説明

ガス状炭化水素貯蔵のための金属−有機骨格材料

本発明は、金属−有機骨格材料を含有する容器中に液化ガスを貯蔵する方法、そのようなガスで充填された容器、容器に充填するための方法および該ガスを放出するための容器の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属−有機骨格材料を含有する容器中に液化ガスを貯蔵するための方法、そのようなガスで充填された容器、容器に充填するための方法および該ガスを放出するための容器の使用に関する。
【0002】
液化ガス、殊にプロパンまたはプロパンとブタンとの混合物は、しばしばポータブル燃料供給物として使用される。それゆえ、該ガスは、該ガスをその液体状態においてボトルまたはタンク内で貯蔵するのに十分高い圧力下の耐圧ボトルまたはタンク内で貯蔵される。液化ガスは、約50℃〜約10℃の範囲にある沸点を有することを特徴とする。それゆえ、通常、20barもしくはそれより高い圧力が、室温で該ガスをそれらの液体状態に変換するために必要である。
【0003】
しかしながら、通常、該ガスをそれらの液体状態において保持するための前記の最小圧力を下回る圧力下の液化ガスとされるガスの貯蔵のための要求が存在する。その最も重要な理由の一つは、加圧容器のための安全規定によるものである。
【0004】
従来のボトル等は、低い圧力範囲において該ガスを効率的に貯蔵するための十分な空間を供給しない。
【0005】
ガスを貯蔵するための他の手段は、所望されるガスを多孔性材料に吸着させることにより行われる。そのような材料は、ゼオライトのような無機特性または金属有機骨格(MOF)のような有機特性を持ってよい。
【0006】
US2003/0148165A1は、一般にMOFsを使用するガスの貯蔵を記載する。
【0007】
低い圧力範囲で液化ガスをそれらのガス状態において適切に貯蔵するための方法を供給することへの必要性が多く要求されている。
【0008】
従って、本発明の目的は、液化ガスとして公知であるガスをそれらのガス状態において十分に高い量で低い圧力範囲において貯蔵するための方法を提供することである。
【0009】
該目的は、液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および容器内部で液化ガスをそのガス状態においてあらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび、前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する容器中で液化ガスを貯蔵する方法により解決され、その際、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比は最大で0.2である。
【0010】
意想外にも、MOFを有する容器が、MOFを使用しない状態と比較して予想外に高い量の液化ガスを取り込めることがわかった。これにより、少なくとも5倍低い圧力で使用される低い圧力における効率的に高い量の液化ガスの貯蔵がもたらされる。
【0011】
図1は、MOFを有する(曲線A)容器およびMOFを有さない(曲線B)容器への液化ガス(この場合:例としてプロパン)の取り込みの全体的な曲線推移を示す。
【0012】
本発明の意味の範囲内で、"液化ガス"という用語は、有利には、温度に依存する(しかしながら、室温が有利である)40barまでの圧力下でそれらの液体状態に変換されうるガスまたは種々のガスの混合物を指し示す。さらに、本発明によれば、"液化ガス"という用語は自動的にその液化状態におけるガスを指し示さない。
【0013】
工業的な適用において重要なガスの性質、圧縮ガス、使用されるガス容器および取扱指示は、’Handbook of Compressed Gases’、第3版、Van Nostrand Reinhold、New York、1989の中で参照されえかつここで参照をもって取り入れられる。
【0014】
有利には、液化ガスは、ハロゲン化C〜C10炭化水素、プロパン、ブタン、イソブタンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。さらに有利には、液化ガスはプロパンである。
【0015】
本発明により用いられる低い圧力範囲に基づき、容器の形状および材料は、必ずしも加圧容器の要求を満たさない。有利には、本発明による容器は非円柱形状である。容器材料は、必ずしもステンレス鋼からならない。
【0016】
容器は、液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および液化ガスを保持することができる気密保持装置を有する。有利には、入口および出口開口部は同一のものであり、気密保持装置として使用される通常のバルブを備え付けている。
【0017】
有利な一実施態様において、圧力は0.1barを上回りかつ20bar未満である。さらに有利には、圧力は1barを上回りかつ20bar未満であり、さらになお有利には1barを上回りかつ10bar未満である。
【0018】
容器中の液化ガスの量は少なくとも2g/lである。
【0019】
容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比は最大で0.2である。有利にはその比は最大で0.1でありかつさらに有利には最大で0.05である。
【0020】
