス設備の燃料消費量を減らすとともに、より早く実行できる工程およびシステムを提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、タンク中に存在するそれぞれのガスおよび/またはタンクに加えられたガスが混合することを回避または減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的およびその他の目的は、本願の独立形式の請求項1および6に記載の発明により解決される。
【0012】
本発明によると、タンク列のドロップラインの前のまたは近傍の複数のタンクに対し、不活性ガスのような供給されたガスと残存するガスの混合ガスが、タンクの下部近傍およびタンクの外からはしる垂直通気管により、タンクの下部から排気される。また、タンク列のドロップラインの後方にある複数のタンクに対し、残存ガスと供給ガスとの混合ガスを、その大部分がタンク列を通って水平にはしる底部ラインシステムおよびドロップラインを通して換気する。各タンクの混合ガスが少なくとも所定の閾値に達したとき、各タンクにおいて、この工程が空気で繰り返される。
【0013】
他の実施の形態は、従属形式の請求項2〜5および7〜11にそれぞれ定義されている。
【0014】
初期状態では通常、タンクは炭化水素を内包し、前記供給ガスは不活性ガスおよび/または空気である。不活性ガスはタンク列の第1のタンクに供給された後、所定の制御値に基づき、タンク列の次のタンクに連続的に供給され、タンク内の混合ガスが所定の閾値に達したとき、空気が前記第1のタンクに供給され、その後、前記閾値に基づいてタンク列の次のタンクに連続的に供給される。タンク中の炭化水素ガス濃度が閾値である2%以下となったとき、吸気口を通して各タンクに空気を供給し、システムのすべてのタンクにおいて、炭化水素ガス濃度が閾値である爆発下限界の1%以下となるまで空気を供給する。
【0015】
上述の構成に加え、システムは、不活性ガスは付加的な不活性ガスラインシステムによって供給され、不活性ガスの供給が完了したとき、空気は複数のポータブルファンのようなファンまたは前記不活性ガスラインシステムによって供給される。垂直通気管の各々は下部に少なくとも一つのバルブを有し、および/またはその上部にバルブを有する。垂直通気管の各々は出口よりも下方に位置する開口部を有し、この開口部はタンクが満たされているとき垂直通気管の浮力を回避または低減する。さらに、一つ以上の吸気口にはデフレクターが設けられ、ガス/空気が吸気口の直下でタンクに水平に拡散される。デフレクターは、例えば、穴の開いた偏向板からなり、そこを通るガス/空気を減速させる。また、デフレクターと接続され、かつ、そこを通るガス/空気の速度を減少させる、穴の開いたディフューザが設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、本ガス排出システムは、重油消費、時間、および船料を削減することができる。このシステムはまた、運用コストを安くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
オイルタンクが荷揚げ港を離れて販売店に向かう際、タンクは洗浄されなければならない。その後、HCガス濃度を2vol%未満に下げるために不活性ガスが送り込まれる。さらにその後、HCガス濃度を1〜2vol%に下げるために空気が送風される。これは1%LEL(Lower Explosion Limitの略)と呼ばれる。この時点で、作業はタンク内で行われる。大きなタンカーではタンクの深さは20〜25メートルにもなり、もしタンクの上部から送風された場合、タンクの底部で1%LELを達成するにはかなりの時間を要し、最も重いガスは底部に残留する。比重の違いを利用し、HC/不活性ガスは底部から追い出される。また、LEL%はタンクの底部で最も高くなる。HC濃度2vol%および1%LELの制限は国際基準である。
【0018】
タンクの洗浄中には、例えば、2つのポンプが使われる。一つは、港湾側汚水タンク40から吸出し、ジェット洗浄機に圧力を供給する。もう一つは、洗浄されたタンクから吸出し、タンクの上方の港湾側汚水タンク40に供給する。港湾側汚水タンク40の水面は約10メートルであるので、頂部にはオイルが浮いているが、底部の水はかなりきれいである。
【0019】
