説明

ガラス板搬送パレット

【課題】 複数のガラス板が搬送パレットに縦置きで積層された場合でも、これらガラス板の中央近傍に撓みを生じさせることなく、移動においてもガラス板同士の滑動を生じさせることのないガラス板搬送パレットを提供すること。
【解決手段】 パレット本体2は、ガラス板17の底部を支持する載置部2aと、ガラス板17の背面を支持する傾斜部5と、この傾斜部5の両側方に設けたの一対の摺動溝3aを有する支柱3,3とから成り、摺動溝3aはセンターバー10を備えた摺動側枠部材11をそれぞれ上下方向に摺動自在に支持し、センターバー10はガラス板17の左右の長さ方向に延びてガラス板17の前面中央部近傍で密接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属板を横置きに複数枚積層して搬送する搬送パレットが知られており、この種の搬送パレットは、パレット基板の幅方向両端部に複数の支柱を立設し、支柱に設けた切り欠きに嵌合した拘束板をパレット基板上に積載した複数の金属板に載せることにより、複数の金属板の揺れによる金属板の滑動を防止している。(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−30526号公報(段落0010、0011及び図2、4参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、積載荷重に耐えることができる金属板の場合には便利であるが、被搬送体が薄くて大きなガラス板である場合には、積載重量が下のガラス体に加わるので破損しやすく、積載量に制限があった。そこで、パレット基板上に多くのガラス板を積載するためにはガラス板に積載荷重が掛からないように縦置きにする方法が一般的であり、荷崩れ防止のためには積層ガラス体に対して縦横にラッシングベルト等を巻き付けて固定する方法が採られていた。しかしながら、ガラス板を縦置きにした場合には、ガラス板の自重により中央部が撓みやすくきつく縛ってもラッシングベルト等が緩み、搬送中にガラス板同士が滑動して位置ずれを起こし破損する恐れがあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、複数のガラス板が搬送パレットに縦置きで積層された場合でも、これらガラス板の中央近傍に撓みを生じさせることなく、移動においてもガラス板同士の滑動を生じさせることのないガラス板搬送パレットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のガラス板搬送パレットは、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置部と、ガラス板の背面を支持する傾斜部と、該傾斜部の両側方に設けたの一対の摺動溝を有する支柱とから成り、該摺動溝はセンターバーを備えた摺動側枠部材をそれぞれ上下方向に摺動自在に支持し、前記センターバーはガラス板の左右の長さ方向に延びてガラス板の前面中央部近傍で密接していることを特徴としている。
この特徴によれば、ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させた時に生じるガラス板の前面中央部近傍における撓みをセンターバーで抑えることにより、搬送パレットの移動におけるガラス板の破損を未然に防止することができる。また、ガラス板の積層枚数が増減しても、摺動溝に摺動自在に支持された摺動側枠部材を上下方向に摺動させることで対応できる。
【0007】
本発明の請求項2に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1に記載のガラス板搬送パレットであって、前記センターバーと載置部間にはセンターバーの上方移動を阻止するベルトが張設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、ベルトによりセンターバーの上方移動を阻止することにより、ガラス板の前面中央部近傍における撓みを確実に抑えることができる。
【0008】
本発明の請求項3に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1または2に記載のガラス板搬送パレットであって、前記摺動側枠材は前記摺動溝内に嵌合して摺動する摺動軸を備えていることを特徴としている。
この特徴によれば、摺動軸により摺動側枠部材が上下方向に円滑に移動できると共に、センターバーの回動が阻止されガラス板を安定した状態で保持できる。
【0009】
本発明の請求項4に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記載置部、傾斜部およびセンターバーのガラス板に直接接触する部分には緩衝材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、緩衝材によりガラス板を搬送パレットに積層する作業中、および搬送パレットの移動時にガラス板が損傷することを防止できる。