本発明の別の側面は、液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および液化ガスをそのガス状態においてあらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび、前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する、あらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で液化ガスが充填された容器であって、その際、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比は最大で0.2である。
【0021】
本発明のまた別の側面は、液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および容器内部で液化ガスをそのガス状態において保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび、前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する容器を、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比が最大で0.2であるように、あらかじめ定義された量およびあらかじめ定義された圧力までの液化ガスで充填するための方法であって、該方法は次の工程
−容器の入口開口部と液化ガスのボトルとを接触させる工程(その際、ガスはその液体状態または圧縮状態にあり、そのため供給容器中の圧力は充填されるべき容器中の圧力を超える)を有する。
【0022】
本発明のまた別の側面は、液化ガスの制御された放出のための本発明による容器の使用である。
【0023】
適切なMOFsは従来公知である。それらは粉末として使用されえ、しかし有利には、該MOFsは成形体として、さらに有利には押出物またはタブレットとして使用される。
【0024】
MOFを含有する粉末は、微粉〜粉状の粒径を有しかつ微結晶(小さい結晶)を含有するかまたはそれらからなってよい。本発明によれば、"粉末"という用語は、上で記載された全ての形ならびにそれらの混合物のために用いられる。有利には、粉末の最大粒径はそれぞれの方向において0.2mmを下回る。
【0025】
成形体は、計画された使用に適した任意の形を有してよい。有利には、ペレット、タブレットまたはバーに付形される。本発明の文脈において、"成形体"という用語は、有利には、空間内で少なくとも一方向に少なくとも0.2mm伸長する任意の固形物体のことを指す。他のどんな制限も適用されず、つまり物体は任意の考えられる形状をとってよくかつそれが有利には一方向に少なくとも0.2mm伸長する限りは任意の長さで任意の方向に伸長してよい。さらに有利な一実施態様において、成形体は全ての方向において50mmを上回って伸長せずかつ0.2mmを下回らない。さらに他の有利な一実施態様において、この範囲は1mm〜16mm、有利には1.5mm〜5mmに制限される。
【0026】
これらの成形体の形状に関する限り、球状または円柱状の物体もまた有利であり、ならびに円板状ペレットまたは任意の他の適切な形状、例えばハネカム、メッシュ、中空体、ワイヤ配置等も有利である。
【0027】
MOFを含有する粉末は、金属イオンおよび、前記金属イオンと配位結合した少なくとも二座の有機化合物から作り上げられている金属−有機骨格材料を含む。MOFそれ自体は、細孔により連絡可能な空洞を有する。一個のキャビティは、少なくとも二座の有機化合物によって結合された8個の金属イオンにより定義される。
【0028】
上記のように、MOFは、例えばUS5,648,508、EP−A−0790253、M.O’Keeffe等、J.Sol.State Chem、152(2000)第3頁〜第20頁、H.Li等、Nature 402(1999)第276頁以降、M.Eddaoudi等、Topics in Catalysis (1999)第105頁〜第111頁、B.Chen等、Science 291(2001)第1021頁〜第1023頁およびDE−A−10111230の中で記載されている。
【0029】
本発明において使用されるMOFsは、細孔、とりわけミクロ孔および/またはメソ孔を有する。Pure Applied Chem.45、第71頁以降、とりわけ第79頁(1976)上で示された定義によると、ミクロ孔は2nm以下の直径を有する細孔として定義されかつメソ孔は2nm〜50nmの範囲における直径を有する細孔として定義されている。ミクロ孔および/またはメソ孔の存在は、DIN66131および/またはDIN66134による77Kでの窒素取り込みのための金属−有機骨格材料の容量を測定する吸着測定により監視されうる。
【0030】
例えば、等温曲線のタイプ−I−形はミクロ孔の存在を指し示す[例えば、M.Eddaoudi等、Topics in Catalysis (1999)の第4パラグラフを参照のこと]。有利な一実施態様において、ラングミュアモデルにより計算された比表面積(DIN66131、66134、66135)は、有利には5m/gを上回り、さらに有利には10m/gを上回り、さらになお有利には50m/gを上回り、さらになお有利には500m/gを上回り、さらになお有利には1000m/gを上回り、さらになお有利には1500m/gを上回り、さらになお有利には2500m/gを上回りかつ4500m/gを上回る範囲に増加してよい。
