説明

ガス温風暖房装置

【課題】水が掛かっても故障等が発生せず、且つ、イオンの放出効率を低下させたり、外形が過度に大きくなるという様な不具合も無い、ガス温風暖房装置を開発する。
【解決手段】ガス温風暖房装置1は、外部筺体2を有し、外部筺体2内に温風生成部3とイオン発生ユニット(イオン発生部)5が内蔵されたものである。イオン発生ユニット5は、内部筐体30内にイオン発生装置31と、送風機32が内蔵されて構成されている。イオン発生ユニットの開口部61に格子(落下防止部62)を設け、落下防止部62に一部閉塞部63が設けられている。誤ってコーヒ等をこぼしても、電極部70は、一部閉塞部63によって保護され、電極部70に直接コーヒ等が掛かることはない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に設置されるガス温風暖房装置に関するものであり、特に一般家庭で使用される床置き型のガス温風暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手軽な暖房器具として、ガス温風暖房装置が普及している。代表的なガス温風暖房装置は、外部筺体内にバーナと送風機を内蔵するものであり、バーナで火炎を発生させ、この燃焼ガスを大量の空気で希釈して外部筺体の外部に放出する構造となっている。
ガス温風暖房装置は、小型でありながら熱量が大きく、且つ瞬間的に点火して瞬間的に温風を発生させることができるので、使い勝手が良い。
特に床置き型のガス温風暖房装置は、使用者が自由に持ち運ぶことができ、台所や居間に床置きして使用される。
【0003】
またガス温風暖房装置に、イオン発生部が内蔵され、室内にイオンを放出することができるものも知られている(特許文献1)。
イオン発生部は、針電極と、対向電極との間や、放電電極と誘導電極との間に高電圧を印加し、当該電極間にコロナ放電を発生させて、正イオンや負イオンを発生させる。そして発生したイオンは、外部筺体の外部に放出される。
イオンは、居住空間に浮遊する粒子を不活性化させる効果や、浮遊細菌を死滅させる効果、臭気成分を分解する効果等があるとされ、イオン発生部が内蔵されたガス温風暖房装置は、居住空間内の空気を清浄化する機能を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3784760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
床置き型のガス温風暖房装置は、一般に全高が低い。また前記した様に、床置き型のガス温風暖房装置は、使用者が任意の場所に運んで使用される。
そのためガス温風暖房装置の上に物をこぼす場合がある。例えばダイニングルームやリビングルームにガス温風暖房装置が置かれた場合は、使用者が誤ってコーヒやお茶等の飲み物をガス温風暖房装置の上にこぼす場合がある。キッチンにガス温風暖房装置が置かれた場合は、炊事や後片付けの際に、水が掛かることがある。
ここで、イオン発生機能を持たないガス温風暖房装置であるならば、多少水が掛かっても壊れたり、使用者が危険な状態となることはない。
しかしながら、イオン発生機能を備えたガス温風暖房装置は、イオン発生部を壊したり、使用者が感電して驚く自体が考えられる。
即ちイオン発生部は、前記した様に電極間に高電圧を印加してイオンを発生させるから、当該部位に水が掛かると、ショートして故障の原因となる。また使用者が感電して驚く事態も考えられる。
【0006】
ここで、イオンを放出する放出口を、外部筺体の側面に設けるレイアウトを採用すると、ガス温風暖房装置に水をこぼしても電極に水が掛かることが無いので、故障の懸念や使用者を驚かせる懸念は、解消される。
しかしながら、発生したイオンを効率良く室内に拡散させるためには、イオンを放出する放出口は、外部筺体の上面に設けることが望ましく、外部筺体の側面に放出口を開設するレイアウトは採用しがたい。
【0007】
また電極からイオンを放出する放出口までの間に、曲路やトラップを設ければ、ガス温風暖房装置に水をこぼしても電極に水が至ることが無いので、故障の懸念や使用者を驚かせる懸念は、解消される。
しかしながら、この方策によると、イオン発生部の大きさが大きくなり、結果的に、外部筺体が大型化するという不満がある。