【0010】
本発明の請求項5に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記載置部の両側端にガラス板の横移動を防止する横ズレ防止部材を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、搬送パレットの移動時にガラス板が左右に移動して、ガラス板に横ズレが発生した場合でも、横ズレ防止部材でガラス板の横ズレが防止される。
【0011】
本発明の請求項6に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体にはキャスターが複数設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、搬送パレットを床面に沿って自由な方向に移動させることができるとともに、複数のキャスターによりガラス板に極力振動を与えずに移動が行える。
【0012】
本発明の請求項7に記載のガラス板搬送パレットは、請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス板搬送パレットであって、前記センターバーの前面側に手掛け部を設けたことを特徴としている。
この特徴によれば、手掛け部を利用することでセンターバーの上げ下ろしを円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施例を以下に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1におけるガラス板搬送パレットの正面構造を示す斜視図であり、図2は、ガラス板搬送パレットの背面構造を示す斜視図であり、図3(a)は、センターバーを支柱に取り付ける斜視図であり、図3(b)は、支柱に取り付けられたセンターバーの上下摺動を示す側面図であり、図4(a)は、ガラス板搬送パレットに複数のガラス板を載置する過程を示す側面図であり、図4(b)は、センターバーを下方に移動させガラス板を保持させた状態を示す側面図であり、図4(c)は、ベルトでセンターバーの上方移動を阻止した状態を示す側面図であり、図5(a)は、横ズレ防止部材を搬送ユニット本体に取り付ける過程を示す斜視図であり、図5(b)は、搬送ユニット本体に横ズレ防止部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【0015】
このガラス板搬送パレット(以下、搬送パレット)1は、ガラス板を複数枚縦置きに積層させて搬送可能になっており、ガラス板の運搬及び移動用に使用される台車として利用されている。そこで、本発明の実施例1を図面に基づいて説明すると、図1,図2に示されるように搬送パレット1は、主にガラス板17の底部を支持する載置部2aと、ガラス板17の背面を支持する傾斜部5と、載置部2aの後方位置より立設された支注3と、から構成されるパレット本体2と、支柱3に取り付けられた摺動側枠部材11に軸支されたセンターバー10と、から構成されている。
【0016】
以下、実施例1の説明において、搬送パレット1の正面側を前方とし、搬送パレット1の背面側を後方とし、搬送パレット1の両側方向を左右方向として説明する。なお、載置部2aの上面には緩衝材2bが施されており、ガラス板17の底部が保護されるとともに、ガラス板17の底部の滑り止めとなっている。
【0017】
また、載置部2aの下面には、回動ロック機能を備えたキャスタ18が複数個取り付けられ、パレット本体2を自由な方向に移動可能になっているとともに、複数のキャスタ18によって搬送パレット1が安定的に支持され、ガラス板17に極力振動を与えないようになっている。そして、特に図示しないが所望の位置でキャスタ18の回動をロックすることで、搬送パレット1の移動が安易に行われない構成になっている。
【0018】
そこで、パレット本体2について詳細に説明すると、ガラス板17を支持する傾斜部5は、補強材5cによって枠材が構成され、この補強材5cの前面に載置部2aの前方に向かって傾斜される細板状の傾斜棒5aが複数本(本実施例では4本)取り付けられ、これら傾斜棒5aに立て掛けられるように、前面に緩衝処理が施された傾斜板5bが設けられガラス板17の背面が保護されている。
【0019】
載置部2aの左右端部から傾斜棒5aの左右下端部に沿っては、略L字形の係止部材14,14がそれぞれ設けられ、この左右の係止部材14に後述する横ズレ防止部材15,15が各々取り付けられている。横ズレ防止部材15,15の内面側には緩衝材15cが設けられ、ガラス板17の下部側端側が保護されるようになっている。
【0020】
載置部2aの後方左右端部から上方に向かって立設される支柱3,3の上端部3bは、補強材5cの上部左右端部に嵌合されることで強固に位置固定されている。支柱3,3の中央部には上方から下方に向かって中空の摺動溝3a,3aが形成されており、一部が外方に向けて開口されている。
