説明

ガス遮断器

【課題】アークに対して効率良くガスを吹き付けることにより、遮断性能の向上を可能としたガス遮断器を提供する。
【解決手段】消弧性ガスが充填されたタンク内に、可動通電接触子1、可動アーク接触子3及び固定通電接触子2、固定アーク接触子4を有し、絶縁ノズル5がパッファシリンダ6に固定され、パッファシリンダは、パッファシリンダを駆動する操作ロッド7を介して操作機構と接続され、パッファシリンダと操作ロッドによってパッファ室9が形成され、操作ロッドには中空部7aが形成されているガス遮断器において、可動アーク接触子の周囲を覆うように絶縁ノズルが設けられ、絶縁ノズルと可動アーク接触子とで形成される流路とパッファ室とが連通穴16を介して連通され、連通穴には、前記流路からパッファ室に向かう方向にのみガスが流入され、逆方向にはガスを封止する機能を持つ逆止弁8を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電系統や配電系統を保護するために、線路の地絡故障や線間短絡故障などによる電流を遮断するガス遮断器に係り、特に、遮断性能の向上を図るべく消弧室の構成に改良を施したガス遮断器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電力系統において電流開閉を行うガス遮断器は、現在パッファ形と呼ばれるタイプが広く普及している。特に近年では、電流遮断する際に必要な駆動力を低減することが可能な直列パッファ形とよばれる方式が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は従来から用いられているガス遮断器の内部構造を示した断面図であり、図6(A)は遮断器の遮断過程の前半の状態を示し、図6(B)は遮断過程の後半の状態を示したものである。すなわち、消弧性ガスが充填された図示しない接地タンク内に、対向配置された可動通電接触子1、可動アーク接触子3及び固定通電接触子2、固定アーク接触子4を有し、前記可動通電接触子1、可動アーク接触子3及び固定アーク接触子4の外周に設置された絶縁ノズル5は、パッファシリンダ6に固定されている。
【0004】
また、前記パッファシリンダ6及び操作ロッド7は図示しない絶縁ロッドを介して操作機構と接続されている。このパッファシリンダ6と操作ロッド7とによりパッファ室9という空間が形成されている。また、前記操作ロッド7の中空部7aとパッファ室9とは連通穴16によって連通されている。
【0005】
このように構成されたガス遮断器が投入状態から開極動作を始めると、可動部1aは図示しない機構側(図中右方向)に移動する。図6(A)に示した遮断過程前半では、固定アーク接触子4と可動アーク接触子3との間にアーク10が点弧する。このアーク10は高温であるため、アーク10から高温のガスが発生すると共に、周りの消弧性ガスも加熱されて高温となる。
【0006】
このようにして発生した高温ガスは、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とにより形成される空間を通ってパッファ室9内に流入すると共に、可動アーク接触子3及び操作ロッド7の中空部7a内を通った後、連通穴16を通じてパッファ室9内に流れ込む。流れ込んだ高温ガスによってパッファ室9内のガス圧力は高められる。その後、図6(B)に示すような遮断過程後半では、電流零点に向けてアーク10が小さくなり、高圧力となったパッファ室9からガスがアーク10に吹き付けられてアーク10が消弧され、電流遮断が完了する。
【特許文献1】特開平7−312155号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような構成を有するガス遮断器の遮断過程では、効率的に熱ガスをパッファ室9に取り込むと共に、電流零点付近でアーク10に対してガスを効率良く吹き付ける必要がある。
【0008】
しかしながら、図6に示したガス遮断器においては、連通穴16を通じてパッファ室9から操作ロッド7の中空部7a及び可動アーク接触子3の内側にもガスが流出し、この空間を充気するためにガスが費やされるために、アーク10へのガスの吹き付け効率が低下するという問題点があった。
【0009】
さらに、アーク10へ吹き付けられるガス流路が、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される流路と、操作ロッド7の中空部7a及び可動アーク接触子3の内側とで形成される流路の2方向となるために、アーク10へのガスの吹き付け効率が低下するという問題点があった。そこで、アーク10へ効率的にガスを吹き付けるために、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される流路のみからアーク10に対してガスを吹き付けることができるガス遮断器の開発が望まれていた。