本発明は、上述のとおり、オイルを空にした後は炭化水素ガスのような気相のガスを含み、底部ラインシステム10によって接続された複数の隣接するタンク1,2,3,4,5,6を有する船舶および他の設備に積載されるガス排出システムおよび方法から構成されている。各タンクは少なくとも、不活性ガスおよび/または空気のようなタンク内の存在するガスよりも比重の低いガスを受け入れて導入する吸気口12と、残存するガスと供給したガスの混合ガスを排出する出口とを有している。開示されているように、タンク列のドロップライン16に近接してまたは前に配設された複数のタンク1,2,3,4は、タンクの底部近傍およびタンク外からはしる垂直通気管14により、残存したガスと供給されたガスとの混合ガスをタンク底部から排気するようになっている。さらに、タンク列のドロップライン16の後方に位置する複数のタンク5,6は、主にタンク列を通って水平に走ってドロップライン16につながる底部ラインシステム10により、残存するガスと供給されたガスとの混合ガスをタンク底部から排気するようになっている。なお、図示されているよりもより多くのタンク列が存在することも可能である。
【0020】
もしすべての工程の手順を同時に遂行することができれば、工程を早く完了させることができる。前のタンク洗浄と関連付けた所定の制御値に基づき、タンク列の第1タンクに不活性ガスを供給した後、タンク列の次のタンクに連続的に不活性ガスを供給できれば、タンク洗浄は早く終わるであろう。その後、タンク内に存在する混合ガスの一定の閾値で空気は最初のタンクに供給された後、この閾値に基づいてタンク列の次のタンクに空気が連続的に供給される。図1は、タンク1に不活性ガスを導入している一方、タンク2で洗浄が行われているところを示す図である。炭化水素ガスと不活性ガスの混合ガスは吸気口15から通気管14に押し込まれ、通気管14の上部の排出口を通って出て行く。図2は、タンク1,2,3が洗浄を終えた一方、タンク4で洗浄を継続しているところを示す。HC濃度を2vol%の閾値未満に下げるため、不活性ガスの供給がタンク2および3で行われている。タンク1では、HC濃度が閾値である2%未満なので、空気の送風が既に始められている。それぞれが閾値2vol%および1%LELを達成するまで、工程は連続的に次のタンクへと移行していく。
【0021】
工程はさらに図3に移行し、タンク4では不活性ガスがいまだ供給されている一方、タンク1,2,3では空気の送風が行われる。工程はタンク5および6でも行われており、タンク5では不活性ガスが供給される一方、タンク6では洗浄が行われている。タンク5および6において、炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスは、もし存在すれば、主に通気管に導入されず、底部ラインシステム10およびドロップライン16に導入される。底部ラインシステム10には、炭化水素ガスと不活性ガスとの混合ガスをドロップライン16に送り込むために必要なバルブを有している。同様のことが次の空気供給について適用される。タンク5への不活性ガスの導入は、2vol%の閾値に達するまで続けられ、その後は、図5に示すように、ファン、好適には運搬可能なファン(ポータブルファン)により、1%LELの閾値が達成されるまで空気が導入される。
【0022】
汚水タンク、特に右舷汚水タンク30は、他のタンクと同じように、洗浄されてガスが排出される。汚水タンク30は、タンク6と同じ時に洗浄およびホースで水をかけられる。大切な点は、タンク6および右舷汚水タンクで炭化水素ガスの濃度が2vol%未満になる前は、タンク5からの換気を避けることである。図4で分かるように、カーゴタンクは、各タンクに、複数のメインバルブおよびドレン/ストリップバルブが設けられている。
【0023】
不活性ガスは不活性ガスラインシステムから供給される。主ラインは甲板に沿って伸び、すべてのタンクに支管が伸びている。空気は、タンクハッチ18に配置したポータブルファンまたは不活性ガスを供給することに使われなくなった不活性ガス供給システムによって送風される。
【0024】
HC/不活性ガスの混合ガス(荷揚げ後のタンク内環境)は不活性ガスよりも約30%重い。不活性ガスは約5%空気よりも重く、例えばHC/不活性ガスの混合ガスよりも軽いとの理由が、不活性ガスを利用する利点である。しかし、これは同じまたは相当する特徴を有する他のガスを使うことを除外するものではない。
【0025】
もし、ガスの排出を早期に行うのであれば、ドロップラインの後方のタンクだけは、底部ラインシステム10によって換気しなければならない。もしすべてのタンクがドロップライン16によって換気されるならば、タンクの洗浄が終わるまで換気を待たなければならない。それゆえガスの排出には24時間余計にかかり、望まれることではないが、大型タンカーの典型的な一日のレンタル料が$50,000である中、24時間分の船の借り賃が余計にかかる。しかしながら、それぞれのタンクのペアの共同ラインが用意されている。
【0026】
本発明によるシステムおよび工程は、荷揚げ後に炭化水素ガス(概して10〜40%)と不活性ガスの混合ガスを有するタンクに有効に利用されるであろう。この工程は例えば、販売店に訪れる前のガスの排出に利用される。
【0027】
