説明

ガラスシートの製造方法および製造装置

本発明はガラスをベースとする材料からなる平坦なシートの製造方法および製造装置に関する。上記方法は、1個のガラスプリフォームを提供し、このガラスプリフォームを炉内で加熱し、1個の塊りおよび1枚のプレ・シートを形成し、上記塊りを除去し、かつ上記プレ・シートを1枚のガラスシートに延伸する工程を含む。また、ガラスプリフォームをガラスシートに延伸するための装置が提供され、この装置は、延伸炉と、プレ・シートを拡幅しかつガラスシートに延伸するための複数のストレッチングアームと、ガラスシートに対し下方への力を加える複数の対向エッジローラとを備えている。延伸炉は、複数の個別的な加熱素子を備え、各加熱素子の温度は独立的に制御可能である。この装置はさらに、ガラスシートをアニールするためのアニール炉を備えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にガラスシートを形成するための方法及び装置に関し、特にガラスプリフォームからガラスシートを延伸する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平坦なガラスシート、特に特殊ガラスまたはガラスセラミックなどのガラスをベースとする材料からなる精密な平坦なガラスシート、すなわち高い表面品質と一様な厚さとを有するガラスシートの需要が増大している。このような平坦なガラスシートを備えたフラットパネル・ディスプレーは近年多大に注目されて来た。注目の多くは、ラップトップ・コンピュータに用いられるような小型のユニットに集中されて来た。しかしながら現在は、ディスプレー産業において高いひずみ点を有するガラスに対する関心が急増している、情報および娯楽の用途に用いられる、より大きいユニットが検討されている。これらのガラスは、次世代液晶ディスプレー(LCD)、例えばアクティブ・マトリクスLCD(AMLCD)、およびその他の進歩したディスプレー、例えばプラズマ・ディスプレーのための平坦なディスプレーパネルを作成するのに必要である。概略的に言えば、ひずみ点は少なくとも700℃が望ましい。ひずみ点は800℃を超えることが好ましい。AMLCDの場合、このような高いひずみ点の必要性は、ガラス基板上にシリコンチップまたはシリコンアレイを直接ボンディングすることから生じる。ガラス基板上での多結晶シリコンの製造は900℃以上の工程温度によってさらに容易になる。この目的を達成するためには、ガラスの熱膨張挙動がシリコンの熱膨張挙動に極めて類似しており、かつシリコンチップがガラスに接着され、さらなる処理工程においてガラスが加熱された後のガラスの圧縮(ガラスの収縮または焼きしまりとしても知られている)および/または反りが発生しないように、ガラスのひずみ点が十分に高いことが必要である。
【0003】
液晶ディスプレー(LCD)は、内的(intrinsic)マトリクス駆動型または外的(ex-trinsic)駆動型の二つの基本的マトリクス形態を採る。内的マトリクス駆動型は液晶材料の閾値特性に依存する。外的マトリクス駆動型またはアクティブ・マトリクス(AM)型は、各画素に電子スイッチを与えるダイオード、金属・絶縁膜・金属(MIM)素子または薄膜トランジスタ(TFT)のアレイを備えている。
【0004】
双方の場合、2枚のガラスシートがディスプレー構造を形成する。2枚のガラスシート間の隔離ギャップは5〜10μm台の臨界的寸法である。これらガラスシートは透明でなければならず、かつディスプレーの処理中に曝される化学的条件に耐えなければならない。その他の点では、二つのマトリクス型のニーズは異なる。
【0005】
外的に駆動されるLCDは、350℃以下の温度で薄膜堆積技法を用いて作成され、次いでフォトリソグラフィによってパターン化される。その結果、基板に対する要求はセグメント型ディスプレーに対するものと同じことが多い。バリア層を備えたソーダライムシリカガラスは、大多数のニーズに対して適格であることが判明している。
【0006】
内的に駆動されるLCDの高性能版である超ねじれネマティック(STN)型は、ギャップ寸法を一様に保つために極めて精密な平坦性をさらに要求される。この要求のために、これらのディスプレーに用いられるソーダライムシリカガラスは研磨されなければならない。あるいは、ニューヨーク州コーニング所在のコーニング社からコード番号1737として販売されている、精密に作成されたバリウム・アルミノ硼珪酸ガラスであれば研磨を必要としない。
【0007】
外的に駆動されるLCDは、さらに二つのカテゴリー、すなわち一方はMIMまたはアモルファス・シリコン(a−Si)をベースとする素子、他方は多結晶シリコン(poly−Si)をベースとする素子に細分類される。MIMまたはa−Si型の基板に対する要求はSTNの用途と同様である。
【0008】
