説明

ガラス材の製造方法及びガラス材

【課題】中心軸を有する第1及び第2の曲面を備えるガラス材であって偏心が抑制されたガラス材を、大がかりな装置を要さずに製造し得る方法を提供する。
【解決手段】凸状の第1の部分11a1と、第1の部分11a1と共通の中心軸Cを有し、中心軸C上に位置する凹状の第2の部分11a2とを含む第1の成形面11aを有する第1の成形型11と、第1の成形面11aと対向している第2の成形面12aを有する第2の成形型12とによりガラス母材2を加熱プレスすることによりガラス材1を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子や、光学素子のプリフォームとして使用し得るガラス材の製造方法及びガラス材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レンズなどのガラス光学素子の製造方法として、ガラスプリフォームをリヒートプレスすることによりガラス光学素子を作製する方法が知られている。例えば特許文献1には、加熱溶融したガラス素材を略水平方向に回転させることにより凹形状部を有するガラスゴブ(ガラスプリフォーム)を作製する方法が記載されている。特許文献1には、この方法により作製したガラスゴブを用いることにより、偏心の抑制された凹メニスカス形状のレンズをプレス成形できる旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−222523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、高温に加熱されたガラス素材を回転させなければならないため、ガラスゴブの成形装置が複雑化、大型化し、ガラスゴブの製造コストが上昇するという問題がある。
【0005】
本発明は、中心軸を有する第1及び第2の曲面を備えるガラス材であって偏心が抑制されたガラス材を、大がかりな装置を要さずに製造し得る方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るガラス材の製造方法は、互いに対向する第1及び第2の主面を有し、第1の主面が中心軸を有する凹面からなる凹面部を含み、第2の主面が凹面部と同じ中心軸を有する曲面からなる部分を含むガラス材の製造方法に関する。本発明に係るガラス材の製造方法では、凹面部に対応した凸状の第1の部分と、第1の部分と共通の中心軸を有し、中心軸上に位置する凹状の第2の部分とを含む、第1の主面に対応した形状の第1の成形面を有する第1の成形型と、第1の成形面と対向しており、第2の主面に対応した形状の第2の成形面を有する第2の成形型とによりガラス母材を加熱プレスすることによりガラス材を得る。
【0007】
第2の成形面が第1の部分と共通の中心軸を有する凹面により構成されている場合は、第2の成形型を相対的に下側に配し、第1の成形型を相対的に上側に配することが好ましい。
【0008】
第2の成形面の曲率が第1の部分の曲率よりも小さいことが好ましい。
【0009】
なお、本発明において、「曲率」とは、球面以外の曲面においては、球面に近似した場合の曲率をいうものとする。
【0010】
第2の成形面は、第1の部分と共通の中心軸を有する凸状の部分と、第1の部分と共通の中心軸を有し、中心軸上に位置する凹状の部分とを含んでいてもよい。
【0011】
第2の部分の曲率が第1の部分の曲率以下であることが好ましい。
【0012】
ガラス母材が球状または楕球状であることが好ましい。
【0013】
第1の部分と第2の部分との接続部が曲面により構成されていることが好ましい。
【0014】
ガラス母材を加熱プレスする工程に先立って、第1の成形型と第2の成形型との両方がガラス母材に接触するまで第1及び第2の成形型を近づける工程を行うことが好ましい。
【0015】
第1及び第2の成形型を近づける工程における第1及び第2の成形型の相対的移動速度を、ガラス母材を加熱プレスする工程における第1及び第2の成形型の相対的移動速度よりも大きくすることが好ましい。
【0016】
本発明に係るガラス材は、第1の主面と第2の主面とを有する。第1の主面は、中心軸を有する凹状の第1の部分と、第1の部分と共通の中心軸を有し、中心軸上に位置する凸状の第2の部分とを含む。第2の主面は、第1の主面に対向している。第2の主面は、第1の部分と共通の中心軸を有する。
【0017】
第2の主面は、凸面により構成されていてもよい。
【0018】
第2の主面は、第1の部分と共通の中心軸を有し、凹状の部分と、第1の部分と共通の中心軸を有し、中心軸上に位置する凸状の部分とを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中心軸を有する第1及び第2の曲面を備えるガラス材であって偏心が抑制されたガラス材を、大がかりな装置を要さずに製造し得る方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図3】第1の実施形態において作製されたガラス材の略図的断面図である。
【図4】第1の実施形態において作製されたガラス材の略図的斜視図である。