【0031】
成形体は、より低い比表面積を有してよく、しかし有利には10m/gを上回り、さらに有利には50m/gを上回りかつ最も有利には500m/gを上回る。
【0032】
本発明による使用されるべき骨格材料中の金属成分について、とりわけ元素の周期系の主属元素および副族元素の、すなわち第Ia族、第IIa族、第IIIa族、第IVa族〜第VIIIa族および第Ib族〜第VIb族の金属イオンが挙げられるべきである。それらの金属成分の内、とりわけMg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、As、SbおよびBi、さらに有利にはZn、Cu、Ni、Pd、Pt、Ru、RhおよびCoおよび最も有利にはZnおよびCuが挙げられる。これらの元素の金属イオンについて、とりわけMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Sc3+、Y3+、Ti4+、Zr4+、Hf4+、V4+、V3+、V2+、Nb3+、Ta3+、Cr3+、Mo3+、W3+、Mn3+、Mn2+、Re3+、Re2+、Fe3+、Fe2+、Ru3+、Ru2+、Os3+、Os2+、Co3+、Co2+、Rh2+、Rh、Ir2+、Ir、Ni2+、Ni、Pd2+、Pd、Pt2+、Pt、Cu2+、Cu、Ag、Au、Zn2+、Cd2+、Hg2+、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Si4+、Si2+、Ge4+、Ge2+、Sn4+、Sn2+、Pb4+、Pb2+、As5+、As3+、As、Sb5+、Sb3+、Sb、Bi5+、Bi3+およびBiが挙げられる。
【0033】
有利な金属イオンおよび該金属イオンについてのさらなる詳細に関して、特にUS5648508、とりわけ第11列、第11〜51行目、"The Metal Ions"の段落が参照され、該段落はここで参照をもって取り入れられる。
【0034】
EP−A−0790253およびUS5648508の中で開示された金属塩に加えて、他の金属化合物、例えば元素の周期系の主族金属および副族金属の硫酸塩、リン酸塩および他の錯体対イオン金属塩が使用されうる。定義された化学量論量を有するかまたは有しない、金属酸化物、混合酸化物および金属酸化物および/または混合酸化物の混合物が有利である。上記の全ての金属化合物は可溶性または不溶性であってよい。
【0035】
金属イオンと配位結合することのできる少なくとも二座の有機化合物について、原則的に、この目的のために適しておりかつ少なくとも二座であるという上記の要求を満たす全ての化合物を使用してよい。前記有機化合物は、金属塩の金属イオンと、とりわけ上記の群の金属と配位することのできる少なくとも2つの中心を有していなければならない。少なくとも二座の有機化合物に関して、特に
i)1〜10個の炭素原子を有するアルキル基部分構造、
ii)1〜5個のフェニル環を有するアリール基部分構造、
iii)1〜10個の炭素原子を有するアルキル基または1〜5個のフェニル環を有するアリール基からなるアルキルもしくはアリールアミン部分構造
を有する化合物が挙げられ、その際、前記部分構造はそれらに結合して少なくとも1つの少なくとも二座の官能基"X"を有し、それは前記化合物の部分構造に共有結合しており、かつその際、Xは
COH、CSH、NO、SOH、Si(OH)、Ge(OH)、Sn(OH)、Si(SH)、Ge(SH)、Sn(SH)、POH、AsOH、AsOH、P(SH)、As(SH)、CH(RSH)、C(RSH)、CH(RNH、C(RNH、CH(ROH)、C(ROH)、CH(RCN)、C(RCN)、その際、Rは1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または1〜2個のフェニル環からなるアリール基であって、およびCH(SH)、C(SH)、CH(NH、C(NH、CH(OH)、C(OH)、CH(CN)およびC(CN)からなる群から選択される。
【0036】
とりわけ、置換または非置換の、単核または多核芳香族ジ−、トリ−およびテトラカルボン酸および、1個以上の核を有する、置換または非置換の、少なくとも1個のヘテロ原子を含む芳香族ジ−、トリ−およびテトラカルボン酸が挙げられるべきである。
【0037】
有利な配位子は、ADC(アセチレンジカルボキシレート)、NDC(ナフタレンジカルボキシレート)、BDC(ベンゼンジカルボキシレート)、ATC(アダマンタンテトラカルボキシレート)、BTC(ベンゼントリカルボキシレート)、BTB(ベンゼントリベンゾエート)、MTB(メタンテトラベンゾエート)およびATB(アダマンタントリベンゾエート)である。さらに有利な二座配位子は、1,2,3−および1,3,5−ベンゼントリカルボン酸(BCT)、イソフタル酸、テレフタル酸、2,5−ジヒドロキシ−テレフタル酸および2,2'−ビピリジン−5,5'−ジカルボン酸である。
【0038】
少なくとも二座の有機化合物の他に、本発明に従って使用される骨格材料は、有利には以下の単座物質および/またはその誘導体から選択される1つ以上の単座配位子を有してもよい:
a.1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖状、または環式脂肪族基を含有するアルキルアミンおよびそれらの相応するアルキルアンモニウム塩(およびそれらの相応するアンモニウム塩);