しかしながら、poly−Siから形成された素子は、a−SiTFTに採用される温度よりも高温で処理される。必要な実際の温度はTFTの製造に使用される特定の工程によって決定されるが、600℃〜800℃の温度(ガラスのひずみ点よりも25℃低い温度)を使用することが可能な基板が要求される。ゲート誘電体が堆積されたこれらのTFTは600℃〜650℃の範囲の熱が必要であるが、熱酸化物を備えたTFTは約800℃の温度を必要とする。
【0009】
a−Siおよびpoly−Siの双方の工程は、一連のフォトリソグラフィ・パターンの精密な整合を必要とし、これによって基板の熱的収縮を低く保つことが必要になる。poly−Siが必要とする、より高い温度は、工程中のガラスシートの熱変形(圧縮すなわち収縮)を避けるために、ソーダライムシリカガラスよりも高いひずみ点を示すガラスを使用すめ必要がある。ひずみ点が低い程、この寸法変化が大きくなることは言うまでもない。したがって、600℃よりも高い温度での素子の処理中における圧縮が最少なくなるようにするために、高いひずみ点を有するガラスを開発する研究がなされて来た。
【0010】
特許文献1には、LCDのための基板のニーズを完全に満足させるためにガラスが備えるべき不可欠な四つの特性が掲げられている。すなわち、
第1に、基板からのアルカリ金属がトランジスタ・マトリクス中に入り込む可能性を回避するために、アルカリ金属酸化物を意図的に加えることが本質的に自由でなければならないこと、
第2に、TFTマトリクス堆積工程で使用される試薬に耐えるべく化学的に十分な耐性を有すること、
第3に、基板に対する工程温度が高くなっても、ガラスとTFTアレイ中に存在するシリコンとの間の膨張のミスマッチは比較的低いレベルに保たれなければならないこと、そして
第4に、高品質の薄いシートの形態のガラスが低価格で形成されなければならないこと、すなわち、必要とする表面仕上げ状態を保証するのに大規模な研削および研磨を必要としてはならないことである。
【0011】
最後の必要条件は、本来的に仕上げられたガラスシートを製造することが可能な板ガラス製造工程を必要とするので、達成するのが最も困難である。
【0012】
LCD基板の製造に一般的に用いられている二通りの方法は、フロート法とフュージョン法である。これらの方法は双方とも、流動ガラスをシート形成装置に供給するために耐火性ガラス溶融装置を必要とする。高いひずみ点を有するガラス組成の場合には、高品質流動ガラスをシート形成装置に供給するために、比較的大型の高温ガラス溶融装置が必要である。何故ならば、高いひずみ点を有するガラスは一般に1700℃を超える高い溶融温度を有するからである。
【0013】
フロート法においては、溶融ガラスの流れが溶融炉から液体金属媒体を容れたフロート炉内に排出される。上記金属は一般に錫である。フロート炉内の雰囲気は、錫の酸化を防止するために制御される。溶融ガラスは液体錫上に浮かびかつ平坦な連続したリボンの形態に拡がる。ガラスリボンはアニール炉または冷却トンネル内に搬送され、ここで制御された冷却速度で周囲温度まで冷却される。冷却されたガラスは、研削工程および研磨工程のようなさらなる最小限の仕上げ工程を必要とする平坦かつ平滑な表面を有する。
【0014】
しかしながら、溶融錫を容れた容器内で高いひずみ点を有するガラスを作成するのは極めて困難である。何故ならば、1050℃を超え1100℃までの温度においては錫が高い蒸気圧を有するからである。高いひずみ点を有するガラスに必要な高い形成温度においては、フロート炉の内部で錫が蒸発して、炉の低温の部分で凝結する。或る場合には、凝結が所謂「錫の雨(ティンレイン)」を発生させるのに十分な程度に高くなり、このティンレインがガラス上に降り注いでガラスの表面に合体されることになる。
【0015】
フュージョン法においては、ガラス形成用の溶融体が耐火性トラフ内に流入し、次いで制御された態様でトラフの両側からオーバーフローする。この方法の主たる利点は、最終的に形成されたガラスシートの表面が、いかなる耐火材料またはその他の成形用機器にも接触しないことである。この方法の別の利点は、極めて平坦でかつ厚さが一様なガラスを生成させることである。その結果、ディスプレー用の平滑、平坦そして厚さが一様なガラスシートを得るのに二次的な工程を必要としない。しかしながら、この方法は、高温が必要になることから高いひずみ点を有するガラスを処理することができない悩みがある。何故ならば、このような温度はガラス形成用部品の劣化と溶融ガラスの汚染が増加する可能性とを著しく加速するからである。一般に、理想的な平坦性および一様な厚さを得るのには、10〜10Pa・s(10〜10ポアズ)の範囲内の粘度においてガラスを形成するのが望ましい。
【0016】
フュージョン・ドロー法およびフロート法の双方の簡単な記述が非特許文献1に記載されている。このフュージョン・ドロー法は特許文献2および特許文献3にも記載されている。
【特許文献1】米国特許第4,824,808号明細書
【特許文献2】米国特許第3,338,696号明細書
