説明

ガス発生器およびフリータービンを備えるヘリコプタターボシャフトエンジン

ガス発生器(12)とガス発生器(12)により生成されたガス流(F)により回転駆動されるフリータービン(14)とを備える、特にヘリコプタ用のターボシャフトエンジン(10)に関する。ターボシャフトエンジン(10)はさらに、ターボシャフトエンジン(10)の加速段階でシャフト(18)に多量の追加の回転運動エネルギーを提供するための、またはターボシャフトエンジン(10)の減速段階でシャフト(18)から多量の回転運動エネルギーを分岐するための、ガス発生器(12)のシャフト(18)に結合されたモータ/発電機(30)を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスタービンの分野に関し、特に、ヘリコプタなどの航空機用のタービンエンジンの分野に関する。
【0002】
より詳細には、本発明は、特にヘリコプタ用のタービンエンジンで、ガス発生器およびガス発生器により生成されるガス流により回転駆動されるフリータービンを含むタービンエンジンに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、ガス発生器は、一緒に回転結合される少なくとも1つの遠心圧縮機とタービンとを備える。動作は以下の通りである。タービンエンジンに流入する冷気が燃焼室に送られる前に圧縮機の回転により圧縮され、燃焼室で燃料と混合される。その後、燃焼室からの燃焼ガスはガス発生器のタービンの方に向かって高速で排気される。
【0004】
その後、第1の膨張がガス発生器のタービンで発生し、その膨張時に、上記タービンは圧縮機の駆動に必要なエネルギーを抽出する。
【0005】
ガス発生器のタービンは燃焼ガスのエネルギーの全てを吸収せず、余分のエネルギーはガス発生器により生成されるガス流を構成する。
【0006】
したがって、上記ガス発生器はフリータービンに運動エネルギーを提供し、その結果、フリータービンで第2の膨張が発生して、ヘリコプタのロータなどの受け取りユニットを駆動させるためにガスからのエネルギーを回転運動エネルギーに変換する。
【0007】
当然、タービンエンジンは設定範囲内で動作するようになされ、タービンエンジンは、主に燃焼室に噴射される燃料の流量に従って動作することにより、その設定範囲内に保たれる。
【0008】
したがって、タービンエンジンの加速の段階は、特に飛行中は、パイロットからの動力要求にしたがって、燃焼室に噴射される燃料の流量は増加し、このことが生成されるガス流を増加させ、その結果、フリータービンに供給される動力を増大させる効果がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、タービンエンジンを損傷するサージ現象を避けるために、加速は特定の範囲内で行われなければならない。この現象は急激な加速時に発生する可能性があり、この加速時に、燃料の流量が多すぎるために、燃焼室から下流側の圧力は上流側の圧力、すなわち、圧縮機により供給される圧縮空気の圧力よりも高くなる。このような条件では、第1の膨張は下流側だけでなく上流側でも発生し、その結果、燃焼ガスの流量は0になり、圧縮機の圧力は下がる。
【0010】
サージ現象は、タービンエンジンを構成する部品およびタービンエンジンにより供給される動力に弊害をもたらす可能性があることはよく知られた事実である。
【0011】
加速の過渡段階には燃料の流量の著しい増加が必要であるので、通常、タービンエンジンがその動作範囲内でサージングせずに動作するのに十分な大きさのマージン(サージマージンとして知られている)が設定される。
【0012】
したがって、このようなタービンエンジンの加速性能は、そのタービンエンジンのサージマージンによって制限されることがわかる。
【0013】
本発明の目的は、より優れた加速性能を有し、かつ従来技術のタービンエンジンと同じサージマージンを有するヘリコプタのタービンエンジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、タービンエンジンの加速段階でさらに多量の回転運動エネルギーをシャフトに供給するために、ガス発生器シャフトの結合される補助モータをさらに含むことにより、上記の目的を達成することができる。
【0015】
ガス発生器シャフトとは、圧縮機とタービンとが取り付けられるシャフトである。
【0016】
本発明の意味では、補助モータは燃焼室とガス発生器のタービン(単数または複数)とで構成されるアセンブリとは完全に別個のものである、すなわち、モータはガス発生器の補助的な要素を構成する。
【0017】
したがって、タービンエンジンの加速をアシストするための手段を形成することにより、補助モータは、加速段階でガス発生器に追加のトルクを供給するのに適した形となる。このことにより、タービンエンジンの全体の加速は、燃料の流量を増加させることにより、また補助モータが追加のトルクを供給することにより有利に得られる。