b.1〜5個のフェニル環を有するアリールアミンおよびそれらの相応するアリールアンモニウム塩;
c.1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖状、または環式脂肪族基を含有するアルキルホスホニウム塩;
d.1〜5個のフェニル環を有する、アリールホスホニウム塩;
e.1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖状、または環式脂肪族基を含有するアルキル有機酸および相応するアルキル有機アニオン(および塩);
f.1〜5個のフェニル環を有する、アリール有機酸およびそれらの相応するアリール有機アニオンおよび塩;
g.1〜20個の炭素原子を有する、直鎖、分枝鎖状、または環式脂肪族基を含有する脂肪族アルコール;
h.1〜5個のフェニル環を有するアリールアルコール;
i.以下からなる群からの無機アニオン:
硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、二リン酸塩、三リン酸塩、亜リン酸塩、塩化物、塩素酸塩、臭化物、臭素酸塩、ヨウ化物、ヨウ素酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、および上記の無機アニオンの相応する酸および塩、
j.アンモニア、二酸化炭素、メタン、酸素、エチレン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピリジン、アセトン、1,2−ジクロロエタン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、エタノールアミン、トリエチルアミンおよびトリフルオロメチルスルホン酸。
【0039】
本出願において用いられる骨格材料の配位子が誘導される、少なくとも二座の有機化合物および単座物質についてのさらなる詳細は、EP−A0790253から得ることができ、その各内容は参照をもって本出願に取り入れられる。
【0040】
本出願中で、金属イオンとしてのZn+および二座の化合物としてのテレフタル酸から誘導された配位子を有する、ここに記載された種類の骨格材料がとりわけ有利である。前記骨格材料は文献中でMOF−5として公知である。
【0041】
本発明において用いられる骨格材料の製造のためにそれぞれ役に立つ、さらに他の金属イオン、少なくとも二座の有機化合物および単座物質、ならびにそれらの製造法は、とりわけEP−A0790253、US5,648,508およびDE10111230の中で開示されている。
【0042】
MOF−5の製造のためにとりわけ役に立つ溶剤として、上記参照文献の中で開示された溶剤に加えて、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミドおよびN−メチルピロリドンを、単独で、互いに組み合わせてまたは他の溶剤との組み合わせにおいて使用してよい。骨格材料の製造の中で、とりわけMOF−5の製造の中で、費用および材料を節約するために溶剤および母液が結晶化後に再利用される。
【0043】
金属−有機骨格の孔径は、適切な有機配位子および/または二座化合物(=リンカー)を選択することにより調節されうる。一般に、リンカーが大きいほど孔径は大きくなる。ホストの非存在下および少なくとも200℃の温度でMOFによりなお支持されている任意の孔径が考えられる。0.2nm〜30nmの範囲にある孔径が有利であり、0.3nm〜3nmの範囲にある孔径がとりわけ有利である。
【0044】
成形体に関して、他の孔径が存在してよい。有利には、全細孔容積の50%を上回る部分、さらに有利には全細孔容積の75%を上回る部分が1000nmまでの細孔直径を有する細孔により形成される。
【0045】
有利には、細孔容積のより大きい部分は、別個の直径範囲から生じる細孔により形成される。それゆえ、全細孔容積の25%を上回る部分、さらになお有利には50%を上回る部分が100nm〜800nmの範囲内の直径を有する細孔により形成され、かつ全細孔容積の有利には15%を上回る部分、さらになお有利には25%を上回る部分が10nmまでの直径を有する細孔により形成されているのがさらに有利である。細孔分布は、Hg−細孔分布測定装置により測定されうる(DIN66133)。
【0046】
以下で、金属−有機骨格材料(MOFs)の例が示され、上記の一般的概念が説明される。しかしながら、これらの特定の例は本出願の一般性および範囲を制限することを意図するものではない。
【0047】
例を用いて、既に合成されかつ特性を決定された金属−有機骨格材料のリストが以下に示される。これには新規の等細網状(isoreticular)の金属有機骨格材料(IR−MOFs)も含まれ、それらは本出願の骨格において使用されうる。同じ骨格トポロジーを有し、それと同時に種々の孔径および結晶密度を示すそのような材料は、例えばM.Eddouadi等、Science 295(2002)469の中で記載されており、これは参照をもって本出願に取り入れられる。
【0048】
使用される溶剤はこれらの材料の合成のためにとりわけ重要であり、それゆえ表の中で挙げられる。セルパラメータのための値(角度α、βおよびγならびにオングストロームで示される間隔a、bおよびc)はX線回折により得られかつさらに表中では空間群が表される。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
【表5】