【特許文献3】米国特許第3,682,609号明細書
【非特許文献1】「ガラス」D.C.BoydおよびD.A.Thompson 著、エンサイクロペディア オブ ケミカルテクノロジー、11巻、第3版、807-880頁(860-863頁参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
残念ながら、フュージョン・ドロー法もフロート法も、そのひずみ点が例えば900℃を超える高いひずみ点を有するガラス組成物から平坦なガラスシートを製造するのに効果的な方法ではない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
一つの広い態様において本発明は、1個のガラスプリフォームを提供し、このガラスプリフォームを炉内で加熱して1個の塊りおよび1枚のプレ・シートを形成し、上記塊りを上記プレ・シートから切り離し、このプレ・シートを所定の幅に拡げ、かつ所定の厚さを有する1枚のガラスシートに延伸する工程を含む。上記ガラスプリフォームは、700℃を超えるのが好ましい、900℃を超えるのがより好ましいひずみ点を有する。
【0019】
一つの実施の形態においては、上記プレ・シートの拡幅工程は、プレ・シートに向かって内方へ移動してプレ・シートに接触し、次いで外方へ移動してプレ・シートを拡幅してガラスシートにする複数のストレッチングアームによって開始される。これらストレッチングアームは、ガラスシートを下方へ延伸してエッジローラに係合させることにも用いられる。
【0020】
ガラスシートのエッジに係合したエッジローラは、ガラスシートに対して下方へ引っ張る力を加え、これによってガラスシートの厚さを薄くする。本発明によれば、4mmよりも薄い、有利なのは1mmよりも薄い、そして100μmよりも薄いガラスシートさえ本発明により延伸可能である。このガラスシートは、延伸工程中に、またはその後に、個々のガラスパネルに裁断することができ、あるいは、もしガラスシートが必要な可撓性を備える程十分に薄ければ、貯蔵のために巻き取ることができる。
【0021】
本発明によれば、約600℃を超える、好ましくは約700℃を超えるひずみ点を有するガラスを延伸することができる。約900℃を超えるひずみ点を有するガラスも効果的にガラスシートに延伸することができる。
【0022】
本発明の方法は、ガラスシートに保護コーティングを施す工程を含んでいてもよい。この保護コーティングは、液体として施しても、または固体フィルムとして施してもよい。
【0023】
別の態様において、本発明はガラスシートを延伸するための装置を提供するものであり、この装置は、延伸炉と、プレ・シートに接触し、拡幅し、かつガラスシートに延伸するために移動可能に上記延伸炉の下方に取り付けられた複数のストレッチングアームと、ガラスシートに係合してこのガラスシートに対し下方への力を加えるために回転可能に上記複数のストレッチングアームの下方に取り付けられた複数のエッジローラとを備えている。
【0024】
好ましい実施の形態において、上記延伸炉は、その温度が個々に制御されることが可能な複数の加熱素子を備えている。このような構成は、垂直および/または水平方向の温度分布を調整する能力を上記延伸炉内に提供して、ガラスシートの反りを最少にする。
【0025】
本発明による装置は、上記延伸炉の下方(下流)に配置されたアニール炉を備えることができる。このアニール炉は、上記延伸炉に固定されていても、あるいは上記延伸炉に連結されていてもよい。
【0026】
本発明による装置はまた、例えば、液浴コーティングシステムまたはプラスチックフィルムを貼付するためのシステムなどの、延伸されたガラスシートにコーティングを施すためのシステムを備えることができる。液浴コーティングシステムの場合、ガラスシートは、このガラスシートの少なくとも一面または両面に亘って実質的に一様な厚さを有する液体のコーティングを施す適当なコーティング・ダイを通って延伸される。このコーティングはガラスシートの両エッジ部を含む。ポリマーコーティングは単数または複数のローラを用いて施され、ガラスシートのいずれか一方の面または両面に貼付される。
【0027】
本発明は、添付図面を参照した、決して限定を意味するものではない以下の説明的記述の間により容易に理解され、かつその他の目的、特徴、詳細および利点がより明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に見られるように、本発明は、特に、1個のガラスプリフォームを提供し、このガラスプリフォームを炉内で加熱し、1個の塊りを形成し、かつ上記プリフォームをガラスシートに延伸する諸工程を含む。上記塊りの形成とは、ガラスプリフォームを少なくともその軟化点まで加熱し、プリフォームの一部(塊り)をプリフォーム本体から引き伸ばし、この塊りとともに幅広のガラス流(プレ・シート)を延伸することを意味する。軟化点は、一般にガラスが自身の重量で変形する温度で、粘度は約106.6Pa・s(107.6ポアズ)である。