またイオンを放出する際の流路抵抗が大きくなり、風速が弱まってイオンの拡散を阻害する不具合も考えられる。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、水が掛かっても故障等が発生せず、且つ、イオンの放出効率を低下させたり、外形が過度に大きくなるという様な不具合も無い、ガス温風暖房装置を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、床置きされる外部筺体と、ガスを燃焼して温風を生成する温風生成部と、イオン発生部とを有し、外部筐体内に温風生成部とイオン発生部とが内蔵され、外部筺体から温風とイオン含有空気とが放出され、外部筐体が床置きされた状態を基準としてイオン含有空気が外部筺体の上面側から放出されるガス温風暖房装置において、イオン発生部は、イオン発生装置と、送風機とを有し、イオン発生装置は、本体部とイオン生成部を有していてイオン生成部が本体部から露出し、イオン生成部の上部側にイオン含有空気を外部筺体の外部に放出するイオン放出部があり、イオン放出部にはその一部を閉塞する一部閉塞部が設けられ、前記イオン生成部の真上の部位に前記一部閉塞部があり、且つイオン発生装置から分離された位置に、液体を通過できる液体通過路が形成されていることを特徴とするガス温風暖房装置である。
【0009】
本発明のガス温風暖房装置では、イオン含有空気が外部筺体の上面側から放出される。そのため本発明のガス温風暖房装置は、イオンの放出効率が高い。
また本発明のガス温風暖房装置では、イオン発生部を有している。そして、イオン発生部ではイオン生成部がイオン発生装置の本体部から露出しているが、イオン生成部の真上の部位に一部閉塞部があり、ガス温風暖房装置に水等をこぼしてもイオン生成部に直接水等が掛かることはない。
加えて、イオン発生装置から分離された位置に液体を通過できる液体通過路が形成されているから、外部筺体内に侵入した水等は、液体通過路を流れ、イオン発生装置が濡れることを防ぐ。
【0010】
請求項2に記載の発明は、外部筺体内に内蔵される内部筐体を有し、前記内部筐体の中にイオン発生装置と、送風機が内蔵され、内部筐体には、空気を導入する空気導入口と、イオン含有空気を排出するイオン吐出口とを有し、前記イオン吐出口には、複数の小開口に分けられて物品の進入を阻止する落下防止部があって当該落下防止部の一部に前記一部閉塞部があり、外部筺体は上部に上部側開口を有し、内部筐体はそのイオン吐出口が前記上部側開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス温風暖房装置である。
【0011】
本発明のガス温風暖房装置では、イオン発生部の主要な構成部品が、内部筐体に内蔵されている。そして外部筺体に内部筐体を装着することによって、イオン発生部が外部筺体に取り付けられる。
即ち本発明では、内部筐体には、イオン発生装置と送風機が内蔵されているばかりでなく、イオン吐出口も設けられている。そしてイオン吐出口には、物品の進入を阻止する落下防止部が設けられている。さらに落下防止部の前記した一部閉塞部までも形成されている。
一方、外部筺体は上部に上部側開口を有し、内部筐体はそのイオン吐出口が前記上部側開口に臨む様に設置されている。そのため内部筐体のイオン吐出口から直接的に外部筐体の外にイオンが放出される。
また前記した様に、イオン吐出口には落下防止部が設けられているから、固形物が外部筐体体内に入り込むことはない。
落下防止部は水等の液体の通過を阻止することはできないが、本発明では落下防止部に一部閉塞部が形成されており、当該一部閉塞部によって水等の流れが変わる。そして一部閉塞部は、イオン発生部の真上にあるから、水等が直接的にイオン発生部に掛かることはない。
また本発明では、イオン発生部の主要な構成部品が、内部筐体に内蔵されているから、イオン発生部の取付けやメンテナンスが容易である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、空気導入口は内部筐体の下部にあり、外部筺体には空気取り入れ用開口があり、内部筐体はその空気導入口が外部筺体の空気取り入れ用開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項2に記載のガス温風暖房装置である。
【0013】