【0021】
この摺動溝3a,3aには、摺動側枠部材11,11が上下方向に摺動可能に取り付けられ、摺動側枠部材11,11の前方位置には、ガラス板17の左右の長さ方向に延びたセンターバー10が支軸10bにより軸支されて、ガラス板17の前面の中央部近傍で密接している。
【0022】
センターバー10の正面には、中央位置に2つの手掛け部10cが所定間隔離間され設けられており、センターバー10の下面中央位置に係止具10dが設けられている。同様に載置部2aの前端中央位置にも係止具2cが設けられ、これら係止具10d及び係止具2cに帯状のベルト19が掛け渡され、止め具19a,19bでセンターバー10の上方移動を阻止する。
【0023】
次に、摺動側枠部材11,11を支柱3,3に取り付ける過程を具体的に説明すると、図3(a)に示されるように、各摺動側枠部材11は、金属板で形成された側枠板11aと、側枠板11aの後方端部内面側から内方に向かって形成された連結部11bと、連結部11bの端部に上下方向に延設された摺動軸11cと、から構成されている。
【0024】
これら側枠板11aの前方端部間には左右方向に向かって延びるセンターバー10が設けられ、側枠板11aを貫通する支軸10bによって回動自在に軸支されている。センターバー10の背面には、左右の長さ方向に沿って緩衝材に相当する保持材10aが設けられており、ガラス板17の前面にセンターバー10が密接された状態においても、ガラス表面に傷等を生じさせることがなく、しかもセンターバー10の振動がガラス板17に直に伝わらない構成になっている。
【0025】
このようにして、センターバー10が取り付けられた摺動側枠部材11,11を支柱3,3に取り付けるには、まず、各摺動側枠部材11の摺動軸11cの下端を矢印に示されるように、各支柱3の上端部3bの摺動溝3aに向けて挿し込みながら嵌合させていき、さらに下方に摺動させていくことで、各摺動側枠部材11の連結部11bが支柱3の外方に形成された摺動溝3aの開口に摺動可能に嵌合され、支柱3,3に摺動側枠部材11,11が取り付けられる。
【0026】
支柱3に摺動側枠部材11が取り付けられると、図3(b)に示されるように、摺動軸11bおよび連結部11bの移動が摺動溝3a内の上下方向のみに規制されることから、摺動軸11cにより摺動側枠部材11が上下方向に円滑に移動できるととともに、手掛け部10cを利用することで、センターバー10を常に安定した状態で上下に移動させることができ、センターバー10の上げ下ろしを容易に行うことができ、特に、大きなガラス板を載置した場合には便利である。
【0027】
次に、パレット本体2にガラス板17を載置する過程について説明すると、図4(a)に示されるように、単品のガラス板17の背面を傾斜板5bの前面に支持させて、このガラス板17に次々とガラス板17を重ねて載置部2aに載置させていくことで、ガラス板17が複数積層される。なお、本実施例においては特に図示しないが、ガラス板17とガラス板17の間に合紙を挟み込むことで、重なったガラス板17同士を容易に離間可能としている。
【0028】
次いで、ガラス板17を複数積層させたのち、センターバー10の手掛け部10cを利用して、センターバー10を下方に押し下げると、図4(b)に示されるように、摺動溝3aに沿って摺動側枠部材11が下方に移動されていき、センターバー10の保持材10aが徐々に、積層されたガラス板17の最前面に接近していく。
【0029】
そして、図4(c)に示されるように、ガラス板17の最前面の中央近傍位置で保持材10aが密接されるとともに、センターバー10および摺動側枠部材11の自重でガラス板17の中央近傍位置が抑えられることで、積層されたガラス板17の全体が保持されるとともに、センターバー10の回動も阻止されるので、ガラス板17を常に安定した状態で保持できる。
【0030】
このように、ガラス板17をパレット本体2に縦置きに複数枚積層支持させた時に生じるガラス板17の前面中央部近傍における撓みがセンターバー10で抑えられることにより、搬送パレット1の移動におけるガラス板17の破損を未然に防止することができる。また、ガラス板17の積層枚数が増減しても、摺動溝3aに摺動自在に支持された摺動側枠部材11を上下方向に摺動させることで、保持部材10aをガラス板17の前面中央部近傍位置に密接させることができる。
【0031】
さらに、積層された複数のガラス板17の保持状態を保つためにセンターバー10の係止具10dから載置部2aの係止具2cにベルト19が掛け渡され、ベルト19を張架させた状態を保ちながら止め具19a,19bで固定させることで、センターバー10および摺動側枠部材11の上方への移動が規制されている。このように、ベルト19によりセンターバー10の上方移動を阻止することにより、センターバー10の位置が確保される。
【0032】
