説明

ガス絶縁機器

【課題】作業員の安全性を確保しつつ、異物管理を行うことのできるガス絶縁機器を提供する。
【解決手段】ガス絶縁機器は、絶縁ガス4が封入された密閉容器2と、密閉容器2内に挿通され、電力を運送するための高電圧が印加された高電圧導体1と、高電圧導体1を密閉容器2内に支持する絶縁スペーサ3とを備えている。そして、この密閉容器2の内面には、異物の衝突によって発光する応力発光材料9が塗布され、この応力発光材料9を臨むように、応力発光材料9の発光を観測するための観測手段が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、密閉容器内に絶縁ガスが封入されたガス絶縁機器に関する。発電所や変電所等において使用されるガス絶縁開閉装置、及びこれが備えるガス絶縁母線に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、高発電所や変電所等の電圧大容量の電力系統においては、遮断器、開閉装置、変圧器等の各種機器が配置されているが、これら機器には都市部の地下変電所への適用や、経済性の向上が求められており、機器のコンパクト化を図ることが急務となっている。
【0003】
機器のコンパクト化を進展させるには、絶縁性能の向上が極めて重要な役割を担っている。コンパクト化の進展に伴い、機器内部の高電圧導体とその容器との間の絶縁距離が短くなり、絶縁破壊の危険性が高まるからである。そこで、これら機器の多くは、密閉容器内に絶縁ガスを封入したガス絶縁機器として構成されることで、絶縁性能が高められている。
【0004】
ガス絶縁機器の一例として、開閉装置を例にとり説明する。図6に示すように、この開閉装置は、遮断器21、母線22、断路器23、接地開閉器24、電圧変成器25、及びケーブルヘッド26を有し、制御盤27により制御されている。遮断器21には、その一方の口出し部に母線22が接続され、他方の口出し部には、断路器23、接地開閉器24、及び電圧変成器25等を介してケーブル線路側のケーブルヘッド26が接続されている。これら各機器は、高電圧導体によって互いに電気的に接続されている。
【0005】
そして、図7に示すように、各機器を接続する高電圧導体1は、絶縁物である絶縁スペーサ3によって中空に支持されることで、密閉容器2内に挿通しており、この密閉容器2内に絶縁や消弧のための絶縁ガス4を充填することで、密閉容器2と高電圧導体1とを電気的に絶縁している。
【0006】
このため、ガス絶縁機器は、絶縁性能及び安全性に優れ、また、設置スペースの縮小化が可能である。しかしながら、ガス絶縁機器の製造、組立、輸送などのプロセスにおいては、異物が混入してしまい、特に電界の高い箇所では、この異物が挙動してしまうおそれがある。電界の高い箇所としては、密閉容器2の底面電界、または絶縁スペーサ3の沿面電界が挙げられる。このような箇所で異物が挙動してしまうと、異物挙動による絶縁破壊のおそれが生じる。
【0007】
そこで、異物挙動を抑制する対策として、高電界が発生し易い箇所に絶縁コーティングを塗布することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。密閉容器2の内面、絶縁スペーサ3の沿面、及び高電圧導体1の周面にフッ素樹脂被覆等の絶縁コーティングを塗布するものである。フッ素樹脂被覆であれば、異物の保持能を有しており異物の起立や浮上を防止でき、仮に異物が起立や浮上をしても、その優れた絶縁耐力により、全路破壊を防ぐことができる。
【0008】
しかしながら、ガス絶縁機器の急速なコンパクト化の進展を考えると、近い将来は、現行の絶縁コーティングであっても異物挙動に対する抑制能力が不足してくるものと考えられる。
【0009】
そのため、異物挙動の抑制方策と並行して、ガス絶縁機器の異物管理能力の向上をも目指していかなくてはならない。一般的に、異物を管理する方法としては、超音波によって運転中のガス絶縁開閉装置内部に動いた異物を見つける超音波診断法がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
この方法は、密閉容器2の表面に超音波探触子を取り付け、受信した超音波信号をオシロスコープ等の解析装置で観測するものである。異物が存在すると、その異物からの反射波を距離減衰特性に基づき解析し、異物の存在とおおよその位置を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許3028975号公報