【0018】
有利には、補助モータがあることによって、補助モータが余分に加速するので、タービンエンジンを加速するために燃料の流量を増加させる必要が少なくなる。
【0019】
したがって、本発明のタービンエンジンは、従来技術のタービンエンジンより加速度レベルが大きく、かつ同じサージマージンを有することは理解すべきである。
【0020】
あるいは、本発明の別の利点は、より小さいサージマージンを有するタービンエンジンを設計できることである。これにより、有利にタービンエンジンのサイズを小さくすることができる。
【0021】
さらに、本発明を使用して、加速に必要な燃料の過剰な流量が低減され、タービンエンジンの高温部分の温度が有利に下げられることも理解すべきである。
【0022】
最後に、本発明のタービンエンジンは、ヘリコプタがどのような高度でも、有利に一定の加速レベルをもたらすのに適したものである。
【0023】
第1の実施形態では、補助モータは電気モータである。
【0024】
第1の変形形態では、補助モータは、バッテリにより動力が供給される。
【0025】
別の有利な変形形態では、電気モータは、フリータービンにより回転駆動される第1の発電機により電力が供給される。
【0026】
このような条件では、回転運動を電気に変換するのに適した発電機は、フリータービンのシャフトのトルクのわずかな分だけ取り出すように寸法決めされる。当然、トルクの主な部分はヘリコプタのロータ(単数または複数)を回転駆動するためのものである。
【0027】
また、発電機は、必要に応じて、ブースタのバッテリと結合される場合がある。
【0028】
別の有利な変形形態では、電気モータはヘリコプタのロータにより回転駆動される第1の発電機により電力が供給される。
【0029】
これを実現するために、第1の発電機は、ロータの全回転エネルギーに匹敵するロータからの多量の回転運動エネルギーを取り出して、その回転運動エネルギーをガス発生器シャフトに結合される電気補助モータに電力を供給するための電気に変換する。
【0030】
ヘリコプタのロータはかなり大きな慣性のフライホイールとして働き、その結果、ロータからエネルギーを取り出すことがヘリコプタの飛行をあまり妨げることはない。
【0031】
別の実施形態では、補助モータは油圧モータである。
【0032】
また、先行技術のタービンエンジンの動作の上述した状況においては、減速は、実質的には燃料の流量を減少させることにより行われる。
【0033】
加速と同様に、減速は特定の設定範囲内で行われなければならない。
【0034】
さらにフレームアウトマージンがとられるほど、急激な燃料の流量の減少はタービンエンジンのフレームアウトにつながる場合がある。
【0035】
したがって、先行技術では、ヘリコプタに供給された動力はエンジンのフレームアウトの危険性があるためにあまりにも急激に低減されてはならないことは理解すべきである。
【0036】
本発明の別の目的は、より優れた減速性能を示すタービンエンジンを提供することである。
【0037】
本発明は、本発明のタービンエンジンがさらに、タービンエンジンの減速段階でガス発生器シャフトから多量の回転運動エネルギーを取り出すための減速アシスト手段を含むことにより上記の目的を達成することができる。
【0038】
これらのアシスト手段は補助的である、すなわち、燃焼室とガス発生器のタービンとにより形成されるアセンブリとは別個のものである。
【0039】
さらに、これらのアシスト手段は、ガス発生器シャフトの回転エネルギーを減少させることにより、タービンエンジンを減速するのに寄与する。言い換えれば、これらのアシスト手段は、一種の機械ブレーキとして働く。
【0040】
したがって、本発明を使用して、燃料の流量を過度に減らさずに、すなわち、タービンエンジンの停止の危険を冒さずに、ガス発生器のシャフトの回転スピードをより急速に低下させることが可能である。
【0041】
有利な方法で、減速アシスト手段は、ガス発生器シャフトに接続された第2の発電機を含む。
【0042】
減速段階では、第2の発電機は、ガス発生器シャフトの回転エネルギーの一部を取り出して、そのエネルギーを電気に変換するように作動される。
【0043】
好ましくは、必ずしもとは限らないが、減速アシスト手段はさらに、発電機により取り出された運動エネルギーを電気の形で蓄えるための蓄電ユニットを含む。
【0044】
したがって、蓄えられたエネルギーは、ヘリコプタの電気装置により、特に有利な形では、補助電気モータにより再利用される。この例では、蓄電ユニットは、有利には、補助電気モータのバッテリを構成することができる。
【0045】
言い換えれば、減速段階で蓄電ユニットにより蓄えられたエネルギーは、有利には、加速段階で補助電気モータに電力を供給するのに使用される。
【0046】
有利には、減速アシスト手段はさらにヘリコプタのロータに接続される第2のモータを含む。この第2のモータは発電機により電力を供給され、発電機により取り出された運動エネルギーの量がヘリコプタのロータ内で回転運動エネルギーの形で蓄えられるようにする。