【0029】
本発明の一つの実施の形態において、ガラスプリフォームは旧来のガラス形成技法によって形成される。このような技法は、化学気相蒸着法、およびゾルゲル法を含む注型法を含む。化学気相蒸着法(CVD)は、光ファイバ分野で良く知られており、2,3例を挙げると、外付け法(OVD)、気相軸付け法(VAD)法および内付け法(MCVD)を含む。OVDもVADも、ガラス先駆物質原料を火炎中で加水分解してスートを形成し、このスートをターゲット上に堆積させて、多孔質ガラススートプリフォームを形成する工程を伴う。次にこの多孔質スートプリフォームは、塩素含有ガスなどの清浄化ガスの存在の下でプリフォームを最初に加熱することによって清浄化され、脱水され、かつ固結され、その後、さらにスート微粒子を清澄な固体ガラスプリフォームに固結させるのに十分な温度まで加熱される。しかしながら、利用可能なガラス堆積法は上述の例に限定されないことに注目すべきである。
【0030】
OVDまたはVADに対して、ガラスプリフォームの注型法は、有機ガラス先駆物質を混合して生地プリフォームを形成する。この生地プリフォームは、加熱および/または塩素含有ガスなどの清浄化ガスに曝すことによって乾燥され、次に生地プリフォームを清澄な固体ガラスプリフォームに固結させるために加熱される。ガラスプリフォームの別の注型法は、適当な坩堝内でガラス(例えばカレットまたはガラススート)を溶かし、その後溶融ガラスを適当な型に注入して所望の形状のプリフォームを形成する。双方の注型法は当業者に良く知られており、これ以上は説明しない。前述のガラス堆積法と同様に、注型法も上述の例に限定されないことに注目すべきである。
【0031】
図1は、本発明の一実施の形態による、プリフォームからガラスシートを延伸するための、参照番号10が付された装置を示す。図示の装置は、種々のガラスシート延伸用部品を取り付けるための延伸タワー12を備えている。この延伸タワーは強固な土台上にしっかりと固定されていて、延伸タワーに対する外部の振動源からの振動が延伸されているガラスシートの寸法を狂わすのを防止している。延伸タワーは、光ファイバの製造に用いられる線引きタワーに類似したものでよい。このような延伸タワーは、振動を防止するために地下数十フィートの地点に埋められたコンクリート製基礎の上に取り付けられているのがよい。本発明による装置はさらに、ガラスプリフォームを保持かつ支持するためのプリフォーム支持アセンブリ14、延伸ハーネス16、ストレッチングアーム・アセンブリ18および複数のエッジローラ20を備えている。
【0032】
この装置10は、ガラス厚さ計測装置22、単数または複数のコーティング塗布装置24、単数または複数のコーティング硬化装置26および巻取りスプール28を随意的に備えることができる。
【0033】
本発明によれば、1個の硬い清澄なガラスプリフォーム30が上述した技法の何れかにより、またはその他の公知のガラス形成技法により提供される。このプリフォーム30は、ほぼ平行な対向側面と、厚さよりも広い幅とを備えた長方形の形状を有することが好ましい。本発明は、フロート法またはフュージョン法に用いられる旧来のガラスと同様のひずみ点、例えば約600℃と700℃の間のひずみ点を有するプリフォームからガラスシートを延伸することが可能であるが、約700℃、800℃または約900℃のようなより高いひずみ点を有するガラスをも延伸することが可能である。例えば、約1956℃のひずみ点を有する純粋溶融シリカも本発明の方法および装置を用いてガラスシートに延伸することが可能である。
【0034】
ガラスプリフォームの取扱い方法を提供するために、ガラスプリフォームは一般に、プリフォーム30をクランプしてしっかりと保持するクランピング・バー32を備えた、図2に詳細に示されているプリフォーム支持アセンブリ14から吊り下げられる。クランピング・バー32は、このクランピング・バー32に取り付けられた単数または複数のクランプ34によってプリフォーム30の上縁部に取り付けられる。しかしながら、プリフォームに融着された一体型ハンドルによるような他のガラスプリフォーム支持手段も本発明の範囲内である。プリフォーム支持アセンブリ14は、モータ36によってプリフォームを垂直方向と平行に上方または下方へ(軸線35に沿って)移動させることができる。また、プリフォームが炉16内で適切に位置決めされ得るように、プリフォーム支持アセンブリ14はプリフォームをz軸と直角方向に(すなわちx−y平面内で)移動させることもできる。例えば、プリフォームの一様な加熱を保証するために、プリフォームを炉の中心に位置させることが一般的に望ましい。
【0035】