吸気口の下のデフレクター/ディフューザは混合を回避または減少するために使われる。デフレクターに穴を開けることは、デフレクターの端部の空気流れを減速させるのに役立つであろう。具体的には、例えば穴の開いた偏向板22の形態の一以上のデフレクターは、ファンが取り付けられたそれぞれの開口の下および/または不活性ガス/空気が供給される吸気口12に取り付けられる。偏向板22は、タンクの入口直下で中に入ってくる不活性ガス/空気を、下向きでなく水平方向に分散させる役割を果たす。これは、タンク内のガスの混合を低減する点または避ける点で有効である。このような偏向板は、必要であればすべての不活性ガスの吸気口の下に装着してもよい。あるタンクでガスから開放されたら、そのファンを最も必要とするタンクに移し、能力を向上させてもよい。加えて、偏向板22に接続させて、偏向板から流れ出るガス/空気を減速させるため、穴が開いたディフューザを設けてもよい。
【0028】
もし不活性ガスが希薄となったら、追加の不活性ガスを生成してタンクに供給し、タンクを不活性ガスで満たしてもよい。その一方で、既に空気を包含しているタンクにはポータブルファンで空気を送気してもよい。
【0029】
また、本システムは、言及したように、水およびオイル残留物を貯蔵する右舷汚水タンク30と港湾側汚水タンク40とを有する。これらタンクは、既存のシステムで使用されているものであり、当業者によって周知されているものであるから、この明細書ではこれ以上詳細には説明しない。
【0030】
不活性ガスの供給が始められる時に、洗浄を終わらせることがタンクにとって有効である。しかし、これは絶対的な要求ではなく、これを行うのに十分長い航海をすることのない船舶にとっては、時間的に無益なことである。代替法は、ある時点で、不活性ガスがまだ供給されていないシステムの後方のタンクを洗浄するのと同時に、洗浄済みタンクに不活性ガスを供給することである。なお、公知の洗浄システムは、同時に2つ以上を洗浄できる配送能力を有していない。
【0031】
各々のタンクは、中のHC濃度が1%LEL(HC濃度が爆発下限界の1%)以下であるとき、ガスが排出されたとみなされる。販売店に滞留している間は、1%LELを超えるのを防ぐため、換気は続けられる。
【0032】
なお、HC濃度が2%を超えた場合は、空気は各タンクに供給されるべきではない。すべての工程の期間中、酸素濃度およびHC濃度を監視し、安全を確保する。
【0033】
換気工程の後、港湾側汚水タンクは水およびオイルかすを含んでいるだろう。これは、承知のとおり、販売店到着時に洗浄されガス抜きされなければならない。
【0034】
図6は、底部ラインシステム10で換気されるタンク内の主吸い込み管スタブの変形例を開示している。この変形例は、主吸い込み管スタブの液体遮断を防止するために行われる。主吸い込み管スタブは、ドレン吸い込み管スタブに対して、特有の高さの差(例えば10cm)を設けるように切り落とされる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による、ガス排出およびタンク洗浄の開始時のシステムを示す図である。
【図2】本工程開始後のある時間経過したステージのシステムを示す図である。
【図3】本工程開始後のさらにある時間経過したステージのシステムを示す図である。
【図4】上から見たカーゴタンク全体を示す上面図である。
【図5】洗浄後のタンクを示す図である。
【図6】タンク内の主吸い込み管スタブの変形例を示す図である。
【図7】従来のガス排出方法を示す図である。
【図8】通気管の代替解決法を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1、2、3、4、5、6 オイルタンク
10 底部ラインシステム
12 吸気口
14 垂直通気管
16 ドロップライン
18 ファン
22 デフレクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その大部分がタンク列を通って水平にはしる底部ラインシステム(10)によって接続され、かつオイルのすべてを排出した後に炭化水素ガスのような気相のガスを含む、複数の隣接するオイルタンク(1,2,3,4,5,6)を備え、これらタンク中に残存するガスよりも低い比重を有するガスを前記タンク列(1,2,3,4,5,6)の各タンクの少なくとも一つの吸気口(12)を通して連続的に供給するとともに、不活性ガスのような供給ガスと残存ガスとの混合ガスを各タンクの底部から連続的に換気する船舶または他の設備に積載されるシステムのガス排出方法において、
前記タンク列のドロップライン(16)の前または近傍の前記複数のタンクに対して連続的に、前記残存ガスと前記供給ガスとの前記混合ガスを、前記タンクの下部近傍からタンク外にはしる垂直通気管(14)によって換気することと、
