説明

ガム・キャンディ・チューイングキャンディ等菓子類用包装パッケージ

【課題】ガム等の外装パッケージに関する包装体は、製品の断面に沿って開封する『あけくち』から始まる開封口が存在し『あけくち』を引っ張り、製品を中から取り出すことができる。それは板状タイプのガムなどの取り出しには便利であるが、ブロック型形状の菓子類では、直列に縦長に包装されているため、開封口付近の先の部分は開封口を広げる必要があり製品を容易に取り出せない。製品ひと粒ひと粒を容易に取り出しできるようにする。
【解決手段】外装パッケージの開封口の『あけくち』を製品先端中央部分の上部寄りに幅を広げて配置することで、製品を縦方向に引っ張りながら縦断し、取り出したい個数分のみ移動するだけで、容易に製品を取り出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ひと口サイズのブロック型形状のガム・キャンディ・チューイングキャンディ等の個別包装タイプの菓子類を、複数個直列に収納して販売するための、菓子用外装パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ひと口サイズの個別包装のブロック型ガム・キャンディ・チューイングキャンディ等の菓子類は、数個を直列に並べて、直方体形状に包装した状態で販売されている。これらの外装パッケージには、『あけくち』が付帯してあり、それを引っ張ることで、容易に開封できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のタイプの『あけくち』は、板状タイプのガムのような菓子類の形状のものであれば、すべてを均一に取り出すのに非常に便利かつ有効的であるが、ブロック型の菓子類の場合においては、開封口付近の先端側の一個と、開封口付近からの数個は容易に取り出せるが、それより奥の部分においては、外装パッケージを徐々に破いて開封口を広げていきながら、製品を取り出さなければならない。
【0004】
その際に、不均等、不変則に破られた紙くずがバラバラにその都度発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記のような問題点を解決すべく、紙もしくは、ビニール、プラスチック、アルミ等の複合体(貼り合わせ等)からなる従来型直方体形状の外装パッケージの先端側付近の横に設けられている『あけくち』の部分を、製品先端部分の上部寄り中央に、幅を広げて配置することとした。
【0006】
従来の『あけくち』の部分のサイズを数倍程度に拡大し、その中央に製品の開口部より前部の端から後部の端に至るまで、製品上部(天井)裏側の中央にビニールもしくは、プラスチック製の帯状のテープを貼り、切り口を最後部まで美しく均等に開口するようにしたものである。
【0007】
『あけくち』を製品断面に沿って横幅方向に対して引っ張り開封する従来の開封方法とは異なり、製品を縦方向へ縦断しながら、取り出したい個数分のみを移動しながら引っ張る開封方法である。
【発明の効果】
【0008】
『あけくち』の部分を製品先端部分の上部寄り中央に、従来製品の数倍程度に幅を広げて配置した。これを、上向きに製品上部までめくり、『あけくち』を製品後方まで必要に応じて徐々に引っ張り開口していく。取り出したい数の所までめくって引っ張っていけば、その都度必要な数の製品ひと粒ひと粒を容易かつ合理的に取り出すことができる。
【0009】
また、外装パッケージのゴミの発生点数を抑えることができ、開封口の見栄えもよい。
【0010】
これにより、ひと粒ひと粒個別包装されたブロック型形状のガム・キャンディ・チューイングキャンディ等の菓子類ひと粒ひと粒を、容易かつ均一に取り出せるようになる。
【0011】
また、引っ張る際に使用した『あけくち』は、製品側の内部へ裏返せば、中の製品がバラバラになるのを防ぐことができ、ストッパーの役割も果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る菓子類用包装パッケージの完成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙内側(内部)の展開図である。
【図3】図1と同じく、菓子類用包装パッケージの内部を透視した斜視図である。
【図4】図1および図3の反対側の斜視図である。
【図5】図1および図3と同じ方向より、菓子類用包装パッケージの上下を逆さまにした斜視図である。
【図6】図2と同じく、菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙外側(外部)の展開図である。
【図7】菓子類用包装パッケージの『あけくち』正面図である。
【図8】図7の反対側の菓子類用包装パッケージ正面図である。
【図9】本発明に係る『あけくち』を別方向へ移動させた場合の菓子類用包装パッケージの完成を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る『あけくち』を別方向へ移動させた場合の菓子類用包装パッケージの図9に示す菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙内側(内部)の展開図である。