一旦吊り下げられると、プリフォーム30はプリフォーム支持アセンブリ14によって延伸炉16のホットゾーン内に降下せしめられ、ここでプリフォーム30の一部分が少なくともその軟化点まで加熱される。延伸炉16は、抵抗加熱素子を流れる電流によって熱が供給される抵抗加熱炉であっても、マイクロ波サセプタ内を流れる電流の誘導によって熱が供給される誘導加熱炉であっても、あるいは少なくともガラスプリフォームの軟化点まで炉を加熱することができる他の方法であってもよい。例えば、炉はガス燃料が燃焼して焔を形成するガス炉であってもよい。炉はガラスを少なくとも約900℃の温度まで加熱することができることが好ましいが、少なくとも約1500℃までがより好ましく、少なくとも約2200℃までが最も好ましい。
【0036】
図3に示されているように、プリフォーム30の一部分、一般に仮想線31で示されているプリフォームの下縁部分が少なくともガラスの軟化点まで加熱されると、塊り38が生じ、重力によってプリフォームから引き離され、塊り38をプリフォームに連結している後引きガラス40を引き伸ばす。プリフォーム30、塊り38および後引きガラス40の縦断面が図4に示されている。塊りの形成およびプリフォーム30からの引離しは一般に「塊り垂下(dropping a gob)」と呼ばれる。比較例として、光ファイバ形成工程における後引きガラスは一般に円形断面を有するフィラメントである。ここに開示されているものなどのシート延伸工程については、出発プリフォームが光ファイバの場合のような円筒状ではなくほぼ長方形である。本発明によれば、以後プレ・シート40と呼ぶ後引きガラス40は幅広であって円形ではない。プレ・シート40の横断面が図5に示されている。プレ・シート40は、図5に示されているように、ほぼ楕円形である凸状断面を有するが、プレ・シート40が凹状断面、または凸状断面と凹状断面の組合せを有することもあり得る。プレ・シート40はほぼ長方形断面を有するのが好ましい。したがってプレ・シート40は、塊り38をガラスの本体(プリフォーム)に連結する幅広で厚い(最終的なガラスシートの厚さと比較して)、いずれの水平方向延伸工程が実施されるよりも以前のガラス流である。プレ・シート40は、プリフォームの下部(底部)から塊り38に向かって急激に幅が狭くなっており、したがって最終的なガラスシートとしては一般に不適格である。さらにプレ・シート40は、不適格なほど厚く、かつプレ・シートの幅方向の厚さが管理されておらず変化もしている。
【0037】
塊り38および付帯しているプレ・シート40が延伸炉16の出口から十分な距離降下して塊り38に対してアクセスが可能になると、プレ・シートをガラス流の幅方向に罫書き、かつ塊り38をポキッと折り割るようなことによって塊り38が切除される。図6に示されているような一対のストレッチングアーム42がプレ・シート40に向かって内方へ移動せしめられ、プレ・シートの各縁部の長さ全体に亘ってプレ・シートに接触する。ストレッチングアーム42はいかなる適当な方法によって内方へ移動せしめられてもよい。例えばストレッチングアーム42は空圧あるいは油圧で操作される。ストレッチングアーム42がモータで操作されてもよく、その場合、ねじの一端がストレッチングアームに取り付けられ、ねじの他端がモータに取り付けられかつ固定ナット内で回動されるようにすればよい。ストレッチングアーム42は、これらストレッチングアームがプレ・シートに接触する地点まで内方へ移動せしめられ、そこでプレ・シートが各ストレッチングアームに接着する。次にストレッチングアームは、好ましくは同期的かつ対称的に(同一速度で)外方へ移動せしめられてプレ・シートの幅を広げ、所定の幅を有するガラスシートを形成する。次にストレッチングアームは下方へ移動せしめられ、ガラスシートがエッジローラ20と係合するまでガラスシートを下方へ延伸する。
【0038】
本実施の形態の各ストレッチングアームは、空圧または油圧アクチュエータ44と、このアクチュエータに連結されたコンタクトバー46を備えている。アクチュエータ44はコンタクトバー46をプレ・シート40に向かって内方へ移動させることによってコンタクトバー46をプレ・シート40に接触させるように動作する。図示のストレッチングアーム42は、延伸炉を出たガラス流の長さ方向に沿ってストレッチングアームをモータ50によって上下に移動させることができるキャリッジ・アセンブリ48上に取り付けられている。
【0039】
ストレッチングアームによってプレ・シート40がガラスシート52に延伸されると、ガラスシート52はエッジローラ20に係合し、ストレッチングアームはガラスシートのエッジから離される。ストレッチングアームは、例えばストレッチングアームをガラスシートの平面から外方へ回転させることによって、ガラスシートのエッジから離され、これによって、ストレッチングアームのコンタクトバー部分とガラスとの間の接合を破壊してコンタクトバー46を離すのに十分なトルクが接合部に加えられる。各コンタクトバーは、ガラスに接着するが、ガラスから容易に離されることもできる材料からなることが好ましい。コンタクトバー46は白金からなることが好ましい。
【0040】
