説明

ガス発生器の製造方法およびガス発生器

【課題】高シール性を有するガス発生器を安価かつ容易に実現する方法、及び高シール性を有するガス発生器を提供する。
【解決手段】開口部を有し、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体と、電気を通電するための2本以上の電極ピンと、通電により発火する点火機構を有する点火部と、前記カップ体と前記開口部側から接合して前記ガス発生剤を封止するホルダとを備えるガス発生器の製造方法であって、前記カップ体がアルミニウム系金属から形成され、前記ホルダが高強度アルミニウム合金から形成されたものであり、前記カップ体の前記開口部側端面にレーザー光を照射し、前記カップ体と前記ホルダとを溶接接合するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、純アルミニウム系素材のカップ体と、高強度アルミニウム合金素材のホルダとの間の気密性を高めるために、レーザーによる溶接を用いたガス発生器の製造方法、及び、気密性を有するガス発生器、特に自動車のシートベルトプリテンショナー等の車両搭乗者拘束装置を作動させるに好適なガス発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するための安全装置の1つとして、シートベルトプリテンショナーが知られている。このシートベルトプリテンショナーは、ガス発生器から放出される高温、高圧のガスにより作動して乗員を保護するものである。このガス発生器は、着火手段及びガス発生剤を備え、衝突時に着火手段を作動させることで、ガス発生剤を引火、燃焼させ、急速にガスを発生させるものである。
【0003】
従来のガス発生器の一例としては、図7に示すもの等が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。この図7に示すガス発生器100は、着火薬108と着火薬108に接する電極ピン109、110とを有する点火部101と、ガス発生剤102と、端面107を有するカップ体103と、点火部ケース104と、ホルダ105と、溶接可能部材106とを主構成とするものであり、溶接可能部材106の第2円柱部106bの第1円柱部106a側端部とカップ体103の開口側の端面107とが溶接されているものである。この溶接は、溶接可能部材106の端部106c側からなされている。
【特許文献1】国際公開第WO03/022645号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、本発明者の実験によると、例えば、アルミニウム系金属で形成されたカップ体103と、高強度アルミニウム合金で形成された溶接可能部材106とを接合する際、溶接可能部材106の端部106c側をレーザーで加熱すると、カップ体103との接触面の溶接が不十分で、高気密性を達成することが困難という問題が生じていた。この原因は、以下の通りである。レーザーの反射率が大きく、かつ熱伝導が良いアルミニウムを溶接するためには、大きな出力のレーザーを照射する必要がある。しかし、このような大きなエネルギを与えると、高強度アルミニウム合金が含有するMgやCuなどの低沸点の金属が爆飛して、溶接欠陥がおこり、シール性を損なってしまうのである。なお、溶接可能部材106とカップ体103との接触面を加熱しても、同様の問題が生じることが判明した。このような気密性に劣るガス発生器は、例えば高湿な雰囲気に長時間放置された場合、内部のガス発生剤、点火薬、着火薬が吸湿し、着火性能、燃焼性能に異常をきたすおそれがある。
また、カップ体103の外表面側から加熱して溶接可能部材106と溶接する方法も考えられるが、この場合加熱すべき部分の体積が大きくなりすぎて、多大なエネルギを必要とするため、爆飛が起こりやすくなり、実用化が困難という問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、高シール性を有するガス発生器を安価かつ容易に実現する方法、及び高シール性を有するガス発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明では、高強度アルミニウム合金製のホルダと、アルミニウム系金属製のカップ体の開口部を、レーザー溶接により接合して、高いシール性を実現し、前記課題の解決に成功したものである。
【0007】