【特許文献2】特開平10−160563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
超音波診断による異物管理の手法では、ガス絶縁装置に電圧が印加されている間に、作業員が当該機器に近づかねばならない。そのため、作業員に感電の危険性が伴う。また、超音波センサの感度によっては、異物が見つからない可能性もある。
【0013】
そのため、異物管理の手法として、作業員の安全性を確保しつつ、異物の発見精度を上げ、異物をより確実に除去することのできる新しい手法が待望されている。
【0014】
本発明の実施形態は、上記の課題を解消するために提案されたものであり、作業員の安全性を確保しつつ、異物管理を行うことのできるガス絶縁機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、実施形態のガス絶縁機器は、絶縁ガスが封入された密閉容器と、密閉容器内に挿通され、電力を運送するための高電圧が印加された高電圧導体と、高電圧導体を密閉容器内に支持する絶縁スペーサとを備えている。そして、この密閉容器の内面には、異物の衝突によって発光する応力発光材料が塗布され、この応力発光材料を臨むように、前記発光を観測するための観測手段が備えられている。
【0016】
また、他の実施形態に係るガス絶縁機器は、応力発光材料が絶縁スペーサの表面に塗布されている。さらに、他の実施形態に係るガス絶縁機器は、応力発光材料が密閉容器の外面に塗布されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体部分を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係るガス絶縁開閉装置が有する応力発光材料を示す模擬図である。
【図3】第2の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体部分を示す模式図である。
【図4】第3の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体部分を示す模式図である。
【図5】第4の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体部分を示す模式図である。
【図6】ガス絶縁機器の一例であるガス絶縁開閉装置の全体構成を示す模式図である。
【図7】従来のガス絶縁機器の高電圧導体部分の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、ガス絶縁機器の各実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
(構成)
まず、第1の実施形態に係るガス絶縁機器について説明する。図1に第1の実施形態に係るガス絶縁機器を構成する高電圧導体1及びこれを収容する密閉容器2を示す。図1の(a)は、高電圧導体1及び密閉容器2を側面から見た断面図、(b)は、高電圧導体1及び密閉容器2を輪切りにした断面図である。
【0020】
図1に示すように、密閉容器2の内部には、高電圧導体1が挿通している。この高電圧導体1は、密閉容器2の内面と離間させるべく、絶縁スペーサ3によって中空に支持されている。また、密閉容器2の内面には、異物の衝突に応答して発光する応力発光材料9が塗布されている。更に、密閉容器2には、この応力発光材料9と対向するように、監視窓10と受光部11が設けられている。受光部11は、監視窓10越しに設置されている。
【0021】
密閉容器2は、金属製の容器である。この密閉容器2には絶縁ガス4が封入されている。絶縁ガス4としては、SFガスが挙げられる。近年、SFガスは地球温暖化係数の高いガスであるため、排出規制対象に指定されている。そのため、環境低負荷化の観点から、封入する絶縁ガス4として、自然由来ガスである空気、二酸化炭素、酸素、窒素、またはそれらの混合ガスを用いるようにしてもよい。
【0022】
絶縁スペーサ3は、絶縁物であり、コーン形状を有している。絶縁スペーサ3の裾野には、フランジが形成されている。絶縁スペーサ3は、密閉容器2間の継ぎ目にフランジが挟み込まれることで、コーンの頂点部分が密閉容器2の軸線と一致された状態で密閉容器2内に取り付けられている。