【0047】
したがって、減速段階で、ガス発生器シャフトに接続された第2の発電機により供給された電気は、ロータに接続される第2のモータにより機械エネルギーに変換される。この機械エネルギーは、フライホイールとして働くロータ内に蓄えられる。
【0048】
さらにより有利には、補助モータはさらに発電機として動作することもでき、減速アシスト手段はこのモータを発電機として動作することを含むことができる。
【0049】
別の有利な実施形態では、ロータに接続される第2のモータはさらに、ガス発生器シャフトに接続される補助モータに電力を供給するための発電機として動作することも可能である。
【0050】
本発明の別の変形形態では、減速アシスト手段はさらに、ガス発生器シャフトに結合される油圧ポンプを含む。
【0051】
本発明は、非限定的な例として挙げられた一実施形態の以下の説明を読めば、よりよく理解され、本発明の利点がより明らかになる。説明は、添付図面を参照するものである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】追加の回転運動エネルギーを提供するためにガス発生器シャフトに結合された補助モータを含む、本発明のヘリコプタタービンエンジンを示す図である。
【図2】ガス発生器シャフトに供給されたエネルギーがロータから取り出され、ガス発生器シャフトから取り出されたエネルギーがロータ内に蓄えられる、本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図3】補助モータが油圧モータであり、減速アシスト手段が油圧ポンプを含む、本発明の第3の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1は、本発明の第1の実施形態を構成し、特に、ヘリコプタロータ(図示せず)を回転駆動するためのタービンエンジン10を示す図である。タービンエンジン10は、ガス発生器12と、ガス発生器12により生成されるガス流Fにより回転駆動可能なフリータービン14とを備える。
【0054】
フリータービン14は、回転運動をヘリコプタのメインロータなどの受け取りユニットに伝達するシャフト16に取り付けられる。
【0055】
図1に示されたタービンエンジン10は、後方動力取出タイプのエンジンである。本発明の範囲を逸脱せずに、外側シャフトによる伝達の前方動力取出タイプのフリータービンを有するタービンエンジン、または同軸シャフトによる伝達の前方動力取出タイプのフリータービンを有するタービンエンジンを考慮することも可能である。
【0056】
ガス発生器は、遠心圧縮機20が取り付けられた回転シャフト18と、タービン22と、ガス発生器12を回転シャフト18の軸に沿って見たときに圧縮機20とタービンとの間で軸方向に配置される燃焼室20とを含む。
【0057】
タービンエンジン10は、冷気がガス発生器12に流入する空気吸入口28を備えたケーシング26を有する。
【0058】
冷気は、ガス発生器12のエンクロージャに流入した後、遠心圧縮機20により圧縮され、その冷気は燃焼室24の入口へ送られ、燃焼室24で燃料と混合される。
【0059】
燃焼室24で発生する燃焼により燃焼ガスが高速でタービン22に向かって排気され、これによりガス発生器12のシャフト18を駆動する効果があり、ひいては遠心圧縮機20を回転駆動する効果がある。
【0060】
ガス発生器12のシャフト18の回転速度は、燃焼室24に流入する燃料の流量によって決まる。
【0061】
タービン22により抽出される運動エネルギーはあるにしても、ガス発生器からのガス流Fはかなりの量のエネルギーになる。
【0062】
図1からわかるように、ガス流Fはフリータービン14に向けられ、これによりガスがフリータービン14内で膨張して、タービンホイールおよびシャフト16が回転を始める。
【0063】
本発明によれば、タービンエンジンは、有利には、ガス発生器12のシャフト18の一端部に結合された補助モータ30を含む。
【0064】
図1に示された第1の実施形態では、補助モータ30は蓄電ユニット32により電力を供給される電気モータであり、好ましくは、バッテリ、スーパーキャパシタ群、または両方の組み合わせを備えるタイプの電気モータである。
【0065】
タービンエンジンの加速時に、モータ30は、有利には、追加の回転運動エネルギーをガス発生器12のシャフト18に提供するように作動される。したがって、ガス発生器のシャフトの加速は補助モータ30によりアシストされる。
【0066】
その後、ガス発生器のシャフト18の速度はより急激に増加し、その結果、フリータービン14のシャフト16を加速するために、タービン14から得られる動力は急激に増加する。
【0067】
特に有利な形では、補助モータ30により供給された追加のトルクはロータの加速度を増加させることができ、その結果、ヘリコプタの操縦性は改善される。