図7に示されているように、エッジローラ20は、少なくとも2対の対向ローラの組で構成され、対向するエッジローラの各対はガラスシートの両側に配置され、モータ(図示せず)によって駆動される。一組のエッジローラは少なくとも4個のローラを備え、ガラスシートの各側に2個の対向ローラを有する。エッジローラ20は、ガラスシート52の各側の部分54に沿ってガラスシート52に係合して、ガラスシート52に対して下方へ向かう力を加え、これにより、加熱されたプリフォームからガラスシートを延伸する。エッジローラ20はまた、ガラスシートの両エッジ部を冷却し、したがってガラスシートの両エッジ部を硬化させる。エッジローラ20は、例えば単数または複数の通路(図示せず)を通じて冷媒が各ローラ内に注入されることによって冷却される。冷媒は、例えば空気または水である。ガラスシートを良く掴むために、エッジローラ20は、図7に示されているように歯付きまたは畝付きがよいが、ガラスシートに対し高いトルクを容易に与えることができる他の表面状態を有するものでもよい。
【0041】
本発明は、例えばガラススートの堆積によるプリフォームの形成時点から塊りの垂下までガラスの外表面が他の物の表面に触れないことから、CVDで形成されるプリフォームの場合に特に効果がある。すなわち、ガラスシートになるガラスの表面の大部分が物に触れないままで残っている。したがって、延伸されたガラスシートの広い両面(外面)が清純である。ストレッチングアームおよび/またはエッジローラが接触したエッジに沿った「ビード」と呼ばれるガラスシート部分54は、後にガラスシートから取り除かれる。
【0042】
ガラスシート52が下方へ延伸されるに従って、ガラスシートの厚さは、ガラスシートが所定の厚さに達するまで薄くされる。ガラスシートの厚さは、特に、プリフォームからシートが延伸される速度(すなわち、エッジローラとガラスシートとの間の接触点におけるエッジローラの直線的速度)と、プリフォームが延伸炉内に供給される速度(ダウンフィードスピード)と、延伸炉の温度とに関係する。ガラスシートと最初の組のエッジローラとの間の接触時点においては、ガラスシートが必ずしも完全に形成されていること、例えば所定の厚さに達していることを要しない。最初の組のエッジローラに接触した後にガラスシートの厚さがさらに薄くされ得るように、最初の組のエッジローラに接触した後にもガラスシートが或る粘度を有することは本発明の範囲内である。例えばガラスシートが約1mm未満の厚さを有するような極めて薄いガラスシートが望まれる場合に、このことは特に重要である。したがって、ガラスシートの厚さを所望の厚さに薄くすることの必要性に応じてさらなる組のエッジローラがガラスシートの通路に沿って配置される。本発明により延伸され得るガラスシートの厚さの上限は一般にプリフォームの厚さによって決定されるが、本発明により延伸されるガラスシートの厚さは約4mmよりも薄いことが好ましく、約1mmよりも薄いことがより好ましく、約0.7mmよりも薄いことが最も好ましい。本発明により延伸されるガラスシートは、厚さが約100μmよりも薄くなるまでも延伸可能である。
【0043】
ガラスシートの厚さは、延伸工程の一部として随意的に計測され、この計測は、例えばプリフォームの降下速度、またはエッジローラの回転速度の制御に用いられる。ガラスシートの厚さは、図1に参照番号22によって示されたレーザー・マイクロメータのような適当な計測装置によって計測することができる。コントローラに入力されたガラスシートの厚さに関する所定の設定点に基いて計測装置22によってエラー信号が形成される。このエラー信号は、コントロールライン58を通じてコントローラ56に伝えられる。コントローラ56は、例えばコンピュータであり得る。次にコントローラ56は、所定の指示(コンピュータ・プログラムのような)に従って、下方フィード速度、エッジローラの回転速度および/またはトルク、または炉の温度、またはそれらの組み合わせを調節して、計測装置22からのエラー信号を小さくし、したがってガラスシートの厚さを修正する。
【0044】
延伸されたガラスシートの回収態様は、一部はガラスシート厚さに左右される。例えば、もしガラスシートが数十マイクロメートル台の厚さを有するならば、ガラスシートは、図1に示されたバルクスプール28に効果的に巻き取られ、後にそこから所定のサイズの個々のパネルが裁断される。あるいは、延伸炉と支持構造の底部(例えば床面)との間の垂直距離よりも長い距離だけガラスを延長することが可能なように、例えばガラスの流れの最下部においてガラスの流れの方向を垂直から水平に変えることによって、ガラスの流れの方向が変えられ、ガラスシートの個々のパネルが流れから裁断することが可能になるまでガラスの流れを水平方向に搬送する。
【0045】
一方、ガラスシートが、ガラスシートを巻き取ろうとするとガラスシートが割れるような厚さ、例えば1mmを超える厚さを有する場合には、延伸工程中に所定のサイズの個々のパネルに裁断されなければならない。ガラスシートの個々のパネルへの裁断は、ガラスシートの罫書きおよび折割り、またはレーザーカッティングを含む当業者に知られている旧来の方法によって達成できる。