すなわち、本発明は、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体と、電極ピンと、通電により発火する点火機構を有する点火部と、前記カップ体と前記カップ体の開口部側から挿入して前記ガス発生剤を封止するホルダとを備えるガス発生器の製造方法であって、前記カップ体がアルミニウム系金属、好ましくは純アルミニウムから形成され、前記ホルダが高強度アルミニウム合金から形成されたものであり、前記カップ体の前記開口部側の端面にレーザー光を照射し、前記カップ体と前記ホルダとを溶接接合するものである。
上記構成により、低沸点金属の含有率が低いカップ体に集中的に熱を加え、その余熱により、高強度アルミニウム合金製のホルダの一部を溶かすことになり、ホルダへの集中的なエネルギの投入が回避できるので、高強度アルミニウム合金に含まれるMgやCuなどの低沸点金属の爆飛を抑えることができ、溶接欠陥の発生を抑止できる。この結果として、気密性の高いガス発生器が得られる製造方法を提供できる。
【0008】
ここで、アルミニウム系金属とは、純アルミニウムや、マグネシウム、銅等の低沸点金属含有量が1%以下のアルミニウム合金等をいう。なお、カップ体には、純度の高いアルミニウムを用いることが好ましい。高強度アルミニウム合金と異なり、溶接欠陥の防止に対し有効なためである。
【0009】
また、ホルダに高強度アルミニウム合金が用いられるのは、限られた寸法内で、ホルダとしての所望の強度を発揮し、かつ、鉄系合金よりも加工性が良いため、コストを低減させることができるためである。また、カップ体にアルミニウム系金属が用いられるのは、強度がそれほど要求されないためである。
【0010】
本発明のガス発生器の製造方法は、前記カップ体内部に前記ホルダを挿入した後、前記レーザー光が照射されることが好ましい。
上記構成に示すように圧入することで、溶接部位の間の隙間がほとんどなくなった状態で溶接接合するため、隙間の偏りによる溶接状態のばらつきを抑えることが出来、気密性の高いガス発生器を確実に得ることができる。従って、溶接の歩留まりを向上させることができる。
【0011】
本発明のガス発生器の製造方法は、前記レーザー光の出力波形が制御波形であることが好ましい。
上記構成により、矩形波のレーザー光の照射に比べて、溶接部が急速に冷えてしまうことを軽減することが可能となり、この急速な冷却に伴う溶接部のひび割れを防ぐことができるので、気密性の高いガス発生器をより確実に得ることができる。
【0012】
本発明のガス発生器の製造方法は、前記ホルダが、前記カップ体に挿入された際、前記カップ体の前記開口部側端面と同一平面上で隣接する環状面を有するものであって、前記溶接が前記開口部側端面と前記環状面との間でなされることが好ましい。
上記構成により、カップ体の溶融部分の熱エネルギをホルダの溶接部に効果的に伝えることができ、より少ない照射エネルギで溶接することができるため、気密性の高いガス発生器をさらに確実かつ効率的に得ることができる。
【0013】
本発明は、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体と、電気を通電するための2本以上の電極ピンと、通電により発火する点火機構を有する点火部と、前記カップ体と前記カップ体の開口部において接合され前記ガス発生剤を封止するホルダとを備えるガス発生器であって、前記カップ体がアルミニウム系金属から形成され、前記ホルダが高強度アルミニウム合金から形成されたものであり、前記カップ体の前記開口部と前記ホルダとが、前記カップ体の開口部側の端面にレーザー照射することにより、レーザー溶接接合されたものである。
上記構成により、気密性の高いガス発生器を得ることができる。
【0014】
本発明のガス発生器は、前記ホルダが、前記電極ピンが貫通する孔が形成され、前記孔の一部に縮径部を有してなり、前記電極ピンが、塞栓を介して前記孔に固定されており、前記点火部が、前記各電極ピンの頭部同士を連結する抵抗体と、少なくとも前記抵抗体の周囲に形成される着火薬とを有することが好ましい。
上記構成により、湿気等に対するシール性が向上し、また、高温下でガス発生器が作動した場合でも、電極ピンが飛び出しにくいガス発生器を安価に提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るガス発生器を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係るガス発生器の軸方向断面図である。図2は図1のガス発生器においてカップ体3の底部分から見た図、図3は図1のIII−III断面矢視図である。図1において、ガス発生器10は、着火薬8と、着火薬8に接する電極ピン9a、9bとを有し、この電極ピン9a、9bへの通電により発火する点火部1と、ガス発生剤2とを有し、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体3と、塞栓4a、4bと、ホルダ5とを備えるものである。