前記タンク列の前記ドロップライン(16)の後方にある前記複数のタンクに対して連続的に、前記残存ガスと前記供給ガスとの前記混合ガスを、前記底部ラインシステム(10)によって前記ドロップライン(16)を通して外部へと換気することと、
前記各タンクの前記混合ガスが少なくとも所定の閾値に達したときに、供給ガスを空気として前記工程を繰り返すことと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記タンク(1,2,3,4,5,6)は初期段階で炭化水素を含み、前記供給ガスは不活性ガスおよび/または空気を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不活性ガスはタンク列の第1のタンクに供給された後、所定の制御値に基づき、前記タンク列の次のタンクに連続的に供給され、空気は、タンク内の前記混合ガスが所定の閾値に達したとき、前記最初のタンクに供給され、その後、前記閾値に基づいて、前記タンク列の次のタンクに連続的に供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記タンク中の炭化水素ガス濃度が閾値である2%以下となったとき、前記吸気口(12)を通して前記各タンクに空気を供給することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記システムのすべての前記タンクにおいて、炭化水素ガス全体の濃度が、炭化水素ガスの爆発下限界の閾値である1%以下となるまで空気を供給することを特徴とする請求項2〜4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
タンク列を通って水平にはしる底部ラインシステム(10)によって接続され、かつオイルのすべてを排出した後に炭化水素ガスのような気相のガスを含む、複数の隣接するオイルタンク(1,2,3,4,5,6)を備え、前記タンク中に残存するガスよりも低い比重を有するガスおよび/または空気のようなガスを受け入れて導入するために配置された少なくとも一つの吸気口(12)と、前記供給ガスと前記残存ガスとの混合ガスを各タンクの底部から連続的に換気する出口とを前記各タンクに設けた船舶または他の設備に積載されるガス排出システムにおいて、
前記複数のタンク(1,2,3,4)は、前記タンク列のドロップライン(16)の前または近傍にあり、前記残存ガスと前記供給ガスとの前記混合ガスを、前記タンクの下部近傍からタンク外にはしる垂直通気管(14)によって換気し、
前記タンク列の前記ドロップライン(16)の後方にある前記複数のタンク(5,6)は、前記残存ガスと前記供給ガスとの前記混合ガスを、前記底部ラインシステム(10)によって前記ドロップライン(16)を通して外部へと換気することを特徴とするシステム。
【請求項7】
不活性ガスは付加的な不活性ガスラインシステムによって供給され、不活性ガスの供給が完了したとき、複数のファン(18)または前記不活性ガスラインシステムによって空気が供給されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記垂直通気管(14)の各々は下部に少なくとも一つのバルブを有し、および/または前記垂直通気管(14)の上部にバルブ(20)を有することを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記垂直通気管(14)の各々は、前記出口よりも下方に位置する開口部を備え、該開口部は前記タンクが満たされているとき前記垂直通気管(14)の浮力を回避または低減することを特徴とする請求項6または8に記載のシステム。
【請求項10】
一つ以上の前記吸気口(12)にデフレクター(22)が設けられ、前記吸気口の直下でガス/空気が前記タンクに水平に拡散されることを特徴とする請求項6〜9のいずれか一つに記載のシステム。
【請求項11】
前記デフレクター(22)は、穴の開いた偏向板からなり、そこを通るガス/空気を減速させることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記デフレクター(22)と接続され、かつ、そこを通るガス/空気を減速させる、穴の開いたディフューザを設けたことを特徴とする請求項10に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−155996(P2008−155996A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−279025(P2007−279025)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(507355065)
【氏名又は名称原語表記】Tankventilasjon A/S
【Fターム(参考)】