【0068】
有利な形では、電気モータ30は、フリータービン14のシャフト16に結合された第1の発電機34により電力を供給されてもよい。
【0069】
好ましくは、第1の発電機34はさらに、蓄電ユニット32を充電することができるように蓄電ユニット32に接続される。
【0070】
図1に示されたタービンエンジン10はさらに、タービンエンジン10の減速時にガス発生器12のシャフト18から多量の回転運動エネルギーを取り出すための減速アシスト手段を備える。
【0071】
これらの減速手段は、第2の発電機を備える。第2の発電機は、好ましくは、必ずしもとは限らないが、電機モータ30により構成される。
【0072】
本発明の範囲から逸脱せずに、モータ30とは別個のユニットの形の第2の発電機に提供するのも可能である。
【0073】
しかし、ここで説明した実施形態では、電気モータ30は発電機として使用するのにも適している。また、このタイプのモータ/発電機はよく知られているので、詳細に説明されていない。
【0074】
簡潔にするために、発電機として動作することができる電気モータ30は、詳細な説明の以下の部分では「モータ/発電機30」と表される。
【0075】
モータ/発電機30が発電機として動作するとき、ガス発生器12のシャフト18から多量の回転運動エネルギーを取り出して、それを電気エネルギーに変換する。
【0076】
その結果、シャフト18の回転運動エネルギーは減少され、ひいてはガス発生器12のシャフト18は、燃料の流量を減少させるだけで減速が行われる従来形態に比べてより急激に減速する。
【0077】
有利な形では、モータ/発電機30により生成された電気エネルギーは、好ましくは、蓄電ユニット32に蓄えられて、モータモードで動作するモータ/発電機30に電力を供給することで、特に、補助加速時に再利用される。
【0078】
好ましくは、コンバータおよび電子制御装置が、モータ/発電機30と蓄電ユニット32との間の電気エネルギーの交換を制御するように蓄電ユニット32とモータ/発電機30との間に配置される。
【0079】
有利な形では、モータ/発電機30は、タービンエンジンの始動時に、ガス発生器を始動する(すなわち、モータ/発電機30を回転駆動する)ためのものである。
【0080】
要約すると、知られているタービンエンジンと比較して、本発明の第1の実施形態のタービンエンジン10はさらに、蓄電ユニット32に電気的に接続され、かつガス発生器12のシャフト18に機械的に結合された電気モータ/発電機30を備える。蓄電ユニット32は、タービンエンジンの加速時にモータ/発電機に電力を供給してシャフト18に多量の追加の回転運動エネルギーを提供することができ、またタービンエンジンの減速時にモータ/発電機30によりガス発生器シャフト18から取り出された多量の運動エネルギーを電気エネルギーとして蓄えることができる。
【0081】
図2は、本発明のタービンエンジン110の第2の実施形態を示す図である。第1の実施形態の要素と同じ要素は、同じ符番に100を足したものとする。
【0082】
この第2の実施形態では、タービンエンジン110は、有利には、ガス発生器112のシャフト118に多量の追加のエネルギーを供給することができる第1の補助電気モータ130を含む。
【0083】
第1の電気モータ130は、有利には、ヘリコプタのロータ144のシャフト142に結合される第1の発電機140により電力を供給される。ヘリコプタには、ロータ144のシャフト142がタービンエンジン110のフリータービンのシャフトに結合された状態でタービンエンジン110が取り付けられる。
【0084】
言い換えれば、多量の回転運動エネルギーがロータ144から取り出され、第1の発電機140を使用して電気エネルギーに変換される。
【0085】
明らかに、取り出されるエネルギーの量はロータ144の回転運動エネルギーよりかなり少なくなるのは確実であるが、ロータの運動エネルギーが高レベルであるため、このことは特に問題にならない。
【0086】
したがって、本発明では、タービンエンジンの加速段階で、エネルギーがロータ144から取り出されてガス発生器112のシャフト118に送られ、その結果、有利にタービンエンジン110の加速度を増加させる。
【0087】
図2で示されるように、タービンエンジン110はさらに、有利にタービンエンジンの減速度を増加させることができる本発明の減速アシスト手段を含む。この減速アシスト手段は、ガス発生器112のシャフト118に結合された第2の発電機146と、ロータ114のシャフト142に接続される第2の電気モータ148とを含む。
【0088】
減速アシスト手段が作動されると、第2の発電機146がガス発生器のシャフト118から多量の回転運動エネルギーを取り出して、それを電気エネルギーに変換する。この電気エネルギーは第2の電気モータ148に伝達されて、その後、機械エネルギーに変換され、ロータ144のシャフト142に伝達される。
【0089】