本発明のガス温風暖房装置では、内部筐体はその空気導入口が外部筺体の空気取り入れ用開口に臨む様に設置されている。そのため本発明の構成によると、イオン発生部の取付けやメンテナンスが容易である。
【0014】
請求項4に記載の発明は、内部筐体の中には、イオン発生装置を装着する発生装置装着領域と、発生装置装着領域と仕切りによって仕切られた液体通過路が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のガス温風暖房装置である。
【0015】
本発明のガス温風暖房装置では、内部筐体の中に液体通過路が形成されている。またイオン発生装置を装着する発生装置装着領域と、液体通過路との間には仕切りがあり、水等が発生装置装着領域に侵入することを阻止している。
【0016】
請求項5に記載の発明は、内部筐体の下部には、液体通過路と連通する水抜き孔が設けられ、外部筺体には排水用開口があり、内部筐体は水抜き孔が外部筺体の排水用開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれに記載のガス温風暖房装置である。
【0017】
本発明のガス温風暖房装置では、水抜き孔が内部筐体に設けられており、水抜き孔が外部筺体の排水用開口に臨む様に設置されている。そのため本発明の構成によると、イオン発生部の取付けやメンテナンスが容易である。
【0018】
請求項6に記載の発明は、イオン生成部は、電極であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれに記載のガス温風暖房装置である。
【0019】
本発明によると、電極部分に水等が掛かることが防がれるから、故障が少なく、且つ安全性が高い。
【発明の効果】
【0020】
本発明のガス温風暖房装置は、水が掛かっても故障等が発生せず、且つ、イオンの放出効率を低下させたり、外形が過度に大きくなるという様な不具合が無い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態のガス温風暖房装置を正面側から観察した斜視図である。
【図2】図1のガス温風暖房装置の化粧カバーを取り外して裏面側から観察した斜視図である。
【図3】図1のガス温風暖房装置の分解斜視図である。
【図4】図1のガス温風暖房装置の外部筺体の空気取り入れ用開口及び排水用開口が設けられた部位の拡大斜視図である。
【図5】図1のガス温風暖房装置の断面図である。
【図6】図5のイオン発生ユニット部の拡大図である。
【図7】図5の断面拡大図において、イオン発生ユニットと外部筐体とを分離した状態の断面図である。
【図8】図1のガス温風暖房装置で採用するイオン発生ユニットの斜視図である。
【図9】図8のイオン発生ユニットの蓋部材を取り外した状態における斜視図である。
【図10】図8のイオン発生ユニットの分解斜視図である。
【図11】図8のイオン発生ユニットの一部断面斜視図である。
【図12】図8のイオン発生ユニットの正面図である。
【図13】図8のイオン発生ユニットの蓋部材を外した状態における正面図である。
【図14】図1のガス温風暖房装置の上部開口部分を真上から観察した正面図である。
【図15】図10のイオン発生装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。なお以下の説明において、上下の関係は、ガス温風暖房装置を床面に設置した状態の姿勢を基準として説明している。
本発明の実施形態のガス温風暖房装置1は、図1で示されるように、外部筺体2を有し、外部筺体2内に温風生成部3とイオン発生ユニット(イオン発生部)5が内蔵されたものである。
【0023】
外部筺体2は、樹脂及び金属で構成されており、外形形状が略四角形である。
より詳細には、外部筺体2は、正面壁6と、裏面壁7を有し、さらに左右側面壁10,11、天面12、及び底面13を有する筐体である。
これらの各壁面の内、天面12と左右側面壁10,11を除く各壁6,7,13は、いずれも略平面的である。
これに対して天面12は、平面部16と傾斜部17より構成されている。
【0024】
外部筺体2の正面壁6には、温風を吹き出す温風吹き出し口15が設けられている。温風吹き出し口15は、手指等が入らない様に、ガラリ状となっている。