なお、上記の説明においてガラス板17に直接接触する載置部2aには緩衝材2b、および傾斜板5bには図示しない緩衝材、センターバーには緩衝材に相当する保持材10aが設けられていることから、これら緩衝材および保持材によってガラス板17を搬送パレット1に積層を行う作業中、および搬送パレット1の移動時にガラス板17の損傷が生じないように未然に防止されている。
【0033】
次に、パレット本体2に積載されたガラス板17の左右側面の下端部近傍位置に設けられた横ズレ防止部材15,15(図1参照)について説明すると、図5(a)に示されるように、横ズレ防止部材15のガラス板17面側である内面には緩衝材15cが設けられ、下面には下向きピン15bが所定間隔離間されて設けられ、背面には後方に向かって段付ピン15aが所定間隔離間されて設けられている。
【0034】
載置部2aの右端部から傾斜棒5aの右側端に沿って、側面視逆L字形の係止部材14が設けられており、この係止部材14の載置部2a側には係止穴14bが形成され、傾斜棒5a側には鍵穴14aが2つ形成されている。そこで、横ズレ防止部材15の段付ピン15aを矢印に示されるように鍵穴14aに挿し込み、さらに下方に向けて移動させていくことで、下向きピン15bが矢印に示されるように係止穴14bに差し込まれて嵌合される。
【0035】
そして、図5(b)に示されるように、横ズレ防止部材15が確実にパレット本体2に固定される。なお、載置部2aの左端部にも係止部材14が同様に設けられ、横ズレ防止部材15が取り付けられるので説明は割愛する。このように、載置部2aの両側端に横ズレ防止部材15,15が設けられることで、例えば、搬送パレット1の移動時にガラス板17が左右に移動されて、ガラス板17に横ズレが発生した場合でも、横ズレ防止部材15,15でガラス板17の横ズレが防止されるとともに、横ズレ防止部材15,15の内面側に緩衝材15cが設けられているので、ガラス板17の側端が安全に保護される。
【0036】
以上の説明により実施例1では、複数のガラス板17が縦置きで搬送パレット1に積層された場合でも、これらガラス板17の中央近傍にセンターバー10が密接されることで、ガラス板17の中央近傍に撓みを生じさせることなく、搬送パレット1の移動においてもガラス板17同士の滑動を発生させず、さらに、横ズレ防止部材15によってガラス板17の横ズレも生じさせないことから、ガラス板17に損傷を生じさせることがなく、安全にガラス板17の搬送を行える。
【実施例2】
【0037】
次に、本発明の実施例2を図6に基づいて説明する。図6は、搬送パレットを搬送ボックスに収納した状態を示す断面図である。なお、以下の実施例2において前述の実施例1と同様の構造部分に関しては、同一の符号を付すことにより詳細な説明は省略することにする。
【0038】
図6に示されるように、断面上向きコ字状のボックス本体21と蓋部材22とから構成される搬送ボックス20内には、上述した搬送パレット1が2体収納され、キャスタ18がロックされている。ボックス本体21の内周面には、搬送パレット1の前後左右面を保護する薄板状の緩衝材21aが設けられ、ボックス本体21の下面には支持受部材23が設けられており、凹部23aが所定間隔離間され形成され、床面24に設置されている。
【0039】
蓋部材22の下面には、搬送パレット1の上端を保護する緩衝材22aが設けられ、この蓋部材22をボックス本体21に取り付けると、搬送パレット1の支柱3の上端部3bが緩衝材21aによって支持されるので、搬送パレット1の上部が緩衝材21aで固定され、下部がキャスタ18で位置固定されている。
【0040】
以上の説明により実施例2では、例えば図示しないホークリフト等の支持棒が支持受部材23の凹部23aに差し込まれ、搬送ボックス20が持ち上げられた時や、トラック等に搬送ボックス20が収納され輸送された時に、搬送ボックス20に振動や衝撃が加わった場合であっても、実施例1と同様に搬送パレット1に縦置きで複数積層されたガラス板17の前面中央近傍には、常にセンターバー10が密接されているので、ガラス板17の中央近傍に撓みを生じさせず、ガラス板17同士の滑動を生じさせることなく安全に搬送される。
【0041】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれ、例えば上記実施例では、左右の摺動側枠部材11,11とセンターバー10とが別体で組み立てられることで、パレット本体の左右の長さが長い場合であっても、長さの違うセンターバーを交換することで適宜対応できることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、左右の摺動側枠部材とセンターバーとが一体に形成された部材を用いても良い。
【0042】