したがって、本発明では、減速段階でガス発生器のシャフト112から取り出されたエネルギーは、有利にロータ144内に回転運動エネルギーの形で蓄えられ、タービンエンジンの加速段階で第1の電気モータを作動させるために、有利に再利用可能であることは理解できる。
【0090】
第1のモータ130と第2の発電機146とは単一装置、つまり、第1のモータ/発電機150を構成するのが好ましく、さらに、第1の発電機140と第2のモータ148とが単一の電気装置、つまり、第2のモータ/発電機152を構成するのが好ましい。これらのモータ/発電機の各々は、発電機として動作することができるモータである。
【0091】
本発明のタービンエンジン210の第3の実施形態について、以下で図3を参照して説明する。
【0092】
この図面では、図1で示された要素と同一の要素は、同じ符番に200を足したものとする。
【0093】
第1の実施形態と同様に、タービンエンジン210は、シャフト218を備えたガス発生器212とシャフト216を有するフリータービン214とを備える。
【0094】
本発明によれば、タービンエンジン210は、ガス発生器212のシャフト218に結合された油圧補助モータ260を備える。このモータは、タービンエンジンの加速段階でガス発生器212のシャフト218に多量の回転運動エネルギーを提供するためのものである。
【0095】
このモータ260は、ヘリコプタ内に配置された油圧源により、例えば、フリータービン214のシャフト216に結合された第1のポンプ262または任意の他の蓄電装置、好ましくは油圧アキュムレータ261により動力を提供される。
【0096】
この実施形態では、タービンエンジン210はさらに、好ましくは、ガス発生器212のシャフト218に結合された第2の油圧ポンプを備える減速アシスト手段を含む。この第2のポンプは、タービンエンジン210の減速レベルを増大させるように、ガス発生器のシャフト218から多量の運動エネルギーを取り出すためのものである。好ましくは、第2の油圧ポンプは、逆モードで動作する、すなわち、ポンプとして動作する油圧モータ260により構成される。したがって、油圧ポンプは、油圧式「発電機」に相当することが分かる。このように、取り出されたエネルギーは、油圧ブレーキアキュムレータ261内に油圧エネルギーの形で蓄えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス発生器(12)とガス発生器により生成されたガス流(F)により回転駆動されるフリータービン(14)とを備える、特にヘリコプタ用のタービンエンジン(10)であって、タービンエンジンがさらに、蓄電ユニット(32)に電気的に接続され、かつガス発生器(12)のシャフト(18)に機械的に結合された電気モータ/発電機(30)を含み、蓄電ユニットが、第1に、タービンエンジンの加速段階でモータ/発電機(30)に電力を供給してシャフト(18)に多量の追加の回転運動エネルギーを提供し、第2に、タービンエンジンの減速段階でモータ/発電機(30)によりガス発生器のシャフトから取り出された多量の運動エネルギーを電気エネルギーの形で蓄えることができることを特徴とする、タービンエンジン(10)。
【請求項2】
蓄電ユニット(32)がさらに、フリータービン(14)のシャフト(16)に結合された第1の発電機により再充電可能であることを特徴とする、請求項1に記載のタービンエンジン(10)。
【請求項3】
モータ/発電機(30)と蓄電ユニット(32)との間に位置付けられるコンバータおよび電子制御装置をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のタービンエンジン(10)。
【請求項4】
蓄電ユニット(32)が、バッテリ、またはスーパーキャパシタ群、またはその両方の組み合わせであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のタービンエンジン(10)。
【請求項5】
モータ/発電機が、タービンエンジンの作動時にガス発生器を作動するためのものであることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のタービンエンジン(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−523879(P2010−523879A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501572(P2010−501572)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【国際出願番号】PCT/FR2008/050601
【国際公開番号】WO2008/139096
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(501107994)ターボメカ (44)
【氏名又は名称原語表記】TURBOMECA