また外部筺体2の裏面壁7には、図2で示されるように、正面に大開口部20が設けられている。大開口部20は、燃焼に供する空気や、燃焼ガスに混合する空気を取り入れるための開口である。大開口部20についても手指等が入らない様に、格子21が装着されている。
【0025】
また外部筺体2の裏面壁7には、図3で示されるように、正面視が長方形の凹部22が形成され、当該凹部22に、別途の空気取り入れ用開口23が設けられている。
空気取り入れ用開口23は、円形の開口である。
また凹部22の下端部近傍には、図4で示されるように、長方形の排水用開口25が設けられている。さらに凹部22の下端部には、係合用の孔26が2個設けられている。当該孔26は、化粧板24を取り付けるための孔であるが、後記する様に、水等を通過させる孔としても機能する。
【0026】
外部筺体2の天面12の傾斜部17には、図3で示されるように、上部側開口27が設けられている。上部側開口27は、長方形の孔である。
【0027】
温風生成部3は、公知のガス温風暖房装置と同様に、ガスバーナと送風機(いずれも図示せず)が内蔵された部材である。
【0028】
イオン発生ユニット(イオン発生部)5は、図8,9に示すように、内部筐体30内にイオン発生装置31と、送風機32が内蔵されたものである。
内部筐体30は、図8,9に示すように、本体部33と蓋体部35とが一体化されたものであり、内部に、発生装置装着領域36と、送風機装着部37と、液体通過路53と空間領域80とが形成されている。
即ち、本体部33は、図10に示すように、図面奥側に本体立壁部38が設けられ、その上端を除く各片に外壁部40が設けられていて略箱型をした部材である。なお説明の便宜上、図10を基準として左側の外壁部に40aに符号を付け、図面右側の外壁部に40bに符号を付ける。
【0029】
本体部33の内部は、大きく3つの領域に分かれている。即ち本体部33の内部は、上部領域Aと、中間領域Bと、下部領域Cに分かれている。
【0030】
中間領域Bは、さらに図9に示すように、左右二つの領域に区分されている。即ち中間領域Bは、発生装置装着領域形成部41及び液体通過路形成部42に区分されている。
【0031】
中間領域Bをより詳細に説明すると、発生装置装着領域形成部41は、本体立壁部38の一部たる長方形の中間立面壁46と、図面左側の辺の外壁部40aの一部と、中間立面壁46の上部にあって中間立面壁46から垂直方向に立設され、水平方向に延びる上部水平仕切り壁47と、上下方向に延びる側部仕切り壁48によって囲まれた領域である。
【0032】
液体通過路形成部42は、発生装置装着領域形成部41に隣接する領域であり、前記した側部仕切り壁48と、右側の外壁部40bの一部とに挟まれた領域である。
【0033】
本体部33上部領域Aは、空隙形成部4を構成している。空隙形成部4は、本体立壁部38の一部たる傾斜壁50と、上部立面壁51と、これらの周囲に形成された外壁部40a,40bの一部とによって囲まれた領域である。
即ち傾斜壁50は、前記した中間立面壁46と連続し、中間立面壁46に対して傾斜した平面を形成する壁である。また上部立面壁51は、傾斜壁50と連続し、前記した中間立面壁46と平行な面を形成する壁である。
【0034】
一方、本体部33の下部領域Cは、送風機装着部形成部44となっている。送風機装着部形成部44は、発生装置装着領域形成部41及び液体通過路形成部42の下部に設けられた部位である。送風機装着部形成部44は、他の領域よりも幅が広い下部立面壁52を有し、当該下部立面壁52と、この周囲にある外壁部40の一部とによって囲まれた領域である。送風機装着部形成部44の中心軸は、前記した中間領域Bに対してオフセットしている。より具体的には、送風機装着部形成部44の中心軸は、中間領域Bの液体通過路形成部42から遠ざかる方向にオフセットしている。
送風機装着部形成部44を構成する下部立面壁52は、中間立面壁46と同一の平面を形成する。
【0035】
蓋体部35は、図10で示されるように、前記した本体部33に合致して内部に空隙を形成する部材である。
蓋体部35は、本体部33の本体立壁部38に対向する蓋側立壁部60を有し、蓋側立壁部60の周囲に外壁部45が設けられている。
蓋体部35についても、本体部33と同様に、上部領域A’と、中間領域B’と下部領域C’に区分されている。
【0036】