【0010】
本発明は、上述したような従来技術の問題点を解消するために提案されたものであって、その目的は、アークに対して効率良くガスを吹き付けることにより、遮断性能の向上を可能としたガス遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、消弧性ガスが充填されたタンク内に、対向配置された可動通電接触子、可動アーク接触子及び固定通電接触子、固定アーク接触子を有し、前記可動通電接触子、可動アーク接触子及び該可動アーク接触子の外周に設置された絶縁ノズルがパッファシリンダに固定され、前記パッファシリンダは、該パッファシリンダを駆動する操作ロッドを介して操作機構と接続され、前記パッファシリンダと操作ロッドによってパッファ室が形成され、前記操作ロッドには中空部が形成されているガス遮断器において、前記可動アーク接触子の周囲を覆うように絶縁ガイドが設けられ、該絶縁ガイドと可動アーク接触子とで形成される流路と前記パッファ室とが連通穴を介して連通され、この連通穴には、前記絶縁ガイドと可動アーク接触子とで形成される流路から前記パッファ室に向かう方向にのみガスが流入され、逆方向にはガスを封止する機能を持つ逆止弁が配設されていることを特徴とするものである。
【0012】
上記のような構成を有する請求項1に記載の発明によれば、熱ガスをパッファ室に取り込む際には、前記逆止弁が開放されると共に、前記排気穴は円筒によって塞がれるため、操作ロッドの中空部からも熱ガスをパッファ室に取り込むことができるため、パッファ室内の圧力は効率的に上昇する。一方、電流零点付近では、前記逆止弁が閉止されると共に、前記排気穴は円筒に設けられた放圧穴の位置に移動し、操作ロッドの中空部とその外部とが連通するため、操作ロッドの中空部内の熱ガスは前記排気穴及び放圧穴を通じて外部に排気される。その結果、アークに対して吹き付けられるガスは、絶縁ノズルと可動アーク接触子とで形成される空間からのみの1方向となるため、効率的に電流を遮断することができる。これにより、熱利用効率の高い、高性能で小形のガス遮断器を実現することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のガス遮断器において、前記連通穴の絶縁ノズル側端部に、前記パッファ室側に突出する鍔状のフローガイドが設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
上記のような構成を有する請求項3に記載の発明によれば、フローガイドによって、逆止弁からパッファ室内に流れ込むガス流を、パッファ室の外周方向に導くことができるので、パッファ室の外周方向に効率良く高温ガスを噴出させることができる。また、絶縁ノズルと可動アーク接触子とで形成される空間を通ってパッファ室内に流入してきたガスが、逆止弁に吹き付けることを防止することができるので、逆止弁からパッファ室内に流れ込むガスの流れの乱れを防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アークに対して効率良くガスを吹き付けることにより、遮断性能の向上を可能としたガス遮断器を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るガス遮断器の実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。なお、図6に示した従来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略する。
【0017】
(1)参考例
(1−1)構成
参考例においては、図1に示すように、操作ロッド7の中空部7aとパッファ室9とを連通する連通穴16に逆止弁8が配設されている。なお、この逆止弁8は、操作ロッド7の中空部7aからパッファ室9に向かう方向にのみ開放され、逆方向にはガスを封止する機能を持つものである。その他の構成は、図6に示した従来型と同様であるので、説明は省略する。
【0018】
(1−2)作用
上記のような構成を有する参考例のガス遮断器は以下のように作用する。すなわち、参考例のガス遮断器が投入状態から開極動作を始めると、可動部1aは図示しない機構側(図中右方向)に移動する。図1(A)に示した遮断過程前半では、固定アーク接触子4と可動アーク接触子3との間にアーク10が点弧する。このアーク10は高温であるため、アーク10から高温のガスが発生すると共に、周りの消弧性ガスも加熱されて高温となる。
【0019】