【図11】図10と同じく、菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙外側(外部)の展開図である。
【図12】本発明に係る『あけくち』を別方向へ移動させた場合の図9が示す菓子類用包装パッケージの『あけくち』正面図である。
【図13】図12の反対側の菓子類用包装パッケージの正面図である。
【図14】本発明に係る『あけくち』を図9と対になる反対側方向へ移動させた場合の菓子類用包装パッケージの完成を示す斜視図である。
【図15】本発明に係る『あけくち』を別方向へ移動させた場合の菓子類用包装パッケージの図14に示す菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙内側(内部)の展開図である。
【図16】図15と同じく、菓子類用包装パッケージを形成する板状の包装紙外側(外部)の展開図である。
【図17】本発明に係る『あけくち』を別方向へ移動させた場合の図14が示す菓子類用包装パッケージの『あけくち』正面図である。
【図18】図17の反対側の菓子類用包装パッケージ正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る菓子類用包装パッケージの実施例を示す斜視図である。
【0015】
図1に示されるように、菓子類用包装パッケージ1は、断面が長方形をした角筒状の胴部2を有する直方体形状を成している。胴部2の一端には、内部の製品を開口して取り出すための『あけくち』3を備えている。
【0016】
菓子類用包装パッケージ1は、図2にその展開図を示す板状の包装紙10により、製品を包み込むように包装する。この板状の包装紙10は、4つの筒壁11,12,13,14と接着片15が折線A,B,C,Dを介して横方向に連設している。
【0017】
図2に示す11のg線部分までがのりしろで、11のg線と15の端をそろえて貼り合わせ、図5に示す30を形成する。正確には、図6が示す11のg‘までのり付けされ、この部分に、図6の15の裏面、すなわち図2の15と貼り合わす。
【0018】
次に、図1、図3の『あけくち』を正面の6方向から見て、図2に示す16bと16b‘を貼り合わせた部分が16となる。この16を先に上方向に折り込み、続いて17部分を下方向へ16の上にかぶさるように折り込み、貼り合わせる。
【0019】
次に、16と17を貼り合わせた際に生じる余りの部分を、三角形となるように折り曲げ形成された18と19を、16と17を貼り合わせた面方向の上に貼り合わせ、図7の6が完成する。
【0020】
同様に、反対側7方向から図1、図3、図4が示すように、図2に示す20aと20a‘を貼り合わせた部分が20となる。この20を先に上方向に折り込み、続いて21部分を下方向へ20の上にかぶさるように折り込み、貼り合わせる。
【0021】
次に、20と21を貼り合わせた際に生じる余りの部分を、三角形となるように折り曲げ形成された22と23を、20と21を貼り合わせた面方向の上に貼り合わせ、図8の7が完成する。
【0022】
図2、図4、図6、図8の5の部分は、『あけくち』3の形成途上で生じるへこみである。
【0023】
図2の展開図は、内側(内部)の製品を包み込む側を表し、A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,Vは、すべて谷折りとなる。
【0024】
図6の展開図は、製品の外側(外部)を表し、A′,B′,C′,D′,E′,F′,G′,H′,I′,J′,K′,L′,M′,N′,O′,P′,Q′,R′,S′,T′,U′,V′は、すべて山折りとなる。
【0025】
内部の製品を容易に取り出せ、途中で切れたり破れたりしないようにし、さらに切り口をきれいにカットするため、ビニールもしくはプラスチック製の帯状になったシート状のテープ50を図2に示す。このテープ50は、図1の4に示すように、製品内側の天井部分13の裏側へ貼り合わせたものである。
【0026】
内部の製品を取り出す際は、図1、図3、図7に示す『あけくち』3の部分を製品上方へ引っ張り上げて、その後取り出したい製品の長さ分だけ後方へめくり、中の製品を取り出す。
【0027】
図1の4の裏側部分で、図2の50のシート状テープの横幅は、製品の種類、形状、大きさ、外装パッケージに包装される製品の個数等に応じて、より細かくそれぞれの製品の状況に合った取り出しやすい切り口となるよう、横幅をその都度選択し、適宜変更して決定すればよい。
【0028】
図9、図14が示すように、18もしくは19の部分のどちらか一方のみをそのまま『あけくち』として使用し、この部分へは接着、のり付け固定せず、その三角形の形状部分を『あけくち』3の代わりに使用することで、『あけくち』3をして、『あけくち』3を形成せず、図9、図12が示すように、18の部分を『あけくち』40、図14、図17が示すように、19の部分を『あけくち』42にそれぞれ変更して使用することも可能である。
その場合、『あけくち』40は、図9、図10が示すように、筒壁12に対しての開封口となり、『あけくち』42は、図14、図15が示すように、筒壁14に対しての開封口となる。
【0029】
図1、図3の18の『あけくち』部分をわかりやすいように、丸型にカットして『あけくち』40を形成する場合、図10および図11のように、板状の包装紙10の41部分のみをカットする。