【0023】
絶縁スペーサ3のコーン頂点部分は、平面領域となっている。絶縁スペーサ3の平面領域には、平面領域よりも一回り小さい開口が設けられている。この絶縁スペーサ3の開口には、接触子7が挿入されている。接触子7は、絶縁スペーサ3のコーン頂点部分の厚みよりも長い導電性の円柱体であり、絶縁スペーサ3の両側から突出している。
【0024】
高電圧導体1は、例えば、アルミニウムや銅など単一材料で形成された円柱体である。この高電圧導体1は、絶縁スペーサ3のコーン頂点部分の表面及び裏面にそれぞれ対向配置されており、密閉容器2の軸線と概略一致する。高電圧導体1の少なくとも両端は、中空部となっている。高電圧導体1は、絶縁スペーサ3を貫通した接触子7が中空部に挿入されることにより、接触子7を介して絶縁スペーサ3に支持される。
【0025】
また、高電圧導体1の両端内部には、導電性のコンタクト8が設けられている。コンタクト8は、接触子7の先端周囲と高電圧導体1の内面とに接触している。すなわち、高電圧導体1は、接触子7とコンタクト8とを介して隣の高電圧導体1と電気的に接続されている。母線22又は接続機器の中端部分においては、この電気的接続態様により、複数の高電圧導体1が継ぎ合わせられて、全体として一本の電路を形成する。
【0026】
応力発光材料9は、密閉容器2の両端の下部に塗布され、絶縁スペーサ3と隣接している。その塗布範囲は、密閉容器2の周方向において、内周約3分の1にわたり、密閉容器2の長さ方向において、絶縁スペーサ3の位置から密閉容器2の径と同等の長さまで及ぶ。この塗布範囲は、密閉容器2の接合部及び絶縁スペーサ3の近傍を意味し、異物の存在可能性が他所と比べて高く、また電界が他所と比べて高いために絶縁破壊を起こしやすい範囲である。
【0027】
この応力発光材料9は、図2に示すように、機械的外力によって発光する応力発光素子9aを透明性絶縁樹脂9bに充填したものである。応力発光素子9aとしては、一例としてアルミン酸ストロンチウムのようなアルミン酸塩が挙げられる。この応力発光素子9aは、その粒径を数μm以下とし、透明性絶縁樹脂9bになるべく多く充填されることが望ましい。ガス絶縁機器に存在する可能性のある異物は、0.1mm程度の大きさのものが多く、このような細かい異物を精度よく検出するためである。
【0028】
監視窓10及び受光部11は、密閉容器2の両端に塗布された応力発光材料9を観察する監視手段であり、応力発光材料9を臨めるように、密閉容器2の上半分側、且つ密閉容器2の両端に一対ずつ配置される。受光部11は、例えば、フォトカプラ等の受光センサやビデオカメラであり、監視窓10を介して応力発光材料9の発光を感知する。
【0029】
(作用・効果)
このようなガス絶縁機器の作用について説明する。まず、異物は、密閉容器2の接合部及び絶縁スペーサ3の近傍に存在する可能性が高い。そのため、異物は、密閉容器2の両端側の内面に衝突しやすい。そして、この衝突位置には、応力発光材料9が塗布されている。応力発光材料9が塗布された範囲に異物が衝突すると、応力発光材料9に充填された応力発光素子9aに衝撃等の機械的外力が加わるため、発光現象が生じる。
【0030】
応力発光素子9aが発した光は、応力発光材料9に臨む監視窓10に至り、監視窓10越しに受光部11によって捉えられる。受光部11が応力発光材料9の発光を感知した場合には、その発光位置に異物が存在することを示す。
【0031】
従って、受光部11をガス絶縁機器と離して設置した報知手段と電気的に接続しておき、受光部11の感知に応じて報知手段が異物検出を報知するようにしておけば、保守担当者はガス絶縁機器に近づくことなく、遠隔監視によって異物の存在を知ることができる。
【0032】
報知手段としては、モニタ、スピーカ、パトランプ等が挙げられ、モニタに異物検出を示す画像を表示させたり、スピーカに音声を出力させたり、パトランプを点灯させるようにすればよい。
【0033】
以上のように、第1の実施形態に係るガス絶縁機器は、絶縁ガスが封入された密閉容器2内に、高電圧導体1を絶縁スペーサ3で支持することで挿通させ、この密閉容器2の内面に応力発光材料9を塗布するようにした。そして、この応力発光材料9の異物の衝突による発光を観測窓10や受光部11によって観測するようにした。これにより、異物の存在を遠隔監視でき、保守担当者が感電する危険性を回避することが可能となる。
【0034】