蓋体部35の中間領域B’の蓋側立壁部60は、前記した本体部33の本体立壁部38に比べて幅が狭く、本体立壁部38の内の発生装置装着領域形成部41の面積に相当する面積しか持たない。
また蓋体部35の中間領域B’の外壁部45は、本体部33の一方の外壁部40aと、側部仕切り壁48とに合致する。また蓋体部35の中間領域B’においては、一方の外壁部45bの先端にフランジ部49が設けられており、当該フランジ部49が、本体部33の液体通過路形成部42と対向する。
【0037】
蓋体部35の上部領域A’では、蓋側立壁部60が拡径され、且つ本体部33側に大きく傾斜して傾斜面76を構成している。また蓋体部35の上部領域A’は、大きな開口部61を有し、当該開口部に落下防止部62が設けられている。即ち蓋体部35の上部の傾斜面76に開口部61が設けられ、当該開口部61に落下防止部62が設けられている。
落下防止部62は、具体的には格子であり、複数の小開口に分けられて空気の通過を許すが、固体の通過は許さない。ただし、落下防止部62の一部は、開口が完全に封鎖された一部閉塞部63が設けられている。一部閉塞部63は、落下防止部62たる格子の裏面側にあり、正方形の板状をしている。一部閉塞部63は、図11で示されるように、固体だけでなく、液体も遮断する。
一部閉塞部63の位置は、本体部33側から離れた位置であり、水平方向については、開口部61の中心にある。
また後記する様に、一部閉塞部63は、イオン発生装置31の電極部70の真上にある(図11)。
【0038】
図10で示されるように蓋体部35の下部領域C’は、中間領域B’よりも大面積である。下部領域C’の正面形状は略正方形であるが、下部領域C’の中心軸線は、中間領域B’に対してオフセットしている。
下部領域C’の蓋側立壁部60には、空気導入口65が設けられている。空気導入口65は、大きな円形の開口であり、内部に格子66が設けられている。
また空気導入口65の周囲は、周壁67で囲まれている。周壁67は、高さの低い壁であり、蓋側立壁部60の外周側にあって外側に向かって垂直に突出している。
【0039】
また蓋体部35の下部領域C’の最下部には、水抜き孔73(図10,図11)が設けられている。
水抜き孔73の位置は、蓋側立壁部60の中心軸上であって、下辺側の外壁部45cと交わる角の部位である。
【0040】
イオン発生装置31は、図10,図15で示されるように、長方形の本体部68を有し、本体部68から電極部70(イオン生成部)が突出したものである。
即ち本体部68は、正面視が長方形であり、図10の様に奥行き方向が薄い。電極部70は、長方形の短辺部74の中心にあり、本体部68の正面側から垂直方向に突出している。電極部70の大きさは、門形であり、その幅wは、本体部68の幅Wの3分の1程度である。
また突出方向の高さhは、本体部68の高さHと同程度である。
【0041】
送風機32は、図10のように渦巻き型のファンであり、全体が蝸牛状であり、側面に給気口71がある。また渦巻き型をした筐体の先端に送風口72がある。
【0042】
イオン発生ユニット(イオン発生部)5は、前記した様に内部筐体30内にイオン発生装置31と、送風機32が内蔵されたものである(図9,図13)。
即ち本体部33と蓋体部35が合致されると、前記した様に、発生装置装着領域36と、送風機装着部37と、液体通過路53と空間領域80とが形成される(図9,図13)。
より具体的には、本体部33の本体立壁部38と蓋側立壁部60で前後の面が覆われている(図11)。そして本体部33の中間領域Bにある発生装置装着領域形成部41によって、内部筐体30内に発生装置装着領域36が形成されている。
【0043】
また本体立壁部38と、蓋体部35のフランジ部49によって液体通過路53が形成されている。液体通過路53は、図10のように本体立壁部38と、蓋体部35のフランジ部49と、側部仕切り壁48と、本体部33の外壁部40bで囲まれた空間である。
【0044】
また図6、図7、図10、図11のように、本体部33の上部領域Aと、蓋体部35の上部領域A’との間で空間領域80が形成される。即ち本体部33の空隙形成部4が、蓋体部35の傾斜面76で覆われて、空間領域80が形成されている。
空間領域80では、蓋体部35の蓋側立壁部60たる傾斜面76が天井面となっている。
【0045】