【0054】
【表6】

【0055】
【表7】

【0056】
【表8】

【0057】
【表9】

【0058】
【表10】

【0059】
【表11】

【0060】
【表12】

【0061】
【表13】

【0062】
【表14】

【0063】
【表15】

【0064】
【表16】

【0065】
【表17】

【0066】
【表18】

【0067】
【表19】

【0068】
【表20】

【0069】
【表21】

ADC アセチレンジカルボン酸
NDC ナフタレンジカルボン酸
BDC ベンゼンジカルボン酸
ATC アダマンタンテトラカルボン酸
BTC ベンゼントリカルボン酸
BTB ベンゼントリベンゾエート
MTB メタンテトラベンゾエート
ATB アダマンタンテトラベンゾエート
ADB アダマンタンジベンゾエート
従来技術において公知の他のMOFsは、MOF−177およびMOF−178である。
【0070】
粉末の形におけるこれらの材料の合成のための例は、例えばUS5,648,508、J.Am.Chem.Soc.123(2001)第8241頁以降またはAcc.Chem.Res.31(1998)第474頁以降において見られ、これらは、それらの各内容に関して本出願の内容中に完全に含まれる。
【0071】
骨格材料、とりわけMOF−5の、結晶化の母液からの分離は、従来技術において公知の方法、例えば固−液分離、遠心分離、抽出、濾過、膜濾過、クロスフロー濾過、凝集助剤(非イオン性、カチオン性およびアニオン性助剤)を用いた凝集により、またはpH調節添加剤、例えば塩、酸または塩基の添加により、浮選により、ならびに高められた温度および/または真空での母液の蒸発および固体の濃縮により達成されうる。
MOFsの製造のための通常の方法以外に、新規の電気化学的な手段がDE10355087の中でならびにWO−A2005/049892の中で開示されている。新規のMOFsは、液化ガスの貯蔵に関連して優れた性質を示す。それゆえ、本発明によるこれらのMOFsの使用は有利である。
【0072】
本発明の範囲内で用いられる"電気化学的な製造"という用語は、少なくとも1つの反応生成物の形成を電荷の泳動または電位差の発生下に伴う製造法を指す。
【0073】
本発明の範囲内で使用されかつMOFsの電気化学的な形成に供される"少なくとも1つの金属イオン"という用語は、少なくとも1つの金属のイオンまたは第一の金属の少なくとも1つのイオンおよび第一の金属とは異なる少なくとも1つの第二の金属の少なくとも1つのイオンがアノード酸化により供給されることに従う態様と関係する。
【0074】
従って、本発明は、少なくとも1つの金属の少なくとも1つのイオンがアノード酸化を介して供給されかつ少なくとも1つの金属の少なくとも1つのイオンが金属塩を介して供給される、その際、金属塩における少なくとも1つの金属およびアノード酸化を介して金属イオンとして供給される少なくとも1つの金属は同一であるかまたは互いに異なっていてよい態様を有する。それゆえ本発明は、例えば、反応媒体が金属の1つ以上の種々の塩を有しかつこの塩またはこれらの塩に存在する金属イオンが前記金属を含有する少なくとも1つのアノードのアノード酸化を介して付加的に供給されることに従う態様を有する。同様に、本発明は、反応媒体が少なくとも1つの金属の1つ以上の種々の塩を有しかつこれらの金属とは異なる少なくとも1つの金属がアノード酸化を介して金属イオンとして反応媒体中に供給されることに従う態様を有する。
【0075】
本発明の有利な一実施態様によりかつMOFsの電気化学的な製造に関連して、少なくとも1つの金属イオンは、前記少なくとも1つの金属を含有する少なくとの1つのアノードのアノード酸化を介して供給され、さらなる金属は金属塩を介して供給されない。
【0076】
MOFsの電気化学的な製造に関連して本発明の範囲内で使用される"金属"という用語は、反応媒体中で電気化学的な経路を介してアノード酸化を介して供給されえかつ少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する少なくとも1つの金属−有機、多孔性骨格材料を形成することができる元素周期表のそれらの全ての元素を有する。
【0077】
上で言及したように、通常のまたは電気化学的な方法に由来されるのに関係なく、成形体としてのMOFsの使用は本発明により有利である。
【0078】
粉末を成形する適切な方法は当業者に公知であり、幅広い意味において方法と言及され、その際、すなわち任意の粉末、粉状物質、微結晶の配列等がその意図された使用の条件下で安定な成形体に形成されうる。