このようにして発生した高温ガスは、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間を通ってパッファ室9内に流入すると共に、可動アーク接触子3及び操作ロッド7の中空部7a内を通った後、逆止弁8を介してパッファ室9内に流れ込む。流れ込んだ高温ガスによってパッファ室9内のガス圧力は高められる。
【0020】
その後、図1(B)に示すような遮断過程後半では、電流零点に向けてアーク10が小さくなり、高圧力となったパッファ室9からガスが絶縁ノズル5と可動アーク接触子3との間の空間を流れてアーク10に吹き付けられ、アーク10は消弧され、電流遮断が完了する。なお、このとき逆止弁8は閉止状態となるため、従来のように、連通穴16を通じて操作ロッド7の中空部7a及び可動アーク接触子3の内側にガスが流出することがないため、アーク10へのガスの吹き付けは、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3との間の空間を流れる1方向のみとなる。
【0021】
(1−3)効果
このように参考例によれば、熱ガスをパッファ室9に取り込む際には、逆止弁8が開放されることにより操作ロッド7の中空部7aからも取り込むことができるため、パッファ室9内の圧力は効率的に上昇する。一方、電流零点付近では、逆止弁8が閉止することにより、アーク10に対して吹き付けられるガスは、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間からのみの1方向となるため、効率的に電流を遮断することができる。これにより、熱利用効率の高い、高性能で小形のガス遮断器を実現することができる。
【0022】
(2)第1実施形態
(2−1)構成
本実施形態においては、図2に示すように、操作ロッド7の中空部7aの操作機構側端部(図中右側端部)に排気穴11が設けられると共に、前記操作ロッド7は図示しない固定部に固定された円筒13内を摺動するように構成されている。また、前記円筒13には、所定の位置に放圧穴12が形成され、図2(A)に示した遮断過程の前半では、前記排気穴11は円筒13によって塞がれて、熱ガスが操作ロッド7の中空部7aから排気されないように構成されている。
【0023】
一方、図2(B)に示した遮断過程の後半では、前記排気穴11が円筒13に設けられた放圧穴12の位置に移動し、操作ロッド7の中空部7aとその外部とが連通して、熱ガスが操作ロッド7の中空部7aから排気されるように構成されている。その他の構成は、上記参考例と同様であるので、説明は省略する。
【0024】
(2−2)作用
上記のような構成を有する本実施形態のガス遮断器は以下のように作用する。すなわち、本実施形態のガス遮断器が投入状態から開極動作を始めると、可動部1aは図示しない機構側(図中右方向)に移動する。図2(A)に示した遮断過程前半では、固定アーク接触子4と可動アーク接触子3との間にアーク10が点弧する。このアーク10は高温であるため、アーク10から高温のガスが発生すると共に、周りの消弧性ガスも加熱されて高温となる。
【0025】
この時、操作ロッド7の中空部7aの操作機構側端部(図中右側端部)に形成された排気穴11は、円筒13によって塞がれているため、熱ガスが排気穴11から排気されることはない。そのため、上記のようにして発生した高温ガスは、上記参考例と同様に、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間を通ってパッファ室9内に流入すると共に、可動アーク接触子3及び操作ロッド7の中空部7a内を通った後、逆止弁8を介してパッファ室9内に流れ込む。流れ込んだ高温ガスによってパッファ室9内のガス圧力は高められる。
【0026】
その後、図2(B)に示すような遮断過程後半では、電流零点に向けてアーク10が小さくなり、高圧力となったパッファ室9からガスが絶縁ノズル5と可動アーク接触子3との間の空間を流れてアーク10に吹き付けられ、アーク10は消弧され、電流遮断が完了する。一方、前記排気穴11は円筒13に設けられた放圧穴12の位置に移動するため、操作ロッド7の中空部7aとその外部とが連通し、また、前記逆止弁8は閉止状態となっているため、操作ロッド7の中空部7a内の熱ガスは前記排気穴11及び放圧穴12を通じて外部に排気される。
【0027】
(2−3)効果
このように本実施形態によれば、熱ガスをパッファ室9に取り込む際には、前記逆止弁8が開放されると共に、前記排気穴11は円筒13によって塞がれるため、操作ロッド7の中空部7aからも熱ガスをパッファ室9に取り込むことができるため、パッファ室9内の圧力は効率的に上昇する。
【0028】