【図5】比較例に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図6】比較例に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図7】第2の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図8】第2の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図9】第3の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【図10】第3の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0022】
また、実施形態等において参照する各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照することとする。また、実施形態等において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。具体的な物体の寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0023】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。図3は、第1の実施形態において作製されたガラス材の略図的断面図である。図4は、第1の実施形態において作製されたガラス材の略図的斜視図である。なお、図3においては、描画の便宜上、断面にハッチングを附していない。
【0024】
本実施形態では、レンズなどのガラス光学素子や、光学素子を製造するためのガラスプリフォームなどとして用いられるガラス材1(図2〜図4を参照)を製造する方法について説明する。
【0025】
まず、ガラス材1の母材となるガラス母材2を用意する。ガラス母材2の形状は特に限定されないが、ガラス母材2は、偏心がより効果的に抑制されたガラス材1を得る観点からは、例えば球状や楕球状などの、互いに対向している一対の凸面を含む形状を有することが好ましい。
【0026】
ガラス母材2のガラス組成は、製造するガラス材1に要求される特性等に応じて適宜選択することができる。ガラス母材2は、例えば、珪酸塩系ガラス、硼酸塩系ガラス、硼珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、硼リン酸塩系ガラス、弗リン酸塩系ガラス等により構成することができる。
【0027】
次に、ガラス母材2を成形型10を用いて加熱プレス成形することにより、図2〜図4に示されるガラス材1を作製することができる。
【0028】
成形型10は、第1の成形型11及び第2の成形型12を有する。第1の成形型11と第2の成形型12とのうち、第2の成形型12が相対的に下側に配されており、第1の成形型11が相対的に上側に配されている。このため、第2の成形型12が下型を構成しており、第1の成形型11が上型を構成している。
【0029】
第1の成形型11は、第1の成形面11aを有する。第2の成形型12は、第2の成形面12aを有する。第1の成形型11と第2の成形型12とは、互いの成形面11a、12aがx方向に対向するように配置されている。第1の成形型11と第2の成形型12とは、x方向に相対的に変位可能に設けられている。第1の成形型11と第2の成形型12との相対的変位は、第1の成形型11と第2の成形型12との間に配された第3の成形型13によってガイドされる。
【0030】
なお、第1〜第3の成形型11〜13の構成材料は、特に限定されない。第1〜第3の成形型11〜13は、例えば、炭素材料、ステンレスや超鋼などの金属により構成することができる。
【0031】
第1の成形面11aは、第1の部分11a1と、第2の部分11a2と、接続部11a3とを含む。第1の部分11a1は、中心軸Cを有する。第1の部分11a1は、中心軸C上には設けられていない。第1の部分11a1は、凸状である。第1の部分11a1は、球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。
【0032】
第2の部分11a2は、第1の部分11a1と共通の中心軸Cを有する。第2の部分11a2は、凹状である。第2の部分11a2は、球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。第2の部分11a2は、中心軸C上に位置している。第1の部分11a1は、第2の部分11a2を包囲するようにリング状に設けられている。
【0033】
第1の部分11a1と第2の部分11a2とは、接続部11a3により接続されている。接続部11a3は、リング状に設けられている。接続部11a3は、曲面により構成されている。従って、第1の成形面11aは、全体が曲面状に設けられている。
【0034】
第2の成形面12aは、第1の成形面11aとx方向に対向している。本実施形態では、第2の成形面12aは、第1及び第2の部分11a1,11a2と共通の中心軸Cを有する凹面により構成されている。第2の成形面12aは、球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。
【0035】