【0016】
カップ体3は、大径の円筒部3aと、この円筒部3aに連なる有底筒部3bと、開口部を含んでおり、この開口部の端部には端面7、すなわち、カップ体3の開口部側の端面を有する。図2に示すように、有底円筒部3bの底面には、6本の切欠き部3cが中心から放射状に形成されている。そして、カップ体3内のガス発生剤2が燃焼して高温且つ高圧のガスが発生したときには、そのガスの圧力により切欠き部3cが破断して、図示しないシートベルトプリテンショナーへガスが直接放出される。なお、カップ体3の材質としては、アルミニウム系金属、特に、添加物0.5%以下の純アルミニウムが好ましい。
【0017】
ホルダ5は略有底円筒状であり、電極ピン9a、9bが樹脂製の塞栓4a、4bのそれぞれを介して固定されるための縮径部を有する孔が設けられている。ホルダ5の孔は、その中に電極ピン9a、9bが塞栓4a、4bを介して挿入された状態で、その周端面をカシメることにより、縮径するように塑性変形させられ、この縮径された部分で電極ピン9a、9bおよび塞栓4a、4bをホルダ5に固定している。なお、ホルダ5の材質としては、高強度アルミニウム合金が挙げられる。
【0018】
電極ピン9a、9bは、電橋線11によって通電可能に電気的に接続されているが、塞栓4a、4bにより、ホルダ5とは電気的に絶縁されている。また、電極ピン9a、9bは、例えば、銅、鉄等の導電性金属合金材料で形成されるものであるが、表面に金メッキ等が施されていてもよい。
【0019】
塞栓4a、4bは、貫通孔を有する短筒状であり、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポエチレンイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン等の樹脂が用いられる。これらの中でも、特に、シール性、耐熱性に優れた材料として、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホンを用いることが好ましい。
【0020】
ホルダ5とカップ体3とは、図4(a)に示すように、カップ体3の開口部において、ホルダ5が内部側に圧入されている。このとき、ホルダ5の環状面6が、カップ体3の開口部の端面7と同一平面上で隣接するように位置調整されている。その後、端面7にレーザー光を照射し、カップ体3とホルダ5とを溶接する(図4(b)参照)。なお、レーザーには、矩形波でないもの、例えば、図5(a)、(b)に示すような制御波形のものを用いる。
また、レーザーの種類としては、アルミニウムの溶接に有効なNd−YAGレーザーを用いることが望ましい。このNd−YAGレーザーによれば、歪みの少ない溶接が容易にできる(図1参照)。
【0021】
点火部1は、電極ピン9a、9bの頭部同士を連結する抵抗体(電橋線11)と、抵抗体(電橋線11)の周囲に配される着火薬8を有する。着火薬8は、抵抗体(電橋線11)に電流が流れた際の発熱で燃焼を開始し、後述するガス発生剤2を引火させるものである。
【0022】
ガス発生剤2は、カップ体3の内側に充填されている。ここで、使用できるガス発生剤は、従来使用されている無煙火薬等が挙げられるが、好ましくは、燃料成分として含窒素有機化合物、酸化剤成分として無機化合物、及び少なくとも1種以上の添加物を含有するガス発生剤が良い。具体的には、燃料成分として、ニトログアニジン、アミノテトラゾール、硝酸グアニジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。また、酸化剤成分としては、硝酸ストロンチウム、硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、塩基性硝酸銅よりなる群から選ばれる少なくとも一種以上が挙げられる。添加物としては、二酸化珪素、窒化珪素、三酸化モリブデン、タルク、クレー、カオリン、シランカップリング剤等が挙げられる。その他、ガス発生剤に添加しうる添加剤としては、バインダーなどが挙げられ、バインダーとして、グアガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性セルロースエーテル、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミドよりなる群から選ばれる少なくとも一種以上が挙げられる。