一方、電流零点付近では、前記逆止弁8が閉止されると共に、前記排気穴11は円筒13に設けられた放圧穴12の位置に移動し、操作ロッド7の中空部7aとその外部とが連通するため、操作ロッド7の中空部7a内の熱ガスは前記排気穴11及び放圧穴12を通じて外部に排気される。その結果、アーク10に対して吹き付けられるガスは、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間からのみの1方向となるため、効率的に電流を遮断することができる。これにより、熱利用効率の高い、高性能で小形のガス遮断器を実現することができる。
【0029】
(3)第2実施形態
(3−1)構成
本実施形態は上記第1実施形態の変形例であって、図3に示すように、逆止弁8が設置された連通穴16の絶縁ノズル5側端部に、パッファ室9側に突出する鍔状のフローガイド14を設けたものである。その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0030】
(3−2)作用・効果
上記のような構成を有する本実施形態のガス遮断器が投入状態から開極動作を始めると、上記第1実施形態と同様に、高温ガスが絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間を通ってパッファ室9内に流入すると共に、可動アーク接触子3及び操作ロッド7の中空部7a内を通った後、逆止弁8を介してパッファ室9内に流れ込む。この場合、本実施形態においては、前記フローガイド14によって、逆止弁8からパッファ室9内に流れ込むガス流を、パッファ室9の外周方向に導くことができるので、パッファ室9の外周方向に効率良く高温ガスを噴出させることができる。
【0031】
また、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間を通ってパッファ室9内に流入してきたガスが、逆止弁8に吹き付けることを防止することができるので、逆止弁8からパッファ室9内に流れ込むガスの流れの乱れを防止することができる。これにより、パッファ室9への効率的なガス流入を実現することができる。
【0032】
(4)第3実施形態
(4−1)構成
本実施形態は上記第2実施形態の変形例であって、図4に示すように、上記第2実施形態で示したフローガイド14の鍔部の長さを外周方向にさらに伸ばし、先端を絶縁ノズル5の方向に向けて曲げた構成としたフローガイド24を設置したものである。その他の構成は、上記第2実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0033】
(4−2)作用・効果
上記のような構成を有する本実施形態のガス遮断器においては、前記フローガイド24によって、逆止弁8からパッファ室9内に流れ込んできたガスをパッファ室9の外周部まで導いたのち、パッファ室9の内部に噴出させることができる。また同時に、絶縁ノズル5と可動アーク接触子3とで形成される空間を通ってパッファ室9内に流入してきたガスは、このフローガイド24の絶縁ノズル5側の面に沿って外周方向に流れていく。この両者の流れはフローガイド24の吹き出し口付近で合流し、ひとつの流れとなることによってスムーズな流れを形成することができる。このように本実施形態によれば、パッファ室9への効率的なガス流入を実現すると共に、パッファ室9内にガスをスムーズに拡散させることができる。
【0034】
(5)第4実施形態
(5−1)構成
本実施形態のガス遮断器においては、図5に示すように、可動アーク接触子3の周囲を覆うように絶縁ガイド15が設けられ、この絶縁ガイド15には、絶縁ガイド15と可動アーク接触子3とで形成される流路とパッファ室9とを連通する連通穴26が形成され、この連通穴26に逆止弁8が配設されている。また、図示していないが、絶縁ガイド15と可動アーク接触子3とで形成される流路と操作ロッド7の中空部7aとが逆止弁で連通している構成とすることもできる。
【0035】
(5−2)作用・効果
上記のような構成を有する本実施形態のガス遮断器においては、絶縁ガイド15と可動アーク接触子3との間の流路からも熱ガスがパッファ室9に流入するので、上記参考例、各実施形態と同様の作用・効果が得られる。
【0036】
(6)第5実施形態
(6−1)構成
本実施形態のガス遮断器は、上記参考例、第1〜第4実施形態に示したパッファ室9の内面の全部又は一部に、昇華性の材料を塗布、又は昇華性の固形物を設置したものである。なお、第2〜第4実施形態においては、フローガイド14、15の表面の全部又は一部に、昇華性の材料を塗布しても良い。
【0037】
また、昇華性の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタフリル酸メチル、ポリアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド6、ポリアミド12、ポリ4弗化エチレン、ポリ弗化エチレンプロピレン、不飽和ポリエステル、脂環式エポキシ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、MCナイロン、螢石、6ナイロン、66ナイロンのいずれか1つ、または、複数種類の組合せを用いることができる。