次に、ガラス母材2を第1の成形型11の第1の成形面11aと、第2の成形型12の第2の成形面12aとの間に配する。具体的には、本実施形態では、第2の成形面12aの上に配する。ガラス母材2を第2の成形面12aの上に配した後に成形型10を加熱してもよいし、予め加熱された成形型10にガラス母材2を配してもよい。なお、成形型10の温度を、ガラス母材2のガラス転移点よりも200℃低い温度以上、ガラス母材2のガラス転移点よりも150℃低い温度以下の温度範囲にすることが好ましい。成形型10の温度が低すぎると、加熱プレス成形時におけるガラス母材2の粘度が高すぎ、得られるガラス材1の表面の形状精度が低くなりすぎる場合がある。成形型10の温度が高すぎると、ガラス母材2が成形型10に融着してしまう場合がある。
【0036】
次に、第1の成形型11と第2の成形型12との両方がガラス母材2に接触するまで第1及び第2の成形型11,12をx方向に沿って近づける。
【0037】
次に、第1の成形型11と第2の成形型12とをx方向に沿ってさらに近づけることによってガラス母材2を加熱プレス成形することによりガラス材1を作製することができる。
【0038】
なお、第1及び第2の成形型11,12を近づける工程における第1及び第2の成形型11,12のx方向における相対的移動速度は、ガラス母材2を加熱プレスする工程における第1及び第2の成形型11,12のx方向における相対的移動速度よりも大きいことが好ましく、ガラス母材2を加熱プレスする工程における第1及び第2の成形型11,12のx方向における相対的移動速度の10倍以上、さらには100倍以上とすることが好ましい。
【0039】
図3及び図4に示されるように、本実施形態において製造されたガラス材1は、第1の主面21と第2の主面22とを有する。
【0040】
第1の主面21は、第1の成形面11aにより形成された面である。このため、第1の主面21は、第1の成形面11aに対応した形状を有する。第1の主面21は、第1の部分(凹面部)21aと、第2の部分21bと、接続部21cとを有する。
【0041】
第1の部分21aは、第1の部分11a1により形成された面である。このため、第1の部分21aと第1の部分11a1とは対応した形状を有する。第1の部分21aは、中心軸Cを有する。第1の部分21aは、中心軸C上には設けられていない。第1の部分21aは、凹状である。
【0042】
第2の部分21bは、第2の部分11a2により形成された面である。このため、第2の部分21bと第2の部分11a2とは対応した形状を有する。第2の部分21bは、第1の部分21aと共通の中心軸Cを有する。第2の部分21bは、凸状である。第2の部分21bは、中心軸C上に位置している。第1の部分21aは、第2の部分21bを包囲するようにリング状に設けられている。
【0043】
接続部21cは、第1の部分21aと第2の部分21bとを接続している。接続部21cは、接続部11a3により形成された面である。このため、接続部21cと接続部11a3とは対応した形状を有する。接続部21cは、リング状に設けられている。接続部21cは、凹状の曲面により構成されている。 第2の主面22は、第1の主面21と対向している。第2の主面22は、第1の部分21aと共通の中心軸Cを有する。第2の主面22は、第2の成形型12の第2の成形面12aにより形成された面である。このため、第2の主面22は、第2の成形面12aに対応した形状を有する。具体的には、第2の主面22は、凸面により構成されている。
【0044】
第1の主面21の第1の部分21aの曲率と、第2の主面22の曲率とは、ガラス材またはガラス材から製造しようとしているガラス素子に要求される光学特性等に応じて適宜設定することができる。従って、第1の成形面11aの第1の部分11a1の曲率と、第2の成形面12aの曲率とも、ガラス材またはガラス材から製造しようとしているガラス素子に要求される光学特性等に応じて適宜設定することができる。第2の部分21bの曲率(第2の部分11a2の曲率)は、第1の部分21a(第1の部分11a1の曲率)以下であることが好ましい。
【0045】
接続部21cの曲率(接続部11a3の曲率)は、0.5mm〜5mmであることが好ましく、1mm〜2mmであることがより好ましい。
【0046】
第2の部分21bの外周の直径D2は、第1の部分21aの外周の直径D1の0.1倍〜0.5倍であることが好ましく、0.2倍〜0.4倍であることがより好ましい。
【0047】
第2の部分21bの高さHは、中心軸Cにおけるガラス材1の厚みTの0.01倍〜0.3倍であることが好ましく、0.05倍〜0.2倍であることがより好ましい。
【0048】
ところで、例えば、図5及び図6に示すように、第1の成形面111aが凸面により構成されており、第2の成形面111bが凹面により構成されている場合は、ガラス母材102が加熱プレスされてなるガラス材101に偏心が生じやすい。これは、ガラス母材102の配置精度が低かったり、あるいは、第1の成形面111aとガラス母材102の凸面同士が接触した状態で加熱プレスが開始されるため、ガラス母材102が配置後に変位したりして、ガラス母材102の中心軸が第1及び第2の成形面111a、111bの中心軸からずれやすいためであると考えられる。
【0049】