【0079】
MOFを含有する粉末の成形体への任意の成形工程に加えて、以下の工程もまた本発明により行ってよい:
(I)成形の前に、混合の工程を行ってよい、
(II)成形の前に、例えば溶剤、バインダーまたは他の付加的な物質を添加することにより、MOFを含有する粉末を含有するペースト様塊状物または流体を製造する工程を行ってよい、
(III)成形の後に、仕上げの工程、とりわけ乾燥の工程を行ってよい。
【0080】
成形、付形または二次成形等の加工工程は、粉末、懸濁液またはペースト様塊状物の凝集を達成するための当業者に公知の任意の方法により達成されうる。そのような方法は、例えばUllmann’s Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第2巻、第313頁以降、1972の中で記載されており、その各内容は参照をもって本出願に取り入れられる。
【0081】
一般に、以下の主な経路が認められうる:(i)バインダーおよび/または他の添加剤を伴うかまたは伴わない、粉末材料のブリケッティング、すなわち機械プレス、(ii)造粒(ペレット化)、すなわち湿潤した粉末材料を回転運動に供することによる突固め、および(iii)焼結、すなわち突固めされるべき材料を熱処理に供すること。上記(iii)は、有機材料の制限された温度安定性に基づき、本発明による材料においてある程度制限されている(以下を参照のこと)。
【0082】
特に、本発明による成形工程は、有利には、以下の群から選択された少なくとも1つの方法を用いることにより実施される:ピストンプレスによるブリケッティング、ローラープレスによるブリケッティング、バインダーレスブリケッティング、バインダーを伴うブリケッティング、ペレット化、配合、溶融、押出し、同時押出し、紡糸、析出、発泡、噴霧乾燥、被覆、造粒、とりわけ噴霧造粒またはプラスチックの加工の中での任意の公知の方法による造粒または上記の少なくとも2つの方法の任意の組合せ。
【0083】
成形は、例えば、通常、約1〜約10mm、とりわけ約1.5〜約5mmの直径を有する押出物を生じさせる従来の押出機中での押出しにより行ってよい。そのような押出装置は、例えばUllmann’s Enzyklopaedie der Technischen Chemie、第4版、第2巻、第295頁以降、1972の中で記載されている。押出機の使用に加えて、有利には押出プレスもまた成形のために使用される。
【0084】
成形の有利な方法は、高められた圧力、すなわちMOFを含有する粉末のプレスにより実施される。圧力は大気圧〜数100barの範囲であってよい。高められた温度(室温〜300℃の範囲)または保護雰囲気(希ガス、窒素またはその混合物)中でも適している。さらにこれらの条件の任意の組合せが可能である。
プレス成形が達成されうる条件は、例えばプレス、充填物高さ、プレス能力、および成形体の形に依存する。
【0085】
成形の工程は、凝集されるべき材料を安定化させるバインダーおよび/または他の付加的な物質の存在下で実施してよい。少なくとも1つの任意のバインダーについて、一緒に成形されるべき粒子間の接着性を促進するための当業者に公知の任意の材料を使用してよい。バインダー、有機粘性増大化合物および/または材料をペーストに加工するための液体を金属−有機骨格材料に添加してよく、混合物を引き続き混合もしくは混練装置または押出機中で突固める。その結果得られる可塑性材料を、次いで、とりわけ押出しプレスまたは押出機を使用して成形してよく、その結果得られる成形体を、次いで、任意の仕上げの工程(III)、例えば乾燥に供してよい。
【0086】
多数の無機化合物はバインダーとして使用されうる。制限されない例として、二酸化チタン、二酸化チタン水和物、アルミナ水和物または他のアルミニウム含有バインダー、ケイ素およびアルミニウム化合物の混合物、ケイ素化合物、粘土鉱物、アルコキシシラン、および両親媒性物質が含まれる。
【0087】
他の考えられるバインダーは、原則として、粉末材料における接着性を達成するために現在使用される全ての化合物である。有利には、化合物、とりわけケイ素の、アルミニウムの、ホウ素の、リンの、ジルコニウムのおよび/またはチタンの酸化物が用いられる。バインダーとしてとりわけシリカが重要であり、その際、SiOはシリカゾルとしてかまたはテトラアルコキシシランの形において付形工程に導入してよい。さらに、マグネシウムの酸化物およびベリリウムの酸化物および粘土、例えばモンモリロナイト、カオリン、ベントナイト、ハロイサイト、ジッカイト、ナクライトおよびアナウキサイトをバインダーとして用いてよい。テトラアルコキシシランは、とりわけ本発明におけるバインダーとして用いられる。特定の例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびテトラブトキシシラン、類似するテトラアルコキシチタンおよびテトラアルコキシジルコニウム化合物およびテトラメトキシ−、トリエトキシ−、トリプロポキシ−およびトリブトキシアルミニウムであり、テトラメトキシシランおよびテトラエトキシシランがとりわけ有利である。