さらに本体部33の下部領域Cと、蓋体部35の下部領域C’との間で送風機装着部37が形成されている。即ち下部領域Cの送風機装着部形成部44が、蓋体部35で封鎖されて、送風機装着部37が形成されている。
【0046】
そして図6、図7、図11に示すように、発生装置装着領域36にイオン発生装置31が配置されるが、イオン発生装置31の正面と、蓋体部35の蓋側立壁部60との間には大きな隙間がある。当該隙間は、空気通路78として機能する。
空気通路78は、図6で示すように、下部の送風機装着部37及び上部の空間領域80を連通する。
【0047】
また内部筐体30の送風機装着部37に送風機32が装着されている。送風機32の送風口72は、空気通路78に臨んでいる。また送風口72の軸線は、イオン発生装置31の電極部70の軸線と一致する。
さらに送風機32の給気口71は、送風機装着部37に設けられた空気導入口65の近傍にある。
【0048】
イオン発生ユニット(イオン発生部)5が組み立てられた状態では、図6、図7、図11のようにイオン発生装置31の電極部70の上部に、蓋部材35の傾斜面76及び開口部61がある。そして電極部70の真上の位置に一部閉塞部63がある。
イオン発生ユニット(イオン発生部)5を真上から見た場合、図14の様に、一部閉塞部63に隠れて電極部70は見えない。
【0049】
前記したイオン発生ユニット(イオン発生部)5は、外部筺体2の内面側に装着されている。具体的には、外部筺体2の凹部22の内側に図示しないネジによってイオン発生ユニット5が取り付けられている。そして外部筺体2の傾斜部17に形成された上部側開口27に、イオン発生ユニット5の天面部(傾斜面76)が嵌まり込んでいる。即ち外部筺体2の傾斜部17に形成された上部側開口27と、イオン発生ユニット5の天面部は共に四角形であり、略同一の大きさである。そのためイオン発生ユニット5の天面部(傾斜面76)は、外部筺体2の上部側開口27に隙間無く嵌合する。
外部筺体2の上部側開口27に、イオン発生ユニット5の天面部(傾斜面76)が嵌まり込んでいるから、イオン発生ユニット5の開口部61は、外部筺体2の上部側開口27に臨む位置にある。
【0050】
またイオン発生ユニット5の天面部(傾斜面76)は、外部筺体2と同様に傾斜しているので、イオン発生ユニット5が装着された状態を外側から見ても違和感がない。即ちイオン発生ユニット5の天面部と外部筺体2の傾斜部17は、調和が取れていて一体感がある。
【0051】
またイオン発生ユニット5の下部側に目を移すと、イオン発生ユニット5の空気導入口65の周壁67が、外部筺体2の空気取り入れ用開口23に嵌まり込んでいる。
そのためイオン発生ユニット5の空気導入口65は、外部筺体2の空気取り入れ用開口23に臨む位置にある。
【0052】
さらに、下部側に注目すると、イオン発生ユニット5の水抜き孔73が外部筺体2の排水用開口25と合致している。そのためイオン発生ユニット5の水抜き孔73は、外部筺体2の排水用開口25に臨む位置にある。
【0053】
次に本実施形態のガス温風暖房装置1の機能について説明する。
本実施形態のガス温風暖房装置1は、公知のそれと同様に、内部の温風生成部3で温風が作られ、外部筺体2の正面に設けられた温風吹き出し口15から当該温風が吹き出される。即ち図示しないガス供給ホースから外部筺体2に内蔵されたバーナ(図示)に燃料ガスが供給され、さらに図示しない送風機によってバーナに一次空気及び二次空気が供給されて燃焼される。そして燃焼ガスに対して図示しない送風機から大量の空気が混入され、適温に冷まされた温風が、温風吹き出し口15から吹き出される。
【0054】
またイオン発生ユニット5によって室内にイオン含有空気が放出される。即ち内部筐体30内に内蔵されたイオン発生装置31と送風機32に通電すると、イオン発生装置31の電極部70で放電が発生し、イオンが生じる。また送風機32に通電されることによって、内部筐体30の内部に通風が生じる。即ち送風機32が回転すると、送風機32の給気口71が負圧傾向となるが、送風機32の給気口71は、内部筐体30の送風機装着部37に設けられた空気導入口65の近傍にある。そして内部筐体30の空気導入口65は、外部筺体2の空気取り入れ用開口23に臨む位置にあり、外部筺体2の外に向かって開いている。
【0055】