それに対して本実施形態では、第1の成形面11aの中心軸C上に位置する部分に、凹状の第2の部分11a2が設けられている。このため、ガラス母材2の加熱プレス成形が始まる前に、凹状の第2の部分11a2と凹状の第2の成形面12aとによりガラス母材2がセンタリングされる。従って、偏心が抑制されたガラス材1を、例えば成形型の回転機構等を有する大がかりな製造装置を要さずして容易に製造することができる。すなわち、第1の主面21に、中心軸C上に位置する凸状の第2の部分21bを有するガラス材1は、例えば成形型の回転機構等を有する大がかりな製造装置を要さずして小さな偏心度で容易に製造し得るものである。
【0050】
偏心がより効果的に抑制されたガラス材1を得る観点からは、第2の部分11a2の曲率が大きいことが好ましい。また、第2の部分11a2の直径を大きくすることが好ましい。具体的には、第2の部分11a2の直径を第1の部分11a1の直径の0.1倍以上とすることが好ましく、第1の部分11a1の直径の0.2倍以上とすることがより好ましい。但し、第2の部分11a2の曲率が大きすぎると、ガラス材1を再度加熱プレス成形することによりメニスカスレンズを製造する際に第1の主面21の形状を大きく変化させる必要がある。従って、第2の部分11a2の曲率(第2の部分21bの曲率)は、第1の部分11a1の曲率(第1の部分21aの曲率)以下であることが好ましい。また、第2の部分11a2の直径は、第1の部分11a1の直径の0.5倍以下であることが好ましく、0.4倍以下であることがより好ましい。
【0051】
また、ガラス材1を再度加熱プレス成形することによりメニスカスレンズを製造する際に第1の主面21の形状を大きく変化させないようにする観点からは、接続部11a3(接続部21c)が曲面により構成されていることが好ましい。
【0052】
また、偏心がより効果的に抑制されたガラス材1を得る観点からは、ガラス母材を加熱プレスする工程に先立って、第1の成形型11と第2の成形型12との両方がガラス母材2に接触するまで第1の成形型11と第2の成形型12とを予め近づけておくことが好ましい。この第1及び第2の成形型11,12を近づける工程における第1及び第2の成形型11,12の相対的移動速度を、加熱プレス工程における第1及び第2の成形型11,12の相対的移動速度よりも大きくすることが好ましい。このようにすることによってガラス材1を製造するために必要な時間を短くすることができる。
【0053】
なお、ガラス母材2の配置の位置精度は、第2の成形面12aの曲率が小さいときほど低くなりやすい。このため、偏心を抑制できる本実施形態の技術は、第2の成形面12aの曲率が小さいとき、例えば、第2の成形面12aの曲率が第1の部分11a1の曲率よりも小さいときに特に有効である。
【0054】
以下、本発明の好ましい実施形態の他の例について説明する。以下の説明において、上記第1の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
【0055】
(第2の実施形態)
図7及び図8は、第2の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【0056】
第1の実施形態では、図2に示されるように、ガラス材1の側面が第3の成形型13に当接しないようにガラス材1を成形する例について説明した。
【0057】
それに対して第2の実施形態では、図7及び図8に示されるように、ガラス材1の側面が第3の成形型13に当接するようにガラス材1を成形する。このようにすることにより、ガラス材1の偏心をより効果的に抑制することができる。
【0058】
(第3の実施形態)
図9及び図10は、第3の実施形態に係るガラス材の製造工程を説明するための略図的断面図である。
【0059】
第1の実施形態では、第2の成形面12aが凹面により構成されており、ガラス材1の第2の主面22が凸面により構成されている例について説明した。
【0060】
それに対して第3の実施形態では、第2の成形面12aは、第1の部分12a1と、第2の部分12a2と、接続部12a3とを含む。第1の部分12a1は、第1の部分11a1と共通の中心軸Cを有する。第1の部分12a1は、中心軸C上には設けられていない。第1の部分12a1は、凸状である。第1の部分12a1は、球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。
【0061】
第2の部分12a2は、第1の部分12a1と共通の中心軸Cを有する。第2の部分12a2は、凹状である。第2の部分12a2は、球面状であってもよいし、非球面状であってもよい。第2の部分12a2は、中心軸C上に位置している。第1の部分12a1は、第2の部分12a2の周囲に配されている。第1の部分12a1は、第2の部分12a2を包囲するようにリング状に設けられている。
【0062】
第1の部分12a1と第2の部分12a2とは、接続部12a3により接続されている。接続部12a3は、リング状の曲面により構成されている。従って、第2の成形面12aは、全体が曲面状に設けられている。
【0063】
このため、第3の実施形態において製造されたガラス材1の第2の主面22は、第1の部分22aと、第2の部分22bと、接続部22cとを有する。
【0064】
第1の部分22aは、第1の部分12a1により形成された面である。このため、第1の部分22aと第1の部分12a1とは対応した形状を有する。第1の部分22aは、第1の部分21aと共通の中心軸Cを有する。第1の部分22aは、中心軸C上には設けられていない。第1の部分22aは、凹状である。
【0065】