好適なガス発生剤の組み合わせとしては、燃料成分としてニトログアニジン、5−アミノテトラゾール及び硝酸グアニジン、酸化剤として硝酸ストロンチウム及び過塩素酸アンモニウム、バインダーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリルアミドを含有するガス発生剤である。より好適には、燃料成分としてニトログアニジン25〜45重量%、酸化剤として硝酸ストロンチウムを15〜35重量%、過塩素酸アンモニウムを15〜35重量%、バインダーとしてヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリアクリルアミドとの混合物を1〜10重量%含有するガス発生剤である。
【0023】
次に、以上説明したガス発生器10の作用について説明する。図示しない衝突センサが自動車の衝突を感知すると、2本の電極ピン9a、9bに着火電流が通電される。すると、電極ピン9a、9bに接続された抵抗体である電橋線11が発熱し、電橋線11の周囲に配された着火薬8が発火、燃焼を開始する。この着火薬8の火炎で、ガス発生剤2が引火、燃焼する。ガス発生剤2の燃焼によりカップ体3内に発生した高温のガスは、カップ体3の内圧を急速に高め、やがてカップ体3の底部に設けられている切欠き部3cを破断して、ガスが放出される。なお、2本の電極ピン9a、9bは、塞栓4a、4bを介してホルダ5の孔に個別にカシメ固定されているため、カップ体3内が高温且つ高圧の状態においても、2本の電極ピン9a、9bがホルダ5から抜けて外側へ飛び出しにくくなっている。
【0024】
次に、ガス発生器10の製造方法について説明する。カップ体3に所定量のガス発生剤2が計量され装填される。電極ピン9a、9bには、それぞれ塞栓4a、4bがその周囲にはめ込まれ、また、それらはホルダ5に設けられた縮径部を有する孔にはめ込まれる。そして、ホルダ5に設けられた孔にカシメられることで、塞栓4a、4bの孔が縮径するように塑性変形されて、ホルダ5に電極ピン9a、9b、塞栓4a、4bが固定される。次いで、電極ピン9a、9bの内部側各先端に電橋線11が接続され、その周囲に着火薬8が配される。このようにして点火部1が形成されたホルダ5は、環状面6が、カップ体3の開口部の端面7と同一平面上で隣接するように、カップ体3に圧入される。その後、端面7(好ましくは、端面7の幅方向中心付近)にレーザー光(例えば、Nd−YAGレーザー光)を照射し、カップ体3とホルダ5とを溶接し接合する(図4参照)。なお、レーザーには、矩形波でないもの、例えば、図5(a)、(b)に示すような制御波形のものを用いる。
【0025】
上記構成によれば、低沸点金属の含有率が低いアルミニウム合金系のカップ体に集中的に熱を加え、その余熱により、高強度アルミニウム合金製のホルダの一部を溶かすことになり、ホルダへの集中的なエネルギの投入が回避できるので、高強度アルミニウム合金に含まれるMgやCuなどの低沸点金属の爆飛を抑えることができ、溶接欠陥の発生を抑止できる。この結果として、気密性の高いガス発生器が得られる。また、端面7の幅方向内側には、プレス加工などの影響により曲面が存在する場合があるが、この場合、アルミニウム合金系であるカップ体3の溶融部分が、高強度アルミニウム合金製であるホルダ5に溶接されるまでに温度が若干下がり、高強度合金を溶かすために適切な温度となり、より好ましい場合がある。そのため、端面7の幅方向内側には積極的に曲面を与えても構わないが、適宜決定することが好ましい。参考値として、A1060の融点は、646℃〜657℃、A6061の融点は、582〜652℃である(出展:社団法人日本アルミニウム協会編アルミニウムハンドブック)。
【0026】
また、カップ体にホルダを圧入するため、溶接部位の間の隙間がほとんどなくなった状態でレーザー溶接を行うので、気密性の高いガス発生器を確実に得ることができる。従って、レーザー溶接の歩留まりを向上させることができる。
【0027】
さらに、レーザー光の波形が制御波形であるため、矩形波のレーザー光の照射に比べて、溶接部が急速に冷えてしまうことを軽減することが可能となり、この急速な冷却に伴う溶接部のひび割れを防ぐことができるので、気密性の高いガス発生器をより確実に得ることができる。なお、図5(b)に示すような2段以上の制御波形を用いるのが好ましい。
【0028】
ホルダが、カップ体に圧入された際、カップ体の開口部側端面と同一平面上で隣接する環状面を有するものであって、圧入後の溶接がカップ体の開口部側端面とホルダの環状面との間でなされるので、カップ体の溶融部分の熱エネルギをホルダの溶接部に効果的に伝えることができ、より少ない照射エネルギで溶接することができるため、気密性の高いガス発生器をさらに確実かつ効率的に得ることができる。