【0088】
バインダーは0.1〜20質量%の濃度を有する。代替案として、どのバインダーも使用されない。
1つ以上の離型剤が添加剤として存在してよい。適切な作用物質はグラファイトまたはMOF材料であり、その際、MOFは層組成物を有する。
【0089】
さらに、有機粘性増大物質および/または親水性ポリマー、例えばセルロースまたはポリアクリレートを使用してよい。使用される有機粘性増大物質は、同様にこの目的のために適した任意の物質であってよい。それらの有利なものは、有機の、とりわけ親水性ポリマー、例えばセルロース、デンプン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリイソブテンおよびポリテトラヒドロフランである。主としてこれらの物質は、一次粒子を架橋しかつさらに成形および任意の乾燥処理の間に成形の機械的安定性を保証することにより、混練、成形および乾燥工程の間に可塑性材料の形成を促進する。
【0090】
任意の混合の工程(I)のためにも、成形の工程のためにも、ペースト様物質を作るために使用してよい任意の液体に関して全く何の制限もない。アルコールが水混和性である場合、水に加えてアルコールを使用してよい。従って、1〜4個の炭素原子のモノアルコールと水混和性の多価アルコールとの双方を使用してよい。とりわけ、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノールおよびその2つ以上の混合物が使用される。
【0091】
アミンまたはアミン様化合物、例えばテトラアルキルアンモニウム化合物またはアミノアルコール、および炭酸塩含有物質、例えば炭酸カルシウムをさらに他の添加剤として使用してよい。そのようなさらに他の添加剤は、EP−A0389041、EP−A0200260およびWO95/19222の中で記載されており、それらは参照をもって本出願の文脈に完全に取り入れられる。
【0092】
上記の添加物質の全てでない場合には大部分を、場合により保護雰囲気中でかまたは真空下で乾燥または加熱することにより成形体から除去することができる。金属−有機骨格をそのままで維持するために、成形体は有利には300℃を超える温度に曝さない。しかしながら、上記の穏やかな条件下での加熱/乾燥、とりわけ真空中での、有利には300℃を十分に下回る乾燥が、少なくとも有機化合物を金属−有機骨格の細孔の外に除去するのに十分であることを研究が示している。一般的に、使用される添加物質に応じて条件が適合されかつ選択される。
【0093】
成分(任意の溶剤、バインダー、添加剤、金属−有機骨格材料)の添加の順序は重要ではない。初めにバインダーを添加し、次いで例えば金属−有機骨格材料を添加し、必要な場合には添加剤を添加しかつ最後に少なくとも1つのアルコールおよび/または水を含有する混合物を添加することも、任意の上記成分に関して順序を入れ替えることも可能である。
【0094】
例えば、金属−有機骨格およびバインダーおよび場合によりさらに他の処理材料(=付加材料)を含有する粉末の場合による混合の工程(I)に関する限り、材料処理および単位操作の分野における当業者に公知の全ての方法が用いられうる。混合が液相中で行われる場合、撹拌が有利であり、かつ混合されるべき塊状物がペースト様である場合、混練および/または押出しが有利であり、かつ混合されるべき成分が全て固体、粉末の状態である場合、混合が有利である。さらに、使用されるべき成分の状態がそれらの使用を許す場合、アトマイザー、噴霧機、拡散機またはネブライザーの使用が考えられる。ペースト様材料(MOFを含有する粉末から作り出される)および粉末様材料のために、スタティックミキサー、遊星形ミキサー、回転容器を備えたミキサー、パンミキサー、パグミル、剪断ディスクミキサー、遠心分離ミキサー、サンドミル、トラフ混練機、密閉式混合機、密閉式混合機および連続混練機の使用が有利である。混合の処理は成形を達成するのに十分でありえ、すなわち混合および成形の工程が同時に起こるということも明らかに含まれる。
【0095】