この『あけくち』40では、40の形成時に41部分をカットする際には、反対側部分のへこみは発生しない。
【0030】
同様に、図1、図3の19の『あけくち』部分をわかりやすいように、丸型にカットして『あけくち』42を形成する場合、図15および図16のように、板状の包装紙10の43部分のみをカットする。
この『あけくち』42では、42の形成時に43部分をカットする際には、反対側部分のへこみは発生しない。
【0031】
図10の展開図は、図9、図12が示す『あけくち』40の内側(内部)の製品を包み込む側を表し、a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,p,q,r,s,t,u,vは、折線となり、すべて谷折りとなる。
【0032】
図10の裏側となる図11の展開図は、製品の外側(外部)を表し、a′,b′,c′,d′,e′,f′,g′,h′,i′,j′,k′,l′,m′,n′,o′,p′,q′,r′,s′,t′,u′,v′は、折線となり、すべて山折りとなる。
【0033】
図15の展開図は、図14、図17が示す『あけくち』42の内側(内部)の製品を包み込む側を表し、a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,p,q,r,s,t,u,vは、折線となり、すべて谷折りとなる。
【0034】
図16の展開図は、図15の裏側となる製品の外側(外部)を表し、a′,b′,c′,d′,e′,f′,g′,h′,i′,j′,k′,l′,m′,n′,o′,p′,q′,r′,s′,t′,u′,v′は、折線となり、すべて山折りとなる。
【符号の説明】
【0035】
1 菓子類用包装パッケージ
2 胴部
3 『あけくち』
4 『あけくち』より開口して製品を取り出して行くための開口予定の切り口
5 3の形成過程で生じたへこみ部分
6 『あけくち』正面図
7 『あけくち』と反対側正面図
10 板状の包装紙
16 16bと16b′を貼り合わせた部分
18 16と17を貼り合わせた際に生じる余りの部分
19 16と17を貼り合わせた際に生じる余りの部分で、18と対にできる向かい側の部分
20 20aと20a′を貼り合わせた部分
22 20と21を貼り合わせた際に生じる余りの部分
23 20と21貼り合わせた際に生じる余りの部分で、22と対にできる向かい側の部分
30 11と15を貼り合わせた際にできる胴部の面
40 製品上部13の開封口となる『あけくち』3を12の面が開封口となるように移動した『あけくち』
41 『あけくち』40を形成するためにカットされる部分
42 製品上部13の開封口となる『あけくち』3を14の面が開封口となるように移動した『あけくち』
43 『あけくち』42を形成するためにカットされる部分
50 『あけくち』より開口を円滑に、途中で切れないように、見た目も美しく均等に開口するためのビニールもしくはプラスチック製のシート状のテープ
51 『あけくち』より開口を円滑に、途中で切れないように、見た目も美しく均等に開口するため、『あけくち』40の場合に設けるビニールもしくはプラスチック製のシート状のテープ
52 『あけくち』より開口を円滑に、途中で切れないように、見た目も美しく均等に開口するため、『あけくち』42の場合に設けるビニールもしくはプラスチック製のシート状のテープ
A,B,C,D,E,F,G,H,I,J,K,L,M,N,O,P,Q,R,S,T,U,V すべて折線を表し、谷折りとなる。
A′,B′,C′,D′,E′,F′,G′,H′,I′,J′,K′,L′,M′,N′,O′,P′,Q′,R′,S′,T′,U′,V′ すべて折線を表し、山折りとなる。
a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l,m,n,o,p,q,r,s,t,u,v すべて折線を表し、谷折りとなる。
a′,b′,c′,d′,e′,f′,g′,h′,i′,j′,k′,l′,m′,n′,o′,p′,q′,r′,s′,t′,u′,v′ すべて折線を表し、山折りとなる。
図2の11のg g′の裏側部分
図6の11のg′ 11と15を貼り合わせる際の、のりしろ境界部分でg′まで接着。図6の15の裏面端と、g′の境界部分を合わせる。
図10、図15の11のG G′の裏側部分
図11、図16の11のG′ 11と15を貼り合わせる際の、のりしろ境界部分でG′まで接着。図6の15の裏面端と、G′の境界部分を合わせる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ひと口サイズのブロック型形状のガム・キャンディ・チューイングキャンディ等の個別包装タイプの菓子類数個を、複数個直列に収納して販売するための、菓子用外装パッケージのうち、開封方法に係る『あけくち』の構造、位置、形状、方法等。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−96848(P2012−96848A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261756(P2010−261756)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(310021098)
【Fターム(参考)】