【0029】
なお、上記実施形態の変形例として、図6のカップ体3の端面7付近の一部拡大図に示すように、ホルダ5の環状面6が、カップ体3の開口部の端面7と同一平面上で隣接していなくとも、端面7(好ましくは、端面7の幅方向中心付近)にレーザー光を照射することで、カップ体3とホルダ5とを溶接することとしてもよい。また、電極ピンが3本以上ある構成のガス発生装置であってもよい。これらのような構成のガス発生装置でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0030】
なお、本発明は、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で設計変更できるものであり、上記実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態に係るガス発生器の断面図である。
【図2】図1のガス発生器において、カップ体の底部分から見た図である。
【図3】図1のIII−III断面矢視図である。
【図4】図1のカップ体の開口部付近の一部拡大図であって、レーザー溶接について説明するための図である。
【図5】本発明に用いられるレーザーの制御波形の例を示す図である。
【図6】本発明のガス発生器の変形例のカップ体の端面付近の一部拡大図であって、レーザー溶接について説明するための図である。
【図7】従来のガス発生器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0032】
1、101 点火部
2、102 ガス発生剤
3、103 カップ体
3a 円筒部
3b 有底筒部
3c 切欠き部
4a、4b 塞栓
5、105 ホルダ
6 環状面
7、107 端面
8、108 着火薬
9a、9b、109、110 電極ピン
10、100 ガス発生器
11 電橋線
104 点火部ケース
106 溶接可能部材
106a 第1円柱部
106b 第2円柱部
106c 端部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体と、電極ピンと、通電により発火する点火機構を有する点火部と、前記カップ体と前記カップ体の開口部側から挿入して前記ガス発生剤を封止するホルダとを備えるガス発生器の製造方法であって、
前記カップ体がアルミニウム系金属から形成され、前記ホルダが高強度アルミニウム合金から形成されたものであり、
前記カップ体の前記開口部側の端面にレーザー光を照射し、前記カップ体と前記ホルダとを溶接接合するガス発生器の製造方法。
【請求項2】
前記カップ体内部に前記ホルダを挿入した後、前記レーザー光が照射される請求項1記載のガス発生器の製造方法。
【請求項3】
前記レーザー光の出力波形が制御波形である請求項1又は2に記載のガス発生器の製造方法。
【請求項4】
前記ホルダが、前記カップ体に挿入された際、前記カップ体の前記開口部側端面と同一平面上で隣接する環状面を有するものであって、前記溶接が前記開口部側端面と前記環状面との間でなされる請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス発生器の製造方法。
【請求項5】
燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を装填するカップ体と、電気を通電するための2本以上の電極ピンと、通電により発火する点火機構を有する点火部と、前記カップ体と前記カップ体の開口部において接合され前記ガス発生剤を封止するホルダとを備えるガス発生器であって、
前記カップ体がアルミニウム系金属から形成され、前記ホルダが高強度アルミニウム合金から形成されたものであり、
前記カップ体の前記開口部と前記ホルダとが、前記カップ体の開口部側の端面にレーザー照射することにより、レーザー溶接接合されたガス発生器。
【請求項6】
前記ホルダは、前記電極ピンが貫通する孔が形成され、前記孔の一部に縮径部を有しており、
前記電極ピンは、塞栓を介して前記孔に固定されており、
前記点火部は、前記各電極ピンの頭部同士を連結する抵抗体と、少なくとも前記抵抗体の周囲に形成される着火薬とを有することを特徴とする請求項5記載のガス発生器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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