また、第1の実施形態では、応力発光材料9を密閉容器2の下部に周の3分の1にわたって、絶縁スペーサ3の位置から密閉容器2の径と同等の長さまで及ぶように、絶縁スペーサ3に隣接する密閉容器2の両端に塗布した。すなわち、異物の存在可能性が他所と比べて高く、また電界が他所と比べて高いために絶縁破壊を起こしやすい位置を重点的に監視するようにした。これにより、異物を効果的に検出及び除去することができ、ガス絶縁機器の絶縁性能を効率よく確保しつつ、機器の寸法を効率よく縮小することができる。
【0035】
(第2の実施形態)
(構成)
第2の実施形態に係るガス絶縁機器について図3を参照しつつ詳細に説明する。図3は、第2の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体1及び密閉容器2を示す模式図である。図3の(a)は、高電圧導体1及び密閉容器2を側面から見た断面図、(b)は、高電圧導体1及び密閉容器2を輪切りにした断面図である。
【0036】
図3に示すように、第2の実施形態に係るガス絶縁機器では、密閉容器2の外面に応力発光材料9を塗布している。具体的には、応力発光材料9は、密閉容器2の外面両端の下部に塗布され、その塗布範囲は、密閉容器2の周方向において、内周約3分の1にわたり、密閉容器2の長さ方向において、絶縁スペーサ3の位置から密閉容器2の径と同等の長さまで及ぶ。
【0037】
ガス絶縁機器の一種であるガス絶縁開閉装置において、運転電圧より高い電圧で試験を実施する場合には、異物の挙動は激しくなり、異物が密閉容器2に衝突した際の応力は、密閉容器2の外側まで達する。そのため、密閉容器2の外面に応力発光材料9を塗布した場合であっても、応力発光材料9は異物の衝突を感知して発光することができる。
【0038】
従って、応力発光材料9を密閉容器2の外面に塗布した場合には、ガス絶縁機器の外部から保守担当者による直接視認によって異物の存在を監視できるため、監視窓10を設置する必要が無くなり、ガス絶縁機器の製造コストを削減することができる。尚、直接視認する以外にも、ガス絶縁機器の外部に受光センサやビデオカメラ等の受光部11を設置するようにしてもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係るガス絶縁機器について図4を参照しつつ詳細に説明する。図4は、第3の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体1及び密閉容器2を示す模式図である。図4の(a)は、高電圧導体1及び密閉容器2を側面から見た断面図、(b)は、高電圧導体1及び密閉容器2を輪切りにした断面図である。
【0040】
第3の実施形態に係るガス絶縁機器は、密閉容器2の外面にも内面にも応力発光材料9を塗布している。その塗布範囲は、それぞれ、密閉容器2の両端の下部であって、密閉容器2の周方向において、内周約3分の1にわたり、密閉容器2の長さ方向において、絶縁スペーサ3の位置から密閉容器2の径と同等の長さまで及ぶ。
【0041】
このガス絶縁機器では、運転電圧による異物挙動に対しては密閉容器2の監視窓10から監視でき、異物挙動が激しい場合は、密閉容器2の外側からも発光を観測することができる。従って、高度に異物を管理した状態でガス絶縁機器を製造することができ、高品質のガス絶縁機器を提供することができる。
【0042】
(第4の実施形態)
第4の実施形態に係るガス絶縁機器について図5を参照しつつ詳細に説明する。図5は、第4の実施形態に係るガス絶縁機器の高電圧導体1及び密閉容器2を側面から見た断面図である。
【0043】
図5に示すように、応力発光材料9は、絶縁スペーサ3等の絶縁物の表面又は表層に塗布又は充填することもできる。密閉容器2の内面又は外面に応力発光材料9を塗布した場合と同様に、絶縁スペーサ3等の絶縁物に異物が衝突した際の発光を捉えることでき、異物の監視可能範囲が拡がり、異物の存在位置の確認が容易となるため、ガス絶縁機器の異常診断や異物除去のための詳細情報を得ることができる。
【0044】
(他の実施形態)
以上、本明細書においては、本発明に係る複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであって、発明の範囲を限定することを意図していない。各実施形態の全て又はいずれかを組み合わせたものも発明の範囲に包含される。また、各実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の省略や置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0045】