例1
図2は、室温でのMOFを有するボトルおよびMOFを有さないボトル(容積0.5l)中へのプロパンの取り込みの曲線を示す。この例の中で使用されるMOFは、Zn−MOF−5である。そのMOFの製造は、US2003/01481565A1の中で記載されている。
【0096】
一定の取り込み値でのMOFを有する/有さない圧力の比は、表1の中で示される。
【0097】
【表22】

【0098】
例2
図3は、室温でのMOFを有するおよびMOFを有さないボトル(容積0.477l)中へのプロパンの取り込みの曲線を示す。この例の中で使用されるMOFは、IRMOF−8である。そのMOFの製造は、WO−A02/088148の中で記載されている。
【0099】
一定の取り込み値でのMOFを有する/有さない圧力の比は、表2の中で示される。
【0100】
【表23】

【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】MOFを有する(曲線A)容器およびMOFを有さない(曲線B)容器中への液化ガスの取り込みの全体的な曲線推移を示す図
【図2】室温でのMOFを有するボトルおよびMOFを有さないボトル中へのプロパンの取り込みの曲線を示す図
【図3】室温でのMOFを有するボトルおよびMOFを有さないボトル中へのプロパンの取り込みの曲線を示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および容器内部で液化ガスをそのガス状態においてあらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する容器中で液化ガスを貯蔵する方法であって、その際、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比は最大で0.2である、液化ガスを貯蔵する方法。
【請求項2】
液化ガスを、ハロゲン化C〜C10炭化水素、プロパン、ブタン、イソブタンおよびそれらの混合物からなる群から選択する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
液化ガスがプロパンである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
容器が非円柱形状である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
圧力が0.1barを上回りかつ20bar未満である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
液化ガスの量が少なくとも2g/lである、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記比が最大で0.1である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および液化ガスをそのガス状態においてあらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび、前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する、あらかじめ定義された量においてかつあらかじめ定義された圧力下で液化ガスが充填された容器であって、その際、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比は最大で0.2である、液化ガスが充填された容器。
【請求項9】
液化ガスが容器に入ることをまたは容器から出ることを可能にするための入口開口部および場合により別個の出口開口部、および容器内部で液化ガスをそのガス状態において保持することができる気密保持装置を有し、かつ少なくとも1つの金属イオンおよび、前記金属イオンに配位結合している少なくとも1つの少なくとも二座の有機化合物を有する金属−有機骨格材料(MOF)を含有する容器を、容器中の圧力対MOFを有さない容器中で同じ温度で同じ量の液化ガスを貯蔵するために必要な圧力の比が最大で0.2であるように、あらかじめ定義された量およびあらかじめ定義された圧力までの液化ガスで充填するための方法であって、次の工程
−容器の入口開口部と液化ガスのボトルとを接触させる工程(その際、ガスはその液体状態または圧縮状態にあり、そのため供給容器中の圧力は充填されるべき容器中の圧力を超える)を有する、液化ガスで充填するための方法。
【請求項10】
液化ガスの制御された放出のための、請求項8記載の容器の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−531939(P2008−531939A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556599(P2007−556599)
【出願日】平成18年2月22日(2006.2.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060181
【国際公開番号】WO2006/089908
【国際公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【出願人】(597015922)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (15)
【氏名又は名称原語表記】The Regents of the University of Michigan
【Fターム(参考)】