【0046】
ガラスシートの表面を保護するために、ガラスシートは、延伸工程中に例えばアクリレートコーティングを施すことによりコーティングされる。このようなコーティングは、例えばコーティングダイ24を内部に備えた液体コーティング槽を通してガラスを延伸することによって施される。ダイ24は加圧されているのがよい。あるいは、液体コーティングはガラスの表面へのスプレーにより行なってもよい。この液体コーティングは片面または両面に施される。その後、液体コーティング膜は、コーティング形式に応じて硬化装置26によって硬化される。例えば硬化装置26は、加熱により(サーマルキュア)硬化されるコーティング膜のためのオーブンであり、あるいは硬化装置26は、コーティング膜を紫外線に曝すこと(フォトキュア)によってコーティング膜を硬化させることもできる。
【0047】
さらに保護コーティングは、液体コーティング代わりに、図8に示されているように、延伸されるときのガラスシートにプラスチックフィルムを例えば圧着によりガラスシートの広い表面に固体保護層を施すことによっても提供することが可能である。図8は、本発明により延伸されるガラスシート52の側面図である。例えば、図8に示されているように、適当なプラスチックフィルム60がバルクロール62からフィードされ、第1の貼付ローラ64によってガラスシート52に圧着される。図8は、プラスチックフィルムがガラスシートの片面に貼付される状態を示す。しかしながら、プラスチックフィルム60は、図示のように第2のバルクロール66および第2の貼付ローラ68によって容易にガラスシートの両面に貼付可能である。ガラスシート52の片面のみに固体プラスチックフィルムを貼付する場合にも、第1の貼付ローラ64によるガラスシート52の移動を防止するために、背後から力を作用させる第2の貼付ローラ68を第2のプラスチックフィルムを伴うことなしに設けることが望ましい。
【0048】
好ましい実施の形態においては、図9に示されているように、延伸炉16は複数の個別的加熱素子70を備えている。図9には多数の加熱素子が示されているが、必要に応じて、より少ない数の行および列をなす加熱素子を用いてもよい。図9は延伸炉の正面図(または側面図)である。図10は、本実施の形態による延伸炉を上方から視た横断面図を示し、炉は長方形の中空断面を有する。しかしながら、必要に応じて他の断面形状も採用可能であるが、長方形の構造が好ましい。多くの加熱素子70が示されている。個別的加熱素子70は炉の幅全体に亘って直線的に、すなわち一行または一列に配置され、あるいは個別的加熱素子70は、多数行および/または多数列の個別的加熱素子を備えた格子または行列状に配置される。個々の加熱素子は、独立的に温度が調整されるように、例えばコントローラ56によって独立的に制御されることが好ましい。温度が独立的に制御される個別的加熱素子を用いることは、ガラスシートに特定の空間的温度分布を与えることを容易にすることによって、より大きな融通性を延伸工程に提供し、これによって、ガラスシートの幅方向の一様でない温度分布によるガラスシートの反りなどの温度関連の欠陥が低減される。ガラスは、矢印71で示された方向に延伸される。多数のかつ個別的に制御される加熱素子が採用された場合、コントローラ56は個々の加熱素子の温度をも制御して、ガラスプリフォームに印加される温度分布を調整する。
【0049】
炉の温度の垂直方向の変化は、ガラスシートの冷却度合いの制御をも容易にし、これによって、延伸工程中のシートの内部応力を除去するためにガラスシートに限定されたアニールを施すことを可能にする。さらに、ガラスシートにさらなるアニールを施すために、随意的なアニール炉72を設けてもよい。アニール炉72は、図1に示されているように延伸炉16に連結されていても、あるいはアニール炉72が延伸炉16から離れていてもよい。
【実施例1】
【0050】
665℃のひずみ点を有するガラスからなるプリフォームを、ここに開示されている発明によって延伸した。このガラスプリフォームは幅59mm×厚さ3mmの長方形断面を有していた。このガラスプリフォームを、15mm/分の速度(ダウンフィード速度)をもって抵抗加熱延伸炉のホットゾーンを通って降下させ、プリフォームの下縁部を1225℃の温度まで加熱した。ガラスの塊りが形成されかつ垂下し、次いで罫書きおよび折割りによって塊りをプレ・シートから分離させた。白金製ストレッチングアームによりプレ・シートを最初に拡幅した後、ガラスシートの各側部に各一対の対向エッジローラを係合させた一組のエッジローラを用いてガラスシートを延伸した。エッジローラはガラスシートを150mm/分の割合で延伸した。延伸されたガラスシートの最終的な厚さは1mm、幅25mmであった。最終的なガラスシートを600℃の温度で4時間アニールを施した。アニール後、ガラスシートは53ppm の収縮を示した。