【0038】
(6−2)作用・効果
上記のような構成を有する本実施形態のガス遮断器においては、絶縁ノズル5側及び逆止弁8からパッファ室9に流入してくる熱ガスが、前記昇華性材料に触れると昇華性材料が昇華する。パッファ室9内で昇華性材料が昇華すると、パッファ室9内のガス圧力がより上昇するので、より高性能のガス遮断器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るガス遮断器の参考例の構成を示す図であって、(A)は遮断過程の前半の状態、(B)は遮断過程の後半の状態を示す断面図。
【図2】本発明に係るガス遮断器の第1実施形態の構成を示す図であって、(A)は遮断過程の前半の状態、(B)は遮断過程の後半の状態を示す断面図。
【図3】本発明に係るガス遮断器の第2実施形態の構成を示す断面図。
【図4】本発明に係るガス遮断器の第3実施形態の構成を示す断面図。
【図5】本発明に係るガス遮断器の第4実施形態の構成を示す断面図。
【図6】従来のガス遮断器の構成を示す図であって、(A)は遮断過程の前半の状態、(B)は遮断過程の後半の状態を示す断面図。
【符号の説明】
【0040】
1…可動通電接触子
2…固定通電接触子
3…可動アーク接触子
4…固定アーク接触子
5…絶縁ノズル
6…パッファシリンダ
7…操作ロッド
7a…中空部
8…逆止弁
9…パッファ室
10…アーク
11…排気穴
12…放圧穴
13…円筒
14、24…フローガイド
15…絶縁ガイド
16、26…連通穴
1a…可動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消弧性ガスが充填されたタンク内に、対向配置された可動通電接触子、可動アーク接触子及び固定通電接触子、固定アーク接触子を有し、前記可動通電接触子、可動アーク接触子及び該可動アーク接触子の外周に設置された絶縁ノズルがパッファシリンダに固定され、前記パッファシリンダは、該パッファシリンダを駆動する操作ロッドを介して操作機構と接続され、前記パッファシリンダと操作ロッドによってパッファ室が形成され、前記操作ロッドには中空部が形成されているガス遮断器において、
前記可動アーク接触子の周囲を覆うように絶縁ガイドが設けられ、該絶縁ガイドと可動アーク接触子とで形成される流路と前記パッファ室とが連通穴を介して連通され、この連通穴には、前記絶縁ガイドと可動アーク接触子とで形成される流路から前記パッファ室に向かう方向にのみガスが流入され、逆方向にはガスを封止する機能を持つ逆止弁が配設されていることを特徴とするガス遮断器。
【請求項2】
前記操作ロッドの中空部の操作機構側端部に排気穴が設けられると共に、前記操作ロッドは固定された円筒内を摺動するように構成され、前記円筒には、所定の位置に放圧穴が形成され、遮断過程の前半では、前記排気穴は前記円筒によって塞がれ、遮断過程の後半では、前記排気穴が前記円筒に設けられた放圧穴の位置に移動し、前記操作ロッドの中空部が外部と連通するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス遮断器。
【請求項3】
前記連通穴の絶縁ノズル側端部に、前記パッファ室側に突出する鍔状のフローガイドが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガス遮断器。
【請求項4】
前記フローガイドが、その鍔部がパッファ室の外周方向に延伸されると共に、先端部が絶縁ノズル側に向けて曲げられていることを特徴とする請求項3に記載のガス遮断器。
【請求項5】
前記パッファ室内面の全部又は一部、及び/又は、前記フローガイド表面の全部又は一部に、昇華性の材料を塗布、又は昇華性の固形物を設置したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のガス遮断器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−33749(P2013−33749A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−223007(P2012−223007)
【出願日】平成24年10月5日(2012.10.5)
【分割の表示】特願2008−221910(P2008−221910)の分割
【原出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】