第2の部分22bは、第2の部分12a2により形成された面である。このため、第2の部分22bと第2の部分12a2とは対応した形状を有する。第2の部分22bは、第1の部分22aと共通の中心軸Cを有する。第2の部分22bは、凸状である。第2の部分22bは、中心軸C上に位置している。第1の部分22aは、第2の部分22bを包囲するリング状に設けられている。
【0066】
接続部22cは、第1の部分22aと第2の部分22bとを接続している。接続部22cは、接続部12a3により形成された面である。このため、接続部22cと接続部12a3とは対応した形状を有する。接続部22cは、リング状に設けられている。接続部22cは、凹状の曲面により構成されている。
【0067】
第3の実施形態においても、第1及び第2の成形面11a、12aの中心軸C上に位置する部分に、それぞれ凹状の第2の部分11a2,12a2が設けられている。このため、ガラス母材2の加熱プレス成形が始まる前に、凹状の第2の部分11a2,12a2によりガラス母材2がセンタリングされる。従って、偏心が抑制されたガラス材1を、例えば成形型の回転機構等を有する大がかりな製造装置を要さずして容易に製造することができる。
【符号の説明】
【0068】
1…ガラス材
2…ガラス母材
10…成形型
11…第1の成形型
11a…第1の成形面
11a1…第1の部分
11a2…第2の部分
11a3…接続部
12…第2の成形型
12a…第2の成形面
12a1…第1の部分
12a2…第2の部分
12a3…接続部
13…第3の成形型
21…第1の主面
21a…第1の部分
21b…第2の部分
21c…接続部
22…第2の主面
22a…第1の部分
22b…第2の部分
22c…接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1及び第2の主面を有し、前記第1の主面が中心軸を有する凹面からなる凹面部を含み、前記第2の主面が前記凹面部と同じ中心軸を有する曲面からなる部分を含むガラス材の製造方法であって、
前記凹面部に対応した凸状の第1の部分と、前記第1の部分と共通の中心軸を有し、前記中心軸上に位置する凹状の第2の部分とを含む、前記第1の主面に対応した形状の第1の成形面を有する第1の成形型と、前記第1の成形面と対向しており、前記第2の主面に対応した形状の第2の成形面を有する第2の成形型とによりガラス母材を加熱プレスすることによりガラス材を得る、ガラス材の製造方法。
【請求項2】
前記第2の成形面は、前記第1の部分と共通の中心軸を有する凹面により構成されており、
前記第2の成形型を相対的に下側に配し、前記第1の成形型を相対的に上側に配する、請求項1に記載のガラス材の製造方法。
【請求項3】
前記第2の成形面の曲率が前記第1の部分の曲率よりも小さい、請求項2に記載のガラス材の製造方法。
【請求項4】
前記第2の成形面は、前記第1の部分と共通の中心軸を有する凸状の部分と、前記第1の部分と共通の中心軸を有し、前記中心軸上に位置する凹状の部分とを含む、請求項1に記載のガラス材の製造方法。
【請求項5】
前記第2の部分の曲率が前記第1の部分の曲率以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のガラス材の製造方法。
【請求項6】
前記ガラス母材が球状または楕球状である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のガラス材の製造方法。
【請求項7】
前記第1の部分と前記第2の部分との接続部が曲面により構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のガラス材の製造方法。
【請求項8】
前記ガラス母材を加熱プレスする工程に先立って、前記第1の成形型と前記第2の成形型との両方が前記ガラス母材に接触するまで前記第1及び第2の成形型を近づける工程を行う、請求項1〜7のいずれか一項に記載のガラス材の製造方法。
【請求項9】
前記第1及び第2の成形型を近づける工程における前記第1及び第2の成形型の相対的移動速度を、前記ガラス母材を加熱プレスする工程における前記第1及び第2の成形型の相対的移動速度よりも大きくする、請求項8に記載のガラス材の製造方法。
【請求項10】
中心軸を有する凹状の第1の部分と、前記第1の部分と共通の中心軸を有し、前記中心軸上に位置する凸状の第2の部分とを含む第1の主面と、
前記第1の主面に対向しており、前記第1の部分と共通の中心軸を有する第2の主面と、
を備える、ガラス材。
【請求項11】
前記第2の主面が凸面により構成されている、請求項10に記載のガラス材。
【請求項12】
前記第2の主面が、
前記第1の部分と共通の中心軸を有し、凹状の部分と、
前記第1の部分と共通の中心軸を有し、前記中心軸上に位置する凸状の部分と、
を含む、請求項10に記載のガラス材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−71885(P2013−71885A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214351(P2011−214351)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000232243)日本電気硝子株式会社 (1,447)