【実施例2】
【0051】
800℃のひずみ点を有するガラスからなるプリフォームを、ここに開示されている発明によって延伸した。このガラスプリフォームは幅59mm×厚さ3mmの長方形断面を有していた。このガラスプリフォームを、15mm/分の速度(ダウンフィード速度)をもって抵抗加熱炉のホットゾーンを通って降下させ、プリフォームの下縁部を1300℃の温度まで加熱した。ガラスの塊りが形成されかつ垂下し、次いで罫書きおよび折割りによって塊りをプレ・シートから分離させた。白金製ストレッチングアームによりプレ・シートを最初に拡幅した後、ガラスシートの各側部に各一対の対向エッジローラを係合させた一組のエッジローラを用いてガラスシートを延伸した。エッジローラはガラスシートを150mm/分の割合で延伸した。延伸されたガラスシートの最終的な厚さは1mm、幅25mmであった。最終的なガラスシートを600℃の温度で4時間アニールを施した。アニール後、ガラスシートは3ppm の収縮を示した。
【0052】
本発明の精神および範囲から離れることなしに種々の変形および変更が可能なことは当業者には明らかであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内でなされた本発明の変形および変更をカバーすることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】プリフォームからガラスシートを延伸するのに用いられる個々の要素を備え た延伸タワーを示す図
【図2】ガラスプリフォームの保持状態を示す本発明の実施の形態によるプリフォー ム支持アセンブリの拡大図
【図3】ガラスプリフォーム、追従ガラス(プレ・シート)および塊りを示す図
【図4】図3の4−4線に沿った断面図
【図5】図3の5−5線に沿った断面図
【図6】本発明によるストレッチングアームの拡大図
【図7】ガラスシートに下方へ引っ張る力を加える2対の対向エッジローラを示す一 組のエッジローラの斜視図
【図8】延伸中のガラスシートへの固体プラスチックフィルムの貼付工程を示す側面 図
【図9】個々にかつ独立的に制御可能な加熱素子を示す本発明の実施の形態による延 伸炉の正面図
【図10】本発明の実施の形態による延伸炉の横断面図
【符号の説明】
【0054】
10 ガラスシート延伸装置
12 延伸タワー
14 プリフォーム支持アセンブリ
16 延伸炉
18 ストレッチングアーム・アセンブリ
20 エッジローラ
22 計測装置
24 コーティングダイ
26 硬化装置
28 バルクスプール
30 ガラスプリフォーム
38 塊り
40 プレ・シート(後引きガラス)
42 ストレッチングアーム
46 コンタクトバー
48 キャリッジ・アセンブリ
52 ガラスシート
56 コントローラ
60 プラスチックフィルム
70 加熱素子
72 アニール炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個のガラスプリフォームを提供し、
該ガラスプリフォームを炉内で加熱して1個の塊りおよび1枚のプレ・シートを形成し、
前記塊りを前記プレ・シートから切り離し、
該プレ・シートを所定の幅に拡げ、
該プレ・シートを、所定の厚さを有する1枚のガラスシートに延伸する、
諸工程を含むことを特徴とする、ガラスシートの形成方法。
【請求項2】
前記延伸工程は、前記プレ・シートにストレッチングアームを接触させ、かつ該ストレッチングアームを前記ガラスシートの流れ方向と直角な方向に移動させることを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記延伸工程は、前記ストレッチングアームが前記プレ・シートに接触している間に、前記ストレッチングアームを、前記プレ・シートが細長くなるように該プレ・シートの流れの方向と平行な方向に移動させることをさらに含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記延伸工程中に前記ガラスシートに保護コーティングを施すとこを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記ガラスシートをスプールに巻き取る工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2008−508179(P2008−508179A)
【公表日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−523585(P2007−523585)
【出願日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/023982
【国際公開番号】WO2006/023132
【国際公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】