そのため送風機32が回転すると、外部筺体2の外から送風機32に空気が吸引され、送風機32の送風口72から吐出される。ここで送風機32の送風口72は、イオン発生装置31の本体部68と、蓋体部35の蓋側立壁部60の間に形成された空気通路78に開いている。そのため送風は、イオン発生装置31の表面側を下から上に向かって流れ、電極部70に至ってイオンを巻き込む。そしてイオンを含んだ空気は、さらに上部に向かって流れ、上部の空間領域80に入る。
ここで上部の空間領域80には、天井部(傾斜面76)に開口部61があり、さらに開口部61は、外部筺体2の上部側開口27に臨む位置にあって直接外部に向かって開いている。そのため空間領域80に入った通風は、内部筐体30の天面に形成された開口部61から直接的に外部筺体2の外に排出される。
【0056】
この様に、本実施形態では、空気の流れ、特に、イオンが混入された後の空気の流れが直線的であるから、イオン発生ユニット5の外形形状が小さい。
また前記した様にイオンが混入された後の空気の流れが直線的であるから、イオン発生ユニット5内の圧力損失が小さく、イオンを排出する際の空気の流速が早い。またイオンは、外部筺体2の上面から排出される。この様に、イオンを含む空気の流速が早く、且つ外部筺体2の上面からイオンが排出されるので、イオンの室内への拡散が早い。
【0057】
また万一、本実施形態のガス温風暖房装置1にコーヒ等の液体をこぼしても、故障や感電等が発生する懸念はない。
即ち、本実施形態のガス温風暖房装置1は、床面に設置して使用されるから、誤ってコーヒ等をこぼした際に、コーヒが外部筺体2に掛かる場合がある。
そしてコーヒは、外部筺体2の上面に開いているイオン発生ユニット5の開口部61からイオン発生ユニット5の中に入る。しかしながら、本実施形態のガス温風暖房装置1では、イオン発生ユニット5の開口部61に一部閉塞部63が設けられており、当該一部閉塞部63は、イオン発生装置31の電極部70の真上にある。そのためイオン発生ユニット5の開口部61にコーヒ等が掛かっても、電極部70は、一部閉塞部63によって保護され、電極部70に直接コーヒ等が掛かることはない。即ち本実施形態では、一部閉塞部63が庇となって電極部70にコーヒが直接落下することを防いでいる。
【0058】
即ちコーヒ等は、一部閉塞部63の端部からイオン発生ユニット5の内部筐体30内に落ちるが、コーヒ等が落下した位置には、電極部70は無い。
そして落下したコーヒ等は、液体通過路53を流れて下に落下してゆく。ここで液体通過路53は、内部筐体30の中にあるものの、イオン発生装置31が配置された領域や、通風領域とは区分されている。
即ち液体通過路53は、本体立壁部38と、蓋体部35のフランジ部49と、側部仕切り壁48と、本体部33の外壁部40bで囲まれた流路であり、イオン発生装置31が配置された発生装置装着領域36や、空気通路78とは別の空間である。
【0059】
そのため、落下したコーヒ等は、イオン発生装置31から外れた位置を流れ、下部領域の送風機装着部37に至る。
ここで送風機装着部37には、水抜き孔73が設けられており、当該水抜き孔73は外部筺体2の排水用開口25と合致している。そのため送風機装着部37に流れ込んだコーヒ等は、送風機装着部37の水抜き孔73を経て、外部筺体2の排水用開口25から外部に排出される。
なお、コーヒ等は、その後、外部筺体2の凹部22の下の段部分に溜まる。そして凹部22の係合用の孔26から、再度外部筺体2の中に流れ込み、外部筺体2の内壁を伝って下に落ちる。
【0060】
この様に、本実施形態のガス温風暖房装置1は、コーヒや紅茶等の液体をこぼしても、故障が生じることはない。
また本実施形態のガス温風暖房装置1は、イオン発生部5がユニット化されているから、イオン発生部5を外部筺体2に取り付ける作業が容易である。またイオン発生部5が故障した場合の取り替えについても簡単である。
さらに本実施形態のガス温風暖房装置1はイオン発生部5をユニット化して外部筺体2と別体とし、イオン発生ユニットの筐体(内部筐体30)側の開口部61に格子(落下防止部62)を設けたから、格子の成形が容易である。即ち外部筺体2内に固体が落ち込むことを防止するために、イオンの排出口に網や格子、ガラン等の落下防止部62を設ける必要がある。ここで落下防止部62だけを別成形して開口に装着する構造とすると、落下防止部62の成形は容易であるが、落下防止部62が外れてしまったり、なくしてしまう場合がある。