例えば、実施形態では、応力発光材料9の塗布範囲を密閉容器2の両端下部の絶縁スペーサ3と隣接する位置、密閉容器2の周方向において、内周約3分の1にわたり、長さ方向において、絶縁スペーサ3の位置から密閉容器2の径と同等の長さとした。この塗布範囲は、特に異物が存在しやすく、電界の高い箇所を重点的に監視するためのものであるが、これに限ることなく、各所に応力発光材料9を塗布することが可能である。
【0046】
一例として、密閉容器2の下部の中央付近に応力発光材料9を塗布するようにしてもよい。密閉容器2が長い場合には、両端の他に中央付近にも監視窓10と受光部11を設け、中央付近に塗布した応力発光材料9を観測容易にするようにしてもよい。一方で、密閉容器2が短く、一つの監視窓10で密閉容器2の全領域を観測できる場合には、全ての応力発光材料9の全領域が見渡せる1箇所に監視窓10を設置するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 高電圧導体
2 密閉容器
3 絶縁スペーサ
4 絶縁ガス
7 接触子
8 コンタクト
9 応力発光材料
9a 応力発光素子
9b 透明性絶縁樹脂
10 監視窓
11 受光部
21 遮断器
22 母線
23 断路器
24 接地開閉器
25 電圧変成器
26 ケーブルヘッド
27 制御盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁ガスが封入された密閉容器と、
前記密閉容器内に挿通され、電力を運送するための高電圧が印加された高電圧導体と、
前記高電圧導体を前記密閉容器内に支持する絶縁スペーサと、
前記密閉容器の内面に塗布され、異物の衝突によって発光する応力発光材料と、
前記発光を観測するための観測手段と、
を備えること、
を特徴とするガス絶縁機器。
【請求項2】
絶縁ガスが封入された密閉容器と、
前記密閉容器内に挿通され、電力を運送するための高電圧が印加された高電圧導体と、
前記高電圧導体を前記密閉容器内に支持する絶縁スペーサと、
前記絶縁スペーサの表面に塗布又は表層に充填され、異物の衝突によって発光する応力発光材料と、
前記発光を観測するための観測手段と、
を備えること、
を特徴とするガス絶縁機器。
【請求項3】
前記監視手段は、密閉容器に設けられた監視窓であること、
を特徴とする請求項1又は2記載のガス絶縁機器。
【請求項4】
前記監視手段は、
前記監視窓越しに前記応力発光材料の発光を観測する受光手段を含むこと、
を特徴とする請求項3記載のガス絶縁機器。
【請求項5】
絶縁ガスが封入された密閉容器と、
前記密閉容器内に挿通され、電力を運送するための高電圧が印加された高電圧導体と、
前記高電圧導体を前記密閉容器内に支持する絶縁スペーサと、
前記密閉容器の外面に塗布され、異物の衝突によって発光する応力発光材料と、
を備えること、
を特徴とするガス絶縁機器。
【請求項6】
前記応力発光材料は、
前記密閉容器の下部に周の3分の1にわたって塗布されること、
を特徴とする請求項1又は5記載のガス絶縁機器。
【請求項7】
前記応力発光材料は、前記絶縁スペーサに隣接する前記密閉容器の両端に塗布されること、
を特徴とする請求項1、5、又は6に記載のガス絶縁機器。
【請求項8】
前記応力発光材料は、前記密閉容器の軸方向に、前記絶縁スペーサから前記密閉容器の径と同等の長さにわたって塗布されること、
を特徴とする請求項1、5乃至7の何れかに記載のガス絶縁機器。
【請求項9】
前記応力発光材料は、数μm以下の粒径を有する応力発光素子を透明性絶縁樹脂に充填して形成されること、
を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のガス絶縁機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−90534(P2013−90534A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231681(P2011−231681)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】