また、上記実施例では、摺動側枠部材11,11に摺動軸11cを備え、支柱3,3の中央部上下に摺動溝3aを設け、摺動溝3aと摺動軸11cを摺動可能に嵌合させ、安定して摺動側枠部材11,11を上下方向に摺動させることができることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、支柱の外方に上下方向に延びる凸条を設け、摺動側枠部材に上下方向に形成された凹溝を設けて、両者(凸条,凹溝)を嵌合させ、摺動側枠部材を摺動移動可能にしても良いことは言うまでもなく、摺動側枠部材を支柱に上下に円滑に摺動可能であれば他の構成を用いても良い。
【0043】
更に、上記実施例では、センターバー10が支軸10bによって回動自在に軸支されているので、センターバー10が強く押し下げられた場合でも回動することでガラス板に対する負荷を避けることができ好ましいが、回動せずに摺動側枠部材11,11にセンターバー10を直接固定しても、ガラス板の中央部の撓みを防ぐという本発明の目的を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施例1におけるガラス板搬送パレットの正面構造を示す斜視図である。
【図2】ガラス板搬送パレットの背面構造を示す斜視図である。
【図3】(a)は、センターバーを支柱に取り付ける斜視図であり、(b)は、支柱に取り付けられたセンターバーの上下摺動を示す側面図である。
【図4】(a)は、ガラス板搬送パレットに複数のガラス板を載置する過程を示す側面図であり、(b)は、センターバーを下方に移動させガラス板を保持させた状態を示す側面図であり、(c)は、ベルトでセンターバーの上方移動を阻止した状態を示す側面図である。
【図5】(a)は、横ズレ防止部材を搬送ユニット本体に取り付ける過程を示す斜視図であり、(b)は、搬送ユニット本体に横ズレ防止部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施例2におけるガラス板搬送パレットを搬送ボックスに収納した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 搬送パレット(ガラス板搬送パレット)
2 パレット本体
2a 載置部
2b 緩衝材
2c 係止具
3 支柱
3a 摺動溝
3b 上端部
5 傾斜部
5a 傾斜棒
5b 傾斜板
5c 補強材
10 センターバー
10a 保持材
10b 支軸
10c 手掛け部
10d 係止具
11 摺動側枠部材
11a 側枠板
11b 連結部
11c 摺動軸
14 係止部材
14a 鍵穴
14b 係止穴
15 横ズレ防止部材
15a 段付ピン
15b ピン
15c 緩衝材
17 ガラス板
18 キャスタ
19 ベルト
19a、19b 止め具
20 搬送ボックス
21 ボックス本体
21a 緩衝材
22 蓋部材
22a 緩衝材
23 支持受部材
23a 凹部
24 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板をパレット本体に縦置きに複数枚積層支持させて搬送するガラス板搬送パレットであって、前記パレット本体は、ガラス板の底部を支持する載置部と、ガラス板の背面を支持する傾斜部と、該傾斜部の両側方に設けたの一対の摺動溝を有する支柱とから成り、該摺動溝はセンターバーを備えた摺動側枠部材をそれぞれ上下方向に摺動自在に支持し、前記センターバーはガラス板の左右の長さ方向に延びてガラス板の前面中央部近傍で密接していることを特徴とするガラス板搬送パレット。
【請求項2】
前記センターバーと載置部間にはセンターバーの上方移動を阻止するベルトが張設されている請求項1に記載のガラス板搬送パレット。
【請求項3】
前記摺動側枠材は前記摺動溝内に嵌合して摺動する摺動軸を備えている請求項1または2に記載のガラス板搬送パレット。
【請求項4】
前記載置部、傾斜部およびセンターバーのガラス板に直接接触する部分には緩衝材が設けられている前記請求項1乃至3のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
【請求項5】
前記載置部の両側端にガラス板の横移動を防止する横ズレ防止部材を設けた請求項1乃至4のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
【請求項6】
前記パレット本体にはキャスターが複数設けられている請求項1乃至5のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。
【請求項7】
前記センターバーの前面側に手掛け部を設けた請求項1乃至6のいずれかに記載のガラス板搬送パレット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−123953(P2006−123953A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−313235(P2004−313235)
【出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(591262366)旭平硝子加工株式会社 (21)
【Fターム(参考)】