一方、外部筺体2と一体的に落下防止部62を成形してしまうと、落下防止部62が外れることは無いが、細かい格子等を成形するための金型が複雑な構造となってしまう。
【0061】
これに対して本実施形態では、内部筐体30側に網や格子、ガラン等の落下防止部62を設け、内部筐体30の上部側を外部筺体2に設けた開口(上部側開口27)に嵌合させる構造を採用したので、落下防止部62が外れる懸念はない。また内部筐体30は、外部筺体2よりも外形が小さいので、落下防止部62の成形が容易である。
【0062】
内部筐体30の下部に設けた空気導入口65について同様の作用効果が期待でき、空気導入口65に格子等の遮蔽物を設けることによって、遮蔽部が外れる懸念を払拭できる。また遮蔽部の成形も容易である。
【符号の説明】
【0063】
1 ガス温風暖房装置
2 外部筺体
3 温風生成部
5 イオン発生ユニット(イオン発生部)
23 空気取り入れ用開口
25 排水用開口
27 上部側開口
30 内部筐体
31 イオン発生装置
32 送風機
33 本体部
35 蓋体部
36 発生装置装着領域
37 送風機装着部
38 本体立壁部
53 液体通過路
61 開口部(イオン吐出口)
62 落下防止部
63 一部閉塞部
65 空気導入口
70 電極部(イオン生成部)
71 給気口
72 送風口
73 水抜き孔
76 傾斜面
78 空気通路
80 空間領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床置きされる外部筺体と、ガスを燃焼して温風を生成する温風生成部と、イオン発生部とを有し、外部筐体内に温風生成部とイオン発生部とが内蔵され、外部筺体から温風とイオン含有空気とが放出され、外部筐体が床置きされた状態を基準としてイオン含有空気が外部筺体の上面側から放出されるガス温風暖房装置において、イオン発生部は、イオン発生装置と、送風機とを有し、イオン発生装置は、本体部とイオン生成部を有していてイオン生成部が本体部から露出し、イオン生成部の上部側にイオン含有空気を外部筺体の外部に放出するイオン放出部があり、イオン放出部にはその一部を閉塞する一部閉塞部が設けられ、前記イオン生成部の真上の部位に前記一部閉塞部があり、且つイオン発生装置から分離された位置に、液体を通過できる液体通過路が形成されていることを特徴とするガス温風暖房装置。
【請求項2】
外部筺体内に内蔵される内部筐体を有し、前記内部筐体の中にイオン発生装置と、送風機が内蔵され、内部筐体には、空気を導入する空気導入口と、イオン含有空気を排出するイオン吐出口とを有し、前記イオン吐出口には、複数の小開口に分けられて物品の進入を阻止する落下防止部があって当該落下防止部の一部に前記一部閉塞部があり、外部筺体は上部に上部側開口を有し、内部筐体はそのイオン吐出口が前記上部側開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス温風暖房装置。
【請求項3】
空気導入口は内部筐体の下部にあり、外部筺体には空気取り入れ用開口があり、内部筐体はその空気導入口が外部筺体の空気取り入れ用開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項2に記載のガス温風暖房装置。
【請求項4】
内部筐体の中には、イオン発生装置を装着する発生装置装着領域と、発生装置装着領域と仕切りによって仕切られた液体通過路が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のガス温風暖房装置。
【請求項5】
内部筐体の下部には、液体通過路と連通する水抜き孔が設けられ、外部筺体には排水用開口があり、内部筐体は水抜き孔が外部筺体の排水用開口に臨む様に設置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれに記載のガス温風暖房装置。
【請求項6】
イオン生成部は、電極であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれに記載のガス温風暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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